JP2018024804A - セルロースアシレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年では、熱可塑性樹脂として植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロースアシレートがある。
平均重合度が100以上350以下のセルロースを酢酸の存在下でアシル化する工程を有し、前記アシル化する工程における酢酸の量は、前記セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であるセルロースアシレートの製造方法である。
前記アシル化する工程の前に、塩酸の存在下で、セルロースを解重合し、重合度が100以上350以下のセルロースを得る工程を更に有する請求項1に記載のセルロースアシレートの製造方法である。
本実施形態に係るセルロースアシレートの製造方法は、平均重合度が100以上350以下のセルロースを酢酸の存在下でアシル化する工程(以下「アシル化工程」とも称する)を有し、前記アシル化する工程における前記酢酸の量は、前記セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
また、本実施形態に係るセルロースアシレートの製造方法は、溶媒(酢酸)量が少ないことから、製造方法全体が環境に優しく、また、反応液を濃くすることができるため、反応釜の利用効率が向上し、収率に優れる。また、目標物の製造単価(コスト)も削減される。
更に、本実施形態に係るセルロースアシレートの製造方法であると、得られるセルロースアシレートにおける酢酸の残留量が少なくなる。
また更に、本実施形態に係るセルロースアシレートの製造方法により、セルロースジアシレート(置換度2.0以上2.5以下)を製造する場合、得られるセルロースジアシレートにおけるテトラヒドロフラン(THF)不溶分が少ない。テトラヒドロフラン(THF)不溶分が少ないと、樹脂成形物における強度に優れる。
アシル化工程では、アシル化触媒(硫酸等の酸触媒など)の存在下で、重合度100以上350以下のセルロースをアシル化する。
具体的には、アシル化工程では、例えば、アシル化触媒、アシル化剤、及びアシル化溶媒を含む溶液にセルロースを浸漬又は分散させた状態で、撹拌しながら、セルロースをアシル化する。なお、アシル化触媒(又はアシル化触媒水溶液)、アシル化剤、及びアシル化溶媒を含む溶液にセルロースを浸漬又は分散させてもよいし、アシル化溶媒にセルロースを浸漬又は分散させた溶液に、アシル化触媒(又はアシル化触媒水溶液)及びアシル化剤を添加してもよい。
アシル化工程における酢酸の量は、セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であり、収率、及び、樹脂成形体の強度の観点から、3質量部以上10質量部以下であることが好ましく、5質量部以上9質量部以下であることがより好ましい。
アシル化剤としては、アシル化で得たいセルロースアシレートの種類に応じて選択される。例えば、セルロースアセテートを得る場合は、アシル化剤として無水酢酸を適用する。また、セルロースアセテートプロピオネートを得る場合は、アシル化剤として、無水酢酸および無水プロピオン酸の2種を適用する。
なお、アシル化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
温度:例えば、10℃以上45℃以下(好ましくは15℃以上40℃以下)
時間:例えば、0.5時間以上10時間以下(好ましくは1時間以上5時間以下)である。
活性化処理の時間(2回処理するときは合計の時間)は、例えば、0.1時間以上20時間以下(好ましくは1時間以上15時間以下)である。
解重合工程は、解重合により高分子量のセルロースを低分子量化し、目的とする分子量のセルロース(重合度が100以上350以下のセルロース)を得る工程である。
具体的には、解重合工程では、例えば、塩酸、溶媒(水、酢酸等の溶媒)を含む溶液に高分子量のセルロースを浸漬又は分散させた状態で、撹拌しながら、高分子量のセルロースを解重合する。なお、塩酸及び溶媒を含む溶液(例えば塩酸水溶液)にセルロースを浸漬又は分散させてもよいし、溶媒を含む溶液にセルロースを浸漬又は分散させた後、塩酸水溶液を添加してもよい。
なお、アシル化の対象となるセルロースには、通常、原料(パルプ)を由来とするヘミセルロース等の異成分も含むことがある。このため、本願明細書では、用語「セルロース」は、ヘミセルロース等の異成分を含むことも意味する。
温度:例えば、50℃以上100℃以下(好ましくは60℃以上95℃以下)
時間:例えば、0.1時間以上10時間以下(好ましくは0.5時間以上5時間以下)である。
なお、本実施形態に係るセルロースアシレートの製造方法においては、重合度が100以上350以下のセルロースの反応性が高いため、アシル化剤の量等を調整することにより、目的とする置換度のセルロースアシレートをアシル化工程により直接製造してもよい。
脱アシル化工程は、脱アシル化(加水分解又はケン化)により、アシル化工程でアシル化したセルロース(以下「一次セルロースアシレート」とも称する)の置換度を調整し、目的とする置換度のセルロースアシレート(以下「二次セルロースアシレート」とも称する)を得る工程である。
温度:例えば、15℃以上45℃以下(好ましくは20℃以上40℃以下)
時間:例えば、1時間以上100時間以下(好ましくは2時間以上48時間以下)である。
この場合、塩酸水溶液を加える前に、残存したアシル化剤を失活させるため、水、または、水とアシル化溶媒(アルキルカルボン酸)の混合液等の失活剤を溶液に加える。この失活剤は、少なくとも一種の中和剤を含んでもよい。
中和剤としては、アルカリ金属化合物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸塩など)、アルカリ土類金属化合物(水酸化カルシウム等の水酸化物;炭酸カルシウム等の炭酸塩;酢酸カルシウム等の有機酸塩など)などの塩基が挙げられる。
以下、本実施形態に係るセルロースアシレートの製造方法で製造されるセルロースアシレート(以下「本実施形態に係るセルロースアシレート」とも称する)の好適な特性について説明する。
ただし、本実施形態に係るセルロースアシレートの特性は、上記特性に限られず、セルロースアシレートの使用目的に応じて選択される。
まず、セルロースアシレートの重量平均分子量を、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ装置(GPC装置:東ソー(株)製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定する。
次いで、セルロースアシレートの構成単位分子量で割ることで、セルロースアシレートの重合度を求める。なお、例えば、セルロースアシレートの置換基がアセチル基の場合、構成単位分子量は、置換度が2.4のとき263、置換度が2.9のとき284となる
そして、置換度は、1H−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアシル基由来ピークの積分比から測定する。
以下、本実施形態に係るセルロースアシレートを使用した樹脂組成物(以下「本実施形態に係る樹脂組成物」とも称する)について説明する。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳、クエン酸エステル、ステアリン酸エステル、金属石鹸、ポリオール、ポリアルキレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物が好ましく、アジピン酸エステル含有化合物がより好ましい。
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
RAE3は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上20以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2が表すポリオキシアルキル基[−(CxH2X−O)y−RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RA1が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(EE)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
REE1が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE1が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE1が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアシレートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE1が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE1が表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE1としてn−ヘキシレン基(−(CH2)6−)を表す化合物であることが好ましい。
REE2が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE2が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE2が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアシレートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE2が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE2が表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH2)4−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE2としてn−ブチレン基(−(CH2)4−)を表す化合物であることが好ましい。
AEE1、及びAEE2が表すアリール基は、炭素数6以上12以下のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基、又はt−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアラルキル基としては、−RA−Phで示される基である。RAは、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基、又はメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロースアシレートとの親和性が高まりやすくなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HPLC1100を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロースアシレートへの分散性が向上しやすくなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロースアシレートへの分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm3)1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。これらの成分の含有量は、樹脂組成物全体に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記セルロースアシレート以外の他の樹脂を含有していてもよい。但し、他の樹脂は、樹脂組成物全体に占めるセルロースアシレートの比率が前述の範囲となる量とすることが好ましい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物よりなる群から選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、本実施形態のセルロースアシレートの製造方法により得られたセルロースアシレートを含む樹脂組成物を調製する工程を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、セルロースアシレートと、必要に応じて、可塑剤、その他の成分等と、を少なくとも含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
なお、混練の際の温度は、使用するセルロースアシレートの溶融温度に応じて決定すればよいが、熱分解と流動性の点から、例えば、140℃以上240℃以下が好ましく、160℃以上200℃以下がより好ましい。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物を使用した樹脂成形体(以下「本実施形態に係る樹脂成形体」とも称する)について説明する。
本実施形態に係る樹脂成形体の製造方法は、本実施形態の樹脂組成物の製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を有する。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば140℃以上240℃以下であり、好ましくは150℃以上220℃以下であり、より好ましくは160℃以上200℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば30℃以上120℃以下であり、40℃以上80℃以下がより好ましい。射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX500、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
<解重合>
ナス形フラスコに50部の粉末セルロース(日本製紙(株)製、KCフロックW−50GK、重合度1,020)、及び1mol/L塩酸(和光純薬工業(株)製)750部を加えた。撹拌機で撹拌(回転速度75rpm)しながら還流まで加熱し、2時間還流反応させた。反応混合物を放冷後、沈殿物を吸引ろ過し、600部の蒸留水で洗浄した。得られたろ過物を40℃にて真空乾燥し、47部のセルロース(白色固体)を得た(収率94%)。
得られたセルロースの重量平均分子量Mwは、2.5万であった。
なお、分子量については、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にて測定した。
得られたセルロース100部に氷酢酸400部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)400部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃、以下同様)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロース(1)に対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)500部を滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
この溶液に2.54質量%の塩酸水溶液251部を30分間で添加し、24℃にて48時間撹拌した。反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を143部得た(収率88%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の置換度は2.36で、重合度は153であり、重量平均分子量Mwは4.0万であった。
前記セルロースジアセテート粉末1.000gに10.0gのTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0gのTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0gのTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は20mgであり、質量比:2質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の置換度は2.56であった。
<解重合>
実施例1と同様な方法でセルロースの解重合を行った。
解重合を行ったセルロース100部(水酸基のモル数:1.852モル当量)に氷酢酸400部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)400部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロースに対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)156部(1.528モル当量)を90分間でゆっくり滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が25μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を146部得た(収率90%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の置換度は2.42で、重合度は159であり、重量平均分子量Mwは4.2万であった。
前記ジアセテートセルロース粉末1.000部に10.0部のTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0部のTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0部のTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は45mgであり、質量比:4.5質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の置換度は2.76であった。
<解重合>
実施例1と同様な方法でセルロースの解重合を行った。
解重合を行ったセルロース100部に氷酢酸400部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)400部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロースに対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)500部を滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末を167部得た(収率94%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記白色粉末の置換度は3.0で、重合度は153であり、重量平均分子量Mwは4.4万であった。
<活性化>
解重合なしの粉末セルロース(日本製紙(株)製、KCフロックW−50GK、重合度681)200部に蒸留水3,200部を加え、2時間撹拌した後、一晩(16時間)浸漬した。減圧ろ過して得たウェットなセルロース433部に氷酢酸(99.5質量%)3,000部を加え、3時間撹拌した。次に減圧ろ過して酢酸により活性化したセルロース476部を得た。
前記酢酸により活性化したセルロース238部(固形分:100部)に氷酢酸400部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)400部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロース(1)に対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)500部を滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、白濁の液状物を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
この溶液に2.54質量%の塩酸水溶液251部を30分間で添加し、24℃にて48時間撹拌した。
反応液中の沈殿を減圧ろ過により除去し、半透明のろ液を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を93部得た(収率57%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の置換度は2.46で、重合度は67であり、重量平均分子量Mwは17.9万であった。
前記ジアセテートセルロース粉末1.000gに10.0gのTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0gのTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0gのTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は100mgであり、質量比:10質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の置換度は2.78であった。
<活性化>
比較例1に記載の方法と同様にしてセルロースの活性化を行った。
活性化を行った酢酸置換のセルロース238部(固形分:100部)に氷酢酸400部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)400部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロース(1)に対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)156部を90分間でゆっくり滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、白濁の液状物を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿を減圧ろ過により除去し、半透明のろ液を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を81部得た(収率50%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の置換度は2.45で、重合度は672であり、重量平均分子量Mwは17.8万であった。
前記セルロースジアセテート粉末1.000gに10.0gのTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0gのTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0gのTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は120mgであり、質量比:12質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の置換度は2.79であった。
<解重合>
実施例1と同様な方法でセルロースの解重合を行った。
解重合を行ったセルロース100部に氷酢酸200部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)200部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロース(1)に対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)500部を滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
この溶液に2.54質量%の塩酸水溶液251部を30分間で添加し、24℃にて48時間撹拌した。反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を140部得た(収率86%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の置換度は2.39で、重合度は152であり、重量平均分子量Mwは4.0万であった。
前記セルロースジアセテート粉末1.000gに10.0gのTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0gのTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0gのTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は32mgであり、質量比:3.2質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の平均置換度は2.59であった。
<解重合>
実施例1と同様な方法でセルロースの解重合を行った。
解重合を行ったセルロース100部(水酸基のモル数:1.852モル当量)に氷酢酸200部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)200部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロースに対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)156部(1.528モル当量)を90分間でゆっくり滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が25μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を139部得た(収率85%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の平均置換度は2.45で、重合度は155であり、重量平均分子量Mwは4.1万であった。
前記ジアセテートセルロース粉末1.000部に10.0部のTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0部のTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0部のTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は46mgであり、質量比:4.6質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の平均置換度は2.78であった。
<解重合>
実施例1と同様な方法でセルロースの解重合を行った。
解重合を行ったセルロース100部に氷酢酸200部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)200部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロースに対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)500部を滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末を165部得た(収率93%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記白色粉末の平均置換度は3.0で、重合度は153であり、重量平均分子量Mwは4.4万であった。
<解重合>
実施例1と同様な方法でセルロースの解重合を行った。
解重合を行ったセルロース100部に氷酢酸400部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)400部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロースに対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水プロピオン酸(特級、97質量%)637部を滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、半透明の白色液体を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿をデカンテーション法で除去し、反応液の上澄み分を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末を190部得た(収率93%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記白色粉末の置換度は3.0で、重合度は152であり、重量平均分子量Mwは5.0万であった。
<活性化>
比較例1に記載の方法と同様にしてセルロースの活性化を行った。
活性化を行った酢酸置換のセルロース238部(固形分:100部)に氷酢酸1,000部を加えた。次いで、氷酢酸(99.5質量%)1,000部と硫酸(96質量%)8.1部との混合液を加え、撹拌機で室温(24℃)にて1時間撹拌した。なお、この工程において前記セルロース(1)に対する前記硫酸の割合は7.8質量%に相当する。
反応混合物を冷水(13℃)で冷却し、撹拌しながら無水酢酸(特級、97質量%)156部を90分間でゆっくり滴下した。なお、内温は35℃以下に調整した。冷浴を撤去し室温(24℃)にて4時間撹拌し、白濁の液状物を得た。
撹拌後、反応液を冷水(10℃)で冷却し、撹拌しながら酢酸175.5部と蒸留水75部の混合液を30分間で滴下し(内温は35℃以下に調整した)、室温(24℃)にて30分間撹拌した。
反応液中の沈殿を減圧ろ過により除去し、半透明のろ液を8,000部の蒸留水(撹拌)に再沈し、20分間撹拌してから減圧ろ過した。こうして、白色沈殿を得た。
この白色沈澱を8,000部の蒸留水に分散し、15分間撹拌した後減圧ろ過した。この洗浄工程を4回繰り返した。なお、最終の洗浄工程でのろ液はpHが6、電気伝導度が26μS/cmであった。
凍結乾燥により乾燥し、白色粉末(セルロースジアセテート粉末)を95部得た(収率58%)。
1H−NMR測定(DMSO−d6、40℃)の結果、前記セルロースジアセテート粉末の置換度は2.44で、重合度は677であり、重量平均分子量Mwは17.9万であった。
前記セルロースジアセテート粉末1.000gに10.0gのTHFを加えた。溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。上澄みの溶液を分離してから、残りの沈殿部に10.0gのTHFを加えた。沈殿部の溶液を密閉して25℃にて24時間撹拌してから、更に24時間静置した。THFに溶けない沈殿部を濾取し、10.0gのTHFで洗浄した後、真空乾燥した。
収量、つまりTHF不溶分の量は110mgであり、質量比:11質量%であった。
また、1H−NMR測定(DMSO−d6)の結果、THF不溶分の置換度は2.78であった。
また、上記結果から、置換度が2.0以上2.5以下のセルロースアシレートを製造した本実施例では、比較例に比べ、得られるセルロースアシレートにおけるテトラヒドロフラン(THF)不溶分が少ないことがわかる。
平均重合度が100以上350以下のセルロースを酢酸の存在下でアシル化剤によりアシル化する工程を有し、前記アシル化する工程における前記酢酸の量は、前記セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であり、前記アシル化剤が、直鎖状又は分岐鎖状で炭素数2以上6以下のアルキルカルボン酸の無水物、酢酸クロライド、プロピオン酸クロライド、及び、酪酸クロライドよりなる群から選ばれた少なくとも1種であるセルロースアシレートの製造方法である。
請求項2に係る発明は、
平均重合度が100以上350以下のセルロースを酢酸の存在下でアシル化する工程を有し、前記アシル化する工程における前記酢酸の量は、前記セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であり、得られるセルロースアシレートが、セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種であるセルロースアシレートの製造方法である。
前記アシル化する工程の前に、塩酸の存在下で、セルロースを解重合し、重合度が100以上350以下のセルロースを得る工程を更に有する請求項1又は請求項2に記載のセルロースアシレートの製造方法である。
平均重合度が100以上350以下のセルロースを酢酸の存在下でアシル化する工程を有し、前記アシル化する工程における前記酢酸の量は、前記セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であり、得られるセルロースアシレートが、セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種であるセルロースアシレートの製造方法である。
前記アシル化する工程の前に、塩酸の存在下で、セルロースを解重合し、重合度が100以上350以下のセルロースを得る工程を更に有する請求項1に記載のセルロースアシレートの製造方法である。
Claims (2)
- 平均重合度が100以上350以下のセルロースを酢酸の存在下でアシル化する工程を有し、
前記アシル化する工程における前記酢酸の量は、前記セルロースの量1質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である
セルロースアシレートの製造方法。 - 前記アシル化する工程の前に、塩酸の存在下で、セルロースを解重合し、重合度が100以上350以下のセルロースを得る工程を更に有する請求項1に記載のセルロースアシレートの製造方法。
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