JP2018024721A - 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 - Google Patents

筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP2018024721A
JP2018024721A JP2016155500A JP2016155500A JP2018024721A JP 2018024721 A JP2018024721 A JP 2018024721A JP 2016155500 A JP2016155500 A JP 2016155500A JP 2016155500 A JP2016155500 A JP 2016155500A JP 2018024721 A JP2018024721 A JP 2018024721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
writing
ink
ink composition
oil
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016155500A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018024721A5 (ja
Inventor
秀憲 工藤
Hidenori Kudo
秀憲 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp
Original Assignee
Pilot Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp filed Critical Pilot Corp
Priority to JP2016155500A priority Critical patent/JP2018024721A/ja
Publication of JP2018024721A publication Critical patent/JP2018024721A/ja
Publication of JP2018024721A5 publication Critical patent/JP2018024721A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、潤滑性を向上することで、筆記性能を向上する筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具を提供することである。【解決手段】着色剤、有機溶剤、没食子酸エステルを含んでなることを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具に関し、さらに詳細としては、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、潤滑性を向上することで、筆記性能を向上する筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具に関するものである。
従来より、筆記具用油性インキ組成物において、着色剤、有機溶剤、樹脂などを含有した筆記具用油性インキ組成物が提案されている。
このような筆記具用油性インキ組成物としては、特開平6−212111号「油性ボールペン用インキ組成物」、特開平8−41408号「油性ボールペン用インキ組成物および油性ボールペン」、特開平8−134393「ボールペン用油性インキ」が開示されている。
「特開平6−212111号公報」 「特開平8−41408号公報」 「特開2006−8974号公報」
しかしながら、特許文献1、2の油性ボールペン用インキ組成物を用いて筆記具にした場合、チップ材やインキ収容筒として、ステンレス、ブラス、洋白材などの金属類を用いたボ−ルペンチップ本体やインキ収容筒よりマンガンイオン、クロムイオン、銅イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン等の金属イオンが溶出し、インキ成分と反応して金属塩が発生してしまい、筆記不良の原因を起こす課題があった。
さらに、筆記性能を向上するために、特許文献3のように、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリンなどの界面活性剤を用いて潤滑性を向上する技術が多数あるが、この場合、ある程度潤滑性を向上することが可能であるが、インキ中で、金属製のボールペンチップ本体やインキ収容筒などから溶出した金属イオンと反応しやすく、金属塩を発生しやすい。そのため、筆記性能を向上させるために、新たな界面活性剤を用いる場合においても、インキ中での金属塩を抑制する課題がある。
そのため、特許文献1〜3のように、着色剤、有機溶剤、界面活性剤、樹脂などのインキ成分の選定によって、金属製のボ−ルペンチップ本体やインキ収容筒との相性もあり、インキ中で反応して発生した金属塩などの析出物の対処法が非常に重要となる。
本発明の目的は、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、潤滑性を向上することで、筆記性能を向上する筆記具用油性インキ組成物を得ることである。
本発明は、上記課題を解決するために
「1.着色剤、有機溶剤、没食子酸エステルを含んでなることを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。
2.前記没食子酸エステルのアルキル基の炭素数が、1〜18であることを特徴とする第1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
3.前記没食子酸エステルの含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜5.0質量%であること特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
4.前記筆記具用油性インキ組成物に、分岐鎖を有する脂肪酸を含んでなることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
5.前記分岐鎖を有する脂肪酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜10.0質量%であること特徴とする第4項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
6.第1項〜第5項のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物が収容されてなることを特徴とする筆記具。」とする。
本発明は、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制して、筆跡にカスレが発生せず、筆記性能を向上する筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具を得ることができた。
本発明の特徴は、筆記具用油性インキ組成物に、没食子酸エステルを含んでなることを特徴とするものである。
(没食子酸エステル)
本発明で用いる没食子酸エステルについては、没食子酸と、アルコールとから調製されるエステルであり、下記一般式(化1)のように示される。没食子酸エステルを含有することで、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、さらに潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制する両方の効果が得られるが、これについて、詳細説明する。
Figure 2018024721
没食子酸エステルを含有することで、筆記具部材のボールペンチップ本体、インキ収容筒などに、ステンレス、ブラス、洋白材などの金属類を用いた場合において、ボ−ルペンチップ本体、インキ収容筒よりマンガンイオン、クロムイオン、銅イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン等の金属イオンが溶出し、インキ成分と反応して金属塩を発生する前に、没食子酸エステルの−OHが、ボ−ルペンチップ本体やインキ収容筒などの金属類や、インキ中の金属イオンと適当なモル比で金属錯体を形成し、金属塩析出物を抑制すると推測する。特に、ボールペンの場合は、ボールペンチップ本体とボールの隙間より、経時的な吸湿による金属イオンの溶出の影響も考えられるので、没食子酸エステルを含有することは、より効果的である。
さらに、没食子酸エステルを含有することで、潤滑性を向上する効果も得られる。これは、没食子酸エステルの−OHが、ボ−ルペンチップ本体やボールなどの金属類の表面に吸着し、前記没食子酸エステルのCOORによって、潤滑膜を形成することで、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制し、筆跡に線飛び、カスレがなく筆跡を良好とすることができると推測する。特に、潤滑性を向上することを考慮すれば、没食子酸エステルのR(アルキル基)の炭素数は、1〜18であることが好ましい。さらに、潤滑性を考慮すれば、R(アルキル基)の炭素数は、5〜18であることが好ましい、これは、R(アルキル基)の炭素数を5以上として、分子構造を大きくすることで、より潤滑膜を形成しやすくするためであり、より潤滑性を考慮すれば、R(アルキル基)の炭素数は、10〜18であることが好ましく、さらに、R(アルキル基)の炭素数は、10〜18であると耐水性(筆跡が水で濡れた際のインキの紙面へのにじみを抑制する)を向上する効果があるため、好ましい。
没食子酸エステルについては、具体的には、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ペンチル、没食子酸ヘキシル、没食子酸ヘプチル、没食子酸オクチル、没食子酸ノニル、没食子酸デシル、没食子酸ラウリル、没食子酸ステアリル等が挙げられる。
また、没食子酸エステルの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%がより好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、所望の金属塩抑制効果が得られにくい傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定になりやすい傾向があるためであり、その傾向を考慮すれば、0.1〜3.0質量%が好ましく、より考慮すれば、0.3〜2.0質量%が、最も好ましい。
(分岐鎖を有する脂肪酸)
さらに、分岐鎖を有する脂肪酸を含んでなることが好ましい。これは、分岐鎖を有する脂肪酸を含有することで、吸着膜を形成して、没食子酸エステルとの相互作用によって形成される潤滑膜が、より潤滑性の優れる潤滑膜によって、通常筆記(100〜200g)の潤滑性だけではなく、高筆圧筆記(500g)における潤滑性を向上して、ボールの潤滑性を保ち、ボール座の摩耗を抑制し、筆跡に線飛び、カスレがなく、良好な筆跡とすることを可能とする。
前記分岐鎖を有する脂肪酸については、R1(アルキル基)の炭素数が14〜22であることが好ましい。これは、上記数値範囲内であれば、油性インキ中で溶解安定させることができ、より安定な吸着膜を形成することで、より潤滑性を向上して、高筆圧筆記(500g)におけるボール座の摩耗を抑制することを可能とする。
分岐鎖を有する脂肪酸の中でも、R1(アルキル基)の炭素数が16〜20であるものを用いることが好ましい。これは、分岐鎖を有し、R1(アルキル基)の炭素数16以上であると、ボールペンチップのボールやチップ本体の金属表面に吸着した前記分岐鎖を有する脂肪酸のアルキル鎖が嵩高い構造を有することで、該金属表面を覆う面積が多くなることで、金属接触を緩和し、潤滑性を向上しやすくし、高筆圧筆記(500g)における潤滑性を向上しやすくなるためで、また、分岐鎖を有し、R1(アルキル基)の炭素数20を越えると、嵩高過ぎる構造により、分子同士が立体的に反発するおそれがあり、金属表面への吸着を阻害し、潤滑性を損ないやすいためである。さらに、没食子酸エステルとの相互作用によって形成される潤滑膜によって、より潤滑性を考慮すれば、前記R1(アルキル基)の炭素数が18〜20であることが好ましく、イソアラキン酸(炭素数20)、イソステアリン酸(炭素数18)の中から選択することが好ましい。特に、イソステアリン酸(炭素数18)は、潤滑性を向上しやすいバランスのとれた嵩高い構造を有することで、より高筆圧筆記(500g)における潤滑性が向上しやすいため好ましい。
また、前記分岐鎖を有する脂肪酸のR1(アルキル基)の炭素数が14〜22である分岐鎖を有する脂肪酸の中には、ドライアップ時の書き出し性能を向上できるものもある。ドライアップ時の書き出し性能を向上するものとしては、上記のイソアラキン酸(炭素数20)、イソステアリン酸(炭素数18)が挙げられ、イソアラキジル基、イソステアリル基を有すると、ボールペンチップ先端で形成されるインキ被膜を柔らかくする効果があり、ドライアップ時の書き出し性能を向上することができる。その中でも、よりインキ被膜を柔らかくして、ドライアップ時の書き出し性能を考慮すれば、イソアラキジル基を有するイソアラキン酸(炭素数20)を用いることが好ましい。特に、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、キャップ式筆記具とは異なり、常時ボールペンチップが外部に露出した状態であるため、ドライアップ時の書き出し性能に影響しやすいため、好ましい。
また、前記分岐鎖を有する脂肪酸の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、高筆圧筆記(500g)における潤滑効果やドライアップ時の書き出し効果が得られないおそれがあり、10.0質量%を越えると、インキ経時安定性に影響するおそれがあるため、インキ組成物全量に対し、0.1〜10.0質量%が好ましく、より高筆圧筆記(500g)における潤滑性を考慮すれば、0.5〜10.0質量%が好ましく、さらに、インキ経時安定性などを考慮すれば、1.0〜5.0質量%が最も好ましい。
特に、前記分岐鎖を有する脂肪酸のインキ組成物全量に対する含有量をA、没食子酸エステルのインキ組成物全量に対する含有量をBとした場合、0.1≦A/Bの関係であることが好ましい。これは、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、潤滑性を向上するばかりではなく、さらに、ドライアップ時の書き出し性能を向上するバランスを良くできるためで、より考慮すれば、1≦A/B≦8の関係であることが好ましく、より考慮すれば、1≦A/B≦5の関係が好ましい。
前記分岐鎖を有する脂肪酸のR1(アルキル基)の炭素数が、14〜22である分岐鎖を有する脂肪酸については、具体的には、イソアラキン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソミリスチン酸などが挙げられる。具体的には、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソステアリン酸N、イソステアリン酸T、イソアラキン酸(日産化学工業(株)製)などが挙げられる。
(有機溶剤)
本発明に用いる有機溶剤としては、芳香族アルコール溶剤を用いることが好ましい。これは、前記没食子酸エステルや、分岐鎖を有する脂肪酸を溶解安定し、長期間インキ経時安定性が得られやすく、さらに、芳香環を有することで潤滑性も向上しやすいため、好ましい。
また、芳香族アルコール溶剤以外としては、グリコールエーテル溶剤を用いると、吸湿しやすいため、形成された被膜を和らげ、ドライアップ時の書き出し性能も向上しやすいため、好ましい。そのため、本発明では、グリコールエーテル溶剤と芳香族アルコール溶剤を併用して用いることが好ましい。特に、潤滑性を向上することを考慮すれば、芳香環を有することが好ましいので、芳香族グリコールエーテル溶剤と芳香族アルコール溶剤を併用することが好ましい。
本発明に用いる有機溶剤としては、芳香族アルコール溶剤の具体例としては、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビノール、フタリルアルコール等があげられる。また、グリコールエーテル溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が挙げられ、これらの有機溶剤は、1種又は2種以上用いることができる。
また、有機溶剤の含有量は、溶解性、筆跡乾燥性、にじみ等を向上することを考慮すると、インキ組成物全量に対し、10.0〜70.0質量%が好ましい。また、グリコールエーテル溶剤の含有量は、チップ先端での乾燥性を考慮すれば、全有機溶剤に対し、10.0〜50.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜30.0質量%である。
本発明で用いる着色剤については、染料、顔料があるが、染料の種類については、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、直接染料などや、それらの各種造塩タイプの染料として、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、有機酸と塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンなどの造塩染料があり、インキ中で造塩染料が分離し、金属製のボールペンチップ本体やインキ収容筒などから溶出した金属イオンと反応して金属塩を発生する可能性があるため、本発明のような没食子酸エステルを用いると効果的であり、好ましい。
また、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、DPP系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。潤滑性を考慮すれば、顔料を含有することが好ましい。これは、顔料を用いることで、ボールとチップ本体の隙間に顔料粒子が入り込むことで、ベアリングのような作用が働きやすく、金属接触を抑制することで、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制する効果が得られやすいためである。特に、潤滑性の向上を考慮すれば、カーボンブラックを用いる方が好ましい。また、ボールペンチップ内部の隙間関係を考慮し、平均粒子径は、1〜300nmが好ましい。より好ましくは、1〜150nmである。ここで、平均粒子径とは、体積基準の累積50%平均粒径(D50)のことである。平均粒子径の測定は、例えば、レーザー回折法、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装社製)によって測定できる。これらの顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
(樹脂)
本発明では樹脂を用いることが好ましい、具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などが挙げられるが、インキ中での安定性に優れるようにするには、ポリビニルブチラール樹脂またはケトン樹脂を用いることが好ましい。
さらに、書き味を向上するためには、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂については、ポリビニルアルコール(PVA) をブチルアルデヒド(BA)と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造であるが、従来技術としては、ポリビニルブチラール樹脂を顔料分散剤として、好適に用いた技術はあるが、本発明では、書き味を向上しやすくする効果がある。
これは、ポリビニルブチラール樹脂は、ボールとボール座との間に常に弾力性があるインキ層を形成して、直接接触しづらくするため、書き味を向上しやすくすることが可能となるためである。さらに、ポリビニルブチラール樹脂は、チップ先端で樹脂皮膜を形成し、ボールとチップ先端の間隙を覆うことで、インキ垂れ下がりを抑制するため、好ましいが、一方で、チップ先端の樹脂皮膜によって、ドライアップ時の書き出しが劣りやすい。
そのため、本発明のように、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制して、かつ、ドライアップ時の書き出し性能を向上するには、前記分岐鎖を有する脂肪酸エステルと、ポリビニルブチラール樹脂を併用することが好ましい。
また、ポリビニルブチラール樹脂は、水酸基量25mol%以上とすることが好ましい。これは、水酸基量25mol未満のポリビニルブチラール樹脂では、有機溶剤への溶解性が十分でなく、十分な潤滑効果や、インキ垂れ下がり抑制の効果が得られにくく、さらに、吸湿性によるドライアップ時の書き出し性を考慮すると、水酸基量25mol%以上のポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましいためである。また、前記水酸基量30mol%以上のポリビニルブチラール樹脂は、書き味が向上しやすくなるため、好ましい。これは、筆記時において、ボールの回転により摩擦熱が発生することで、チップ先端部のインキが温められて、該インキの温度が高くなるが、前記ポリビニルブチラール樹脂は他の樹脂とは違い、インキ温度が高くなっても、インキ粘度を下がりづらくする性質があり、ボールとボール座との間に常に弾力性があるインキ層を形成して、直接接触しづらくするため、書き味を向上しやすい傾向がある。特に、油性ボールペンでは、高筆圧で筆記することも多いため、油性ボールペンでは効果的である。また、前記水酸基量40mol%を越えるポリビニルブチラール樹脂を用いると、吸湿量が多くなりやすく、油性インキ成分との経時安定性に影響が出やすいため、水酸基量40mol%以下のポリビニルブチラール樹脂が好ましい。そのため、水酸基量30〜40mol%のポリビニルブチラール樹脂が好ましく、さらに好ましくは、水酸基量30〜36mol%が好ましい。
なお、前記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量(mol%)とは、ブチラール基(mol%)、アセチル基(mol%)、水酸基(mol%)の 全mol量に対して、水酸基(mol%)の含有率を示すものである。
また、ポリビニルブチラール樹脂の含有量は、油性ボールペン組成物中の全樹脂の含有量に対して50質量%以上とし、主たる樹脂として用いることが好ましい。これは、ポリビニルブチラール樹脂の含有量が全樹脂の含有量の50質量%未満となると、その他の樹脂によって、弾力性があるインキ層を形成するのを阻害してしまい、書き味の向上効果が得られなくなりやすく、さらにチップ先端の樹脂皮膜の形成を阻害してしまいインキ垂れ下がりを抑制できないためである。より書き味やインキ垂れ下がり性能を向上する傾向を考慮すれば、ポリビニルブチラール樹脂の含有量は、全樹脂の含有量に対して70質量%以上が好ましく、さらにその傾向を考慮すれば、90質量%以上が好ましい。
また、ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度については、前記平均重合度は200以上であると、インキ垂れ下がり性能が向上するとともに、インキの凝集力を高めることができ、ボール表面にインキが載りやすく、ボールにインキが残ることで、ボールとボール座の間にインキが入り込みやすいため、ボールがボール座と直接接触しづらくなるため、書き味を向上しやすい傾向がある。一方、前記平均重合度は2000を超えると、インキ粘度が高くなりすぎて書き味に影響する傾向があるため、前記平均重合度は、200〜2000が好ましい。さらに、安定性を考慮すれば、前記平均重合度は1500以下であることが好ましく、より書き味を考慮すれば、前記平均重合度は1000以下が好ましい。そのため、前記平均重合度は200〜1500が好ましく、より好ましくは、前記平均重合度は200〜1000が最も好ましい。ここで、平均重合度とは、ポリビニルブチラール樹脂の1分子を構成している基本単位の数をいい、JISK6728(2001年度版)に規定された方法に基づいて測定された値を採用可能である。
ポリビニルブチラール樹脂については、具体的には、積水化学工業(株)製の商品名;エスレックBH−3(水酸基量:34mol%、平均重合度:1700)、同BH−6(水酸基量:30mol%、平均重合度:1300)、同BX−1(水酸基量:33±3mol%、平均重合度:1700)、同BX−5(水酸基量:33±3mol%、平均重合度:2400)、同BM−1(水酸基量:34mol%、平均重合度:650)、同BM−2(水酸基量:31mol%、平均重合度:800)、同BM−5(水酸基量:34mol%、平均重合度:850)、同BL−1(水酸基量:36mol%、平均重合度:300)、同BL−1H(水酸基量:30mol%)、同BL−2(水酸基量:36mol%、平均重合度:450)、同BL−2H(水酸基量:29mol%)、同BL−10(水酸基量:28mol%)などや、クラレ(株)製の商品名;モビタールB20H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:250〜500)、同30T(水酸基量:33〜38mol%、平均重合度:400〜650)、同30H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:400〜650)、同30HH(水酸基量:30〜34mol%、平均重合度:400〜650)、同45H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:600〜850)、同60T(水酸基量:34〜38mol%、平均重合度:750〜1000)、同60H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:750〜1000)、同75H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:1500〜1750)などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
前記ポリビニルブチラール樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対し、3.0質量%より少ないと、樹脂皮膜形成量が足りないおそれがあり、書き味やインキ垂れ下がり性能が劣りやすく、40.0質量%を越えると、ドライアップ時の書き出し性能やインキ中で溶解性が劣りやすいため、インキ組成物全量に対し、3.0〜40.0質量%が好ましい。さらに、書き出し性能やインキ垂れ下がり性能を考慮すれば7.0質量%以上が好ましく、30.0質量%を越えると、インキ粘度が高くなりすぎて書き味に影響する傾向があるため、7.0〜30.0質量%が好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂以外の樹脂は、インキ粘度調整樹脂や曳糸性付与樹脂を適宜用いてもよい。特に、曳糸性付与樹脂を配合することで、インキの結着性を高め、チップ先端における余剰インキ(泣きボテ)の発生を抑制しやすいため、曳糸性付与樹脂を含有することが好ましく、さらに、吸湿性があるため、前記ポリビニルブチラール樹脂によって、形成された皮膜を和らげ、ドライアップ時の書き出し性能も向上しやすいため、好ましい。曳糸性付与樹脂としては、ポリビニルピロリドンが好ましく、具体的には、アイエスピー・ジャパン(株)製の商品名;PVP K−15、PVP K−30、PVP K−90、PVP K−120などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明で用いる曳糸性付与樹脂の含有量は、油性ボールペン組成物中の全樹脂の含有量に対して0.1〜20.0%であることが好ましい。これは、曳糸性付与樹脂の含有量が全樹脂の含有量の0.1%未満となると、余剰インキ(泣きボテ)の発生を抑制しにくい傾向があり、20%を越えると、ポリビニルブチラール樹脂の効果を阻害しやすく、具体的には、チップ先端の樹脂皮膜の形成を阻害してしまいインキ垂れ下がりを抑制しづらくし、さらに弾力性があるインキ層を形成するのを阻害してしまい、書き味向上の効果が得られにくくしやすいためである。より余剰インキを抑制する傾向を考慮すれば、曳糸性付与樹脂の含有量は、全樹脂の含有量に対して0.5〜10.0%が好ましく、インキ垂れ下がり性能や書き味が向上する傾向を考慮すれば、0.5〜7.0%が好ましく、さらにその傾向を考慮すれば、1.0〜4.0%が好ましい。
前記筆記具用油性インキ組成物のpH値は5〜12とすることが好ましい。これは、上記範囲であると、インキ経時安定性や、着色剤が分離による色調の影響が出にくいためである。
尚、本発明におけるpH値は、筆記具用油性インキ組成物の測定方法において、油性インキを容器に採取し、イオン交換水を加えて、攪拌しながら加温し、加温後放冷し、蒸発した水分量を補充後、濾紙を用いて濾過する。その濾過したろ液の上層を用いて、東亜ディーケーケー社製IM−40S型pHメーターを用いて、20℃にて測定した値を示すものである。
さらに、本発明の筆記具用油性インキ組成物に、有機アミンを用いても良い。特に、分岐鎖を有する脂肪酸を含む場合は、有機アミンによって中和させ、安定溶解させることで、長期間において、潤滑性を向上して、ドライアップ時の書き出し性能を向上する効果が得られやすいため、好ましい。有機アミンについては、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のエチレンオキシドを有するアミンや、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン等のアルキルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン等のジメチルアルキルアミン等や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。それらの有機アミンの中でも、1級アミンだと反応性が強いため、着色剤の分離や、色調に影響が出やすいため、2級アミン及び/又は3級アミンを用いることが好ましい。特に、2級アミン及び/又は3級アミンの中でも、インキ経時安定性やpH値を5〜12にコントロールすることを考慮すれば、エチレンオキシドを有するアミン、ジメチルアルキルアミンが好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
前記有機アミンの含有量は、インキ経時安定性、界面活性剤との中和性、pH値を考慮すると、インキ組成物全量に対し、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.5〜5.0質量%である。
有機アミンについて、具体例としては、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、ナイミーンL−201(2級アミン)、同L−202(3級アミン)、同L−207(3級アミン)、同S−202(3級アミン)、同S−204(3級アミン)、同S−210(3級アミン)、同DT−208(3級アミン)(日本油脂(株)社製)等が挙げられる。アルキルアミンとしては、ファーミン80(1級アミン)、ファーミンD86(全2級アミン)、ファーミンDM2098(3級アミン)、ファーミンDM8680(3級アミン)(花王(株))等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
また、潤滑性やインキ経時安定性を向上させるために、界面活性剤として、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸などを用いる場合には、インキ中に、リン酸基、脂肪酸基などが遊離して、金属製のボ−ルペンチップ本体、インキ収容筒の金属類と反応しやすく、金属塩を発生しやすいため、本発明のような没食子酸エステルを用いると効果的であり、好ましい。特に、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸を用いる場合は効果的である。
また、インキ粘度を調整するために、水を含んでも良く、水の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜20.0質量%が好ましい。この範囲より少ないと、所望の潤滑効果が得られないおそれがあり、この範囲を越えると、インキ経時が不安定性になるおそれがあるためである。よりインキ経時を良好にすることを考慮すれば、1.5〜8.0質量%が好ましく、最も好ましくは、4.0〜7.0質量%である。尚、水の添加方法は特に限定されないが、水以外の成分を適宜混合したインキ中に水をそのままの状態で添加しても、着色剤や樹脂などの油性ボールペン用インキ組成物に用いる成分に予め水分を吸湿や吸水させておいても良い。
また、その他として、潤滑性を向上させるために、界面活性剤として、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤や、陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤の造塩体を、粘度調整剤として、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油などの擬塑性付与剤を、また、着色剤安定剤、可塑剤、キレート剤などを適宜用いても良い。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、ボ−ルペンチップ本体、インキ収容筒などの材料は、ステンレス材、洋白、ブラス(黄銅)、アルミニウム青銅、アルミニウムなどの金属材や、ポリカーボネート、ポリアセタール、 ABSなどの樹脂材が挙げられるが、ステンレス材からなるボ−ルペンチップ本体、インキ収容筒などを用いた筆記具の場合には、ステンレス材に含まれるマンガンやクロム等のマンガンイオンやクロムイオンが、インキ成分と反応することによって金属塩を生じやすいため、本発明のような没食子酸エステルを用いると効果的であり、好ましい。
また、ボールペンチップのボールは、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールは、その結合材として、コバルト、ニッケル等を用いている。前記没食子酸エステルは、コバルト、ニッケル等の金属に対して、アミノカルボン酸のようなキレート剤よりも、ボールペンチップのボールを腐食させづらいため、腐食によるボールの回転抵抗を生じづらく、良好な書き味が得られやすく、超硬合金ボールに対して好適に用いることができる。
また、ボールの直径は、特に限定されないが、一般的には0.2mm〜2.0mm程度である。
実施例1の筆記具用油性インキ組成物は、着色剤として染料、有機溶剤としてアルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、樹脂としてポリビニルブチラール樹脂、分岐鎖を有する脂肪酸としてイソステアリン酸、没食子酸エステル、有機アミンとしてオキシエチレンアルキルアミン、曳糸性付与樹脂としはポリビニルピロリドン樹脂を採用し、これを所定量秤量して、60℃に加温した後、ディスパー攪拌機を用いて完全溶解させて筆記具用油性インキ組成物を得た。具体的な配合量は下記の通りである。また、実施例1のpHは、IM−40S型pHメーターを用いて、20℃にて測定したところ、pH=7.4であった。
実施例1
着色剤(酸性染料と塩基性染料との造塩染料) 5.0質量%
着色剤(有機酸と塩基性染料との造塩染料) 5.0質量%
着色剤(顔料分散体、顔料分17%、ピグメントブルー) 20.0質量%
アルコール系溶剤(ベンジルアルコール) 45.0質量%
グリコールエーテル系溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル)10.0質量%
没食子酸エステル 0.5質量%
分岐鎖を有する脂肪酸(イソステアリン酸) 2.0質量%
ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBL−1、水酸基量:36mol%、平均重合度:300)10.0質量%
曳糸性付与樹脂(ポリビニルピロリドン樹脂) 0.5質量%
有機アミン(オキシエチレンアルキルアミン) 2.0質量%
実施例2〜12
表に示すように、各成分を変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜12の筆記具用油性インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
Figure 2018024721
Figure 2018024721
比較例1〜5
表に示すように、各成分を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1〜5の筆記具用油性インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
Figure 2018024721
試験及び評価
実施例1〜12及び比較例1〜5で作製した筆記具用油性インキ組成物を、インキ収容筒(ポリプロピレン製)の先端に、ボール(φ0.7mm)を回転自在に抱時したステンレス材のボールペンチップを装着するとともに、インキ収容筒内に、実施例1の油性ボールペン用インキ(0.2g)を直に収容してボールペンレフィルを(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ(登録商標))に配設して、油性ボールペンを作製し、以下の試験及び評価を行った。
チップ内の金属塩析出物試験:60℃、湿度80%、2週間経過後に光学顕微鏡(オリンパス社製)倍率100倍にてチップ本体内のインキを顕微鏡観察した。
金属塩析出物がなく、良好のもの ・・・◎
金属塩析出物が微少に発生したもの ・・・○
金属塩析出物が発生したが、実用上問題のないもの ・・・△
金属塩析出物が発生し、カスレや筆記不良などの原因になるもの ・・・×
高筆圧筆記試験:荷重500gf、筆記角度70°、4m/minの走行試験機にて筆記試験後のボール座の摩耗を測定した。
ボール座の摩耗が5μm未満のもの ・・・◎
ボール座の摩耗が5μm以上、10μm未満であるもの ・・・○
ボール座の摩耗が10μm以上、20μm未満であるが、筆記可能であるもの ・・・△
ボール座の摩耗がひどく、筆記不良になってしまうのもの ・・・×
ドライアップ性能試験:手書き筆記した後、チップ先端を出したまま20℃、65%RHの環境下に24時間放置し、その後、走行試験で下記筆記条件にて筆記し、書き出しにおける筆跡カスレを評価した。
<筆記条件>筆記荷重200gf、筆記角度70°、筆記速度4m/minの条件で、走行試験機にて直線書きを行い、筆跡カスレ長さを測定し、評価した。
筆跡カスレ5mm未満であるもの ・・・◎
筆跡カスレ5mm以上、10mm未満であるもの ・・・○
筆跡カスレ10mm以上、20mm未満であるもの ・・・△
筆跡カスレ20mm以上であるもの ・・・×
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかなもの ・・・○
やや重いもの ・・・△
重いもの ・・・×
インキ垂れ下がり性能試験:30℃、85%RHの環境下にペン先下向きで7日放置し、チップ先端からのインキ漏れを確認した。
チップ先端のインキ滴がないもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの・・・△
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
実施例1〜12では、チップ内の金属塩析出物試験、高筆圧筆記試験、ドライアップ性能試験、書き味、インキ垂れ下がり性能試験で良好な性能が得られた。
比較例1〜4では、没食子酸エステルを用いなかったため、金属塩析出物が発生し、カスレや筆記不良などが発生してしまった。
比較例5では、没食子酸エステルの代わりに、シリコーン系界面活性剤を用いたため、金属塩析出物が発生し、カスレや筆記不良などが発生してしまった。さらに、ボール表面を顕微鏡で観察したところ、腐食が見られた。
また、本実施例では、便宜上、軸筒内に、筆記具用インキ組成物を直に収容した油性ボールペン用レフィルを収容した油性ボールペンを例示しているが、本発明の筆記具は、軸筒をインキ収容筒とし、軸筒内に、筆記具用インキ組成物を直に収容した直詰め式のボールペン、筆記具であってもよい。
尚、ボールペンとした場合、ボールペンチップ本体内にステンレス材からなるボールを押圧するコイルスプリングを配設する場合には、金属製のボールペンチップ本体やインキ収容筒と同様に、インキ成分と反応して金属塩が発生するおそれがあるため、本発明の効果は顕著である。
本発明は、実施例のボールペンに限らず、万年筆、マーカー、サインペン、プレートペン等に好適に使用でき、さらに詳細としては、該筆記具用油性インキ組成物を充填した、キャップ式、出没式等の筆記具として広く利用することができる。



Claims (6)

  1. 着色剤、有機溶剤、没食子酸エステルを含んでなることを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。
  2. 前記没食子酸エステルのアルキル基の炭素数が、1〜18であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  3. 前記没食子酸エステルの含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜5.0質量%であること特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  4. 前記筆記具用油性インキ組成物に、分岐鎖を有する脂肪酸を含んでなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  5. 前記分岐鎖を有する脂肪酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜10.0質量%であること特徴とする請求項4に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物が収容されてなることを特徴とする筆記具。
JP2016155500A 2016-08-08 2016-08-08 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 Pending JP2018024721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016155500A JP2018024721A (ja) 2016-08-08 2016-08-08 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016155500A JP2018024721A (ja) 2016-08-08 2016-08-08 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018024721A true JP2018024721A (ja) 2018-02-15
JP2018024721A5 JP2018024721A5 (ja) 2019-05-30

Family

ID=61195102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016155500A Pending JP2018024721A (ja) 2016-08-08 2016-08-08 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018024721A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS48100216A (ja) * 1972-03-03 1973-12-18
JPH11246812A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Pentel Kk ボールペン用油性インキ
JP2000178461A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Fuji Photo Film Co Ltd 着色組成物、並びに、それを用いたインク及びトナー
JP2002188033A (ja) * 2000-10-12 2002-07-05 Zebra Pen Corp 筆記具用インキ組成物並びにこのインキを用いたマーカー
JP2015004023A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用油性インキ組成物及びそれを収容したマーキングペン
JP2017008215A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社パイロットコーポレーション 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS48100216A (ja) * 1972-03-03 1973-12-18
JPH11246812A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Pentel Kk ボールペン用油性インキ
JP2000178461A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Fuji Photo Film Co Ltd 着色組成物、並びに、それを用いたインク及びトナー
JP2002188033A (ja) * 2000-10-12 2002-07-05 Zebra Pen Corp 筆記具用インキ組成物並びにこのインキを用いたマーカー
JP2015004023A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用油性インキ組成物及びそれを収容したマーキングペン
JP2017008215A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社パイロットコーポレーション 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6239693B2 (ja) 油性ボールペンレフィル
JP6062748B2 (ja) 水性ボールペン
TWI700342B (zh) 筆具用油性墨水組合物、以及收納其之筆具、標記筆及鋼珠筆
JP6706107B2 (ja) 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンレフィル、油性ボールペン
JP2019077745A (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP6829010B2 (ja) 油性ボールペンレフィル及びそれを用いた油性ボールペン
JP2017095623A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンレフィル、油性ボールペン
JP6792403B2 (ja) 油性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペン
JP6691356B2 (ja) 油性ボールペンレフィルおよびそれを用いた油性ボールペン
JP6706289B2 (ja) ボールペン
JP2011136511A (ja) ボールペンレフィル
JP5520598B2 (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JP6576807B2 (ja) 油性ボールペンレフィルおよびそれを用いた油性ボールペン
JP2018024721A (ja) 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP2018184571A (ja) 筆記具用インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP2008184595A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP6549028B2 (ja) 油性ボールペンレフィルおよびそれを用いた油性ボールペン
JP6786161B2 (ja) 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP7524372B2 (ja) 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP6262091B2 (ja) 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP2017008290A (ja) 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP7256312B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP6612124B2 (ja) 油性ボールペンレフィルおよびそれを用いた油性ボールペン
JP7245622B2 (ja) 筆記具用油性インキ組成物、それを用いた筆記具、および油性ボールペン
JP2018053105A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190417

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200526