JP6786161B2 - 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Description
「1.着色剤、有機溶剤、環状リン化合物を含んでなり、前記環状リン化合物が、下記化学式(化1)であることを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。
2.前記環状リン化合物の構造内に芳香環を2〜5基有することを特徴とする第1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
3.前記環状リン化合物の含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜3.0質量%であることを特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
4.前記筆記具用油性インキ組成物に、界面活性剤を含有することを特徴とする第1項〜第3項のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
5.第1項〜第4項のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物が収容されてなることを特徴とする筆記具。」とする。
本発明で用いる環状リン化合物については、リン元素を含んだ環状構造を有する化合物である。下記一般式(化1)である化学式の環状リン化合物を含有することで、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制する効果が得られる。
一般式(化2):9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド、一般式(化3):[(6−オキサド−6H−ジベンズ[c,e][1,2]オキサフォスフォリン−6−イル)メチル]ブタンジオイックアシッド、一般式(化4):9,10−ジヒドロ−10−ベンジル−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサド、一般式(化5):10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサド、一般式(化6):10−[2−(1,4−ジヒドロキシナフチル)]−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサドが挙げられる。特に、一般式(化1)である前記環状リン化合物の中でも、金属塩析出物を抑制することを考慮すれば、一般式(化1)のXをHとして、一般式(化2)のような環状リン化合物が好ましい。これは、前記環状リン化合物のP原子に結合する置換基が嵩高いほど、金属吸着をしにくくなるためである。これらの環状リン化合物は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
また、一般式(化1)である環状リン化合物は、HCA,HCA−HQ,HCA−NQ,BCA,M−acidなど(三光株式会社製)が挙げられる。
本発明に用いる有機溶剤としては、芳香族アルコール溶剤を用いることが好ましい。これは、前記環状リン化合物を溶解安定し、長期間インキ経時安定性が得られやすく、さらに、芳香環を有することで潤滑性も向上しやすいため、好ましい。
本発明では樹脂を用いることが好ましい、具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などが挙げられるが、インキ中での安定性に優れるようにするには、ポリビニルブチラール樹脂またはケトン樹脂を用いることが好ましい。
さらに、書き味を向上するためには、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂については、ポリビニルアルコール(PVA) をブチルアルデヒド(BA)と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造であるが、従来技術としては、ポリビニルブチラール樹脂を顔料分散剤として、好適に用いた技術はあるが、本発明では、書き味を向上しやすくする効果がある。
そのため、本発明のように、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制して、かつ、ドライアップ時の書き出し性能を向上するには、前記界面活性剤と、ポリビニルブチラール樹脂を併用することが好ましい。
また、ボールの直径は、特に限定されないが、一般的には0.2mm〜2.0mm程度である。
着色剤(酸性染料と塩基性染料との造塩染料) 5.0質量%
着色剤(有機酸と塩基性染料との造塩染料) 5.0質量%
着色剤(顔料分散体、顔料分17%、ピグメントブルー) 20.0質量%
アルコール溶剤(ベンジルアルコール) 45.0質量%
グリコールエーテル溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル)10.0質量%
環状リン化合物(一般式(化2)) 0.5質量%
界面活性剤(リン酸エステル系界面活性剤) 2.0質量%
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−1) 10.0質量%
有機アミン(オキシエチレンアルキルアミン) 2.0質量%
曳糸性付与樹脂(ポリビニルピロリドン樹脂) 0.5質量%
実施例1〜11及び比較例1〜4で作製した筆記具用油性インキ組成物を、インキ収容筒(ポリプロピレン製)の先端に、ボール(φ0.7mm)を回転自在に抱時したステンレス材のボールペンチップを装着するとともに、インキ収容筒内に、実施例1の油性ボールペン用インキ(0.2g)を直に収容してボールペンレフィルを(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ(登録商標))に配設して、油性ボールペンを作製し、以下の試験及び評価を行った。
金属塩析出物がなく、良好のもの ・・・◎◎
金属塩析出物が微少に発生したもの ・・・◎
金属塩析出物が発生したが、実用上問題のないもの・・・○
金属塩析出物が多く発生し、悪いもの ・・・×
溶解安定していたもの ・・・◎
若干白濁が見られたが、実用上問題ないもの ・・・○
白濁しており、溶解していないもの ・・・×
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