JP5131959B2 - 水性ボールペン - Google Patents

水性ボールペン Download PDF

Info

Publication number
JP5131959B2
JP5131959B2 JP2007121406A JP2007121406A JP5131959B2 JP 5131959 B2 JP5131959 B2 JP 5131959B2 JP 2007121406 A JP2007121406 A JP 2007121406A JP 2007121406 A JP2007121406 A JP 2007121406A JP 5131959 B2 JP5131959 B2 JP 5131959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ballpoint pen
water
mass
ink
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007121406A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008273105A (ja
Inventor
肇 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp KK
Original Assignee
Pilot Corp KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp KK filed Critical Pilot Corp KK
Priority to JP2007121406A priority Critical patent/JP5131959B2/ja
Publication of JP2008273105A publication Critical patent/JP2008273105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5131959B2 publication Critical patent/JP5131959B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は水性ボールペンに関し、さらに詳細としては、書き味が良好で、かつボールペンチップ内の析出物を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンに関するものである。
従来より、ステンレス鋼材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを具備したボールペンはよく知れている。こうしたステンレス鋼材からなるチップ本体を用いた水性ボールペンの場合には、ステンレス鋼材に含まれるマンガンやクロム等のマンガンイオンやクロムイオンが、インキ組成物中で反応することによって生じる金属塩等の析出物を防止するため、インキ組成物中にベンゾトリアゾール等の防錆剤や金属封鎖剤等を含有することが提案されている。
このような水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンとしては、特公昭49−45333号「筆記用水性インキ」、特開平8−41409号「水性ボールペン用インキ組成物」に防錆剤を用いた水性ボールペン用インキ組成物が開示されている。
ところで、特開平6−57194号「ペン体に直接供給する水性ボールペン用インク」に書き味を向上させるため、潤滑剤としてリン酸エステル界面活性剤を含有した水性ボールペン用インキ組成物が開示されおり、特開2006−206658号「ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン」に金属封鎖剤とリン酸エステル界面活性剤を含有した水性ボールペンが開示されている。
「特開平49−45333号公報」 「特開平8−41409号公報」 「特開平6−57194号公報」 「特開2006−206658号公報」
しかしながら、特許文献1、2では、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール化合物等の防錆剤を含有した水性ボールペン用インキが提案されているが、潤滑性が劣り、書き味が悪く、カスレ等も発生する問題を抱えていた。
また、特許文献3のように、書き味を向上させるため、潤滑剤として、リン酸エステル界面活性剤を含有すると、リン酸エステル界面活性剤とチップ内のマンガンイオンやクロムイオン等の金属イオンとが反応して金属塩が発生する。更にまた、HLB値が13以下のリン酸エステル界面活性剤は書き味が向上するが、HLB値が低いため親油性が強くなり、溶解性が悪いため、リン酸エステル界面活性剤とチップ内の金属イオンとが反応して生じた金属塩が溶解しきれず析出物が発生してしまうことで、筆記不良が発生してしまった。
また、特許文献4では、金属イオン封鎖剤とリン酸エステル界面活性剤の含有比率を特定比率とすることで、ボールの腐食を抑制するボールペン用水性インキ組成物が開示されているが、ボールペンチップのボールとして、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールを用いた場合には、その結合材として、コバルト、ニッケル等を用いている。エチレンジアミン四酢酸は、結合材のコバルト、ニッケルと反応しやすく、経時的に腐食し、回転抵抗を生じるため、書き味が劣ってしまう可能性がある。
本発明の目的は、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを具備し、書き味が良好で、さらにチップ本体内の金属塩による析出物を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することである。
「1.インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなる水性ボールペンであって、前記インキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、アミノポリホスホン酸を含有し、前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であることを特徴とする水性ボールペン。
2.前記アミノポリホスホン酸が下記一般式(化1)で表されることを特徴とする請求項1に記載した水性ボールペン。
Figure 0005131959
[式中、nは1〜9の整数である。]
3.前記アミノポリホスホン酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載した水性ボールペン。
4.前記リン酸エステル界面活性剤が下記一般式(化2)で表されるとともに、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載した水性ボールペン。
Figure 0005131959
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。
」である。
本発明は、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを具備した水性ボールペンにおいて、書き味が良好で、かつチップ本体内の金属塩による析出物を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することができた。
本発明の第一の特徴は、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを用いた水性ボールペンにおいて、インキ組成物中にアミノポリホスホン酸とリン酸エステル界面活性剤を併用することである。
リン酸エステル界面活性剤は、ボールとチップ本体との潤滑性を高め、滑らかな筆感を得ることができるため、書き味を向上するために用いている。
ところで、インキ組成物中にリン酸エステル界面活性剤を含有させることで、チップ本体内より溶出するマンガンイオンやクロムイオン等の金属イオンがリン酸エステル界面活性剤とが反応して金属塩が発生するが、書き味を向上させるには、HLB値が低いほど好ましく、特にHLB値13以下のリン酸エステル界面活性剤を用いることが好ましい。これは、HLB値が低いほど親油性が増し、ボールの潤滑性が向上するので、書き味が向上するためである。
しかしその反面、HLB値が低いリン酸エステル界面活性剤を用いた場合には、親油性が強い金属塩を形成するため、インキ組成物中で溶解しないため、金属塩による析出物が発生してしまうという問題があった。
こうした、書き味の向上と金属塩による析出物の発生の抑制という問題を解決するため、インキ組成物中に、リン酸エステル界面活性剤と、金属塩による析出物を抑制するため、アミノポリホスホン酸を含有することが重要である。
これは、前述の通り、本発明では、チップ本体の材質としてステンレス鋼材を用いると、ステンレス鋼材の金属イオンが溶出し、HLB値が低いリン酸エステル界面活性剤と反応して親油性が強い金属塩を生ずるが、アミノポリホスホン酸を含有することで、前記アミノポリホスホン酸のホスホン基(−HPO)によって、発生した金属塩全体を包み込み、インキ組成物中において、金属塩を溶解安定させるため、金属塩の析出物の発生を抑制する効果がある。特に、ホスホン基は、カルボキシル基(−COOH、−COO)等と比べてリン酸エステルの金属塩に対して吸着性が強いため、金属塩の析出物抑制の効果がより強く、アミノポリホスホン酸を用いる必要がある。
アミノポリホスホン酸は、アミノ基とホスホン基(−HPO)を含む化合物であり、(化1)ような一般式で表されるアミノポリホスホン酸が好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
Figure 0005131959
[式中、nは1〜9の整数である。]
(化1)ような一般式で、n=2であるアミノポリホスホン酸として、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、n=6であるアミノポリホスホン酸として、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(HDTMP)が挙げられる。その中で、経時安定性を考慮すると、n=2であるエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)が最も好ましい。
エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)及びその塩の具体例としては、キレストPH−540(中部キレスト(株)社製)等が挙げられ、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(HDTMP)及びその塩の具体例としては、DEQUEST2054(Solutia社製)、BRIQUEST462−23(Albright & Wilson Americas社製)等が挙げられる。
また、アミノポリホスホン酸の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、金属塩の析出物を抑制する効果が弱くなるおそれがあり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になるため、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%とする。さらに好ましくは、インキ組成物全量に対し、0.5〜3.0質量%が適する。
リン酸エステル界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル或いはその誘導体等が好適に用いられ、その中でも経時安定性を考慮して(化2)のような一般式で表されるリン酸エステル界面活性剤を用いることが最も好ましい。
Figure 0005131959
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
リン酸エステル界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))、フォスファノールシリーズ(東邦化学工業(株))の中から、プライサーフA212C(HLB値9)、同A210G(HLB値9)、同A207H(HLB値7)、同AL(HLB値5)、同A208B(HLB値6)、同A208S(HLB値7)、同A208F(HLB値9)、同A212E(HLB値10)、フォスファノールRE−210(HLB値6)、同RE−410(HLB値9)、同RE−510(HLB値10)、同RS−410(HLB値9)、同RB−410(HLB値8)、同RM−410(HLB値5)、同RM−510(HLB値9)、同RL−210(HLB値5)、同RD−510Y(HLB値10)、同ML−200(HLB値10)、同GB−520(HLB値6)等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。尚、HLBは、一般式として、HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求めることができる。
リン酸エステル界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、所望の潤滑性が得られず、書き味が悪く、筆跡にカスレ等が発生するおそれがあり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になるおそれがあるため、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%とする。さらに筆感をより高め、良好なインキ経時を得るために、リン酸エステル界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜3.0質量%が最も好ましい。
本発明には、インキ粘度調整剤として樹脂を用いても良い。具体的には、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体、架橋型アクリルアミド系重合体、サクシノグリカン、ガーガム等の剪断減粘性付与剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
また、樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、所望のインキ粘度が得られにくく、30質量%を越えると書き出し性能が劣ってしまう可能性があるため、0.1質量%以上、30質量%以下が好ましい。
着色材は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種水溶性の造塩タイプ染料等が採用可能である。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
また、その他添加剤として、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、グリセリン、エチレングリコール等の水溶性有機溶剤、トリエタノールアミン等のpH調整剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤を添加することができる。また、リン酸エステル界面活性剤以外のシリコン系、アセチレングリコール系、フッ素系の界面活性剤も濡れ性、耐水性の向上等として添加することが可能で、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することも配合可能である。
また、ボールペンチップのボールは、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールは、その結合材として、コバルト、ニッケル等を用いている。アミノポリホスホン酸は、コバルト、ニッケル等の金属に対して、経時的に腐食することもないため、腐食によるボールの回転抵抗を生じることもなく、良好な書き味が得られ、超硬合金ボールに対しても好適に用いられる。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室に、ボール径がφ0.7mmの超硬合金ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを具備し、インキ収容筒内に下記の配合1によって得られた水性ボールペン用インキ組成物6及びグリース状のインキ追従体7を直に充填したレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製のノック式ゲルインキボールペン(商品名:G−Knock)に装着して、本発明の水性ボールペン1を作製した。
インキ配合1
水 28.0質量部
水溶性有機溶剤(グリセリン) 20.0質量部
アミノポリホスホン酸(エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸) 0.5質量部
リン酸エステル界面活性剤剤(プライサーフA−208S) 1.0質量部
尿素 7.5質量部
pH調整剤剤(トリエタノールアミン) 2.8質量部
防菌剤(1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2質量部
着色剤(NKW-2100系シリーズ) 40.0質量部
樹脂(サクシノグリカン) 0.24質量部
インキ配合1は、まず水、水溶性有機溶剤、リン酸エステル界面活性剤(プライサーフA−208S;第一工業製薬(株)社製)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(キレストPH-540;中部キレスト(株)社製)、pH調整剤、保湿剤、防菌剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌してベースインキを作成する。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、樹脂を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌した後、着色剤を添加し、さらに均一になるまで攪拌をおこなう。その後、濾紙を用い濾過を行って、インキ配合1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例2〜7
各成分を表1に示す配合及びボール材に変更した以外は、インキ配合1と同様な手順で水性ボールペン用インキ組成物を作成し、実施例1と同様にして、実施例2〜7の水性ボールペンを得た。
Figure 0005131959
比較例1〜5
各成分を表2に示す配合及びボール材に変更した以外は、インキ配合1と同様な手順で水性ボールペン用インキ組成物を作成し、実施例1と同様にして、比較例2〜5の水性ボールペンを得た。
Figure 0005131959
試験及び評価
実施例1〜7、および比較例1〜5において作製した水性ボールペンにより、以下の試験及び評価を行った。尚、書き味については、筆記試験用紙としてコピー用紙(PPC用紙)を用いて、評価した。
書き味:ボールペン用レフィルを室温の環境下、2週間放置後に手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なもの ・・・◎
やや劣るもの ・・・○
重く劣るもの ・・・×
チップ本体の経時試験:ボールペン用レフィルを50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後に、チップ本体内のインキを顕微鏡観察した。
析出物がなく、良好のもの ・・・◎
析出物が微少に発生したが、実用上問題のないもの ・・・○
析出物が存在し、カスレや筆記不良などの原因になるもの ・・・×
インキ経時試験:ボールペン用レフィルを50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後に、レフィルのインキ収容筒内のインキ状態を顕微鏡観察した。
析出物が存在しないもの ・・・◎
析出物が存在したが、実用上問題ないもの ・・・○
析出物が発生し、実用性に乏しいもの ・・・×
実施例1〜7では、書き味、チップ本体の経時試験、インキ経時試験ともに良好な性能が得られた。
比較例1、3、4では、アミノポリホスホン酸を含有しなかったため、析出物が発生し、筆記不良になってしまった。
比較例2、5では、リン酸エステル界面活性剤を含有しなかったため、充分な潤滑性が得られず、書き味が重かった。
尚、図示はしていないが、ボールペンチップ内にステンレス鋼材からなるボールを押圧するコイルスプリングを配設する場合には、チップ本体と同様に、リン酸エステル界面活性剤とコイルスプリングの金属イオンとの反応により金属塩が発生するおそれがあるため、本発明の効果は顕著である。
さらに、顔料のような粒径の大きいものを含有したインキ組成物では、ボールとチップ本体の間で回転阻害による書き味の劣化の可能性や、ボール径が0.7mm以下のボールを用いたボールペンは、ボールとボール座の接触面積が小さく、単位面積に掛かる荷重が高くなることによる書き味の劣化の可能性があるので本発明の効果は顕著である。
本発明は水性ボールペンに関し、さらに詳細としては、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップにおいて、水、着色剤、アミノポリホスホン酸、リン酸エステル界面活性剤を少なくとも含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とした水性ボールペンを用いることで、書き味が良好で、かつボールペンチップ内の金属塩等を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することができる。そのため、キャップ式、ノック式等、ボールペンとして広く利用することができる。
本発明の水性ボールペンを示す、縦断面図である。 図1における外観図である。
符号の説明
1 水性ボールペン
2 インキ収容筒
3 ボールペンチップ
4 ボール
5 チップホルダー
6 水性ボールペン用インキ組成物
7 インキ追従体

Claims (4)

  1. インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなる水性ボールペンであって、前記インキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、アミノポリホスホン酸を含有し、前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であることを特徴とする水性ボールペン。
  2. 前記アミノポリホスホン酸が下記一般式(化1)で表されることを特徴とする請求項1に記載した水性ボールペン。
    Figure 0005131959
    [式中、nは1〜9の整数である。]
  3. 前記アミノポリホスホン酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載した水性ボールペン。
  4. 前記リン酸エステル界面活性剤が下記一般式(化2)で表されるとともに、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載した水性ボールペン。
    Figure 0005131959
    [式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
JP2007121406A 2007-05-02 2007-05-02 水性ボールペン Expired - Fee Related JP5131959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007121406A JP5131959B2 (ja) 2007-05-02 2007-05-02 水性ボールペン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007121406A JP5131959B2 (ja) 2007-05-02 2007-05-02 水性ボールペン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008273105A JP2008273105A (ja) 2008-11-13
JP5131959B2 true JP5131959B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=40051695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007121406A Expired - Fee Related JP5131959B2 (ja) 2007-05-02 2007-05-02 水性ボールペン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5131959B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5963610B2 (ja) * 2012-08-24 2016-08-03 三菱鉛筆株式会社 筆記具用水性インク組成物
JP6611225B2 (ja) * 2015-04-30 2019-11-27 株式会社パイロットコーポレーション ボールペン
JP6959823B2 (ja) * 2017-10-20 2021-11-05 株式会社パイロットコーポレーション 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53146279A (en) * 1977-05-26 1978-12-20 Kurita Water Ind Ltd Corrosion, scale, and stain inhibitor in aqueous system
JPS5986673A (ja) * 1982-11-09 1984-05-18 Shiyachihata Kogyo Kk 水性ボ−ルペン用インキ
JPH01319576A (ja) * 1988-06-20 1989-12-25 Orient Chem Ind Ltd 水性インク組成物
US6585817B2 (en) * 2001-02-12 2003-07-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Uses of organo-phosphonic acids in ink-jet inks
JP2003253182A (ja) * 2002-03-05 2003-09-10 Sakura Color Prod Corp 水性メタリックインキ組成物
JP4754225B2 (ja) * 2005-01-26 2011-08-24 パイロットインキ株式会社 水性染料ボールペン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008273105A (ja) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6062748B2 (ja) 水性ボールペン
JP5283250B2 (ja) 水性インキ組成物およびその製造方法、ならびに筆記具
JP2019077745A (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP4713372B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP5131959B2 (ja) 水性ボールペン
JP2008163091A (ja) 水性ボールペン
JP6104713B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP2008266391A (ja) 水性ボールペン
JP6858057B2 (ja) 筆記具用インキ組成物、およびそれを用いた筆記具
JP4836816B2 (ja) 水性ボールペン
JP2008265061A (ja) 水性ボールペン
JP2011032413A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP6706289B2 (ja) ボールペン
JP4993704B2 (ja) 水性ボールペン
JP5037958B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2008183879A (ja) 水性ボールペン
JP5592618B2 (ja) 水性ボールペン
JP2010047708A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP4008150B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物
JP6629041B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン
JP2013119253A (ja) 水性ボールペン
JP6959823B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン
JP7256312B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP2012097187A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2013119252A (ja) 水性ボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees