JP2018024296A - エアバッグリッド補強部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】主に、平面状ヒンジ部材を用いた場合でも、ドア補強部および外周補強部の両方を、ドア部およびドア外周部に対してそれぞれ正確に位置決めすることができるようにする。【解決手段】ドア補強部21と外周補強部22とをエアバッグ作動時に必要な余裕代を有して連結するヒンジ部23を有するエアバッグリッド補強部材6に関する。ヒンジ部23が、ドア補強部21および外周補強部22とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材33とされる。ドア補強部21と外周補強部22との間の平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置に、ドア補強部21と外周補強部22との間を直接連結可能なブリッジ部34を設ける。【選択図】図3A
Description
この発明は、エアバッグリッド補強部材およびその製造方法に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設置されている。
そして、このインストルメントパネルの助手席側の部分には、緊急時に助手席乗員を保護するための安全装置として、助手席用のエアバッグ装置が設置されている。
このエアバッグ装置は、袋状のエアバッグ本体を折り畳んだ状態で収納すると共に、緊急時にエアバッグ本体を展開させるエアバッグモジュールと、通常時にはエアバッグモジュールを覆うと共に、緊急時にエアバッグ本体が車室内へ膨出するための開口部を開成させるエアバッグリッドとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
そして、上記したエアバッグリッドは、エアバッグリッド部材とエアバッグリッド補強部材とを備えている。エアバッグリッド補強部材は、エアバッグリッド部材のドア部を補強可能なドア補強部と、ドア部の外周に位置するドア外周部を補強可能な外周補強部とを有している。また、エアバッグリッド補強部材は、ドア補強部と外周補強部とをエアバッグ作動時に必要な余裕代を有して連結するヒンジ部を有している。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたエアバッグリッド補強部材には、以下のような問題があった。
即ち、上記したヒンジ部には、通常、ドア補強部と外周補強部とを直接一体に連結する樹脂ヒンジが用いられているが、上記したヒンジ部として、ドア補強部および外周補強部とは別体のネット状ヒンジ部材などのような平面状ヒンジ部材を用いることが検討されている。
即ち、上記したヒンジ部には、通常、ドア補強部と外周補強部とを直接一体に連結する樹脂ヒンジが用いられているが、上記したヒンジ部として、ドア補強部および外周補強部とは別体のネット状ヒンジ部材などのような平面状ヒンジ部材を用いることが検討されている。
しかし、平面状ヒンジ部材で連結した場合、ドア補強部と外周補強部との間がフリー状態となるため、エアバッグリッド部材の裏面側にエアバッグリッド補強部材を(振動溶着などによって)取付ける際に、ドア補強部および外周補強部を、ドア部およびドア外周部に対してそれぞれ位置決めしなければならず、両者を共に正確に位置決めするのが難しいという問題が生じる。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
エアバッグリッド部材のドア部を補強可能なドア補強部と、
ドア部の外周に位置するドア外周部を補強可能な外周補強部と、を有すると共に、
前記ドア補強部と外周補強部とをエアバッグ作動時に必要な余裕代を有して連結するヒンジ部を有するエアバッグリッド補強部材において、
前記ヒンジ部が、前記ドア補強部および外周補強部とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材とされ、
前記ドア補強部と外周補強部との間の前記平面状ヒンジ部材が設置されていない位置に、前記ドア補強部と外周補強部との間を直接連結可能なブリッジ部を設けたことを特徴とする。
エアバッグリッド部材のドア部を補強可能なドア補強部と、
ドア部の外周に位置するドア外周部を補強可能な外周補強部と、を有すると共に、
前記ドア補強部と外周補強部とをエアバッグ作動時に必要な余裕代を有して連結するヒンジ部を有するエアバッグリッド補強部材において、
前記ヒンジ部が、前記ドア補強部および外周補強部とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材とされ、
前記ドア補強部と外周補強部との間の前記平面状ヒンジ部材が設置されていない位置に、前記ドア補強部と外周補強部との間を直接連結可能なブリッジ部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材を用いた場合でも、ドア補強部および外周補強部の両方を、ドア部およびドア外周部に対してそれぞれ正確に位置決めすることができる。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図15は、この実施の形態を説明するためのものである。
図1〜図15は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
自動車などの車両には、車室内の前部に、図1に示すようなインストルメントパネル1が設置されている。
そして、このインストルメントパネル1の助手席側の部分には、緊急時に助手席乗員を保護するための安全装置として、助手席用のエアバッグ装置2が設置されている。
このエアバッグ装置2は、袋状のエアバッグ本体を折り畳んだ状態で収納すると共に、緊急時にエアバッグ本体を展開させるエアバッグモジュール3と、通常時にはエアバッグモジュール3を覆うと共に、緊急時にエアバッグ本体が車室内へ膨出するための開口部を開成させるエアバッグリッド4とを備えている。
そして、エアバッグリッド4は、エアバッグリッド部材5とエアバッグリッド補強部材6とを備えている。エアバッグリッド4は、ドア部11とドア部11の外周に位置するドア外周部12とを有している。エアバッグリッド補強部材6は、エアバッグリッド部材5のドア部11を補強可能なドア補強部21と、ドア部11の外周に位置するドア外周部12を補強可能な外周補強部22と、を有している。また、エアバッグリッド補強部材6は、ドア補強部21と外周補強部22とをエアバッグ作動時に必要な余裕代を有して連結するヒンジ部23を有している。
ここで、インストルメントパネル1は、樹脂製のものとされる。エアバッグモジュール3は、インストルメントパネル1の内部に設置されたステアリングメンバ15に、取付用のブラケット16,17を介してその下部を固定される。エアバッグリッド部材5は、インストルメントパネル1と一体になったものや、インストルメントパネル1とは別体とされたものなどが存在する。
エアバッグリッド部材5は、開裂線13によって、ドア部11と、ドア部11の外周側に位置するドア外周部12とに区画される。ドア部11は、エアバッグモジュール3が作動した時に、エアバッグ本体の押圧力によって開成されることで、ドア外周部12の内側に開口部を形成するものである。ドア部11には、1枚開きのものや二枚開きのものなどが存在する。この実施例では、ドア部11は、二枚開きとなっている。二枚のドア部11は、車両前後方向Xに並べて配設されている。ドア部11(および開口部)は、平面視でほぼ矩形状のものとされている。
そして、エアバッグリッド補強部材6(図2の斜視図も併せて参照)の外周補強部22は、ドア外周部12の縁部に沿って上記した開口部を取り囲むように配設される枠状をしており、ドア補強部21は、枠状をした外周補強部22の内側に配設される。ドア補強部21は、各ドア部11に対してそれぞれ設けられる。ドア補強部21は、各ドア部11よりも若干または一回り程度小さいものとされており、外周補強部22とドア補強部21との間や、ドア補強部21どうしの間には、所要の隙間sが設けられる。ヒンジ部23は、この隙間sの部分に設置される。この場合には、図3A、図3Bに示すように、外周補強部22の前後に位置する辺縁部22aと、ドア補強部21の対応する前後の辺縁部21aとの間にヒンジ部23がそれぞれ設けられている。
更に、外周補強部22には、エアバッグモジュール3の上部を収容してエアバッグ本体の展開を案内する取付脚部24(またはガイド枠部)が一体に設けられている。取付脚部24は、車室内に対するエアバッグ本体の膨出方向(上斜め後方)へ向けて延設されている。この取付脚部24の少なくとも、前後の面には係止穴25が設けられており、エアバッグモジュール3は、その前後の面に取付けられたフック部26が係止穴25に対して係止可能に遊嵌されるようになっている。
更に、ドア補強部21と外周補強部22は、それぞれドア部11とドア外周部12に対して、溶着などによって固定される。そのために、ドア補強部21および外周補強部22には、ドア部11およびドア外周部12と対向する面に溶着リブ27が複数本設けられている。この溶着リブ27は、溶着のための振動方向、例えば、車幅方向Yへ向けて一方向に延びる突条などとされている。溶着リブ27は、熱(例えば、振動による摩擦熱や赤外線の熱など)によって溶かされて、ドア部11やドア外周部12に圧着されることにより、溶けた溶着リブ27の接着力や、溶着リブ27とエアバッグリッド部材5との表面組織が一部融合することなどによって接着・固定される。
エアバッグ作動時に必要な余裕代は、ヒンジ部23の「たるみ」などとして確保される。この場合、「たるみ」は、側方から見てほぼU字状の折り返し形状とされる。
以上のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
(1)図3A(図4)に示すように、上記ヒンジ部23が、上記ドア補強部21および外周補強部22とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材33とされる。
そして、上記ドア補強部21と外周補強部22との間の上記平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置に、上記ドア補強部21と外周補強部22との間を直接連結可能なブリッジ部34を設けるようにする。
そして、上記ドア補強部21と外周補強部22との間の上記平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置に、上記ドア補強部21と外周補強部22との間を直接連結可能なブリッジ部34を設けるようにする。
ここで、平面状ヒンジ部材33の形状自在性は、少なくとも、面外方向に対して折ったり曲げたりできるようなものとされる。平面状ヒンジ部材33には、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維などの繊維に、ポリウレタン、アクリル樹脂などをコーティングしたネットやフィルム、または、薄い鉄板などの金属板などを用いることができる。平面状ヒンジ部材33をネットとした場合、図3Bに示すように、ネットは、例えば、縦線部31と横線部32とを有する格子状のものとされる。この場合、ネットは、縦線部31および横線部32を、車両前後方向Xおよび車幅方向Yへ向けて設置される。図5に示すように、平面状ヒンジ部材33は、余裕代となる「たるみ」を有するように設置される。
ドア補強部21と外周補強部22との間の上記平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置は、ブリッジ部34を有効に設けることができればどこでも良い。
(2)好ましくは、上記ブリッジ部34は、上記ドア補強部21および外周補強部22の平面状ヒンジ部材33を設置する辺縁部21a,22aとは異なる辺縁部21b,22b間に対して架設するようにしても良い。
ここで、ヒンジ部23が設置されない辺縁部21b,22bは、例えば、車幅方向Yの左右の辺縁部21b,22bとすることができる。
或いは、ドア補強部21と外周補強部22との間の上記平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置は、例えば、図16A〜図16Cの変形例に示すように、平面状ヒンジ部材33が設置される辺縁部21a,22aの空いている位置などとしても良い。
(3)図6、図7(または図8、図9)に示すように、上記ブリッジ部34の、少なくとも上記外周補強部22に対する連結部34aは、外周補強部22の外表面35よりも低い位置36(図7参照)に設けられるようにしても良い。
(4)上記ブリッジ部34の上記外周補強部22に対する連結部34aは、上記ブリッジ部34の上記ドア補強部21に対する連結部34bよりも脆弱に設けられるようにしても良い(連結部34aの強度<連結部34bの強度)。
ここで、ブリッジ部34の外周補強部22に対する連結部34aと、ブリッジ部34のドア補強部21に対する連結部34bは、基本的に、ブリッジ部34自体よりも脆弱なものとされる。そして、例えば、ブリッジ部34の外周補強部22に対する連結部34aを(連結部34bよりも)薄肉にしたり、狭幅にしたり、脆弱部を設けたりすることで、ブリッジ部34の上記ドア補強部21に対する連結部34bよりも脆弱にすることができる。
(5)上記ブリッジ部34を、上記ドア補強部21および外周補強部22のブリッジ部34を取付ける辺縁部21a,22a間または辺縁部21ba,22b間(図では辺縁部21ba,22b間となっている)の間隔(隙間sの幅)よりも長くしても良い(隙間sの幅<ブリッジ部34の長さl、図7参照)。
そして、上記外周補強部22に対して、上記ドア補強部21を、オフセット状態(図6、図7参照)と面一状態(図8、図9参照)との間で反転可能としても良い。
そして、上記外周補強部22に対して、上記ドア補強部21を、オフセット状態(図6、図7参照)と面一状態(図8、図9参照)との間で反転可能としても良い。
ここで、ブリッジ部34は、外周補強部22に対する連結部34aを、オフセット状態でのドア補強部21に対する連結部34bの位置と面一状態でのドア補強部21に対する連結部34bの位置との中間となる位置41に接続する(n=2m、図9参照)。これにより、ブリッジ部34の外周補強部22に対する連結部34aは、反転する量(n)の半分の長さ(m)だけ外周補強部22の外表面35よりも低い位置36に設置されることになる。
なお、図6、図7では、ドア補強部21が上側にオフセットされるようになっているが、図10、図12のように、ドア補強部21が下側にオフセットされるようにしても良い。この場合、平面状ヒンジ部材33は、図12、図13のようにして「たるみ」とされる。
そして、いずれの場合も、エアバッグリッド補強部材6は、図14に示すように、外周補強部22に対してドア補強部21を面一状態にして、エアバッグリッド部材5の裏面側に固定されることでエアバッグリッド4とされる。
(6)以下、エアバッグリッド補強部材6の製造方法について説明する。
エアバッグリッド補強部材6は、エアバッグリッド部材5のドア部11を補強可能なドア補強部21と、
ドア部11の外周に位置するドア外周部12を補強可能な外周補強部22とを、
エアバッグ作動時に必要な余裕代を有してヒンジ部23で連結することによって製造する。
この際、上記ヒンジ部23に、上記ドア補強部21および外周補強部22とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材33を用いる。
そして、上記ドア補強部21と外周補強部22との間の上記平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置にて、上記ドア補強部21と外周補強部22とをブリッジ部34によって直接連結する
エアバッグリッド補強部材6は、エアバッグリッド部材5のドア部11を補強可能なドア補強部21と、
ドア部11の外周に位置するドア外周部12を補強可能な外周補強部22とを、
エアバッグ作動時に必要な余裕代を有してヒンジ部23で連結することによって製造する。
この際、上記ヒンジ部23に、上記ドア補強部21および外周補強部22とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材33を用いる。
そして、上記ドア補強部21と外周補強部22との間の上記平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置にて、上記ドア補強部21と外周補強部22とをブリッジ部34によって直接連結する
ここで、図4は、エアバッグリッド補強部材6を射出成形するための射出成形装置51を示している。射出成形装置51では、下型52と上型53とを型開きした状態で、下型52と上型53の間の成形空間に平面状ヒンジ部材33をインサートし、下型52と上型53とを閉じて、成形空間に溶融樹脂を注入することでエアバッグリッド補強部材6が射出成形される。なお、射出成形装置51には、下型52と上型53の他に、スライド型なども適宜用いることができる。
この際、ドア補強部21を成形するための成形空間と、外周補強部22を成形するための成形空間とは、面外方向にオフセットした状態で設けられ、両成形空間に対して平面状ヒンジ部材33は、「たるみ」を持たせずに、また、伸びを与えずに、段差状に変形させた状態でインサートされる。
そして、射出成形装置51からの脱型後に、図13に示すように、ドア補強部21および外周補強部22を面一状態にすることで、ヒンジ部23(平面状ヒンジ部材33)にエアバッグ作動時に必要な余裕代となる「たるみ」が形成される。その後、図14に示すように、エアバッグリッド部材5の裏面側にエアバッグリッド補強部材6が(振動溶着などによって)取付けられる。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
緊急時にエアバッグモジュール3が作動すると、エアバッグモジュール3の内部に折畳んで収納されているエアバッグ本体が展開してエアバッグモジュール3から膨出し、取付脚部24に案内されてドア補強部21およびドア部11を押圧する。この押圧力によって、図15に示すように、エアバッグリッド部材5に形成された開裂線13が開裂され、ドア部11およびドア補強部21がヒンジ部23を中心に開成されて、ドア外周部12に開口を形成する。そして、エアバッグ本体は、ドア外周部12に形成された開口を通って車室内へ膨出し、座席に正しく着座している乗員の上半身を保護拘束する。
<効果>そして、この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)ドア補強部21と外周補強部22との間を、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材33で連結したエアバッグリッド補強部材6は、ドア補強部21と外周補強部22との間がフリー状態(外周補強部22に対してドア補強部21がブラ付く状態)となるため、(射出)成形装置からの型抜き後の搬送時における取り扱いに手間がかかる。
また、平面状ヒンジ部材33で連結すると、ドア補強部21と外周補強部22との間がフリー状態となるため、エアバッグリッド部材5の裏面側にエアバッグリッド補強部材6を(振動溶着などによって)取付ける際に、ドア補強部21および外周補強部22を、ドア部11およびドア外周部12に対してそれぞれ位置決めしなければならず、両者を共に正確に位置決めすることが難しい。
そこで、ドア補強部21と外周補強部22とをブリッジ部34で直接連結するようにした。これにより、ドア補強部21と外周補強部22との位置関係がブリッジ部34によって規定されるので、両者をフリーではない状態にすることができる。そのため、(射出)成形装置からの型抜き後の搬送時における取り扱いが容易となり、機械を用いた自動搬送なども可能となる。
また、ドア補強部21と外周補強部22との位置関係がブリッジ部34によって規定されるため、エアバッグリッド部材5の裏面側にエアバッグリッド補強部材6を(振動溶着などによって)取付ける際に、ドア補強部21および外周補強部22の両方を、ドア部11およびドア外周部12に対してそれぞれ正確に位置決めすることが容易となる。
この際、ブリッジ部34を、ドア補強部21と外周補強部22との間の平面状ヒンジ部材33が設置されていない位置に設けるようにした。これにより、ブリッジ部34を、平面状ヒンジ部材33と干渉しない位置に設けることができる。よって、平面状ヒンジ部材33の機能が、ブリッジ部34によって妨げられないようにすることができる。
(効果2)上記に加えて、ブリッジ部34を、ドア補強部21および外周補強部22の平面状ヒンジ部材33を設置する辺縁部21a,22aとは異なる辺縁部21b,22b間に架設しても良い。これにより、ブリッジ部34と、平面状ヒンジ部材33とを、確実に分けて設けることが可能となる。
(効果3)上記に加えて、ブリッジ部34の、少なくとも外周補強部22に対する連結部34aを、外周補強部22の外表面35よりも低い位置36に設けるようにしても良い。これにより、ブリッジ部34を、外周補強部22の外表面35から目立たない位置に設けることができる。
また、外周補強部22に対してドア補強部21を変位し易いように連結することができる。特に、後述するように、外周補強部22に対して、ドア補強部21を、オフセット状態と面一状態との間で反転させるようにする場合には、反転を容易化することが可能となる。
(効果4)上記に加えて、ブリッジ部34の外周補強部22に対する連結部34aを、ブリッジ部34のドア補強部21に対する連結部34bよりも脆弱としても良い。これにより、エアバッグ装置2が作動して、袋状のエアバッグ本体がドア部11およびドア補強部21を開いた時に、ブリッジ部34がドア補強部21の側に付随することになるので、または、ブリッジ部34は外周補強部22に付随されないようにできるので、ドア外周部12および外周補強部22に対してエアバッグ本体が通る時に、ブリッジ部34がエアバッグ本体にこすられて飛散するような不具合を防止することができるようになる。
(効果5)上記に加えて、ブリッジ部34を、ドア補強部21および外周補強部22におけるブリッジ部34を取付ける辺縁部21a,22a間または辺縁部21b,22b間の間隔よりも長くしても良い。これにより、ブリッジ部34を、エアバッグリッド補強部材6の表面側または裏面側へ傾斜させることで、ドア補強部21を外周補強部22に対して、オフセット状態と面一状態のどちらかとなるように反転させることが可能となる。
そして、外周補強部22に対して、ドア補強部21をオフセット状態にすることで、平面状ヒンジ部材33をたるませない状態でインサートして外周補強部22とドア補強部21とを射出成形することができる(インサート成形)。
また、射出成形後に、外周補強部22に対して、ドア補強部21を、面一状態に変位させることで、平面状ヒンジ部材33をたるませて余裕代を得ることができる。また、エアバッグリッド部材5の裏面側に対して、(振動溶着などによって)エアバッグリッド補強部材6を取付けられる状態となる。
なお、ブリッジ部34の外周補強部22やドア補強部21に対する連結部34bは、上記した範囲内でブリッジ部34の本体部分よりも脆弱にすることで、外周補強部22に対してドア補強部21を変位させるのが容易となる。
(効果6)上記したエアバッグリッド補強部材6の製造方法によれば、上記と同様の作用効果を得ることができる。
なお、射出成形装置51で平面状ヒンジ部材33をインサート成形してエアバッグリッド補強部材6を製造した場合、成形空間から出て下型52と上型53の間に挟み込まれている部分(即ち、ヒンジ部23となる部分)で、平面状ヒンジ部材33の網目を通して溶融樹脂の漏れが生じることが考えられる。しかし、型締めによって平面状ヒンジ部材33の縦線部31が圧縮されることで、下型52と上型53との合わせ隙間が小さくなると共に、縦線部31と横線部32とが堰き止め機能を発揮することで、溶融樹脂の漏れをシールすることができる。
更に、ヒンジ部23に平面状ヒンジ部材33を用いた場合には、平面状ヒンジ部材33の網目の内部に外周補強部22やドア外周部12を構成する溶融樹脂が入り込むことでアンカー効果を得ることができる。
以上、実施例を図面により詳述してきたが、実施例は例示にしか過ぎないものである。よって、本発明は、実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
5 エアバッグリッド部材
6 エアバッグリッド補強部材
11 ドア部
12 ドア外周部
21 ドア補強部
21a 辺縁部
21b 辺縁部
22 外周補強部
22a 辺縁部
22b 辺縁部
23 ヒンジ部
33 平面状ヒンジ部材
34 ブリッジ部
34a 連結部
34b 連結部
35 外表面
36 低い位置
6 エアバッグリッド補強部材
11 ドア部
12 ドア外周部
21 ドア補強部
21a 辺縁部
21b 辺縁部
22 外周補強部
22a 辺縁部
22b 辺縁部
23 ヒンジ部
33 平面状ヒンジ部材
34 ブリッジ部
34a 連結部
34b 連結部
35 外表面
36 低い位置
Claims (6)
- エアバッグリッド部材のドア部を補強可能なドア補強部と、
ドア部の外周に位置するドア外周部を補強可能な外周補強部と、を有すると共に、
前記ドア補強部と外周補強部とをエアバッグ作動時に必要な余裕代を有して連結するヒンジ部を有するエアバッグリッド補強部材において、
前記ヒンジ部が、前記ドア補強部および外周補強部とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材とされ、
前記ドア補強部と外周補強部との間の前記平面状ヒンジ部材が設置されていない位置に、前記ドア補強部と外周補強部との間を直接連結可能なブリッジ部を設けたことを特徴とするエアバッグリッド補強部材。 - 請求項1に記載のエアバッグリッド補強部材において、
前記ブリッジ部は、前記ドア補強部および外周補強部の平面状ヒンジ部材部を設置する辺縁部とは異なる辺縁部間に対して架設されることを特徴とするエアバッグリッド補強部材。 - 請求項1または請求項2に記載のエアバッグリッド補強部材において、
前記ブリッジ部の、少なくとも前記外周補強部に対する連結部は、外周補強部の外表面よりも低い位置に設けられていることを特徴とするエアバッグリッド補強部材。 - 請求項1または請求項3に記載のエアバッグリッド補強部材において、
前記ブリッジ部の前記外周補強部に対する連結部は、前記ブリッジ部の前記ドア補強部に対する連結部よりも脆弱に設けられていることを特徴とするエアバッグリッド補強部材。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグリッド補強部材において、
前記ブリッジ部を、前記ドア補強部および外周補強部のブリッジ部を取付ける辺縁部間の間隔よりも長くすると共に、
前記外周補強部に対して、前記ドア補強部を、オフセット状態と面一状態との間で反転可能としたことを特徴とするエアバッグリッド補強部材。 - エアバッグリッド部材のドア部を補強可能なドア補強部と、
ドア部の外周に位置するドア外周部を補強可能な外周補強部とを、
エアバッグ作動時に必要な余裕代を有してヒンジ部で連結するエアバッグリッド補強部材の製造方法において、
前記ヒンジ部に、前記ドア補強部および外周補強部とは別体の、形状自在性を有する平面状ヒンジ部材を用いると共に、
前記ドア補強部と外周補強部との間の前記平面状ヒンジ部材が設置されていない位置にて、前記ドア補強部と外周補強部とをブリッジ部によって直接連結することを特徴とするエアバッグリッド補強部材の製造方法。
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WO2019244963A1 (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | カルソニックカンセイ株式会社 | エアバッグリッド補強部材及びその製造方法 |
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