JP2018022861A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の表面に形成されたパターンの倒壊を防止しつつ、基板の表面に付着した液体を除去することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。【解決手段】本発明の基板処理装置1は、基板Wのパターン形成面に、融解状態の昇華性物質を含む処理液を供給する供給手段21と、前記処理液を、前記形成面上で凝固させて凝固体を形成する凝固手段と、前記凝固体を昇華させて、前記形成面から除去する昇華手段と、を備え、前記昇華性物質がフッ化炭素化合物を含むことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の各種基板(以下、単に「基板」と記載する)に付着した液体を基板から除去する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
半導体装置や液晶表示装置等の電子部品の製造工程では、液体を使用する様々な湿式処理を基板に対して施した後、湿式処理によって基板に付着した液体を除去するための乾燥処理を基板に対して施す。
湿式処理としては、基板表面の汚染物質を除去する洗浄処理が挙げられる。例えば、ドライエッチング工程により、凹凸を有する微細なパターンを形成した基板表面には、反応副生成物(エッチング残渣)が存在している。また、エッチング残渣の他に、基板表面には金属不純物や有機汚染物質等が付着している場合があり、これらの物質を除去するために、基板へ洗浄液を供給する等の洗浄処理を行う。
洗浄処理の後には、洗浄液をリンス液により除去するリンス処理と、リンス液を乾燥する乾燥処理が施される。リンス処理としては、洗浄液が付着した基板表面に対して脱イオン水(DIW:Deionized Water)等のリンス液を供給し、基板表面の洗浄液を除去するリンス処理が挙げられる。その後、リンス液を除去することにより基板を乾燥させる乾燥処理を行う。
近年、基板に形成されるパターンの微細化に伴い、凹凸を有するパターンの凸部に於けるアスペクト比(パターン凸部に於ける高さと幅の比)が大きくなってきている。このため、乾燥処理の際、パターンの凹部に入り込んだ洗浄液やリンス液等の液体と、液体に接する気体との境界面に作用する表面張力が、パターン中の隣接する凸部同士を引き寄せて倒壊させる、いわゆるパターン倒壊の問題がある。
この様な表面張力に起困するパターンの倒壊の防止を目的とした乾燥技術として、例えば、下記特許文献1には、構造体(パターン)が形成された基板に溶液を接触させ、当該溶液を固体に変化させてパターンの支持体とし、当該支持体を固相から気相に、液相を経ることなく変化させて除去する方法が開示されている。また、特許文献1には、支持材として、メタクリル系樹脂材料、スチレン系樹脂材料及びフッ化炭素系材料の少なくとも何れかを用いることが開示されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、基板上に昇華性物質の溶液を供給し、溶液中の溶媒を乾燥させて基板上を固相の昇華性物質で満たし、昇華性物質を昇華させる乾燥技術が開示されている。これらの特許文献によれば、固体と、固体に接する気体との境界面には表面張力が作用しないため、表面張力に起因するパターンの倒壊を抑制することができるとされている。
また、特許文献4には、液体が付着した基板にターシャリーブタノール(t−ブタノール)の融液を供給し、基板上でt−ブタノールを凝固させて凝固体を形成した後、t−ブタノールを昇華させて除去する乾燥技術が開示されている。
特開2013−16699号公報 特開2012−243869号公報 特開2013−258272号公報 特開2015−142069号公報
しかし、特許文献1に開示の乾燥技術では、微細かつアスペクト比の高い(即ち、凸パターンの幅に対して、凸パターンの高さがより高い)パターンを有する基板に対して、パターンの倒壊を十分に防止できないという課題がある。
また、特許文献2及び特許文献3に開示の乾燥技術では、溶媒へ昇華性物質を溶解させた溶液を基板に供給した後、基板上で溶媒を選択的に除去して昇華性物質を基板上で析出させる必要がある。
例えば、特許文献3では、昇華性物質として1,2,3−ベンゾトリアゾールが用いられている。この物質の融点は95℃とされ、20ミリリットルのIPA(イソプロピルアルコール)に1,2,3−ベンゾトリアゾールを1グラム溶解させた溶液を供給後、基板を50℃以下で加熱してIPAを蒸発させて基板表面に昇華性物質を析出させている。このとき、基板のパターンの凹部に昇華性物質が充填された状態で析出されないと、結局基板のパターンに表面張力が作用して、パターンの倒壊を防止できないという課題がある。この課題は、パターンが微細化すると、一層顕著になる。
また、特許文献4に開示の乾燥技術では、t−ブタノールの融液を基板に供給し、t−ブタノールを凝固させるため、特許文献2や特許文献3のように溶媒の除去による昇華性物質の析出を行わない点で、前記課題に対応し得る。しかしながら、t−ブタノールを用いた昇華乾燥技術を用いてもなお、微細かつアスペクト比の高いパターンに於いて、その倒壊を十分に防止できない場合がある。
本発明は、前記課題を鑑みなされたものであり、基板の表面に形成されたパターンの倒壊を防止しつつ、基板の表面に付着した液体を除去することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る基板処理装置は、前記の課題を解決する為に、基板のパターン形成面に、融解状態の昇華性物質を含む処理液を供給する供給手段と、前記処理液を、前記パターン形成面上で凝固させて凝固体を形成する凝固手段と、前記凝固体を昇華させて、前記パターン形成面から除去する昇華手段と、を備え、前記昇華性物質がフッ化炭素化合物を含むことを特徴とする。
前記の構成によれば、例えば、基板のパターン形成面上に液体が存在する場合に、凍結乾燥(又は昇華乾燥)の原理により、パターンの倒壊を防止しつつ当該液体の除去を可能にする。具体的には、前記供給手段が、基板のパターン形成面に処理液を供給することで、前記液体を処理液に置換する。次に、凝固手段が、処理液を凝固させ凝固体を形成する。更に、昇華手段が凝固体を昇華させることにより、パターン形成面から凝固体を除去する。凝固体が昇華するのは、昇華性物質としてのフッ化炭素化合物を含み構成されたものであることに起因する。フッ化炭素化合物を含む昇華性物質は、固体から液体を経ることなく気体に状態変化するので、基板上に形成されたパターンに対し表面張力を及ぼすことがない。その結果、基板上に形成されたパターンの倒壊を防止することができる。しかも、昇華性物質であるフッ化炭素化合物は、例えば、t−ブタノール等の従来の昇華性物質と比較して、パターンの倒壊を一層抑制するものであるため、微細かつアスペクト比の高いパターンが形成された基板に対しても有効である。
ここで、前記「融解状態」とは、昇華性物質が完全に又は一部融解することにより流動性を有し、液状となっている状態を意味する。また、前記「昇華性」とは、単体、化合物若しくは混合物が液体を経ずに固体から気体、又は気体から固体へと相転移する特性を有することを意味し、「昇華性物質」とはそのような昇華性を有する物質を意味する。また、前記「パターン形成面」とは、平面状、曲面状又は凹凸状の何れであるかを問わず、基板に於いて、任意の領域に凹凸パターンが形成されている面を意味する。前記「凝固体」とは、液体状態の処理液が固化したものであって、例えば、基板上に存在していた液体が処理液と混合した状態で、凝固手段により凝固された場合には、当該液体も含み得るものである。
前記の構成に於いては、前記フッ化炭素化合物が、下記化合物(A)〜(E)の少なくとも何れかであることが好ましい。
化合物(A):炭素数3〜6のフルオロアルカン、又は当該フルオロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
化合物(B):炭素数3〜6のフルオロシクロアルカン、又は当該フルオロシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
化合物(C):炭素数10のフルオロビシクロアルカン、又は当該フルオロビシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基、及びハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
化合物(D):フルオロテトラシアノキノジメタン、又は当該フルオロテトラシアノキノジメタンに、フッ素基を除くハロゲン基が少なくとも1つ結合したもの;
化合物(E):フルオロシクロトリホスファゼン、又は当該フルオロシクロトリホスファゼンに、フッ素基を除くハロゲン基、フェノキシ基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの
更に、前記の構成に於いて、前記化合物(A)は、テトラデカフルオロヘキサンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(B)は、1,1,2,2−テトラクロロ−3,3,4,4−テトラフルオロシクロブタン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、フルオロシクロヘキサン、ドデカフルオロシクロヘキサン、1,1,4−トリフルオロシクロヘキサン、2−フルオロシクロヘキサノール、4,4−ジフルオロシクロヘキサノン、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸及び1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ウンデカフルオロ−1−(ノナフルオロブチル)シクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(C)は、2−[ジフルオロ(ウンデカフルオロシクロヘキシル)メチル]−1,1,2,3,3,4,4,4a,5,5,6,6,7,7,8,8,8a−ヘプタデカフルオロデカヒドロナフタレンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(D)は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(E)は、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記供給手段は、前記処理液を大気圧下で、前記基板のパターン形成面に供給するものであり、前記凝固手段は、前記処理液を大気圧下で前記昇華性物質の凝固点以下に冷却するものであることが好ましい。これにより、少なくとも供給手段及び凝固手段に於いては、耐圧性を有する構成にする必要がなくなり、装置コストの低減を図ることができる。
また、前記の構成に於いて、前記昇華性物質としてのフッ化炭素化合物は、大気圧下で昇華性を有し、前記昇華手段は、前記昇華性物質を大気圧下で昇華させることが好ましい。これにより、昇華性物質であるフッ化炭素化合物として、大気圧下で昇華性を有するものを用いることで、少なくとも昇華手段に於いては、耐圧性を有する構成にする必要がなくなり、装置コストの低減を図ることができる。
また、前記の構成に於いて、前記凝固手段及び昇華手段は、少なくとも前記昇華性物質に対して不活性な不活性ガスを、当該昇華性物質の凝固点以下の温度で、前記パターン形成面に向けて供給する共通の気体供給手段とすることができる。
前記の構成によれば、気体供給手段が、凝固手段として、昇華性物質の凝固点以下の温度の不活性ガスを、前記パターン形成面に向けて供給するので、当該昇華性物質を冷却して凝固させることが可能になる。また、気体供給手段は、パターン形成面に形成されている凝固体に対しても、不活性ガスを供給することにより、当該凝固体を昇華させることができ、昇華手段として機能させることができる。更に、気体供給手段を、凝固手段及び昇華手段に併用させることができるので、部品数を削減することができ、装置コストの低減を図ることができる。尚、不活性ガスは昇華性物質に対して不活性であるため、当該昇華性物質は変性することがない。
また、前記の構成に於いて、前記凝固手段又は昇華手段の少なくとも何れか一方は、冷媒を、前記昇華性物質の凝固点以下の温度で、前記基板におけるパターン形成面とは反対側の裏面に向けて供給するものとすることができる。
前記の構成によれば、凝固手段においては、基板のパターン形成面とは反対側の裏面に向けて、昇華性物質の凝固点以下の冷媒を供給することにより、当該昇華性物質を冷却して凝固させることが可能になる。また、昇華手段においては、前記冷媒を基板の裏面に向けて供給することにより、凝固体を昇華させることができる。更に、凝固手段及び昇華手段の両方について、基板の裏面に冷媒を供給できる様に構成した場合には、部品数の削減が図れ、装置コストの低減が可能になる。
また、前記の構成に於いて、前記昇華手段は、前記凝固体が形成された前記パターン形成面を、大気圧よりも低い環境下に減圧させる減圧手段であることが好ましい。
昇華手段として減圧手段を用いることにより、基板のパターン形成面を大気圧よりも低い環境下にし、凝固体に於ける昇華性物質を昇華させることができる。ここで、凝固体から昇華性物質が昇華して気化する際、当該凝固体は昇華熱として熱が奪われる。そのため、凝固体は冷却される。従って、昇華性物質の融点よりも僅かに高い温度環境下であっても、凝固体を別途冷却させることなく、昇華性物質の融点よりも低温状態に維持することができる。その結果、凝固体に於ける昇華性物質の融解を防止しつつ、凝固体の昇華を行うことができる。また、別途の冷却機構を設ける必要がないため、装置コストや処理コストを低減することができる。
また、前記の構成に於いては、前記凝固手段として前記減圧手段を用いることが好ましい。この構成によれば、昇華手段として用いる減圧手段を凝固手段としても用いるため、部品数を削減することができ、装置コストの低減を図ることができる。
また、前記の構成に於いて、前記供給手段は、前記処理液の温度を前記昇華性物質の融点以上、かつ、沸点より低い温度に調整する処理液温度調整部を有することが好ましい。前記の構成によれば、前記供給手段が更に処理液温度調整部を備えることにより、処理液の温度を昇華性物質の融点以上、かつ、沸点より低い温度に調整することができる。処理液の温度を昇華性物質の融点以上にすることで、基板上に形成されたパターンの倒壊を一層防止しつつ、基板上の液体の乾燥処理を良好に行うことができる。
また、前記の構成に於いて、前記供給手段は、前記基板のパターン形成面に前記処理液を洗浄液又はリンス液として供給することにより、当該パターン形成面に対し洗浄又はリンスを行うものであることが好ましい。前記の構成によれば、供給手段が、融解状態の昇華性物質を含む処理液を洗浄液及び/又はリンス液として用い、当該処理液を基板のパターン形成面に供給することで洗浄工程及び/又はリンス工程を行うことができる。これにより、洗浄工程及び/又はリンス工程後に処理液を供給し、洗浄液又はリンス液を当該処理液に置き換えて凍結乾燥(又は昇華乾燥)を行う場合と比べ、基板のパターン形成面に存在する汚染物質を除去しつつ、工程数の削減を図ることができ、処理効率の向上が図れる。
また、前記の構成に於いては、前記基板のパターン形成面に前記処理液を供給する前に、少なくとも当該パターン形成面を撥水処理する撥水処理手段を備えることが好ましい。凝固体が昇華する際、当該凝固体が基板のパターンに対し応力を作用させることがある。このとき、凝固体の昇華の程度が不均一であると、パターンに対しても不均一な応力が加えられる結果、パターンの倒壊が生じる場合がある。そして、通常のパターンの表面には水酸基が存在することから、パターンの倒壊によりパターン同士が接触した場合には、水酸基同士が水素結合する結果、パターンが相互に付着した状態となっている。しかしながら、前記の構成に於いては、撥水処理手段が、基板のパターン形成面を予め撥水処理するので、仮にパターン同士が接触しようとしても、斥力により相互に反発し合う結果、パターンの倒壊を防止することができる。これにより、撥水処理を行わない場合と比較して、パターンの倒壊率の抑制を図ることができる。
本発明の基板処理方法は、前記の課題を解決する為に、基板のパターン形成面に、融解状態の昇華性物質を含む処理液を供給する供給工程と、前記処理液を、前記パターン形成面上で凝固させて凝固体を形成する凝固工程と、前記凝固体を昇華させて、前記パターン形成面から除去する昇華工程とを含み、前記昇華性物質がフッ化炭素化合物を含む。
前記の構成によれば、例えば、基板のパターン形成面上に液体が存在する場合に、凍結乾燥(又は昇華乾燥)の原理により、パターンの倒壊を防止しつつ当該液体の除去を可能にする。具体的には、前記供給工程に於いて、基板のパターン形成面に処理液を供給することで、前記液体を処理液に置換する。次に、凝固工程に於いて、処理液を凝固させ凝固体を形成する。更に、昇華工程に於いて、凝固体を昇華させることにより、パターン形成面から凝固体を除去する。凝固体が昇華するのは、昇華性物質としてのフッ化炭素化合物を含み構成されたものであることに起因する。フッ化炭素化合物を含む昇華性物質は、固体から液体を経ることなく気体に状態変化するので、基板上に形成されたパターンに対し表面張力を及ぼすことがない。その結果、基板上に形成されたパターンの倒壊を防止することができる。しかも、昇華性物質であるフッ化炭素化合物は、例えば、t−ブタノール等の従来の昇華性物質と比較して、パターンの倒壊を一層抑制するものであるため、微細かつアスペクト比の高いパターンが形成された基板に対しても有効である。
前記の構成に於いては、前記フッ化炭素化合物が、下記化合物(A)〜(E)の少なくとも何れかであることが好ましい。
化合物(A):炭素数3〜6のフルオロアルカン、又は当該フルオロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
化合物(B):炭素数3〜6のフルオロシクロアルカン、又は当該フルオロシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
化合物(C):炭素数10のフルオロビシクロアルカン、又は当該フルオロビシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基、及びハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
化合物(D):フルオロテトラシアノキノジメタン、又は当該フルオロテトラシアノキノジメタンに、フッ素基を除くハロゲン基が少なくとも1つ結合したもの;
化合物(E):フルオロシクロトリホスファゼン、又は当該フルオロシクロトリホスファゼンに、フッ素基を除くハロゲン基、フェノキシ基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの
前記の構成に於いて、前記化合物(A)は、テトラデカフルオロヘキサンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(B)は、1,1,2,2−テトラクロロ−3,3,4,4−テトラフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、フルオロシクロヘキサン、ドデカフルオロシクロヘキサン、1,1,4−トリフルオロシクロヘキサン、2−フルオロシクロヘキサノール、4,4−ジフルオロシクロヘキサノン、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸及び1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ウンデカフルオロ−1−(ノナフルオロブチル)シクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(C)は、2−[ジフルオロ(ウンデカフルオロシクロヘキシル)メチル]−1,1,2,3,3,4,4,4a,5,5,6,6,7,7,8,8,8a−ヘプタデカフルオロデカヒドロナフタレンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(D)は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いて、前記化合物(E)は、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼンであることが好ましい。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、例えば、基板のパターン形成面上に液体が存在する場合に、当該液体を、昇華性物質としてのフッ化炭素化合物を含む処理液に置き換えた後、当該フッ化炭素化合物を凝固させて凝固体を形成させた上で、当該凝固体を昇華させる。そのため、基板上に形成されたパターンに対し表面張力を及ぼすことがなく、当該パターンの倒壊を防止することができる。しかも、昇華性物質であるフッ化炭素化合物は、例えば、t−ブタノール等の従来の昇華性物質と比較して、パターンの倒壊を一層抑制するものであるため、本発明の基板処理装置はパターンが形成された基板上の液体の乾燥処理に極めて適している。
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略を表す説明図である。 前記基板処理装置を表す概略平面図である。 前記基板処理装置に於ける制御ユニットの概略構成を示す説明図である。 図4(a)は前記基板処理装置に於ける乾燥補助液貯留部の概略構成を示すブロック図であり、同図(b)は当該乾燥補助液貯留部の具体的構成を示す説明図である。 前記基板処理装置に於ける気体タンクの概略構成を示すブロック図である。 前記基板処理装置を用いた基板処理方法を示すフローチャートである。 前記基板処理方法の各工程に於ける基板の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 前記第2実施形態に係る基板処理方法の各工程に於ける基板の様子を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る基板処理装置の概略を表す説明図である。 前記基板処理装置を表す概略平面図である。 前記基板処理装置を用いた基板処理方法を示すフローチャートである。 前記第3実施形態に係る基板処理方法の各工程に於ける基板の様子を示す図である。 第4実施形態に係る基板処理方法の各工程に於ける基板の様子を示す図である。 本発明の実施例及び比較例で使用した未処理のシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 本発明の実施例1に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 本発明の実施例2に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 本発明の実施例3に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 比較例1に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 本発明の実施例4に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 本発明の実施例5に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 比較例2に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 前記比較例2に係る基板処理を施したシリコン基板の他のパターン形成面を表すSEM画像である。 本発明の実施例6に係る基板処理を施したシリコン基板のパターン形成面を表すSEM画像である。 前記実施例6で使用したシリコン基板に対し、撥水処理工程を行うことなく基板処理を施した場合のパターン形成面を表すSEM画像である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理装置1の概略を表す説明図である。図2は、基板処理装置1の内部構成を表す概略平面図である。尚、各図に於いては、図示したものの方向関係を明確にするために、適宜XYZ直交座標軸を表示する。図1及び図2に於いて、XY平面は水平面を表し、十Z方向は鉛直上向きを表す。
基板処理装置1は、例えば、各種の基板の処理に用いることができる。前記「基板」とは、半導体基板、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の各種基板をいう。本実施形態では、基板処理装置1を半導体基板(以下、「基板W」という。)の処理に用いる場合を例にして説明する。
また、基板Wとしては、一方主面のみに回路パターン等(以下「パターン」と記載する)が形成されているものを例にしている。ここで、パターンが形成されているパターン形成面(主面)を「表面」と称し、その反対側のパターンが形成されていない主面を「裏面」と称する。また、下方に向けられた基板の面を「下面」と称し、上方に向けられた基板の面を「上面」と称する。尚、以下に於いては上面を表面として説明する。
基板処理装置1は、基板Wに付着しているパーティクル等の汚染物質を除去するための洗浄処理(リンス処理を含む。)、及び洗浄処理後の乾燥処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。尚、図1及び図2には、乾燥処理に用いる部位のみが示され、洗浄処理に用いる洗浄用のノズル等が図示されていないが、基板処理装置1は当該ノズル等を備えていてもよい。
<1−1 基板処理装置の構成>
先ず、基板処理装置1の構成について、図1及び図2に基づき説明する。
基板処理装置1は、基板Wを収容する容器であるチャンバ11と、基板Wを保持する基板保持手段51と、基板処理装置1の各部を制御する制御ユニット13と、基板保持手段51に保持される基板Wへ乾燥補助液としての処理液を供給する処理液供給手段(供給手段)21と、基板保持手段51に保持される基板WへIPAを供給するIPA供給手段31と、基板保持手段51に保持される基板Wヘ気体を供給する気体供給手段41(凝固手段、昇華手段)と、基板保持手段51に保持される基板Wへ供給され、基板Wの周録部外側へ排出されるIPAや乾燥補助液等を捕集する飛散防止カップ12と、基板処理装置1の各部の後述するアームをそれぞれ独立に旋回駆動させる旋回駆動部14と、チャンバ11の内部を減圧する減圧手段71とを少なくとも備える。また、基板処理装置1は基板搬入出手段、チャックピン開閉機構及び湿式洗浄手段を備える(何れも図示しない)。基板処理装置1の各部について、以下に説明する。
基板保持手段51は、回転駆動部52と、スピンベース53と、チャックピン54とを備える。スピンベース53は、基板Wよりも若干大きな平面サイズを有している。スピンベース53の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持する複数個のチャックピン54が立設されている。チャックピン54の設置数は特に限定されないが、円形状の基板Wを確実に保持するために、少なくとも3個以上設けることが好ましい。本実施形態では、スピンベース53の周縁部に沿って等間隔に3個配置する(図2参照)。それぞれのチャックピン54は、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持ピンと、基板支持ピンに支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持ピンとを備えている。
それぞれのチャックピン54は、基板保持ピンが基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持ピンが基板Wの外周端面から離れる解放状態との間で切り替え可能となっており、装置全体を制御する制御ユニット13からの動作指令に応じて状態切替が実行される。
より詳しくは、スピンベース53に対して基板Wを搬入出する際は、それぞれのチャックピン54を解放状態とし、基板Wに対して後述する洗浄処理から昇華処理までの基板処理を行う際には、それぞれのチャックピン54を押圧状態とする。チャックピン54を押圧状態とすると、チャックピン54は基板Wの周縁部を把持して、基板Wがスピンベース53から所定間隔を隔てて水平姿勢(XY面)に保持される。これにより、基板Wは、その表面Wfを上方に向けた状態で水平に保持される。
この様に本実施形態では、スピンベース53とチャックピン54とで基板Wを保持しているが、基板保持方式はこれに限定されるものではない。例えば、基板Wの裏面Wbをスピンチャック等の吸着方式により保持するようにしてもよい。
スピンベース53は、回転駆動部52に連結される。回転駆動部52は、制御ユニット13の動作指令によりZ方向に沿った軸Alまわりに回転する。回転駆動部52は、公知のベルト、モータ及び回転軸により構成される。回転駆動部52が軸Alまわりに回転すると、これに伴いスピンベース53の上方でチャックピン54により保持される基板Wは、スピンベース53とともに軸Alまわりに回転する。
次に、処理液供給手段21(供給手段)について説明する。
処理液供給手段21は、基板Wのパターン形成面に乾燥補助液を供給するユニットであり、図1に示すように、ノズル22と、アーム23と、旋回軸24と、配管25と、バルブ26と、処理液貯留部27とを少なくとも備える。
処理液貯留部27は、図4(a)及び図4(b)に示すように、処理液貯留タンク271と、処理液貯留タンク271内の乾燥補助液を撹拌する撹拌部277と、処理液貯留タンク271を加圧して乾燥補助液を送出する加圧部274と、処理液貯留タンク271内の乾燥補助液を加熱する温度調整部272とを少なくとも備える。尚、図4(a)は処理液貯留部27の概略構成を示すブロック図であり、同図(b)は当該処理液貯留部27の具体的構成を示す説明図である。
撹拌部277は、処理液貯留タンク271内の乾燥補助液を撹拌する回転部279と、回転部279の回転を制御する撹拌制御部278を備える。撹拌制御部278は制御ユニット13と電気的に接続している。回転部279は、回転軸の先端(図5に於ける回転部279の下端)にプロペラ状の攪拌翼を備えており、制御ユニット13が撹拌制御部278へ動作指令を行い、回転部279が回転することで、攪拌翼が乾燥補助液を撹拌し、乾燥補助液中の乾燥補助物質等の濃度及び温度を均一化する。
また、処理液貯留タンク271内の乾燥補助液の濃度及び温度を均一にする方法としては、前述した方法に限られず、別途循環用のポンプを設けて乾燥補助液を循環する方法等、公知の方法を用いることができる。
加圧部274は、処理液貯留タンク271内を加圧する気体の供給源である窒素ガスタンク275、窒素ガスを加圧するポンプ276及び配管273により構成される。窒素ガスタンク275は配管273により処理液貯留タンク271と管路接続されており、また配管273にはポンプ276が介挿されている。
温度調整部272は制御ユニット13と電気的に接続しており、制御ユニット13の動作指令により処理液貯留タンク271に貯留されている乾燥補助液を加熱して温度調整を行うものである。温度調整は、乾燥補助液の液温が、当該乾燥補助液に含まれる乾燥補助物質(昇華性物質。詳細については後述する。)の融点以上となるように行われればよい。これにより、乾燥補助物質の融解状態を維持することができる。尚、温度調整の上限としては、沸点よりも低い温度であることが好ましい。また、温度調整部272としては特に限定されず、例えば、抵抗加熱ヒータや、ペルチェ素子、温度調整した水を通した配管等、公知の温度調整機構を用いることができる。尚、本実施形態に於いて、温度調整部272は任意の構成である。例えば、基板処理装置1の設置環境が昇華性物質の融点よりも高温の環境にある場合には、当該昇華性物質の融解状態を維持することができるので、乾燥補助液の加熱は不要となる。その結果、温度調整部272を省略することができる。
図1に戻る。処理液貯留部27(より詳細には、処理液貯留タンク271)は、配管25を介して、ノズル22と管路接続しており、配管25の経路途中にはバルブ26が介挿される。
処理液貯留タンク271内には気圧センサ(図示しない)が設けられ、制御ユニット13と電気的に接続されている。制御ユニット13は、気圧センサが検出した値に基づいてポンプ276の動作を制御することにより、処理液貯留タンク271内の気圧を大気圧より高い所定の気圧に維持する。一方、バルブ26も制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は閉栓されている。また、バルブ26の開閉も、制御ユニット13の動作指令によって制御される。そして、制御ユニット13が処理液供給手段21へ動作指令を行い、バルブ26を開栓すると、加圧されている処理液貯留タンク271内から乾燥補助液が圧送され、配管25を介してノズル22から吐出される。これにより、乾燥補助液を基板Wの表面Wfに供給することができる。尚、処理液貯留タンク271は、前述のとおり窒素ガスによる圧力を用いて乾燥補助液を圧送するため、気密に構成されることが好ましい。
ノズル22は、水平に延設されたアーム23の先端部に取り付けられており、スピンベース53の上方に配置される。アーム23の後端部は、Z方向に延設された旋回軸24により軸J1まわりに回転自在に支持され、旋回軸24はチャンバ11内に固設される。旋回軸24を介して、アーム23は旋回駆動部14と連結される。旋回駆動部14は、制御ユニット13と電気的に接続し、制御ユニット13からの動作指令によりアーム23を軸J1まわりに回動させる。アーム23の回動に伴って、ノズル22も移動する。
ノズル22は、図2に実線で示すように、通常は基板Wの周縁部より外側であって、飛散防止カップ12よりも外側の退避位置P1に配置される。アーム23が制御ユニット13の動作指令により回動すると、ノズル22は矢印AR1の経路に沿って移動し、基板Wの表面Wfの中央部(軸A1又はその近傍)の上方位置に配置される。
図1に戻る。次に、IPA供給手段31について説明する。IPA供給手段31は、基板WへIPA(イソプロピルアルコール)を供給するユニットであり、ノズル32と、ア−ム33と、旋回軸34と、配管35と、バルブ36と、IPAタンク37と、を備える。
IPAタンク37は、配管35を介して、ノズル32と管路接続しており、配管35の経路途中にはバルブ36が介挿される。IPAタンク37には、IPAが貯留されており、図示しないポンプによりIPAタンク37内のIPAが加圧され、配管35からノズル32方向へIPAが送られる。
バルブ36は、制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は、閉栓されている。バルブ36の開閉は、制御ユニット13の動作指令によって制御される。制御ユニット13の動作指令によりバルブ36が開栓すると、IPAが配管35を通って、ノズル32から基板Wの表面Wfに供給される。
ノズル32は、水平に延設されたアーム33の先端部に取り付けられて、スピンベース53の上方に配置される。アーム33の後端部は、Z方向に延設された旋回軸34により軸J2まわりに回転自在に支持され、旋回軸34はチャンバ11内に固設される。アーム33は、旋回軸34を介して旋回駆動部14に連結される。旋回駆動部14は、制御ユニット13と電気的に接続し、制御ユニット13からの動作指令によりアーム33を軸J2まわりに回動させる。アーム33の回動に伴って、ノズル32も移動する。
図2に実線で示すように、ノズル32は、通常は基板Wの周縁部より外側であって、飛散防止カップ12よりも外側の退避位置P2に配置される。アーム33が制御ユニット13の動作指令により回動すると、ノズル32は矢印AR2の経路に沿って移動し、基板Wの表面Wfの中央部(軸A1又はその近傍)の上方位置に配置される。
尚、本実施形態では、IPA供給手段31に於いてIPAを用いるが、本発明は、乾燥補助物質及び脱イオン水(DIW:Deionized Water)に対して溶解性を有する液体であればよく、IPAに限られない。本実施形態に於けるIPAの代替としては、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、ヘキサン、デカリン、テトラリン、酢酸、シクロヘキサノール、エーテル、又はハイドロフルオロエーテル(Hydro Fluoro Ether)等が挙げられる。
図1に戻る。次に、気体供給手段41について説明する。気体供給手段41は、基板Wへ気体を供給するユニットであり、ノズル42と、アーム43と、旋回軸44と、配管45と、バルブ46と、気体タンク47と、を備える。
図5は、気体タンク47の概略構成を示すブロック図である。気体タンク47は、気体を貯留する気体貯留部471と、気体貯留部471に貯留される気体の温度を調整する気体温度調整部472とを備える。気体温度調整部472は制御ユニット13と電気的に接続しており、制御ユニット13の動作指令により気体貯留部471に貯留されている気体を加熱又は冷却して温度調整を行うものである。温度調整は、気体貯留部471に貯留される気体が乾燥補助物質の凝固点以下の低い温度になるように行われればよい。
気体温度調整部472としては特に限定されず、例えば、ペルチェ素子、温度調整した水を通した配管等、公知の温度調整機構を用いることができる。
図1に戻る。気体タンク47(より詳しくは、気体貯留部471)は、配管45を介して、ノズル42と管路接続しており、配管45の経路途中にはバルブ46が介挿される。図示しない加圧手段により気体タンク47内の気体が加圧され、配管45へ送られる。尚、加圧手段は、ポンプ等による加圧の他、気体を気体タンク47内に圧縮貯留することによっても実現できるため、いずれの加圧手段を用いてもよい。
バルブ46は、制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は閉栓されている。バルブ46の開閉は、制御ユニット13の動作指令によって制御される。制御ユニット13の動作指令によりバルブ46が開栓すると、配管45を通って、ノズル42から気体が基板Wの表面Wfに供給される。
ノズル42は、水平に延設されたアーム43の先端部に取り付けられて、スピンベース53の上方に配置される。アーム43の後端部は、Z方向に延設された旋回軸44により軸J3まわりに回転自在に支持され、旋回軸44はチャンバ11内に固設される。旋回軸44を介して、アーム43は旋回駆動部14と連結される。旋回駆動部14は、制御ユニット13と電気的に接続し、制御ユニット13からの動作指令によりアーム43を軸J3まわりに回動させる。アーム43の回動に伴って、ノズル42も移動する。
図2に実線で示すように、ノズル42は、通常は基板Wの周縁部より外側であって、飛散防止カップ12よりも外側の退避位置P3に配置される。アーム43が制御ユニット13の動作指令により回動すると、ノズル42は矢印AR3の経路に沿って移動し、基板Wの表面Wfの中央部(軸A1又はその近傍)の上方位置に配置される。表面Wf中央部の上方位置にノズル42が配置される様子を、図2に於いて点線で示す。
気体貯留部471には、乾燥補助物質に対して少なくとも不活性な不活性ガス、より具体的には窒素ガスが貯留されている。また、貯留されている窒素ガスは、気体温度調整部472に於いて、乾燥補助物質の凝固点以下の温度に調整されている。窒素ガスの温度は乾燥補助物質の凝固点以下の温度であれば特に限定されないが、通常は、摂氏0度以上摂氏15度以下の範囲内に設定することができる。窒素ガスの温度を摂氏0度以上にすることにより、チャンバ11の内部に存在する水蒸気が凝固して基板Wの表面Wfに付着等するのを防止し、基板Wへ悪影響が生じるのを防止することができる。
また、第1実施形態で用いる窒素ガスは、その露点が摂氏0度以下の乾燥気体であることが好適である。前記窒素ガスを大気圧環境下で凝固体に吹き付けると、窒素ガス中に凝固体中の乾燥補助物質が昇華する。窒素ガスは凝固体に供給され続けるので、昇華により発生した気体状態の乾燥補助物質の窒素ガス中における分圧は、気体状態の乾燥補助物質の当該窒素ガスの温度に於ける飽和蒸気圧よりも低い状態に維持され、少なくとも凝固体表面においては、気体状態の乾燥補助物質がその飽和蒸気圧以下で存在する雰囲気下で満たされる。
また、本実施形態では、気体供給手段41により供給される気体として窒素ガスを用いるが、本発明の実施としては、乾燥補助物質に対して不活性な気体であれば、これに限られない。第1実施形態に於いて、窒素ガスの代替となる気体としては、アルゴンガス、ヘリウムガス又は空気(窒素ガス濃度80%、酸素ガス濃度20%の気体)が挙げられる。あるいは、これら複数種類の気体を混合した混合気体であってもよい。
図1に戻る。減圧手段71は、チャンバ11の内部を大気圧よりも低い環境に減圧する手段であり、排気ポンプ72と、配管73と、バルブ74とを備える。排気ポンプ72は配管73を介してチャンバ11と管路接続し、気体に圧力を加える公知のポンプである。排気ポンプ72は、制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は停止状態である。排気ポンプ72の駆動は、制御ユニット13の動作指令によって制御される。また、配管73にはバルブ74が介挿される。バルブ74は、制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は閉栓されている。バルブ74の開閉は、制御ユニット13の動作指令によって制御される。
制御ユニット13の動作指令により排気ポンプ72が駆動され、バルブ74が開栓されると、排気ポンプ72によって、チャンバ11の内部に存在する気体が配管73を介してチャンバ11の外側へ排気される。
飛散防止カップ12は、スピンベース53を取り囲むように設けられる。飛散防止カップ12は図示省略の昇降駆動機構に接続され、Z方向に昇降可能となっている。基板Wヘ乾燥補助液やIPAを供給する際には、飛散防止カップ12が昇降駆動機構によって図1に示すような所定位置に位置決めされ、チャックピン54により保持された基板Wを側方位置から取り囲む。これにより、基板Wやスピンベース53から飛散する乾燥補助液やIPA等の液体を捕集することができる。
図3は、制御ユニット13の構成を示す模式図である。制御ユニット13は、基板処理装置1の各部と電気的に接続しており(図1参照)、各部の動作を制御する。制御ユニット13は、演算処理部15と、メモリ17と、を有するコンピュータにより構成される。演算処理部15としては、各種演算処理を行うCPUを用いる。また、メモリ17は、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM及び制御用ソフトウェアやデータ等を記憶しておく磁気ディスクを備える。磁気ディスクには、基板Wに応じた基板処理条件が、基板処理プログラム19(レンピとも呼ばれる)として予め格納されおり、CPUがその内容をRAMに読み出し、RAMに読み出された基板処理プログラム19の内容に従ってCPUが基板処理装置1の各部を制御する。
<1−2 乾燥補助液>
次に、本実施形態で用いる乾燥補助液について、以下に説明する。
本実施形態の乾燥補助液は、融解状態の乾燥補助物質(昇華性物質)を含む処理液であり、基板のパターン形成面に存在する液体を除去するための乾燥処理に於いて、当該乾燥処理を補助する機能を果たす。
前記昇華性物質は、液体を経ずに固体から気体、又は気体から固体へと相転移する特性を有するものであり、具体的にはフッ化炭素化合物が用いられる。フッ化炭素化合物は、炭素化合物にフッ素基が置換基として結合した化合物である。本実施形態において、フッ化炭素化合物としては、下記化合物(A)〜(E)の少なくとも何れかであることが好ましい。これらの化合物は一種単独で、又は複数を併用して用いることができる。
化合物(A):炭素数3〜6のフルオロアルカン、又は当該フルオロアルカンに置換基が結合したもの
化合物(B):炭素数3〜6のフルオロシクロアルカン、又は当該フルオロシクロアルカンに置換基が結合したもの
化合物(C):炭素数10のフルオロビシクロアルカン、又は当該フルオロビシクロアルカンに置換基が結合したもの
化合物(D):フルオロテトラシアノキノジメタン、又は当該フルオロテトラシアノキノジメタンに置換基が結合したもの
化合物(E):フルオロシクロトリホスファゼン、又は当該フルオロシクロトリホスファゼンに置換基が結合したもの
[化合物(A)]
化合物(A)としては、下記一般式(1)で表される炭素数3〜6のフルオロアルカンが挙げられる。
Figure 2018022861
より具体的には、炭素数3のフルオロアルカンとしては、例えば、CFCFCF、CHFCFCF、CHFCFCF、CHCFCH、CHFCFCH、CHFCFCH、CHFCFCHF、CHFCFCHF、CFCHFCF、CHFCHFCF、CHFCHFCF、CHFCHFCHF、CHFCHFCHF、CHCHFCH、CHFCHFCH、CHFCHFCH、CFCHCF、CHFCHCF、CHFCHCF、CHFCHCHF、CHFCHCHF、CHFCHCHF、CHCHCHF、CHCHCHF等が挙げられる。
また、炭素数4のフルオロアルカンとしては、例えば、CF(CFCF、CF(CFCHF、CFCFCHCF、CHF(CFCHF、CHFCHFCFCHF、CFCHCFCHF、CFCHFCHCF、CHFCHFCHFCHF、CFCHCFCH、CFCFCHCH、CFCHFCFCH、CHFCHCFCH等が挙げられる。
炭素数5のフルオロアルカンとしては、例えば、CF(CFCF、CFCFCFCHFCF、CHF(CFCF、CHF(CFCHF、CFCH(CF)CHCF、CFCHFCFCHCF、CFCF(CF)CHCHF、CHFCHFCFCHFCHF、CFCHCFCHCF、CHF(CFCHFCH、CHFCHCFCHCHF、CF(CHCF、CFCHFCHFCFCF等が挙げられる。
炭素数6のフルオロアルカンとしては、例えば、CF(CFCF、CF(CFCHF、CF(CFCHF、CFCH(CF)CHFCFCF、CHF(CFCHF、CFCFCHCH(CF)CF、CFCF(CHCFCF、CFCH(CFCHCF、CF(CFCHCF、CFCH(CF)(CHCF、CHFCF(CHCFCHF、CF(CF(CHCH等が挙げられる。
また、化合物(A)としては、前記炭素数3〜6のフルオロアルカンに置換基が結合したものも挙げられる。前記置換基としては、フッ素基を除くハロゲン基(具体的には、塩素基、臭素基、ヨウ素基)、水酸基、酸素原子、アルキル基、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
前記パーフルオロアルキル基としては特に限定されず、飽和パーフルオロアルキル基、不飽和パーフルオロアルキル基が挙げられる。また、パーフルオロアルキル基は、直鎖構造又は分岐構造の何れであってもよい。前記パーフルオロアルキル基としては、より具体的には、例えば、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−sec−ブチル基、パーフルオロ−tert−ブチル基、パーフルオロ−n−アミル基、パーフルオロ−sec−アミル基、パーフルオロ−tert−アミル基、パーフルオロイソアミル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロイソヘキシル基、パーフルオロネオヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロイソヘプチル基、パーフルオロネオヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロイソオクチル基、パーフルオロネオオクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロネオノニル基、パーフルオロイソノニル基、パーフルオロ−n−デシル基、パーフルオロイソデシル基、パーフルオロネオデシル基、パーフルオロ−sec−デシル基、パーフルオロ−tert−デシル基等が挙げられる。
[化合物(B)]
化合物(B)としては、下記一般式(2)で表される炭素数3〜6のフルオロシクロアルカンが挙げられる。
Figure 2018022861
より具体的には、炭素数3〜6のフルオロシクロアルカンとしては、例えば、モノフルオロシクロヘキサン、ドデカフルオロシクロヘキサン、1,1,4−トリフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,2,2,3,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5,6−オクタフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロシクロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,4,4,5,6−ノナフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5−ノナフルオロシクロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,5,6−ノナフルオロシクロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,5,5,6−デカフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6−デカフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロシクロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6−デカフルオロシクロシクロヘキサン、パーフルオロシクロプロパン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン等が挙げられる。
また、化合物(B)としては、前記炭素数3〜6のフルオロシクロアルカンに置換基が結合したものも挙げられる。前記置換基としては、フッ素基を除くハロゲン基(具体的には、塩素基、臭素基、ヨウ素基)、水酸基、酸素原子、アルキル基、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。前記アルキル基及び前記パーフルオロアルキル基としては特に限定されず、前記化合物(A)に於いて述べたのと同様のものが挙げられる。
前記炭素数3〜6のフルオロシクロアルカンに置換基が結合した化合物(B)の具体例としては、例えば、1,2,2,3,3−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルシクロブタン、1,2,4,4−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルシクロブタン、2,2,3,3−7テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルシクロブタン、1,2,2−トリフルオロ−1−トリメチルシクロブタン、1,4,4,5,5−ペンタフルオロ−1,2,2,3,3−ペンタメチルシクロペンタン、1,2,5,5−テトラフル−1,2−ジメチルシクロペンタン、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフル−1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,1,2,2−テトラクロロ−3,3,4,4−テトラフルオロシクロブタン、2−フルオロシクロヘキサノール、4,4−ジフルオロシクロヘキサノン、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸、1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ウンデカフルオロ−1−(ノナフルオロブチル)シクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロプロパン、パーフルオロジメチルシクロプロパン、パーフルオロトリメチルシクロプロパン、パーフルオロメチルシクロブタン、パーフルオロジメチルシクロブタン、パーフルオロトリメチルシクロブタン、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロジメチルシクロペンタン、パーフルオロトリメチルシクロペンタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロトリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
[化合物(C)]
化合物(C)に於ける炭素数10のフルオロビシクロアルカンとしては、例えば、フルオロビシクロ[4.4.0]デカン、フルオロビシクロ[3.3.2]デカン、ペルフルオロビシクロ[4.4.0]デカン、ペルフルオロビシクロ[3.3.2]デカン等が挙げられる。
また、化合物(C)としては、前記炭素数10のフルオロビシクロアルカンに置換基が結合したものも挙げられる。前記置換基としては、フッ素基を除くハロゲン基(具体的には、塩素基、臭素基、ヨウ素基)、ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基、又はハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基が挙げられる。
前記ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、前記ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘプチル基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、前記ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基において、ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘプチル基等が挙げられる。ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基の具体例としては、例えば、ジフルオロ(ウンデカフルオロシクロヘキシル)メチル基等が挙げられる。
前記炭素数10のフルオロビシクロアルカンに置換基が結合した化合物(C)の具体例としては、例えば、2−[ジフルオロ(ウンデカフルオロシクロヘキシル)メチル]−1,1,2,3,3,4,4,4a,5,5,6,6,7,7,8,8,8a−ヘプタデカフルオロデカヒドロナフタレン等が挙げられる。
[化合物(D)]
前記化合物(D)に於けるフルオロテトラシアノキノジメタンとしては、例えば、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン等が挙げられる。
また、化合物(D)としては、前記フルオロテトラシアノキノジメタンに、フッ素基を除くハロゲン基(具体的には、塩素基、臭素基、ヨウ素基)が少なくとも1つ結合したものも挙げられる。
[化合物(E)]
化合物(E)に於けるフルオロシクロトリホスファゼンとしては、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン、オクタフルオロシクロテトラホスファゼン、デカフルオロシクロペンタホスファゼン、ドデカフルオロシクロヘキサホスファゼン等が挙げられる。
また、化合物(E)としては、前記フルオロシクロトリホスファゼンに置換基が結合したものも挙げられる。前記置換基としては、フッ素基を除くハロゲン基(塩素基、臭素基、ヨウ素基)、フェノキシ基、アルコキシ基(−OR基)等が挙げられる。前記アルコキシ基に於けるRとしては、例えば、アルキル基、フルオロアルキル基、芳香族基等が挙げられる。更に、前記Rとしては、メチル基、エチル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基等のフルオロアルキル基、フェニル基等の芳香族基が挙げられる。
前記フルオロシクロトリホスファゼンに前記置換基が結合した化合物(E)としては、具体的には、例えば、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン、ドデカクロロシクロヘキサホスファゼン、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン等が挙げられる。
乾燥補助液は、融解状態にある昇華性物質のみからなるものであってもよいが、さらに有機溶媒が含まれていてもよい。この場合、昇華性物質の含有量は、乾燥補助液の全質量に対し60質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。また、有機溶媒としては、融解状態の昇華性物質に対し相溶性を示すものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アルコール類等が挙げられる。
<1−3 基板処理方法>
次に、本実施形態の基板処理装置1を用いた基板処理方法について、図6及び図7に基づき、以下に説明する。図6は、第1実施形態に係る基板処理装置1の動作を示すフローチャートである。図7は、図6の各工程に於ける基板Wの様子を示す模式図である。尚、基板W上には、凹凸のパターンWpが前工程により形成されている。パターンWpは、凸部Wp1及び凹部Wp2を備えている。本実施形態に於いて、凸部Wp1は、100〜600nmの範囲の高さであり、10〜50nmの範囲の幅である。また、隣接する2個の凸部Wp1間に於ける最短距離(凹部Wp2の最短幅)は、10〜50nmの範囲である。凸部Wp1のアスペクト比、即ち高さを幅で除算した値(高さ/幅)は、10〜20である。
図7(a)から7(e)までの各図は、特に明示しないかぎり、大気圧環境下で処理される。ここで、大気圧環境とは標準大気圧(1気圧、1013hPa)を中心に、0.7気圧以上1.3気圧以下の環境のことを指す。特に、基板処理装置1が陽圧となるクリーンルーム内に配置される場合には、基板Wの表面Wfの環境は、1気圧よりも高くなる。
図6を参照する。まず、所定の基板Wに応じた基板処理プログラム19がオペレータにより実行指示される。その後、基板Wを基板処理装置1に搬入する準備として、制御ユニット13が動作指令を行い以下の動作をする。
即ち、回転駆動部52の回転を停止し、チャックピン54を基板Wの受け渡しに適した位置へ位置決めする。また、バルブ26、36、46、74を開栓し、ノズル22、32、42をそれぞれ退避位置Pl、P2、P3に位置決めする。そして、チャックピン54を図示しない開閉機構により開状態とする。
未処理の基板Wが、図示しない基板搬入出機構により基板処理装置1内に搬入され、チャックピン54上に載置されると、図示しない開閉機構によりチャックピン54を閉状態とする。
未処理の基板Wが基板保持手段51に保持された後、基板に対して、図示しない湿式洗浄手段により、洗浄工程S11を行う。洗浄工程S11には、基板Wの表面Wfに洗浄液を供給して洗浄した後、当該洗浄液を除去するためのリンス処理が含まれる。洗浄液としては特に限定されず、例えば、SC−1(アンモニア、過酸化水素水、及び水を含む液体)やSC−2(塩酸、過酸化水素水、及び水を含む液体)等が挙げられる。また、リンス液としては特に限定されず、例えば、DIW等が挙げられる。洗浄液及びリンス液の供給量は特に限定されず、洗浄する範囲等に応じて適宜設定することができる。また、洗浄時間についても特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
尚、本実施形態に於いては、湿式洗浄手段により、基板Wの表面WfにSC−1を供給して当該表面Wfを洗浄した後、更に表面WfにDIWを供給して、SC−1を除去する。
図7(a)は、洗浄工程S11の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図7(a)に示すように、パターンWpが形成された基板Wの表面Wfには、洗浄工程S11に於いて供給されたDIW(図中に「60」にて図示)が付着している。
図6に戻る。次に、DIW60が付着している基板Wの表面WfへIPAを供給するIPAリンス工程S12を行う。まず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸A1まわりに一定速度で回転させる。
次に、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル32を基板Wの表面Wf中央部へ位置決めする。そして、制御ユニット13がバルブ36へ動作指令を行い、バルブ36を開栓する。これにより、IPAを、IPAタンク37から配管35及びノズル32を介して、基板Wの表面Wfに供給する。
基板Wの表面Wfに供給されたIPAは、基板Wが回転することにより生ずる遠心力により、基板Wの表面Wf中央付近から基板Wの周線部に向かって流動し、基板Wの表面Wfの全面に拡散する。これにより、基板Wの表面Wfに付着するDIWがIPAの供給によって除去され、基板Wの表面Wfの全面がIPAで覆われる。基板Wの回転速度は、IPAからなる膜の膜厚が、表面Wfの全面に於いて、凸部Wp1の高さよりも高くなる程度に設定されるのが好ましい。また、IPAの供給量は特に限定されず、適宜設定することができる。
IPAリンス工程S12の終了後、制御ユニット13がバルブ36へ動作指令を行い、バルブ36を閉栓する。また、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル32を退避位置P2に位置決めする。
図7(b)は、IPAリンス工程S12の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図7(b)に示すように、パターンWpが形成された基板Wの表面Wfには、IPAリンス工程S12に於いて供給されたIPA(図中に「61」にて図示)が、付着しており、DIW60はIPA61により置換されて基板Wの表面Wfから除去される。
図6に戻る。次に、IPA61が付着した基板Wの表面Wfに、融解状態にある乾燥補助物質を含んだ乾燥補助液としての処理液を供給する処理液供給工程(供給工程)S13を行う。まず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸Alまわりに一定速度で回転させる。このとき、基板Wの回転速度は、乾燥補助液からなる液膜の膜厚が、表面Wfの全面に於いて、凸部Wp1の高さよりも高くなる程度に設定されるのが好ましい。
続いて、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル22を基板Wの表面Wf中央部へ位置決めする。そして、制御ユニット13がバルブ26へ動作指令を行い、バルブ26を開栓する。これにより、乾燥補助液を、処理液貯留タンク271から配管25及びノズル22を介して、基板Wの表面Wfに供給する。
供給される乾燥補助液の液温は、少なくとも基板Wの表面Wfに供給された後において、乾燥補助物質の融点以上、かつ沸点よりも低い範囲で設定される。例えば、乾燥補助物質として前記1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(沸点摂氏82.5度)を用いる場合には、摂氏35度以上摂氏82度以下の範囲で設定されることが好ましい。また、乾燥補助液の供給量は特に限定されず、適宜設定することができる。
この様に、乾燥補助液を、融点以上の高温状態にして供給することにより、基板Wの表面Wfに乾燥補助液の液膜を形成させた後に凝固体を形成させることができる。その結果、層厚が均一で、膜状の凝固体が得られ、乾燥ムラの発生を低減することができる。尚、基板Wの温度及びチャンバ11内の雰囲気温度が、乾燥補助物質の融点以下の場合に、融点をわずかに上回る温度の乾燥補助液を基板Wに供給すると、乾燥補助液が基板Wに接触してから極めて短時間の内に凝固することがある。この様な場合、均一な層厚の凝固体を形成することができず、乾燥ムラの低減を図ることが困難になる。従って、基板Wの温度及びチャンバ11内の雰囲気温度が、乾燥補助物質の融点以下の場合には、乾燥補助液の液温は融点よりも十分に高温となるように温度調整することが好ましい。
尚、基板Wの表面Wfに供給する直前においては、乾燥補助液の液温は、乾燥補助物質の融点+摂氏10度以上であることが好ましい。乾燥補助液中にパーティクルや気泡が存在すると、これらは当該乾燥補助液を凝固させる際に結晶核になり得る。結晶核が多数存在すると、個々の結晶核から結晶が成長する結果、結晶粒が形成され、結晶粒同士がぶつかる境界で結晶粒界が発生する。そして、結晶粒界が存在すると、パターンに応力が作用し、これによりパターンの倒壊が発生することがある。しかし、乾燥補助液の液温を前記下限値以上にすることにより、当該乾燥補助液中に存在する気泡を減少又は消失させることができる。その結果、結晶粒界の発生を低減し、パターンの倒壊を一層低減することができる。
基板Wの表面Wfに供給された乾燥補助液は、基板Wが回転することにより生ずる遠心力により、基板Wの表面Wf中央付近から基板Wの周縁部に向かって流動し、基板Wの表面Wfの全面に拡散する。これにより、基板Wの表面Wfに付着していたIPAが乾燥補助液の供給によって除去され、基板Wの表面Wfの全面が乾燥補助液で覆われる。処理液供給工程S13の終了後、制御ユニット13がバルブ26へ動作指令を行い、バルブ26を閉栓する。また、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル22を退避位置Plに位置決めする。
図7(c)は、処理液供給工程S13の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図7(c)に示すように、パターンWpが形成された基板Wの表面Wfには、処理液供給工程S13に於いて供給された乾燥補助液(図中に「62」にて図示)が付着しており、IPA61は乾燥補助液62により置換されて基板Wの表面Wfから除去される。
図6に戻る。次に、基板Wの表面Wfに供給された乾燥補助液62を凝固させて、乾燥補助物質の凝固膜を形成する凝固工程S14を行う。まず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸A1まわりに一定速度で回転させる。このとき、基板Wの回転速度は乾燥補助液62が表面Wfの全面で凸部Wplよりも高い所定厚さの膜厚を形成できる程度の速度に設定される。
続いて、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル42を基板Wの表面Wf中央部へ位置決めする。そして、制御ユニット13がバルブ46へ動作指令を行い、バルブ46を開栓する。これにより、気体(本実施形態では、摂氏7度の窒素ガス)を、気体タンク47から配管45及びノズル42を介して、基板Wの表面Wfに向けて供給する。
基板Wの表面Wfに向けて供給された窒素ガスは、基板Wが回転することにより生ずる遠心力により、基板Wの表面Wf中央付近から基板Wの周縁部方向に向かって流動し、乾燥補助液62に覆われた基板Wの表面Wfの全面に拡散する。これにより、基板Wの表面Wfに形成されている乾燥補助液62の液膜が、乾燥補助物質の凝固点以下の低温に冷却されて凝固し、凝固体が形成される。
図7(d)は、凝固工程S14の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図7(d)に示すように、処理液供給工程S13に於いて供給された乾燥補助液62が、摂氏7度の窒素ガスの供給により冷却されて凝固し、乾燥補助物質を含む凝固体(図中に「63」にて図示)が形成される。
図6に戻る。次に、基板Wの表面Wfに形成された凝固体63を昇華させて、基板Wの表面Wfから除去する昇華工程S15を行う。昇華工程S15に於いても、凝固工程S14から引続き、ノズル42からの気体(窒素ガス)の供給が継続される。
ここで、窒素ガスに於ける乾燥補助物質の蒸気の分圧は、当該窒素ガスの供給温度に於ける乾燥補助物質の飽和蒸気圧よりも低く設定される。従って、この様な窒素ガスを基板Wの表面Wfに供給し、凝固体63に接触すると、当該凝固体63から乾燥補助物質が窒素ガス中に昇華する。また、窒素ガスは乾燥補助物質の融点よりも低温であるため、凝固体63の融解を防止しつつ、凝固体63の昇華を行うことができる。
これにより、固体状態の乾燥補助物質の昇華により、基板Wの表面Wf上に存在するIPA等の物質除去の際に、パターンWpに表面張力が作用するのを防止しパターン倒壊の発生を抑制しながら、基板Wの表面Wfを良好に乾燥することができる。
図7(e)は、昇華工程S15の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図7(e)に示すように、凝固工程S14に於いて形成された乾燥補助物質の凝固体63が、摂氏7度の窒素ガスの供給により昇華されて表面Wfから除去され、基板Wの表面Wfの乾燥が完了する。
昇華工程S15の終了後、制御ユニット13がバルブ46へ動作指令を行い、バルブ46を閉栓する。また、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル42を退避位置P3に位置決めする。
以上により、一連の基板乾燥処理が終了する。上述のような基板乾燥処理の後、図示しない基板搬入出機構により、乾燥処理済みの基板Wがチャンバ11から搬出される。
以上のように、本実施形態では、フッ化炭素化合物からなる乾燥補助物質が融解した状態で含まれる乾燥補助液を、IPAが付着した基板Wの表面Wfに供給し、当該乾燥補助液を基板Wの表面Wfで凝固させて乾燥補助物質を含む凝固体を形成した後、当該凝固体を昇華させて、基板Wの表面Wfから除去することで、基板Wの乾燥処理を行う。
ここで、乾燥補助物質としてフッ化炭素化合物を用いることで、従来の基板乾燥と比べ、基板上のパターン倒壊をより確実に抑制することができる効果がある。その理由としては、下記の要因やその他の原因が複合的に作用していることが考えられる。
(要因1)フッ化炭素化合物からなる乾燥補助物質を融解状態で供給するため、基板上に均一な層厚の膜状の凝固体を形成することができる。
(要因2)フッ化炭素化合物の蒸気圧が、従来の乾燥補助物質であるDIW(蒸気圧2.3kPa:摂氏20度)やt−ブタノール(蒸気圧4.lkPa:摂氏20度)と比較して高いため、従来よりも速い昇華速度で昇華工程を行うことができる。
(要因3)フッ化炭素化合物はOH基を有しておらず、t−ブタノールと比べ水に対し難溶性を示すため、基板上に残存する水との混合が生じず、昇華後にパターン間に水分が残留することがない。
尚、具体的なパターン倒壊の抑制効果については、後述の実施例にて説明する。
また、本実施形態では、凝固工程S14と昇華工程S15に於いて、共通の気体供給手段41を用いて、乾燥補助物質に対して不活性な不活性ガスである窒素ガスを、乾燥補助物質の凝固点以下の温度で供給する。これにより、凝固工程S14の後、即座に昇華工程S15を開始することができ、基板処理装置1の各部を動作させることに伴う処理時間や、動作させる制御ユニット13の基板処理プログラム19のメモリ量を低減することができ、また処理に用いる部品数も少なくすることができるため装置コストを低減することができる効果がある。特に、本実施形態では減圧手段71は用いないため、減圧手段71を省略することができる。
(第2実施形態)
本発明に係る第2実施形態について、以下に説明する。
本実施形態は、第1実施形態と比較して、処理液が洗浄液及び/又はリンス液として用いられ、かつ、処理液の供給工程が洗浄・リンス工程として行われる点が異なる。この様な構成によって、本実施形態では、工程数の削減を図り、処理効率の向上を図ると共に、パターンの倒壊を抑制することができ、基板Wの表面を良好に乾燥することができる。
<2−1 基板処理装置の構成及び処理液>
第2実施形態に係る基板処理装置及び制御ユニットは、第1実施形態に係る基板処理装置1及び制御ユニット13と基本的に同一の構成を有するものを用いることができる(図1及び図2参照)。従って、その説明は同一符号を付して省略する。
本実施形態において、処理液供給手段21は、湿式洗浄手段及びリンス手段として用いられる。湿式洗浄手段及びリンス手段としての処理液供給手段21の構成は、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。但し、本実施形態では、IPAリンス工程が省略されるため、IPA供給手段31を省略することも可能である。また、本実施形態で使用する処理液も、第1実施形態に係る処理液と同様であるため、その説明は省略する。
<2−2 基板処理方法>
次に、第1実施形態と同様の構成の基板処理装置1を用いた、第2実施形態に係る基板処理方法について説明する。
以下、図1、図2、図8及び図9を適宜参照して基板処理の工程を説明する。図8は、第2実施形態に係る基板処理装置1の動作を示すフローチャートである。図9は、図8の各工程に於ける基板Wの様子を示す模式図である。尚、第2実施形態に於いて、図8と、図9(c)及び9(d)に示す凝固工程S14及び昇華工程S15の各工程は、第1実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
図8に示すように、未処理の基板Wが基板保持手段51に保持された後、基板Wに対して、洗浄・リンス工程S16を行う。本工程では、洗浄・リンス手段として処理液供給手段21を用いる。
すなわち、先ず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸Alまわりに一定速度で回転させる。このとき、基板Wの回転速度は、洗浄液としての処理液からなる液膜の膜厚が、表面Wfの全面に於いて、凸部Wp1の高さよりも高くなる程度に設定されるのが好ましい。
続いて、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル22を基板Wの表面Wf中央部へ位置決めする。そして、制御ユニット13がバルブ26へ動作指令を行い、バルブ26を開栓する。これにより、洗浄液としての処理液を、処理液貯留タンク271から配管25及びノズル22を介して、基板Wの表面Wfに供給する。
供給される洗浄液の液温(より詳細には、基板Wの表面Wfに供給された後の液温)は、昇華性物質の融点以上、かつ沸点よりも低い範囲で設定される。また、洗浄液の供給量は特に限定されず、適宜設定することができる。
基板Wの温度及びチャンバ11内の雰囲気温度が、昇華性物質の融点以下の場合に、融点をわずかに上回る温度の洗浄液を基板Wに供給すると、洗浄液が基板Wに接触してから極めて短時間の内に凝固することがある。この様な場合、均一な層厚の凝固体を形成することができず、乾燥ムラの低減を図ることが困難になる。従って、基板Wの温度及びチャンバ11内の雰囲気温度が、昇華性物質の融点以下の場合には、洗浄液の液温は融点よりも十分に高温となるように温度調整することが好ましい。
基板Wの表面Wfに供給された洗浄液は、基板Wが回転することにより生ずる遠心力により、基板Wの表面Wf中央付近から基板Wの周縁部に向かって流動し、基板Wの表面Wfの全面に拡散する。これにより、基板Wの表面Wfに付着していた付着物等が洗浄液の供給によって除去され、基板Wの表面Wfの全面が洗浄液で覆われる。洗浄の終了後、制御ユニット13がバルブ26へ動作指令を行い、バルブ26を閉栓する。また、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル22を退避位置Plに位置決めする。
図9(a)は、洗浄の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図9(a)に示すように、パターンWpが形成された基板Wの表面Wfには、洗浄に於いて供給された洗浄液(図中に「64」にて図示)が付着しており、付着物は洗浄液64により基板Wの表面Wfから除去される。
図8に戻る。さらに、洗浄・リンス工程S16においては、基板Wに対して、リンス手段によりリンスを行う。この処理で用いられるリンス液は処理液であり、リンス手段は処理液供給手段21である。
まず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸A1まわりに一定速度で回転させる。次に、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル32を基板Wの表面Wf中央部へ位置決めする。そして、制御ユニット13がバルブ36へ動作指令を行い、バルブ36を開栓する。これにより、リンス液としての処理液を、処理液貯留タンク271から配管25及びノズル22を介して、基板Wの表面Wfに供給する。
基板Wの表面Wfに供給されたリンス液は、基板Wが回転することにより生ずる遠心力により、基板Wの表面Wf中央付近から基板Wの周線部に向かって流動し、基板Wの表面Wfの全面に拡散する。これにより、基板Wの表面Wfに付着している洗浄液がリンス液の供給によって除去され、基板Wの表面Wfの全面がリンス液で覆われる。基板Wの回転速度は、リンス液からなる膜の膜厚が、表面Wfの全面に於いて、凸部Wp1の高さよりも高くなる程度に設定されるのが好ましい。また、リンス液の供給量は特に限定されず、適宜設定することができる。さらに、リンス液の液温は、前述の洗浄液の液温の場合と同様である。また、リンスの時間についても特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
洗浄・リンス工程S16の終了後、制御ユニット13がバルブ26へ動作指令を行い、バルブ26を開栓する。また、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル22を退避位置P1に位置決めする。
図9(b)は、洗浄・リンス工程S16におけるリンスの終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図9(b)に示すように、パターンWpが形成された基板Wの表面Wfには、リンス処理に於いて供給されたリンス液(図中に「65」にて図示)が、付着しており、洗浄液64はリンス液65により置換されて基板Wの表面Wfから除去される。
図8に戻る。次に、基板Wの表面Wfに供給されたリンス液65を凝固させて、昇華性物質の凝固膜を形成する凝固工程S14を行う。さらに、基板Wの表面Wfに形成された凝固体63を昇華させて、基板Wの表面Wfから除去する昇華工程S15を行う。
以上により、本実施形態における一連の基板乾燥処理が終了する。上述のような基板乾燥処理の後、図示しない基板搬入出機構により、乾燥処理済みの基板Wがチャンバ11から搬出される。
(第3実施形態)
本発明に係る第3実施形態について、以下に説明する。
本実施形態は、第1実施形態と比較して、基板のパターン形成面に予め撥水処理を施している点が異なる。凝固体が昇華する際には、当該凝固体が基板のパターンに対し応力を作用させることがある。このとき、凝固体の昇華の程度が不均一であると、パターンに対しても不均一な応力が加えられる結果、パターンの倒壊が生じる場合がある。しかし、本実施形態の様に、予めパターン形成面に撥水処理を行うことで、仮にパターン同士が接触しようとしても、斥力により相互に反発し合う結果、パターンの倒壊を防止することができる。これにより、基板のパターン形成面に撥水処理を施さない場合と比較して、基板Wの表面を一層良好に乾燥できる場合がある。
<3−1 基板処理装置の構成及び乾燥補助液>
図10及び図11を適宜参照して、第3実施形態に係る基板処理装置について説明する。図10は、本実施形態に係る基板処理装置10の概略を表す説明図である。図11は、基板処理装置10の内部構成を表す概略平面図である。
第3実施形態に係る基板処理装置10は、撥水剤供給手段81を備えていることを除けば、第1実施形態に係る基板処理装置1と基本的に同一の構成を有する(図10参照)。また、第3実施形態に係る制御ユニットは、第1実施形態に係る制御ユニット13と同一の構成を有する。従って、同一の機能を有するものについては、同一符号を付してその説明を省略する。
撥水剤供給手段81は、基板Wのパターン形成面に撥水剤を供給するユニットであり、図10に示すように、ノズル82と、アーム83と、旋回軸84と、配管85と、バルブ86と、撥水剤供給部87とを少なくとも備える。
撥水剤供給部87は、配管85を介して、ノズル82と管路接続しており、配管85の経路途中にはバルブ86が介挿される。撥水剤供給部87には、撥水剤が貯留されており、図示しないポンプにより撥水剤供給部87内の撥水剤が加圧され、配管85からノズル82方向へ撥水剤が送られる。尚、撥水剤が気体状である場合、撥水剤供給部87内には気体状の撥水剤が貯留されており、図示しない加圧手段により撥水剤供給部87内の気体状の撥水剤が加圧され、配管85からノズル83方向へ送られる。加圧手段は、ポンプ等による加圧の他、気体を気体タンク47内に圧縮貯留することによっても実現できるため、いずれの加圧手段を用いてもよい。
バルブ86は、制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は、閉栓されている。バルブ86の開閉は、制御ユニット13の動作指令によって制御される。制御ユニット13の動作指令によりバルブ86が開栓すると、撥水剤が配管85を通って、ノズル82から基板Wの表面Wfに供給される。
ノズル82は、水平に延設されたアーム83の先端部に取り付けられて、スピンベース53の上方に配置される。アーム83の後端部は、Z方向に延設された旋回軸84により軸J4まわりに回転自在に支持され、旋回軸84はチャンバ11内に固設される。アーム83は、旋回軸84を介して旋回駆動部14に連結される。旋回駆動部14は、制御ユニット13と電気的に接続し、制御ユニット13からの動作指令によりアーム83を軸J4まわりに回動させる。アーム83の回動に伴って、ノズル82も移動する。
図11に実線で示すように、ノズル82は、通常は基板Wの周縁部より外側であって、飛散防止カップ12よりも外側の退避位置P4に配置される。アーム83が制御ユニット13の動作指令により回動すると、ノズル82は矢印AR4の経路に沿って移動し、基板Wの表面Wfの中央部(軸A1又はその近傍)の上方位置に配置される。
尚、本実施形態で使用する乾燥補助液は、第1実施形態に係る乾燥補助液と同様であるため、その説明は省略する。
<3−2 撥水剤>
次に、本実施形態で用いる撥水剤について、以下に説明する。
本実施形態の撥水剤としては、パターンの表面に撥水性の保護膜を形成することができ、かつ、乾燥補助液と相溶性を示すものであれば特に限定されない。そのような撥水剤としては、例えば、基板Wが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、多結晶シリコン又は単結晶シリコン等のシリコン系材料からなる場合、シリコン系撥水剤、非クロロ系撥水剤、メタル系撥水剤等が挙げられる。
前記シリコン系撥水剤としては特に限定されず、例えば、フッ酸、シランカップリング剤(例えば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、アルキルジシラザン、TMS(テトラメチルシラン)、フッ素化アルキルクロロシラン、アルキルジシラザン)等が挙げられる。前記非クロロ系撥水剤としては特に限定されず、例えば、ジメチルシリルジメチルアミン、ジメチルシリルジエチルアミン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、N,N−ジメチルアミノトリメチルシラン、N−(トリメチルシリル)ジメチルアミン、オルガノシラン化合物等が挙げられる。前記メタル系撥水剤としては特に限定されず、例えば、疎水基を有するアミン、有機シリコン化合物等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。また、撥水剤は液体状のものの他、気体状であってもよい。
撥水剤が液体状である場合、当該撥水剤には希釈に用いられることのある溶媒が含まれていてもよい。そのような溶媒としては、例えば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
<3−3 基板処理方法>
次に、本実施形態に係る基板処理装置10を用いた、第3実施形態に係る基板処理方法について説明する。
以下、図12及び図13を適宜参照して基板処理の工程を説明する。図12は、第3実施形態に係る基板処理装置10の動作を示すフローチャートである。図13は、図12の各工程に於ける基板Wの様子を示す模式図である。尚、第3実施形態に於いて、図12と、図13(a)〜13(f)(但し、図13(c)を除く)に示す洗浄工程S11、IPAリンス工程S12、処理液供給工程S13、凝固工程S14及び昇華工程S15の各工程は、第1実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
図12に示すように、IPAリンス工程によりIPA61が付着した基板Wの表面Wfに、撥水剤を供給する撥水処理工程S17を行う。まず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸Alまわりに一定速度で回転させる。このとき、基板Wの回転速度は、乾燥補助液からなる液膜の膜厚が、表面Wfの全面に於いて、凸部Wp1の高さよりも高くなる程度に設定されるのが好ましい。
続いて、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル82を基板Wの表面Wf中央部へ位置決めする。そして、制御ユニット13がバルブ86へ動作指令を行い、バルブ86を開栓する。これにより、撥水剤を、撥水剤供給部87から配管85及びノズル82を介して、基板Wの表面Wfに供給する。
供給される撥水剤の液温及び供給量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することとなるが、撥水処理後の基盤Wと水との接触角が大きい撥水剤を用いることが好ましい。
基板Wの表面Wfに供給された撥水剤は、基板Wが回転することにより生ずる遠心力により、基板Wの表面Wf中央付近から基板Wの周縁部に向かって流動し、基板Wの表面Wfの全面に拡散する。これにより、基板Wの表面Wfに付着していたIPAが撥水剤の供給によって除去され、基板Wの表面Wfの全面が撥水剤で覆われる。撥水処理工程S17の終了後、制御ユニット13がバルブ86へ動作指令を行い、バルブ86を閉栓する。また、制御ユニット13が旋回駆動部14へ動作指令を行い、ノズル82を退避位置P4に位置決めする。
図13(c)は、撥水処理工程S17の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図13(c)に示すように、パターンWpが形成された基板Wの表面Wfには、撥水処理工程S17に於いて供給された撥水剤(図中に「66」にて図示)が付着しており、IPA61は撥水剤66により置換されて基板Wの表面Wfから除去される。
続いて、撥水剤66が付着した基板Wの表面Wfに、融解状態にある昇華性物質を含んだ乾燥補助液を供給する処理液供給工程(供給工程)S13を行う。処理液供給工程S13以降の各工程については、第1実施形態に係る基板処理方法と同様である。
以上により、本実施形態における一連の基板乾燥処理が終了する。上述のような基板乾燥処理の後、図示しない基板搬入出機構により、乾燥処理済みの基板Wがチャンバ11から搬出される。
尚、本実施形態は、第2実施形態に係る基板処理方法にも適用可能である。この場合、洗浄・リンス工程S16の直前に撥水処理工程S17を行うことができる。これにより、凝固体の昇華の程度が不均一に進むことに起因して、パターンに対し不均一な応力が加えられる結果、パターン同士が接触しようとしても、当該パターンが相互に反発してその倒壊を抑制することができる。その結果、第2実施形態においても、パターンの倒壊の発生を一層低減することができる。
(第4実施形態)
本発明に係る第4実施形態について、以下に説明する。本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態と比較して、凝固工程S14及び昇華工程S15に於いて、窒素ガスの供給に代えて、チャンバ内部を減圧した点が異なる。この様な構成によっても、パターンの倒壊を抑制しつつ、基板Wの表面を良好に乾燥することができる。
<4−1 基板処理装置の全体構成及び乾燥補助液>
第4実施形態に係る基板処理装置及び制御ユニットは、第1実施形態に係る基板処理装置1及び制御ユニット13と基本的に同一の構成を有するものであるため(図1及び図2参照)、その説明は同一符号を付して省略する。また、本実施形態で使用する乾燥補助液も、第1実施形態に係る乾燥補助液と同様であるため、その説明は省略する。
<4−2 基板処理方法>
次に、第1実施形態と同様の構成の基板処理装置1を用いた、第4実施形態に係る基板処理方法について説明する。
以下、図1、図2、図6及び図14を適宜参照して基板処理の工程を説明する。図14は、図6の各工程に於ける基板Wの様子を示す模式図である。尚、第4実施形態に於いて、図6と、図14(a)から図14(c)までに示す洗浄工程S11、IPAリンス工程S12及び処理液供給工程S13の各工程は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ここで、図14(a)は、第4実施形態に於ける洗浄工程S11の終了時点に於いてDIW60の液膜に表面Wfを覆われた基板Wの様子を示し、図14(b)は、第4実施形態に於けるIPAリンス工程S12の終了時点に於いてIPA61の液膜に表面Wfを覆われた基板Wの様子を示し、図14(c)は、第4実施形態に於ける処理液供給工程S13の終了時点に於いて乾燥補助物質(昇華性物質)を融解した乾燥補助液62の液膜に表面Wfを覆われた基板Wの様子を示している。
また、図14(a)〜14(e)までの各図は、特に指示しないかざり、大気圧環境下で処理される。ここで、大気圧環境とは標準大気圧(1気圧、1013hPa)を中心に、0.7気圧以上1.3気圧以下の環境のことを指す。特に、基板処理装置1が陽圧となるクリーンルーム内に配置される場合には、基板Wの表面Wfの環境は、1気圧よりも高くなる。また、図14(d)及び図14(e)に図示する処理(詳細は後述する。)は、1.7Pa(1.7×10−5気圧)の減圧環境下で行われる。
図6を参照する。洗浄工程S11、IPAリンス工程S12及び処理液供給工程S13が実行された後、基板Wの表面Wfに供給された乾燥補助液62の液膜を凝固させて、乾燥補助物質を含む凝固体を形成する凝固工程S14を行う。具体的には、まず、制御ユニット13が回転駆動部52へ動作指令を行い、基板Wを軸A1まわりに一定速度で回転させる。このとき、基板Wの回転速度は、乾燥補助液からなる液膜の膜厚が、表面Wfの全面に於いて、凸部Wp1の高さよりも高くなる程度に設定されるのが好ましい。
続いて、制御ユニット13が排気ポンプ72へ動作指令を行い、排気ポンプ72の駆動を開始する。そして制御ユニット13がバルブ74へ動作指令を行い、バルブ74を開栓する。これにより、チャンバ11内部の気体を、配管73を介してチャンバ11外部ヘ排気する。チャンバ11内部を配管73以外について密閉状態とすることで、チャンバ11の内部環境を大気圧から減圧される。
減圧は、大気圧(約1気圧、約1013hPa)から、1.7×10−5気圧(1.7Pa)程度にまで行われる。尚、本願発明の実施に於いては当該気圧に限られず、減圧後のチャンバ11内の気圧は、チャンバ11等の耐圧性等に応じて適宜設定されてよい。
チャンバ11内が減圧されると、基板Wの表面Wfに供給された乾燥補助液62から乾燥補助物質の蒸発が生じる。このとき、乾燥補助液62から気化熱が奪われるため、当該乾燥補助液62が冷却され、凝固する。
図14(d)は、凝固工程S14の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図14(d)に示すように、処理液供給工程S13に於いて供給された乾燥補助液62が、チャンバ11内の減圧に起因する乾燥補助物質の蒸発により冷却されて凝固し、乾燥補助物質の凝固体(図中に「63」にて図示)が形成される。
このとき、乾燥補助液62から乾燥補助物質が蒸発した分だけ、凝固体63の層厚は薄くなる。このため、本実施形態に於ける処理液供給工程S13では凝固工程S14に於ける乾燥補助物質の蒸発分を考慮した上で、乾燥補助液62が所定以上の厚さの液膜になるように、基板Wの回転速度等を調整するのが好ましい。
図6に戻る。次に、基板Wの表面Wfに形成された凝固体63を昇華させて、基板Wの表面Wfから除去する昇華工程S15を行う。昇華工程S15に於いても、凝固工程S14から引続き、減圧手段71によるチャンバ11内の減圧処理が継続される。
減圧処理により、チャンバ11内の環境は乾燥補助物質の飽和蒸気圧よりも低い圧力となる。従って、この様な減圧環境を維持すると、凝固体63から乾燥補助物質の昇華が生じる。
凝固体63から乾燥補助物質の昇華が生じる際にも、凝固体63から昇華熱として熱を奪うため、凝固体63は冷却される。従って、第4実施形態に於いて、昇華工程Sl5は、チャンバ11内の環境が乾燥補助物質の融点よりも僅かに高い温度(常温環境)である場合にも、凝固体63を別途冷却することなく凝固体63を乾燥補助物質の融点よりも低温状態に維持することができ、凝固体63の融解を防止しつつ、凝固体63の昇華を行うことができる。その結果、別途の冷却機構を設ける必要がなく、装置コストや処理コストを低減することができる。
前記のように、固体状態の乾燥補助物質の昇華により、基板Wの表面Wf上に存在するIPA等の物質除去の際に、パターンWpに表面張力が作用するのを防止しパターン倒壊の発生を抑制しながら、基板Wの表面Wfを良好に乾燥することができる。
図14(e)は、昇華工程S15の終了時点に於ける基板Wの様子を示している。図14(e)に示すように、凝固工程S14に於いて形成された乾燥補助物質の凝固体63が、チャンバ11内が減圧環境とされることにより昇華されて表面Wfから除去され、基板Wの表面Wfの乾燥が完了する。
昇華工程S15の終了後、制御ユニット13がバルブ74へ動作指令を行い、バルブ74を開栓する。また、制御ユニット13が排気ポンプ72へ動作指令を行い、排気ポンプ72の動作を停止する。そして、制御ユニット13がバルブ46へ動作指令を行い、バルブ46を開栓することで、気体タンク47から配管45及びノズル42を介してチャンバ11内に気体(窒素ガス)を導入し、チャンバ11内を減圧環境から大気圧環境へ復帰させる。このとき、ノズル42は退避位置P3に位置してもよいし、基板Wの表面Wf中央部に位置してもよい。
尚、昇華工程S15の終了後、チャンバ11内を大気圧環境に復帰させる方法としては前記に限られず、各種の公知の手法が採用されてもよい。
以上により、一連の基板乾燥処理が終了する。上述のような基板乾燥処理の後、図示しない基板搬入出機構により、乾燥処理済みの基板Wがチャンバ11から搬出される。
以上のように、第4実施形態では、乾燥補助物質を融解した乾燥補助液を、IPAが付着した基板Wの表面Wfに供給して置換する。その後、乾燥補助液を基板Wの表画Wfで凝固させて乾燥補助物質の凝固膜を形成した後、乾燥補助物質を昇華させて、基板Wの表面Wfから除去する。これにより、基板Wの乾燥処理を行う。
第4実施形態のように、減圧によって乾燥補助液の凝固及び昇華を行っても、パターンの倒壊を防止しつつ基板Wの良好な乾燥を行うことができる。具体的なパターン抑制効果については、後述の実施例にて説明する。
また、第4実施形態では、凝固工程S14と昇華工程S15に於いて、共通の減圧手段71を用いて、チャンバ11の内部を減圧した。これにより、凝固工程S14の後、即座に昇華工程S15を開始することができ、基板処理装置1の各部を動作させることに伴う処理時間や、動作させる制御ユニット13の基板処理プログラム19のメモリ量を低減することができ、また処理に用いる部品数も少なくすることができるため装置コストを低減することができる効果がある。特に、第4実施形態では低温の窒素ガスは用いないため、気体供給手段41に於ける温度調整部272を省いてもよいし、チャンバ11内を減圧環境から大気圧環境に復帰させる際に、気体供給手段41以外の手段を用いる場合には、気体供給手段41を省いてもよい。
(変形例)
以上の説明に於いては、本発明の好適な実施態様について説明した。しかし、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではなく、その他の様々な形態で実施可能である。以下に、その他の主な形態を例示する。
第1実施形態から第4実施形態では、1個のチャンバ11内に於いて、基板Wに対し各工程が実行された。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、各工程ごとにチャンバが用意されてもよい。
例えば、各実施形態において、凝固工程S14までを第1チャンバで実行し、基板Wの表面Wfに凝固膜が形成されたのち、第1チャンバから基板Wを搬出し、別の第2チャンバヘ凝固膜が形成された基板Wを搬入して、第2チャンバにて昇華工程S15を行ってもよい。
また、第1実施形態から第3実施形態では、凝固工程S14及び昇華工程S15に於いて、ともに気体供給手段41による気体供給を実行した。また、第4実施形態では、凝固工程S14及び昇華工程S15に於いて、ともに減圧手段71によるチャンバ11内の減圧処理を実行した。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、凝固工程S14に於いて気体供給手段41による気体供給を実行して表面Wfに凝固体63を形成した後、昇華工程S15に於いて減圧手段71によるチャンバ11内の減圧処理を実行して凝固体63を昇華させてもよい。
第1実施形態から第4実施形態では、凝固工程S14に於いて、気体供給手段41により乾燥補助物質の凝固点以下の低温の気体を供給して表面Wfに凝固体63を形成した。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られない。
具体的には、図1又は図10のスピンベース53及びチャックピン54に代えて基板Wの裏面Wbの中央部と直接当接して基板Wを吸着保持するスピンチャックを備え、スピンチャックを公知の冷却機構(例えば、冷水配管を通す、ペルチェ素子を用いる、等)によって冷却することで基板Wを裏面Wbから冷却し、表面Wfの乾燥補助液62(第2実施形態の場合は、リンス液65)を凝固点以下の低い温度に冷却する構成としてもよい。
また、第1実施形態から第3実施形態においては、凝固工程S14又は昇華工程S15の少なくとも何れか一方において、気体供給手段41に替えて、基板Wの裏面Wbに対し、乾燥補助物質の凝固点以下の低い温度で、冷媒を供給するようにしてもよい。この場合、基板処理装置1、10には、図1又は図10のスピンベース53の中央部に貫通孔を設け、当該貫通孔を介して、基板Wの裏面Wb側に冷媒を供給するユニット(凝固手段、昇華手段)を設けることにより実現可能である。前記ユニットとしては、例えば、冷媒を貯留する冷媒貯留部と、冷媒貯留部に貯留される冷媒の温度を調整する冷媒温度調整部と、冷媒貯留部を貫通孔に管路接続するための配管と、配管の経路途中に設けられたバルブとを備えた構成が挙げられる(何れも図示しない。)。
冷媒温度調整部は制御ユニット13と電気的に接続しており、制御ユニット13の動作指令により冷媒貯留部に貯留されている冷媒を加熱又は冷却して温度調整を行うものである。温度調整は、冷媒貯留部に貯留される冷媒が乾燥補助物質の凝固点以下の低い温度になるように行われればよい。尚、冷媒温度調整部としては特に限定されず、例えば、ペルチェ素子、温度調整した水を通した配管等、公知の温度調整機構を用いることができる。
冷媒貯留部の冷媒は、図示しない加圧手段により加圧され、配管へ送られる。加圧手段は、ポンプ等による加圧の他、気体を冷媒貯留部内に圧縮貯留することによっても実現可能である。
バルブは、制御ユニット13と電気的に接続しており、通常は閉栓されている。バルブの開閉は、制御ユニット13の動作指令によって制御される。制御ユニット13の動作指令によりバルブが開栓すると、配管を通って、貫通孔から冷媒が基板Wの裏面Wbに供給される。これにより、凝固工程S14においては、表面Wfの乾燥補助液62(第2実施形態の場合は、リンス液65)を凝固させ凝固体を形成することができる。また、昇華工程S15においては、凝固体63の融解を防止しつつ、凝固体63の昇華を行うことができる。
前記冷媒としては、乾燥補助物質の凝固点以下の液体又は気体が挙げられる。さらに、前記液体としては特に限定されず、例えば、摂氏7度の冷水等が挙げられる。また、前記気体としては特に限定されず、例えば、乾燥補助物質に不活性な不活性ガス、より詳細には摂氏7度の窒素ガス等が挙げられる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(基板)
基板として、モデルパターンが表面に形成されたシリコン基板を準備した。図9に、シリコン基板のモデルパターンが形成された面を表すSEM(Scanning Electron Microscope)画像を示す。モデルパターンとしては、直径30nm、高さ480nmの円柱(アスペクト比は16)が、約30nmの間隔を空けて配列されたパターンを採用した。図9中に、白色で示す部分が円柱部分(即ち、パターンの凸部)の頭部であり、黒色で示す部分がパターンの凹部である。図9に示すように、パターン形成面には、規則的に略等しい大きさの白丸が配列していることが確認されている。
(実施例1)
本実施例に於いては、以下に述べる手順にて前記シリコン基板の乾燥処理を行い、パターン倒壊の抑制効果を評価した。また、シリコン基板の処理に於いては、第1実施形態で説明した基板処理装置を用いた。
<手順1−1 紫外光の照射>
先ず、シリコン基板の表面に紫外光を照射し、その表面特性を親水性にした。これにより、パターンの凹部に液体が入り込むのを容易にし、当該液体が供給された後に於いては、パターンの倒壊が生じやすい環境を人工的に作り出した。
<手順1−2 供給工程>
次に、大気圧下にあるチャンバ11内で、乾燥したシリコン基板のパターン形成面に直接、昇華性物質が融解してなる乾燥補助液(液温40℃)を供給した。これにより、シリコン基板のパターン形成面上に、乾燥補助液からなる液膜を形成した。昇華性物質としては、下記化学構造式で表される1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを用いた。当該化合物は、表面張力が25℃の環境下で19.6mN/mであり、蒸気圧が20℃の環境下で8.2kPa(62.0mmHg)である。また、融点及び凝固点は20.5℃であり、比重は25℃の環境下で1.58の物質である。更に、当該化合物は、例えばフッ素系ポリマーの溶解性に優れていることから、各種のコーティング剤の溶剤や、油膜汚れの洗浄剤として用いられるものである。
Figure 2018022861
<手順1−3 凝固工程>
続いて、大気圧環境下で、摂氏7度の窒素ガスを乾燥補助液からなる液膜上に供給し、当該乾燥補助液を凝固させて凝固体を形成させた。
<手順1−4 昇華工程>
更に、常温大気圧環境下で、摂氏7度の窒素ガスを継続して凝固体に供給し続け、これにより、凝固体の融解を防止しつつ、乾燥補助物質(昇華性物質)を昇華させて、シリコン基板のパターン形成面から凝固体を除去した。尚、窒素ガスの温度は摂氏7度であり、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの融点(摂氏20.5度)よりも低温であるため、凝固体に対して別途冷却は行わなかった。
図16は、前記の手順1−1から手順1−4までを実行した後の、シリコン基板のSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、パターンの倒壊は殆ど見られず、表示された領域に於ける倒壊率は0%であった。これにより、乾燥補助物質として1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを用いた場合には、パターンの倒壊を極めて良好に抑制することができ、昇華乾燥に有効であることが示された。
尚、前記倒壊率は、以下の式により算出した値である。
倒壊率(%)=(任意の領域に於ける倒壊した凸部の数)÷(当該領域に於ける凸部の総数)×100
(実施例2)
本実施例に於いては、供給工程においてシリコン基板のパターン形成面に供給する乾燥補助液の液温を常温(23℃)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、手順1−1から手順1−4までを実行し、シリコン基板のパターン形成面の凍結乾燥を行った。
図17は、本実施例において、手順1−1から手順1−4までを実行した後の、シリコン基板のSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、クラック状のパターンの倒壊が僅かに観察されたが、表示された領域に於ける倒壊率は16%に抑制された。これにより、乾燥補助物質としての1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを常温で用いた場合にも、パターンの倒壊を良好に抑制することができ、昇華乾燥に有効であることが示された。
(実施例3)
本実施例に於いては、供給工程においてシリコン基板のパターン形成面に供給する乾燥補助液の液温を60℃に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、手順1−1から手順1−4までを実行し、シリコン基板のパターン形成面の凍結乾燥を行った。
図18は、本実施例において、手順1−1から手順1−4までを実行した後の、シリコン基板のSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、パターンの倒壊は殆ど見られず、表示された領域に於ける倒壊率は0%であった。これにより、乾燥補助物質として1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを用いた場合には、パターンの倒壊を極めて良好に抑制することができ、昇華乾燥に有効であることが示された。
(比較例1)
本比較例に於いては、乾燥補助液として、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンに代えてt−ブタノールを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、シリコン基板の乾燥処理を行った。
図19は、前記の手順を実行した後のシリコン基板に於いて、平均的なパターンの倒壊率が示されている領域についてのSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、多くの箇所で白丸が大きくなった部分が観察され、パターンの倒壊が低減できていないことが確認された。パターン倒壊率は、約16%であった。
(実施例4)
実施例1では、乾燥したシリコン基板のパターン形成面に直接、乾燥補助液を供給した場合についてのパターン倒壊の抑制効果について評価を行った。しかし、実際の基板の乾燥処理に於いては、湿式洗浄処理後、パターン形成面に液体が付着した状態の基板に対し乾燥処理を行う。従って、本実施例4では、乾燥したシリコン基板に対して、DIWの供給及びIPAの供給後に、乾燥補助液を供給して乾燥処理を行った場合の、パターン倒壊の抑制効果について評価を行った。尚、シリコン基板としては、実施例1と同様のものを用いた。また、乾燥処理に於いては、第1実施形態で説明した基板処理装置を用いた。
<手順2−1 紫外光の照射>
実施例1と同様にして、シリコン基板に対し紫外光の照射を行った。
<手順2−2 DIW及びIPA供給工程>
次に、乾燥したシリコン基板のパターン形成面にDIWを供給した後、更にIPAを供給した。これにより、シリコン基板のパターン形成面に付着したDIWを除去し、IPAからなる液膜を形成した。
<手順2−3 供給工程>
続いて、実施例1と同様にして、シリコン基板のパターン形成面上に乾燥補助液の供給を行った。これにより、シリコン基板のパターン形成面に形成されていたIPAの液膜を除去し、乾燥補助液からなる液膜を形成した。乾燥補助液は実施例1と同様のものを用いた。
<手順2−4 凝固工程>
続いて、大気圧環境下で、摂氏7度の窒素ガスを乾燥補助液からなる液膜上に供給し、当該乾燥補助液を凝固させて凝固体を形成させた。
<手順2−5 昇華工程>
更に、常温大気圧の環境下で、摂氏7度の窒素ガスを継続して凝固体に供給し続け、これにより、凝固体の融解を防止しつつ、乾燥補助物質を昇華させて、シリコン基板のパターン形成面から凝固体を除去した。尚、窒素ガスの温度は摂氏7度であり、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの融点(摂氏20.5度)よりも低温であるため、凝固体に対して別途冷却は行わなかった。
図20は、前記の手順2−1から手順2−5までを実行した後の、シリコン基板のSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、複数箇所で白丸が大きくなった部分が観察され、パターンの倒壊が確認された。しかし、表示された領域に於ける倒壊率は1%未満であり、湿式洗浄処理後のシリコン基板に対しても、乾燥補助物質として1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを用いた場合には、パターンの倒壊の発生を良好に低減できることが示された。
(実施例5)
実施例1及び実施例4では、常圧環境下に於いてパターンの倒壊率を評価した。本実施例5では、減圧環境下で乾燥補助物質を昇華させた際のパターン倒壊の抑制効果を評価した。尚、シリコン基板としては、実施例1と同様のものを用いた。また、乾燥処理に於いては、第2実施形態で説明した基板処理装置を用いた。
<手順3−1 紫外光の照射>
実施例1と同様にして、シリコン基板に対し紫外光の照射を行った。
<手順3−2 供給工程>
次に、大気圧下にあるチャンバ11内で、乾燥したシリコン基板のパターン形成面に直接、昇華性物質が融解してなる乾燥補助液(液温40℃)を供給した。これにより、シリコン基板のパターン形成面上に、乾燥補助液からなる液膜を形成した。乾燥補助液は実施例1と同様のものを用いた。
<手順3−3 凝固工程>
その後、大気圧環境下でシリコン基板を冷却プレートに載置し、基板の裏面を冷却プレートに当接させて、基板の纂面から乾燥補助液の液膜を冷却した。これにより、乾燥補助液からなる凝固体を形成させた。
<手順3−4 昇華工程>
続いて、シリコン基板を収容したチャンバ11内を減圧手段71により減圧し、気圧を1.7Paとすることで、乾燥補助物質を昇華させることで、シリコン基板の表面から凝固体を除去した。
図21は、前記の手順3−1から手順3−4までを実行した後の、シリコン基板のSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、複数箇所で白丸が大きくなった部分が観察され、パターンの倒壊が僅かに確認された。しかし、表示された領域に於ける倒壊率は1%未満であり、減圧環境下で昇華工程を行った場合でも、乾燥補助物質として1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを用いた場合には、パターンの倒壊の発生を良好に低減できることが示された。
(比較例2)
本比較例に於いては、乾燥補助液として、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンに代えてt−ブタノールを用いた。それ以外は、実施例3と同様にして、シリコン基板の乾燥処理を行った。
尚、本比較例は、乾燥補助液としてt−ブタノールを用い、かつ、昇華工程を減圧環境下で行った中で、最も良好な結果が得られたものであった。t−ブタノールを用い、かつ、昇華工程を常圧環境下で行った場合については、本比較例と比較して、パターンの倒壊率が高いため、その記載は省略した。
図22は、前記の手順を実行した後のシリコン基板に於いて、平均的なパターンの倒壊率が示されている領域についてのSEM画像である。乾燥処理前のシリコン基板のパターン形成面(図15参照)と比較して、多くの箇所で白丸が大きくなった部分が観察され、パターンの倒壊が低減できていないことが確認された。パターン倒壊率は、34%であった。また、図23は、前記の手順を実行した後のシリコン基板に於いて、パターン倒壊率が最も良好な領域に於けるSEM画像である。最も良好な領域でも複数箇所で白丸が大きくなった箇所が確認された。この領域でのパターン倒壊率は4%であった。
(実施例6)
本実施例に於いては、以下に述べる手順にて前記シリコン基板の乾燥処理を行い、パターン倒壊の抑制効果を評価した。また、シリコン基板の処理に於いては、第3実施形態で説明した基板処理装置を用いた。尚、シリコン基板としては、実施例1で使用したものと比較して一層倒壊し易く、脆弱なパターンが形成されたものを用いた。
<手順4−1 紫外光の照射>
実施例1と同様にして、シリコン基板に対し紫外光の照射を行った。
<手順4−2 撥水処理工程>
次に、大気圧下にあるチャンバ11内で、乾燥したシリコン基板のパターン形成面に直接、HMDSガスを接触させた。これにより、シリコン基板のパターン形成面に撥水処理を施した。
<手順4−3 供給工程>
続いて、実施例1と同様にして、シリコン基板のパターン形成面上に乾燥補助液の供給を行った。これにより、シリコン基板のパターン形成面に乾燥補助液からなる液膜を形成した。乾燥補助液は実施例1と同様のものを用いた。
<手順4−4 凝固工程>
続いて、実施例1と同様にして、大気圧環境下で、摂氏7度の窒素ガスを乾燥補助液からなる液膜上に供給し、当該乾燥補助液を凝固させて凝固体を形成させた。
<手順4−5 昇華工程>
続いて、実施例1と同様にして、常温大気圧環境下で、摂氏7度の窒素ガスを継続して凝固体に供給し続け、これにより、凝固体の融解を防止しつつ、乾燥補助物質(昇華性物質)を昇華させて、シリコン基板のパターン形成面から凝固体を除去した。
図24は、前記の手順4−1から手順4−5までを実行した後の、シリコン基板のSEM画像である。撥水処理工程のみ行わなかった場合のシリコン基板のパターン形成面(図25参照)と比較して、パターンの倒壊が大幅に低減していることが確認された。表示された領域に於ける倒壊率は1%以下であり、シリコン基板のパターン形成面に予め撥水処理工程を施すことにより、パターンの倒壊の発生を良好に低減できることが示された。
(結果)
図16〜図23に示すように、乾燥補助物質として、フッ化炭素化合物の一種である1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを用いた実施例1〜5の場合には、例えば、従来の乾燥補助物質であるt−ブタノールを用いた比較例1及び2の場合と比較して、パターン倒壊の発生を低減できることが確認された。
また、図16〜図18に示すように、乾燥補助液の液温40℃である実施例1、及び当該液温が60℃である実施例3の場合には、当該液温が23℃である実施例2の場合と比較して、パターンの倒壊の低減が極めて良好であった。これにより、昇華性物質である1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの融点(20.5℃)よりも十分に高い液温で乾燥補助液を用いた場合には、パターンの倒壊の発生を良好に低減できることが示された。
さらに、図24に示すように、シリコン基板のパターン形成面に予め撥水処理を施した実施例6の場合には、当該撥水処理を施さない場合(図25参照)と比較して、クラック状の倒壊も発生しておらず、パターンの倒壊が大幅に低減していることが確認された。表示された領域に於ける倒壊率は1%以下であり、シリコン基板のパターン形成面に予め撥水処理工程を施すことにより、パターンの倒壊の発生を良好に低減できることが示された。
本発明は、基板の表面に付着する液体を除去する乾燥技術、及び当該乾燥技術を用いて基板の表面を処理する基板処理技術全般に適用することができる。
1、10 基板処理装置
11 チャンバ
12 飛散防止カップ
13 制御ユニット
14 旋回駆動部
15 演算処理部
17 メモリ
19 基板処理プログラム
21 処理液供給手段(供給手段)
22 ノズル
23 アーム
24 旋回軸
25 配管
26 バルブ
27 処理液貯留部
31 IPA供給手段
32 ノズル
33 アーム
34 旋回軸
35 配管
36 バルブ
37 IPAタンク
41 気体供給手段(凝固手段、昇華手段)
42 ノズル
43 アーム
44 旋回軸
45 配管
46 バルブ
47 気体タンク
51 基板保持手段
52 回転駆動部
53 スピンベース
54 チャックピン
61 IPA
62 乾燥補助液
63 凝固体
71 減圧手段
72 排気ポンプ
74 バルブ
81 撥水剤供給手段
82 ノズル
83 アーム
84 旋回軸
85 配管
86 バルブ
87 撥水剤供給部
271 処理液貯留タンク
272 温度調整部
273 配管
274 加圧部
275 窒素ガスタンク
276 ポンプ
277 撹拌部
278 撹拌制御部
279 回転部
471 気体貯留部
472 気体温度調整部
A1、J1、J2、J3、J4 軸
AR1、AR2、AR3、AR4 矢印
P1、P2、P3、P4 退避位置
S11 洗浄工程
S12 IPAリンス工程
S13 処理液供給工程(供給工程)
S14 凝固工程
S15 昇華工程
S16 洗浄・リンス工程
S17 撥水処理工程
W 基板
Wf (基板の)表面
Wb (基板の)裏面
Wp (基板表面の)パターン
Wp1 (パターンの)凸部
Wp2 (パターンの)凹部

Claims (23)

  1. 基板のパターン形成面に、融解状態の昇華性物質を含む処理液を供給する供給手段と、
    前記処理液を、前記パターン形成面上で凝固させて凝固体を形成する凝固手段と、
    前記凝固体を昇華させて、前記パターン形成面から除去する昇華手段と、
    を備え、
    前記昇華性物質がフッ化炭素化合物を含むことを特徴とする、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記フッ化炭素化合物が、下記化合物(A)〜(E)の少なくとも何れかであることを特徴とする、基板処理装置。
    化合物(A):炭素数3〜6のフルオロアルカン、又は当該フルオロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
    化合物(B):炭素数3〜6のフルオロシクロアルカン、又は当該フルオロシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
    化合物(C):炭素数10のフルオロビシクロアルカン、又は当該フルオロビシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基、及びハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
    化合物(D):フルオロテトラシアノキノジメタン、又は当該フルオロテトラシアノキノジメタンに、フッ素基を除くハロゲン基が少なくとも1つ結合したもの;
    化合物(E):フルオロシクロトリホスファゼン、又は当該フルオロシクロトリホスファゼンに、フッ素基を除くハロゲン基、フェノキシ基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記化合物(A)は、テトラデカフルオロヘキサンであることを特徴とする、基板処理装置。
  4. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記化合物(B)は、1,1,2,2−テトラクロロ−3,3,4,4−テトラフルオロシクロブタン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、フルオロシクロヘキサン、ドデカフルオロシクロヘキサン、1,1,4−トリフルオロシクロヘキサン、2−フルオロシクロヘキサノール、4,4−ジフルオロシクロヘキサノン、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸及び1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ウンデカフルオロ−1−(ノナフルオロブチル)シクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、基板処理装置。
  5. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記化合物(C)は、2−[ジフルオロ(ウンデカフルオロシクロヘキシル)メチル]−1,1,2,3,3,4,4,4a,5,5,6,6,7,7,8,8,8a−ヘプタデカフルオロデカヒドロナフタレンであることを特徴とする、基板処理装置。
  6. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記化合物(D)は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンであることを特徴とする、基板処理装置。
  7. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記化合物(E)は、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼンであることを特徴とする、基板処理装置。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記供給手段は、前記処理液を大気圧下で、前記基板のパターン形成面に供給するものであり、
    前記凝固手段は、前記処理液を大気圧下で前記昇華性物質の凝固点以下に冷却するものであることを特徴とする、基板処理装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記昇華性物質としてのフッ化炭素化合物は、大気圧下で昇華性を有し、
    前記昇華手段は、前記昇華性物質を大気圧下で昇華させることを特徴とする、基板処理装置。
  10. 請求項9に記載の基板処理装置であって、
    前記凝固手段及び昇華手段は、少なくとも前記昇華性物質に対して不活性な不活性ガスを、当該昇華性物質の凝固点以下の温度で、前記パターン形成面に向けて供給する共通の気体供給手段であることを特徴とする、基板処理装置。
  11. 請求項9に記載の基板処理装置であって、
    前記凝固手段又は昇華手段の少なくとも何れか一方は、冷媒を、前記昇華性物質の凝固点以下の温度で、前記基板におけるパターン形成面とは反対側の裏面に向けて供給するものであることを特徴とする、基板処理装置。
  12. 請求項1〜7の何れか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記昇華手段は、前記凝固体が形成された前記パターン形成面を、大気圧よりも低い環境下に減圧させる減圧手段であることを特徴とする、基板処理装置。
  13. 請求項12に記載の基板処理装置であって、
    前記凝固手段として前記減圧手段を用いることを特徴とする、基板処理装置。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記供給手段は、前記処理液の温度を前記昇華性物質の融点以上、かつ、沸点より低い温度に調整する処理液温度調整部を有することを特徴とする、基板処理装置。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記供給手段は、前記基板のパターン形成面に前記処理液を洗浄液又はリンス液として供給することにより、当該パターン形成面に対し洗浄又はリンスを行うものであることを特徴とする、基板処理装置。
  16. 請求項1〜15の何れか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記基板のパターン形成面に前記処理液を供給する前に、少なくとも当該パターン形成面を撥水処理する撥水処理手段を備えることを特徴とする、基板処理装置。
  17. 基板のパターン形成面に、融解状態の昇華性物質を含む処理液を供給する供給工程と、
    前記処理液を、前記パターン形成面上で凝固させて凝固体を形成する凝固工程と、
    前記凝固体を昇華させて、前記パターン形成面から除去する昇華工程と、
    を含み、
    前記昇華性物質がフッ化炭素化合物を含むことを特徴とする、基板処理方法。
  18. 請求項17に記載の基板処理方法であって、
    前記フッ化炭素化合物が、下記化合物(A)〜(E)の少なくとも何れかであることを特徴とする、基板処理方法。
    化合物(A):炭素数3〜6のフルオロアルカン、又は当該フルオロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
    化合物(B):炭素数3〜6のフルオロシクロアルカン、又は当該フルオロシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、水酸基、酸素原子、カルボキシル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
    化合物(C):炭素数10のフルオロビシクロアルカン、又は当該フルオロビシクロアルカンに、フッ素基を除くハロゲン基、ハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基、及びハロゲン原子を有してもよいシクロアルキル基を有するアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの;
    化合物(D):フルオロテトラシアノキノジメタン、又は当該フルオロテトラシアノキノジメタンに、フッ素基を除くハロゲン基が少なくとも1つ結合したもの;
    化合物(E):フルオロシクロトリホスファゼン、又は当該フルオロシクロトリホスファゼンに、フッ素基を除くハロゲン基、フェノキシ基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したもの
  19. 請求項18に記載の基板処理方法であって、
    前記化合物(A)は、テトラデカフルオロヘキサンであることを特徴とする、基板処理方法。
  20. 請求項18に記載の基板処理方法であって、
    前記化合物(B)は、1,1,2,2−テトラクロロ−3,3,4,4−テトラフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、フルオロシクロヘキサン、ドデカフルオロシクロヘキサン、1,1,4−トリフルオロシクロヘキサン、2−フルオロシクロヘキサノール、4,4−ジフルオロシクロヘキサノン、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸及び1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ウンデカフルオロ−1−(ノナフルオロブチル)シクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、基板処理方法。
  21. 請求項18に記載の基板処理方法であって、
    前記化合物(C)は、2−[ジフルオロ(ウンデカフルオロシクロヘキシル)メチル]−1,1,2,3,3,4,4,4a,5,5,6,6,7,7,8,8,8a−ヘプタデカフルオロデカヒドロナフタレンであることを特徴とする、基板処理方法。
  22. 請求項18に記載の基板処理方法であって、
    前記化合物(D)は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンであることを特徴とする、基板処理方法。
  23. 請求項18に記載の基板処理方法であって、
    前記化合物(E)は、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼンであることを特徴とする、基板処理方法。
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