JP2018022598A - 導電性ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性を低下させることなく、耐酸化性及を高めるとともに硫化やマイグレーションを効果的に抑制するという両方の特性を有する導電性ペーストを容易に提供する。【解決手段】 芯材として金属粒子2を用い、当該金属粒子2の表面がカーボン3で被覆されてなるカーボン被覆金属粒子1と、バインダー樹脂と、溶剤とを含むことを特徴とする導電性ペースト。また、金属粒子の表面を被覆するカーボンは、溶融塩電気めっき膜であることが好ましい。【選択図】 図1
Description
本発明は、金属粒子を含む導電性ペーストに関するものである。
電子機器における配線層や電極等の形成には、銀粉や銀コート銅粉等の金属粒子を使用した導電性ペーストが多用されている。すなわち、銀や銀コート銅の金属粒子ペーストを各種基材上に塗布又は印刷した後、加熱乾燥、加熱硬化することによって、配線層や電極等となる導電膜を形成することができる。
例えば、導電性ペーストは、金属粒子と、樹脂、硬化剤、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷し、100℃〜200℃で加熱硬化させて導電膜とし、配線や電極を形成する。導電性ペーストは、熱によって熱硬化型樹脂が硬化収縮するため、金属粒子が圧着されて接触することで金属粒子同士が重なり、電気的に接続した電流パスが形成される。導電性ペーストは、硬化温度が200℃以下で処理することから、プリント配線板等の熱に弱い材料を用いている基板に使用されている。また、樹脂の種類によっては加熱乾燥のみでも同様の結果が得られるものもある。
さて、金属粒子としては、通常、銅粉や銀粉が使用されている。銅粉は、銀粉に比べて安価であるものの耐酸化性に劣り、110℃以上の温度で取り扱うと酸化被膜が容易に形成されて、導電性が著しく低下したり、断線したりするという問題がある。また、湿熱によっても容易に酸化されてしまう。一方、銀粉は、耐酸化性は良好であるものの、硫化やマイグレーションが発生しやすいことと価格が高いという問題がある。
このことから、安価な銅粉の耐酸化性を向上させるために、銅粉表面に銀を被覆する方法が種々提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、銀錯塩溶液を用いて銅粉表面に銀を析出させて被覆する方法が提案されている。また、特許文献3には、キレート剤としてEDTA(エチレンジアミン4酢酸)中に銅粉を分散させて、銅表面に銀を還元被覆する方法が提案されている。さらに、特許文献4には、銅粉表面にリン及び/又はホウ素を含有しているニッケル合金を被覆し、さらにこのニッケル合金に銀を被覆する被覆銅粉が提案されている。
一方、銀のマイグレーションを抑制するものとして、特許文献5では銅粒子の表面に銀とチタネートカップリング剤を被覆する方法や、特許文献6では銅と銀の融液を不活性ガス気流中で急冷して凝固することで紛体化して内部から表面に向けて銀濃度が次第に増加する粒子とする方法が提案されている。また、特許文献7では、銅粉表面全体へ均一に銀を被覆せず、銅が表面に露出する部分を残存させることでマイグレーションを改善する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1〜4の方法では、銀による硫化やマイグレーションの発生を抑制する方法については何ら示されていない。そして、特許文献5のチタネートカップリング剤を用いる方法では、銀表面にチタネートカップリング剤が被覆されているために導電性が低下するという問題がある。また、特許文献6の銅と銀の融液を不活性ガス気流中で急冷して紛体化する方法では、融点以上の高温の設備が必要となり、また求める粒径の大きさに制御することが困難であるという問題がある。さらに、特許文献7の部分的に銅を表面に露出する方法では、銅が表面に露出しているため耐酸化性が不十分であることと、導電性ペースト中に配合した場合に露出している銅の部分でゲル化が発生するといった問題がある。
したがって、本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、導電性を低下させることなく、耐酸化性及を高めるとともに硫化やマイグレーションを効果的に抑制するという両方の特性を有する導電性ペーストを容易に提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の導電性ペーストは、芯材として金属粒子を用い、当該金属粒子の表面がカーボンで被覆されてなるカーボン被覆金属粒子と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。
このように導電性ペーストに含有される金属粒子の表面がカーボンで被覆されているので、湿度や硫化物を金属粒子に接触させることがないように金属粒子を保護できる。しかも、カーボン構造は緻密であり、水分、酸やアルカリに対する耐性が強い。したがって、このようなカーボン被覆金属粒子を用いた導電性ペーストは、耐酸化性及を高めるとともに硫化やマイグレーションを効果的に抑制することができる。
また、金属粒子を被覆するカーボンの接触抵抗は低く、カーボン被覆によっても導電性ペーストの抵抗値をほとんど上昇させない。
このように導電性ペーストに含有される金属粒子の表面がカーボンで被覆されているので、湿度や硫化物を金属粒子に接触させることがないように金属粒子を保護できる。しかも、カーボン構造は緻密であり、水分、酸やアルカリに対する耐性が強い。したがって、このようなカーボン被覆金属粒子を用いた導電性ペーストは、耐酸化性及を高めるとともに硫化やマイグレーションを効果的に抑制することができる。
また、金属粒子を被覆するカーボンの接触抵抗は低く、カーボン被覆によっても導電性ペーストの抵抗値をほとんど上昇させない。
金属粒子の表面を被覆するカーボンは、溶融塩電気めっき膜であることが好ましい。溶融塩電気めっき膜は、その被覆に用いる装置構成が簡便で、カーボンの金属粒子への密着性が比較的高い。また、その製造過程が低温(400℃程度)で行われるので、芯材との収縮率の違いによるクラックが生じにくい。
金属粒子の体積平均粒子径は、0.1〜10μmであることが好ましい。この範囲であると、金属粒子の保護と導電性ペーストの導電性に優れる。
カーボンの厚みは、0.01μm〜1.0μmであることが好ましい。この範囲であると、金属粒子の保護と導電性、ペースト内での流動性に優れる。
カーボンの含有量は、カーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して0.5質量%〜10質量%であるのが好ましい。この範囲であると、金属粒子の保護と導電性ペーストの導電性に優れる。
カーボンは、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンの単体あるいはこれらのうちの2以上が存在する構造のいずれかを用いることができる。
金属粒子は、銀、銅、ニッケルの中から選ばれた1以上の金属粒子であるのが好ましい。これらは、金属粒子の中でも導電性、コストの点で工業生産上適している。なお、金属粒子の形状は、球状、フレーク状、繊維状、円盤状および楕円体状のいずれであってもよい。
以上説明したように、本発明の導電性ペーストによれば、導電性を低下させることなく、耐酸化性及を高めるとともに硫化やマイグレーションを効果的に抑制するという両方の特性を有することができる。
下記で、本発明に係る実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明の実施例に記載した部位や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
本実施に係る導電性ペーストは、上述したように、金属粒子2の表面をカーボン3で被覆してなるカーボン被覆金属粒子1(図1参照)と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。このような導電性ペーストでは、金属粒子2の表面を被覆するカーボン3によって、湿度や硫化物を金属粒子に接触させることがないように金属粒子を保護できる。しかも、カーボン構造は緻密であり、水分、酸やアルカリに対する耐性が強い。したがって、十分な耐酸化性を有し、且つ、硫化やマイグレーションが抑制された導電性ペーストとなる。
金属粒子の表面を被覆するカーボンは、例えば、溶融塩電気めっき膜として形成することができる。他にもスパッタリング膜やプラズマCVD膜等、カーボン被覆膜として一般的な膜として形成することもできる。特に好ましくは、その被覆に用いる装置構成が簡便で、カーボンの金属粒子への密着性が比較的高く、ウエット法なので均一にカーボン膜を被覆可能である等の点から溶融塩電気めっき膜である。
金属粒子の表面を被覆するカーボンを溶融塩電気めっき膜として形成するには、溶融塩電気めっき(Molten salt electroplating)を行なう。
溶融塩電気めっきによるカーボン膜形成の一例を説明すると、炭素源として、カーバイドイオン(C2 2−)を含む 溶融塩中で、カーボンめっきを施す金属基材(被処理基材)を陽分極させると、金属基材上でC2 2−が 電気化学的に酸化され(式1)、基材表面にカーボンめっき膜を形成することができる。
溶融塩電気めっきによるカーボン膜形成の一例を説明すると、炭素源として、カーバイドイオン(C2 2−)を含む 溶融塩中で、カーボンめっきを施す金属基材(被処理基材)を陽分極させると、金属基材上でC2 2−が 電気化学的に酸化され(式1)、基材表面にカーボンめっき膜を形成することができる。
溶融塩電気めっきは、従来のめっき技術同様、簡便な装置構成で実施できる常圧プロセスであり、安全な製造条件かつ低エネルギー消費で、炭素をコーティングすることができる。また、PVDなどの気相製膜方法に比べ、装置のスケールアップやプロセスの連続化も容易である。溶融塩電気めっきでは、液相の溶融塩と接する処理材の全面で反応が進行するため、微小な基材から大型の基材まで、また小さな窪みや細い管の内側といった複雑形状の基材であっても、全面にカーボンのめっきが可能であるため、微小な金属粒子の被覆にも適している。さらに、電解電位や電流密度といった電解パラメータによりカーボンめっき膜の構造や形態を容易に制御することができ、適切なパラメータを選択することで、緻密なカーボンめっき膜を形成できる。また、溶融塩電気めっきでは、PVDなどの気相製膜方法に比べて、めっき膜の密着性が高い。めっき膜のカーボンは金属粒子内への拡散をしているため、この拡散層によって金属粒子との密着性が高められると考えられる。また、その製造過程が低温(400〜500℃程度)で行われるので、芯材との収縮率の違いによるクラックが生じにくい。めっき膜にクラックが生ずると、金属粒子が保護されないため酸化や硫化、マイグレーションの問題が生ずる。
溶融塩には、例えば、LiCl−KClやLiCl−KCl−CaCl2等を用い、溶融後、塩化水素の吹き込みによる脱水処理を行った上でめっき浴として使用する。C2 2−源としては、例えば、CaC2を使用し、電解を行う。電解により金属粒子の表面にカーボンが析出して被膜が形成される。電解後のカーボン被覆金属粒子は蒸留水で水洗し、カーボン被覆金属粒子表面に付着した溶融塩を除去する。
カーボン被覆金属粒子において、カーボンの含有量(カーボン被覆量)は、カーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。カーボン被覆量は、少なすぎると金属粒子表面に均一なカーボンの被膜が確保できず、金属粒子が一部露出して酸化、硫化およびマイグレーションの抑制効果低下の原因になる。このことから、カーボン被覆量はカーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上である。一方で、カーボン被覆量は、多くなりすぎると相対的に金属粒子の含有量が低くなり、導電性低下の原因となる。このことから、カーボン被覆量はカーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して10質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以下である。
カーボン被覆金属粒子において、カーボンの含有量(カーボン被覆量)は、カーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。カーボン被覆量は、少なすぎると金属粒子表面に均一なカーボンの被膜が確保できず、金属粒子が一部露出して酸化、硫化およびマイグレーションの抑制効果低下の原因になる。このことから、カーボン被覆量はカーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上である。一方で、カーボン被覆量は、多くなりすぎると相対的に金属粒子の含有量が低くなり、導電性低下の原因となる。このことから、カーボン被覆量はカーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して10質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以下である。
本実施の形態に係るカーボン被覆金属粒子は、上述したように、芯材として金属粒子を用いる。芯材として使用される金属粒子の形状としては、球状、フレーク状、繊維状、円盤状、及び楕円体状のいずれかの形状のものを利用することができる。
金属粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、金、錫、亜鉛、ステンレスなどの金属系、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズなどを基材にアルミ ニウム、酸化アンチモンをドープした金属酸化物系、絶縁性で安価なマイカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズにアルミニウムやニッケルなどの金属を被覆した金属被覆系などが挙げられる。とくに、銀、銅の中から選ばれた1以上の金属粒子を用いるのが、導電性、コストの点で工業生産上適しているために好ましい。
金属粒子の体積平均粒子径は、0.1〜20μmである。平均粒子径がこのような範囲であることで、この金属粒子を用いた導電性ペーストは、十分な導電性や良好な成形性を確保することができる。粒子径が小さすぎると、これを用いて導電性ペーストとしたときに粒子間の接点点数が多く、すなわちカーボンどうしの接点数が多くり抵抗値が高くなるおそれがある。このことから、粒子径は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上である。一方で、粒子径が大きすぎると、カーボン被覆時においてカーボンとの収縮率の違いによるクラックが生じやすくなる。このことから、粒子径は20μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。なお、金属粒子を被覆するカーボンが溶融塩電気めっき膜の場合、前述の通り、クラックはより発生しにくい。
また、本実施の形態に係るカーボン被覆金属粒子において、芯材としての金属粒子の表面に被覆するカーボンの平均厚み(平均被覆厚み)としては、0.01μm〜1.0μmであるのが好ましい。カーボンの厚みは、薄すぎると金属粒子表面に均一なカーボンの被膜が確保できず、金属粒子が一部露出して酸化、硫化およびマイグレーションの抑制効果低下の原因になる。このことから、カーボンの平均厚みは0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上である。一方で、カーボンの厚みは、厚すぎると被膜構成によっては抵抗値が上昇する。具体的には、純粋なグラフェン、カーボンナノチューブなどであれば、被覆膜が厚くても構わないが、混合物であれば、厚すぎない方がよい。加えて、金属粒子の粒径が大きい場合にはカーボン被覆粒子全体の粒径が大きくなりすぎ、導電性ペーストを印刷又は吐出する際の流動性が悪くなる。このことから、カーボンの平均厚みは1.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。
金属粒子の表面に被覆するカーボンは、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンの単体あるいはこれらのうちの2以上が存在する構造のいずれかで形成することができる。上記列挙のカーボンは、いずれも緻密な構造を有するので、水分、酸やアルカリに対する耐性が強い。また、この中でも、アモルファスカーボンを含む構成は、接触抵抗及び膜厚方向の抵抗の低さという点でとくに優れているので、より好ましい。
バインダー樹脂としては特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂や架橋可能な熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体などが挙げられる。
また、溶剤についても、従来使用されている、プロピレンモノメチルエーテル、エチルカルビトール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、3 − メチル− 3 − メトキシブタノール、3 − メチル− 3 − メトキシブチルエーテル、酢酸ブチル、乳酸ブチルの有機溶剤や水を用いることができる。また、その有機溶剤や水の添加量としては、特に限定されないが、スクリーン印刷やディスペンサー等の導電膜形成方法に適した粘度となるように、カーボン被覆金属粒子の粒度を考慮して調整することができる。
また、硬化剤についても、従来使用されている2エチル4メチルイミダゾール等を使用することができる。
[実施例1]
平均粒子径0.8μmの球状銅粒子に、溶融塩電気めっきにて平均厚み0.05μmのアモルファスカーボンを被覆させたカーボン被覆銅粒子を用意した。なお、銅粒子に被覆されたカーボンの被覆量は、カーボン被覆銅粒子全体の質量100%に対して5質量%のものである。
平均粒子径0.8μmの球状銅粒子に、溶融塩電気めっきにて平均厚み0.05μmのアモルファスカーボンを被覆させたカーボン被覆銅粒子を用意した。なお、銅粒子に被覆されたカーボンの被覆量は、カーボン被覆銅粒子全体の質量100%に対して5質量%のものである。
このカーボン被覆銅粒子60gに対して、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂3g、溶剤として酢酸ブチルを37gを混合し、混錬を繰り返すことによってペースト化した。得られた導電性ペーストをPENからなる樹脂フィルム上にスクリーン印刷法にて印刷し、大気雰囲気中にて120℃で15分間硬化させた。
硬化後の被膜の比抵抗値を測定した結果、カーボン被覆していない銅粒子を用いた導電性ペーストと比較して殆ど数値の上昇は見られなかった。また、水蒸気腐食試験において抵抗値が上昇することもなかった。なお、比抵抗値は、低抵抗率計を用いて四端子法によりシート抵抗値を測定し、表面粗さ形状測定器により被膜の膜厚を測定して、シート抵抗値を膜厚で除することによって求めた。
[実施例2]
平均粒子径1μmの鱗片状銀粒子に、溶融塩電気めっきにて厚み0.1μmのグラファイトを被覆させたカーボン被覆銀粒子を用意した。なお、銀粒子に被覆されたカーボンの被覆量は、カーボン被覆銀粒子全体の質量100%に対して2質量%のものである。
平均粒子径1μmの鱗片状銀粒子に、溶融塩電気めっきにて厚み0.1μmのグラファイトを被覆させたカーボン被覆銀粒子を用意した。なお、銀粒子に被覆されたカーボンの被覆量は、カーボン被覆銀粒子全体の質量100%に対して2質量%のものである。
このカーボン被覆銀粒子50gに対して、バインダー樹脂としてエチルセルロース樹脂2g、溶剤としてプロピレンモノメチルエーテルを48gを混合し、混錬を繰り返すことによってペースト化した。得られた導電性ペーストをPETからなる樹脂フィルム上にスクリーン印刷法にて幅1mmの線状に配線パターン2本を間隔0.2mmであけて印刷し、大気雰囲気中にて130℃で20分間硬化させた。
硬化後の被膜の比抵抗値を測定した結果、カーボン被覆していない銀粒子を用いた導電性ペーストと比較して殆ど数値の上昇は見られなかった。また、硫化水素ガスでの腐食試験においても抵抗値が上昇することもなかった。
また、硬化後の配線パターン間のイオンマイグレーション試験として、抵抗の変化を100時間in−situ測定したところ、カーボン被覆されていない銀粒子を用いた導電性ペーストと比較して格段に絶縁が保たれた。
1 カーボン被覆金属粒子
2 金属粒子
3 カーボン
2 金属粒子
3 カーボン
Claims (8)
- 芯材として金属粒子を用い、当該金属粒子の表面がカーボンで被覆されてなるカーボン被覆金属粒子と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む導電性ペースト。
- 前記金属粒子の表面を被覆する前記カーボンは、溶融塩電気めっき膜である請求項1記載の導電性ペースト。
- 前記金属粒子の体積平均粒子径は、0.1〜10μmである請求項1又は請求項2のいずれかの導電性ペースト。
- 前記カーボンの厚みは、0.01μm〜1.0μmである請求項1〜3のいずれかの導電性ペースト。
- カーボンの含有量は、カーボン被覆金属粒子全体の質量100%に対して0.5質量%〜10質量%である請求項1〜3のいずれかの導電性ペースト。
- 前記カーボンは、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンの単体あるいはこれらのうちの2以上が存在する構造のいずれかである請求項1〜5のいずれかの導電性ペースト。
- 前記金属粒子は、銀、銅の中から選ばれた1以上の金属粒子である請求項1〜6のいずれかの導電性ペースト。
- 前記金属粒子の形状は、球状、フレーク状、繊維状、円盤状および楕円体状のいずれかである請求項1〜7のいずれかの導電性ペースト。
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2016
- 2016-08-03 JP JP2016152383A patent/JP2018022598A/ja active Pending
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