JP2018021001A - 糖誘導体の製造方法及び新規糖誘導体 - Google Patents

糖誘導体の製造方法及び新規糖誘導体 Download PDF

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【課題】新規な糖誘導体を簡便で確実に調製することができる新規な糖誘導体の製造方法、及びこの製造方法により製造することができる新規な糖誘導体を提供する。
【解決手段】ピラノシドオキサゾリン誘導体と、RaNH[式中、Raは、結合末端にカルボニル基を有さない一価の有機基である。]で表される1級アミンと、を反応させ、糖イミダゾリン誘導体又は糖イミダゾール誘導体を合成する糖誘導体の製造方法、及びこの製造方法により製造することができる新規な糖誘導体を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖オキサゾリンを糖供与体とし、一級アミノ基を有する化合物、特にアミノ酸、ペプチド、蛋白質等を糖受容体とし、これらの糖供与体と糖受容体を結合して糖誘導体(糖イミダゾリン誘導体及び糖イミダゾール誘導体)を合成する糖誘導体の製造方法、及び、前記製造方法により製造することができる新規糖誘導体に関する。
糖鎖を含有する化合物である糖誘導体、例えば糖タンパク質(ペプチド)等には、種々の生命現象に関与するものがあり、医薬品原料、細胞培養用基材、検査薬や、人工皮膚、マスクやフィルタ等への適用が期待されている。そこで、新規な糖タンパク質等の糖誘導体の開発、及び新規な糖誘導体を確実に調製する方法の開発が望まれている。
糖タンパク質(ペプチド)等の糖誘導体は、通常の有機化学反応ではその調製が困難であるので、この問題を解決するため種々の反応が提案されている。例えば、特許文献1(特開平7−59587号公報)では、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼMの触媒作用を用いることにより、糖タンパク質糖鎖の中のN−結合型糖鎖を効率的に配糖化する方法が開示されている。
又、特許文献2(特許5150896号公報)では、糖タンパク質(ペプチド)等の糖誘導体、すなわち高分子化合物であって特定の糖鎖を含有する化合物を、より簡便で確実に調製できる方法として、還元性を示す糖とアミノ基などの塩基性官能基を有する有機化合物とを反応させてアマドリ化合物を形成せしめ、得られたアマドリ化合物を糖受容体として、糖供与体及び酵素存在下に糖転移反応を行い、糖鎖の導入された有機化合物を製造することを特徴とする糖鎖含有有機化合物の製造方法が提案されている。
又、糖タンパク質(ペプチド)の合成法としては、さらに、公知の化合物である糖オキサゾリンを糖供与体として使用し、側鎖にN−アセチルグルコサミンアンカーが結合したアスパラギン単位を有するペプチド/蛋白質と酵素的に反応させて、糖ペプチド/蛋白を製造する方法が知られており、非特許文献1等で開示されている。
特開平7−59587号公報 特許5150896号公報
Biochimica et Biophysica Acta 1800(2010)p1203
前記のように、糖タンパク質等の糖誘導体(糖鎖化合物)の重要性は、広く認識されており、既存の糖誘導体以外の新規な糖誘導体の開発、及び当該新規な糖誘導体を簡便で確実に調製することができる方法の開発も望まれている。
本発明は、新規な糖誘導体を簡便で確実に調製することができる新規な糖誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、又、前記新規な糖誘導体の製造方法により製造することができる新規な糖誘導体を提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を達成するため鋭意検討した結果、オキサゾリン環を有する糖類、糖鎖等の当該オキサゾリン環が、弱アルカリ性で安定であることを見出し、その糖、糖鎖等を糖供与体とし、一級アミノ基を有する種々の化合物、例えば、アミノ酸、ペプチド、蛋白質等や、一級アミノ基を有する核酸等を糖受容体として反応させれば、当該オキサゾリン環が開環して前記一級アミノ基と結合できること、そしてこの反応により種々の糖誘導体を合成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
下記一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体と、RaNH[式中、Raは、結合末端にカルボニル基を有さない一価の有機基である。]で表される1級アミンと、を反応させ、下記一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体又は下記一般式(IV)で表される糖イミダゾール誘導体を合成することを特徴とする糖誘導体の製造方法を提供する。
Figure 2018021001
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[式(I)、式(II)及び式(IV)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素又は酸素と共有結合可能な一価の有機基であり、Rは、水素又は炭素数1〜20のアルキル基であり、nは0又は1であり、Raは前記の意味を表す。]
本発明は、又、前記一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体及び前記一般式(IV)で表される糖イミダゾール誘導体を提供する。
一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体は、アセチルアミノ基を有する糖類や糖鎖等を、公知の方法によりオキサゾリン化することにより得ることができる。従って、本発明の糖誘導体の製造方法によれば、糖類や糖鎖等に、一級アミノ基を有する種々の化合物、例えば、リジン等のアミノ酸、ペプチド、蛋白質等、さらには側鎖に一級アミノ基を有する核酸誘導体等を、酵素等の触媒を用いることなく結合させることができ、一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体及び一般式(IV)で表される糖イミダゾール誘導体を、簡便な方法で確実に製造することができる。
前記の製造方法により製造することができる一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体及び一般式(IV)で表される糖イミダゾール誘導体には、リジン等のアミノ酸や、ペプチド、蛋白質、側鎖に一級アミノ基を有する核酸誘導体等が結合した新規な糖誘導体が含まれる。この新規な糖誘導体には、医薬品原料、細胞培養用基材、検査薬や、人工皮膚、マスクやフィルタ等への適用が考えられる。
以下、本発明を実施するための形態についてより具体的に説明するが、本発明の範囲は、以下に述べる具体的形態や実施例により限定されず、課題を解決するための手段として述べた前記の範囲及びその均等の範囲が含まれると解されるべきである。
一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体は、下記一般式(V)で表される化合物(例えばN−アセチルグルコサミンや末端にN−アセチルグルコサミン骨格を有する糖鎖)を、オキサゾリン化することにより得られる。
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一般式(V)で表される化合物のオキサゾリン化は、例えば、HELVETICA CHIMICA ACTA−Vol.95(2012)pp1930−1931(非特許文献2)に記載の方法、条件により行うことができる。具体的には、前記非特許文献2に記載の方法で、2−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−3−イムクロライド(CDMBI)を合成し、CDMBIと一般式(V)で表される化合物を同文献に記載の方法、条件で反応させることにより、一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体を得ることができる。
一般式(V)で表される化合物としては、例えば、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルマンノサミン、及びこれらから選ばれる一つを末端に有する糖鎖を挙げることができる。さらに、N−アセチルムラミン酸(そのカルボキシル基がアミド基、イミド基になったものも含む)を挙げることができる。
一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体と、RaNHで表される1級アミンとを反応させることにより、一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体が得られる。一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体を30℃以上の温度、好ましくは40〜70℃の温度に(通常5時間以上)保つことにより、糖イミダゾリン誘導体は脱水して一般式(IV)で表される糖イミダゾール誘導体が生成する。
一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体と、RaNHで表される1級アミンとの反応の条件は、使用する化合物の種類により(すなわち、R、R、R、Raの種類やピラノシドオキサゾリン誘導体の立体構造により)その好ましい範囲は変動し、特に限定することはできないが、反応溶媒としては、通常水が使用される。ただし、水に可溶な有機溶媒、例えば、DMF、DMSO、エタノール、アセトニトリル等と水との混合溶媒も用いることができる。
、R、Rの1つが糖鎖残基や糖残基である場合は、反応温度は、通常0℃〜80℃の範囲から選択され、好ましくは5℃〜60℃、さらに好ましくは10℃〜50℃である。又、反応系のpHとしては、pH5〜11の範囲が好ましく、より好ましくはpH6〜10である。一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体と、RaNHで表される1級アミンとの反応モル比は、通常、1:100〜100:1の範囲であり、好ましくは、1:10〜10:1の範囲である。
一般式(I)、(II)、(IV)、(V)においてR、R又はRで表される酸素と共有結合可能な一価の有機基としては、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基等を挙げることができる。そこで、前記本発明の糖誘導体の製造方法であって、R、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基である糖誘導体の製造方法(請求項2)、及び、前記一般式(II)で表され、R、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基である糖イミダゾリン誘導体(請求項13)、前記一般式(IV)で表され、R、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基である糖イミダゾ−ル誘導体(請求項14)が提供される。
さらに、この糖誘導体の製造方法のより具体的な態様として、例えば、以下に示す(1)、(2)及び(3)の糖誘導体の製造方法を挙げることができる。
(1)R、R及びRが、水素であり、nが1であることを特徴とする前記本発明の糖誘導体の製造方法(請求項3)。
この製造方法のさらに具体的な態様として、例えば、一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体が、下記式(VI)、(VII)、又は(VIII)で表されることを特徴とする糖誘導体の製造方法(請求項4)を挙げることができる。
Figure 2018021001
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(2)R、R及びRの中の少なくとも1つは、糖残基又は糖鎖残基であり、nが1であることを特徴とする糖誘導体の製造方法(請求項5)。
ここで、糖残基とは、糖の末端の水素が除去された一価の基を言う。糖残基としては、単糖類、及び二糖類からなる群から選択されたものの末端の水素が除去された一価の基を挙げることができる。糖残基を形成する単糖類としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコサミン及びN−アセチルグルコサミン等を、二糖類としては、マルトース、イソマルトース、ラクトース、ラクトサミン、N−アセチルラクトサミン、セロビオース及びメリビオース等を挙げることができる。
糖鎖残基とは、複数の糖がグリコシド結合等により連結してなる糖鎖の末端の水素が除去された一価の基を言う。糖鎖残基を構成する複数の糖としては、前記の糖残基を形成する単糖類、二糖類として例示したもの等を挙げることができるが、他にもN−アセチルノイラミン酸等を挙げることができる。
、R及びRの中の少なくとも1つが糖残基又は糖鎖残基であり、nが1である態様のさらに具体的な態様として、例えば、一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体が、下記式(X)で表わされることを特徴とする糖誘導体の製造方法(請求項6)を挙げることができる。式(X)は、一般式(I)におけるR及びRが水素であり、Rが糖残基又は糖鎖残基である場合に該当する。
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[式中、Rbは糖残基又は糖鎖残基を表す。]
式(I)中のR、R又はRで表される糖残基又は糖鎖残基、例えば式(X)中のRbとしては、下記一般式(XI)で表される基を挙げることができる。すなわち、前記の糖誘導体の製造方法であって、糖残基又は糖鎖残基が、下記一般式(XI)で表されることを特徴とする糖誘導体の製造方法を挙げることができる(請求項7)。
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式中、A及びBは、それぞれ独立に、水素原子又は下記式(XIa)、(XIb)、(XIc)、(XId)若しくは(XIe)で表される一価の基であり、Cは、水素原子又は下記式(XIf)で表される一価の基であり、mは0又は1である。又、式中のAcは、アセチル基(−COCH)を表す。以下に記載する式中にAcがある場合も同じである。
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式(I)中のR、R又はRで表される糖残基又は糖鎖残基、例えば式(X)中のRbとしては、一般式(XI)で表される基の他にも、下記式(XIII)又は(XIV)で表される基等を挙げることができる。すなわち、前記の糖誘導体の製造方法であって、糖残基又は糖鎖残基が、下記一般式(XIII)又は(XIV)で表されることを特徴とする糖誘導体の製造方法(請求項8)を挙げることができる。
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(3)一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体が、下記式(IX)で表わされることを特徴とする糖誘導体の製造方法(請求項9)。Rが−CH(CH)−COOHであり、R及びRが水素であり、Rがメチルであり、nが1の態様である。
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Raで表される、結合末端にカルボニル基を有さない一価の有機基とは、アミノ基(−NH)と結合が可能な一価の有機基であって、アミノ基と結合する側の末端にカルボニル基(CO)を有さないものを言う。RaNHで表される1級アミンとしては、モノアルキルアミン等の脂肪族1級アミン、アニリン等の芳香族1級アミンの他に、アミノ酸、リジン等の側鎖にアミノ基を有するペプチド、側鎖にアミノ基を有する蛋白質、側鎖にアミノ基を有する核酸誘導体等を挙げることができる。より具体的な態様として、下記の(4)、(5)、(6)を挙げることができる。これらの製造方法により製造される糖誘導体は、新規な糖誘導体として医薬原料等への適用が期待される。
(4)前記の本発明の糖誘導体の製造方法であって、RaNHで表される1級アミンが、リジン、α−アミノ基保護リジン、又はリジンを構成単位とするペプチドもしくは蛋白質であることを特徴とする態様(請求項10)。ここでα−アミノ基保護リジンとは、リジンのα−アミノ基にFmoc基等の保護基が結合したリジンを言う。
(5)前記の本発明の糖誘導体の製造方法であって、RaNHで表される1級アミンが、インスリン又はインスリンアナログであることを特徴とする態様(請求項11)。ここでインスリンアナログとは、インスリンの構成単位や側鎖の基等が他の基等により置換されたもの、例えばインスリンの誘導体を言う。
(6)前記の本発明の糖誘導体の製造方法であって、RaNHで表される1級アミンが、側鎖に1級アミノ基を持つ核酸誘導体である態様(請求項12)。例えば、1級アミノ基がポリメチレン基を介して核酸の末端に結合したものを挙げることができる。
前記の本発明の糖誘導体の製造方法により製造することができ、前記一般式(II)又は(IV)で表され、R、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基である糖誘導体としては、より具体的には、以下に示す(7)、(8)等を挙げることができる。
(7)R、R及びRが水素であり、nが1であり、Rが−CHである態様。特に下記式(XVA)、(XVIA)及び(XVIIA)から選ばれるいずれかで表されることを特徴とする糖イミダゾリン誘導体(請求項15)、又は下記式(XV)及び(XVI)から選ばれるいずれかで表されることを特徴とする糖イミダゾール誘導体(請求項16)。なお、式中のRaは、前記と同じ意味を表す。
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(8)下記式(XXIA)で表されることを特徴とする糖イミダゾリン誘導体(請求項17)又は下記式(XXI)で表されることを特徴とする糖イミダゾール誘導体(請求項18)。なお、式中、Rbは、前記と同じ意味、すなわち糖残基又は糖鎖残基を表わし、Raは、前記と同じ意味を表す。
Figure 2018021001
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より具体的な態様としては、下記式(XVIIIA)で表されることを特徴とする糖イミダゾリン誘導体又は下記式(XVIII)で表されることを特徴とする糖イミダゾール誘導体を例示することができる。式中、A、B、C及びmは、前記式(XI)の場合と同じ意味を表わし、Raは、前記と同じ意味を表す。
Figure 2018021001
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前記式(XVIIIA)で表される糖イミダゾリン誘導体のより具体的な態様としては、後述の実施例2、4、6、10〜13により製造される糖誘導体を挙げることができる。前記式(XVIII)で表される糖イミダゾール誘導体のより具体的な態様としては、後述の実施例3、5、7により製造される糖誘導体を挙げることができる。又、−NHRaがFmoc−リジンの残基である態様として、下記式(b1)で表されることを特徴とする糖イミダゾリン誘導体(請求項19)及び下記式(c1)で表されることを特徴とする糖イミダゾール誘導体(請求項20)を挙げることができる。
Figure 2018021001
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式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体として、下記(9)の糖オキサゾリン誘導体は新規の化合物である。そこで、本発明は、上記の糖誘導体の製造方法及び糖誘導体に加えて、この糖オキサゾリン誘導体を提供する。
(9)下記一般式(XXII)で表されることを特徴とする糖オキサゾリン誘導体(請求項21)。式中、A及びBは、前記式(XI)の場合と同じ意味を表す。
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式(XXII)で表されることを特徴とする糖オキサゾリン誘導体のより具体的な態様として、下記式(XXIII)で表されることを特徴とする糖オキサゾリン誘導体(請求項22)を提供することができる。この糖オキサゾリン誘導体(SGGO)は、後述の実施例1で得られるものであり、実施例2、4、6、10及び11において、糖供与体として用いられているものである。
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実施例1 (SGGOの合成)
特許4607017号公報の参考例5に記載の方法で合成したジシアリルノナサッカリド(220.3mg、99.1μmol)に0.5MCDMBI水溶液(1mL)を加えて撹拌した。0℃でトリエチルアミン(209μL、1.5mmol)を加えて、4℃、1000rpmで2時間振とうさせた。得られた反応液を、下記の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後、0.1N水酸化ナトリウム(500μL)を加えて凍結乾燥を行い、前記構造式(XXIII)で表されるシアリルグリコオキサゾリン(SGGO)(156.1mg、収率70.8%)を得た。
[逆相HPLCの条件(実施例1)]
(1)分析機器:紫外可視検出器UV702(GLサイエンス社製)L−2130ポンプ(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)カラム:商品名:Inertsil ODS−3(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(3)移動相:蒸留水 流速4.8mL/min
(4)カラム温度:30℃
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C8413661:[M+H]2205.8)とよく一致する測定値(2205.9)を得て、SGGOが得られていることを確認した。
実施例2 (SGGOとFmoc−Lysとの反応)
実施例1で得られたSGGO(130mg、58.5μmol)を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(1.5mL)に溶解させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミド:蒸留水(1:1)に溶解した40mMのFmoc−Lys塩酸塩(1.5mL、60μmol:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基がリジンのα−アミノ基に結合した化合物の塩酸塩)を加え、30℃で24時間静置した。得られた反応液を、以下の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行い、脱塩後、凍結乾燥して前記構造式(b1)においてm=1で表されるSGG−Lys−Fmoc(39.9mg)を得た。
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C10516065:[M+H]2574.0)とよく一致する測定値(2574.0)を得て、SGG−Lys−Fmocが得られていることを確認した。
[逆相HPLCの条件(実施例2、3)]
(1)分析機器:紫外可視検出器UV702(GLサイエンス社製)、L−2130ポンプ(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)カラム:Inertsil ODS−3(商品名)(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:100mmol/l酢酸−アンモニア緩衝液(pH7.0)(4)移動相:
・溶媒A:100mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH7.0)
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:時間0分から60分にかけて、溶媒比(A:B)が、
0分:(A:B=100:0)、10分:(A:B=98:2)、59分:(A:B=0:100)、60分:(A:B=0:100)となるように、直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速4.8mL/min
(5)カラム温度:40℃
実施例3 (SGG−Lys−Fmocの脱水反応)
実施例2で得られたSGG−Lys−Fmocの5mgを1.0Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(500μL)に溶解させた後に、40℃で7日間静置した。得られた反応液を、実施例2と同じ条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行い、脱塩後、凍結乾燥して前記構造式(c1)においてm=1で表されるSGG−Lys−Fmoc脱水体(1.5mg)を得た。
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C10515864:[M+H]2557.4)とよく一致する測定値(2556.9)を得て、SGG−Lys−Fmoc脱水体が得られていることを確認した。
実施例4 (SGGOとインスリンの反応)
実施例1で得られたSGGO(2.0mg、0.9μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(25μL)、及び蒸留水(75μL)に溶解したインスリン(ペプチド研究所社製、0.53mg、91.2nmol)に加え、30℃で48時間静置した。得られた反応液を、以下の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行い、凍結乾燥して、インスリンにSGGが1分子結合したSGG−インスリンを得た。
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C34151971138:[M+H]8014.6)とよく一致する測定値(8013.3)を得て、SGG−インスリンが得られていることを確認した。
[逆相HPLCの条件(実施例4)]
(1)分析機器:紫外可視検出器UV702(GLサイエンス社製)L−2130ポンプ(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)カラム:YMC−Pack ODS−A−HG(商品名)(内径6.0mm×250 mm、YMC社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:A:0.1M塩化ナトリウムを含む0.1%酢酸及びB:アセトニトリルの混合溶液(溶媒比(A:B)=8:2)
(4)移動相:
・溶媒A:溶媒0.1M塩化ナトリウムを含む0.1%酢酸
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=80:20)、40分:(A:B=60:40)となるように、0分から40分にかけて直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速1.7mL/min
(5)カラム温度:25℃
実施例5 (SGG−インスリンの脱水反応)
実施例4で得られたSGG−インスリンを0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(50μL)に溶解させ40℃で7日間静置した。得られた反応液を、MALDI−TOF MSにかけ、SGG−インスリンの脱水体が得られていることを確認した。
MALDI−TOF−MSの測定結果:計算値(Calcd for C34151771137:[M+H]7996.5)とよく一致する測定値(7996.8)が得られている。
実施例6 (SGGOとアミノ基をもつオリゴ核酸誘導体との反応)
実施例1で得られたSGGOの50mM水溶液(7.62μL)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(12.5μL)、及び蒸留水(29.88μL)に溶解したアミノ基結合オリゴ核酸誘導体(ベックス社製、ATCCATGATGCTGTC(Amino))(180.1μg、38.1nmol)に加え、30℃で48時間静置した。得られた反応液を、以下の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行い、凍結乾燥してSGG−アミノ基結合オリゴ核酸誘導体を得た。
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C2363365915415:[M+H]6929.1)とよく一致する測定値(6929.5)を得て、SGG−アミノ基結合オリゴ核酸誘導体が得られていることを確認した。
[逆相HPLCの条件(実施例6)]
(1)分析機器:紫外可視検出器UV702(GLサイエンス社製)L−2130ポンプ(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)カラム:Inertsil ODS−3V(商品名)(内径4.6mm×250mm、GLサイエンス社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:A:100mmol/L酢酸−トリエチルアミン緩衝液(pH6.2)及びB:アセトニトリルの混合溶液(溶媒比(A:B)=90:10)
(4)移動相:
・溶媒A:溶媒100mmol/L酢酸−トリエチルアミン緩衝液(pH6.2)
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=95:10)45分:(A:B=55:45)となるよう、0分から45分にかけて直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速1mL/min
(5)カラム温度:40℃
実施例7 (SGG−アミノ基結合オリゴ核酸誘導体の脱水反応)
実施例6で得られたSGG−アミノ基結合オリゴ核酸誘導体を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(50μL)に溶解させ40℃で7日間静置した。得られた反応液を、MALDI−TOF MSにかけ、SGG−アミノ基結合オリゴ核酸誘導体の脱水体が得られていることを確認した。
MALDI−TOF−MSの測定の結果:計算値(Calcd for C2363345915315:[M+H]6911.1)とよく一致する測定値(6911.5)が得られている。
合成例1 (SGOの合成)
非特許文献1に記載の方法で合成したジシアリルオクタサッカリドSG(100mg、49.5μmol)を原料として、実施例1と同様な方法で反応させ、下記構造式(e)で表されるシアリルグリコオキサゾリン(SGO:85.6mg、収率82.4%)を得た。MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C7612356:[M+H]2002.7)とよく一致する測定値(2002.8)を得て、SGOが得られていることを確認した。
Figure 2018021001
合成例2 (GNOの合成)
N−アセチルグルコサミン(GlcNAc、シグマ−アルドリッチ社製)(22.0mg、100μmol)に0.5MのCDMBI水溶液(600μL)を加えて撹拌した。0℃でトリエチルアミン(104.5μL、749.9μmol)を加えて、4℃、1000rpmで30分間振とうさせた。得られた反応液を、以下の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後、0.1N水酸化ナトリウム(100μL)を加え凍結乾燥して、下記構造式(h)で表されるN−アセチルグルコオキサリド(GNO:11.7mg、収率52.9%)を得た。
Figure 2018021001
[逆相HPLCの条件(合成例2)]
(1)分析機器:紫外可視検出器UV702(GLサイエンス社製)、L−2130ポンプ(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)カラム:Inertsil ODS−3(商品名)(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(3)移動相:蒸留水
流速4.8mL/min
(4)カラム温度:30℃
実施例8 (GNOとペンチルアミンとの反応)
合成例2で得られたGNO(143.8mg、702μmol)を100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH9、4.42mL)に溶解した。これにペンチルアミン(247μL)を加え、24時間30℃に加熱した。得られた反応液を以下の条件で逆相HPLCにかけ分離精製を行い、遠心濃縮機にかけ減圧乾燥後、凍結乾燥して無色の固体(124.0mg)を得た。
[逆相HPLCの条件(実施例8、実施例9)]
(1)分析機器:Agilent1260 Infinity DAD VL(アジレント・テクノロジー社製) Agilent1260 バイオイナートクォータナリLC ポンプ(アジレント・テクノロジー社製)
(2)カラム:Inertsil ODS−3(商品名)(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:100mmol/L酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)
(4)移動相:
・溶媒A:100mmol/L酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=100:0)、10分(A:B=98:2)40分:(A:B=42:62)となるように、0分から40分にかけて直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速4.8mL/min
(5)カラム温度:40℃
得られた無色の固体について、NMR、MS、IR−ATR、UVを測定した。使用機器及び測定条件を以下に示す。
[NMR]Bruker AM500(H:500MHz、13C:125MHz)で測定した。プローブは1H/19F/15N〜31P 多核種プローブ5mm(ATM,Zコイル)を用いた。すべての測定は室温で行った。
[MS]MALDI−TOF/MS autoflex II−KM Linearを用いた。
[IR−ATR]HORIBA FT−IR FT−720、ATRユニットはDuraSampl IR−IIを用いた。
[UV]日立U−2900Spetcrophotometerを用いた。
NMR、IR−ATRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz)]
5.44(1H,d,J=4.0Hz),4.04(1H,t,J=4.0Hz),3.78(1H,dd,J=11.9 and 4.0Hz),3.70(1H,dt,J=4.0 and 8.9Hz),3.54−3.65(2H,m),3.40−3.52(2H,m),2.29(3H,s),1.62(2H,tt,J=8.0 and 8.0Hz),1.21−1.32(4H,m),0.83(3H,t,J=7.7Hz)
13C−NMR(125MHz)]
167.9(Cq),87.2(CH),71.6(CH),70.6(CH),66.8(CH×2),63.9(CH),43.9(CH),29.1(CH),27.7(CH),22.7(CH),14.2(CH),12.8(CH
[IR(IR−ATR)] 3203,2929,2869,1558,1402,1031
以上の測定結果より、得られた無色の固体は、下記の構造式(m1)で表される糖イミダゾリン誘導体(GlcNAcPent体)であり、収率60%であることが確認された。
Figure 2018021001
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C1327:[M+H]291.19)とよく一致する測定値(291.5)を得て、GlcNAcPent体が得られていることを確認した。
実施例9 (GlcNAcPent−Imidazole体の合成)
実施例8で得られたGlcNAcPent体(15.8mg,54.4μmol)を蒸留水(0.6mL)に溶解し、65時間50℃に加熱した。得られた反応液を実施例8と同じ条件で逆相HPLCにかけ分離精製を行い、凍結乾燥して無色の固体(6.2mg)を得た。
得られた無色の固体について、実施例8と同じ使用機器を使用し同じ条件で、NMR、MS、IR−ATR、UVを測定した。NMR、IR−ATR、UVの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz)]
7.04(1H,s),4.99(1H,d,J=3.7Hz),3.87(2H,t,J=6.7Hz),3.75(1H,dd,J=3.7 and 7.0Hz),3.71(1H,dd,J=11.6 and 2.75Hz),3.66(1H,ddd,J=7.0,4.25 and 2.75Hz),3.55(1H,dd,J=11.6 and 7.0Hz),2.32(3H,s),1.69(2H,tt,J=6.7 and 7.3Hz),1.24(2H,tt,J=7.3 and 7.0Hz)1.20(2H,tt,J=7.3 and 7.0Hz),0.79(3H,t,J=7.3Hz)
13C−NMR(125MHz)]
145.4(Cq),136.8(Cq),118.0(CH),73.8(CH),71.3(CH),66.9(CH),62.6(CH),46.2(CH),29.2(CH),27.9(CH),21.6(CH),13.2(CH),11.2(CH
[IR(IR−ATR)] 3305.4,1637.3,1554.3,1409.7
[UV(HO)] λmax 211nm(ε3600)
以上の測定結果より、得られた無色の固体は、下記の構造式(n)で表される糖イミダゾール誘導体(GlcNAcPent−Imidazole体)であり、収率42%であることが確認された。
Figure 2018021001
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C1325:[M+H]273.18)とよく一致する測定値(273.10)を得て、GlcNAcPent−Imidazole体が得られていることを確認した。
合成例3 (MNOの合成)
N−アセチルムラミン酸(MN)(29.3mg、100μmol)に0.5MのCDMBI水溶液(2mL)を加えて撹拌した。0℃でトリエチルアミン(418.4μL、3mmol)を加えて、4℃、1000rpmで30分間振とうさせた。得られた反応液を、合成例2と同じ条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後、0.1N水酸化ナトリウム(100μL)を加え凍結乾燥して、下記構造式(j)で表されるN−アセチルムラミン酸オキサリド(MNO:17.7mg、収率60.4%)を得た。
Figure 2018021001
実施例10 (SGGOとGlyPheとの反応)
実施例1で得られたSGGOの2.2mg(1μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(125μL)、及び蒸留水(125μL)に溶解させた。その後40mMのグリシルフェニルアラニン(GlyPhe)水溶液(250μL、10μmol)を加え、30℃で24時間静置した。得られた反応液を、前記の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後、凍結乾燥して下記構造式(o1)で表されるSGG−GlyPhe(1.4mg)を得た。MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C9515064:[M+H]2427.9)とよく一致する測定値(2427.9)を得て、SGG−GlyPheが得られていることを確認した。
Figure 2018021001
実施例11 (SGGOとアニリンとの反応)
実施例1で得られたSGGOの2.2mg(1μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(125μL)、及び蒸留水(125μL)に溶解させた後に、40mMのアニリン塩酸塩水溶液(250μL、10μmol)を加え、30℃で48時間静置した。得られた反応液を、前記の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後凍結乾燥して、下記構造式(d1)で表されるSGG−アニリン(0.6mg)を得た。MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C9014361:[M+H]2298.8)とよく一致する測定値(2298.8)を得て、SGG−アニリンが得られていることを確認した。
Figure 2018021001
実施例12 (SGOとFmoc−Lysとの反応)
合成例1で得られたSGOの2.0mg(1μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(125μL)、及び蒸留水(125μL)に溶解させた後に、N,N−ジメチルホルムアミド:蒸留水(1:1)に溶解した40mMのFmoc−Lys塩酸塩(250μL、10μmol)を加え、30℃で24時間静置した。得られた反応液を、前記の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後凍結乾燥して下記構造式(f1)で表されるSG−Fmoc−Lys(0.6mg)を得た。MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C9714760:[M+H]2370.9)とよく一致する測定値(2371.1)を得て、SG−Fmoc−Lysが得られていることを確認した。
Figure 2018021001
実施例13 (SGOとGlyPheとの反応)
合成例1で得られたSGOの2.0mg(1μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(125μL)、及び蒸留水(125μL)に溶解させた後に、40mMのGlyPhe水溶液(250μL、10μmol)を加え、30℃で24時間静置した。得られた反応液を、以下の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後凍結乾燥して下記構造式(g1)で表されるSG−GlyPhe(0.6mg)を得た。MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C8713759:[M+H]2224.8)とよく一致する測定値(2224.8)を得て、SG−GlyPheが得られていることを確認した。
Figure 2018021001
[逆相HPLCの条件(実施例13)]
(1)分析機器:紫外可視検出器UV702(GLサイエンス社製)、L−2130ポンプ(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)カラム:Inertsil ODS−3(商品名)(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:A及びBの混合溶液(溶媒比(A:B)=7:3)A:100mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH7.0)、B:アセトニトリル
(4)移動相:
・溶媒A:100mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH7.0)
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:時間0分から30分にかけて、溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=70:30)、30分:(A:B=55:45)となるように、直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速4.8mL/min
(5)カラム温度:40℃
実施例14 (MNOとFmoc−Lysとの反応)
合成例3で得られたMNOの50mM水溶液(20μL)を、0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(125μL)、及び蒸留水(105μL)に溶解させた後に、N,N−ジメチルホルムアミド:蒸留水(1:1)に溶解した40mMのFmoc−Lys塩酸塩(250μL、10μmol)を加え、30℃で6時間静置した。得られた反応液を、実施例2と同じ条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後凍結乾燥して下記構造式(k1)で表されるMN−Fmoc−Lys(0.2mg)を得た。MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C324111:[M+H]644.7)とよく一致する測定値(644.7)を得て、MN−Fmoc−Lysが得られていることを確認した。
Figure 2018021001
実施例15 (GNOとFmoc−Lysとの反応)
合成例2で得られたGNOの32.0mg(159μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(1.0mL)に溶解させた後に、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解したFmoc−Lys塩酸塩(32.0mg、79μmol)を加え、30℃で25時間静置した。得られた反応液を、以下の条件で逆相HPLCにかけ、分離精製を行った後凍結乾燥して生成物(36.0mg)を得た。
[逆相HPLCの条件(実施例15、16)]
下記の(a−1)〜(a−5)の条件で分離精製を行い凍結乾燥を行った後、(b−1)〜(b−5)の条件で分離精製を行い凍結乾燥した。
(a−1)分析機器:Agilent1260 Infinity DAD VL(アジレント・テクノロジー社製)Agilent1260 バイオイナートクォータナリLC ポンプ(アジレント・テクノロジー社製)
(a−2)カラム:Inertsil ODS−3(商品名)(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(a−3)カラム平衡用緩衝液:100mmol/L酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)
(a−4)移動相:
・溶媒A:100mmol/L酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=100:0)、10分(A:B=98:2)40分:(A:B=42:62)となるように、0分から40分にかけて直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速4.8mL/min
(a−5)カラム温度:40℃
(b−1)分析機器:Agilent1260 Infinity DAD VL(アジレント・テクノロジー社製)Agilent1260 バイオイナートクォータナリLC ポンプ(アジレント・テクノロジー社製)
(b−2)カラム:Inertsil ODS−3(商品名)(内径10mm×250mm、GLサイエンス社製)
(b−3)カラム平衡用緩衝液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
(b−4)移動相:
・溶媒A:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
・溶媒B:アセトニトリル
・グラジエント条件:溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=100:0)、10分(A:B=98:2)40分:(A:B=42:62)となるように、0分から40分にかけて直線的に溶媒Aの割合を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
・流速4.8mL/min
(b−5)カラム温度:40℃
得られた生成物について、NMR、MSを測定した。使用機器及び測定条件を以下に示す。
[NMR]Bruker AM500(H:500MHz、13C:125MHz)およびJMN−AL300(H:300MHz、13C:75MHz)で測定した。プローブは1H/19F/15N〜31P 多核種プローブ5mm(ATM,Zコイル)を用いた。すべての測定は室温で行った。
[MS]MALDI−TOF/MS autoflex II−KM Linearを用いた。NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz)]
7.76―7.82(2H,m),7.56―7.63(2H,m),7.29―7.42(4H,m),5.38(1H,d,J=3.7Hz),4.20(2H,t,J=5.2Hz),4.01(1H,t,J=4.7Hz),3.89(1H,dd,J=2.2,5.5Hz),3.72―3.80(2H,m),3.51―3.70(4H,m),3.30―3.42(2H,m),2.20(3H,s),1.40―1.60(4H,m),0.90―1.20(2H,m)
13C−NMR(125MHz)]
166.5(Cq),163.1(Cq),162.8(Cq),143.5(Cq),140.7(Cq),127.6(CH),127.1(CH),125.0(CH),119.7(CH),86.3(CH),70.6(CH),69.5(CH),65.8(CH),65.7(CH),62.9(CH),55.9(CH),46.7(CH),42.5(CH),31.5(CH×2),26.8(CH),22.3(CH),11.6(CH
以上の測定結果より、得られた生成物は、下記の構造式(i1)で表されるGN−Fmoc−Lys(GlcNAcFmocLys体)であり、収率は40%であることが確認された。
Figure 2018021001
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C2937:[M+H]572.6)とよく一致する測定値(572.6)を得て、GN−Fmoc−Lysが得られていることを確認した。
実施例16 (GlcNAcFmocLys−Imidazole体の合成)
実施例15で得られたGlcNAcFmocLys体(4.3mg,7.5μmol)を蒸留水(0.2mL)に溶解し、66時間50℃に加熱した。得られた反応液を実施例15と同じ条件で逆相HPLCにかけ分離精製を行い、凍結乾燥して無色の固体(3.2mg)として得た。
得られた無色の固体について、実施例15と同じ使用機器を使用し同じ条件で、NMR、MSを測定した。NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz)]
7.73―7.81(2H,m),7.50―7.63(2H,m),7.20―7.32(4H,m),4.91(1H,d,J=5.13Hz),4.18(1H,t,J=5.13Hz),3.30―3.90(9H,m),2.20(3H,s),1.40―1.70(4H,m),0.80―1.20(2H,m)
13C−NMR(75MHz)]
188.0,179.4,176.4,144.4,144.3,141.5,133.7,128.4,127.9,125.7,120.5,118.7,73.5,71.5,65.1,63.6,56.7,47.5,32.1,29.0,22.6,10.5
以上の測定結果より、得られた無色の固体は、下記の構造式(p)で表される糖イミダゾール誘導体(GlcNAcFmocLys−Imidazole体)であり、収率12%であることが確認された。
Figure 2018021001
MALDI−TOF−MS測定を行ったところ、計算値(Calcd for C2936:[M+H]554.60)とよく一致する測定値(554.65)を得て、GlcNAcFmocLys−Imidazole体が得られていることを確認した。
実施例17 (GNOとGlyPheとの反応)
合成例2で得られたGNOの323.0mg(1.59mmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(9.0mL)に溶解させた後に、蒸留水に溶解したGlyPhe(88.9mg、400μmol)を加え、30℃で24時間静置した。得られた反応液を逆相HPLCにかけ、実施例2における(1)〜(5)と同じ条件で、分離精製を行った後凍結乾燥して無色の固体の生成物(243.8mg)を得た。
得られた生成物について、実施例15と同じ使用機器を使用し同じ条件で、NMR測定及びMALDI−TOF−MS測定を行った。NMR、MSの測定結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz)]
7.20−7.36(5H,m),5.20(1H,d,J=4.0Hz),4.45(1H,dd,J=4.8 and 9.9Hz),4.16(2H,s),4.07(1H,t,J=5.9Hz),3.90(1H,dd,J=1.8 and 5.9Hz),3.78(1H,dd,J=1.8 and 11.3Hz),3.66−3.72(1H,m),3.61(1H,dd,J=5.9 and 11.3Hz),3.53(1H,dd,J=1.8 and 8.4Hz),3.20(1H,dd,J=4.8 and 13.9Hz),2.83(1H,dd,J=9.9 and 13.9Hz),2.06 (3H,s)
13C−NMR(75MHz)]
178.4,169.2,167.9,129.9,129.3,127.5,88.0,71.3,70.9,70.1,66.6,63.5,57.7,45.7,38.5,12.5
[MALDI−TOF−MS] 測定値:426.6
計算値(Calcd for C1927:[M+H]426.4)
以上の測定結果より、得られた生成物は、下記の構造式(q)で表されるGN−GlyPhe(GlcNAcGlyPhe体)であり、収率は72%であることが確認された。
Figure 2018021001
実施例18 (GlcNAcGlyPhe−Imidazole体の合成)
実施例17で得られたGlcNAcGlyPhe体(128.0mg,300μmol)を蒸留水(13mL)に溶解し、66時間50℃に加熱した。得られた反応液を、グラジエント条件の溶媒比(A:B)が、0分:(A:B=100:0)、30分(A:B=30:70)40分:(A:B=0:100)となるようにした以外は、実施例15と同じ条件で逆相HPLCにかけ分離精製を行い、凍結乾燥して無色の固体(45.7mg)を得た。得られた無色の固体を蒸留水に溶解し、66時間70℃に加熱した。得られた反応液を実施例2における(1)〜(5)と同じ条件で、逆相HPLCにかけ分離精製を行い、凍結乾燥して無色の固体(11.0mg)の生成物を得た。
得られた生成物について、実施例15と同じ使用機器を使用し同じ条件で、NMR測定及びMALDI−TOF−MS測定を行った。NMR、MSの測定結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz)]
7.20―7.40(5H,m),7.03(1H,s),5.00(1H,d,J=5.49Hz),4.80(2H,d,J=16.8Hz),4.48(1H,t,J=5.49Hz),3.58―3.85(4H,m),3.23(1H,d,J=11.0Hz),2.83(1H,d,J=11.0Hz),2.26(3H,s)
13C−NMR(75MHz)]
178.2,166.9,146.4,138.5,133.8,129.9,129.9,129.3,129.3,127.5,112.0,73.5,71.3,65.1,63.5,57.2,49.9,38.5,10.5
[MALDI−TOF−MS] 測定値:408.6
計算値(Calcd for C2936:[M+H]408.4)
以上の測定結果より、得られた無色の固体は、下記の構造式(r)で表される糖イミダゾール誘導体(GlcNAcGlyPhe−Imidazole体)であり、収率9%であることが確認された。
Figure 2018021001
実施例19 (GNOとアニリンとの反応)
合成例2で得られたGNOの12.6mg(61.9μmol)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)(0.2mL)に溶解させた後に、蒸留水に溶解したアニリン塩酸塩(24.1mg、186μmol)を加え、30℃で26時間静置した。得られた反応液について、実施例15と同じ使用機器を使用し同じ条件で、NMR測定及びMALDI−TOF−MS測定を行った。NMR、MSの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz)]
7.52―7.58(3H,m),7.35―7.40(2H,m),5.76(1H,d,J=4.9Hz),4.26(1H,t,J=4.9Hz),4.13(1H,dd,J=5.8 and 1.6Hz),3.82(1H,dd,J=11.9 and 2.8Hz),3.74―3.78(1H,m),3.62―3.68(2H,m),2.20(3H,s)
13C−NMR(75MHz)]
167.1(Cq),133.0(Cq),130.20(CH),130.16(CH),127.4(CH),89.1(CH),70.5(CH),70.3(CH),69.4(CH),66.1(CH),62.8(CH),12.4(CH
[MALDI−TOF−MS] 測定値:297.3
計算値(Calcd for C1421:[M+H]297.2)
以上の測定結果より、得られた生成物は、下記の構造式(s)で表されるGN−アニリン(GlcNAcAn体)であり、収率は19%であることが確認された。
Figure 2018021001
実施例20 (GNアニリン−Imidazole体の合成)
実施例19で得られたGNアニリン(16.6mg,56.0μmol)を蒸留水(0.5mL)に溶解し、4日間50℃に加熱した。得られた反応液を実施例15と同じ条件で逆相HPLCにかけ分離精製を行い、凍結乾燥して無色の固体(2.1mg)を得た。得られた無色の固体を蒸留水に溶解し、11日間70℃に加熱した。得られた反応液を実施例8と同じ条件で逆相HPLCにかけ分離精製を行い、凍結乾燥して無色の固体(0.9 mg)を得た。得られた無色の固体について、実施例15と同じ使用機器を使用し同じ条件で、NMR測定及びMALDI−TOF−MS測定を行った。NMR、MSの測定結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz)]
7.40―7.60(3H,m),7.33―7.40(2H,m),7.14(1H,s),4.80(1H,d,J=4.2Hz),3.83(1H,dd,J=6.5 and 4.2Hz),3.60―3.76(2H,m),3.56(1H,dd,J=11.0 and 6.5Hz),2.22(3H,s)
13C−NMR(75MHz)]
146.7,141.2,139.8,130.3,129.3,126.3,119.7,74.5,72.1,68.2,63.3,12.9
[MALDI−TOF−MS] 測定値:279.13
計算値(Calcd for C1418:[M+H]279.1)
Figure 2018021001

Claims (22)

  1. 下記一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体と、RaNH[式中、Raは、結合末端にカルボニル基を有さない一価の有機基である。]で表される1級アミンと、を反応させ、下記一般式(II)で表される糖イミダゾリン誘導体又は下記一般式(IV)で表される糖イミダゾール誘導体を合成することを特徴とする糖誘導体の製造方法。
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    [式(I)、式(II)及び式(IV)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素又は酸素と共有結合可能な一価の有機基であり、Rは、水素又は炭素数1〜20のアルキル基であり、nは0又は1であり、Raは前記の意味を表す。]
  2. 、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基であることを特徴とする請求項1に記載の糖誘導体の製造方法。
  3. 、R及びRが、水素であり、nが1であることを特徴とする請求項2に記載の糖誘導体の製造方法。
  4. 一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体が、下記式(VI)、(VII)、又は(VIII)で表されることを特徴とする請求項3に記載の糖誘導体の製造方法。
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001
  5. 、R及びRの中の少なくとも1つは、糖残基又は糖鎖残基であり、nが1であることを特徴とする請求項2に記載の糖誘導体の製造方法。
  6. 一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体が、下記式(X)で表わされることを特徴とする請求項5に記載の糖誘導体の製造方法。
    Figure 2018021001

    [式中、Rbは糖残基又は糖鎖残基を表す。]
  7. 前記糖残基又は糖鎖残基が、下記一般式(XI)で表されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の糖誘導体の製造方法。
    Figure 2018021001

    [式中、A及びBは、それぞれ独立に、水素原子又は下記式(XIa)、(XIb)、(XIc)、(XId)若しくは(XIe)で表される一価の基であり、Cは、水素原子又は下記式(XIf)で表される一価の基であり、mは0又は1である。]
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001
  8. 前記糖残基又は糖鎖残基が、下記一般式(XIII)又は(XIV)で表されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の糖誘導体の製造方法。
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001
  9. 一般式(I)で表されるピラノシドオキサゾリン誘導体が、下記式(IX)で表わされることを特徴とする請求項2に記載の糖誘導体の製造方法。
    Figure 2018021001
  10. RaNHで表される1級アミンが、リジン、α-アミノ基保護リジン、又はリジンを構成単位とするペプチドもしくは蛋白質であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の糖誘導体の製造方法。
  11. RaNHで表される1級アミンが、インスリン又はインスリンアナログであることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の糖誘導体の製造方法。
  12. RaNHで表される1級アミンが、側鎖に1級アミノ基を持つ核酸誘導体であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の糖誘導体の製造方法。
  13. 下記一般式(II)で表され、R、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基であり、Rは、水素又は炭素数1〜20のアルキル基であり、nは0又は1であり、Raは、結合末端にカルボニル基を有さない一価の有機基である糖イミダゾリン誘導体。
    Figure 2018021001
  14. 下記一般式(IV)で表され、R、R又はRが、水素、アシル基、−CH(CH)−COOH、糖残基又は糖鎖残基であり、Rは、水素又は炭素数1〜20のアルキル基であり、nは0又は1であり、Raは、結合末端にカルボニル基を有さない一価の有機基である糖イミダゾール誘導体。
    Figure 2018021001
  15. 下記式(XVA)、(XVIA)、及び(XVIIA)から選ばれるいずれかで表されることを特徴とする請求項13に記載の糖イミダゾリン誘導体。
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001
  16. 下記式(XV)及び(XVI)から選ばれるいずれかで表されることを特徴とする請求項14に記載の糖イミダゾール誘導体。
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001
  17. 下記式(XXIA)で表されることを特徴とする請求項13に記載の糖イミダゾリン誘導体。
    Figure 2018021001

    [式中Rbは、糖残基又は糖鎖残基を表わす。]
  18. 下記式(XXI)で表されることを特徴とする請求項14に記載の糖イミダゾール誘導体。
    Figure 2018021001

    [式中Rbは、糖残基又は糖鎖残基を表わす。]
  19. 下記式(b1)で表されることを特徴とする糖イミダゾリン誘導体。
    Figure 2018021001
  20. 下記式(c1)で表されることを特徴とする糖イミダゾール誘導体。
    Figure 2018021001
  21. 下記一般式(XXII)で表されることを特徴とする糖オキサゾリン誘導体。
    Figure 2018021001

    [式中、A及びBは、それぞれ独立に、水素原子又は下記式(XIa)、(XIb)、(XIc)、(XId)若しくは(XIe)で表される一価の基を表す。]
    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001

    Figure 2018021001
  22. 下記式(XXIII)で表されることを特徴とする糖オキサゾリン誘導体。
    Figure 2018021001
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