JP6156909B2 - N型糖タンパク質の製造方法 - Google Patents
N型糖タンパク質の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6156909B2 JP6156909B2 JP2013026997A JP2013026997A JP6156909B2 JP 6156909 B2 JP6156909 B2 JP 6156909B2 JP 2013026997 A JP2013026997 A JP 2013026997A JP 2013026997 A JP2013026997 A JP 2013026997A JP 6156909 B2 JP6156909 B2 JP 6156909B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- amine
- protein
- sugar
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
特に、アスパラギン(N)結合型糖鎖は多糖からなる複雑な構造をしており、そのバリエーションも多いため、特定の糖鎖を有する均一なN型糖タンパク質を効率的に合成する技術が必要となっている。
それ故、これまでは真核細胞培養(例えば、ヒトのサイトカインや抗体など薬となるタンパク質の遺伝子をおもにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に組み込むこと等)により生産されてきた。しかし、真核細胞培養による製造方法では、高コストであり、また糖鎖構造が不均一でかつヒト由来のそれとは微妙に異なる糖タンパク質しか得ることができず、ヒト体内においてしばしば抗原性を有し、十分な薬理効果を示さない等の問題があり、任意の機能を有する均一な糖鎖を導入する技術が望まれている。
このような背景から、天然型のN型糖鎖をタンパク質に直接導入できる技術が強く望まれている。
[1]以下の工程を含むN型糖タンパク質の製造方法:
1)リガンド化合物(L)を第3級アミンで修飾し、修飾リガンド化合物(L’)を調製する工程;
2)前記修飾リガンド化合物(L’)と、タンパク質(P)とを混合する工程;
3)前記修飾リガンド化合物(L’)と相互作用したタンパク質(L’+P)に、1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させ、複合体(P+L’+T)を合成する工程;
4)さらに糖アミン化合物(A)を反応させ、N型糖タンパク質(P+A)を合成する工程。
ここで、タンパク質(P)は、側鎖及び/又はC末端にカルボキシ基を有している化合物であり、
リガンド化合物(L)は、タンパク質(P)と相互作用しうる化合物である。
[2]以下の工程を含むN型糖タンパク質の製造方法:
1)リガンド化合物(L)を第3級アミンで修飾し、修飾リガンド化合物(L’)を調製する工程;
2’)前記修飾リガンド化合物(L’)と1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させ、脱水縮合剤(L’+T)を合成する工程;
3’)前項2’)の脱水縮合剤(L’+T)とタンパク質(P)とを混合し、複合体(P+L’+T)を合成する工程;
4)さらに糖アミン化合物(A)を反応させ、N型糖タンパク質(P+A)を合成する工程。
ここで、タンパク質(P)は、側鎖及び/又はC末端にカルボキシ基を有している化合物であり、
リガンド化合物(L)は、タンパク質(P)と相互作用しうる化合物である。
[3]1,3,5−トリアジン化合物(T)が、下記式(I):
[4]1,3,5−トリアジン化合物(T)が、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンである、上記[1]または[2]記載の方法。
[5]リガンド化合物(L)が、ビオチン、ワルファリン、フェニトイン、フェニルブタゾン、ブコローム、アセチルサリチル酸、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、N−アセチル−L−トリプトファン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ジアゼパム、ジギトキシン、インドメタシン、イブプロフェン、ヘキサメトニウム、デカメトニウム、及びPhos−tag(登録商標)から選ばれる構造を含む、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の方法。
[6]第3級アミンが、下記式(II):
[7]糖アミン化合物(A)が、
N−アセチルグルコサミンアミン、N−アセチルガラクトサミンアミン、N−アセチルマンノサミンアミン、アロースアミン、タロースアミン、グロースアミン、グルコースアミン、アルトロースアミン、マンノースアミン、ガラクトースアミン、グルクロン酸アミン、ガラクツロン酸アミン、デオキシリボースアミン、フコースアミン、ラムノースアミン、イドースアミン、リボースアミン、リキソースアミン、キシロースアミン、アラビノースアミン、エリトロースアミン、トレオースアミン、セドヘプツロースアミン、コリオースアミン、プシコースアミン、フルクトースアミン、ソルボースアミン、タガトースアミン、リブロースアミン、キシルロースアミン、エリトルロースアミン、及びシアル酸アミンから選ばれるアノマー位にアミンが結合した単糖アミン;および
前記単糖アミンに対応する単糖から構成される糖鎖であって、還元末端のアノマー位にアミンが結合している糖鎖アミン;
前記単糖アミン又は糖鎖アミンの水酸基、アミノ基、及びカルボキシ基の少なくとも1つが、アシル化、エステル化、硫酸エステル化、及び/又はリン酸エステル化で修飾された糖アミン;及び
グルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミン、及びシアル酸から選ばれるアミノ基を有する糖
からなる群より選択される化合物である、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8]タンパク質(P)が、アビジン、ストレプトアビジン、ヒト血清アルブミン、シクロオキシゲナーゼ−1、ニコチン性アセチルコリン受容体、カゼイン、α1−酸性糖タンパク又はリン酸化タンパク質である、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]単糖アミンまたは糖鎖アミンが導入されたN型糖ストレプトアビジン。
[10]ストレプトアビジンのN末端から51番目のグルタミン酸残基の側鎖カルボキシ基に単糖アミンまたは糖鎖アミンが導入された、上記[9]記載のN型糖ストレプトアビジン。
[11]単糖アミンがN−アセチルグルコサミンアミンである、上記[9]または[10]記載のN型糖ストレプトアビジン。
[12]糖鎖アミンがラクトースアミンである、上記[9]または[10]記載のN型糖ストレプトアビジン。
天然のN型糖鎖はアスパラギン−X−セリン/トレオニン(Xはプロリン以外の任意のアミノ酸)というペプチド鎖領域のアスパラギンにのみ導入されるが、本発明の方法ではそのような制限はないために、任意のアスパラギン酸及び/又はグルタミン酸にN型糖鎖を導入することができる。
培養や酵素を用いた方法では、導入できる糖鎖の構造は制限されると考えられるが、それに対して本発明の方法では、糖にアミノ基が結合していれば任意の糖鎖が導入できるため、酵素や生体を用いた従来法では合成不可能な糖タンパク質も合成可能となる。
例えば、(1)違う種の生物の糖鎖や糖脂質などの糖鎖は、構造の違いにより、機能や体内動態が大きく変わることからドラッグデリバリーシステムなどにも応用可能であり、(2)アルキン・アジド、蛍光物質、放射性同位体など、機能性官能基がついた糖鎖は、ケミカルバイオロジーや体内イメージングなどにも応用可能(例:光感応性基などによる、糖鎖ターゲットタンパク質(未知のレクチン)の探索)である。
このように、本発明の方法により、機能性ネオ糖タンパク質の創成も期待できる。
本明細書において、N型糖導入の対象となるタンパク質を(P)、タンパク質に導入される糖アミン化合物を(A)と表示するものとする。
また、本発明のリガンド化合物は、タンパク質(P)と相互作用しうる化合物をいい、(L)と表示し、リガンド化合物(L)が第3級アミンで修飾された修飾リガンド化合物を(L’)と表示するものとする。
さらに、縮合剤として用いられる1,3,5−トリアジン化合物は、(T)と表示するものとする。
上記(P)、(A)、(L)、(L’)及び(T)から選ばれる2以上が反応して、共有結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、配位結合等、又はこれらの2以上の組合せにより結合した化合物は「+」で繋げて表示するものとする。例えば、タンパク質(P)に糖アミン化合物(A)が導入されたN型糖タンパク質は、(P+A)と表示される。
具体的には、タンパク質(P)に相互作用するリガンド化合物(L)の存在が知られているものが好ましく、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、血清アルブミン、シクロオキシゲナーゼ−1、ニコチン性アセチルコリン受容体、カゼイン、α1−酸性糖タンパク、リン酸化タンパク質等が挙げられるが、これら以外であっても相互作用するリガンド化合物が知られているものであれば、限定されることなく使用することができる。さらには、相互作用するリガンド化合物が本願出願時に見つかっていないタンパク質であっても、その後に公知または新規のリガンド化合物が見つかったものであれば、本発明のタンパク質(P)に使用可能である。
タンパク質(P)とリガンド化合物(L)の相互作用とは、タンパク質(P)の任意の箇所にリガンド化合物(L)が、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、配位結合等、又はこれらの2以上の組合せ等による任意のアフィニティーにより可逆的に結合することを意味し、タンパク質(P)にリガンド化合物(L)が結合する箇所の近傍に側鎖及び/又はC末端のカルボキシ基が存在している態様が好ましい。
また、一つのタンパク質(P)に2種以上のリガンド化合物(L)が存在していてもよく、それぞれのリガンド化合物(L)はタンパク質(P)の異なる箇所に結合してもよい。その場合、リガンド化合物(L)を選択することにより、タンパク質(P)の異なるカルボキシ基に位置選択的にN型糖鎖を導入することが可能となる。
具体的には、タンパク質(P)が血清アルブミンの場合には、ワルファリン、フェニトイン、フェニルブタゾン、ブコローム、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、N−アセチル−L−トリプトファン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ジアゼパム、及びジギトキシンより選択されるいずれかの薬剤又はその誘導体;アビジン、ストレプトアビジンの場合には、ビオチンまたはその誘導体;シクロオキシゲナーゼ−1の場合には、インドメタシン、イブプロフェンまたはその誘導体;ニコチン性アセチルコリン受容体の場合には、ヘキサメトニウム、デカメトニウム、アセチルコリンまたはその誘導体、カゼイン、リン酸化タンパク質の場合は、Phos−tag(登録商標)またはその誘導体等が挙げられる。
糖アミン化合物(A)の起源、由来によって特に限定されることなく、天然から得られるもの、遺伝子工学的に動物細胞、植物細胞、微生物などにより合成したもの、酵素的に製造されたもの、醗酵により製造されたもの、あるいは人工的に化学合成されたものなどが包含されてよい。
例えば、N−アセチルグルコサミンアミン、N−アセチルガラクトサミンアミン、N−アセチルマンノサミンアミン、アロースアミン、タロースアミン、グロースアミン、グルコースアミン、アルトロースアミン、マンノースアミン、ガラクトースアミン、グルクロン酸アミン、ガラクツロン酸アミン、デオキシリボースアミン、フコースアミン、ラムノースアミン、イドースアミン、リボースアミン、リキソースアミン、キシロースアミン、アラビノースアミン、エリトロースアミン、トレオースアミン、セドヘプツロースアミン、コリオースアミン、プシコースアミン、フルクトースアミン、ソルボースアミン、タガトースアミン、リブロースアミン、キシルロースアミン、エリトルロースアミン、シアル酸アミン等の単糖アミン類;
これら単糖アミンに対応する単糖から構成される糖鎖であって、還元末端のアノマー位にアミンが結合している糖鎖アミン(糖鎖長の上限は特に限定されず、所望の機能が期待できるものを特に制限されることなく使用でき、例えば、2〜30個の単糖からなる糖鎖アミンから適宜選択できる。例えば、スクロースアミン、ラクツロースアミン、ラクトースアミン、N−アセチルラクトースアミン、マルトースアミン、イソマルトースアミン、トレハロースアミン、セロビオースアミン、メリビオースアミン等の二糖アミン類;ニゲロトリオースアミン、マルトトリオースアミン、メレジトースアミン、マルトトリウロースアミン、ラフィノースアミン、ケストースアミン等の三糖アミン;ニストースアミン、ニゲロテトラオースアミン、スタキオースアミン等の四糖アミン;通常2〜30個の単糖から構成されるもの、代表的には、2〜20個の単糖から構成されるオリゴ糖アミンであって、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、フルクトースなどから選ばれる2〜30個の単糖から構成されるホモオリゴ糖アミンまたはヘテロオリゴ糖アミン(例えば、マルトオリゴ糖アミン、イソマルトオリゴ糖アミン、ラクトオリゴ糖アミン、ラクトサミンオリゴ糖アミン、N−アセチルラクトサミンオリゴ糖アミン、セロオリゴ糖アミン、メリビオオリゴ糖アミン、N−アセチルキトトリオースアミン、N−アセチルキトテトラオースアミン、N−アセチルキトペンタオースアミンなど);例えば、下記式
前記単糖アミン又は糖鎖アミンの水酸基、アミノ基、及びカルボキシ基の少なくとも1つが、アシル化(例えば、アセチル化、ベンゾイル化等)、エステル化(メチルエステル化、エチルエステル化、ベンジルエステル化等)、硫酸エステル化、及び/又はリン酸エステル化で修飾された糖アミン;
前記単糖アミン又は糖鎖アミンに機能性官能基(例えば、アルキン、アジド、ケトン、アルデヒドなどの生体直交性のある官能基、DBD−EDやカスケードブルーといった蛍光物質、ジアジリンやベンゾフェノンのような光感応性官能基、糖鎖を構成するいずれかの原子に同位体(3H、18O、15N、14C、11C、123I、201Tl、67Gaなど))を導入した糖アミン;
グルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミン、シアル酸などのアミノ基を有する糖;
前記単糖アミン又は糖鎖アミンに対応する糖の任意の水酸基をアミノ基に変換した糖(この場合、アノマー位にアミンが結合していなくてもよい。)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
糖アミン化合物(A)は、個々のタンパク質(P)に1種ずつ特異的に導入してもよいし、タンパク質(P)のリガンド結合部位が2以上存在する場合には、複数の異なるものを導入してもよい。
本発明のN型糖タンパク質(P+A)は、所謂モジュール型アフィニティーラベル化法(MoAL法:図1及び2参照)に準じた方法により製造することができる(特開2009−175139号公報参照)。
すなわち、本発明のN型糖タンパク質(P+A)は、以下の1)〜4)の工程を含む方法により製造することができる(図1及び2参照)。
1)リガンド化合物(L)を第3級アミンで修飾し、修飾リガンド化合物(L’)を調製する工程;
2)前記修飾リガンド化合物(L’)と、タンパク質(P)とを混合する工程;
3)前記修飾リガンド化合物(L’)と相互作用したタンパク質(L’+P)に、1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させ、複合体(P+L’+T)を合成する工程;
4)さらに糖アミン化合物(A)を反応させ、N型糖タンパク質(P+A)を合成する工程。
1)リガンド化合物(L)を第3級アミンで修飾し、修飾リガンド化合物(L’)を調製する工程;
2’)前記修飾リガンド化合物(L’)と1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させ、脱水縮合剤(L’+T)を合成する工程;
3’)前項2’)の脱水縮合剤(L’+T)とタンパク質(P)とを混合し、複合体(P+L’+T)を合成する工程;
4)さらに糖アミン化合物(A)を反応させ、N型糖タンパク質(P+A)を合成する工程。
また、工程2’)及び3’)のように、修飾リガンド化合物(L’)と1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応されてまず脱水縮合剤(L’+T)を合成した後に、タンパク質(P)とを混合することにより複合体(P+L’+T)を合成することもできる。
例えば、カゼイン、リン酸化タンパク質に対するPhos−tag(登録商標)の結合は、リン酸エステルへのアフィニティーを利用しており、タンパク質が三次元構造を有していても変性していても関係なく、相互作用すると考えられる。この場合、タンパク質が三次元構造を有していれば結合部位と空間的に近いカルボキシ基に糖鎖が導入され、変性していれば(完全にペプチド鎖が伸びきっていれば)タンパク質の一次構造的に近いカルボキシ基に糖鎖が導入すると考えられる(図3参照)。すなわち、いったんタンパク質を変性させた後に、一次構造上近いカルボキシ基に選択的に糖鎖を導入し、次いで、再折り畳み(リフォールディング)し、糖タンパク質を合成することが可能であり、糖鎖導入位置のデザインの幅が大きく広がる。
1,3,5−トリアジン化合物として具体的には、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(CDMT)、第4級アンモニウム塩である4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)が挙げられ、最も好ましくはCDMTである。
そして、残りのR5、R6及びR7は、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、−CH2COOR8、CH2CONR9R10(ここで、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、又は−(CyH2yO)zR14であり、R14は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアリールアルキル基であり、yは1〜30の整数であり、zは1〜120の整数である)である。
リガンド化合物(L)と結合を形成しうる官能基を含む置換基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びアリールアルキル基は、前記式(II)における説明と同義である。
リガンド化合物(L)の第3級アミンによる修飾は、化学構造により導入部位、導入方法が適宜決定される。
例えば、炭素鎖、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合、チオアミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、芳香環、カルバミン酸エステル結合、ウレア結合、リン酸エステル結合、リン酸アミド結合、スルホンエステル結合、スルホンアミド結合等を形成する方法は、例えば、実験化学講座(第5版、2007年、日本化学会編集、丸善株式会社)の14巻(有機化合物の合成IIアルコール・アミン)、15巻(有機化合物の合成IIIアルデヒド・ケトン・キノン)、16巻(有機化合物の合成IVカルボン酸・アミノ酸・ペプチド)、18巻(有機化合物の合成VI金属を用いる有機合成)等に記載されているこれらの結合を形成する方法に準じて行うことができる。
1以上のリンカーを介してリガンド化合物(L)と第3級アミンを結合する場合は、リガンド化合物(L)及び/又は第3級アミンをまずリンカーと上記結合形成方法により結合させた後に、同様の結合形成方法を繰り返すことによって行ってもよい。
本発明において、タンパク質(P)と修飾リガンド化合物(L’)を混合する工程は、タンパク質(P)を含む水溶液に修飾リガンド化合物(L’)を混ぜ、両化合物が結合又は結合解離の平衡状態になるまでの間、攪拌、放置、インキュベーションなどにより一定時間おき、相互作用させることによる。水溶液の溶媒、タンパク質(P)と修飾リガンド化合物(L’)の濃度の割合、本工程の温度、及び時間は、各々の化合物について適宜決定することができる。
本発明において、1,3,5−トリアジン化合物(T)を上記2)でタンパク質(P)と修飾リガンド化合物(L’)の相互作用により得られるタンパク質(L’+P)に反応させる工程により、1,3,5−トリアジン化合物(T)が該修飾リガンド化合物(L’)中の第3級アミンに結合して脱水縮合剤となる。タンパク質(P)上のカルボキシ基がこの1,3,5−トリアジン化合物の近傍に存在することでトリアジン環を攻撃し、トリアジンが第3級アミンからカルボキシ基へ移る。その結果、カルボキシ基が活性エステル(アシルオキシトリアジン又はトリアジニルエステルという。)の形で活性化され、最後に後述する4)の工程で、糖アミン化合物(A)のアミノ基がこの活性エステルを攻撃し、カルボキシ基とアミド結合により結合する(図1および2参照)。
3’)脱水縮合剤(L’+T)とタンパク質(P)とを混合し、複合体(P+L’+T)を合成する工程
修飾リガンド化合物(L’)に1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させて脱水縮合剤(L’+T)を合成した後に、タンパク質(P)と相互作用させ、複合体(P+L’+T)を合成することもできる。
工程2’)及び3’)はそれぞれ、前記3)及び2)と同様に行うことができる。
本発明において、糖アミン化合物(A)を反応させる工程は、上記3)又は3’)の工程により得られた水溶液に、前記糖アミン化合物(A)の水溶液を加えることにより行うことができる。糖アミン化合物(A)の濃度、本工程の反応温度、及び反応時間は、適宜決定することができる。本工程は、必要に応じて上記3)又は3’)の工程の後に行ってもよいし、3)又は3’)の工程と本工程を同時に行ってもよい。
反応終了後、反応溶液に含まれる修飾リガンド化合物(L’)、未反応の1,3,5−トリアジン化合物(T)や糖アミン化合物(A)、さらに反応に伴って1,3,5−トリアジン化合物(T)から生じる化合物、その他の副生成物等、低分子化合物は、透析、限外ろ過、超遠心、ゲルろ過クロマトグラフィー等の精製過程を繰り返すことによって、N型糖タンパク質(P+A)から分離除去することができる。
例えば、下記反応スキームに示すように、まず、本発明の方法によりタンパク質(P)の任意のアスパラギン酸残基の側鎖カルボキシ基にGlcNAcを導入して糖受容体を得、次いで、還元末端がオキサゾリンに変換されたGlcNAcである糖鎖(以下、単に糖供与体という)と、糖転移酵素を作用させると、タンパク質(P)に導入したGlcNAcの4位水酸基に対して糖供与体の糖鎖を付与できる。
また、オキサゾリンに変換される糖供与体の還元末端は、2位にアセトアミド基を有するものであればGlcNAc以外でもよく、例えば、還元末端がオキサゾリンに変換されたN−アセチルガラクトサミン又はN−アセチルマンノサミン等である糖鎖も使用することができる。
キチナーゼ及び変異型キチナーゼとしては、Bacillus属菌由来のキチナーゼが包含され、S.Shoda et al.,Helvetica Chemic Acta,Vol.85,pp.3919−3936(2002)に開示されているものが挙げられ、例えば、Bacillus circulans WL−12由来のキチナーゼA1及びその変異型キチナーゼ、すなわち、E204Q,D202N,D200N,Y279F,D280N,W433Fなどが挙げられる。
エンドグリコシダーゼとしては、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼが挙げられ、例えば、Mucor hiemalis由来のエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼM(Endo−M)(Yamamoto,K. et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,203,pp.244−252(1994);非特許文献2記載の変異体酵素Endo−M−N175Q)、Arthrobacter protophormiae由来のエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼA(Endo−A)(Takegawa,K. et al.,Biochem.Int.,24,pp.849−855(1991))などが包含される。
ヒアルロニダーゼとしては、哺乳動物由来のもの、例えば、高等動物の睾丸、精液、皮膚、脾臓から得られたもの、ヒル、ハチ毒液、蛇毒から得られたもの、肺炎球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、ガス壊疽菌などの微生物から得られたものであってもよく、代表的には、牛精巣ヒアルロニダーゼ、羊精巣ヒアルロニダーゼなどが挙げられる。
コンドロイチナーゼとしては、例えば、Flavobacterium heparinum由来のもの、Proteus vulgaris由来のもの、Arthrobacter aurescens由来のものなどが挙げられ、コンドロイチナーゼABC(Proteus vulgaris)、コンドロイチナーゼACII Arthro(Arthrobacter aurescens)、コンドロイチナーゼB(Flavobacterium heparinum)(生化学工業社製)などの市販品を使用できる。
糖転移酵素は、単独で用いることもできるし、また必要に応じて二種又はそれ以上の多種類を適当な割合で混合して用いてもよい。また、糖転移酵素は、そのままか、或いは樹脂等に固定化した形で使用することもできる。
糖転移酵素としては、Endo−Mが好ましく、Endo−M−N175Qがより好ましい。
例えば、キチナーゼA1及びその変異型キチナーゼ、Endo−A、Endo−Mなどでは、その酵素が安定であるpHを採用でき、例えば、pH約4〜7、望ましくはpH5.5〜6であり、温度は、例えば、50℃以下の温度、好ましくは37℃付近で反応を行えば良い。
また、糖転移反応は、固定化酵素をカラムに充填し、基質の水溶液を連続的に流すバイオリアクターの形態で行ってもよい。
さらに、本発明の方法により、GlcNAcをタンパク質の任意のグルタミン酸残基の側鎖カルボキシ基にも導入できることから、上記基本構造を有する非天然型のN型糖鎖タンパク質も製造可能と考えられる。
例えば、ストレプトアビジンは、ビオチン誘導体に特異的に結合する生化学用研究ツールとして用いられるタンパク質であるが、水溶性が低いという問題がある。本発明の方法により糖鎖が導入されたストレプトアビジンは、水溶性が増大し、取扱いが容易になるという利点を有すると考えられる。
リガンド化合物(L)の第3級アミンの修飾について、具体的に例示して説明する。ここで、タンパク質(P)はストレプトアビジン、リガンド化合物はビオチン、第3級アミンはN−メチルモルホリンである。
化合物2として、以下の方法により、(4−メチルモルホリン−2−イル)メチル パラトルエンスルホネートを合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 7.79 (d, J=8Hz, 2H), 7.75 (d, J=8Hz, 2H), 4.03 (dd, J=10, 6Hz, 1H), 3.97 (dd, J=10, 5 Hz, 1H), 3.82 (ddd,J=11, 3, 2Hz, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.59 (dt, J=11, 3 Hz, 1H), 2.68 (dt, J=11, 2Hz, 1H), 2.58 (dq, J=12, 4, 2Hz, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.08 (dt, J=11, 3Hz,1H), 1.86 (dd, J=11, 10Hz, 1H)
LRMS (ESI): 286 (M+H)+
化合物3として、以下の方法により、(4−メチルモルホリン−2−イル)アセトニトリルを合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 4.22 (dd, J=7.2, 14.5Hz, 1H), 3.90 (ddd, J=11.5, 3.5, 1.8Hz, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.69 (td, J=11.5, 2.8Hz, 1H), 2.81 (m, 1H), 2.64 (ddd, J=11.5, 3.8, 1.8Hz, 1H), 2.55 (d, J=6.0Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.16 (td, J=11.5, 3.8Hz, 1H), 1.97 (dd, J=10.0, 11.5Hz, 3H)
LRMS (ESI): 141 (M+H)+
化合物4として、以下の方法により、2−(4−メチルモルホリン−2−イル)エチルアミンを合成した。
化合物6として、以下の方法により、tert−ブチル 6−[2−(4−メチルモルホリン−2−イル)エチルアミノ]−6−オキソヘキシル]カルバメートを合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 6.24 (s, 1H), 4.77 (s, 1H), 3.88 (dd, J=12.0, 3.0Hz, 1H), 3.66 (td, J=11.5, 1.8Hz, 1H), 3.59 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.26 (m, 1H), 3.11 (dd, J=14.0, 7.2Hz, 2H), 2.68 (t, J=11.5Hz, 2H), 2.28 (s, 3H), 2.16 (t, J=7.2Hz, 2H), 2.10 (td, J=11.5, 3.0Hz,1H), 1.85 (t, J=11.5Hz, 1H), 1.73-1.57 (m, 4H), 1.56-1.40 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.40-1.25 (m, 2H)
LRMS (ESI): 358 (M+H)+
化合物7として、以下の方法により、6−アミノ−N−[2−(4−メチルモルホリン−2−イル)エチル]ヘキサン酸アミド トリフルオロ酢酸塩を合成した。
1H NMR (CD3OD): δ 4.49 (dd, J=7.5, 4.0Hz, 1H), 4.30 (dd, J=7.5, 4.0Hz, 1H), 3.86 (dd, J=11.5, 3.0Hz, 1H), 3.61 (td, J=11.5, 2.0Hz, 1H), 3.29-3.10 (m, 7H), 2.92 (dd, J=12.5, 5.0Hz, 1H), 2.76 (m, 2H), 2.70 (d, J=12.5Hz, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.25-2.10 (m, 7H), 1.90 (t, J=11.0Hz, 1H), 1.80-1.20 (m, 20H)
LRMS (ESI): 598 (M+H)+
糖鎖を持たないタンパク質であるストレプトアビジンを用いた。
ストレプトアビジン水溶液(5μL,55μM)に実施例1で得られたビオチン誘導体のリン酸緩衝液(2μL,800μM)を加えて30分間静置させた。この溶液にリン酸ナトリウム緩衝液(11μL,50mM,pH8.0,NaCl:150mM)、CDMTの5%メタノール含有リン酸緩衝液(6μL,10mM)、ラクトースアミンのリン酸緩衝液(6μL,10mM)を加え、静置させて、室温で8時間反応させた(最終濃度はストレプトアビジン:10μM、ビオチン誘導体:40μM、CDMT:2mM、ラクトースアミン:2mM)。反応終了後、ジメチルエチレンジアミン溶液(4.5μL,500mM)を加えて反応を停止させた。
上記反応系に、阻害剤としてビオチン(3μL,20mM)を加えた系;ビオチン誘導体の代わりにN−メチルモルホリン(2μL,800mM)を加えた系;ビオチン誘導体を加えずにストレプトアビジンとラクトースアミンを混合した系を実施した。
上記各反応溶液をSDS−PAGE(18%分離ゲル)で泳動した後に、PVDF膜に転写し、5%BSA/TBS−T(0.5%tween)に3時間浸してブロッキングし、ガラクトースを認識するHRP標識化レクチン(PNA−HRP)の10万倍希釈溶液を用いてブロッティングし、化学発光により、ストレプトアビジンに導入されたラクトースの検出を行った。結果を図4に示す。
また、N型糖鎖はアスパラギン−X−セリン/トレオニン(Xはプロリン以外の任意のアミノ酸)というペプチド鎖領域のアスパラギンにのみ導入されるが、本発明の手法ではそのような制限はないために、任意のアスパラギン酸・グルタミン酸にN型糖鎖を導入することができる。
さらには、天然のN型糖鎖にラクトースアミンが結合したものは存在しないが、実施例2により非天然型のN型糖鎖をタンパク質の任意のカルボキシ基に導入可能であることが立証された。このように、本発明の方法は酵素を用いていないため、導入できる糖鎖の構造は制限されず、糖にアミノ基が結合していれば任意の糖鎖が導入できるため、酵素や生体を用いた従来法では合成不可能な糖タンパク質も合成可能となる。
(糖鎖導入反応)
ストレプトアビジン水溶液(5μL,55μM)に実施例1で得られたビオチン誘導体のリン酸緩衝液(2μL,800μM)を加えて30分間静置させた。この溶液にリン酸ナトリウム緩衝液(11μL,50mM,pH8.0,NaCl:150mM)、CDMTの5%メタノール含有リン酸緩衝液(6μL,10mM)、N−アセチルグルコサミンアミン(GlcNAcアミン)のリン酸緩衝液(6μL,10mM)を加え、静置させて、室温で8時間反応させた(最終濃度はストレプトアビジン:10μM、ビオチン誘導体:40μM、CDMT:2mM、GlcNAcアミン:2mM)。反応終了後、ジメチルエチレンジアミン溶液(4.5μL,500mM)を加えて反応を停止させた。
上記反応系に、阻害剤としてビオチン(3μL,20mM)を加えた系;ビオチン誘導体の代わりにN−メチルモルホリン(2μL,800mM)を加えた系;ビオチン誘導体を加えずにストレプトアビジンとGlcNAcアミンを混合した系を実施した。
上記各反応溶液をSDS−PAGE(18%分離ゲル)で泳動した後に、PVDF膜に転写し、5%BSA/TBS−T(0.5%tween)に3時間浸してブロッキングし、GlcNAcを認識するHRP標識化レクチン(WGA−HRP)の10万倍希釈溶液を用いてブロッティングし、化学発光により、ストレプトアビジンに導入されたGlcNAcの検出を行った。結果を図5に示す。
Claims (10)
- 以下の工程を含むN型糖タンパク質の製造方法:
1)リガンド化合物(L)を第3級アミンで修飾し、修飾リガンド化合物(L’)を調製する工程;
2)前記修飾リガンド化合物(L’)と、タンパク質(P)とを混合する工程;
3)前記修飾リガンド化合物(L’)と相互作用したタンパク質(L’+P)に、1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させ、複合体(P+L’+T)を合成する工程;
4)さらに糖アミン化合物(A)を反応させ、N型糖タンパク質(P+A)を合成する工程。
ここで、タンパク質(P)は、側鎖及び/又はC末端にカルボキシ基を有している化合物であり、
リガンド化合物(L)は、タンパク質(P)と相互作用しうる化合物である。 - 以下の工程を含むN型糖タンパク質の製造方法:
1)リガンド化合物(L)を第3級アミンで修飾し、修飾リガンド化合物(L’)を調製する工程;
2’)前記修飾リガンド化合物(L’)と1,3,5−トリアジン化合物(T)を反応させ、脱水縮合剤(L’+T)を合成する工程;
3’)前項2’)の脱水縮合剤(L’+T)とタンパク質(P)とを混合し、複合体(P+L’+T)を合成する工程;
4)さらに糖アミン化合物(A)を反応させ、N型糖タンパク質(P+A)を合成する工程。
ここで、タンパク質(P)は、側鎖及び/又はC末端にカルボキシ基を有している化合物であり、
リガンド化合物(L)は、タンパク質(P)と相互作用しうる化合物である。 - 1,3,5−トリアジン化合物(T)が、下記式(I):
- 1,3,5−トリアジン化合物(T)が、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンである、請求項1または2記載の方法。
- リガンド化合物(L)が、ビオチン、ワルファリン、フェニトイン、フェニルブタゾン、ブコローム、アセチルサリチル酸、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、N−アセチル−L−トリプトファン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ジアゼパム、ジギトキシン、インドメタシン、イブプロフェン、ヘキサメトニウム、デカメトニウム、及びPhos−tag(登録商標)から選ばれる構造を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 第3級アミンが、下記式(II):
- 糖アミン化合物(A)が、
N−アセチルグルコサミンアミン、N−アセチルガラクトサミンアミン、N−アセチルマンノサミンアミン、アロースアミン、タロースアミン、グロースアミン、グルコースアミン、アルトロースアミン、マンノースアミン、ガラクトースアミン、グルクロン酸アミン、ガラクツロン酸アミン、デオキシリボースアミン、フコースアミン、ラムノースアミン、イドースアミン、リボースアミン、リキソースアミン、キシロースアミン、アラビノースアミン、エリトロースアミン、トレオースアミン、セドヘプツロースアミン、コリオースアミン、プシコースアミン、フルクトースアミン、ソルボースアミン、タガトースアミン、リブロースアミン、キシルロースアミン、エリトルロースアミン、及びシアル酸アミンから選ばれるアノマー位にアミンが結合した単糖アミン;および
前記単糖アミンに対応する単糖から構成される糖鎖であって、還元末端のアノマー位にアミンが結合している糖鎖アミン;
前記単糖アミン又は糖鎖アミンの水酸基、アミノ基、及びカルボキシ基の少なくとも1つが、アシル化、エステル化、硫酸エステル化、及び/又はリン酸エステル化で修飾された糖アミン;及び
グルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミン、及びシアル酸から選ばれるアミノ基を有する糖
からなる群より選択される化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - タンパク質(P)が、アビジン、ストレプトアビジン、ヒト血清アルブミン、シクロオキシゲナーゼ−1、ニコチン性アセチルコリン受容体、カゼイン、α1−酸性糖タンパク又はリン酸化タンパク質である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 糖アミン化合物(A)が、N−アセチルグルコサミンアミンであり、かつ、タンパク質(P)が、ストレプトアビジンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 糖アミン化合物(A)が、ラクトースアミンであり、かつ、タンパク質(P)が、ストレプトアビジンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013026997A JP6156909B2 (ja) | 2013-02-14 | 2013-02-14 | N型糖タンパク質の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013026997A JP6156909B2 (ja) | 2013-02-14 | 2013-02-14 | N型糖タンパク質の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014156409A JP2014156409A (ja) | 2014-08-28 |
JP6156909B2 true JP6156909B2 (ja) | 2017-07-05 |
Family
ID=51577544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013026997A Expired - Fee Related JP6156909B2 (ja) | 2013-02-14 | 2013-02-14 | N型糖タンパク質の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6156909B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112285249A (zh) * | 2019-07-24 | 2021-01-29 | 复旦大学 | 一种完整糖肽衍生并电荷转移碎裂质谱分析的方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3741495B2 (ja) * | 1995-10-27 | 2006-02-01 | 財団法人野口研究所 | 新規複合糖ペプチドおよびその製造法 |
JPH10273500A (ja) * | 1997-03-03 | 1998-10-13 | Noguchi Inst | 複合糖ペプチド及びその製造法 |
JPH10306099A (ja) * | 1997-03-04 | 1998-11-17 | Noguchi Inst | 新規複合糖ペプチドおよびその製法 |
JP5219144B2 (ja) * | 2007-12-28 | 2013-06-26 | 公益財団法人新産業創造研究機構 | 新規アフィニティーラベル化方法及びラベル化方法を用いたスクリーニング方法 |
JP5930286B2 (ja) * | 2012-02-10 | 2016-06-08 | 国立大学法人金沢大学 | 薬物と高分子化合物相互作用確認用試薬及び相互作用の検査方法 |
-
2013
- 2013-02-14 JP JP2013026997A patent/JP6156909B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014156409A (ja) | 2014-08-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Liu et al. | Streamlining the chemoenzymatic synthesis of complex N-glycans by a stop and go strategy | |
Krasnova et al. | Oligosaccharide synthesis and translational innovation | |
Pachamuthu et al. | Synthetic routes to thiooligosaccharides and thioglycopeptides | |
Wang et al. | Chemical and chemoenzymatic synthesis of glycoproteins for deciphering functions | |
Gagarinov et al. | Chemoenzymatic approach for the preparation of asymmetric bi-, tri-, and tetra-antennary N-glycans from a common precursor | |
Li et al. | Efficient chemoenzymatic synthesis of an N-glycan isomer library | |
Seitz et al. | Chemoenzymatic solution-and solid-phase synthesis of O-glycopeptides of the mucin domain of MAdCAM-1. A general route to O-LacNAc, O-sialyl-LacNAc, and O-sialyl-Lewis-X peptides | |
RU2642307C2 (ru) | Новые фукозилтрансферазы и их применение | |
TWI546385B (zh) | A method for producing a sugar chain containing sialic acid | |
Aydillo et al. | S-Michael additions to chiral dehydroalanines as an entry to glycosylated cysteines and a sulfa-Tn antigen mimic | |
Maki et al. | Chemical synthesis of an erythropoietin glycoform having a triantennary N-glycan: significant change of biological activity of glycoprotein by addition of a small molecular weight trisaccharide | |
Gutierrez-Jimenez et al. | Bifunctional chiral dehydroalanines for peptide coupling and stereoselective S-Michael addition | |
Li et al. | A diversity-oriented strategy for chemoenzymatic synthesis of glycosphingolipids and related derivatives | |
Huang et al. | Site-selective sulfation of N-glycans by human GlcNAc-6-O-sulfotransferase 1 (CHST2) and chemoenzymatic synthesis of sulfated antibody glycoforms | |
US20170009266A1 (en) | Process for the attachment of a galnac moiety comprising a (hetero)aryl group to a glcnac moiety, and product obtained thereby | |
Hidari et al. | Purification and characterization of a soluble recombinant human ST6Gal I functionally expressed in Escherichia coli | |
EP0299007A1 (en) | Preparation of 1-amino-1-deoxyoligosaccharides and derivatives thereof | |
JP6156909B2 (ja) | N型糖タンパク質の製造方法 | |
WO2004058789A9 (ja) | 糖鎖アスパラギン誘導体およびその製造方法 | |
JP6718561B2 (ja) | 活性型GcMAFの製造方法 | |
WO2016076440A1 (ja) | 糖ペプチド又は糖蛋白質の製造方法 | |
JP2018021001A (ja) | 糖誘導体の製造方法及び新規糖誘導体 | |
Lee et al. | Neoglycoconjugates | |
Li et al. | Enzymatic synthesis of glycosphingolipids: a review | |
Tefsen et al. | Glycosyltransferases in chemo-enzymatic synthesis of oligosaccharides |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170112 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20170112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170509 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170602 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6156909 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |