JPH10306099A - 新規複合糖ペプチドおよびその製法 - Google Patents

新規複合糖ペプチドおよびその製法

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JPH10306099A
JPH10306099A JP9343979A JP34397997A JPH10306099A JP H10306099 A JPH10306099 A JP H10306099A JP 9343979 A JP9343979 A JP 9343979A JP 34397997 A JP34397997 A JP 34397997A JP H10306099 A JPH10306099 A JP H10306099A
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JP
Japan
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sugar chain
glcnac
gln
fmoc
pro
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Withdrawn
Application number
JP9343979A
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English (en)
Inventor
Katsuji Haneda
羽田勝二
Toshiyuki Inazu
稲津敏行
Kenji Yamamoto
山本憲二
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Noguchi Institute
Original Assignee
Noguchi Institute
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Publication date
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Publication of JPH10306099A publication Critical patent/JPH10306099A/ja
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 神経作用性生理活性ペプチドであるサブスタ
ンスPに糖鎖を付与した新規複合糖ペプチド誘導体を提
供する。 【構成】 1)下記式(化1)あるいは(化2)で示さ
れる新規複合糖ペプチド。 【化1】 【化2】 (式中、R1 はH−Arg−Pro−Lys−Proあ
るいはHからなるペプチド残基を示し、R2 は、複合型
糖鎖、高マンノース型糖鎖あるいは混成型糖鎖を示
す。) 2)下記式(化3)あるいは(化4)で示される新規糖
ペプチド。 【化3】 【化4】 (式中、R1 は(化1)と同じ内容を示す。) 3)エンドグリコシダーゼの存在下、複合糖質の糖鎖を
(化3)あるいは(化4)で示されるN−アセチル−D
−グルコサミン(GlcNAc)残基を有する合成ペプ
チドに転移させることにより(化1)あるいは(化2)
に示す新規複合糖ペプチドを製造する方法。 【効果】 糖鎖を付与することにより溶解性が改善さ
れ、また安定性、薬理作用等の面で改善された、より有
効性の高い生理活性複合糖ペプチドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規生理活性複合
糖ペプチド、およびその製造法に関する。本発明は医薬
に応用される。
【0002】
【従来の技術】糖質および複合糖質は生物の細胞、体液
等に存在し、細胞の基質認識や細胞−細胞間の認識等に
深く関わっている。エリスロポエチンやティシュープラ
スミノーゲンアクチベーター等のタンパク質あるいはヒ
ト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)等のペプチドホル
モンには糖鎖を持つものが知られ、それら糖鎖は基質認
識と共に生体内物質の吸収分解等の代謝の速度に関係し
ている。これら糖タンパク質あるいは糖ペプチドでは糖
鎖が通常N結合型糖鎖として、ペプチド鎖のアスパラギ
ン(Asn)にN−アセチルグルコサミン(GlcNA
c)を介して結合している。
【0003】タンパク質あるいは生理活性ペプチドの糖
鎖を別の糖鎖に換えたり、あるいは元々糖鎖のないタン
パク質あるいは生理活性ペプチドに糖鎖を付与すること
により、生理機能の強化や生理活性の改変に役立つこと
が期待される。
【0004】サブスタンスPは神経組織や消化管に存在
し、血圧降下作用や回腸収縮作用等を有する生理活性ペ
プチドで、中枢および末梢神経系に働くニューロン伝達
物質と考えられている。
【0005】サブスタンスPは[H−Arg−Pro−
Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−G
ly−Leu−Met−NH2]の構造を有する11個
のアミノ酸からなるペプチドで活性に必要なのはC末側
のヘプタペプチド SP(5−11)あるいはヘキサペ
プチド SP(6−11)であることが知られる。
【0006】生理活性ペプチドを医薬として用いようと
する場合、体液中の分解酵素による分解等により、その
有効性が著しく損なわれることが多い。またペプチドに
よっては溶解性が低く溶け難いものがある。
【0007】サブスタンスPの場合、C末側の活性ペプ
チド SP(5−11)は疎水性が強く溶解性が悪いた
めにその改善を目的に、例えば、R.W.バリ−(R.
W. Bury)ら[ジャーナル オブ メディカル ケミス
トリ−(J. Med. Chem.)、第19巻、第854〜85
6頁(1976)]は5番目のGlnにグルコピラノー
スを付けた[Gln(Glc)5]SP(5−11)を
合成した。しかしこのグリコシル化によってもなお溶解
性は低く、分解酵素に対する安定性の改善はみられなか
った。
【0008】血液中での安定性を高める方法の一つとし
て糖鎖を付与することが有効と考えられる。例えば、山
本ら[日本農芸化学会平成8年度大会講演要旨集、第3
15頁(1996)]は抗HIV活性ペプチドであるペ
プチド−Tに複合型糖鎖を付加することによりタンパク
質分解酵素に対して安定化することを報告した。
【0009】糖鎖は親水性が高いためにサブスタンスP
のような疎水性が強く溶解性の低いペプチドには溶解性
を改善する効果が期待できる。また糖鎖の認識機能を積
極的に利用して生物学的機能を付与することが期待でき
る。
【0010】糖鎖を結合させることにより安定性を改善
することや溶解性を改善することが期待されるが、糖鎖
を化学的に合成することは困難であり、エンドグリコシ
ダーゼ等の酵素により天然由来の糖鎖ブロックを転移さ
せる方法が考えられる。
【0011】エンドグリコシダーゼを用いた糖鎖転移反
応としては、K.タケガワ(K. Takegawa)ら[ジャー
ナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol.
Chem.)、第270巻、第3094〜3099頁(19
95)]がアルスロバクタープロトホルミエ(Arthroba
cter protophormiae)由来のエンド−β−N−アセチル
グルコサミニダーゼ(エンド−A)による糖質への糖鎖
転移反応を、また、K.ヤマモト(K. Yamamoto)ら
[バイオケミカル バイオフィジカル リサーチ コミ
ュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、
第203巻、第244〜252頁(1994)]ムコー
ル ヒエマリス(Mucor hiemalis)由来のエンド−Mに
よる糖質への糖鎖転移反応を報告した。また、K.ハネ
ダ(K. Haneda)ら[カ−ボハイドレート リサーチ(C
arbohydr. Res.)、第292巻、第61〜70頁(19
96)]はGlcNAc残基を有する合成基質への糖鎖
転移反応を報告した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】生理活性ペプチドは酵
素による分解を受け易くすぐに有効濃度以下になってし
まったり目的臓器に到達しなかったりすることが多く、
また物によっては溶解度が低いために医薬として用いる
場合に大きな問題となる。サブスタンスPの場合にも溶
解性の改善や血液中で酵素分解を受け難くすることが必
要である。
【0013】
【課題を解決するための手段】サブスタンスPに糖鎖を
付与した糖ペプチドにすることにより、溶解性の改善や
安定化の目的を達することが期待できる。
【0014】Asnに類縁のL−グルタミン(Gln)
にアミド結合したGlcNAcにエンドグリコシダーゼ
により糖鎖を転移させて複合糖ペプチドを合成すること
ができる。[羽田ら、特願平7−203945(199
5)]
【0015】サブスタンスPにはペプチドのN末端から
5番目と6番目にGln残基が存在し、そのいずれかの
Gln残基にGlcNAcを結合した糖ペプチド[Gl
n(GlcNAc)]SPを化学的に合成し、エンドグ
リコシダーゼによる糖鎖転移反応を用いる酵素法によ
り、Glnに結合したGlcNAc残基に糖鎖を転移さ
せて新しい複合糖ペプチドを合成できる。即ち、本発明
の目的はこのような方法により合成された(化1)ある
いは(化2)に示すサブスタンスPの糖鎖誘導体を提供
するものである。
【化1】
【化2】
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を概説すれば、本発明は、
1)(化3)あるいは(化4)に示すGlcNAc残基
を結合させたサブスタンスP誘導体の合成と、2)(化
3)あるいは(化4)に示すGlcNAc残基を有する
サブスタンスP誘導体への酵素エンドグリコシダーゼに
よる糖鎖の転移反応による(化1)あるいは(化2)に
示す複合糖ペプチドの合成の2つの構成からなる。
【0017】下記式(化3)あるいは(化4)
【化3】
【化4】(式中、R1 はH−Arg−Pro−Lys−
ProあるいはHからなるペプチド残基を示す。)に示
すGlcNAc残基を有するサブスタンスP誘導体の合
成は如何なる方法によってもよいが、例えばT.イナヅ
(T. Inazu)ら[ペプチド ケミストリー 1993
(Peptide Chemistry 1993 )、第101〜104頁
(1994)]あるいはT.イナヅ(T. Inazu)ら[ペ
プチド ケミストリー1995(Peptide Chemistry 19
95 )、第61〜64頁(1996)]の報告した方法
に準じて固相合成法により合成される。
【0018】N末端から5番目のGlnにアミド結合し
たGlcNAc残基を有するサブスタンスP[H−Ar
g−Pro−Lys−Pro−Gln(GlcNAc)
−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−
NH2]即ち[Gln(GlcNAc)5]SPの合成を
例にとると、例えば9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニル(Fmoc)基等によりN末端αアミノ基を保護
したグルタミン酸(Fmoc−Glu−OH)とGlc
NAcのアジドからFmoc−Gln(GlcNAc)
−OH誘導体をT.イナヅ(T. Inazu)ら[シンレット
(Synlett)、第869〜870頁(1993)]の報
告したαアミノ基をFmoc基で保護したアスパラギン
酸(Fmoc−Asp−OH)とGlcNAcのアジド
からのFmoc−Asn(GlcNAc)−OHの合成
法に準じて合成してN末端から5番目のGlnを結合さ
せる時にFmoc−Gln−OHの代わりに用い、固定
化樹脂として最終脱保護によりカルボキシル末端がアミ
ド型のペプチドを与えるアミド型樹脂、例えば市販され
ている4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−アミノ
メチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシル−メ
チルベンズヒドリルアミノ樹脂、4−(2’,4’−ジ
メトキシフェニル−アミノメチル)−フェノキシアセト
アミド−ノルロイシル−アミノメチル樹脂、4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−アミノメチル)−
フェノキシ樹脂あるいはこれらの樹脂にFmoc−メチ
オニンを導入したFmoc−メチオニン−アミド型樹脂
等を用い、Fmocストラテジーに従って縮合にジメチ
ルホスフィン酸混合酸無水物法を用いるペプチドの固相
合成を展開する。樹脂から切り出し、GlnにGlcN
Ac残基が結合したサブスタンスP[Fmoc−Arg
−Pro−Lys−Pro−Gln(GlcNAc)−
Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−N
2]が合成される。予めピペラジンを用いる常法によ
り保護基を外した後に切り出すとN末端αアミノ基が遊
離のGlcNAc残基を有するサブスタンスP、即ち
[Gln(GlcNAc)5]SPが得られる。αアミ
ノ基を第3ブチルオキシカルボニル(Boc)基、3−
ニトロ−2−ピリジンスルフェニル(Npys)基ある
いはベンジルオキシカルボニル(Z)基で保護したアミ
ノ酸を用いる合成法に依った場合には各々に対応するN
末端アミノ基を保護したペプチドが合成され、保護基を
外すと遊離型のペプチドが得られる。ペプチド合成をア
ミノ酸7個つないだ段階で終えるとヘプタペプチド[H
−Gln(GlcNAc)−Gln−Phe−Phe−
Gly−Leu−Met−NH2]、即ち[Gln(G
lcNAc)5]SP(5−11)が合成される。N末
端から6番目のGln結合時にFmoc−Gln(Gl
cNAc)−OHを用いて同様にペプチド合成を展開す
ると、N末端から6番目のGlnにGlcNAcの結合
したサブスタンスP誘導体[Gln(GlcNA
c)6]SPが合成される。
【0019】これらGlcNAc残基を有するサブスタ
ンスP誘導体は、次に示す酵素による糖鎖転移反応の受
容体となり、糖鎖を有するサブスタンスP誘導体の合成
中間体として重要である。
【0020】本発明の第2の構成は、GlcNAc残基
を有するペプチドへの糖鎖供与体からのエンドグリコシ
ダーゼによる糖鎖の転移反応による付加である。
【0021】本発明に用いるエンドグリコシダーゼとし
ては、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ
(EC3.2.1.96)であり、例えば、ムコ−ル
ヒエマリス(Mucor hiemalis)由来のエンド−Mやアル
スロバクター プロトホルミエ(Arthrobacter protoph
ormiae)由来のエンド−A等が用いられる。該酵素は下
記式(式1): R−GlcNAc−GlcNAc−Asn−(ペプチドまたはタンパク質)( 式1) (式中Rは複合糖鎖を示す)のアスパラギン(Asn)
結合型糖鎖のアセチルキトビオース部分(GlcNAc
−GlcNAc)の間を加水分解するが、この時に糖鎖
受容体である(化3)あるいは(化4)に示すGlcN
Ac残基を有するペプチドを存在させると、受容体に糖
鎖(R−GlcNAc)部分が転移し、(化1)あるい
は(化2)に示す目的物質が合成される。
【0022】糖鎖供与体としては複合型糖鎖、高マンノ
ース型糖鎖あるいは混成型糖鎖を持つ糖質を用いること
により各々に対応する糖鎖を持った(化1)あるいは
(化2)に示す目的物質を得ることが出来る。転移付加
される糖鎖(R−GlcNAc)としては、例えば(N
euAc−Gal−GlcNAc)2−(Man)3
(GlcNAc)あるいは(Gal−GlcNAc)2
−(Man)3−(GlcNAc)といった複合型糖
鎖、あるいは(Man)6−(GlcNAc)といった
高マンノース型糖鎖である。ここでNeuAcはN−ア
セチルノイラミン酸、GalはD−ガラクトース、Ma
nはD−マンノースである。
【0023】酵素反応系で重要な点は、反応を酵素律速
条件下で行うことおよび糖鎖供与体と受容体の仕込濃度
を高めることで、与酵素量を制限しつつ両基質を高濃度
に仕込むことにより糖鎖転移反応が促進され副反応が抑
えられて反応収率が向上する。
【0024】ここで留意することは、糖鎖の受容体であ
るサブスタンスPの糖誘導体の溶解性が低く、高濃度の
塩の存在により析出して反応率が著しく低下することが
あるので、受容体を析出させないようにすることが重要
である。
【0025】本発明に用いる糖鎖供与体としては、酸性
糖であるシアル酸を含有する複合型糖鎖は、例えばヒト
トランスフェリンや牛フェツインあるいは卵黄等からプ
ロナーゼ等のプロテアーゼ処理とセファデックスG−2
5によるゲルろ過を繰り返して調製される。シアリダー
ゼ処理等によりシアル酸を外せばアシアロ複合型糖鎖が
調製される。高マンノース型糖鎖は例えば卵白アルブミ
ン等から同様に処理した後にDowex50イオン交換
樹脂により精製して調製される。酵素的あるいは化学的
に修飾された糖鎖、あるいは化学合成された糖鎖も用い
ることができる。
【0026】本発明の反応は、基質の糖鎖供与体、糖鎖
受容体および酵素のエンドグリコシダーゼを緩衝溶液中
で混合することにより行われる。糖鎖供与体の濃度を1
0mM以上、望ましくは15〜75mM、糖鎖受容体の
濃度を2.5mM以上、望ましくは7.5〜20mMに
なるように加える。酵素量は500U/モル(供与体)
以下、望ましくは80〜400U/モル(供与体)程度
に制限し、例えば、エンド−Mの場合、2〜10mU/
ml程度の量で用いる。緩衝液としては、pH5〜8程
度、濃度5〜200mM、望ましくは5〜100mMの
適当な緩衝液が用いられる。エンド−Mの場合、通常p
H5.5〜6.5、濃度5〜50mMの酢酸あるいはリ
ン酸緩衝液中で反応が行われる。
【0027】反応温度は通常、室温〜50℃程度、好ま
しくは30〜40℃で行われ、反応時間は1〜24時間
である。例えば、エンド−M酵素の場合、通常、37℃
で3〜18時間程度反応が行われる。
【0028】酵素反応液中の反応生成物の分析は通常、
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行われ
る。例えば、C18の逆相系(ODS)カラムを用い、
0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む水−アセ
トニトリル系溶媒で展開し、214nmの紫外末端吸収
により検出される。
【0029】生成した複合糖ペプチドは公知の手段に従
って反応終了液から容易に分離精製することが出来る。
例えば、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、イオン交
換樹脂カラムクロマトグラフィー、レクチンカラムクロ
マトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)等により反応終了液から反応生成物の複合糖ペプチ
ドを分離し、更に濃縮、脱塩、凍結乾燥等を行えばよ
い。
【0030】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0031】
【実施例1】 サブスタンスP部分ペプチド糖誘導体: (1)H−Gln(GlcNAc)−Gln−Phe−
Phe−Gly−Leu−Met−NH2、[Gln
(GlcNAc)5]SP(5−11)の合成:4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−アミノメチル)−
フェノキシアセトアミド−ノルロイシル−メチルベンズ
ヒドリルアミノ樹脂にFmoc−メチオニンを導入した
Fmoc−メチオニンーアミド型樹脂(Met含量;
0.39mmol/g)260mgを固相ペプチド合成
装置の反応容器に取り、次に示すスケジュールに従い、
Fmoc−Leu−OH,Fmoc−Gly−OH,F
moc−Phe−OH,Fmoc−Phe−OH,Fm
oc−Gln−OH,Fmoc−Gln(GlcNA
c)−OHを順次反応させた。ここでFmoc−Gln
(GlcNAc)−OHはFmoc−Glu−OHとG
lcNAcのアジドから合成して用いた。なお、各保護
アミノ酸はそれぞれ2当量を使用し、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)中N,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン存在下、塩化ジメチルホスフィノチオイルと反
応させ、対応するジメチルチオホスフィン酸混合酸無水
物の溶液として加えた。
【0032】(2)固相合成スケジュール(DMF:4
ml)は以下の通りであった:1)DMF 1分 3
回、2)20%ピペリジン/DMF溶液 3分 2回、
3)20%ピペリジン/DMF溶液 20分 1回、
4)DMF 1分 6回、5)保護アミノ酸ジメチルチ
オホスフィン酸混合酸無水物及びN,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン/DMF溶液をFmoc−Leu−O
H,Fmoc−Gly−OH,Fmoc−Phe−O
H,Fmoc−Phe−OH 縮合時には60分 1
回、Fmoc−Gln−OH,Fmoc−Gln(Gl
cNAc)−OH 縮合時には60分 2回、6)以上
1)〜5)の工程を繰り返す。
【0033】得られた保護ヘプタ糖ペプチド樹脂に対し
20%ピペリジン/DMF溶液4mlを加え、3分間
2回、さらに20分間 1回の処理を行う。
【0034】得られたヘプタ糖ペプチド樹脂を減圧下乾
燥させた後、トリフルオロ酢酸(TFA)、アニソー
ル、1,4−ブタンジチオール(90:5:5)からな
る混合溶液5mlを加え、2時間攪拌した。樹脂を濾別
し、トリフルオロ酢酸で洗浄後、濾液と洗液を減圧濃縮
した。残渣にエーテル(30〜50ml)を加え、析出
する白色沈澱を遠心分離した。この操作を繰り返し、粗
糖ペプチド106.6mgを得た。得られた粗糖ペプチ
ドを高速液体クロマトグラフィー[Inertsil
PREP−ODS φ20x250mm、0.1%TF
A/20%〜60%(40分)アセトニトリル水溶液]
で分取した。得られた分画を凍結乾燥すると、目的とす
るH−Gln(GlcNAc)−Gln−Phe−Ph
e−Gly−Leu−Met−NH2が81.8mg得
られた。構造はMALDI−TOF質量分析([M+
H]+1072.2、理論分子量1072.3)、NM
Rにより確認した。
【0035】
【実施例2】 サブスタンスP糖誘導体[Gln(GlcNAc)5
SP: (1)H−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln
(GlcNAc)−Gln−Phe−Phe−Gly−
Leu−Met−NH2、[Gln(GlcNAc)5
SPの合成:4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−
アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシ
ル−メチルベンズヒドリルアミノ樹脂にFmoc−メチ
オニンを導入したFmoc−メチオニン−アミド樹脂
(Met含量;0.39mmol/g)260mgを固
相ペプチド合成装置の反応容器に取り、次に示すスケジ
ュールに従い、Fmoc−Leu−OH,Fmoc−G
ly−OH,Fmoc−Phe−OH,Fmoc−Ph
e−OH,Fmoc−Gln−OH,Fmoc−Gln
(GlcNAc)−OH、Fmoc−Pro−OH,F
moc−Lys(Boc)−OH,Fmoc−Pro−
OH,Fmoc−Arg(Pmc)−OHを順次反応さ
せた。なお、各保護アミノ酸はそれぞれ2当量を使用
し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中N,N
−ジイソプロピルエチルアミン存在下、塩化ジメチルホ
スフィノチオイルと反応させ、対応するジメチルチオホ
スフィン酸混合酸無水物の溶液として加えた。
【0036】(2)固相合成スケジュール(DMF:4
ml)は以下の通りであった:1)DMF 1分 3
回、2)20%ピペリジン/DMF溶液 3分 2回、
3)20%ピペリジン/DMF溶液 20分 1回、
4)DMF 1分 6回、5)保護アミノ酸ジメチルチ
オホスフィン酸混合酸無水物及びN,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン/DMF溶液をFmoc−Leu−O
H,Fmoc−Gly−OH,Fmoc−Phe−O
H,Fmoc−Phe−OH 縮合時には60分 1
回、Fmoc−Gln−OH,Fmoc−Gln(Gl
cNAc)−OH 縮合時には60分 2回、4位のF
moc−Pro−OH縮合時には60分 3回、Fmo
c−Lys(Boc)−OH 2位のFmoc−Pro
−OH,Fmoc−Arg(Pmc)−OH縮合時には
60分 2回、6)以上1)〜5)の工程を繰り返す。
【0037】得られた保護ウンデカ糖ペプチド樹脂に対
し20%ピペリジン/DMF溶液4mlを加え、3分間
2回、さらに20分間 1回の処理を行う。
【0038】得られたウンデカ糖ペプチド樹脂を減圧下
乾燥させた後、トリフルオロ酢酸(TFA)、アニソー
ル、1,4−ブタンジチオール(90:5:5)からな
る混合溶液5mlを加え、2.5時間攪拌した。樹脂を
濾別し、トリフルオロ酢酸で洗浄後、濾液と洗液を減圧
濃縮した。残渣にエーテル(30〜50ml)を加え、
析出する白色沈澱を遠心分離した。この操作を繰り返
し、粗糖ペプチド154mgを得た。得られた粗糖ペプ
チドを高速液体クロマトグラフィー[Inertsil
PREP−ODS φ20x250mm、0.1%T
FA/20%〜60%(40分)アセトニトリル水溶
液]で分取した。得られた分画を凍結乾燥すると、目的
とするH−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln
(GlcNAc)−Gln−Phe−Phe−Gly−
Leu−Met−NH2が53.5mg得られた。構造
はMALDI−TOF質量分析([M+H]+155
1.5、理論分子量1550.8)、NMRおよびアミ
ノ酸分析により確認した。
【0039】
【実施例3】 糖鎖を有するサブスタンスP誘導体: (1)GlcNAcを結合したサブスタンスP誘導体
[Gln(GlcNAc)5]SPの調製:実施例2に
記載の方法により糖鎖受容体となる[Gln(GlcN
Ac)5]SPを調製した。
【0040】(2)糖鎖供与体の調製:ヒトトランスフ
ェリン(生化学工業)をプロナーゼ処理、セファデック
スG−25ゲルろ過を繰り返してAsn残基のみを有す
るシアロ糖ペプチド[TF−SGP,(NeuAc−G
al−GlcNAc)2−(Man)3−(GlcNA
c)2−Asn (分子量2338)]を調製した。ヒ
トトランスフェリン由来シアロ糖ペプチド(TF−SG
P)をシアリダーゼ処理してシアル酸を除いてアシアロ
糖ペプチド[TF−ASGP、(Gal−GlcNA
c)2−(Man)3−(GlcNAc)2−Asn
(分子量1756)]を調製した。卵白アルブミンをプ
ロナーゼ処理、セファデックスG−25ゲルろ過、更に
Dowex50イオン交換クロマトにより分離精製し
て、マンノース6個からなる高マンノース型糖ペプチド
[M6GP;(Man)6−(GlcNAc)2−Asn
(分子量1511)]を調製した。
【0041】(3)糖鎖転移反応:シアロ糖ペプチド
(TF−SGP)、アシアロ糖ペプチド(TF−ASG
P)あるいは高マンノース型糖ペプチド(M6GP)1
μmol(終濃度25mM)と[Gln(GlcNA
c)5]SP 400nmol(同10mM)を20m
Mリン酸緩衝液(pH6.25)24μlに溶解し、エ
ンド−M 160μUを含む酵素溶液16μlを加え、
37℃で6時間反応させた。反応停止後反応液を蒸留水
で1mlに希釈して、反応生成物をHPLC[Migh
tysil RP−18カラム(φ6x250mm、関
東化学)、0.1%TFA/20%〜40%(30分)
アセトニトリル水溶液 1.2ml/分]で214nm
の紫外吸収により分析した。シアロ糖ペプチド(TF−
SGP)、アシアロ糖ペプチド(TF−ASGP)ある
いは高マンノース型糖ペプチド(M6GP)から糖鎖受
容体である[Gln(GlcNAc)5]SP誘導体へ
の糖鎖転移反応生成物がHPLC分析の保持時間、各1
7.6分、18.1分および18.8分(糖鎖受容体
[Gln(GlcNAc)5]SP21.7分)のピー
クとして検出され、その収率(対糖鎖受容体、モル比)
は各3.2%、1.8%および1.1%であった。
【0042】(4)反応生成物の単離と同定:シアロ糖
ペプチド(TF−SGP)、アシアロ糖ペプチド(TF
−ASGP)あるいは高マンノース型糖ペプチドからの
糖鎖転移反応生成物に相当するHPLC分析の溶出区分
を分取し凍結乾燥後、MALDI−TOF質量分析にか
けた。m/z[M−H]-各3551.9、2970.
4および2726.8に主ピークが認められ、各々、シ
アロ複合型糖鎖の転移したH−Arg−Pro−Lys
−Pro−Gln[(NeuAc−Gal−GlcNA
c)2−(Man)3−(GlcNAc)2]−Gln−
Phe−Phe−Gly−Leu−Met−NH2(分
子量 3553.7)、アシアロ複合型糖鎖の転移した
H−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln[(Ga
l−GlcNAc)2−(Man)3−(GlcNAc)
2]−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Me
t−NH2(分子量 2971.1)および高マンノー
ス型糖鎖の転移したH−Arg−Pro−Lys−Pr
o−Gln[(Man)6−(GlcNAc)2]−Gl
n−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−NH2
(分子量 2726.9)であることが確認された。
【0043】
【実施例4】 糖鎖を有するサブスタンスP部分ペプチド誘導体: (1)GlcNAcを結合したサブスタンスP部分ペプ
チド誘導体[Gln(GlcNAc)5]SP(5−1
1)の調製:実施例1に記載の方法により糖鎖受容体と
なる[Gln(GlcNAc)5]SP(5−11)を
調製した。
【0044】(2)糖鎖転移反応:実施例3と同様に調
製したシアロ糖ペプチド(TF−SGP)、アシアロ糖
ペプチド(TF−ASGP)あるいは高マンノース型糖
ペプチド(M6GP)1μmol(終濃度25mM)と
[Gln(GlcNAc)5]SP(5−11) 40
0nmol(同10mM)を10mMリン酸緩衝液(p
H6.25)24μlに溶解し、エンド−M 160μ
Uを含む酵素溶液16μlを加え、37℃で6時間反応
させた。反応停止後反応液を蒸留水で1mlに希釈し
て、反応生成物をHPLC[Mightysil RP
−18カラム(φ6x250mm、関東化学)、0.1
%TFA/20%〜40%(30分)アセトニトリル水
溶液 1.2ml/分]で214nmの紫外吸収により
分析した。シアロ糖ペプチド(TF−SGP)、アシア
ロ糖ペプチド(TF−ASGP)あるいは高マンノース
型糖ペプチド(M6GP)から糖鎖受容体である[Gl
n(GlcNAc)5]SP(5−11)誘導体への糖
鎖転移反応生成物がHPLC分析の保持時間、各16.
3分、17.2分および17.7分(糖鎖受容体[Gl
n(GlcNAc)5]SP(5−11)22.7分)
のピークとして検出され、その収率(対糖鎖受容体、モ
ル比)は各1.0%、0.5%および0.3%であっ
た。反応生成物を単離し、質量分析により確認した。
【0045】
【実施例5】 サブスタンスP糖誘導体[Gln(GlcNAc)6
SP:H−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−
Gln(GlcNAc)−Phe−Phe−Gly−L
eu−Met−NH2、[Gln(GlcNAc)6]S
Pの合成は実施例2に述べた方法に準じて行った。4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−アミノメチル)−
フェノキシアセトアミド−ノルロイシル−メチルベンズ
ヒドリルアミノ樹脂にFmoc−メチオニンを導入した
Fmoc−メチオニン−アミド樹脂(Met含量;0.
39mmol/g)290mgをペプチド自動合成装置
433A(アプライドバイオシステム社)の反応容器に
取り、Fmoc−Leu−OH,Fmoc−Gly−O
H,Fmoc−Phe−OH,Fmoc−Phe−OH
の保護アミノ酸(各4当量)を1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(HOBt)を縮合剤として用いるプロトコ
ールに従い順次縮合させた。次いで、樹脂を自動合成機
から手動ペプチド合成装置に移し、Fmoc−Gln
(GlcNAc)−OH以降、Fmoc−Gln−O
H、Fmoc−Pro−OH,Fmoc−Lys(Bo
c)−OH,Fmoc−Pro−OH,Fmoc−Ar
g(Pmc)−OHを順次反応させた。各保護アミノ酸
はそれぞれ2当量を使用し、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)中N,N−ジイソプロピルエチルアミン
存在下、塩化ジメチルホスフィノチオイルと反応させ、
対応するジメチルチオホスフィン酸混合酸無水物の溶液
として加え、実施例2に記載の固相合成スケジュールに
従い反応を行った。
【0046】実施例2に準じて樹脂からの切り出しと脱
保護を行い、粗糖ペプチド221mgを得た。得られた
粗糖ペプチドを高速液体クロマトグラフィー[Iner
tsil ODS−3 φ20x250mm、0.1%
TFA/20%〜40%(30分)アセトニトリル水溶
液]で分取し、目的とするH−Arg−Pro−Lys
−Pro−Gln−Gln(GlcNAc)−Phe−
Phe−Gly−Leu−Met−NH2が91.8m
gを得た。構造はMALDI−TOF質量分析([M+
H]+1551.3、理論分子量1550.8)、NM
Rおよびアミノ酸分析により確認した。
【0047】
【実施例6】 糖鎖を有するサブスタンスP誘導体:実施例5で調製し
たN末端から6番目のGlnにGlcNAcを結合させ
たサブスタンスP誘導体[Gln(GlcNAc)6
SPを糖鎖受容体として用い、実施例3と同様の反応条
件下で糖鎖転移反応を行った。シアロ糖ペプチド(TF
−SGP)、アシアロ糖ペプチド(TF−ASGP)あ
るいは高マンノース型糖ペプチド(M6GP)から糖鎖
受容体である[Gln(GlcNAc)6]SP誘導体
への糖鎖転移反応生成物がHPLC分析の保持時間、各
17.4分、17.7分および18.2分(糖鎖受容体
[Gln(GlcNAc)6]SP21.1分)のピー
クとして検出され、その収率(対糖鎖受容体、モル比)
は各2.3%、2.0%および0.8%であった。
【0048】シアロ糖ペプチド(TF−SGP)、アシ
アロ糖ペプチド(TF−ASGP)あるいは高マンノー
ス型糖ペプチドからの各糖鎖転移反応生成物に相当する
HPLC分析の溶出区分を単離し、MALDI−TOF
質量分析にかけたところ、m/z[M+H]-各355
3.7、2971.1および2726.9に主ピークが
認められ、各々、シアロ複合型糖鎖の転移したH−Ar
g−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln[(Ne
uAc−Gal−GlcNAc)2−(Man)3−(G
lcNAc)2]−Phe−Phe−Gly−Leu−
Met−NH2(分子量 3553.7)、アシアロ複
合型糖鎖の転移したH−Arg−Pro−Lys−Pr
o−Gln−Gln[(Gal−GlcNAc)2
(Man)3−(GlcNAc)2]−Phe−Phe−
Gly−Leu−Met−NH2(分子量 2971.
1)および高マンノース型糖鎖の転移したH−Arg−
Pro−Lys−Pro−Gln−Gln[(Man)
6−(GlcNAc)2]−Phe−Phe−Gly−L
eu−Met−NH2(分子量 2726.9)である
ことが確認された。
【0049】
【発明の効果】神経作用性生理活性ペプチドであるサブ
スタンスPのGln残基にGlcNAcを付与し、エン
ドグリコシダーゼによる糖鎖転移反応により合成した糖
鎖を有するサブスタンスPは溶解性が改善された。また
血液中での酵素分解等に対して安定化や薬理作用の改善
に寄与し、医薬として用いる場合に有効である。この手
法は生理活性ペプチドの溶解性の改善あるいは安定性や
薬理作用の改善に利用される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖鎖を有するサブスタンスP誘導体
  2. 【請求項2】下記式(化1)で示される新規複合糖ペプ
    チド 【化1】 (式中、R1 はH−Arg−Pro−Lys−Proあ
    るいはHからなるペプチド残基を示す。R2 は複合型糖
    鎖、高マンノース型糖鎖あるいは混成型糖鎖を示す。)
  3. 【請求項3】下記式(化2)で示される新規複合糖ペプ
    チド 【化2】 [式中、R2 は(化1)と同じ内容を示す。]
  4. 【請求項4】下記式(化3)あるいは(化4)で示され
    る新規糖ペプチド 【化3】 [式中、R1 は(化1)と同じ内容を示す。] 【化4】
  5. 【請求項5】(化1)および(化2)の化合物のR2
    示される糖鎖が、(NeuAc−Gal−GlcNA
    c)2−(Man)3−(GlcNAc) あるいは(G
    al−GlcNAc)2−(Man)3−(GlcNA
    c) からなる複合型糖鎖、あるいは(Man)6−(G
    lcNAc)からなる高マンノース型糖鎖である請求項
    2および請求項3に記載の化合物。但し、NeuAcは
    N−アセチルノイラミン酸、GalはD−ガラクトー
    ス、GlcNAcはN−アセチル−D−グルコサミン、
    ManはD−マンノースを示す。
  6. 【請求項6】エンドグリコシダーゼの存在下、複合糖質
    の糖鎖を(化3)および(化4)で示されるN−アセチ
    ル−D−グルコサミン(GlcNAc)残基を有する合
    成ペプチドに転移させることにより(化1)および(化
    2)に示される新規複合糖ペプチドを製造する方法。
  7. 【請求項7】エンドグリコシダーゼがエンド−β−N−
    アセチルグルコサミニダーゼ(EC3.2.1.96)
    である請求項6に記載の方法。
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