JP2018020850A - 電子レンジ加熱食品用容器 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、請求項1の発明は、容器本体部と、前記容器本体部の開口部と嵌合する蓋体部とを備え、前記容器本体部内に食品を収容する電子レンジ加熱のための食品用容器であって、前記蓋体部の蓋面部に凹面部及び前記凹面部を取り囲むように蓋面上周壁部が形成されているとともに、前記凹面部に電子レンジ加熱に際し前記容器本体部内に収容された食品から発生する水蒸気を外部に排気する複数の排気細孔からなる排気孔群が形成されていることを特徴とする電子レンジ加熱食品用容器に係る。
電子レンジ加熱食品用容器は、容器本体部と蓋体部の組み合わせからなる物品とした。当該「作製−1」は量の多い食品の包装を想定した。蓋体部には、耐熱二軸延伸ポリスチレン(耐熱OPS)樹脂のシート材を使用した。これを真空成形により円盤状の蓋体部に加工した。蓋体部の最大直径は約175mm、蓋面部の最大直径は約135mmであった。蓋体部の材料厚みは0.3mmであった。容器本体部には、耐熱発泡ポリスチレン製のシート材(ポリプロピレンフィルム被着品)を使用した。これを真空成形により横断面円形の鉢状(椀状またはボウル状)の容器本体部に加工した。容器本体部の開口部直径(内径)は約160mm、深さは70mmとし、容器本体部の内容量(食品収容可能な容量)は約800mLとした。
排気孔群の形成に際し、樹脂加工分野において一般に使用される公知の炭酸ガスレーザーの照射装置を用い、前記の成形により得た蓋体部中央部分に排気細孔を穿設した。このとき、照射装置の条件を変えながら個々の排気細孔の直径(口径)を「0.19,0.26,0.35,0.50,及び0.59mm」とする5種類を用意した。また、排気細孔の直径に応じて穿設する排気細孔の個数も「60,100,150,200,300,400,500,600,700,800,及び990個」の11種類とした。すなわち、排気細孔の直径と排気細孔の個数の掛け合わせにより、計55種類の組み合わせからなる試作例の蓋体部を作製した。
実際に販売される食品の種類は極めて多岐にわたる。そこで、発明者は、水分量の異なる3種類の食品を代表(下記の食品例1ないし3)として選び、それぞれを容器本体部内に収容し、蓋体部(各試作例)を適切に嵌合した(図5の写真参照)。そして、コンビニエンスストア等に導入されている高出力型の電子レンジを用いて加熱試験に供した。電子レンジ加熱時、蓋体部が食品に起因する内部発生水蒸気の圧力を受けても容器本体部から外れてしまわなかった例を「良品」とし、蓋体部が外れてしまった例(不自然な浮き上がりも含む)を「不良品」と判断した。
食品例1は「豚汁うどん」であり、麺、つゆ、及び具の合計重量は約580gであった。食品例1を前出の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表1の8種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、2分15秒間の加熱条件とした。良否の結果は表1となった。
食品例2は「カレーライス」であり、ご飯とルーの合計重量は約470gであった。食品例2を前出の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表2の9種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、1分20秒間の加熱条件とした。良否の結果は表2となった。
食品例3は「パスタ(カルボナーラ・明太子のスパゲティ)」であり、パスタ、ソース、及び具の合計重量は約370gであった。食品例3を前出の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表3の9種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、1分10秒間の加熱条件とした。良否の結果は表3となった。
食品例1の豚汁うどんの場合、つゆの量が多いことから電子レンジ加熱時に発生する水蒸気量は多くなった。表1の傾向から把握できるように、排気細孔の直径が小さくなれば、排気細孔の数を増やして合計の開口面積を大きくする必要がある。また、その逆も成立する。次に、食品例2のカレーライスの結果(表2)及び食品例3のパスタの結果(表3)を見ると、食品例1ほどは水分量の多くないと判断でき、電子レンジ加熱時に発生する水蒸気量は相対的に減少した。そのため、表1に開示の食品例1の開孔面積では不良品となる領域であっても、良品に包含可能であることがわかった。すなわち、包装対象の食品種類に応じて柔軟に排気細孔の直径、排気細孔の個数、開孔面積の合計を設定できることを確信した。
前述の「電子レンジ加熱試験−1の考察」を踏まえ、当該「作製−2」ではより少量の食品包装への適用を想定した。また、判明した傾向から、排気細孔の直径を小さくした範囲に対象を絞るとともに排気細孔の個数を減らした条件も追加した。
排気孔群の形成に際し、前出と同様の照射装置を用い、前記の成形により得た蓋体部中央部分に排気細孔を穿設した。このとき、個々の排気細孔の直径(口径)を「0.19及び0.26mm」とする2種類を用意した。また、排気細孔の直径に応じて穿設する排気細孔の個数も「5,10,20,25,40,70,100,150,200,300個」の10種類とした。こうして、計20種類の組み合わせからなる試作例の蓋体部を作製した。
次に発明者は、前記の「試験−1」よりは小容量で販売される水分量の異なる3種類の食品を代表(下記の食品例4ないし6)として選び、容器本体部内に収容し、蓋体部(各試作例)を適切に嵌合した(図7の写真参照)。そして、前出と同様の高出力型の電子レンジを用いて加熱試験に供した。「試験−2」においても電子レンジ加熱時、蓋体部が食品に起因する内部発生水蒸気の圧力を受けても容器本体部から外れてしまわなかった例を「良品」とし、蓋体部が外れてしまった例(不自然な浮き上がりも含む)を「不良品」と判断した。「試験−2」の蓋体部の外れの有無の結果は「表4」、「表5」、及び「表6」である。各表中の表記の仕方は前出の表1等と同様である。ただし、小数第三位を四捨五入した。
食品例4は「坦々スープ」であり、スープ及び具の合計重量は約290gであった。食品例4を「作製−2」の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表4の10種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、1分10秒間の加熱条件とした。良否の結果は表4となった。
食品例5は「揚げ出し豆腐」であり、豆腐とたれの合計重量は約200gであった。食品例5も同様に容器本体部に同量ずつ投入して、表5の10種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、40秒間の加熱条件とした。良否の結果は表5となった。
食品例6は「焼き鳥」であり、鶏肉及びたれの合計重量は約140gであった。食品例6も同様に容器本体部に同量ずつ投入して、表6の15種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、25秒間の加熱条件とした。良否の結果は表6となった。なお、食品例6については、排気細孔を全く形成しない蓋体部を用意して同様の実験も試みた。結果、加熱開始から18秒を経過した時点で蓋体部の嵌合は外れた。
食品例4の坦々スープの場合、食品に占める水分量の関係から電子レンジ加熱時に発生する水蒸気量は多くなった。ただし、小容量であり電子レンジ加熱も短時間化できたことから、前出の表1の食品例1と比較しても、小さな排気細孔の直径で排気細孔の個数を減らしても十分な水蒸気排気を実現することができた。次に、食品例5の揚げ出し豆腐(表5)及び食品例3の焼き鳥(表3)の結果を見ると、もともと蒸発する水分量は少なかったため、排気細孔の個数をかなり少なくすることができた。ただし、排気細孔を完全に無くしてはいけないことも判明した。ここからも包装対象の食品種類に応じて柔軟に排気細孔の直径、排気細孔の個数、開孔面積の合計を設定できることを実証した。
計6種類の食品例毎の電子レンジ加熱試験(表1ないし6参照)を踏まえた結果、好例な排気細孔に関する範囲は次のとおり導き出すことができる。まず、表1より、排気細孔はその個数によるものの、0.59または0.50mmの直径も許容される。そこで、より小さな直径とするべく0.50mmを上限とした。さらには、水蒸気排気の性能と異物混入抑制の両立から、0.35mmをより好ましい直径の上限とした。排気細孔の直径の下限は照射装置の性能に依存する。しかしながら、極端に直径を狭くすると水蒸気の排気効率は低下するため、一連の実験結果から少なくとも0.15mmは必要であり、好ましくは実験時の下限である0.19mmと判断した。
10,10x 蓋体部
11,11x 蓋面部
15 周壁部
16 蓋密着壁部
20,20a,20b,20c 排気孔群
21 排気細孔
30 凹面部
35 蓋面上周壁部
100 容器本体部
103 容器内部
104 胴部
105 底部
106 開口周壁部
107 開口段部
C 食品
Vp 水蒸気
Claims (1)
- 容器本体部と、前記容器本体部の開口部と嵌合する蓋体部とを備え、前記容器本体部内に食品を収容する電子レンジ加熱のための食品用容器であって、
前記蓋体部の蓋面部に凹面部及び前記凹面部を取り囲むように蓋面上周壁部が形成されているとともに、前記凹面部に電子レンジ加熱に際し前記容器本体部内に収容された食品から発生する水蒸気を外部に排気する複数の排気細孔からなる排気孔群が形成されている
ことを特徴とする電子レンジ加熱食品用容器。
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