JP2018020851A - 電子レンジ加熱食品用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】従前のU字状またはV字状の切れ込みによる舌片状の開口部を用いた水蒸気の排気に代わる新たな排気構造により良好な水蒸気排気を可能とし、同時に封止性能改善、異物混入抑制を実現し、併せて蓋体部の形状上の制約も少なく、資材コストの軽減にも有利な電子レンジ加熱食品用容器を提供する。【解決手段】容器本体部100と、容器本体部の開口部101と嵌合する蓋体部10とを備え、容器本体部内に食品を収容する電子レンジ加熱調理のための食品用容器1であって、前記蓋体部の周囲には前記容器本体部の開口部101と内嵌合する断面視U字の周壁部15が設けられているとともに、前記蓋体部の蓋面部に凹面部30が設けられ、前記凹面部に電子レンジ加熱に際し前記容器本体部内に収容された食品から発生する水蒸気を外部に排気する複数の排気細孔21からなる排気孔群20が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は電子レンジ加熱食品用容器に関し、特に蓋体部からの水蒸気の効率よい排気を可能とする容器に関する。
調理済み食品をコンビニエンスストア等の小売店にて販売する際の加熱調理または持ち帰った後の加熱調理に際し、これらの食品を包装する容器は容器本体部と蓋体部の組み合わせからなる。特に、陳列、販売等の1回のみの使用に用いられる使い切り容器であることから、極力簡素化した構造である。そのため、現状、合成樹脂シートの成形品が容器の主流である。
食品の加熱調理や温め直しには、通常電子レンジ(マイクロ波照射)が使用される。そこで、食品容器ごと電子レンジ内に入れられそのまま加熱された後に提供される。実際に販売される食品に着目すると、スープ類のように水分量の多い食品から、炒め物等のように重量当たりの水分量の少ない食品まで存在し、食品の種類は実に多用である。ここで問題となることは、電子レンジによる食品の加熱調理の際、容器内の食品から水蒸気が発生することである。
容器本体と蓋体の嵌合を緩くすれば内部発生の水蒸気の排気は容易である。しかし、蓋体側の嵌合が緩い場合、製造、出荷、陳列の中間段階で蓋体が外れやすい等の問題から異物混入が懸念される。このため、食品の購入者からの評判は思わしくない。そこで、内部発生の水蒸気を容器外部に排気するための穴部を形成した蓋体が提案されている(特許文献1、2等参照)。特許文献1、2に代表される容器の蓋体によると、U字状またはV字状の切れ込みによる舌片状の開口部が蓋体に形成されている。水蒸気はこの舌片状の開口部を通過して容器外部に放出される。
U字状またはV字状の切れ込みによる舌片状の開口部の排気効率は良好である。ところが、水蒸気の排気が良好ということは、それだけ、舌片状の開口部からの異物侵入のおそれも増す。そのために、この場合、舌片状の開口部を塞ぐ封止テープが貼付されることがある。さらには、舌片状の開口部を被覆するためのフィルム部材も別途必要により被せられる。例えば、フィルム部材を被せる場合、舌片状の開口部の周りを取り囲む壁部が蓋体側に設けられ、舌片状の開口部の周りに隙間が形成される。そして、この壁部にも水蒸気の通り道が形成される等、構造が複雑となっていた。また、切れ込みによる舌片が折れて容器内部に落下すると、それ自体が異物混入となる問題も内包している。
上述のように、既存の水蒸気を排気する構造を採用した容器では本来の食品包装にのみ必要な資材以外も必要となり、コスト上昇が否めない。加えて、切れ込みによる舌片状の開口部の形状は一律であり、周辺構造の制約も多い。
特開2012−50672号公報 実用新案登録第3056026号公報
一連の経緯から、発明者は、U字状またはV字状の切れ込みによる舌片状の開口部を用いた水蒸気の排気に代わる新たな排気構造を模索してきた。その中で容器の蓋体部に微細な孔を複数設けた構造が有効であることを見出した。しかも、微細な孔であることから、破損や異物混入への耐性も良好であることが判明した。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、従前のU字状またはV字状の切れ込みによる舌片状の開口部を用いた水蒸気の排気に代わる新たな排気構造を提案し、良好な水蒸気排気を可能とし、同時に封止性能改善、異物混入抑制を実現し、併せて蓋体部の形状上の制約も少なく、資材コストの軽減にも有利な電子レンジ加熱食品用容器を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、容器本体部と、前記容器本体部の開口部と嵌合する蓋体部とを備え、前記容器本体部内に食品を収容する電子レンジ加熱のための食品用容器であって、前記蓋体部の周囲には前記容器本体部の開口部と内嵌合する断面視U字の周壁部が設けられているとともに、前記蓋体部の蓋面部に凹面部が設けられ、前記凹面部に電子レンジ加熱に際し前記容器本体部内に収容された食品から発生する水蒸気を外部に排気する複数の排気細孔からなる排気孔群が形成されていることを特徴とする電子レンジ加熱食品用容器に係る。
請求項1の発明に係る電子レンジ加熱食品用容器によると、容器本体部と、前記容器本体部の開口部と嵌合する蓋体部とを備え、前記容器本体部内に食品を収容する電子レンジ加熱のための食品用容器であって、前記蓋体部の周囲には前記容器本体部の開口部と内嵌合する断面視U字の周壁部が設けられているとともに、前記蓋体部の蓋面部に凹面部が設けられ、前記凹面部に電子レンジ加熱に際し前記容器本体部内に収容された食品から発生する水蒸気を外部に排気する複数の排気細孔からなる排気孔群が形成されているため、従前のU字状またはV字状の切れ込みによる舌片状の開口部を用いた水蒸気の排気に代わり、良好な水蒸気排気及び封止性能改善を実現し、併せて蓋体部の形状上の制約も少なく、資材コストの軽減も可能となる。
本発明の一実施形態に係る電子レンジ加熱食品用容器の分離状態の全体斜視図である。 電子レンジ加熱食品用容器の第1部分断面図である。 電子レンジ加熱食品用容器の第2部分断面図である。 他の実施形態の排気孔群付近の斜視図である。 排気孔群の平面図形の平面図である。 電子レンジ加熱食品用容器に食品を入れた際の第1の写真である。 電子レンジ加熱食品用容器に食品を入れた際の第2の写真である。
本発明の一実施形態の食品用容器1は、図1の分離状態の全体斜視図のとおり、容器本体部100と、この容器本体部100の開口部101と嵌合する蓋体部10の組み合わせから構成される。特に、容器本体部100の容器内部103に食品が収容され、蓋体部10が被せられた状態のまま電子レンジのマイクロ波照射により加熱または加温される(加熱調理)。それゆえ、食品用容器1は「電子レンジ加熱食品用容器」である。
蓋体部10の蓋面部11に、複数の排気細孔21からなる排気孔群20が形成されている。電子レンジによる加熱または加温に際し、容器本体部100内に収容されている食品C(図3参照)から発生する水蒸気は、排気細孔21を通じて食品用容器1の外部に排気される。本形態の蓋体部10において、蓋面部11の全体または一部に蓋面部11より適度に掘り下げた凹面部30が形成される。この凹面部30の中に排気孔群20が形成される。また、図示では、凹面部30を取り囲むようにして蓋面上周壁部35が形成されている。
凹面部30が備えられることにより、排気細孔21から噴出した水蒸気が液化して水滴となった際、水滴は凹面部30に溜まり蓋面部11に広がらなくなる。そうすると、蓋面部11の濡れる部位を少なくすることができる。蓋面上周壁部35は囲いとなりさらに水滴の漏出を防ぐ目的で設けられる。
図示の容器本体部100と蓋体部10の嵌合は、内嵌合と称される形態であり、蓋体部10の周囲が容器本体部100の開口部101に嵌り込む形態である。蓋体部10の周囲には、容器本体部100の開口部101と内嵌合する断面視U字の周壁部15が設けられている。内嵌合の嵌合形態は容器本体部100と蓋体部10の相互の密着が強固となる。よって、安易に蓋体部10は脱離し難くなる。むろん、嵌合形態は図示の内嵌合の他に外嵌合とすることもできる。例えば、蓋体部の縁が容器本体部の開口部に対して外側から被さる形態である。
容器本体部100では、その開口部101に開口段部107が設けられ、蓋体部10の周壁部15を内側に受け入れ嵌合可能とする。容器本体部100は、上方から開口部101、胴部104、底部105により構成され、食品の量に十分対応した内容量の鉢状または椀状の容器となる。容器本体部100と蓋体部10の横断面形状は適宜であり図示では円形としている。多角形や楕円形等の断面形状とすることも可能である。
食品用容器1(容器本体部100と蓋体部10の組み合わせ)は、主に、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート、飲食店、惣菜専門店(デリカテッセン)、喫茶店、サービスエリア等の店舗にて販売される弁当、惣菜、麺料理類、スープ料理、さらにはコーヒー、ココア、紅茶、緑茶、薬草茶等の各種飲料類を包含する食品の包装に用いられる容器である。主に想定される用途は、ワンウェイ(one−way)やディスポーザブル(disposable)等と称される1回のみの使用に用いられる使い切り容器(使い捨て容器)である。使い切り容器とすることにより、食品の衛生管理に都合よい。
食品用容器1は、主に使い切り容器としての利用を主眼としている。そこで、蓋体部10は安価かつ簡便に量産して製造できる合成樹脂のシート(プラスチック樹脂シート)から形成される。具体的には、蓋体部10は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)等の熱可塑性樹脂のシート(合成樹脂シート)、さらにはポリ乳酸等の生分解性の熱可塑性樹脂のシートである。合成樹脂シートの厚さは適宜ではあるものの、概ね1mm以下の厚さであり、通常、200ないし700μmの厚さである。そして、合成樹脂シートは真空成形により成形される。合成樹脂シートを原料とした際の成形時の量産性、加工精度等を考慮すると真空成形が簡便かつ最適である。
容器本体部100と蓋体部10の組み合わせにおいて、合成樹脂シートの原料樹脂を同一種類としても異なる種類としてもよい。特に、食品用容器1は電子レンジによる加熱に対応するため、熱伝導を考慮して容器本体部側を発泡スチレン製や紙製とすることもできる。使用する樹脂の種類は用途、内容物、包装対象により適宜選択される。
図2及び図3の部分断面図を用い、図示実施形態における容器本体部100と蓋体部10の嵌合部位、排気孔群20(排気細孔21)について説明する。図2は蓋体部の分離状態であり、図3は蓋体部の嵌合(嵌着または合着)状態である。蓋体部10の断面視U字の周壁部15は、蓋密着壁部16、周溝底部17、及び内側壁部18から形成される。蓋密着壁部16の外縁にはフランジ部19が備えられる。これに対応する容器本体部100の開口部101では、外縁フランジ部109、開口周壁部106、その下端に開口段部107が形成される。
さらに図3の状態から理解されるように、蓋体部10の周壁部15が容器本体部100の開口部101に嵌合されると、蓋密着壁部16は開口周壁部106と密着(合着)する。こうして、食品用容器1の内部の気密性は高まる。しかし、その分、食品用容器1の内部に収容された食品Cから発生する水蒸気の抜け道はなくなる。そこで、内部発生の水蒸気Vpは蓋体部10の蓋面部11に形成された排気細孔21から食品用容器1の外部に放出される。こうして、食品用容器1が異常に膨張し、蓋体部が変形したり不自然に開いたりする問題は回避される。
蓋体部10の蓋面部11に排気孔群20を構成する個々の排気細孔21に際し、その貫通のための加工方法は適宜であり、例えば、針刺しやドリル等である。しかし、これらの物理的な加工方法の場合、時間を多く要することに加え、十分な加工精度が得られない等の点が挙げられる。また、孔形成に際し、微粉末の発生の問題も払拭できず、事後の洗浄の手間も必要となる。そこで、簡便かつ迅速に蓋面部に排気細孔を穿設するべく、レーザー光線の照射が用いられる。
レーザー光線は加工出力を得ることができる種類であれば、特段限定されず、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、アルゴンレーザー等の各種レーザーが使用される。前述のように、蓋体部の材質が合成樹脂のシートから形成されている場合、排気細孔はレーザー光線照射により簡単かつ短時間で穿設される。
ここで、排気孔群20を構成する排気細孔21を規定する指標についてさらに詳述する。一つ目の指標として、個々の排気細孔21の直径は少なくとも0.5mm以下である。さらには、排気細孔21の直径は0.15ないし0.5mmの範囲であることが好ましく、特には、0.19ないし0.35mmの範囲であることが好ましい。
排気細孔21の直径が大きくなりすぎる場合、排気細孔21からの異物混入のおそれも高まる。そこで、極力異物の混入を規制する必要性と内部発生水蒸気の排気との両立から直径0.5mm以下が導き出される。直径の下限の0.15mmはおおよそ現状の加工技術を考慮した値である。排気細孔21の直径が0.15mmを下回る場合、孔直径は小さすぎであり排気細孔21からの水蒸気の排気効率は低下すると考えられる。結果、容器本体部100に嵌合した蓋体部10が内圧により外れやすくなる。また、レーザー光線の照射装置の精度上の下限とも考えられる。
さらにより好ましい排気細孔21の直径の範囲は、後記の実施例における実証結果に加え微小な昆虫等の異物の侵入を規制する篩の目開きからも参照される。通常の防虫網等の場合目開きは40メッシュ前後とされている。そこで、網目または篩の目の一辺はおよそ0.37mmである。ここから排気細孔の直径は、防虫目的に合致した目開きに用いられる数値と後記実施例を加味して導き出される。
二つ目の指標として、排気孔群20を構成する排気細孔21の必要な個数は、後記の実施例の結果を勘案しておおよそ8ないし1000個の範囲であり、好ましくは10ないし990個の範囲である。排気細孔21の直径は前述のとおり微細である。それゆえ、内部発生の水蒸気の排気に有効であるため、適切な個数の排気細孔を確保する必要がある。
排気細孔の個数は、排気細孔自体の直径の大小、加えて内容物である食品の種類にも依存する。それゆえ排気細孔の個数が少なすぎる場合、十分な水蒸気の排気を実現することはできず、発生する水蒸気圧力により蓋体部の嵌合が不自然に開くおそれがある。排気細孔の個数の上限は、蓋体部の蓋面部の意匠形状、排気細孔の直径を加味して規定される。また、排気細孔の直径が小さい場合、呼応して排気細孔の個数は多く必要となる。そこで、排気細孔の個数の上限はおよそ1000個が妥当とされる。
三つ目の指標として、排気孔群20の開孔面積の合計、すなわち、蓋面部11上の全ての排気細孔21の開孔面積の合計は、0.15ないし100mm2の範囲である。開孔面積の合計の最小量は、排気細孔の最小直径と最小個数の積から規定される。ただし、当該面積量は極めて水蒸気発生量の少ない食品を対象とした値である。そこで、対応可能な食品の種類を考慮して、開孔面積の合計の妥当な下限は0.25mm2、好ましくは0.28mm2である。
例えば、麺料理の場合、麺に加えて汁(つゆ)の量も多いことから食品用容器の容量も多くなる。そうすると、電子レンジによる加熱時間は長くなり、容器内全体で発生する水蒸気量も相対的に多くなる。この場合、排気細孔からの良好な水蒸気の排気を促すため、開孔面積の合計を大きくする必要がある。ただし、必要能力以上に排気細孔を増やしたとしても、穿設の手間が増したり蓋体部の強度が低下したりするおそれも懸念される。そこで、開孔面積の合計の上限として100mm2、より好ましい上限として80mm2が導き出される。排気孔群の開孔面積の合計は前述の範囲であるため、電子レンジ加熱食品用容器(蓋体部)は市場にて流通する多くの食品に対応できる。
図4は他の実施形態の蓋体部10xの全体斜視図である。図示の蓋体部10xでは、蓋面部11xに凹面部30が形成され、この凹面部30に複数の排気細孔21からなる排気孔群20が穿設される。図1及び図2とは異なり蓋面上周壁部35は省略されている。図4の蓋面部11xからわかるように、蓋面部11xの形状を簡素化できる。つまり、食品用容器の構造上の制約は少なくなり、資材コストの軽減にも有効です。
図5の各平面図は蓋体部10(蓋面部11)に形成される排気孔群の他の形態例を示す。図5(a)の排気孔群20aは、排気細孔21の穿設により長方形状に形成される。図示の凹面部30aは長方形状である。同(b)の排気孔群20bは、排気細孔21の穿設によりほぼ円形または菱形状に形成される。図示の凹面部30bは円形状である。同(c)の排気孔群20cは、排気細孔21の穿設により、アルファベットの「A」の文字を模した形状に形成される。図示の凹面部30cは長方形状である。すなわち、排気孔群は平面図形として構成されている。平面図形は図形のみならず、文字や記号も含まれる。
排気孔群の平面図形の形状は、レーザー光線照射時の設定により自在に設計できる。このため、従前の切れ込みによる舌片状の開口部のようなU字状またはV字状等の形状が制約は無くなる。排気細孔の穿設により形成される排気孔群の平面図形により、製造者、販売者等の商標、標章、ロゴ、さらには製造日等の各種情報も、排気孔群を通じて表示可能となる。
これまでの説明にあるように、本発明の食品用容器(電子レンジ加熱食品用容器)における排気細孔の直径を勘案すると、極めて微細であることから昆虫等の異物侵入を有効に抑制できる。そのため、本発明の食品用容器では、従前の容器に見られた蓋体部の排気を担う穴を被覆したり包皮したりするフィルム等の部材は省略可能となる。従って、本発明の食品用容器は、電子レンジ加熱または加温時の開封等の手間も必要なく、包装資材費の軽減にも貢献し得る。特に、本発明の食品用容器は排気孔群の開孔面積の合計、これに加えて排気細孔の個数の規定も備える。そこで、本発明の食品用容器は多種類の食品から発生する水蒸気量にも対応可能な極めて都合のよい包装材である。さらに、排気細孔の配置いかんにより多様な排気孔群を形成できることから、蓋体部の形状設計の制約は少なくなることに加え、排気孔群自体の形状の自由度も高まる。
[電子レンジ加熱食品用容器の作製−1]
電子レンジ加熱食品用容器は、容器本体部と蓋体部の組み合わせからなる物品とした。当該「作製−1」は量の多い食品の包装を想定した。蓋体部には、耐熱二軸延伸ポリスチレン(耐熱OPS)樹脂のシート材を使用した。これを真空成形により円盤状の蓋体部に加工した。蓋体部の最大直径は約175mm、蓋面部の最大直径は約135mmであった。蓋体部の材料厚みは0.3mmであった。容器本体部には、耐熱発泡ポリスチレン製のシート材(ポリプロピレンフィルム被着品)を使用した。これを真空成形により横断面円形の鉢状(椀状またはボウル状)の容器本体部に加工した。容器本体部の開口部直径(内径)は約160mm、深さは70mmとし、容器本体部の内容量(食品収容可能な容量)は約800mLとした。
[排気孔群の形成−1]
排気孔群の形成に際し、樹脂加工分野において一般に使用される公知の炭酸ガスレーザーの照射装置を用い、前記の成形により得た蓋体部中央部分に排気細孔を穿設した。このとき、照射装置の条件を変えながら個々の排気細孔の直径(口径)を「0.19,0.26,0.35,0.50,及び0.59mm」とする5種類を用意した。また、排気細孔の直径に応じて穿設する排気細孔の個数も「60,100,150,200,300,400,500,600,700,800,及び990個」の11種類とした。すなわち、排気細孔の直径と排気細孔の個数の掛け合わせにより、計55種類の組み合わせからなる試作例の蓋体部を作製した。
[食品の電子レンジ加熱試験−1]
実際に販売される食品の種類は極めて多岐にわたる。そこで、発明者は、水分量の異なる3種類の食品を代表(下記の食品例1ないし3)として選び、それぞれを容器本体部内に収容し、蓋体部(各試作例)を適切に嵌合した(図6の写真参照)。そして、コンビニエンスストア等に導入されている高出力型の電子レンジを用いて加熱試験に供した。電子レンジ加熱時、蓋体部が食品に起因する内部発生水蒸気の圧力を受けても容器本体部から外れてしまわなかった例を「良品」とし、蓋体部が外れてしまった例(不自然な浮き上がりも含む)を「不良品」と判断した。
蓋体部の外れの有無の結果は「表1」、「表2」、及び「表3」である。各表において、横軸は排気細孔の直径(mm)の区分であり、縦軸は排気細孔の総個数(個)の区分である。双方の指標の交差する数値は開口面積(mm2)の合計である。表1を用いて具体的に説明すると、横軸より排気細孔の直径が0.26mm、縦軸より排気細孔の個数700個を読み取る。まず、排気細孔1個の開孔面積は0.053mm2となる。排気細孔数の700個分を合計すると、合計面積は37.1mm2(小数第二位を四捨五入)となる。つまり、両軸の交点位置の枠が合計面積の表記である。
各表中、両指標の交差位置の枠に数値が存在する試作例が実際に試行した例である。数値の枠が太実線のみの枠は蓋体部の外れのない「良品」である。斜め線の入った数値の枠は蓋体部の外れのある「不良品」である。なお、各表中の空欄部分は良・不良の傾向から試験を省略した領域である。
〈食品例1〉
食品例1は「豚汁うどん」であり、麺、つゆ、及び具の合計重量は約580gであった。食品例1を前出の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表1の8種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、2分15秒間の加熱条件とした。良否の結果は表1となった。
Figure 2018020851
〈食品例2〉
食品例2は「カレーライス」であり、ご飯とルーの合計重量は約470gであった。食品例2を前出の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表2の9種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、1分20秒間の加熱条件とした。良否の結果は表2となった。
Figure 2018020851
〈食品例3〉
食品例3は「パスタ(カルボナーラ・明太子のスパゲティ)」であり、パスタ、ソース、及び具の合計重量は約370gであった。食品例3を前出の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表3の9種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、1分10秒間の加熱条件とした。良否の結果は表3となった。
Figure 2018020851
図6は電子レンジ加熱食品用容器内に食品例1,2,3を詰めて前記の条件下で電子レンジ加熱したときの様子を撮影した写真の一部である。上段は食品例1(豚汁うどん):排気細孔直径0.35mm、排気細孔個数500個、開孔面積の合計48.1mm2の例である。中段は食品例2(カレーライス):排気細孔直径0.19mm、排気細孔個数600個、開孔面積の合計17.0mm2の例である。下段は食品例3(パスタ/スパゲティ):排気細孔直径0.26mm、排気細孔個数300個、開孔面積の合計15.9mm2の例である。各段、左側は電子レンジ加熱前であり右側は電子レンジ加熱後の写真である。
[電子レンジ加熱試験−1の考察]
食品例1の豚汁うどんの場合、つゆの量が多いことから電子レンジ加熱時に発生する水蒸気量は多くなった。表1の傾向から把握できるように、排気細孔の直径が小さくなれば、排気細孔の数を増やして合計の開口面積を大きくする必要がある。また、その逆も成立する。次に、食品例2のカレーライスの結果(表2)及び食品例3のパスタの結果(表3)を見ると、食品例1ほどは水分量の多くないと判断でき、電子レンジ加熱時に発生する水蒸気量は相対的に減少した。そのため、表1に開示の食品例1の開孔面積では不良品となる領域であっても、良品に包含可能であることがわかった。すなわち、包装対象の食品種類に応じて柔軟に排気細孔の直径、排気細孔の個数、開孔面積の合計を設定できることを確信した。
[電子レンジ加熱食品用容器の作製−2]
前述の「電子レンジ加熱試験−1の考察」を踏まえ、当該「作製−2」ではより少量の食品包装への適用を想定した。また、判明した傾向から、排気細孔の直径を小さくした範囲に対象を絞るとともに排気細孔の個数を減らした条件も追加した。
「作製−2」における蓋体部は、「作製−1」と同様の耐熱二軸延伸ポリスチレン(耐熱OPS)樹脂のシート材を使用した。これを真空成形により円盤状の蓋体部に加工した。蓋体部の最大直径は約111mm、蓋面部の最大直径は約75mmであった。蓋体部の材料の厚さは0.25mmであった。容器本体部には、ポリプロピレン製のシート材を使用した。これを真空成形により横断面円形の鉢状(椀状またはカップ状)の容器本体部に加工した。容器本体部の開口部直径(内径)は約100mm、深さは90mmとし、容器本体部の内容量(食品収容可能な容量)は約400mLとした。
[排気孔群の形成−2]
排気孔群の形成に際し、前出と同様の照射装置を用い、前記の成形により得た蓋体部中央部分に排気細孔を穿設した。このとき、個々の排気細孔の直径(口径)を「0.19及び0.26mm」とする2種類を用意した。また、排気細孔の直径に応じて穿設する排気細孔の個数も「5,10,20,25,40,70,100,150,200,300個」の10種類とした。こうして、計20種類の組み合わせからなる試作例の蓋体部を作製した。
[食品の電子レンジ加熱試験−2]
次に発明者は、前記の「試験−1」よりは小容量で販売される水分量の異なる3種類の食品を代表(下記の食品例4ないし6)として選び、容器本体部内に収容し、蓋体部(各試作例)を適切に嵌合した(図7の写真参照)。そして、前出と同様の高出力型の電子レンジを用いて加熱試験に供した。「試験−2」においても電子レンジ加熱時、蓋体部が食品に起因する内部発生水蒸気の圧力を受けても容器本体部から外れてしまわなかった例を「良品」とし、蓋体部が外れてしまった例(不自然な浮き上がりも含む)を「不良品」と判断した。「試験−2」の蓋体部の外れの有無の結果は「表4」、「表5」、及び「表6」である。各表中の表記の仕方は前出の表1等と同様である。ただし、小数第三位を四捨五入した。
〈食品例4〉
食品例4は「坦々スープ」であり、スープ及び具の合計重量は約290gであった。食品例4を「作製−2」の成形による容器本体部に同量ずつ投入して、表4の10種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、1分10秒間の加熱条件とした。良否の結果は表4となった。
Figure 2018020851
〈食品例5〉
食品例5は「揚げ出し豆腐」であり、豆腐とたれの合計重量は約200gであった。食品例5も同様に容器本体部に同量ずつ投入して、表5の10種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、40秒間の加熱条件とした。良否の結果は表5となった。
Figure 2018020851
〈食品例6〉
食品例6は「焼き鳥」であり、鶏肉及びたれの合計重量は約140gであった。食品例6も同様に容器本体部に同量ずつ投入して、表6の15種類の試作例の蓋体部を被せて嵌合した。電子レンジの設定は、出力を1500W、25秒間の加熱条件とした。良否の結果は表6となった。なお、食品例6については、排気細孔を全く形成しない蓋体部を用意して同様の実験も試みた。結果、加熱開始から18秒を経過した時点で蓋体部の嵌合は外れた。
Figure 2018020851
図7は電子レンジ加熱食品用容器内に食品例4,5,6を詰めて前記の条件下で電子レンジ加熱したときの様子を撮影した写真の一部である。上段は食品例4(坦々スープ):排気細孔直径0.26mm、排気細孔個数150個、開孔面積の合計7.96mm2の例である。中段は食品例5(揚げ出し豆腐):排気細孔直径0.19mm、排気細孔個数100個、開孔面積の合計2.83mm2の例である。下段は食品例6(焼き鳥):排気細孔直径0.19mm、排気細孔個数40個、開孔面積の合計1.13mm2の例である。各段とも、左側は電子レンジ加熱前であり右側は電子レンジ加熱後である。
[電子レンジ加熱試験−2の考察]
食品例4の坦々スープの場合、食品に占める水分量の関係から電子レンジ加熱時に発生する水蒸気量は多くなった。ただし、小容量であり電子レンジ加熱も短時間化できたことから、前出の表1の食品例1と比較しても、小さな排気細孔の直径で排気細孔の個数を減らしても十分な水蒸気排気を実現することができた。次に、食品例5の揚げ出し豆腐(表5)及び食品例3の焼き鳥(表3)の結果を見ると、もともと蒸発する水分量は少なかったため、排気細孔の個数をかなり少なくすることができた。ただし、排気細孔を完全に無くしてはいけないことも判明した。ここからも包装対象の食品種類に応じて柔軟に排気細孔の直径、排気細孔の個数、開孔面積の合計を設定できることを実証した。
[排気細孔の物性範囲の考察]
計6種類の食品例毎の電子レンジ加熱試験(表1ないし6参照)を踏まえた結果、好例な排気細孔に関する範囲は次のとおり導き出すことができる。まず、表1より、排気細孔はその個数によるものの、0.59または0.50mmの直径も許容される。そこで、より小さな直径とするべく0.50mmを上限とした。さらには、水蒸気排気の性能と異物混入抑制の両立から、0.35mmをより好ましい直径の上限とした。排気細孔の直径の下限は照射装置の性能に依存する。しかしながら、極端に直径を狭くすると水蒸気の排気効率は低下するため、一連の実験結果から少なくとも0.15mmは必要であり、好ましくは実験時の下限である0.19mmと判断した。
次に、排気細孔の個数の上限について、表1の最大数が990個であることから、安定した性能発揮を見越して1000個とした。排気細孔の個数の下限については、食品例6の表6に開示の10個でも許容された。そこで、不良となった5個との兼ね合いから下限数を8個、好ましくは実際の試験の10個を下限とした。こうすると、極めて広範な食品に対応可能となる。
続いて、排気孔群の開孔面積の合計(蓋面部上の全ての排気細孔の開孔面積の合計)については、その排気細孔の直径と個数の積から算定できる。そこで、開孔面積の合計の最小は0.15mm2である。これに表6の試験結果を加えて開孔面積の合計の下限を0.25mm2、より好ましい下限を0.28mm2と規定した。開孔面積の合計の上限については、かなり水分量の多い食品例1の表1を参酌して100mm2、好ましい上限として80mm2、さらに好ましい上限として50mm2を規定した。
以上のとおり、本発明の電子レンジ加熱食品用容器は、蓋体部に適切な条件により形成された排気細孔を備えたことから、良好な水蒸気の排気を実現している。そこで、既存の切れ込み構造を備えた電子レンジ用の包装容器の代替として極めて有効となる。
1 食品用容器(電子レンジ加熱食品用容器)
10,10x 蓋体部
11,11x 蓋面部
15 周壁部
16 蓋密着壁部
20,20a,20b,20c 排気孔群
21 排気細孔
30 凹面部
35 蓋面上周壁部
100 容器本体部
103 容器内部
104 胴部
105 底部
106 開口周壁部
107 開口段部
C 食品
Vp 水蒸気

Claims (1)

  1. 容器本体部と、前記容器本体部の開口部と嵌合する蓋体部とを備え、前記容器本体部内に食品を収容する電子レンジ加熱のための食品用容器であって、
    前記蓋体部の周囲には前記容器本体部の開口部と内嵌合する断面視U字の周壁部が設けられているとともに、前記蓋体部の蓋面部に凹面部が設けられ、前記凹面部に電子レンジ加熱に際し前記容器本体部内に収容された食品から発生する水蒸気を外部に排気する複数の排気細孔からなる排気孔群が形成されている
    ことを特徴とする電子レンジ加熱食品用容器。
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