JP2018020699A - 車輪用軸受装置および軸受構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑材の状態や潤滑材の有無に関わらず、スティックスリップ音の発生を抑制することができる車輪用軸受装置および軸受構造を提供する。【解決手段】車体取り付けフランジ2eを一体に有し、複列の外側転走面2c・2dが一体に形成された外輪2と、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3cを一体に有し、軸方向に延びる小径段部3aが形成されたハブ輪3、およびこのハブ輪3の小径段部3aに圧入された少なくとも一つの内輪4からなり、複列の外側転走面2c・2dに対向する複列の内側転走面4aが形成された内方部材と、それぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体5a・5bと、を備えた車輪用軸受装置1において、等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bに接触されて等速ジョイント100に対する軸方向の移動を規制するハブ輪側係合面3gに柔軟性構造体である繊維Fiが静電植毛される。【選択図】図3
Description
本発明は車輪用軸受装置および軸受構造に関する。詳しくは駆動輪用の車輪用軸受装置および軸受構造に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、車輪に接続されるハブ輪が転動体を介して外輪に回転自在に支持されている。車輪用軸受装置は、車両のナックルに外輪の取り付けフランジを介して固定されている。つまり、車輪用軸受装置は、外輪が車両のナックルに固定された状態で車輪が接続されているハブ輪を回転自在に支持している。また、駆動輪用の車輪用軸受装置は、ハブ輪に車両の等速ジョイントのドライブシャフトがスプライン嵌合されている。さらに、駆動輪用の車輪用軸受装置は、ナットの締め付けによりドライブシャフトの肩部(段差面)にハブ輪の端面が押し付けられてドライブシャフトに固定されている。駆動輪用の車輪用軸受装置は、等速ジョイントにスプライン嵌合によって接続される軸受構造によって駆動力がハブ輪に伝達されて回転駆動されるように構成されている。
このような車輪用軸受装置において、車両の急発進等による大きな回転力によってドライブシャフトにねじれが発生した場合、ドライブシャフトの肩部とハブ輪の端面との間に急激なスリップ(すべり)が生じ、スティックスリップ音が発生する可能性があった。そこで、ドライブシャフトと車輪用軸受装置とを接続する際、ドライブシャフトの肩部とハブ輪の端面との間にグリースを保持させてスティックスリップ音の発生を防止する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、ハブ輪のインナー側端部のかしめ部の端面に円環状の凹溝が形成されている。車輪用軸受装置は、凹溝内に潤滑剤であるグリースが充填された状態で、等速ジョイントのドライブシャフト(スプライン軸)が嵌合され、ボルトによって締め込まれている。この際、車輪用軸受装置は、ハブ輪のかしめ部端面(内端面)に等速ジョイントの等速ジョイント用外輪の段差面(外端面)がドライブシャフトに発生している軸力によって押圧されている。このように構成することで、車輪用軸受装置は、等速ジョイント用外輪の肩部とハブ輪のかしめ部端面との間に相対的な移動が生じてもグリース潤滑により急激なスリップが緩和されてスティックスリップ音の発生が抑制される。しかし、特許文献1の技術では、グリースが十分に充填されていない場合や凹溝が密閉されておらず外部にグリースが流出している場合、経年的な変化により凹溝内のグリースが減少してスティックスリップ音の抑制効果が継続的に維持できない可能性があった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、潤滑材の状態や潤滑材の有無に関わらず、スティックスリップ音の発生を抑制することができる車輪用軸受装置および軸受構造の提供を目的とする。
即ち、車輪用軸受装置においては、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成され、内周に等速ジョイントのドライブシャフトがトルク伝達可能に嵌合される連結孔が形成されるハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、を備えた車輪用軸受装置において、前記等速ジョイントの等速ジョイント側係合面に接触されて前記等速ジョイントに対する軸方向の移動を規制するハブ輪側係合面に柔軟性構造体が設けられるものである。
車輪用軸受装置においては、前記柔軟性構造体と前記等速ジョイント側係合面との間の静摩擦係数が、前記柔軟性構造体が設けられていない前記ハブ輪側係合面と前記等速ジョイント側係合面との間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成されるものである。
車輪用軸受装置においては、前記柔軟性構造体に潤滑剤が塗布されるものである。
車輪用軸受装置においては、前記柔軟性構造体が、静電植毛加工によって植毛された繊維材、大小の孔が無数に形成された多孔質の樹脂材または軟質の樹脂材で構成されているものである。
軸受構造においては、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成され、内周に等速ジョイントのドライブシャフトがトルク伝達可能に嵌合される連結孔が形成されるハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受装置に、駆動力を伝達する等速ジョイントが連結される軸受構造において、前記等速ジョイントのドライブシャフトが前記ハブ輪の連結孔に嵌合され、前記等速ジョイントに対する前記車輪用軸受装置の軸方向の移動を規制するために前記車輪用軸受装置のハブ輪側係合面が接触される前記等速ジョイントの等速ジョイント側係合面に柔軟性構造体が設けられるものである。
軸受構造においては、前記柔軟性構造体と前記ハブ輪側係合面との間の静摩擦係数が、柔軟性構造体が設けられていない前記等速ジョイント側係合面と前記ハブ輪側係合面と間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成されるものである。
軸受構造においては、前記柔軟性構造体に潤滑剤が塗布されるものである。
軸受構造においては、前記柔軟性構造体が、静電植毛加工によって植毛された繊維材、大小の孔が無数に形成された多孔質の樹脂材または軟質の樹脂材で構成されているものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、車輪用軸受装置のハブ輪側係合面と前記等速ジョイント側係合面との間に柔軟性構造体を介在させることで摩擦力が任意の値に調整される。これにより、潤滑材の状態や潤滑材の有無に関わらず、スティックスリップ音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、車輪用軸受装置のハブ輪側係合面と前記等速ジョイントの肩部との間に介在される柔軟性構造体によって摩擦力が低下する。これにより、潤滑材の状態や潤滑材の有無に関わらず、スティックスリップ音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、車輪用軸受装置のハブ輪側係合面と前記等速ジョイントの肩部との間に介在する柔軟性構造体と柔軟性構造体に保持される潤滑剤とによって摩擦力が低下する。これにより、潤滑材の状態や潤滑材の有無に関わらず、スティックスリップ音の発生を抑制することができる。
以下に、図1と図2とを用いて、本発明に係る車輪用軸受装置の第一実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。
図1に示すように、車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材である外輪2、内方部材を構成するハブ輪3、内方部材を構成する内輪4、転動列である二列の一側ボール列5a(図2参照)、他側ボール列5b(図2参照)、一側(インナー側)シール部材6、他側(アウター側)シール部材7(図2参照)を具備する。車輪用軸受装置1は、等速ジョイント100に接続されている。
図2に示すように、外方部材である外輪2は、内方部材(ハブ輪3と内輪4)を支持するものである。外輪2は、略円筒状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外輪2の一側(インナー側)端部には、一側シール部材6が嵌合可能な一側開口部2aが形成されている。外輪2の他側(アウター側)端部には、他側シール部材7が嵌合可能な外方部材開口部である他側開口部2bが形成されている。
外輪2の内周面には、環状に形成されている一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとが周方向に互いに平行になるように形成されている。一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとのピッチ円直径は、等しい大きさに構成されている。なお、一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとのピッチ円直径は、異なる大きさに構成してもよい。一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとには、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲とする硬化層が形成されている。外輪2の外周面には、図示しない懸架装置のナックルに取り付けられるための車体取り付けフランジ2eが一側開口部2aの近傍に一体に形成されている。車体取り付けフランジ2eは、外輪2の一側の外側転走面2cに対向する部分を含む範囲に形成されている。
内方部材を構成するハブ輪3は、図示しない車両の車輪を回転自在に支持するものである。ハブ輪3は、円筒状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪3の一側端部(インナー側)には、一側端から軸方向に所定の範囲だけ外径が小さい部分である小径段部3aが形成されている。つまり、小径段部3aの一側端は、ハブ輪3の一側端であり、後述するかしめ部3bが形成されている。ハブ輪3の他側端部(アウター側)には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3cが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ3cには、円周等配位置にハブボルト3dが設けられている。ハブ輪3の他側(車輪取り付けフランジ3c側)の外周面には、周方向に環状のシール摺動面3eと環状の内側転走面3fとが形成されている。ハブ輪3は、他側に形成されている内側転走面3fが外輪2の他側の外側転走面2dに対向するように配置されている。
ハブ輪3は、一側の小径段部3aから他側の内側転走面3fまでを高周波焼入れにより表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、ハブ輪3は、車輪取り付けフランジ3cに付加される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪3の耐久性が向上する。ハブ輪3は、小径段部3aに内輪4が嵌合されるとともに、内輪4を固定するために一側端部が径方向外側に塑性変形されたかしめ部3bが形成されている。かしめ部3bの軸方向端面(インナー側端面)には、等速ジョイント100(図3参照)に対する軸方向の位置を定めるためのハブ輪側係合面3gが形成されている。ハブ輪側係合面3gは、等速ジョイント100の肩部に形成される等速ジョイント側係合面100b(図3参照)と平行な面に形成され、等速ジョイント側係合面100bに接触されるように形成されている。ハブ輪3の内周は、トルク伝達用のセレーション(またはスプライン)が形成されている連結孔3hとして構成されている。
内輪4は、転動列である一側ボール列5aと他側ボール列5bとに予圧を与えるものである。内輪4は、円筒状に形成されている。内輪4は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。内輪4の外周面には、周方向に環状の内側転走面4aが形成されている。内輪4の内周は、ハブ輪3の小径段部3aが圧入される嵌合孔4bが形成されている。内輪4は、嵌合孔4bにハブ輪3の小径段部3aが圧入嵌合されるとともに、小径段部3aの一側端部が径方向外側に塑性変形されてかしめ部3bが形成されることで、ハブ輪3に固定されている。内輪4は、ハブ輪3の小径段部3aに固定されることでハブ輪3の一側に内側転走面4aを構成している。内輪4は、内側転走面4aが外輪2の一側の外側転走面2cに対向するように配置されている。
転動列である一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、ハブ輪3を回転自在に支持するものである。一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、転動体である複数のボールが保持器によって環状に保持されている。一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。一側ボール列5aは、内輪4に形成されている内側転走面4aと、それに対向している外輪2の一側の外側転走面2cとの間に転動自在に挟まれている。他側ボール列5bは、ハブ輪3に形成されている内側転走面3fと、それに対向している外輪2の他側の外側転走面2dとの間に転動自在に挟まれている。つまり、一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、外輪2に対してハブ輪3と内輪4とを回転自在に支持している。
車輪用軸受装置1は、外輪2とハブ輪3と内輪4と一側ボール列5aと他側ボール列5bとから複列アンギュラ玉軸受が構成されている。なお、本実施形態において、車輪用軸受装置1には、複列アンギュラ玉軸受が構成されているがこれに限定されるものではなく、複列円錐ころ軸受等で構成されていても良い。
一側(インナー側)シール部材6は、外輪2と内輪4との隙間を塞ぐものである。一側シール部材6は、略円筒状のシール板と略円筒状のスリンガとを具備する。一側シール部材6は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)等から構成されているシール板に、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなる複数の一側シールリップが加硫接着されている。スリンガは、シール板と同等の鋼板から構成されている。一側シール部材6は、シール板が外輪2の一側開口部2aに嵌合され、スリンガの円筒部分が内輪4に嵌合され、パックシールを構成している。スリンガは、その鍔部分が外側(インナー側)に向くようにして内輪4に固定されている。一側シール部材6は、シール板が外輪2の一側開口部2aに嵌合され、スリンガが内輪4に嵌合され、パックシールを構成している。一側シール部材6は、シール板の一側シールリップが油膜を介してスリンガと接触することでスリンガに対して摺動可能に構成されている。これにより、一側シール部材6は、外輪2の一側開口部2aからのグリースGrの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止する。
他側(アウター側)シール部材7は、外輪2とハブ輪3との隙間を塞ぐものである。他側シール部材7はニトリルゴム等の合成ゴムからなる複数の他側シールリップが加硫接着によって略円筒状に形成された芯金に一体に接合されている。他側シール部材7は、外輪2の他側開口部2bに円筒部分が嵌合され、ハブ輪3の外周面に複数の他側シールリップが接触している。他側シール部材7は、他側シールリップが油膜を介してハブ輪3の外周面と接触することでハブ輪3に対して摺動可能に構成されている。これにより、他側シール部材7は、外輪2の他側開口部2bからのグリースGrの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止する。
車輪用軸受装置1は、潤滑剤として潤滑油またはグリースGrで潤滑される。これら潤滑剤(潤滑油・グリースGr)は外方部材と内方部材との間に供給・封入され、各転走面などに介在して潤滑がなされる。潤滑油は、通常、転がり軸受に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。同様に、グリースGrは、通常、転がり軸受に用いられるグリースGrであれば特に制限なく用いることができる。
潤滑油は、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブテン油、ポリ−α−オレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油などの炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、りん酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などから構成されている。これらの潤滑油は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
グリースGrを構成する基油は、上記の潤滑油が挙げられる。また、グリースGrを構成する増ちょう剤は、例えば、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂粉末等から構成される。これらの増ちょう剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、グリースGrには、必要に応じて公知の添加剤を添加してもよい。添加剤は、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、エステル、アルコールなどの油性剤などから構成されている。
このように構成される車輪用軸受装置1は、外輪2とハブ輪3と内輪4と一側ボール列5aと他側ボール列5bとから複列アンギュラ玉軸受が構成され、ハブ輪3が一側ボール列5aと他側ボール列5bを介して外輪2に回転自在に支持されている。また、車輪用軸受装置1は、外輪2の一側開口部2aと内輪4との隙間を一側シール部材6で塞がれ、外輪2の他側開口部2bとハブ輪3との隙間を他側シール部材7で塞がれている。これにより、車輪用軸受装置1は、内部からのグリースGrの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止しつつ外輪2に支持されているハブ輪3が回転可能に構成されている。
次に、図3を用いて車輪用軸受装置1と等速ジョイント100とが連結されている軸受構造8について説明する。
図3に示すように、車輪用軸受装置1には、ハブ輪3の連結孔3hに一側(インナー側)端部側から等速ジョイント100のドライブシャフト100aが挿入されている。車輪用軸受装置1は、ドライブシャフト100aのセレーション(またはスプライン)と連結孔3hのセレーションとが係合されている。さらに、車輪用軸受装置1は、ドライブシャフト100aにナットが締め込まれることでハブ輪3と内輪4とを含む内方部材がドライブシャフト100aに固定されている。この際、車輪用軸受装置1は、ドライブシャフト100aに発生している軸力によりハブ輪3のかしめ部3bのハブ輪側係合面3gが等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bに押し付けれている(黒塗矢印参照)。これにより、車輪用軸受装置1は、等速ジョイント100に対する軸方向の位置が定められる。
次に、図4と図5とを用いて、車輪用軸受装置1のハブ輪側係合面3gの形状および等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bとの接触の態様について詳細に説明する。
図4(a)に示すように、車輪用軸受装置1のハブ輪3に形成されているハブ輪側係合面3gには、柔軟性構造体を構成する繊維材の一種である短繊維Fi(薄墨部分)が円環状に植毛されている。
図4(b)に示すように、短繊維Fiは、ハブ輪側係合面3gのうち少なくとも等速ジョイント100の肩部に形成される等速ジョイント側係合面100bが接触される範囲に植毛されている。つまり、短繊維Fiは、ハブ輪側係合面3gに等速ジョイント側係合面100bが直接的に接触しないように植毛されている。また、短繊維Fiは、等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数が、植毛されていないハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
図4(b)に示すように、短繊維Fiは、ハブ輪側係合面3gのうち少なくとも等速ジョイント100の肩部に形成される等速ジョイント側係合面100bが接触される範囲に植毛されている。つまり、短繊維Fiは、ハブ輪側係合面3gに等速ジョイント側係合面100bが直接的に接触しないように植毛されている。また、短繊維Fiは、等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数が、植毛されていないハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
植毛に用いる短繊維Fiは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロンなどの合成樹脂短繊維Fi、カーボン短繊維Fi、グラスファイバーなどの無機短繊維Fi、レーヨン、アセテートなどの再生短繊維Fiや、綿、絹、麻、羊毛などの天然短繊維Fi等から構成されている。これらの短繊維Fiは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。本実施形態において短繊維Fiは、油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質な短繊維Fiを安価で多量に生産することができる合成樹脂短繊維Fiが好適である。
短繊維Fiの形状は、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましく、植毛した面積あたりに短繊維Fiの占める割合が10〜30%が好ましい。短繊維Fiの形状は、ストレートやベンド(先端部が曲がった形状)でもよく、円形断面や多角形断面でもよい。ベンド形状は、ストレート形状と比較してグリースGrをより強く保持することができる。また、多角形状断面の短繊維Fiを利用することで、円形断面の短繊維Fiよりも表面積を増大させてグリースGrの表面張力を大きくすることができる。つまり、短繊維Fiは、必要な特性に合わせて形状を選定することで、グリースGrの保持力や短繊維Fiと等速ジョイント側係合面100bとの間の摩擦係数を任意の値に設定することができる。
短繊維Fiは、静電植毛加工によってハブ輪側係合面3gに植毛されている。静電植毛加工は、任意に定めた範囲に多量の短繊維Fiを短時間で密に、かつ各面に垂直に植毛することができる。静電植毛加工は、静電植毛する範囲に接着剤を塗布し、短繊維Fiを帯電させて静電気力により接着剤塗布面に略垂直に植毛した後、乾燥工程・仕上げ工程を経て完了する。また、短繊維Fiを接着剤塗布面に吹き付ける静電吹き付け植毛加工でもよい。静電吹き付け植毛加工は、短繊維Fiが接着剤塗布面に対して傾いて植毛されるため、静電植毛加工に比べて植毛密度を減少させることができる。
静電植毛加工に用いられる接着剤は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。具体的には、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などから構成されている。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
図5(a)に示すように、ハブ輪側係合面3gに短繊維Fiが植毛された車輪用軸受装置1は、等速ジョイント100に連結されることで、ハブ輪側係合面3gが等速ジョイント側係合面100bに押圧されている。この際、ハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間には、短繊維Fiが介在しているのでハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとが接触していない。これにより、車輪用軸受装置1と等速ジョイント100との間には、任意の特性になるように構成されている短繊維Fiと等速ジョイント側係合面100bとが接触することによる任意の摩擦力が発生している。ハブ輪側係合面3gの短繊維Fiと等速ジョイント側係合面100bとの間に発生している摩擦力は、植毛されていないハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間に発生する摩擦力よりも小さくなるように調整されている。従って、車輪用軸受装置1は、等速ジョイント100から大きな回転力が伝達されても短繊維Fiと等速ジョイント側係合面100bとの間で断続的なすべりが発生し難い。これにより、ハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間にグリースGrが介在していなくても、スティックスリップ音の発生を抑制することができる。
また、図5(b)に示すように、車輪用軸受装置1は、ハブ輪側係合面3gの短繊維FiにグリースGrを塗布してもよい。短繊維Fiに塗布されたグリースGrは、短繊維Fi間に固着してハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間に長時間にわたって保持される。短繊維Fi間に保持されているグリースGrは、短繊維Fiと等速ジョイント側係合面100bとの間の摩擦力を更に低減させる。加えて、グリースGrは、摩擦によって短繊維Fiに加わる外力を低減させて短繊維Fiの摩耗や脱落を抑制する。このように構成することで車輪用軸受装置1は、短繊維Fiと、短繊維Fi間に保持されるグリースGrとの両方によって短繊維Fiと等速ジョイント側係合面100bとの間の摩擦力を低減する。また、車輪用軸受装置1は、短繊維Fi間のグリースGrが減少しても、短繊維Fiが等速ジョイント側係合面100bに接触しているので摩擦力の上昇が抑制される。これにより、グリースGrの状態やグリースGrの有無に関わらず、スティックスリップ音の発生を抑制することができる。
なお、図6に示すように、本発明に係る車輪用軸受装置1の他の実施形態として、内輪4の一側端に形成される内輪側係合面4cが等速ジョイント側係合面100bに接触される場合、車輪用軸受装置1は、内輪側係合面4cに短繊維Fiを植毛して等速ジョイント側係合面100bに接触させる構成でもよい。
図6(a)に示すように、車輪用軸受装置1の内輪4の内輪側係合面4cには、短繊維Fi(薄墨部分)が円環状に植毛されている。
図6(b)に示すように、短繊維Fiは、内輪側係合面4cのうち少なくとも等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bが接触される範囲に植毛されている。つまり、短繊維Fiは、内輪側係合面4cに等速ジョイント側係合面100bが直接的に接触しないように植毛されている。内輪側係合面4cの短繊維Fiには、グリースGrを塗布してもよい。これにより、車輪用軸受装置1は、内輪側係合面4cと等速ジョイント側係合面100bとの間でスティックスリップ音の発生を抑制することができる。
図6(b)に示すように、短繊維Fiは、内輪側係合面4cのうち少なくとも等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bが接触される範囲に植毛されている。つまり、短繊維Fiは、内輪側係合面4cに等速ジョイント側係合面100bが直接的に接触しないように植毛されている。内輪側係合面4cの短繊維Fiには、グリースGrを塗布してもよい。これにより、車輪用軸受装置1は、内輪側係合面4cと等速ジョイント側係合面100bとの間でスティックスリップ音の発生を抑制することができる。
また、図7に示すように、車輪用軸受装置1と等速ジョイント100とが連結している軸受構造8において、等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bに短繊維Fiを植毛してハブ輪側係合面3gに接触させる構成でもよい。
図7(a)に示すように、等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bには、短繊維Fi(薄墨部分)が円環状に植毛されている。
図7(b)に示すように、短繊維Fiは、等速ジョイント側係合面100bのうち少なくとも車輪用軸受装置1のハブ輪側係合面3gが接触される範囲に植毛されている。つまり、短繊維Fiは、等速ジョイント側係合面100bにハブ輪側係合面3gが直接的に接触しないように植毛されている。等速ジョイント側係合面100bの短繊維Fiには、グリースGrを塗布してもよい。これにより、車輪用軸受装置1は、等速ジョイント側係合面100bとハブ輪側係合面3gとの間でスティックスリップ音の発生を抑制することができる。
図7(b)に示すように、短繊維Fiは、等速ジョイント側係合面100bのうち少なくとも車輪用軸受装置1のハブ輪側係合面3gが接触される範囲に植毛されている。つまり、短繊維Fiは、等速ジョイント側係合面100bにハブ輪側係合面3gが直接的に接触しないように植毛されている。等速ジョイント側係合面100bの短繊維Fiには、グリースGrを塗布してもよい。これにより、車輪用軸受装置1は、等速ジョイント側係合面100bとハブ輪側係合面3gとの間でスティックスリップ音の発生を抑制することができる。
次に、図8を用いて、車輪用軸受装置の第二実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。なお、以下の実施形態に係る車輪用軸受装置1は、図1から図7に示す車輪用軸受装置1において、車輪用軸受装置1に替えて適用されるものとして、その説明で用いた名称、図番、記号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図8(a)に示すように、車輪用軸受装置1のハブ輪3に形成されているハブ輪側係合面3gには、第一実施形態に係る車輪用軸受装置1の短繊維Fiに代えて柔軟性構造体を構成する樹脂材Re(薄墨部分)が円環状に設けられている。
樹脂材Reは、ハブ輪側係合面3gのうち少なくとも等速ジョイント100の肩部に形成される等速ジョイント側係合面100bが接触される範囲に設けられている。つまり、樹脂材Reは、ハブ輪側係合面3gに等速ジョイント側係合面100bが直接的に接触しないように設けられている。また、樹脂材Reは、等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数が、樹脂材Reが設けられていないハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
樹脂材Reは、ハブ輪側係合面3gのうち少なくとも等速ジョイント100の肩部に形成される等速ジョイント側係合面100bが接触される範囲に設けられている。つまり、樹脂材Reは、ハブ輪側係合面3gに等速ジョイント側係合面100bが直接的に接触しないように設けられている。また、樹脂材Reは、等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数が、樹脂材Reが設けられていないハブ輪側係合面3gと等速ジョイント側係合面100bとの間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
樹脂材Reは、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどの合成ゴム、若しくは天然ゴム、で構成されている。但し、樹脂材Reは、油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質かつ安価で多量に生産することができる合成樹脂又は合成ゴムが好ましい。また、樹脂材Reの形状は、厚さ0.5〜2.0mmのものが好ましい。更に、樹脂材Reが未変形状態での形状は、大小の孔が無数に形成された多孔質状に形成されている。柔軟でグリースGrの湿潤性が高いからである(図8(b)参照))。これにより、樹脂材Reにおける表面積が増えるので、グリースGrの保持力および保持量が安定するという効果を奏する。
なお、車輪用軸受装置1において、樹脂材Reは、大小の孔が無数に形成された多孔質状に形成されているが、これに限定するものではない。つまり、グリースGrが浸潤して保持されるのであれば、多孔質状に形成されている必要はなく、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどの合成ゴム、若しくは天然ゴム等から形成された軟質の樹脂材Reでもよい。
また、車輪用軸受装置1と等速ジョイント100とが連結している軸受構造8において、等速ジョイント100の等速ジョイント側係合面100bに、短繊維Fiに代えて円環状に多孔質状または軟質の樹脂材Reを設けてハブ輪側係合面3gに接触させる構成でもよい。軸受構造8の樹脂材Reは、等速ジョイント側係合面100bのうち少なくとも車輪用軸受装置1のハブ輪側係合面3gが接触される範囲に設けられている。つまり、樹脂材Reは、等速ジョイント側係合面100bにハブ輪側係合面3gが直接的に接触しないように設けられている。等速ジョイント側係合面100bの樹脂材Reには、グリースGrを塗布してもよい。これにより、車輪用軸受装置1は、等速ジョイント側係合面100bとハブ輪側係合面3gとの間でスティックスリップ音の発生を抑制することができる。
以上、発明の実施の形態について、車輪用軸受装置1は、ハブ輪3の外周に一側ボール列5aの内側転走面3fが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置1として構成されているがこれに限定するものではなく、ハブ輪3を標準的な軸受で支持している第1世代構造やハブ輪3に一対の内輪4が圧入固定された第2世代構造であっても良い。また、本発明は各実施形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 車輪用軸受装置
2 外輪
2e 車体取り付けフランジ
2b 他側開口部
3 ハブ輪
3a 小径段部
3c 車輪取り付けフランジ
3g ハブ輪側係合面
4 内輪
4b 嵌合孔
5a 一側ボール列
5b 他側ボール列
100 等速ジョイント
100a ドライブシャフト
100b 等速ジョイント側係合面
Fi 短繊維
Gr グリース
Re 樹脂材
2 外輪
2e 車体取り付けフランジ
2b 他側開口部
3 ハブ輪
3a 小径段部
3c 車輪取り付けフランジ
3g ハブ輪側係合面
4 内輪
4b 嵌合孔
5a 一側ボール列
5b 他側ボール列
100 等速ジョイント
100a ドライブシャフト
100b 等速ジョイント側係合面
Fi 短繊維
Gr グリース
Re 樹脂材
Claims (8)
- 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成され、内周に等速ジョイントのドライブシャフトがトルク伝達可能に嵌合される連結孔が形成されるハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、を備えた車輪用軸受装置において、
前記等速ジョイントの等速ジョイント側係合面に接触されて前記等速ジョイントに対する軸方向の移動を規制するハブ輪側係合面に柔軟性構造体が設けられる車輪用軸受装置。 - 前記柔軟性構造体と前記等速ジョイント側係合面との間の静摩擦係数が、前記柔軟性構造体が設けられていない前記ハブ輪側係合面と前記等速ジョイント側係合面との間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成される請求項1に記載の前記車輪用軸受装置。
- 前記柔軟性構造体に潤滑剤が塗布される請求項1または請求項2に記載の車輪用軸受装置。
- 前記柔軟性構造体が、静電植毛加工によって植毛された繊維材、大小の孔が無数に形成された多孔質の樹脂材または軟質の樹脂材で構成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
- 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成され、内周に等速ジョイントのドライブシャフトがトルク伝達可能に嵌合される連結孔が形成されるハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受装置に、駆動力を伝達する等速ジョイントが連結される軸受構造において、
前記等速ジョイントのドライブシャフトが前記ハブ輪の連結孔に嵌合され、前記等速ジョイントに対する前記車輪用軸受装置の軸方向の移動を規制するために前記車輪用軸受装置のハブ輪側係合面が接触される前記等速ジョイントの等速ジョイント側係合面に柔軟性構造体が設けられる軸受構造。 - 前記柔軟性構造体と前記ハブ輪側係合面との間の静摩擦係数が、柔軟性構造体が設けられていない前記等速ジョイント側係合面と前記ハブ輪側係合面と間の静摩擦係数よりも小さくなるように構成される請求項5に記載の軸受構造。
- 前記柔軟性構造体に潤滑剤が塗布される請求項5または請求項6に記載の軸受構造。
- 前記柔軟性構造体が、静電植毛加工によって植毛された繊維材、大小の孔が無数に形成された多孔質の樹脂材または軟質の樹脂材で構成されている請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の軸受構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016153969A JP2018020699A (ja) | 2016-08-04 | 2016-08-04 | 車輪用軸受装置および軸受構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2018020699A true JP2018020699A (ja) | 2018-02-08 |
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Family Applications (1)
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JP2016153969A Pending JP2018020699A (ja) | 2016-08-04 | 2016-08-04 | 車輪用軸受装置および軸受構造 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018020699A (ja) |
-
2016
- 2016-08-04 JP JP2016153969A patent/JP2018020699A/ja active Pending
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