JP2007211792A - 車輪用軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールの摩耗を防止して密封性を確保し、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受を提供する。
【解決手段】一端部に車輪取付フランジ3を一体に有するハブ輪1の外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、この小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入固定された車輪用軸受2であって、内周に複列の外側転走面4aが形成された外方部材4と、外周に複列の外側転走面4aに対向する内側転走面5aが形成された一対の内輪5と、これら両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体7と、外方部材4と内輪5との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシール9とを備え、軸受内部に所定量のグリースが封入された車輪用軸受において、グリースに固体潤滑剤が添加されていると共に、シール9のリップの摺接部に、軸受内部に封入されたグリースと同一のグリース14が予め塗布されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受、特に、シールの摩耗を防止して密封性を確保し、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、一般的に、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、何よりも燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。一方、オフロードカーやトラック等、車体重量が嵩む車両には複列円錐ころ軸受が使用されている。
また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの軸受部には、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、外部から雨水やダスト等の侵入を防止するためにシールが装着されている。近年、自動車のメンテナンスフリー化が進み、車輪用軸受装置においてもさらなる長寿命化が要求されるようになっているが、市場回収品の軸受損傷状況を検証すると、剥離等の本来の軸受寿命よりも、シール不具合による損傷が多くを占めている。したがって、シールの密封性と耐久性を高めることにより、軸受寿命の向上を確実に図ることができる。
こうしたシールが装着された従来の車輪用軸受装置の代表的な一例を図5に示す。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は第2世代と称され、図5(a)に示すように、一端部に車輪取付フランジ51を一体に有し、外周にこの車輪取付フランジ51から軸方向に延びる小径段部52と、内周にトルク伝達用のセレーション53が形成されたハブ輪50、およびこのハブ輪50の小径段部52に圧入された車輪用軸受54からなる。車輪用軸受54は、小径段部52の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部55によって軸方向に固定されている。
車輪用軸受54は、外周に車体取付フランジ(図示せず)を一体に有し、内周にテーパ状の複列の外側転走面56a、56aが形成された外方部材56と、外周に複列の外側転走面56a、56aに対向するテーパ状の内側転走面57aが形成された一対の内輪57、57と、両転走面間に保持器58を介して転動自在に収容された複列の円錐ころ59、59とからなる。そして、図5(b)に示すように、外方部材56と内輪57との間に形成される環状空間の開口部には、断面略L字状に形成され、互いに対向配置された環状のシール板60aとスリンガ60bとからなる複合型シール、所謂パックシール60が装着されている。これにより、外部から雨水や泥水等が軸受内部に侵入するのを防止している。
こうしたパックシール60のシール板60aとスリンガ60bとの間の摺接によるリップ摩耗を防止して密封性を確保するために、予めリップ間にグリース61が塗布されている。しかし、係る先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
こうした従来の車輪用軸受装置において、パックシール60のリップ間には廉価な汎用グリースが塗布されるのに対し、軸受内部に封入されるグリースとしては、用途や使用条件によって種々なものが使用されている。例えば、乗用車用の軸受グリースにおいては、基油に鉱油系、添加剤に防錆剤が含まれたものが使用され、トラック用の軸受グリースでは、基油に合成炭化水素油等の合成油、添加剤に防錆剤と有機金属化合物等の極圧剤が含まれたものが使用される。
然しながら、乗用車用の軸受シールをトラック用の軸受に兼用した場合、異種グリースが混合される、すなわち、軸受内部に封入されたグリースが運転中にパックシール60のリップ間に塗布されたグリース61と混合し、軟化や硬化あるいは耐熱性の低下等、グリースの性能が劣化し、シールリップからグリース漏れが発生する恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シールの摩耗を防止して密封性を確保し、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複数の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、軸受内部に所定量のグリースが封入された車輪用軸受において、前記シールのリップの摺接部に、前記軸受内部に封入されたグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリースが予め塗布されている構成を採用した。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールを備え、軸受内部に所定量のグリースが封入された車輪用軸受において、シールのリップの摺接部に、軸受内部に封入されたグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリースが予め塗布されているので、リップ摩耗を防止すると共に、軸受内部に封入されたグリースが運転中にシールに塗布されたグリースと混合してもグリース性能の劣化はなく、異種グリースの混合によってグリースが軟化や硬化してリップが摩耗したり、グリース漏れが発生したりすることはない。したがって、長期間に亘ってリップ摩耗を防止して密封性を確保し、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記リップの摺接部に塗布されているグリースが、前記軸受内部に封入されたグリースと同一であれば、グリースが混合しても性能の劣化はない。
また、請求項3に記載の発明のように、前記内方部材が、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入固定され、外周に他方の内側転走面が形成された内輪で構成されていても良いし、また、請求項4に記載の発明のように、前記内方部材が、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪で構成されていても良い。
また、請求項5に記載の発明のように、前記軸受内部に封入されたグリースに固体潤滑剤が添加されていれば、輸送時に各部品相互が振動することにより発生するフレッティングを抑制し、軸受の長寿命化を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複数の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、軸受内部に所定量のグリースが封入された車輪用軸受において、前記シールのリップの摺接部に、前記軸受内部に封入されたグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリースが予め塗布されているので、リップ摩耗を防止すると共に、軸受内部に封入されたグリースが運転中にシールに塗布されたグリースと混合してもグリース性能の劣化はなく、異種グリースの混合によってグリースが軟化や硬化してリップが摩耗したり、グリース漏れが発生したりすることはない。したがって、長期間に亘ってリップ摩耗を防止して密封性を確保し、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成され、この小径段部に所定のシメシロを介して圧入固定された車輪用軸受であって、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内輪との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、軸受内部に所定量のグリースが封入された車輪用軸受において、前記グリースに固体潤滑剤が添加されていると共に、前記シールのリップの摺接部に、前記軸受内部に封入されたグリースと同一のグリースが予め塗布されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図である。
この車輪用軸受装置は駆動輪用で第2世代と称され、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入固定された車輪用軸受2とからなる。ハブ輪1は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ3を一体に有し、外周に肩部1aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。また、車輪取付フランジ3の周方向等配位置にハブボルト3aが植設されている。このハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、車輪取付フランジ3の基部3bから肩部1aおよび小径段部1bに亙って高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。なお、後述する加締部8は鍛造後の生のままとされている。
車輪用軸受2は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に複列のテーパ状の外側転走面4a、4aが形成された外方部材4と、外周に複列の外側転走面4a、4aに対向するテーパ状の内側転走面5aが形成された一対の内輪5、5と、両転走面間に保持器6を介して転動自在に収容された複列の転動体(円錐ころ)7、7とを備えている。内輪5の内側転走面5aの大径側には転動体7を案内するための大鍔5bが形成されると共に、小径側には転動体7の脱落を防止するための小鍔5cが形成され、一対の内輪5、5の正面側端面(小鍔側)が突き合された状態でセットされた背面合せタイプの複列の円錐ころ軸受を構成している。
外方部材4および内輪5はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、外方部材4および内輪5は、高炭素クロム鋼に限らず、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼あるいは肌焼鋼(浸炭鋼)で形成し、少なくとも複列の外側転走面4a、4aを高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面を硬化処理しても良い。
車輪用軸受2は、ハブ輪1の肩部1aに内輪5の大端面が当接した状態で小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部8によって予圧が付与された状態で固定され、ナットの締付トルク等を調整して予圧を管理することなく、長期間に亘って安定した予圧を維持できるセルフリテイン構造をなしている。
外方部材4と内輪5との間に形成される環状空間の開口部にはシール9、9が装着されている。これらシール9、9は、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板10とスリンガ11とからなる、所謂パックシールを構成している。これらシール9、9により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
スリンガ11は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、図2に拡大して示すように、内輪5に圧入される円筒部11aと、この円筒部11aから径方向外方に延びる立板部11bとからなる。
一方、シール板10はスリンガ11に対向して外方部材4に装着され、外方部材4の端部内周に圧入された芯金12と、この芯金12に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる。芯金12は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。
また、シール部材13はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、スリンガ11に摺接するサイドリップ13aと一対のラジアルリップ13b、13cを有している。なお、スリンガ11の立板部11bの外縁は、シール部材13と僅かな径方向すきまを介して対峙しラビリンスシールを構成している。
ここで、車輪用軸受2の内部には耐熱性に優れたグリースが所定量封入されている。このグリースは、基油が合成炭化水素油等の合成油系、増ちょう剤がウレア等の非石鹸系、添加剤としてスルフォネート系の防錆剤およびフェノール系の酸化防止剤からなる。
特に、この種の車輪用軸受においては、ハブ輪に圧入され、加締部8の形成段階にて所定の予圧量が設定される。したがって、軸受単体の状態では接触部にすきまが存在し、輸送時に各部品相互が振動することにより、接触部の油膜層が排除されてフレッティングが発生する恐れがあった。このフレッティングにより、両転走面4a、5aおよび転動体7に微細な傷ができ、異音または早期剥離に繋がることがある。したがって、本実施形態では、グリースに有機モリブデン化合物等の固体潤滑剤が添加され、耐フレッティングを向上させている。ここで、フレッティングとは、例えば、小振幅な振動荷重が加わることにより発生する微細な圧痕で、例えば、転走面に転動体ピッチのくぼみが発生する現象で、ブリネル圧痕とも言われている。
一方、シール9において、スリンガ11に摺接するサイドリップ13aおよび一対のラジアルリップ13b、13c間には、軸受内部に封入されるグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリース14が予め塗布されている。これにより、リップ摩耗を防止すると共に、軸受内部に封入されたグリースが運転中にシール9に塗布されたグリース14と混合してもグリース14の劣化はなく、異種グリースの混合によってグリースが軟化や硬化してリップが摩耗したり、サイドリップ13aからグリース漏れが発生したりすることはない。したがって、長期間に亘ってリップ摩耗を防止して密封性を確保し、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
なお、ここでは、転動体7に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受を例示したが、本発明はこれに限らず、転動体7にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受であっても良い。また、本発明に係る車輪用軸受装置は、例示した第2世代構造に限らず、例えば、第1世代構造乃至第4世代構造に適用することができる。
図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図4は、図3の要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した実施形態と軸受の構成が異なるのみで、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は駆動輪用で、ハブ輪15と複列の転がり軸受16とをユニット化して構成されている。複列の転がり軸受16は、外方部材4と、この外方部材4に複列の転動体7、7を介して内挿された内方部材17とを備えている。内方部材17は、ハブ輪15と、このハブ輪15に圧入固定された内輪5’とからなり、第3世代と称される構成を備えている。
ハブ輪15は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ3を一体に有し、外周に一方(アウター側)のテーパ状の内側転走面15aと、この内側転走面15aから軸方向に延びる円筒状の小径段部15bが形成されている。そして、内輪5’がこの小径段部15bに所定のシメシロを介して圧入されている。また、ハブ輪15はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、車輪取付フランジ3の基部3bから内側転走面15aおよび小径段部15bに亙って高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。
内輪5’はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、ハブ輪15および内輪5’の内側転走面15a、5aの大径側にころ案内用の大鍔15c、5bが一体に形成されている。一方、内側転走面15a、5aの小径側にはころ保持用の小鍔は形成されておらず、内側転走面15a、5aの小径端部からストレートに延びる小径円筒部15d、5dが形成され、これらの小径円筒部15d、5dが突き合された状態でセットされた背面合せタイプの複列の円錐ころ軸受を構成している。そして、両転走面間に保持器6’を介して複列の転動体7、7が転動自在に収容されている。なお、保持器6’は、PA(ポリアミド)66等の熱可塑性樹脂をベースにGF(グラスファイバー)等の強化材が添加され、射出成形によって形成されて転動体7が内径側へ脱落しないように保持している。
また、外方部材4と内方部材17との間に形成される環状空間の開口部にはシール18、9’が装着されている。具体的には、アウター側のシール18は、車輪取付フランジ3の基部3bに摺接する単体のシールで構成され、インナー側のシール9’は、外方部材4の端部内周と内輪5’の外周にそれぞれ装着されるパックシールで構成されている。これらのシール18、9’によって、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
インナー側のシール9’は、図4(a)に拡大して示すように、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板10’とスリンガ11とからなり、シール板10’は、芯金12と、この芯金12に一体に加硫接着されたシール部材13’とからなる。このシール部材13’はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、スリンガ11に摺接する一対のサイドリップ13a、13aとラジアルリップ13cを有している。
ここで、インナー側のシール9’において、前述した実施形態と同様、一対のサイドリップ13a、13aおよびラジアルリップ13cのスリンガ11との摺接部に、軸受内部に封入されるグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリース14が予め塗布されている。
一方、アウター側のシール18は、図4(b)に拡大して示すように、芯金19と、この芯金19に一体に加硫接着されたシール部材20とからなる。芯金19は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略コの字状に形成されている。また、シール部材20は、一対のサイドリップ20a、20bおよびラジアルリップ20cが一体に形成され、円弧状の曲面に形成された車輪取付フランジ3の基部3bに摺接している。
ここで、アウター側のシール18において、一対のサイドリップ20a、20bおよびラジアルリップ20cの摺接部に軸受内部に封入されるグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリース14が予め塗布されている。
本実施形態では、軸受内部に封入されるグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリース14が予めシールリップに塗布されているので、軸受内部に封入されたグリースが運転中にシール9’、18に塗布されたグリース14と混合しても劣化はなく、異種グリースの混合によってグリース14が軟化や硬化してリップが摩耗したり、サイドリップ13a、20aからグリース漏れが発生したりすることはない。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受は、開口端部にシールが装着され、車輪を回転自在に支承する第1乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図3のインナー側のシールを示す要部拡大図である。 (b)は、図3のアウター側のシールを示す要部拡大図である。 (a)は、従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 (b)は、(a)の要部拡大図である。
符号の説明
1、15・・・・・・・・・ハブ輪
1a・・・・・・・・・・・肩部
1b、15b・・・・・・・小径段部
1c・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
3・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
3a・・・・・・・・・・・ハブボルト
3b・・・・・・・・・・・基部
4・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5、5’・・・・・・・・・内輪
5a、15a・・・・・・・内側転走面
5b、15c・・・・・・・大鍔
5c・・・・・・・・・・・小鍔
5d、15d・・・・・・・小径円筒部
6、6’・・・・・・・・・保持器
7・・・・・・・・・・・・転動体
8・・・・・・・・・・・・加締部
9・・・・・・・・・・・・シール
9’・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10、10’・・・・・・・シール板
11・・・・・・・・・・・スリンガ
11a・・・・・・・・・・円筒部
11b・・・・・・・・・・立板部
12、19・・・・・・・・芯金
13、13’、20・・・・シール部材
13a、20a、20b・・サイドリップ
13b、13c、20c・・ラジアルリップ
14・・・・・・・・・・・グリース
16・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
17・・・・・・・・・・・内方部材
18・・・・・・・・・・・アウター側のシール
50・・・・・・・・・・・ハブ輪
51・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
52・・・・・・・・・・・小径段部
53・・・・・・・・・・・セレーション
54・・・・・・・・・・・車輪用軸受
55・・・・・・・・・・・加締部
56・・・・・・・・・・・外方部材
56a・・・・・・・・・・外側転走面
57・・・・・・・・・・・内輪
57a・・・・・・・・・・内側転走面
58・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・円錐ころ
60・・・・・・・・・・・パックシール
60a・・・・・・・・・・シール板
60b・・・・・・・・・・スリンガ
61・・・・・・・・・・・グリース

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、
    前記両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複数の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    軸受内部に所定量のグリースが封入された車輪用軸受において、
    前記シールのリップの摺接部に、前記軸受内部に封入されたグリースと少なくとも増ちょう剤が同一のグリースが予め塗布されていることを特徴とする車輪用軸受。
  2. 前記リップの摺接部に塗布されているグリースが、前記軸受内部に封入されたグリースと同一である請求項1に記載の車輪用軸受。
  3. 前記内方部材が、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入固定され、外周に他方の内側転走面が形成された内輪で構成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受。
  4. 前記内方部材が、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪で構成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受。
  5. 前記軸受内部に封入されたグリースに固体潤滑剤が添加されている請求項4に記載の車輪用軸受。
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