JP2018123937A - ダストカバー付きプーリユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ダストカバーを備えたプーリユニットが、外輪回転で自動車等のエンジンの周囲などのダストの多く含まれる環境で使用されてもダストの浸入を密封可能であり、しかもシールの接触抵抗が小さくて軸受の回転トルクを増大させることがなく、接触摩擦による発熱やシール摩耗などの生じ難い好適なダストカバー付きプーリユニットを提供する。【解決手段】伝動ベルトを案内するプーリ1を回転自在に支持するために、転がり軸受5の内輪3と一体に設けたダストカバー6に対向して配置されるプーリ1のボス部1aと、ダストカバー6との非接触の対向面に、非接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層7を設け、またプーリ軸4のフランジ部4aと、プーリ1のアーム部1bとの対向面にも植毛層7を設ける。【選択図】図1

Description

この発明は、自動車のエンジンのタイミングベルトや補機ベルトなどのベルト伝動装置に用いるプーリおよびそれを回転自在に支持する転がり軸受からなり、ダストシール構造を備えたダストカバー付きプーリユニットに関するものである。
通常、オルタネータやコンプレッサ等の自動車補機を駆動するベルト伝動装置においては、アイドラプーリによってベルトの移動を案内し、あるいは、 オートテンショナによりテンションプーリをベルトに押し付けてベルトの張力変動を吸収するようにしている。アイドラプーリやテンションプーリは、ボス部の内径側に組み込まれてユニット化された転がり軸受によって回転自在に支持されている。
このような転がり軸受を有するプーリユニットが、自動車のエンジンのタイミングベルトや補機ベルトなどのベルト伝動装置へ組み込まれていると、転がり軸受の外部から飛来してくる泥水等のダスト(異物とも称される。)が軸受内部に入り込み易く、その異物の浸入によって転がり軸受の本来の機能が損なわれやすい。
上記異物が主に水である場合、プーリユニットの耐水性を向上させるためには、接触シール付きの転がり軸受が周知である。
また、図9に示すアイドラプーリ20は、プーリ軸4の外周に設けたフランジ部4aとプーリ軸4の端面に取り付けたダストカバー21とで転がり軸受5の片側を覆う構造を有する(特許文献1)。転がり軸受の両側面をダストカバーで覆う構造も知られている(特許文献2)。
さらにまた、図10に示すテンションプーリ21のように、転がり軸受5を保持するプーリ軸4に環状のダストカバー22を設け、ダストカバー22の外周縁をテンションプーリ21のアーム部分の内側に近づけて非接触の状態とし、異物の浸入を防ぐ構造も知られている(特許文献3)。
特開2006−162035号公報 特開2010−270882号公報 特開2007−040368号公報(図2参照)
しかし、上記した従来のプーリユニットにおけるダストカバーでは、水その他の異物であって、空気の流れに乗って侵入する可能性のある微小な粒子状のダストの侵入を防止することは困難であった。
このような問題点に対し、液密性を高めた接触型のシール構造を併用する場合、接触型のシール構造の接触面積を大きくすると、接触抵抗が大きくて軸受の回転トルクを増大させる場合があり、さらに接触摩擦による発熱やシール摩耗などが生じる可能性があり、低トルクでもって耐久性に優れたプーリユニットの実現は容易ではなかった。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決してダストカバーを備えたプーリユニットが、外輪回転で自動車等のエンジンの周囲などのダストの多く含まれる環境で使用されても、気流に乗って漂う微細なダストの浸入を密封可能であり、しかもシールの接触抵抗が小さくて軸受の回転トルクを増大させることがなく、また接触摩擦による発熱やシール摩耗などの生じ難いものであり、低トルクで耐久性に優れたダストカバー付きプーリユニットを実現することである。
上記の課題を解決するため、この発明では伝動ベルトを案内するプーリと、このプーリを回転自在に支持する外輪及び固定されたプーリ軸で支持される内輪とを有する転がり軸受と、この転がり軸受の前記内輪と一体に設けられ前記プーリに接近して配置されるダストカバーと、を備え、このダストカバーとこれに対向する前記プーリとの少なくとも一方の対向面にダストシールを形成可能な繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体 を設けたダストカバー付きプーリユニットとしたのである。
上記したように構成されるこの発明のダストカバー付きプーリユニットは、回転するプーリと、固定されている内輪または固定されたプーリ軸と一体のダストカバーとの対向部について、これらの少なくとも一方の面に繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体 を設けたダストシール構造を有するので、プーリとダストカバーとの対向する面の間の隙間に柔軟性構造体が存在し、柔軟性構造体とその対向面は通常は非接触であるか、または接触していても接触面積は極めて小さいので、ダストシールは低摩擦であり回転トルクの損失は小さい。
また、接触シール作用ばかりでなく、非接触の状態で、隙間シールやラビリンスシールの作用によって、気流に乗って漂う微細なダストの浸入を密封可能である。
このようなダスト密封効果は、前記固定されたプーリ軸と一体のフランジ部を上記プーリに接近させて付設し、前記フランジ部と前記プーリとの少なくとも一方の対向面にダストシールを形成可能な繊維長さの植毛層を設けることによって、前記フランジ部とそれに対向する対向部との間の植毛層によるシール性によって、さらに低摩擦であり密封性も高めることができる。
シール構造による回転トルクの損失をできるだけ小さくするために、上記植毛層が、非接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層であることがより好ましい。また、上記植毛層が、接触シールを形成可能な繊維長の植毛層であっても接触抵抗は極めて低いので、回転トルクの損失は小さい。
また、耐水性を含めたシール性を高める手段として、上記植毛層等の柔軟性構造体が、潤滑油または潤滑グリースを保持した柔軟性構造体である構成を採用できる。
このような作用効果が、より顕著に現れる用途としては、自動車エンジンのベルト伝動装置におけるプーリユニットに用いられる上記構成のダストカバー付きプーリユニットである。
この発明は、ダストカバー付きプーリユニットにおけるダストカバーに対向して配置されるプーリの所定部分とダストカバーとの非接触対向面の少なくとも一方の面に植毛層を設けたことにより、植毛層等の柔軟性構造体とその対向面は通常は非接触であるか、または接触していても接触面積は極めて小さいので、外輪回転で自動車等のエンジンの周囲などのダストの多く含まれる環境で使用されるときに、気流に乗って漂う微細なダストの浸入を密封可能であり、接触抵抗が小さくて軸受の回転トルクを増大させることなく、さらに接触摩擦による発熱やシール摩耗などが生じ難くして、低トルクで耐久性に優れたダストカバー付きプーリユニットになるという利点がある。
第1実施形態を示し、ダストカバー付きテンションプーリユニットの断面図 図1の要部拡大図 (a)静電植毛方法の説明図、(b)静電吹き付け植毛方法の説明図 第2実施形態を示し、ダストカバー付きテンションプーリユニットの断面図 第3実施形態を示し、ダストカバー付きアイドラプーリユニットの断面図 第4実施形態を示し、ダストカバー付きアイドラプーリユニットの要部拡大断面図 第5実施形態を示し、ダストカバー付きテンションプーリユニットの断面図 第6実施形態を示し、ダストカバー付きテンションプーリユニットの要部拡大断面図 第1従来例を示し、ダストカバー付きアイドラプーリの断面図 第2従来例を示し、ダストカバー付きテンションプーリの断面図
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1、2に示すようにこの発明の第1実施形態は、ダストカバー付きテンションプーリユニットAであって、伝動ベルト(図示せず)を案内するプーリ1を回転自在に支持するために、このプーリ1のボス部1aに外輪2を組み込んで内輪3を固定されたプーリ軸4で支持した転がり軸受(深溝玉軸受)5を備え、この転がり軸受5の内輪3と一体にダストカバー6を固定して設けている。
そして、ダストカバー6に対向して配置されるプーリ1のボス部1aと、ダストカバー6との非接触の対向面に非接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層7を柔軟性構造体の一例として設けている。
また、第1実施形態では、固定されたプーリ軸4と一体に形成されているフランジ部4aをプーリ1のアーム部1bに接近させてダストカバーとし、このフランジ部4aのアーム部1bとの対向面に、非接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層7を設けている。
なお、図1、2中の符号8は、プーリ軸4に内輪3を固定するボルトであり、符号9は弾性シール、符号10は玉、符号11は玉10の保持器である。
植毛層7は、合成樹脂の所定繊維長の短繊維を植毛したものであり、対向する接触可能性のある部分に対して接触面積を少なくできるので、接触した場合にも摩擦抵抗が少なくなる。
この植毛層7には、転がり軸受に用いられる潤滑油を染み込ませるか、または潤滑グリースを保持可能な程度に繊維間の隙間に充填してもよく、その場合には植毛層7から滲み出した潤滑油で対向部が液体潤滑される。
この発明における植毛層は、周知の静電植毛技術または静電吹付植毛技術を用いて作製できるものであり、一定の繊維長の短繊維を植毛対象の表面に、予め塗布しておいた接着剤層(図示せず。)を介して直立状に、または一定の角度を持たせて接着により短繊維を固定し、最終的には所要密度で植毛されたように表面を層状に覆っている。
植毛方法をより具体的に説明すると、例えば、図3(b)に示す静電植毛では、植毛対象部材16の表面に接着剤を予め塗布して接着剤層17bを形成しておき、短繊維17aを帯電させて静電気力により上記接着剤層17bに略垂直に植毛した後、乾燥工程および仕上げ工程などを行なうことにより植毛層17を設けることができる。
より好ましい植毛方法としては、図3(a)に示す静電吹き付け植毛 が挙げられる。この場合は、植毛に際して静電気力だけではなく、短繊維17aをエアーで接着剤層17bに吹き付けることによって、短繊維17aが基材表面に対して傾いた状態に固定することができ、静電植毛に比べて植毛密度を減少させて、短時間で効率よく植毛できる。
植毛に用いる短繊維としては、植毛用短繊維として使用可能であれば特に限定されず、例えば、(1)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロンなどの合成樹脂繊維、(2)カーボン繊維、グラスファイバーなどの無機繊維、(3)レーヨン、アセテートなどの再生繊維や、綿、絹、麻、羊毛などの天然繊維が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。合成樹脂繊維を柔軟性構造体に用いた場合、油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができる。
これらの繊維の中でも油による膨潤や溶解などが生じ難く化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができるようにするために、合成樹脂繊維を用いることが好ましい。
短繊維は、植毛部の形成箇所において、軸受機能に悪影響を与えるような他部材との干渉がない形態のものであれば特に限定されない。具体的な形状と繊維長さとしては、例えば、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましく、繊維長は特に限定することなく、転がり軸受の大きさに応じて設定できるが、例えば1〜10mm程度のものが挙げられ、植毛部の短繊維の密度は、植毛した面積当たりに繊維の占める割合が10〜30%であることが好ましい。
また短繊維は、ストレートやベンド(先端部が曲がった形状)の形状のものがあり、断面形状は円形や多角形状のものがある。ベンド形状では、ストレート形状と比較してグリース等をより強く保持することができる。
なお、多角形状断面の短繊維を利用することで、円形断面の短繊維よりも大きな表面積とすることができ、潤滑剤の表面張力を大きくすることができ、必要な特性に合わせて、短繊維の形状を選定することが好ましい。
短繊維を基材上に植毛し固定するための接着剤としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、この発明では、植毛層を構成する短繊維として撥水性短繊維を用いることができる。撥水性短繊維は、前述の短繊維を撥水加工処理したものである。
短繊維に対する撥水加工処理は、繊維の表面を疎水性物質で覆うか、または化学反応により疎水性基を繊維分子に結合させることであり、できるだけ耐久性のある撥水加工処理をすることが好ましい。
周知の撥水加工剤としては、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤、パラフィン含有撥水剤等が挙げられる。シリコーン系撥水剤としては、水酸基、グリシジル基、アミノ基等の官能基を有するシリコーン化合物を主成分とするものが挙げられ、フッ素系撥水剤は、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物を主成分とするものが耐久性が良くて好ましい。
撥水加工は、塗布やスプレーであってもよいが、必要に応じて架橋剤等の各種補助薬剤を配合した、液状の撥水加工剤を繊維に含浸し、熱乾燥、キュアリングのための熱セットする等の方法を採用することが好ましい。
植毛層に含ませる液状または半固体状の潤滑剤は、通常、軸受に別途供給されるか、または当初から軸受内空間に封入されている潤滑油またはグリースであって、軸受の回転時の遠心力またはその他の外力を受けて軸受内で移動して柔軟性構造体と接触した潤滑剤が含浸されてもよく、または軸受の組み立て当初から潤滑剤を含浸しておくこともできる。必要ならば、柔軟性構造体に当初から含ませる潤滑油またはグリースは、軸受内に封入される種類とは異なるものであるように、別途、調製されたものであっても良い。
上記のように用いられる潤滑油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブテン油、ポリ−α−オレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油などの炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、りん酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などが挙げられ、通常、転がり軸受に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。これらの潤滑油は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
潤滑グリースについても、上記同様に、通常、転がり軸受に用いられるグリースであれば特に制限なく用いることができ、グリースを構成する基油として、上記潤滑油が挙げられる。
また、グリースを構成する増ちょう剤としては、例えば、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独で用いられてもよく、または2種以上が併用されてもよい。
また、この発明に用いる潤滑油または潤滑グリースには、必要に応じて公知の添加剤を添加しても良い。
添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
このようにして第1実施形態のダストカバー付きプーリユニットは、プーリ1のボス部1aとダストカバー6との対向するダストカバー6の裏面側に繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体が設けられている。本実施形態では、柔軟性構造体は、多数の繊維(短繊維)がダストカバー6の裏面側に 層状に植毛されることにより、植毛層7を備えた隙間シールに相当する非接触シールが形成され、さらにプーリ1のアーム部1bとフランジ部4aの隙間にも片面に植毛層7を備えたダストシールが形成されている。
上記の植毛層7とその対向面のアーム部1bは、通常、非接触であるか、または一時的に植毛層7の先端が接触した場合でも接触面積は極めて小さいので、転がり軸受5が外輪回転で自動車等のエンジンの周囲などのダストの多く含まれる環境で使用されるときに、ダストシールは、気流に乗って漂う微細なダストの浸入を密封することが可能である。このようなダストカバー付きプーリユニットは、接触抵抗が小さくて転がり軸受5の回転トルクを増大させることなく、さらに接触摩擦による発熱やシール摩耗などが生じ難くし、低トルクで耐久性に優れたものになる。
なお、本実施形態では、柔軟性構造体を繊維材で構成した場合、つまり、多数の繊維が植設された植毛部について説明したが、柔軟性構造体を軟質発泡材または軟質樹脂材で構成してもよい。軟質発泡材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴムを発泡したものが挙げられる。軟質樹脂材としては、コルク材、ゴム板材、ポリエチレンや塩化ビニルなどの軟質シートが挙げられる。
図4に示す第2実施形態は、第1実施形態におけるダストシールを、プーリ1のボス部1aとダストカバー6との対向する隙間に両面に植毛層7、7を備えたダストシールを形成し、さらにプーリ1のアーム部1bとフランジ部4aの対向する隙間にも両面に植毛層7、7を備えたダストシールを形成したこと以外は、第1実施形態と全く同様に構成したダストカバー付きテンションプーリユニットBである。
上記したように構成される第2実施形態は、対向する植毛層7、7同士の隙間が、第1実施形態に比べて狭くなり、隙間シールによる密封性がより高められることになり、また接触シールの状態においては、一対の対向する植毛層7、7の毛羽の先同士が接触するので、接触抵抗が小さくて軸受の回転トルクを増大させることがなく、さらに接触摩擦による発熱やシール摩耗などが生じ難い。
図5に示す第3実施形態は、2つの転がり軸受(深溝玉軸受)5、5を軸方向に連結したダストカバー付きアイドラプーリユニットCであり、2連の転がり軸受5、5の内輪3の両端面に圧接状態に固定された2つのダストカバー12、13を備え、これらのダストカバー12、13に対向して配置されるプーリ14のリム部14cおよびボス部14aと前記ダストカバー12、13との対向面のダストカバー12、13側の片面に植毛層7を設けている。
図6に示す第4実施形態のダストカバー付きアイドラプーリユニットDは、第3実施形態と同様に2連の転がり軸受5の内輪3の両端面に圧接状態に固定された2つのダストカバー12、13を備えており、このダストカバー12、13に対向して配置されるプーリ14のリム部14cおよびボス部14aと前記ダストカバー12、13との対向面の両面に植毛層7を設けている。
このように構成される第3、4実施形態は、プーリ14のリム部14cおよびボス部14aとダストカバー12、13との対向面に沿ってラビリンス通路が形成されるもので、隙間シールによる密封性がより高められる。さらに、植毛層7によるシールによって、接触抵抗が小さくて軸受の回転トルクを増大させることがなく、さらに接触摩擦による発熱やシール摩耗などが生じ難い作用効果も第1、2実施形態と同様に奏される。
図7に示す第5実施形態は、第1実施形態と同様に、ダストカバー付きテンションプーリユニットEであって、ダストカバー15に対向して配置されるプーリ1のアーム部1bと、ダストカバー15との対向面に非接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層7を設けている。
上記対向面は、円環状のダストカバー15の外周縁、特に外周端面とプーリ1のアーム部1bであり、ダストカバー15の外周端面に植毛層7が形成されている。
図8に示す第6実施形態のダストカバー付きテンションプーリユニットFは、第5実施形態において、植毛層7をプーリ1のアーム部1bと、ダストカバー15との対向面の両面に形成したことの他は、全く同様に構成したものである。
このように構成される第5及び第6実施形態は、限定された極めて小さな面積に植毛層7が形成されていて、充分に使用に耐える非接触シール性があり、かつ接触抵抗が小さくて転がり軸受5の回転トルクを増大させることがない。
そのため、上記したいずれの実施形態とも同じく、接触摩擦による発熱やシール摩耗などが生じ難く、低トルクで耐久性に優れたダストカバー付きプーリユニットになる。
1、14 プーリ
1a、14a ボス部
1b アーム部
14c リム部
2 外輪
3 内輪
4 プーリ軸
4a フランジ部
5 転がり軸受
6、12、13、15、21、22 ダストカバー
7 植毛層
8 ボルト
9 弾性シール
10 玉
11 保持器
20 アイドラプーリ
21 テンションプーリ

Claims (6)

  1. 伝動ベルトを案内するプーリと、このプーリを回転自在に支持する外輪及び固定されたプーリ軸で支持される内輪とを有する転がり軸受と、この転がり軸受の前記内輪と一体に設けられ前記プーリに接近して配置されるダストカバーと、を備え、
    このダストカバーとこれに対向する前記プーリとの少なくとも一方の対向面にダストシールを形成可能な繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体 を設けたダストカバー付きプーリユニット。
  2. 前記固定されたプーリ軸と一体のフランジ部を上記プーリに接近させて付設し、前記フランジ部と前記プーリとの少なくとも一方の対向面にダストシールを形成可能な前記柔軟性構造体を設けた請求項1に記載のダストカバー付きプーリユニット。
  3. 前記柔軟性構造体は、前記ダストカバーとこれに対向する前記プーリとの少なくとも一方の対向面に繊維材が植設された植毛層であり、
    前記植毛層が、非接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層である請求項1または2に記載のダストカバー付きプーリユニット。
  4. 前記柔軟性構造体は、前記ダストカバーとこれに対向する前記プーリとの少なくとも一方の対向面に繊維材が植設された植毛層であり、
    前記植毛層が、接触シールを形成可能な繊維長さの植毛層である請求項1または2に記載のダストカバー付きプーリユニット。
  5. 前記柔軟性構造体が、潤滑油または潤滑グリースを保持している請求項1〜4のいずれかに記載のダストカバー付きプーリユニット。
  6. 上記プーリユニットが、自動車エンジンのベルト伝動装置におけるプーリユニットである請求項5に記載のダストカバー付きプーリユニット。
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