以下、図面を参照して、実施形態に係るX線診断装置及び画像処理プログラムを説明する。なお、本願に係るX線診断装置及び画像処理プログラムは、以下の実施形態に限定されるものではない。
まず、図1を用いて第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、高電圧発生器11と、X線管12と、コリメータ13aと、フィルタ13bと、天板14と、Cアーム15と、X線検出器16とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、Cアーム回転・移動機構17と、天板移動機構18と、Cアーム・天板機構制御回路19と、コリメータ・フィルタ制御回路20と、処理回路21と、入力回路22と、ディスプレイ23とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、画像データ生成回路24と、記憶回路25と、画像処理回路26とを備える。また、X線診断装置100は、インジェクター30と接続される。そして、X線診断装置100は、図1に示すように、各回路が相互に接続され、各回路間で種々の電気信号を送受信したり、インジェクター30と電気信号を送受信したりする。
インジェクター30は、被検体Pに挿入されたカテーテルから造影剤を注入するための装置である。ここで、インジェクター30からの造影剤注入は、後述する処理回路21を介して受信した注入指示に従って実行される。具体的には、インジェクター30は、後述する処理回路21から受信する造影剤の注入開始指示や、注入停止指示、さらに、注入速度などを含む造影剤注入条件に応じた造影剤注入を実行する。なお、インジェクター30は、操作者が直接インジェクター30に対して入力した注入指示に従って注入開始や、注入停止を実行することも可能である。
図1に示すX線診断装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路25へ記憶されている。Cアーム・天板機構制御回路19、コリメータ・フィルタ制御回路20、処理回路21、画像データ生成回路24、及び、画像処理回路26は、記憶回路25からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理医療デバイス(例えば、単純プログラマブル論理医療デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理医療デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路25に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路25にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
第1の実施形態における収集機能211は、特許請求の範囲における第1の収集部、第2の収集部及び第3の収集部の一例である。また、第1の実施形態における取得機能212は、特許請求の範囲における取得部の一例である。また、第1の実施形態における生成機能213は、特許請求の範囲における生成部の一例である。また、第1の実施形態における表示制御機能214は、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。また、第1の実施形態におけるフィルタ制御機能215は、特許請求の範囲におけるフィルタ制御部の一例である。
高電圧発生器11は、処理回路21による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する。X線管12は、高電圧発生器11から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。コリメータ13aは、コリメータ・フィルタ制御回路20による制御の下、X線管12が発生したX線を、X線画像を収集する対象となる領域に対して、選択的に照射されるように絞り込む。例えば、コリメータ13aは、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。コリメータ13aは、コリメータ・フィルタ制御回路20による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線管12が発生したX線を絞り込んで被検体Pに照射させる。なお、絞り羽根は、鉛などで構成された板状部材であり、X線の照射範囲を調整するためにX線管12のX線照射口付近に設けられる。
フィルタ13bは、X線管12から曝射されたX線を調節するためのX線フィルタである。例えば、フィルタ13bは、被検体Pに対する被曝線量の低減と画像データの画質向上を目的として、その材質や厚みによって透過するX線の線質を変化させ、被検体Pに吸収されやすい軟線成分を低減したり、X線画像のコントラスト低下を招く高エネルギー成分を低減したりする。
また、フィルタ13bは、その材質や厚み、位置などによってX線の線量及び照射範囲を変化させ、X線管12から被検体Pへ照射されるX線が予め定められた分布になるようにX線を減衰させる。例えば、フィルタ13bは、被検体PにおけるX線画像の収集を行う領域のうち、関心領域については高線量とし、関心領域以外の領域については低線量となるように、X線の線量の分布を制御するROI(Region Of Interest)フィルタとして機能する。また、例えば、フィルタ13bは、被検体PにおけるX線画像の収集を行う領域の全面でX線の線量が均一となるように、X線の線量の分布を制御するX線フィルタとして機能する。
例えば、フィルタ13bは、一部にX線を減衰させずに透過させるための開口を有する。即ち、フィルタ13bは、透過するX線を材質及び厚みに応じた減衰率で減衰させる領域(以下、第1の領域とも記載する)と、X線を減衰させずに透過させるための開口とを有する。この場合、開口を通じて被検体Pに照射されるX線は、第1の領域を通じて被検体Pに照射されるX線に対して高線量となる。
また、例えば、フィルタ13bは、第1の領域と、第1の領域を透過するX線よりも低い減衰率で透過するX線を減衰させる領域(以下、第2の領域とも記載する)とを有する。第2の領域は、例えば、第1の領域と比較して、X線の照射方向の厚みが小さくなるように構成される。また、例えば、第2の領域は、第1の領域と比較して、X線の吸収係数が小さい材質により構成される。
ここで、フィルタ13bは、開口又は第2の領域を移動することにより、X線の線量の分布を制御することができる。以下、フィルタ13bによるX線の線量の分布の制御について説明する。なお、以下では、フィルタ13bが移動することにより、開口又は第2の領域が移動される場合について説明する。また、以下では、フィルタ13bが一部にX線を減衰させずに透過させるための開口を有する場合を例として説明する。
例えば、フィルタ13bは、処理回路21による制御の下、コリメータ・フィルタ制御回路20により、X線管12と接離する方向に移動する。即ち、フィルタ13bは、フィルタ13b自体が移動することにより、開口をX線管12と接離する方向に移動する。
X線の照射範囲に開口が含まれている場合、X線管12から発せられたX線の一部は開口を通じて被検体Pに照射され、一部はフィルタ13bにより減衰されて被検体Pに照射される。この場合、フィルタ13bは、被検体PにおけるX線画像の収集を行う領域のうち、関心領域については高線量とし、関心領域以外の領域については低線量となるように、X線の線量の分布を制御するROIフィルタとして機能する。ここで、開口とX線管12との距離が大きくなるほど、開口を通じた高線量のX線が照射される領域は小さくなる。即ち、フィルタ13bは、開口をX線管12と接離する方向に移動することで、関心領域の大きさを制御することができる。
また、フィルタ13bは、処理回路21による制御の下、コリメータ・フィルタ制御回路20により、X線管12と接離する方向と垂直な方向に移動する。これにより、フィルタ13bは、関心領域の位置を制御することができる。また、フィルタ13bは、X線の照射範囲に開口が含まれないように移動することで、X線管12から発せられたX線の全てがフィルタ13bにより減衰されて被検体Pに照射されるように制御する。この場合、フィルタ13bは、被検体PにおけるX線画像の収集を行う領域の全面に低線量のX線が照射されるように制御するX線フィルタとして機能する。また、フィルタ13bは、X線の照射範囲に含まれないように移動することで、被検体PにおけるX線画像の収集を行う領域の全面に、高線量のX線を照射させることができる。なお、上述したフィルタ13bによるX線の線量の分布の制御は、フィルタ13bが、開口に代えて第2の領域を有する場合であっても同様である。
天板14は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。なお、被検体Pは、X線診断装置100に含まれない。X線検出器16は、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器16は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を画像データ生成回路24に送信する。
Cアーム15は、X線管12、コリメータ13a、フィルタ13b及びX線検出器16を保持する。X線管12、コリメータ13a及びフィルタ13bとX線検出器16とは、Cアーム15により被検体Pを挟んで対向するように配置される。なお、図1では、X線診断装置100がシングルプレーンの場合を例に挙げて説明しているが、実施形態はこれに限定されるものではなく、バイプレーンの場合であってもよい。
Cアーム回転・移動機構17は、Cアーム15を回転及び移動させるための機構であり、天板移動機構18は、天板14を移動させるための機構である。Cアーム・天板機構制御回路19は、処理回路21による制御の下、Cアーム回転・移動機構17及び天板移動機構18を制御することで、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。コリメータ・フィルタ制御回路20は、処理回路21による制御の下、コリメータ13aが有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。また、コリメータ・フィルタ制御回路20は、処理回路21による制御の下、フィルタ13bの位置を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の線量の分布を制御する。
画像データ生成回路24は、X線検出器16によってX線から変換された電気信号を用いて画像データを生成し、生成した画像データを記憶回路25に格納する。例えば、画像データ生成回路24は、X線検出器16から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換を行い、画像データを生成する。一例を挙げると、画像データ生成回路24は、血管内治療における手技の最中に、医療デバイスの位置や形状を含む透視画像の画像データを経時的に生成する。また、一例を挙げると、画像データ生成回路24は、造影剤が注入されていない被検体Pを透過したX線に基づく画像データ及び造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づく画像データを生成する。また、一例を挙げると、画像データ生成回路24は、後述するワイヤマスク画像の生成に用いる種々の画像データを生成する。そして、画像データ生成回路24は、生成した画像データを記憶回路25に格納する。
記憶回路25は、画像データ生成回路24によって生成された画像データを受け付けて記憶する。例えば、記憶回路25は、造影剤が注入されていない被検体Pを透過したX線に基づく画像データや造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づく画像データ、後述するワイヤマスク画像の生成に用いる画像データなどを記憶する。また、例えば、記憶回路25は、透視画像の画像データの全部又は一部を記憶することもできる。また、記憶回路25は、図1に示す各回路によって読み出されて実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。一例を挙げると、記憶回路25は、処理回路21によって読み出されて実行される収集機能211に対応するプログラム、取得機能212に対応するプログラム、生成機能213に対応するプログラム、表示制御機能214及びフィルタ制御機能215に対応するプログラムを記憶する。
画像処理回路26は、記憶回路25が記憶する画像データに対して各種画像処理を行う。例えば、画像処理回路26は、医療デバイスが挿入された被検体Pを透過したX線に基づく透視画像の画像データと、後述するワイヤマスク画像とをサブトラクションすることで差分画像を生成する。また、例えば、画像処理回路26は、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づく画像データと、造影剤が注入された後の被検体Pを透過したX線に基づく画像データとを記憶回路25から読み出し、サブトラクションすることで血管画像を生成する。
なお、画像処理回路26は、透視画像の画像データや、後述するワイヤマスク画像の生成に用いる画像データなどに対し、散乱線補正を実行することができる。また、画像処理回路26は、移動平均(平滑化)フィルタ、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタなどの画像処理フィルタによるノイズ低減処理を実行することも可能である。また、画像処理回路26は、造影剤投与直前の1フレームをマスク画像として用いることで、体動による位置合わせ(レジストレーション)のミスを最小限に抑えることが可能である。すなわち、画像処理回路26は、収集されたX線画像のそれぞれに対して、ノイズ除去及び位置ずれ補正を含む前処理を実行することができる。
入力回路22は、各種指示や各種設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等によって実現される。入力回路22は、処理回路21に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路21へと出力する。ディスプレイ23は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像処理回路26によって生成された各種のX線画像を表示する。例えば、ディスプレイ23は、処理回路21による制御の下、手技中に順次生成される透視画像から骨などの背景成分を差分した差分画像や、差分画像に重ねて(マスクして)表示される血管画像といった各種のX線画像を表示する。
処理回路21は、収集機能211、取得機能212、生成機能213、表示制御機能214及びフィルタ制御機能215を実行することで、X線診断装置100全体の動作を制御する。例えば、処理回路21は、装置全体を制御するためのプログラムを記憶回路25から読み出して実行することにより、種々の処理を実行する。例えば、処理回路21は、入力回路22から転送された操作者の指示に従って高電圧発生器11を制御し、X線管12に供給する電圧を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、処理回路21は、操作者の指示に従ってCアーム・天板機構制御回路19を制御し、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。また、例えば、処理回路21は、操作者の指示に従ってコリメータ・フィルタ制御回路20を制御し、コリメータ13aが有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
また、例えば、処理回路21は、フィルタ制御機能215に対応するプログラムを記憶回路25から読み出して実行することにより、操作者の指示に従ってコリメータ・フィルタ制御回路20を制御し、フィルタ13bの位置を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の線量を制御し、また、X線の照射範囲を線量ごとに制御する。即ち、処理回路21は、コリメータ・フィルタ制御回路20の制御を通じて、X線の線量の分布を制御する。
また、処理回路21は、操作者の指示に従って、画像データ生成回路24による画像データ生成処理や画像処理回路26による画像処理などを制御する。また、処理回路21は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや記憶回路25が記憶する画像などを、ディスプレイ23に表示するように制御する。また、処理回路21は、インジェクター30に対して、造影剤注入開始及び終了の信号を送信することで、造影剤の注入タイミングを制御する。なお、処理回路21による各機能については、後に詳述する。
以上、X線診断装置100の構成の一例について説明した。かかる構成のもと、本実施形態に係るX線診断装置100は、以下、詳細に説明する処理回路21による処理によって、インターベンション治療の効率を向上させる。具体的には、X線診断装置100は、ROIフィルタを用いた透視において、関心領域(ROI)の移動に追従したワイヤマスク画像を生成することで、ROIフィルタを動作させながら医療デバイスのみを表示する差分画像の生成を可能にし、治療の効率を向上させる。ここで、ワイヤマスク画像とは、透視ロードマップにおいて、血管走行に対してカテーテル等の医療デバイスのみを表示させるのに必要な画像である。また、X線診断装置100は、ROIフィルタを動作させながら、医療デバイスを表示する差分画像に血管走行を表示する血管画像をマスクして表示する透視ロードマップを可能にすることで、治療の効率を向上させる。以下、第1の実施形態に係るX線診断装置100が行う処理について詳細に説明する。
まず、X線診断装置100によるROIフィルタを動作させながらの透視ロードマップについて、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る透視ロードマップを説明するための図である。まず、X線診断装置100は、造影剤を用いて血管画像を収集する。例えば、収集機能211は、被検体Pに造影剤が注入されていない状態で、骨などの周辺組織(背景)を表すX線画像I1を収集する。また、収集機能211は、被検体Pに造影剤が注入された状態で、血管の位置や形状を含むX線画像I2を収集する。一例を挙げると、収集機能211は、X線画像I2の収集の際にインジェクター30による造影剤の注入が実行されることで、造影剤が注入された後の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像I2を収集する。そして、収集機能211は、収集したX線画像I1及びX線画像I2を記憶回路25に格納する。ここで、収集機能211は、画像処理回路26を制御して、収集したX線画像I1及びX線画像I2に対して散乱線補正やビームハードニング補正などを実行させた後、記憶回路25に格納することもできる。
次に、生成機能213は、画像処理回路26を制御して、図2に示すように、X線画像I1及びX線画像I2を用いて血管画像I3を生成する。例えば、生成機能213は、記憶回路25からX線画像I1とX線画像I2とを読み出し、読み出したX線画像I1とX線画像I2とを差分することで、背景要素を除去して血管が強調された血管画像I3を生成する。
なお、以下では、収集機能211が、図2に示すX線画像I1及びX線画像I2を、「撮影画像」として収集する場合について説明する。「撮影画像」は、「透視画像」と比較して、高線量のX線によって収集されたX線画像である。また、以下では、生成機能213が、X線画像I1及びX線画像I2を差分することにより、DSA(Digital Subtraction Angiography)画像である血管画像I3を生成する場合について説明する。即ち、生成機能213は、透視ロードマップに用いる血管画像I3を、透視に先立って収集された撮影画像によって生成する。
次に、X線診断装置100は、図2に示すように、インターベンション治療の手技中に順次生成される透視画像I4と、ワイヤマスク画像I5とを差分することで、医療デバイス以外の背景成分を除いた差分画像I6を生成する。そして、生成機能213は、図2に示すように、血管画像I3と差分画像I6とを重畳した重畳画像I7を生成する。ここで、生成機能213は、血管に重畳した医療デバイスが視認可能となるように血管画像I3の画素値を調整したX線画像と、差分画像I6とを重畳させることで、重畳画像I7を生成することもできる。あるいは、生成機能213は、図2に示すように、重畳画像I7に被検体Pの背景成分を重畳した重畳画像I8を生成する。なお、生成機能213は、図2に示すX線画像I1やワイヤマスク画像I5などを重畳画像I8における被検体Pの背景成分としてもよいし、図示しないX線画像を重畳画像I8における被検体Pの背景成分としてもよい。
ここで、図3を用いて、透視画像I4、ワイヤマスク画像I5及び差分画像I6について説明する。図3は、第1の実施形態に係る透視画像I4、ワイヤマスク画像I5及び差分画像I6を説明するための図である。なお、図3は、被検体Pの頭部の血管内に医療デバイスを挿入して治療を行う場合を示す。
収集機能211は、インターベンション治療の手技中に、所定のフレームレートで、複数の透視画像I4を経時的に収集する。ここで、収集機能211は、図3に示すように、関心領域R1と関心領域以外の領域R2とに対してそれぞれ異なる線量で照射されるように制御されたX線を用いて、透視画像I4を収集する。具体的には、フィルタ制御機能215が、線量を低減するためのフィルタ13bが領域R2に対してかかるようにフィルタ13bの位置を制御する。そして、収集機能211は、領域R2に対する線量を関心領域R1と比較して低減させた透視画像I4を収集する。そして、収集機能211は、画像処理回路26を制御して、順次収集した透視画像I4に対して、散乱線補正などの補正処理をそれぞれ実行させる。
以下では、透視画像I4の収集において関心領域R1に照射されるX線の線量を第1の線量とも記載する。また、以下では、透視画像I4の収集において関心領域以外の領域R2に照射されるX線の線量を第2の線量とも記載する。ここで、第2の線量は、少なくとも第1の線量よりも低線量である。例えば、領域R2に照射されるX線のみがフィルタ13bを透過して減衰することで、第2の線量が第1の線量よりも低くなる。また、例えば、領域R2に照射されるX線がフィルタ13bのうち厚い部分を透過し、関心領域R1に照射されるX線がフィルタ13bのうち薄い部分を透過することで、領域R2に照射されるX線がより大きく減衰し、第2の線量が第1の線量よりも低くなる。
次に、生成機能213は、図3に示すように、透視画像I4とワイヤマスク画像I5とを差分することで、透視画像I4から医療デバイス以外の背景成分を除去し、血管内の医療デバイスが強調された差分画像I6を生成する。ここで、ワイヤマスク画像I5は、差分画像I6を生成するために、透視画像I4の生成に先立って少なくとも一枚生成されるX線画像である。
ここで、医療デバイス以外の成分を極力除いた差分画像I6を生成するためには、ワイヤマスク画像I5の関心領域R1及び関心領域以外の領域R2に対して照射されるX線の線量を、それぞれ、透視画像I4を収集する際のX線の線量に合わせることが好ましい。また、ワイヤマスク画像I5における関心領域R1の位置は、透視画像I4における関心領域R1の位置と合っていることが好ましい。即ち、差分により透視画像I4から背景成分を除去し、医療デバイス以外の成分を極力除いた差分画像I6を生成するためには、透視画像I4とワイヤマスク画像I5とで、画像上の各位置の画質が同様であることが求められる。
以下、図4を用いてワイヤマスク画像I5の収集について説明する。図4は、第1の実施形態に係るワイヤマスク画像I5を説明するための図である。まず、収集機能211は、第1の線量で被検体Pに照射されたX線に基づいて、X線画像I51(以下、第1のX線画像とも記載する)を収集する。即ち、収集機能211は、X線画像I51の全体を、透視画像I4における関心領域R1のX線条件で収集する。また、収集機能211は、第2の線量で被検体Pに照射されたX線に基づいて、X線画像I52(以下、第2のX線画像とも記載する)を収集する。即ち、収集機能211は、X線画像I52の全体を、透視画像I4における関心領域以外の領域R2のX線条件で収集する。なお、以下では、透視画像I4を、第3のX線画像とも記載する。
また、収集機能211は、図4に示すように、関心領域R1と関心領域以外の領域R2とに対して異なる線量で照射されたX線に基づいて、X線画像I53を収集する。ここで、収集機能211は、X線画像I53における関心領域R1の位置が、透視画像I4における関心領域R1の位置と同じになるようにして、X線画像I53を収集する。例えば、収集機能211は、X線管12やコリメータ13a、フィルタ13b、被検体Pなどの位置が、透視画像I4の収集とX線画像I53の収集とで同一になるようにして、X線画像I53を収集する。
そして、取得機能212は、X線画像I53から関心領域R1の位置情報を取得する。上述したX線画像I53は、関心領域R1と領域R2とに対して異なる線量のX線が照射されて収集された画像であることから、関心領域R1と領域R2とで画素値が大きく異なる。そこで、取得機能212は、X線画像I53の画素値に基づいて、関心領域R1と領域R2との境界を識別し、X線画像I53における関心領域R1の位置情報を取得する。ここで、関心領域R1の位置はX線画像I53と透視画像I4とで同じであることから、取得機能212は、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得することとなる。なお、取得機能212は、関心領域R1の位置が変更されるごとに位置情報を取得する。この点については後述する。
なお、収集機能211は、透視画像I4の収集におけるX線の線量とは異なる線量で、X線画像I53を収集する場合であってもよい。一例を挙げると、収集機能211は、第1の線量よりも低い線量で関心領域R1に照射されたX線及び第2の線量よりも低い線量で関心領域以外の領域R2に照射されたX線に基づいて、X線画像I53を収集する。即ち、取得機能212が関心領域R1の位置情報を取得することができる範囲であれば、収集機能211は、いかなる線量のX線を用いてX線画像I53を収集する場合であってもよい。
次に、生成機能213は、図4の上段に示した各X線画像に基づいて、ワイヤマスク画像I5を生成する。例えば、生成機能213は、まず、X線画像I51及びX線画像I52における関心領域R1に対応する位置をそれぞれ取得する。そして、生成機能213は、X線画像I51及びX線画像I52における関心領域R1に対応する位置の情報と、X線画像I51と、X線画像I52とに基づいて、ワイヤマスク画像I5を生成する。一例を挙げると、生成機能213は、まず、X線画像I51のうち、関心領域R1に対応する領域を抽出する。また、生成機能213は、X線画像I52のうち、関心領域以外の領域R2に対応する領域を抽出する。そして、生成機能213は、X線画像I51及びX線画像I52からそれぞれ抽出した領域を合成することで、図4に示すように、ワイヤマスク画像I5を生成することができる。
このようにワイヤマスク画像I5を生成すると、生成機能213は、透視によって順次生成される複数の透視画像I4とワイヤマスク画像I5とをそれぞれ差分した差分画像I6を順次生成する。そして、生成機能213は、血管画像I3と差分画像I6とを重畳した重畳画像I7を生成し、あるいは、重畳画像I7に被検体Pの背景成分を重畳した重畳画像I8を生成する。
表示制御機能214は、重畳画像I7や重畳画像I8をディスプレイ23に表示させる。例えば、表示制御機能214は、重畳画像I7や重畳画像I8を、リアルタイムに動画像でディスプレイ23に表示させ、操作者に提示することで、血管内のデバイス操作をサポートする。また、表示制御機能214は、血管と医療デバイスが表されたX線画像を提示する透視サブモードや、血管と医療デバイスに加えて周辺組織も表されたX線画像を提示するランドマークモードなどのモード切替に応じて、重畳画像I7や重畳画像I8を切り替えてディスプレイ23に表示させる場合であってもよい。
上述したように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、関心領域R1の位置に基づくワイヤマスク画像I5を生成し、生成したワイヤマスク画像I5を用いて差分画像I6を生成する。また、X線診断装置100は、このように生成した差分画像I6を用いて、重畳画像I7や重畳画像I8を表示させる透視ロードマップを実行する。ここで、X線診断装置100は、関心領域R1の位置の変化に追従した透視ロードマップを実行する。以下、関心領域R1の位置が変化する場合について、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5Aは、第1の実施形態に係る関心領域R1の位置が移動する一例を示す図である。また、図5Bは、第1の実施形態に係る関心領域R1の位置が移動する場合のワイヤマスク画像I5及び差分画像I6を説明するための図である。
例えば、治療対象部位まで医療デバイスを進める途中や、手技開始前における関心領域R1の位置の設定が不適切な場合、図5Aの左図の透視画像I4に示すように、デバイスの先端が関心領域R1から出てしまう場合が想定される。ここで、関心領域以外の領域R2は、関心領域R1より低線量で透視されており、関心領域R1と比べて不鮮明であるから、手技の効率が低下する。かかる場合は、医療デバイスの先端の動きに合わせて、関心領域R1の位置をずらしていく必要がある。例えば、透視画像I4における関心領域R1の位置を動かす場合、処理回路21は、入力回路22を介して関心領域R1の位置の移動の指示を受け付ける。次に、処理回路21は、指示の内容に応じて、フィルタ13bの位置を移動させることで、図5Aの右図の透視画像I4に示すように、関心領域R1の位置を移動させる。
ここで、透視画像I4における関心領域R1の位置の移動後においても、医療デバイス以外の背景成分を差分した差分画像I6を生成するためには、ワイヤマスク画像I5における関心領域R1の位置を透視画像I4における関心領域R1の移動後の位置に合わせるように、ワイヤマスク画像I5を更新することが求められる。
ここで、X線診断装置100は、既に収集されているX線画像I51及びX線画像I52を用いて、ワイヤマスク画像I5を更新する。まず、取得機能212は、図5Bに示す透視画像I4における、移動後の関心領域R1の位置情報を取得する。例えば、取得機能212は、移動後の関心領域R1の位置情報を、入力回路22を介して操作者から受け付けた関心領域R1の移動指示の内容に基づいて取得することができる。
次に、生成機能213は、X線画像I51及びX線画像I52における移動後の関心領域R1に対応する位置の情報と、X線画像I51と、X線画像I52とに基づいて、図5Bに示すワイヤマスク画像I5を生成する。一例を挙げると、生成機能213は、まず、X線画像I51のうち、移動後の関心領域R1に対応する領域を抽出する。また、生成機能213は、X線画像I52のうち、移動後の関心領域以外の領域R2に対応する領域を抽出する。そして、生成機能213は、X線画像I51及びX線画像I52からそれぞれ抽出した領域を合成することで、関心領域R1の位置が移動した後のワイヤマスク画像I5を生成することができる。
そして、生成機能213は、図5Bに示すように、関心領域R1の位置が移動した後の透視画像I4と、更新したワイヤマスク画像I5とを差分することで、医療デバイスを表す差分画像I6を生成する。また、生成機能213は、更新されたワイヤマスク画像I5に基づく差分画像I6と、血管画像I3とを重畳した重畳画像I7を生成する。あるいは、生成機能213は、重畳画像I7に被検体Pの背景成分を重畳した重畳画像I8を生成する。そして、表示制御機能214は、関心領域R1の位置が移動した後の重畳画像I7や重畳画像I8を、ディスプレイ23に表示させる。
次に、X線診断装置100による処理の手順の一例を、図6を用いて説明する。図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS102、ステップS104、ステップS105及びステップS108は、収集機能211に対応するステップである。ステップS106は、取得機能212に対応するステップである。ステップS103、ステップS107、ステップS109及びステップS110は、生成機能213に対応するステップである。ステップS111は、表示制御機能214に対応するステップである。
まず、処理回路21は、検査の開始コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップS101)、開始コマンドを受け付けない場合は待機状態となる(ステップS101否定)。一方、開始コマンドを受け付けた場合(ステップS101肯定)、処理回路21は、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像と、造影剤が注入された後の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像とを収集する(ステップS102)。また、処理回路21は、造影剤の注入前後のX線画像を差分することで血管画像を生成する(ステップS103)。
次に、処理回路21は、被検体Pに対して第1の線量でX線を照射し、第1のX線画像を収集する(ステップS104)。また、処理回路21は、被検体Pに対して第2の線量でX線を照射し、第2のX線画像を収集する(ステップS105)。また、処理回路21は、関心領域R1及び関心領域以外の領域R2に対して異なる線量で照射されたX線に基づいて収集されたX線画像から、関心領域R1の位置情報を取得する(ステップS106)。そして、処理回路21は、第1のX線画像と、第2のX線画像と、関心領域R1の位置情報とに基づき、ワイヤマスク画像を生成する(ステップS107)。
血管内へのデバイス挿入が開始されると、処理回路21は、フィルタ13bを制御することで、関心領域R1には第1の線量でX線を照射し、関心領域以外の領域R2には第2の線量でX線を照射して、経時的に第3のX線画像を収集する(ステップS108)。次に、処理回路21は、経時的に収集した各第3のX線画像とワイヤマスク画像とを差分した差分画像を経時的に生成する(ステップS109)。そして、処理回路21は、血管画像と差分画像とを重畳した重畳画像を経時的に生成し(ステップS110)、ディスプレイ23に表示させる(ステップS111)。
ここで、処理回路21は、関心領域R1の位置が移動されたか否かを判定する(ステップS112)。関心領域R1の位置が移動された場合(ステップS112肯定)、処理回路21は、ステップS106に移行し、移動後の関心領域R1の位置情報を取得して、ワイヤマスク画像を更新する。一方、関心領域R1の位置が移動されない場合(ステップS112否定)、処理回路21は、検査の終了コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップS113)、終了コマンドを受け付けない場合は待機状態となる(ステップS113否定)。一方、終了コマンドを受け付けた場合(ステップS113肯定)、処理回路21は、処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態によれば、収集機能211は、第1の線量で被検体Pに照射されたX線に基づいて、第1のX線画像を収集する。また、収集機能211は、第1の線量より低い第2の線量で被検体Pに照射されたX線に基づいて、第2のX線画像を収集する。また、収集機能211は、医療デバイスが挿入された被検体Pの関心領域R1及び関心領域以外の領域R2に対してそれぞれ第1の線量及び第2の線量で照射されたX線に基づいて、第3のX線画像を収集する。また、取得機能212は、第3のX線画像における関心領域R1の位置情報を取得する。また、生成機能213は、第3のX線画像における関心領域R1の位置情報に基づいて、第1のX線画像及び第2のX線画像における関心領域R1に対応する位置をそれぞれ取得し、第3のX線画像における関心領域R1と第1のX線画像における関心領域R1に対応する領域とを差分し、第3のX線画像における領域R2と第2のX線画像における領域R2に対応する領域とを差分した差分画像を生成する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、透視においてROIフィルタを動作させ、関心領域R1と関心領域以外の領域R2とで線量が異なるX線が照射される場合であっても、背景成分を差分して除去した医療デバイスのX線画像を生成することができる。また、X線診断装置100は、ROIフィルタを動作させた透視において、医療デバイスのX線画像を操作者に提示することで、被検体Pの被曝量を低減しつつ、インターベンション治療の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、X線診断装置100は、医療デバイスを表示する差分画像I6と、血管走行を表示する血管画像I3とを重畳した重畳画像I7を操作者に提示する。あるいは、X線診断装置100は、重畳画像I7に背景成分を重畳した重畳画像I8を操作者に提示する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、ROIフィルタを動作させて被検体Pの被曝量を低減しつつ、血管走行及び医療デバイスの位置や形状を操作者に提示する透視ロードマップを実行し、インターベンション治療の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態に係る生成機能213は、関心領域R1の位置情報を用いて、第1のX線画像I51における関心領域R1に対応する領域と、第2のX線画像I52における関心領域以外の領域R2に対応する領域とを合成することで、ワイヤマスク画像I5を生成する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、関心領域R1の位置が移動した場合でも、関心領域R1の位置情報を取得することでワイヤマスク画像I5を容易に更新し、インターベンション治療の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態に係る生成機能213は、関心領域R1の位置が移動した場合、既に収集されている第1のX線画像I51及び第2のX線画像I52に基づいて、ワイヤマスク画像I5を更新する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、ワイヤマスク画像を更新するためにX線画像を再度収集する必要がなく、被検体Pの被曝量を低減することができる。
上述した実施形態では、「撮影画像」としてX線画像I1及びX線画像I2を収集し、「DSA画像」として血管画像I3を生成する場合について説明した。第2の実施形態では、X線画像I1及びX線画像I2を、「透視画像」として収集する場合について説明する。即ち、第2の実施形態では、X線画像I1及びX線画像I2を、透視画像I4と同様に、「撮影画像」と比較して低線量のX線を用いる「透視画像」として収集する場合について説明する。
第2の実施形態に係るX線診断装置100は、図1に示した第1の実施形態に係るX線診断装置100と同様の構成を有し、収集機能211及び生成機能213による処理の一部が相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、図7を用いて、第2の実施形態に係る透視ロードマップを説明する。図7は、第2の実施形態に係る透視ロードマップを説明するための図である。まず、第2の実施形態に係る収集機能211は、図7に示すように、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像I1、及び、造影剤が注入された後の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像I2を収集する。
ここで、収集機能211は、X線画像I1及びX線画像I2を、例えば、第1の線量のX線を用いて収集する。即ち、収集機能211は、X線画像I1及びX線画像I2の全面を、透視画像I4における関心領域R1と同様のX線条件で収集する。そして、生成機能213は、図7に示すように、X線画像I1とX線画像I2とを差分することで、骨などの背景要素を除去した血管画像I3を生成する。
また、第2の実施形態に係る生成機能213は、図7に示すように、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像I1と、第2の線量で被検体Pに照射されたX線に基づくX線画像I52とを用いて、ワイヤマスク画像I5を生成する。一例を挙げると、まず、取得機能212は、X線画像I53に基づいて、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得する。次に、生成機能213は、関心領域R1の位置情報に基づいて、X線画像I1における関心領域R1に対応する領域を抽出する。また、生成機能213は、関心領域R1の位置情報に基づいて、X線画像I52における関心領域以外の領域R2に対応する領域を抽出する。そして、生成機能213は、X線画像I1及びX線画像I52からそれぞれ抽出した領域を合成することで、図7に示すように、ワイヤマスク画像I5を生成することができる。
そして、生成機能213は、図7に示すように、透視画像I4とワイヤマスク画像I5とを差分した差分画像I6を生成する。また、生成機能213は、図7に示すように、血管画像I3と差分画像I6とを重畳した重畳画像I7を生成し、あるいは重畳画像I7に被検体Pの背景成分を重畳した重畳画像I8を生成する。また、表示制御機能214は、重畳画像I7や重畳画像I8をディスプレイ23に表示させる。
次に、X線診断装置100による処理の手順の一例を、図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態に係るX線診断装置100の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS202、ステップS204及びステップS207は、収集機能211に対応するステップである。ステップS205は、取得機能212に対応するステップである。ステップS203、ステップS206、ステップS208及びステップS209は、生成機能213に対応するステップである。ステップS210は、表示制御機能214に対応するステップである。
まず、処理回路21は、検査の開始コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップS201)、開始コマンドを受け付けない場合は待機状態となる(ステップS201否定)。一方、開始コマンドを受け付けた場合(ステップS201肯定)、処理回路21は、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像と、造影剤が注入された後の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像とを、第1の線量のX線を用いて収集する(ステップS202)。また、処理回路21は、造影剤の注入前後のX線画像を差分することで血管画像を生成する(ステップS203)。
次に、処理回路21は、被検体Pに対して第2の線量でX線を照射し、第2のX線画像を収集する(ステップS204)。また、処理回路21は、関心領域R1及び関心領域以外の領域R2に対して異なる線量で照射されたX線に基づいて収集されたX線画像から、関心領域R1の位置情報を取得する(ステップS205)。そして、処理回路21は、第1のX線画像と、第2のX線画像と、関心領域R1の位置情報とに基づき、ワイヤマスク画像を生成する(ステップS206)。
血管内へのデバイス挿入が開始されると、処理回路21は、フィルタ13bを制御することで、関心領域R1には第1の線量でX線を照射し、関心領域以外の領域R2には第2の線量でX線を照射して、経時的に第3のX線画像を収集する(ステップS207)。次に、処理回路21は、経時的に収集した各第3のX線画像とワイヤマスク画像とを差分した差分画像を経時的に生成する(ステップS208)。そして、処理回路21は、血管画像と差分画像とを重畳した重畳画像を経時的に生成し(ステップS209)、ディスプレイ23に表示させる(ステップS210)。
ここで、処理回路21は、関心領域R1の位置が移動されたか否かを判定する(ステップS211)。関心領域R1の位置が移動された場合(ステップS211肯定)、処理回路21は、ステップS205に移行し、移動後の関心領域R1の位置情報を取得して、ワイヤマスク画像を更新する。一方、関心領域R1の位置が移動されない場合(ステップS211否定)、処理回路21は、検査の終了コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップS212)、終了コマンドを受け付けない場合は待機状態となる(ステップS212否定)。一方、終了コマンドを受け付けた場合(ステップS212肯定)、処理回路21は、処理を終了する。
上述したように、第2の実施形態によれば、収集機能211は、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づく透視画像であるX線画像I1と、造影剤が注入された後の被検体Pを透過したX線に基づく透視画像であるX線画像I2とを、第1の線量のX線を用いて収集する。また、生成機能213は、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づくX線画像I1を第1のX線画像として、ワイヤマスク画像I5を生成する。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置100は、ワイヤマスク画像I5を生成するために収集されるX線画像の枚数を減少させ、被検体Pの被曝量を低減するとともに、ワイヤマスク画像の収集に要する時間を短縮することができる。
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した第1及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、関心領域R1と関心領域以外の領域R2とに対して異なる線量で照射されたX線に基づいて収集されたX線画像I53から、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得する例について説明した。ここで、透視画像I4における関心領域R1の位置情報は、種々の手法により取得することができる。以下、取得機能212による関心領域R1の位置情報の取得の例について説明する。
まず、取得機能212による関心領域R1の位置情報の取得の一例を、図9を用いて説明する。図9は、第3の実施形態に係る透視ロードマップを説明するための図である。収集機能211は、図9に示すように、被検体Pに医療デバイスが挿入された状態において、関心領域R1と関心領域以外の領域R2とに対して異なる線量で照射されたX線に基づいて、X線画像I54を収集する。そして、取得機能212は、X線画像I54における関心領域R1と領域R2との画素値の違いから、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得することができる。即ち、取得機能212は、X線画像I54に医療デバイスが含まれている場合であっても、関心領域R1の位置情報を取得することができる。
また、第3の実施形態に係る取得機能212は、図9に示すX線画像I54として、透視画像I4を用いることもできる。即ち、取得機能212は、透視画像I4における関心領域R1と関心領域以外の領域R2との画素値の違いに基づいて、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得することができる。一例を挙げると、取得機能212は、経時的に複数生成される透視画像I4のうちの所定の画像(例えば、最初に収集された画像)に基づいて関心領域R1の位置情報を取得することができる。また、一例を挙げると、取得機能212は、経時的に複数生成される透視画像I4のそれぞれを用いて、関心領域R1の位置情報を経時的に取得することができる。
また、例えば、第3の実施形態に係る取得機能212は、被検体Pに対するX線の線量及び照射範囲に基づいて、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得することができる。一例を挙げると、取得機能212は、処理回路21が制御するコリメータ13aの絞り羽根の開度の情報や、X線管12、コリメータ13a、天板14及び被検体Pのそれぞれの位置の情報を用いて、被検体Pに対するX線の照射範囲を算出する。更に、取得機能212は、処理回路21が制御するフィルタ13bの位置の情報を用いて、被検体Pの各位置に照射されるX線の線量を算出する。そして、取得機能212は、算出したX線の線量及び照射範囲に基づいて、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得することができる。即ち、取得機能212は、被検体Pに対するX線の線量の分布に基づいて、関心領域R1の位置情報を取得することができる。
また、例えば、取得機能212は、フィルタ13bの開口又は第2の領域の位置に基づいて、関心領域R1の位置情報を取得することができる。
一例を挙げると、取得機能212は、X線管12におけるX線焦点、及び、フィルタ13bの開口又は第2の領域の淵を通る複数の直線と、X線検出器16における検出面との交点の集合を、関心領域R1の輪郭として特定することで、関心領域R1の位置情報を取得することができる。
なお、透視画像I4の収集においてバーチャルコリメータが使用可能である場合、取得機能212は、バーチャルコリメータの情報から、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得することができる。ここで、バーチャルコリメータとは、透視により収集されたLIH(Last Image Hold)画像上にコリメータ13aの位置を表示させ、X線の照射範囲の設定を支援する機能である。
また、生成機能213は、種々の組み合わせのX線画像に基づいて、ワイヤマスク画像I5を生成することができる。ここで、ワイヤマスク画像I5の生成の例について、図10を用いて説明する。図10は、第3の実施形態に係る透視ロードマップを説明するための図である。例えば、生成機能213は、図10に示すように、造影剤が注入される前の被検体Pを透過したX線に基づく透視画像であるX線画像I1と、第2の線量で被検体Pに照射されたX線に基づくX線画像I52と、被検体Pに医療デバイスが挿入された状態において収集されたX線画像I54とを用いて、ワイヤマスク画像I5を生成することができる。
上述した実施形態では、血管及び医療デバイスが表示される重畳画像I7、又は、血管及び医療デバイスに加えて周辺組織が表示される重畳画像I8がディスプレイ23に表示される場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能214は、医療デバイスが表示される差分画像I6をディスプレイ23に表示させることもできる。
また、上述した実施形態では、ワイヤマスク画像I5を生成し、透視画像I4とワイヤマスク画像I5とを差分することにより差分画像I6を生成する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線画像I51における関心領域R1に対応する領域と、X線画像I52における関心領域以外の領域R2に対応する領域とを合成することによる、ワイヤマスク画像I5の生成は行わない場合であってもよい。即ち、ワイヤマスク画像I5は、差分画像I6を生成するための一例である。従って、ワイヤマスク画像I5を生成せずに、単に、透視画像I4における関心領域R1とX線画像I51における関心領域R1に対応する領域とを差分し、透視画像I4における領域R2とX線画像I52における領域R2に対応する領域とを差分することで、差分画像I6を生成する場合であってもよい。
また、上述した実施形態では、第1の線量のX線を用いて第1のX線画像I51を収集し、第2の線量のX線を用いて第2のX線画像I52を収集し、第1の線量及び第2の線量のX線を用いて透視画像I4を収集する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、第1の線量のX線を用いて第1のX線画像I51を収集した場合において、透視画像I4の関心領域R1に照射されるX線の線量は、第1の線量と異なる線量であってもよい。また、例えば、第2の線量のX線を用いて第2のX線画像I52を収集した場合において、透視画像I4の関心領域以外の領域R2に照射されるX線の線量は、第2の線量と異なる線量であってもよい。言い換えると、透視画像I4は、関心領域R1及び領域R2に対して異なる線量で照射されたX線に基づいて収集されたX線画像であればよい。
以下、透視画像I4が、関心領域R1及び領域R2に対してそれぞれ第1の線量及び第2の線量で照射されたX線に基づいて収集されたX線画像ではない場合について説明する。以下では、一例として、第1の線量のX線を用いて第1のX線画像I51を収集し、第2の線量のX線を用いて第2のX線画像I52を収集し、関心領域R1及び領域R2に対してそれぞれ第3の線量及び第4の線量で照射されたX線に基づいて透視画像I4を収集する場合について説明する。なお、第3の線量は、第1の線量と異なる線量である。また、第4の線量は、第2の線量と異なり、かつ、第3の線量より低い線量である。
まず、収集機能211は、第1の線量で被検体Pに照射されたX線に基づくX線画像I51と、第2の線量で被検体Pに照射されたX線に基づくX線画像I52とを収集する。次に、収集機能211は、第3の線量及び第4の線量で被検体Pに照射されたX線に基づく透視画像I4を経時的に収集する。次に、取得機能212は、透視画像I4における関心領域R1の位置情報を取得する。そして、生成機能213は、関心領域R1の位置情報に基づいて、X線画像I51及びX線画像I52と、透視画像I4との差分を行い、差分画像I6を生成する。
ここで、第1の線量と第3の線量とは異なる線量であるため、X線画像I51と、透視画像I4における関心領域R1とでは明るさが異なる。従って、透視画像I4における関心領域R1と、X線画像I51における関心領域R1に対応する領域とを差分しても、骨などの背景成分を差分して除去できない場合がある。同様に、透視画像I4における関心領域以外の領域R2と、X線画像I52における領域R2に対応する領域とを差分しても、骨などの背景成分を差分して除去できない場合がある。
そこで、生成機能213は、透視画像I4と、X線画像I51及びX線画像I52との差分に先立ち、X線画像I51及びX線画像I52のゲインを調整する。具体的には、生成機能213は、透視画像I4における関心領域R1の各画素の画素値の平均値と、X線画像I51における関心領域R1に対応する領域の各画素の画素値の平均値とが同じになるように、X線画像I51における関心領域R1に対応する領域の各画素の画素値を一定の割合で増減させる。ここで、生成機能213は、関心領域R1に対応する領域の各画素の画素値を増減させたのと同じ割合で、X線画像I51における領域R2に対応する領域の各画素の画素値を増減させる場合であってもよい。また、生成機能213は、透視画像I4における関心領域R1に医療デバイスが含まれている場合には、関心領域R1の各画素の画素値の平均値として、関心領域R1のうち医療デバイスに相当する画素を除いた各画素の画素値の平均値を用いてもよい。
また、生成機能213は、透視画像I4における領域R2の各画素の画素値の平均値と、X線画像I52における領域R2に対応する領域の各画素の画素値の平均値とが同じになるように、X線画像I52における関心領域R2に対応する領域の各画素の画素値を一定の割合で増減させる。ここで、生成機能213は、領域R2に対応する領域の各画素の画素値を増減させたのと同じ割合で、X線画像I52における関心領域R1に対応する領域の各画素の画素値を増減させる場合であってもよい。また、生成機能213は、透視画像I4における領域R2に医療デバイスが含まれている場合には、領域R2の各画素の画素値の平均値として、領域R2のうち医療デバイスに相当する画素を除いた各画素の画素値の平均値を用いてもよい。
そして、生成機能213は、透視画像I4における関心領域R1と、画素値を調整した後のX線画像I51における関心領域R1に対応する領域とを差分し、透視画像I4における関心領域以外の領域R2と、画素値を調整した後のX線画像I52における領域R2に対応する領域とを差分して、差分画像I6を生成する。
上述した実施形態では、第1の線量で被検体Pに照射されたX線に基づくX線画像I51と、第2の線量で被検体Pに照射されたX線に基づくX線画像I52とを収集し、X線画像I51及びX線画像I52と、透視画像I4とを差分して、差分画像I6を生成する場合について説明した。即ち、上述した実施形態では、透視画像I4との差分に用いるX線画像を、少なくとも2枚収集する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。以下、透視画像I4との差分に用いるX線画像を1枚のみ収集する場合について説明する。
まず、収集機能211は、被検体Pに照射されたX線に基づいてX線画像(以下、X線画像I9と記載する)を収集する。ここで、収集機能211は、任意の線量のX線を用いて、X線画像I9を収集することができる。以下では、一例として、収集機能211が、第1の線量のX線を用いて、X線画像I9を収集した場合について説明する。
次に、収集機能211は、関心領域R1及び領域R2に対して異なる線量で照射されたX線に基づいて、透視画像I4を経時的に収集する。ここで、収集機能211は、任意の線量のX線を用いて、透視画像I4を収集することができる。以下では、一例として、収集機能211が、関心領域R1及び領域R2に対してそれぞれ第3の線量及び第4の線量で照射されたX線に基づいて、透視画像I4を収集する場合について説明する。
次に、生成機能213は、取得機能212が取得した関心領域R1の位置情報に基づいて、X線画像I9から、透視画像I4との差分に用いるX線画像を生成する。
例えば、生成機能213は、X線画像I9から、透視画像I4との差分に用いるX線画像として、透視画像I4における関心領域R1の明るさに応じたX線画像I10と、透視画像I4における領域R2の明るさに応じたX線画像I11とを生成する。
一例を挙げると、生成機能213は、まず、透視画像I4における関心領域R1の位置情報に基づいて、関心領域R1に含まれる各画素の画素値の平均値(以下、平均値A1と記載する)と、領域R2に含まれる各画素の画素値の平均値(以下、平均値A2と記載する)とを取得する。次に、生成機能213は、X線画像I9における関心領域R1に対応する領域に含まれる各画素の画素値の平均値(以下、平均値A3と記載する)を取得し、平均値A3に対する平均値A1の比を算出し、算出した比を、X線画像I9の各画素の画素値に乗じることで、透視画像I4における関心領域R1の明るさに応じたX線画像I10を生成する。また、生成機能213は、X線画像I9における領域R2に対応する領域に含まれる各画素の画素値の平均値(以下、平均値A4と記載する)を取得し、平均値A4に対する平均値A2の比を算出し、算出した比を、X線画像I9の各画素の画素値に乗じることで、透視画像I4における領域R2の明るさに応じたX線画像I11を生成する。そして、生成機能213は、透視画像I4における関心領域R1と、X線画像I10における関心領域R1に対応する領域とを差分し、透視画像I4における領域R2と、X線画像I11における領域R2に対応する領域とを差分して、差分画像I6を生成する。なお、かかる場合は、X線画像I9を第1のX線画像と記載し、X線画像I10を第2のX線画像と記載し、X線画像I11を第3のX線画像と記載し、透視画像I4を第4のX線画像と記載する。
また、例えば、生成機能213は、X線画像I9から、透視画像I4との差分に用いるX線画像として、透視画像I4における関心領域R1の明るさ及び領域R2の明るさに応じたX線画像I12を生成する。
一例を挙げると、生成機能213は、まず、透視画像I4における関心領域R1の位置情報に基づいて、関心領域R1に含まれる各画素の画素値の平均値A1と、領域R2に含まれる各画素の画素値の平均値A2とを取得する。また、生成機能213は、X線画像I9における関心領域R1に対応する領域に含まれる各画素の画素値の平均値A3と、X線画像I9における領域R2に対応する領域に含まれる各画素の画素値の平均値A4とを取得する。そして、生成機能213は、平均値A3に対する平均値A1の比をX線画像I9の関心領域R1に含まれる各画素の画素値に乗じ、平均値A4に対する平均値A2の比をX線画像I9の領域R2に含まれる各画素の画素値に乗じることで、関心領域R1の明るさ及び領域R2の明るさに応じたX線画像I12を生成する。そして、生成機能213は、X線画像I12と、透視画像I4とを差分して、差分画像I6を生成する。なお、かかる場合は、X線画像I9を第1のX線画像と記載し、X線画像I12を第2のX線画像と記載し、透視画像I4を第3のX線画像と記載する。
また、上述した実施形態では、第1の線量及び第2の線量の2種の線量のX線を用いて収集される透視画像I4について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、3種以上の線量のX線を用いて、透視画像I4を収集する場合であってもよい。かかる場合、収集機能211は、例えば、透視画像I4における各線量で全面にX線を照射したX線画像をそれぞれ収集する。また、取得機能212は、透視画像I4における線量の分布を取得する。また、生成機能213は、各線量で収集されたX線画像と、各線量の透視画像I4における分布に基づいて、ワイヤマスク画像I5を生成する。そして、生成機能213は、3種以上の線量のX線を用いて収集された透視画像I4とワイヤマスク画像I5とを差分した差分画像を生成し、表示制御機能214は、透視ロードマップを実行することができる。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成する事ができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明した画像処理方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、インターベンション治療の効率を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。