JP2018019513A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 DCブラシレスモータの回転速度に応じて最適な進角を設定することができる安価なモータ制御装置を提供すること。【解決手段】 モータ制御装置1は、DCブラシレスモータ100の誘起電圧を検出する誘起電圧検出部44と、DCブラシレスモータ100の回転速度を表す周波数のパルス信号を生成するパルス信号生成装置45と、上記パルス信号の周波数に相関するアナログ電圧値V1を出力するFV変換装置46と、アナログ電圧値V1を入力するとともに入力したアナログ電圧値V1の大きさをそれぞれ大きさの異なる閾値と比較する複数の比較装置と、複数の比較装置による比較結果に基づいて進角制御信号である中間電圧Vsを生成する進角制御信号生成部53と、進角制御信号生成部53により生成された進角制御信号(中間電圧Vs)に基づいて目標進角値θ*を設定する進角設定部47と、を備える。【選択図】 図1
Description
本発明は、モータ制御装置に関する。
インバータの作動によりDCブラシレスモータを駆動すると、DCブラシレスモータに備えられるコイルに誘起電圧が発生する。この誘起電圧の位相と同じ位相でDCブラシレスモータに電圧を印加すると、コイルのインダクタンス成分によって、コイルに流れる巻線電流の位相が誘起電圧の位相に対して遅れる。誘起電圧の位相と巻線電流の位相がずれた状態でDCブラシレスモータを駆動させた場合、DCブラシレスモータの効率が低下する。従って、一般的には、DCブラシレスモータを駆動させる際に、誘起電圧の位相と巻線電流の位相とを合わせるための進角制御が実行される。
誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の進角の最適値は、モータの回転速度等のモータの特性に依存して様々に変化する。従って、ある特定の回転速度であるときに進角を最適値に設定しても、回転速度が変動すると、効率は低下する。
特許文献1は、電動機の所望の速度を表すベクトル量を受信し、受信したベクトル量に基づいて複数の制御信号を出力して、電動機の回転速度を調整する変調器を具備するモータ制御装置を開示する。変調器が受信するベクトル量には、複素電圧空間ベクトルの大きさ及び角度が含まれる。そして、変調器は、電動機の巻線電流値をセンシングするとともに、複素電圧空間ベクトルの大きさを調整するように構成された1つ又は複数のフィードバックループ制御を実行する。これにより、電動機の回転速度の全範囲にわたる効率が高められるような進角制御が実現される。
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載の進角制御を実行するためには、ベクトル演算に必要なクラーク変換モジュール、デカルト座標から極座標への変換モジュールを必要とする。そのため制御構成が複雑化し、また、複数の複雑な演算処理が必要である。従って、このようなモータ制御用に専用のマイコンを必要とするため、コストが増加する。
特許文献1に記載の進角制御を実行するためには、ベクトル演算に必要なクラーク変換モジュール、デカルト座標から極座標への変換モジュールを必要とする。そのため制御構成が複雑化し、また、複数の複雑な演算処理が必要である。従って、このようなモータ制御用に専用のマイコンを必要とするため、コストが増加する。
本発明は、DCブラシレスモータの回転速度に応じて最適な進角を設定することができる安価なモータ制御装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、DCブラシレスモータ(100)を駆動させるための電流をDCブラシレスモータに供給するインバータ回路(3)と、DCブラシレスモータの駆動によりDCブラシレスモータに備えられるコイルに生じる誘起電圧を検出する誘起電圧検出部(44)と、DCブラシレスモータの回転速度に相関する周波数のパルス信号を生成するパルス信号生成装置(45)と、パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数に相関するアナログ値(V1)を出力するアナログ値出力装置(46)と、アナログ値出力装置が出力するアナログ値を入力するとともに入力したアナログ値の大きさをそれぞれ大きさの異なる閾値(Vth1,Vth2)と比較する複数の比較装置(51,52)と、複数の比較装置による比較結果に基づいて進角制御信号(Vs)を生成する進角制御信号生成部(53)と、を有する進角制御信号生成装置(5)と、進角制御信号生成部により生成された進角制御信号に基づいて、誘起電圧の位相に対するコイルに流れる巻線電流の位相の進角の目標値である目標進角値(θ*)を設定する進角設定部(47)と、誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の進角値が目標進角値に近づくように、DCブラシレスモータを駆動させるための駆動制御信号を生成し、生成した駆動制御信号をインバータ回路に出力する駆動信号制御部(43)と、を備える、モータ制御装置(1)を提供する。
本発明は、DCブラシレスモータ(100)を駆動させるための電流をDCブラシレスモータに供給するインバータ回路(3)と、DCブラシレスモータの駆動によりDCブラシレスモータに備えられるコイルに生じる誘起電圧を検出する誘起電圧検出部(44)と、DCブラシレスモータの回転速度に相関する周波数のパルス信号を生成するパルス信号生成装置(45)と、パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数に相関するアナログ値(V1)を出力するアナログ値出力装置(46)と、アナログ値出力装置が出力するアナログ値を入力するとともに入力したアナログ値の大きさをそれぞれ大きさの異なる閾値(Vth1,Vth2)と比較する複数の比較装置(51,52)と、複数の比較装置による比較結果に基づいて進角制御信号(Vs)を生成する進角制御信号生成部(53)と、を有する進角制御信号生成装置(5)と、進角制御信号生成部により生成された進角制御信号に基づいて、誘起電圧の位相に対するコイルに流れる巻線電流の位相の進角の目標値である目標進角値(θ*)を設定する進角設定部(47)と、誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の進角値が目標進角値に近づくように、DCブラシレスモータを駆動させるための駆動制御信号を生成し、生成した駆動制御信号をインバータ回路に出力する駆動信号制御部(43)と、を備える、モータ制御装置(1)を提供する。
本発明に係るモータ制御装置によれば、複数の比較装置は、アナログ値出力装置が出力するアナログ値と大きさの異なる複数の閾値とを比較する。ここで、アナログ値出力装置が出力するアナログ値は、パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数に相関し、パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数は、DCブラシレスモータの回転速度に相関する。つまり、アナログ値出力装置が出力するアナログ値は、DCブラシレスモータの回転速度を表す。従って、複数の比較装置がアナログ値と大きさの異なる複数の閾値とを比較することにより、DCブラシレスモータの回転速度が、複数に区分された回転速度領域のいずれに属するかを定めることができる。例えば、複数の比較装置の比較結果から、DCブラシレスモータの回転速度が、低速回転領域、中速回転領域、高速回転領域、のいずれに属するかを定めることができる。また、進角制御信号生成部は、複数の比較装置による比較結果に基づいて、DCブラシレスモータの回転速度が属する回転速度領域を表すような進角制御信号を生成することができる。そして、進角設定部は、生成された進角制御信号に基づいて、それぞれの回転速度領域に最適な目標進角値を設定することができる。こうして設定された目標進角値に基づいて駆動信号制御部が駆動制御信号(例えばPWM信号)をインバータ回路に出力することにより、それぞれの回転速度領域において最適な進角制御が実行される。
このように、本発明によれば、複数の回転速度領域のそれぞれに応じて最適な進角を設定することができる。加えて、本発明に係る比較装置は、コンパレータや反転回路等のハードウェア構成のみにより構成することができ、さらに、本発明に係る進角制御信号生成部は、スイッチング素子や抵抗素子等のハードウェア構成のみにより構成することができる。従って、DCブラシレスモータの駆動時における進角の設定に特許文献1に示すようなソフトウェア構成を必要としない。よって、本発明によれば、DCブラシレスモータの回転速度に応じて最適な進角を設定することができる安価なモータ制御装置を提供することができる。
本発明において、比較装置は、アナログ値出力装置が出力するアナログ値を第一閾値(Vth1)と比較するとともに比較結果に応じた第一比較信号を出力する第一比較装置(51)と、アナログ値出力装置が出力するアナログ値を第一閾値よりも大きい第二閾値(Vth2)と比較するとともに比較結果に応じた第二比較信号を出力する第二比較装置(52)と、を備えるとよい。この場合、進角制御信号生成部は、第一比較信号及び第二比較信号を入力するとともに、第一比較信号及び第二比較信号に基づいて、アナログ値が第一閾値以下である場合に進角制御信号として第一進角制御信号を生成し、アナログ値が第一閾値よりも大きく第二閾値以下である場合に進角制御信号として第二進角制御信号を生成し、アナログ値が第二閾値よりも大きい場合に進角制御信号として第三進角制御信号を生成するように構成されるとよい。
これによれば、第一比較装置の比較結果及び第二比較装置の比較結果から、DCブラシレスモータの回転速度が、第一閾値に対応する回転速度と第二閾値に対応する回転速度によって3段階に区分けされた回転速度領域のいずれに属するかを定めることができる。具体的には、DCブラシレスモータの回転速度が、第一閾値以下のアナログ値により表される回転速度領域、第一閾値よりも大きく第二閾値以下であるアナログ値により表される回転速度領域、第二閾値よりも大きいアナログ値により表される回転速度領域、のいずれに属するかを定めることができる。また、進角制御信号生成部は、アナログ値が第一閾値以下である場合に第一進角制御信号を生成し、アナログ値が第一閾値よりも大きく第二閾値以下である場合に第二進角制御信号を生成し、アナログ値が第二閾値よりも大きい場合に第三進角制御信号を生成する。こうして生成された進角制御信号に基づいて、進角設定部は、それぞれの回転速度領域に最適な目標進角値を設定することができる。
パルス信号生成装置は、DCブラシレスモータの回転速度が高いほど高い周波数、つまり、回転速度に比例した周波数のパルス信号を発生するように構成されるとよい。また、アナログ値出力装置は、パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数が高いほど高いアナログ電圧値、つまり、パルス信号の周波数に比例した電圧値(V1)を出力するように構成されるとよい。また、第一比較装置は、アナログ電圧値と、第一閾値に相当する第一閾値電圧(Vth1)とを入力するとともに、アナログ電圧値が第一閾値電圧以下であるときに第一比較信号としてローレベルの電圧信号(Lo信号)を出力し、アナログ電圧値が第一閾値電圧よりも大きいときに第一比較信号としてハイレベルの電圧信号(Hi信号)を出力するように構成される第一電圧比較装置(51)であるとよい。また、第二比較装置は、アナログ電圧値と、第二閾値に相当する第二閾値電圧(Vth2)とを入力するとともに、アナログ電圧値が第二閾値電圧以下であるときに第二比較信号としてハイレベルの電圧信号(Hi信号)を出力し、アナログ電圧値が第二閾値電圧よりも大きいときに第二比較信号としてローレベルの電圧信号(Lo信号)を出力するように構成される第二電圧比較装置(52)であるとよい。そして、進角制御信号生成部は、第一電圧比較装置からローレベルの電圧信号を入力するとともに第二電圧比較装置からハイレベルの電圧信号を入力したときに第一進角制御信号を生成し、第一電圧比較装置及び第二電圧比較装置からハイレベルの電圧信号を入力したときに第二進角制御信号を生成し、第一電圧比較装置からハイレベルの電圧信号を入力するとともに第二電圧比較装置からローレベルの電圧信号を入力したときに第三進角制御信号を生成するように構成されるとよい。
これによれば、第一比較装置の比較結果及び第二比較装置の比較結果から、DCブラシレスモータの回転速度が、アナログ電圧値が第一閾値電圧以下の場合に対応する低速回転領域、アナログ電圧値が第一閾値電圧よりも大きく第二閾値電圧以下である場合に対応する中速回転領域、アナログ電圧値が第二閾値電圧よりも大きい場合に対応する高速回転領域、の3つの速度領域のいずれに属するかを定めることができる。また、信号生成部は、上記のように区分けされた3つの領域に対応する進角制御信号を生成する。こうして生成された進角制御信号に基づいて、進角設定部がそれぞれの速度領域に最適な目標進角値を設定することにより、それぞれの速度領域において最適な進角値でDCブラシレスモータを駆動制御することができる。これにより、DCブラシレスモータの効率を高めることができる。
さらにこの場合、第二電圧比較装置は、アナログ電圧値及び第二閾値電圧が入力されるとともに、アナログ電圧値が第二閾値電圧以下であるときにローレベルの電圧信号を出力し、アナログ電圧値が第二閾値電圧よりも大きいときにハイレベルの電圧信号を出力する電圧比較器(521)と、電圧比較器が出力する電圧信号を入力するとともに、入力された電圧信号がハイレベルの電圧信号であるときにローレベルの電圧信号を出力し、入力された電圧信号がローレベルの電圧信号であるときにハイレベルの電圧信号を出力する反転回路(522)と、を備えるとよい。これによれば、コンパレータ等の電圧比較器と反転回路により、安価に第二電圧比較装置を構成することができる。
また、進角制御信号生成部は、一方端が基準電源(Vcc)に接続された高電圧ライン(531)と、一方端が接地されたグランドライン(532)と、高電圧ラインの途中に介装された第一抵抗素子(533)と、グランドラインの途中に介装された第二抵抗素子(534)と、高電圧ラインの他方端に接続される第一スイッチング素子(535)と、グランドラインの他方端に接続される第二スイッチング素子(536)と、第一スイッチング素子と第二スイッチング素子とを接続する中間ライン(537)と、を備えるとよい。また、第一スイッチング素子は、第一電圧比較装置がハイレベルの電圧信号を出力したときに高電圧ラインと中間ラインとを導通し、第一電圧比較装置がローレベルの電圧信号を出力したときに高電圧ラインと中間ラインとの導通を遮断するように作動するとよい。また、第二スイッチング素子は、第二電圧比較装置がハイレベルの電圧信号を出力したときに中間ラインとグランドラインとを導通し、第二電圧比較装置がローレベルの電圧信号を出力したときに中間ラインとグランドラインとの導通を遮断するように作動するとよい。そして、中間ラインに印加されている電圧である中間電圧により進角生成信号が構成されるとよい。
これによれば、信号生成装置を、高電圧ライン、グランドライン、第一抵抗素子、第二抵抗素子、第一スイッチング素子、第二スイッチング素子、及び中間ラインにより、安価に構成することができる。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るモータ制御装置の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るモータ制御装置1は、商用電源Cから供給される交流電力(商用交流電力)により駆動されるDCブラシレスモータ100を制御する。
このモータ制御装置1は、直流変換器2と、インバータ回路3と、駆動制御部4と、進角制御信号生成装置5とを有する。
直流変換器2は、整流器21と、平滑コンデンサ22とを有する。整流器21は商用電源Cに接続され、商用電源Cから入力される交流電力を直流電力に整流(全波整流又は半波整流)する。平滑コンデンサ22は、整流器21のプラス側出力端子21aに接続されたプラスライン23と整流器21のマイナス側出力端子21bに接続されたマイナスライン24とを接続する接続ライン25に介装されており、整流器21から出力された直流を平滑化する。
インバータ回路3は、DCブラシレスモータ100を駆動させるための電流をDCブラシレスモータ100に供給する。インバータ回路3は、直流変換器2に接続される。また、インバータ回路3は、複数のスイッチング素子UH,UL,VH,VL,WH,WLを備える。本実施形態において、これらのスイッチング素子UH,UL,VH,VL,WH,WLは、電界効果トランジスタ(FET)により構成される。インバータ回路3は、スイッチング素子UHとULが直列接続されたUスイッチ直列回路と、スイッチング素子VHとVLが直列接続されたVスイッチ直列回路と、スイッチング素子WHとWLが直列接続されたWスイッチ直列回路が、並列接続されることにより構成される。スイッチング素子UH,VH,WHを構成する各電界効果トランジスタのドレイン側は、直流変換器2の整流器21のプラス側出力端子21aにプラスライン23を介して接続される。スイッチング素子UL,VL,WLを構成する各電界効果トランジスタのソース側は、直流変換器2の整流器21のマイナス側出力端子21bにマイナスライン24を介して接続される。
DCブラシレスモータ100は、図示しない回転子と、U相固定子コイルUcoilと、V相固定子コイルVcoilと、W相固定子コイルWcoilとを有する三相ブラシレスモータである。各固定子コイルの一端は星型結線され、他端はそれぞれインバータ回路3に接続される。具体的には、U相固定子コイルUcoilが、インバータ回路3のスイッチング素子UH(電界効果トランジスタ)のソースとスイッチング素子UL(電界効果トランジスタ)のドレインとの間を結ぶ配線部分UPに接続され、V相固定子コイルVcoilが、インバータ回路3のスイッチング素子VH(電界効果トランジスタ)のソースとスイッチング素子VL(電界効果トランジスタ)のドレインとの間を結ぶ配線部分VPに接続され、W相固定子コイルWcoilが、インバータ回路3のスイッチング素子WH(電界効果トランジスタ)のソースとスイッチング素子WL(電界効果トランジスタ)のドレインとの間を結ぶ配線部分WPに接続される。
インバータ回路3の各スイッチング素子を構成する電界効果トランジスタのゲートは駆動制御部4に電気的に接続される。駆動制御部4から各スイッチング素子を構成する電界効果トランジスタのゲートに駆動制御信号が出力されることにより、各スイッチング素子のスイッチング作動(駆動)が制御(例えばデューティ制御)される。
駆動制御部4は、電圧指令入力部41と、通電デューティ設定部42と、通電PWM信号制御部43と、誘起電圧検出部44と、パルス信号生成装置45と、FV変換装置46と、進角設定部47とを有する。
電圧指令入力部41は、DCブラシレスモータ100を用いるシステムからの要求に応じた指令信号を出力する。通電デューティ設定部42は、電圧指令入力部41から指令信号を入力するとともに、指令信号に応じたデューティ比を設定し、設定したデューティ比を出力する。
誘起電圧検出部44は、DCブラシレスモータ100が駆動しているときに、DCブラシレスモータ100に備えられる各固定子コイル(Ucoil,Vcoil,Wcoil)に生じる誘起電圧を検出し、検出した誘起電圧を表す情報、特に、誘起電圧の周期及び位相を出力する。具体的には、誘起電圧検出部44は、誘起電圧が基準電圧(中間電圧)を横切るタイミング、つまり、誘起電圧のゼロクロス点を検出する。誘起電圧のゼロクロス点を検出することにより、誘起電圧の周期及び位相を取得することができる。また、DCブラシレスモータ100を矩形波駆動方式で駆動させる場合には、上記のようにして各コイルに発生する誘起電圧を検出することができるが、正弦波駆動方式で駆動させる場合には、各コイルに発生する誘起電圧のみを取り出すことができない。この場合、ホール素子等により、誘起電圧の位相を検出することができる。
通電PWM信号制御部43(駆動信号制御部)は、誘起電圧検出部44から誘起電圧に関する情報を入力し、通電デューティ設定部42からディーティ比を入力し、さらに、後述する進角設定部47から目標進角値θ*を入力する。そして、これらの入力情報に基づいて、駆動制御信号であるPWM(pulse width modulation)信号を生成し、生成したPWM信号をインバータ回路3の各スイッチング素子のゲートに出力する。
パルス信号生成装置45は、誘起電圧検出部44が出力した誘起電圧を表す情報を入力する。また、パルス信号生成装置45は、入力した誘起電圧を表す情報に基づいて、DCブラシレスモータ100の回転速度に相関する周波数のパルス信号を生成する。ここで、誘起電圧の周波数とDCブラシレスモータ100の回転速度は相関関係を有する。具体的には、誘起電圧の周波数とDCブラシレスモータ100の回転速度は正比例する。従って、誘起電圧に基づいて、DCブラシレスモータ100の回転速度を求めることができる。この場合において、パルス信号生成装置45は、DCブラシレスモータ100の回転速度が高いほど(すなわち誘起電圧の周波数が高いほど)高い周波数、例えばDCブラシレスモータ100の回転速度(すなわち誘起電圧の周波数)に比例した周波数のパルス信号を生成すると良い。本実施形態では、パルス信号生成装置45は、誘起電圧の1周期当たり1パルスのパルス信号を生成する。つまり誘起電圧の周波数と同じ周波数のパルス信号を生成する。そして、生成したパルス信号を出力する。
FV変換装置46(アナログ値出力装置)は、パルス信号生成装置45が出力したパルス信号を入力する。そして、入力したパルス信号の周波数に相関するアナログ電圧値V1を生成し、生成したアナログ電圧値V1を出力する。本実施形態では、FV変換装置46は、入力したパルス信号の周波数が高いほど高くなるように、パルス信号の周波数に正比例したアナログ電圧値V1を生成する。図2は、FV変換装置46に入力されたパルス信号の周波数と、FV変換装置46が出力するアナログ電圧値V1との関係の一例を示すグラフである。図2に示すように、出力されるアナログ電圧値V1は、入力されるパルス信号の周波数が多くなるほど大きくなるように、パルス信号の周波数に正比例する。そして、パルス信号の周波数が例えば100Hzであるとき、アナログ電圧値V1は例えば5Vである。なお、アナログ電圧値V1の値とパルス信号の周波数の値の関係は、両者が比例関係であれば、どのような値であってもよい。
ここで、本実施形態において、DCブラシレスモータ100の極数は例えば4極(すなわち2対極)であるとする。この場合、DCブラシレスモータ100が1回転するごとにパルス信号生成装置45が出力するパルス数は2つである。従って、パルス信号の周波数が100Hzであるということは、DCブラシレスモータ100の1秒間当たりの回転数が50回転であること、すなわち、DCブラシレスモータ100の回転速度が3000rpmであることを表す。
従って、FV変換装置46は、DCブラシレスモータ100の回転速度が3000rpmであるときに例えば5Vのアナログ電圧値V1を出力するとした場合、DCブラシレスモータ100の回転速度が2000rpmであるときには3.33Vのアナログ電圧値V1を出力し、DCブラシレスモータ100の回転速度が1000rpmであるときには1.67Vのアナログ電圧値V1を出力する。なお、本実施形態において、DCブラシレスモータ100の定格回転数は、例えば3000rpmである。つまり、DCブラシレスモータ100が定格回転しているとき、パルス信号生成装置45は周波数100Hzのパルス信号を出力し、FV変換装置46は5Vのアナログ電圧値V1を出力する。また、DCブラシレスモータ100の回転速度が2000rpmであるとき、パルス信号生成装置45は周波数66.7Hzのパルス信号を出力し、FV変換装置46は3.33Vのアナログ電圧値V1を出力する。また、DCブラシレスモータ100の回転速度が1000rpmであるとき、パルス信号生成装置45は周波数33.3Hzのパルス信号を出力し、FV変換装置46は1.67Vのアナログ電圧値V1を出力する。
進角設定部47は、後述する進角制御信号生成装置5から進角制御信号としての中間電圧Vsを入力する。また、進角設定部47は、入力した進角制御信号(中間電圧Vs)を基に、目標進角値θ*を設定する。そして、設定した目標進角値θ*を通電PWM信号制御部43に出力する。
進角制御信号生成装置5は、FV変換装置46が出力したアナログ電圧値V1を入力する。そして、入力したアナログ電圧値V1の大きさに基づいて、進角制御信号としての中間電圧Vsを生成する。
図1に示すように、進角制御信号生成装置5は、第一コンパレータ51と、第二電圧比較装置52と、進角制御信号生成部53とを有する。第一コンパレータ51及び第二電圧比較装置52が、本発明の複数の比較装置に相当する。また、第一コンパレータ51が本発明の第一比較装置及び第一電圧比較装置に相当する。また、第二電圧比較装置52が本発明の第二比較装置及び第二電圧比較装置に相当する。
第一コンパレータ51は、2つの入力端子(プラス側入力端子51a(非反転入力端子)、マイナス側入力端子51b(反転入力端子))および一つの出力端子51cを有する。プラス側入力端子51aには、FV変換装置46が出力したアナログ電圧値V1が入力される。マイナス側入力端子51bには、予め設定されている第一閾値電圧Vth1が入力される。第一コンパレータ51は、プラス側入力端子51aから入力した電圧(すなわちFV変換装置46が出力したアナログ電圧値V1)とマイナス側入力端子51bから入力した電圧(すなわち第一閾値電圧Vth1)とを比較し、比較結果に応じた電圧信号を出力端子51cから出力する。具体的には、第一コンパレータ51は、プラス側入力端子51aから入力したアナログ電圧値V1がマイナス側入力端子51bから入力した第一閾値電圧Vth1よりも大きいときに、ハイレベルの電圧信号(Hi信号)を出力端子51cから出力する。また、第一コンパレータ51は、プラス側入力端子51aから入力したアナログ電圧値V1がマイナス側入力端子51bから入力した第一閾値電圧Vth1以下であるときに、ローレベルの電圧信号(Lo信号)を出力端子51cから出力する。Hi信号として、5Vの電圧信号を例示できる。Lo信号として、0Vの電圧信号を例示できる。つまり、電圧を出力しない場合も、Lo信号を出力すると考えることができる。なお、Hi信号の電圧値は、第一コンパレータ51に入力される図示しない正電源電圧(Vcc,Vdd)に依存する。
第二電圧比較装置52は、本実施形態においては、第二コンパレータ521及び反転回路522を備える。第二コンパレータ521が本発明の第二電圧比較装置に備えられる電圧比較器に相当する。
第二コンパレータ521も第一コンパレータ51と同様に、2つの入力端子(プラス側入力端子521a(非反転入力端子)、マイナス側入力端子521b(反転入力端子))及び一つの出力端子521cを有する。プラス側入力端子521aには、FV変換装置46が出力したアナログ電圧値V1が入力される。マイナス側入力端子521bには、予め設定されている第二閾値電圧Vth2が入力される。第二コンパレータ521は、プラス側入力端子521aから入力された電圧(すなわちFV変換装置46が出力したアナログ電圧値V1)とマイナス側入力端子521bから入力された電圧(すなわち第二閾値電圧Vth2)とを比較し、比較結果に応じた電圧信号を出力端子521cから出力する。具体的には、第二コンパレータ521は、プラス側入力端子521aから入力したアナログ電圧値V1がマイナス側入力端子521bから入力した第二閾値電圧Vth2よりも大きいときに、ハイレベルの電圧信号(Hi信号)を出力端子521cから出力する。また、第二コンパレータ521は、プラス側入力端子521aから入力したアナログ電圧値V1がマイナス側入力端子521bから入力した第二閾値電圧Vth2以下であるときに、ローレベルの電圧信号(Lo信号)を出力端子521cから出力する。Hi信号として、5Vの電圧信号を例示できる。Lo信号として、0Vの電圧信号を例示できる。つまり、電圧を出力しない場合も、Lo信号を出力すると考えることができる。なお、Hi信号の電圧値は、第二コンパレータ521に入力される図示しない正電源電圧(Vcc,Vdd)に依存する。
また、本実施形態において、第一閾値電圧Vth1は、例えば1.67Vに設定され、第二閾値電圧Vth2は例えば3.33Vに設定される。従って、第二閾値電圧Vth2は、第一閾値電圧Vth1よりも大きい。第一閾値電圧Vth1と第二閾値電圧Vth2は、第二閾値電圧Vth2が第一閾値電圧Vth1よりも大きいという関係性を有する限り、任意の電圧値に設定することができる。
反転回路522は、一つの入力端子522a及び一つの出力端子522bを有する。反転回路522の入力端子522aには、第二コンパレータ521の出力端子521cから出力された電圧信号が入力される。反転回路522は、入力した電圧信号を反転させた電圧信号を生成し、生成した電圧信号を出力端子522bから出力する。つまり、反転回路522は、Hi信号を入力した場合にLo信号を出力し、Lo信号を入力した場合にHi信号を出力する。
進角制御信号生成部53は、高電圧ライン531と、グランドライン532と、第一抵抗素子533と、第二抵抗素子534と、第一スイッチング素子としての第一デジタルトランジスタ535と、第二スイッチング素子としての第二デジタルトランジスタ536と、中間ライン537とを有する。
高電圧ライン531の一方端に基準電源Vccが接続される。本実施形態では、基準電源Vccの電圧は、例えば5Vである。また、グランドライン532の一方端は接地される。高電圧ライン531の途中に第一抵抗素子533が介装される。第一抵抗素子533の抵抗値は、本実施形態では例えば10kΩである。また、グランドライン532の途中に第二抵抗素子534が介装される。第二抵抗素子534の抵抗値は、本実施形態では例えば10kΩである。
第一デジタルトランジスタ535は、コレクタ端子、エミッタ端子、ベース端子を有する。第一デジタルトランジスタ535のコレクタ端子が高電圧ライン531の他方端に接続される。第一デジタルトランジスタ535のベース端子は、第一コンパレータ51の出力端子51cに接続される。
第二デジタルトランジスタ536も、第一デジタルトランジスタ535と同様に、コレクタ端子、エミッタ端子、ベース端子を有する。第二デジタルトランジスタ536のエミッタ端子がグランドライン532の他方端に接続される。第二デジタルトランジスタ536のベース端子は、反転回路522の出力端子522bに接続される。
また、中間ライン537の一方端に第一デジタルトランジスタ535のエミッタ端子が接続され、中間ライン537の他方端に第二デジタルトランジスタ536のコレクタ端子が接続される。つまり、中間ライン537は、第一デジタルトランジスタ535のエミッタ端子と第二デジタルトランジスタ536のコレクタ端子とを接続する。
上記構成からわかるように、第一デジタルトランジスタ535は高電圧ライン531の他方端に接続され、第二デジタルトランジスタ536はグランドライン532の他方端に接続され、第一デジタルトランジスタ535と第二デジタルトランジスタ536とが中間ライン537により接続される。
第一デジタルトランジスタ535は、そのベース端子にHi信号が入力されたときに、高電圧ライン531と中間ライン537とを導通し(すなわちコレクタ−エミッタ間を導通し)、そのベース端子にLo信号が入力されたときに、高電圧ライン531と中間ライン537との導通を遮断する(すなわちコレクタ−エミッタ間の導通を遮断する)ように、スイッチング作動する。また、第二デジタルトランジスタ536は、そのベース端子にHi信号が入力されたときに、中間ライン537とグランドライン532とを導通し(すなわちコレクタ−エミッタ間を導通し)、そのベース端子にLo信号が入力されたときに、中間ライン537とグランドライン532との導通を遮断する(すなわちコレクタ−エミッタ間の導通を遮断する)ように、スイッチング作動する。
また、進角制御信号生成部53は、中間ライン537に印加されている電圧を、中間電圧Vsとして、進角設定部47に出力する。この中間電圧Vsが進角制御信号に相当する。つまり、進角制御信号生成部53は、進角制御信号としての中間電圧Vsを生成し、生成した中間電圧Vsを進角設定部47に出力する。
次に、このような構成のモータ制御装置1を用いたDCブラシレスモータ100の作動について説明する。商用電源Cから供給される交流電力は、直流変換器2の整流器21に入力される。この整流器21にて、交流電力が直流電力に変換され、さらに平滑コンデンサ22により平滑化される。平滑化された直流電力はインバータ回路3に入力される。インバータ回路3に入力された直流電力は、インバータ回路3に備えられる複数のスイッチング素子が駆動制御部4の通電PWM信号制御部43から出力されるPWM信号に基づいて作動することにより、交流電力に変換される。そして、インバータ回路3により変換された交流電力が、DCブラシレスモータ100に供給される。これにより、DCブラシレスモータ100が駆動する。
DCブラシレスモータ100の駆動中、通電PWM信号制御部43は、電圧指令入力部41が出力する指令信号に応じて通電デューティ設定部42が設定したデューティ比を入力する。また、通電PWM信号制御部43は、誘起電圧検出部44が検出した誘起電圧に基づいてDCブラシレスモータ100の回転子の回転位置(DCブラシレスモータ100の回転角度)を取得する。さらに、通電PWM信号制御部43は、進角設定部47から目標進角値θ*を入力する。そして、通電PWM信号制御部43は、取得した回転子の回転位置、入力したデューティ比及び目標進角値θ*に基づいて、PWM信号を生成し、生成したPWM信号をインバータ回路3に出力する。
なお、DCブラシレスモータ100の駆動方式が矩形波駆動方式である場合、DCブラシレスモータ100の始動時には、誘起電圧が発生していないために、PWM信号制御部43は回転子の回転位置を特定することができない。従って、DCブラシレスモータ100の始動時には、PWM信号制御部43は、1相励磁通電信号を出力して回転子の位置を固定し、その後、通電デューティ設定部42が設定したデューティ比で強制転流信号を出力してインバータ回路3を駆動させる。こうして強制的にDCブラシレスモータ100を回転させた後に、誘起電圧に基づいてDCブラシレスモータ100の回転位置を特定し、特定した回転位置に基づいてPWM信号を生成する。
DCブラシレスモータ100が駆動すると、DCブラシレスモータ100に備えられる各相コイルに誘起電圧が発生する。誘起電圧の位相と同じ位相でDCブラシレスモータ100に電圧が印加されるようにインバータ回路3を駆動させた場合、コイルのインダクタンス成分によって、コイルに流れる巻線電流の位相が誘起電圧の位相に対して遅れる。誘起電圧の位相と巻線電流の位相がずれた状態でDCブラシレスモータ100を駆動させた場合、DCブラシレスモータ100の効率が低下する。従って、DCブラシレスモータ100を駆動させる際に、誘起電圧の位相と巻線電流の位相とを合わせるための進角制御が実行される。本実施形態では、進角設定部47により出力された目標進角値θ*に基づいて進角制御がなされる。以下において、進角設定部47が設定する目標進角値θ*の設定の流れについて説明する。
進角設定部47は、目標進角値θ*を設定するにあたり、目標進角設定処理を実行する。図3は、進角設定部47が実行する目標進角設定処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。図3に示すルーチンは、強制転流によるDCブラシレスモータ100の駆動後に所定の短時間ごとに繰り返し実行される。
図3に示すルーチンが起動すると、進角設定部47は、まず、図3のステップ(以下、ステップをSと略記する)1にて、進角制御信号生成装置5の進角制御信号生成部53から中間電圧Vsを入力する。続いて、進角設定部47は、入力した中間電圧Vsに基づいて、目標進角値θ*を設定する。ここで、進角設定部47が入力する中間電圧Vsは、FV変換装置46から進角制御信号生成装置5に入力されるアナログ電圧値V1の大きさに応じて3段階に変化する。進角設定部47は、アナログ電圧値V1の大きさに応じて3段階に変化する中間電圧Vsのそれぞれに応じた目標進角値θ*を設定する。以下、アナログ電圧値V1に応じて中間電圧Vsがどのように変化するかについて、説明する。
(1)アナログ電圧値V1が1.67V以下である場合
この場合、アナログ電圧値V1が第一閾値電圧Vth1以下であり、且つ第二閾値電圧Vth2未満である。よって、第一コンパレータ51及び第二コンパレータ521は、共にLo信号を出力する。第一コンパレータ51から出力されたLo信号は第一デジタルトランジスタ535のベース端子に入力される。この場合、第一デジタルトランジスタ535のコレクタ−エミッタ間は導通しない。よって、進角制御信号生成部53の高電圧ライン531と中間ライン537との導通は遮断される。つまり、中間ライン537と基準電源Vccとの接続が遮断される。
この場合、アナログ電圧値V1が第一閾値電圧Vth1以下であり、且つ第二閾値電圧Vth2未満である。よって、第一コンパレータ51及び第二コンパレータ521は、共にLo信号を出力する。第一コンパレータ51から出力されたLo信号は第一デジタルトランジスタ535のベース端子に入力される。この場合、第一デジタルトランジスタ535のコレクタ−エミッタ間は導通しない。よって、進角制御信号生成部53の高電圧ライン531と中間ライン537との導通は遮断される。つまり、中間ライン537と基準電源Vccとの接続が遮断される。
また、第二コンパレータ521から出力されたLo信号は反転回路522に入力される。反転回路522は、入力したLo信号をHi信号に変換し、変換したHi信号を出力する。反転回路522から出力されたHi信号は第二デジタルトランジスタ536のベース端子に入力される。これにより第二デジタルトランジスタ536のコレクタ−エミッタ間が導通する。よって、進角制御信号生成部53の中間ライン537とグランドライン532が第二デジタルトランジスタ536を介して導通する。つまり、中間ライン537はグランドライン532を介して接地される。
従って、アナログ電圧値V1が例えば1.67V以下である場合、中間ライン537と基準電源Vccとの接続が遮断されるとともに、中間ライン537が接地される。この場合、中間ライン537の電圧は0Vになる。つまり、中間電圧Vsは0Vである。
(2)アナログ電圧値V1が1.67Vよりも大きく3.33V以下の場合
この場合、アナログ電圧値V1は第一閾値電圧Vth1よりも大きく第二閾値電圧Vth2以下である。よって、第一コンパレータ51はHi信号を出力し、一方、第二コンパレータ521はLo信号を出力する。第一コンパレータ51から出力されたHi信号は第一デジタルトランジスタ535のベース端子に入力される。これにより第一デジタルトランジスタ535のコレクタ−エミッタ間が導通する。よって、進角制御信号生成部53の高電圧ライン531と中間ライン537が第一デジタルトランジスタ535を介して導通する。つまり、中間ライン537は高電圧ライン531を介して基準電源Vccに接続される。
この場合、アナログ電圧値V1は第一閾値電圧Vth1よりも大きく第二閾値電圧Vth2以下である。よって、第一コンパレータ51はHi信号を出力し、一方、第二コンパレータ521はLo信号を出力する。第一コンパレータ51から出力されたHi信号は第一デジタルトランジスタ535のベース端子に入力される。これにより第一デジタルトランジスタ535のコレクタ−エミッタ間が導通する。よって、進角制御信号生成部53の高電圧ライン531と中間ライン537が第一デジタルトランジスタ535を介して導通する。つまり、中間ライン537は高電圧ライン531を介して基準電源Vccに接続される。
また、第二コンパレータ521から出力されたLo信号は反転回路522に入力される。反転回路522は、入力したLo信号をHi信号に変換し、変換したHi信号を出力する。反転回路522から出力されたHi信号は第二デジタルトランジスタ536のベース端子に入力される。これにより第二デジタルトランジスタ536のコレクタ−エミッタ間が導通する。よって、進角制御信号生成部53の中間ライン537とグランドライン532が第二デジタルトランジスタ536を介して導通する。つまり、中間ライン537はグランドライン532を介して接地される。
従って、アナログ電圧値V1が1.67Vよりも大きく3.33V以下である場合、中間ライン537は、その一方端にて高電圧ライン531を介して基準電源Vccに接続されるとともに、その他方端にてグランドライン532を介して接地される。この場合、中間ライン537の電圧は、基準電源Vccの電圧(5V)に、高電圧ライン531に介装された第一抵抗素子533の抵抗値(10kΩ)とグランドライン532に介装された第二抵抗素子534の抵抗値(10kΩ)との和(20kΩ)に対する第二抵抗素子534の抵抗値(10kΩ)の比を乗じた大きさにされる。本実施形態において、第一抵抗素子533の抵抗値及び第二抵抗素子534の抵抗値は共に同じ大きさ(10kΩ)である。従って、中間ライン537の電圧は、基準電源Vccの電圧(5V)の大きさの半分の大きさ、すなわち2.5Vである。つまり、中間電圧Vsは2.5Vである。
(3)アナログ電圧値V1が3.33Vよりも大きい場合
この場合、アナログ電圧値V1は、第一閾値電圧Vth1よりも大きく、且つ、第二閾値電圧Vth2よりも大きい。よって、第一コンパレータ51及び第二コンパレータ521は、共にHi信号を出力する。第一コンパレータ51から出力されたHi信号は第一デジタルトランジスタ535のベース端子に入力される。これにより第一デジタルトランジスタ535のコレクタ−エミッタ間が導通する。よって、進角制御信号生成部53の高電圧ライン531と中間ライン537が第一デジタルトランジスタ535を介して導通する。つまり、中間ライン537が、高電圧ライン531を介して基準電源Vccに接続される。
この場合、アナログ電圧値V1は、第一閾値電圧Vth1よりも大きく、且つ、第二閾値電圧Vth2よりも大きい。よって、第一コンパレータ51及び第二コンパレータ521は、共にHi信号を出力する。第一コンパレータ51から出力されたHi信号は第一デジタルトランジスタ535のベース端子に入力される。これにより第一デジタルトランジスタ535のコレクタ−エミッタ間が導通する。よって、進角制御信号生成部53の高電圧ライン531と中間ライン537が第一デジタルトランジスタ535を介して導通する。つまり、中間ライン537が、高電圧ライン531を介して基準電源Vccに接続される。
また、第二コンパレータ521から出力されたHi信号は反転回路522に入力される。反転回路522は、入力したHi信号をLo信号に変換し、変換したLo信号を出力する。反転回路522から出力されたLo信号は第二デジタルトランジスタ536のベース端子に入力される。この場合、第二デジタルトランジスタ536のコレクタ−エミッタ間は導通しない。よって、進角制御信号生成部53の中間ライン537とグランドライン532との導通は遮断される。つまり、中間ライン537は接地されない。
従って、アナログ電圧値V1が3.33Vよりも大きい場合、中間ライン537は、接地されることなく、高電圧ライン531を介して基準電源Vccに接続される。この場合、中間ライン537の電圧は基準電源Vccの電圧に等しくなる。よって、アナログ電圧値V1が3.33Vよりも大きいときには、中間電圧Vsは5Vである。
上記の説明からわかるように、中間電圧Vsは、アナログ電圧値V1が1.67V以下であるときには例えば0Vであり、1.67Vよりも大きく3.33V以下であるときには例えば2.5Vであり、3.33Vよりも大きいときには例えば5Vである。0Vである中間電圧Vsが本発明の第一進角制御信号に相当し、2.5Vである中間電圧Vsが本発明の第二進角制御信号に相当し、5Vである中間電圧Vsが本発明の第三進角制御信号に相当する。このように、進角制御信号生成部53は、第一コンパレータ51(第一電圧比較装置)の比較結果及び第二電圧比較装置52の比較結果に基づいて、アナログ電圧値V1に応じて3段階に変化する中間電圧Vs(進角制御信号)を生成する。こうして生成された中間電圧Vsに基づいて、目標進角値θ*が進角設定部47により設定される。
進角設定部47は、アナログ電圧値V1に応じて3段階に変化する中間電圧Vsに基づいて目標進角値θ*を設定するにあたり、S1にて中間電圧Vsを入力した後に、入力した中間電圧Vsが0Vであるか否かを判断する(S2)。中間電圧Vsが0Vである場合(S2:Yes)、進角設定部47は、S4に処理を進めて目標進角値θ*を予め記憶されている低速用進角値θLoに設定する。その後、進角設定部47は、このルーチンを一旦終了する。
また、S2にて、中間電圧Vsが0Vでないと判断した場合(S2:No)、進角設定部47は、S3に処理を進め、中間電圧Vsが2.5Vであるか否かを判断する。中間電圧Vsが2.5Vである場合(S3:Yes)、進角設定部47は、S5に処理を進めて目標進角値θ*を予め記憶されている中速用進角値θMidに設定する。その後、進角設定部47は、このルーチンを一旦終了する。
また、S3にて、中間電圧Vsが2.5Vでないと判断した場合(S3:No)、進角設定部47はS6に処理を進める。ここで、S3の判断結果がNoである場合は、中間電圧Vsが0Vでも2.5Vでもない場合である。この場合、中間電圧Vsは5Vである。中間電圧Vsが5Vである場合、つまりS3の判断結果がNoである場合、進角設定部47は、S6にて、目標進角値θ*を予め記憶されている高速用進角値θHiに設定する。その後、進角設定部47は、このルーチンを一旦終了する。
このように、進角設定部47は、進角制御信号生成部53により生成された中間電圧Vs(進角制御信号)に基づいて、目標進角値θ*を設定する。
進角設定部47で設定された目標進角値θ*は、上述したように通電PWM信号制御部43に入力される。通電PWM信号制御部43は、誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の進角値が、入力された目標進角値θ*に近づくように(または一致するように)、PWM信号を生成する。そして、生成したPWM信号をインバータ回路3に出力する。これにより、誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の進角が目標進角値θ*近づくように(または一致するように)、進角が制御される。
上述のようにして目標進角値θ*が設定された場合、目標進角値θ*は、中間電圧Vsが例えば0Vである場合、中間電圧Vsが例えば2.5Vである場合、中間電圧Vsが例えば5Vである場合、のそれぞれの場合に、場合分けして設定される。言い換えれば、目標進角値θ*を、中間電圧Vsが例えば0Vである場合、例えば2.5Vである場合、例えば5Vである場合のそれぞれについて、設定することができる。
また、中間電圧Vsは、アナログ電圧値V1の大きさに応じて段階的に変化する。具体的には、アナログ電圧値V1が1.67V以下の場合に中間電圧Vsが例えば0Vであり、アナログ電圧値V1が1.67Vより大きく3.33V以下の場合に中間電圧Vsが例えば2.5Vであり、アナログ電圧値V1が3.33Vよりも大きい場合に中間電圧Vsが例えば5Vである。
また、アナログ電圧値V1が、1.67V以下であるか、1.67Vよりも大きく3.33V以下であるか、3.33Vよりも大きいかは、第一コンパレータ51及び第二電圧比較装置52によるアナログ電圧値V1と閾値(第一閾値電圧Vth1,第二閾値電圧Vth2)との比較結果から判断される。
また、アナログ電圧値V1が1.67V以下であるとき、パルス信号生成装置45が出力するパルス信号の周波数は33.3Hz以下である。パルス信号の周波数が33.3Hz以下であるとき、DCブラシレスモータ100は1000rpm以下の低速で回転している。また、アナログ電圧値V1が1.67Vよりも大きく3.33V以下であるとき、パルス信号生成装置45が出力するパルス信号の周波数は、33.3Hzよりも大きく66.7Hz以下である。パルス信号の周波数が33.3Hzよりも大きく66.7Hz以下であるとき、DCブラシレスモータ100は1000rpmよりも大きく2000rpm以下の中速で回転している。また、アナログ電圧値V1が3.33Vよりも大きいとき、パルス信号生成装置45が出力するパルス信号の周波数は、66.7Hzよりも大きい。パルス信号の周波数が66.7Hzよりも大きいとき、DCブラシレスモータ100は2000rpmよりも大きい高速で回転している。
以上のことからすれば、第一コンパレータ51及び第二電圧比較装置52がアナログ電圧値V1と大きさの異なる複数の閾値(Vth1、Vth2)とを比較することにより、DCブラシレスモータ100の回転速度が、複数に区分された回転速度領域(低速回転領域、中速回転領域、高速回転領域)のいずれに属するかが定められることになる。そして、進角制御信号生成部53は、DCブラシレスモータ100の回転速度が属する回転速度領域を表す信号を、中間電圧Vs(進角制御信号)として生成する。従って、中間電圧Vsは、DCブラシレスモータ100の回転速度が属する回転速度領域を表すことになる。
こうして生成された回転速度領域を表す中間電圧Vsに基づいて、目標進角値θ*が進角設定部47により設定される。このため、DCブラシレスモータ100の回転速度が属する回転速度領域における目標進角値θ*を、それぞれの回転速度領域に対応させて、設定することができる。具体的には、進角設定部47は、DCブラシレスモータ100の回転速度が1000rpm以下の低速回転時(すなわちDCブラシレスモータ100の回転速度が低速回転領域に属するとき)に、目標進角値θ*を低速用進角値θLoに設定する。また、進角設定部47は、DCブラシレスモータの回転速度が1000rpmよりも大きく2000rpm以下の中速回転時(すなわちDCブラシレスモータ100の回転速度が中速回転領域に属するとき)に、目標進角値θ*を中速用進角値θMidに設定する。また、進角設定部47は、DCブラシレスモータ100の回転速度が2000rpmよりも大きい高速回転時(すなわちDCブラシレスモータ100の回転速度が高速回転領域に属するとき)に目標進角値θ*を高速用進角値θHiに設定する。換言すれば、本実施形態に係るモータ制御装置1は、DCブラシレスモータ100の回転速度が低速回転領域に属する場合、中速回転領域に属する場合、高速回転領域に属する場合、のそれぞれの場合において、異なる目標進角値θ*を設定することができるように構成される。
DCブラシレスモータ100が低速回転している場合、中速回転している場合、及び高速回転している場合、のそれぞれの場合における最適な進角値はそれぞれ異なる。また、各回転速度領域における最適な進角値は、予め実験等により求めることができる。従って、低速回転領域における最適な進角値を低速用進角値θLoとして、中速回転領域における最適な進角値を中速用進角値θMidとして、高速回転領域における最適な進角値を高速用進角値θHiとして、進角設定部47に予め記憶させておき、図3のS4,S5,S6の処理において記憶されている最適な進角値を用いて目標進角値θ*を設定することができる。こうして目標進角値θ*を設定し、設定した目標進角値θ*に基づいて進角制御を実行することにより、それぞれの回転速度領域において、効率の高いモータ制御を実現することができる。
以上のように、本実施形態に係るモータ制御装置1は、DCブラシレスモータ100を駆動させるための電流をDCブラシレスモータ100に供給するインバータ回路3と、DCブラシレスモータ100の駆動によりDCブラシレスモータ100に備えられるコイルに生じる誘起電圧を検出する誘起電圧検出部44と、DCブラシレスモータ100の回転速度に相関する周波数のパルス信号を生成するパルス信号生成装置45と、パルス信号生成装置45が生成するパルス信号の周波数に相関するアナログ電圧値V1を出力するFV変換装置46と、FV変換装置46が出力するアナログ電圧値V1を入力するとともに入力したアナログ電圧値V1の大きさをそれぞれ大きさの異なる閾値(Vth1,Vth2)と比較する複数の比較装置(第一コンパレータ51,第二電圧比較装置52)と、複数の比較装置による比較結果に基づいて進角制御信号である中間電圧Vsを生成する進角制御信号生成部53と、を有する進角制御信号生成装置5と、進角制御信号生成部53により生成された進角制御信号(中間電圧Vs)に基づいて目標進角値θ*を設定する進角設定部47と、誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の進角値が目標進角値θ*に近づくように、DCブラシレスモータ100を駆動させるためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号をインバータ回路3に出力する通電PWM信号制御部43と、を備える。
本実施形態に係るモータ制御装置1によれば、複数の回転速度領域(低速回転領域、中速回転領域、高速回転領域)のそれぞれに応じて最適な進角を設定することができる。加えて、本実施形態に係る比較装置(第一コンパレータ51、第二電圧比較装置52)は、コンパレータや反転回路等のハードウェア構成のみにより構成することができ、さらに、本実施形態に係る進角制御信号生成部53は、スイッチング素子(デジタルトランジスタ)や抵抗素子等のハードウェア構成のみにより構成することができる。従って、DCブラシレスモータ100の駆動時における進角の設定に特許文献1に示すようなソフトウェア構成を必要としない。よって、本実施形態によれば、DCブラシレスモータ100の回転速度に応じて最適な進角を設定することができる安価なモータ制御装置を提供することができる。
本実施形態に係るモータ制御装置1は、様々な用途に用いられるDCブラシレスモータに適用することができる。特に、GHP(ガスヒートポンプ)などの空調機器の室外機に取り付けられるファンを回転させるためのファンモータに本実施形態に係るモータ制御装置1を適用すると、より効果的である。近年において、空調機器の効率は、通年エネルギー消費効率(Annual Performance Factor:以下、APF)という指標により表される。APFは、定格負荷運転時(すなわちモータの定格回転時)における効率のみならず、中間負荷運転時或いは低負荷運転時等の部分負荷運転時(すなわちモータの中速回転時及び低速回転時)における効率も加味して算出される。従って、空調機器のファンモータのモータ制御装置に本実施形態に係るモータ制御装置を利用することで、定格負荷時及び部分負荷時の双方の効率を高めることができ、結果として、APFを向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、商用電源Cを利用してDCブラシレスモータ100を駆動させる場合に用いられるモータ制御装置を示したが、それ以外の電源を利用してDCブラシレスモータを駆動させる場合に用いられるモータ制御装置にも、本発明を適用することができる。また、直流電源を用いてDCブラシレスモータを駆動させる場合に用いられるモータ制御装置にも、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、2つの比較器(第一コンパレータ51及び第二電圧比較装置52)を用いてDCブラシレスモータの回転速度領域を3つの速度領域に区分し、区分したそれぞれの速度領域に最適な進角を設定する例について説明したが、3つ以上の比較器を用いてDCブラシレスモータの回転速度領域を4つ以上の速度領域に区分し、区分したそれぞれの速度領域に最適な進角を設定するように構成することもできる。
また、上記実施形態では、パルス信号生成装置45が誘起電圧の1周期当たり1パルスのパルス信号を生成する例を示したが、パルス信号生成装置は、誘起電圧の周波数(DCブラシレスモータの回転速度)に相関する周波数のパルス信号を生成するものであればよい。
また、上記実施形態では、FV変換装置46によりパルス信号の周波数をアナログ電圧値に変換する例について示したが、パルス信号の周波数を電圧以外のアナログ値に変換してもよい。また、上記実施形態では、FV変換装置46が、入力したパルス信号の周波数に比例する大きさのアナログ電圧値V1を出力する例を示したが、入力したパルス信号の周波数に相関するアナログ値を出力するものであればよい。
また、上記実施形態では、進角制御信号生成部53に備えられる第一抵抗素子533の抵抗値と第二抵抗素子534の抵抗値が同じである例を示したが、それぞれの抵抗素子の抵抗値が異なっていても良い。さらに、上記実施形態では、進角制御信号生成部53に備えられる第一スイッチング素子及び第二スイッチング素子として、デジタルトランジスタを例示したが、それ以外のスイッチング素子を利用することもできる。
また、進角制御信号制御装置5を、図4に示すような構成にすることもできる。図4によれば、第一抵抗素子533に並列的に第三抵抗素子538が設けられ、第二抵抗素子534に並列的に第四抵抗素子539が設けられる。また、第三抵抗素子538と第四抵抗素子539が第二中間ライン540により接続される。そして、中間ライン537及び第二中間ライン540を結ぶラインに生成する電圧が、中間電圧Vsとして生成される。このように進角制御信号制御装置5を構成することにより、抵抗の分圧を利用して、中間電圧Vsを、低電圧値VLo〜高電圧値VHiの範囲で任意に設定することができる。
また、上記実施形態に記載された種々の数値、例えば、パルス信号生成装置45が出力するパルス信号の周波数とFV変換装置46が出力するアナログ電圧値との関係を表す数値、第一閾値電圧Vth1の値、第二閾値電圧Vth2の値、第一抵抗素子533の抵抗値、第二抵抗素子534の抵抗値、基準電圧Vccの電圧値、中間電圧Vsの電圧値、DCブラシレスモータ100の各回転速度領域(低速回転領域、中速回転領域、高速回転領域)の上下限値等はあくまで一例であり、これらの数値は適宜変更することができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…モータ制御装置、2…直流変換器、3…インバータ回路、4…駆動制御部、41…電圧指令入力部、42…通電デューティ設定部、43…PWM信号制御部(駆動信号制御部)、44…誘起電圧検出部、45…パルス信号生成装置、46…FV変換装置(アナログ値出力装置)、47…進角設定部、5…進角制御信号生成装置、51…第一コンパレータ(比較装置、第一比較装置)、52…第二電圧比較装置(比較装置、第二比較装置)、521…第二コンパレータ(電圧比較器)、522…反転回路、53…進角制御信号生成部
531…高電圧ライン、532…グランドライン、533…第一抵抗素子、534…第二抵抗素子、535…第一デジタルトランジスタ(第一スイッチング素子)、536…第二デジタルトランジスタ(第二スイッチング素子)、537…中間ライン、100…ブラシレスモータ、V1…アナログ電圧値(アナログ値)、Vcc…基準電源、Vs…中間電圧(進角制御信号)、Vth1…第一閾値電圧(第一閾値)、Vth2…第二閾値電圧(第二閾値)、θ*…目標進角値、θHi…高速用進角値、θLo…低速用進角値、θMid…中速用進角値
531…高電圧ライン、532…グランドライン、533…第一抵抗素子、534…第二抵抗素子、535…第一デジタルトランジスタ(第一スイッチング素子)、536…第二デジタルトランジスタ(第二スイッチング素子)、537…中間ライン、100…ブラシレスモータ、V1…アナログ電圧値(アナログ値)、Vcc…基準電源、Vs…中間電圧(進角制御信号)、Vth1…第一閾値電圧(第一閾値)、Vth2…第二閾値電圧(第二閾値)、θ*…目標進角値、θHi…高速用進角値、θLo…低速用進角値、θMid…中速用進角値
Claims (5)
- DCブラシレスモータを駆動させるための電流を前記DCブラシレスモータに供給するインバータ回路と、
前記DCブラシレスモータの駆動により前記DCブラシレスモータに備えられるコイルに生じる誘起電圧を検出する誘起電圧検出部と、
前記DCブラシレスモータの回転速度に相関する周波数のパルス信号を生成するパルス信号生成装置と、
前記パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数に相関するアナログ値を出力するアナログ値出力装置と、
前記アナログ値出力装置が出力するアナログ値を入力するとともに入力したアナログ値の大きさをそれぞれ大きさの異なる閾値と比較する複数の比較装置と、複数の前記比較装置による比較結果に基づいて進角制御信号を生成する進角制御信号生成部と、を有する進角制御信号生成装置と、
前記進角制御信号生成部により生成された前記進角制御信号に基づいて、前記誘起電圧の位相に対する前記コイルに流れる巻線電流の位相の進角の目標値である目標進角値を設定する進角設定部と、
前記誘起電圧の位相に対する前記巻線電流の位相の進角値が前記目標進角値に近づくように、前記DCブラシレスモータを駆動させるための駆動制御信号を生成し、生成した駆動制御信号を前記インバータ回路に出力する駆動信号制御部と、
を備える、モータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置において、
前記比較装置は、
前記アナログ値出力装置が出力するアナログ値を第一閾値と比較するとともに比較結果に応じた第一比較信号を出力する第一比較装置と、
前記アナログ値出力装置が出力するアナログ値を前記第一閾値よりも大きい第二閾値と比較するとともに比較結果に応じた第二比較信号を出力する第二比較装置と、を備え、
前記進角制御信号生成部は、
前記第一比較信号及び前記第二比較信号を入力するとともに、前記第一比較信号及び前記第二比較信号に基づいて、前記アナログ値が前記第一閾値以下である場合に前記進角制御信号として第一進角制御信号を生成し、前記アナログ値が前記第一閾値よりも大きく前記第二閾値以下である場合に前記進角制御信号として第二進角制御信号を生成し、前記アナログ値が前記第二閾値よりも大きい場合に前記進角制御信号として第三進角制御信号を生成するように構成される、
モータ制御装置。 - 請求項2に記載のモータ制御装置において、
前記パルス信号生成装置は、前記DCブラシレスモータの回転速度が高いほど高い周波数のパルス信号を発生するように構成され、
前記アナログ値出力装置は、前記パルス信号生成装置が生成するパルス信号の周波数が高いほど高いアナログ電圧値を出力するように構成され、
前記第一比較装置は、前記アナログ電圧値と、前記第一閾値に相当する第一閾値電圧とを入力するとともに、前記アナログ電圧値が前記第一閾値電圧以下であるときに前記第一比較信号としてローレベルの電圧信号を出力し、前記アナログ電圧値が前記第一閾値電圧よりも大きいときに前記第一比較信号としてハイレベルの電圧信号を出力するように構成される第一電圧比較装置であり、
前記第二比較装置は、前記アナログ電圧値と、前記第二閾値に相当する第二閾値電圧とを入力するとともに、前記アナログ電圧値が前記第二閾値電圧以下であるときに前記第二比較信号としてハイレベルの電圧信号を出力し、前記アナログ電圧値が前記第二閾値電圧よりも大きいときに前記第二比較信号としてローレベルの電圧信号を出力するように構成される第二電圧比較装置であり、
前記進角制御信号生成部は、前記第一電圧比較装置からローレベルの電圧信号を入力するとともに前記第二電圧比較装置からハイレベルの電圧信号を入力したときに前記第一進角制御信号を生成し、前記第一電圧比較装置及び前記第二電圧比較装置からハイレベルの電圧信号を入力したときに前記第二進角制御信号を生成し、前記第一電圧比較装置からハイレベルの電圧信号を入力するとともに前記第二電圧比較装置からローレベルの電圧信号を入力したときに前記第三進角制御信号を生成するように構成される、
モータ制御装置。 - 請求項3に記載のモータ制御装置において、
前記第二電圧比較装置は、
前記アナログ電圧値及び前記第二閾値電圧が入力されるとともに、前記アナログ電圧値が前記第二閾値電圧以下であるときにローレベルの電圧信号を出力し、前記アナログ電圧値が前記第二閾値電圧よりも大きいときにハイレベルの電圧信号を出力する電圧比較器と、
前記電圧比較器が出力する電圧信号を入力するとともに、入力された電圧信号がハイレベルの電圧信号であるときにローレベルの電圧信号を出力し、入力された電圧信号がローレベルの電圧信号であるときにハイレベルの電圧信号を出力する反転回路と、
を備える、モータ制御装置。 - 請求項3又は4に記載のモータ制御装置において、
前記進角制御信号生成部は、
一方端が基準電源に接続された高電圧ラインと、一方端が接地されたグランドラインと、前記高電圧ラインの途中に介装された第一抵抗素子と、前記グランドラインの途中に介装された第二抵抗素子と、前記高電圧ラインの他方端に接続される第一スイッチング素子と、前記グランドラインの他方端に接続される第二スイッチング素子と、前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とを接続する中間ラインと、を備え、
前記第一スイッチング素子は、前記第一電圧比較装置がハイレベルの電圧信号を出力したときに前記高電圧ラインと中間ラインとを導通し、前記第一電圧比較装置がローレベルの電圧信号を出力したときに前記高電圧ラインと中間ラインとの導通を遮断するように作動し、
前記第二スイッチング素子は、前記第二電圧比較装置がハイレベルの電圧信号を出力したときに前記中間ラインと前記グランドラインとを導通し、前記第二電圧比較装置がローレベルの電圧信号を出力したときに前記中間ラインと前記グランドラインとの導通を遮断するように作動し、
前記中間ラインに印加されている電圧である中間電圧により前記進角生成信号が構成される、
モータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016148332A JP2018019513A (ja) | 2016-07-28 | 2016-07-28 | モータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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