JP2018019050A - 抵抗体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的有利に、コンデンサやインダクタ等に有用な抵抗体を製造できる方法を提供する。【解決手段】原料溶液から基体上に導電体層を形成して抵抗体を製造する抵抗体の製造方法であって、前記導電体の積層を、前記原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを例えば650℃以下の温度で熱反応させることにより、前記基体上に前記導電体層を形成する。【選択図】図5

Description

本発明は、新規な抵抗体の製造方法並びにコンデンサ及びインダクタの製造方法に関する。
従来、ハイブリッドICやサーマルヘッドなどの電子装置に用いられる抵抗体の製造方法としては、厚膜抵抗ペーストを基板上に塗布し、乾燥して抵抗体を形成する厚膜方式、スパッタリング等を用いる薄膜方式などが知られている。
前者は例えば酸化ルテニウムとガラスフリットの粉末混合物を,溶剤と樹脂を混合した有機ビヒクルに分散させた厚膜抵抗ペーストを基板上にスクリーン印刷し,焼成して抵抗体を形成するものである。
後者は真空技術を応用するもので,例えばタンタル等の難溶性金属の薄膜をスパッタリングにより基板上に蒸着し、ホトリソ技術によりパターンを形成して薄膜抵抗体を形成するものであり、一部のサーマルヘッドの抵抗体として用いられている。
しかし、従来の厚膜抵抗ペーストを用いた厚膜方式では抵抗体の形成設備が安価で生産性も高いが、形成される抵抗体の膜厚が10μm程度またはそれ以上と厚いこと、厚膜ペーストがガラスフリットと酸化ルテニウムの粉末の原子レベルでは不均一な混合物であることから、電界に対する強度が弱い、即ち電圧を変えると抵抗値がある値以上で急激に変化するという問題点があった。
さらに、形成される抵抗体の抵抗値制御がガラス粉末と酸化ルテニウムの組成比だけでは困難であり,ガラス粉末や酸化ルテニウムの粒径のちがい、焼成温度によって抵抗値にバラツキが大きく出てしまったり、組成比、平均粒径を同じにしても、ロットによって抵抗値が異なったりするという問題点があった。
後者の薄膜方式では均一な薄膜抵抗体が得られるが、設備が高価でありまた生産性が低いことや,着膜後アニール等の熱処理をしなければ、電力に対する強度が弱くなり抵抗値が変化し易くなるなどの問題点があった。
なお、非特許文献1には、インクジェット印刷法により、めっき、エッチング等の工程を経ずに基材上に抵抗体を形成する技術が記載されている。しかしながら、インクジェット印刷法では、インクジェットヘッドでインクを吐出するので、インクジェットヘッドの目詰まりを防止して、基材表面への良好な印字を安定的に実現するために、インクは、粘度が低く、かつ、含有する粒子の分散粒径が小さいことが要求される等の制約があった。また、従来、粘度が低く、かつ、粒子の分散粒径が小さい抵抗体形成用インクは、インクジェット印刷法には適しているものの、経時的に体積抵抗率(当該インクから得られる抵抗体の体積抵抗率を意味する。以下同様)が低下するという問題を有しており、さらに密着性においても満足のいくものではなかった。
日経エレクトロニクス6/17号、p.67−78(2002)、「機器の小型化の限界をインクジェットで吹き飛ばす」
本発明は、工業的有利に抵抗体を製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、前記原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させることにより、前記基体上に前記導電体層を形成して抵抗体を得る場合、他の方法に比べ、簡便かつ容易に優れた抵抗特性を有する抵抗体が得られることを見出し、得られた抵抗体がコンデンサやインダクタの導電体層として非常に有用であることを知見し、このような製造方法が上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 原料溶液から基体上に導電体層を形成して抵抗体を製造する抵抗体の製造方法であって、前記導電体の積層を、前記原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させることにより、前記基体上に前記導電体層を形成することを特徴とする抵抗体の製造方法。
[2] 前記原料溶液が金属を含む前記[1]記載の製造方法。
[3] 前記金属が、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)及びインジウム(In)から選ばれる1種または2種以上の金属である前記[2]記載の製造方法。
[4] 前記キャリアガスが酸素又は不活性ガスである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記熱反応を、650℃以下の温度で行うことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 抵抗体層を積層する第1の工程及び誘電体層又は絶縁体層を積層する第2の工程を少なくとも含むコンデンサの製造方法であって、前記抵抗体層の積層を、前記抵抗体層の原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させて、前記基体上に前記抵抗体層を形成することにより行うことを特徴とするコンデンサの製造方法。
[7] 前記誘電体層又は前記絶縁体層の積層を、ミストCVD法を用いて行う前記[6]記載の製造方法。
[8] 抵抗体層を積層する第1の工程及び磁性体層を積層する第2の工程を少なくとも含むインダクタの製造方法であって、前記抵抗体層の積層を、前記抵抗体層の原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させて、前記基体上に前記抵抗体層を形成することにより行うことを特徴とするインダクタの製造方法。
[9] 前記誘電体層又は前記絶縁体層の積層を、ミストCVD法を用いて行う前記[8]記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば工業的有利に抵抗体を製造できる。
本発明で用いられる成膜装置(ミストCVD)の概略構成図である。 実施例で用いた霧化・液滴化部を説明する図である。 図2における超音波振動子を説明する図である。 本実施例で用いた成膜装置(ミストCVD)の概略構成図である。 実施例で製作したコンデンサの模式的断面図である。
本発明の抵抗体の製造方法は、原料溶液から基体上に導電体層を形成して抵抗体を製造する方法であって、導電体の積層を、前記原料溶液を霧化し(霧化工程)、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し(搬送工程)、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させることにより、前記基体上に前記導電体層を形成すること(導電体層形成工程)を特長とする。
(原料溶液)
原料溶液は、霧化または液滴化が可能な材料を含んでいれば特に限定されず、無機材料であっても、有機材料であってもよいが、本発明においては、原料溶液が、金属を含むのが好ましい。前記金属は、金属単体であっても、金属化合物であってもよく、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)及びインジウム(In)から選ばれる1種または2種以上の金属であるのが好ましい。
本発明においては、前記原料溶液として、前記金属を錯体または塩の形態で有機溶媒または水に溶解または分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、有機金属塩(例えば金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属クエン酸塩等)、硫化金属塩、硝化金属塩、リン酸化金属塩、ハロゲン化金属塩(例えば塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩等)などが挙げられる。
また、前記原料溶液には、ハロゲン化水素酸や酸化剤等の添加剤を混合してもよい。前記ハロゲン化水素酸としては、例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸などが挙げられるが、中でも、臭化水素酸またはヨウ化水素酸が好ましい。前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素(H)、過酸化ナトリウム(Na)、過酸化バリウム(BaO)、過酸化ベンゾイル(CCO)等の過酸化物、次亜塩素酸(HClO)、過塩素酸、硝酸、オゾン水、過酢酸やニトロベンゼン等の有機過酸化物などが挙げられる。
前記原料溶液には、ドーパントが含まれていてもよい。前記ドーパントは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブなどが挙げられる。ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm〜1×1022/cmであってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm以下の低濃度にしてもよい。また、さらに、本発明によれば、ドーパントを約1×1020/cm以上の高濃度で含有させてもよい。
(基体)
前記基体は、前記膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
前記基板は、板状であって、前記結晶膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、導電性基板であってもよいが、前記基板が、絶縁体基板であるのが好ましく、また、表面に金属膜を有する基板であるのも好ましい。前記基板としては、例えば、コランダム構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板、またはβ−ガリア構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板、六方晶構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板などが挙げられる。ここで、「主成分」とは、前記特定の結晶構造を有する基板材料が、原子比で、基板材料の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。
基板材料は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記のコランダム構造を有する基板材料としては、例えば、前記のコランダム構造を有する材料として例示したものと同じものなどが挙げられるが、本発明においては、α−Alまたはα−Gaが好ましい。そして、コランダム構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、サファイア基板(好ましくはc面サファイア基板)や、α型酸化ガリウム基板などが好適な例として挙げられる。β−ガリア構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、例えばβ−Ga基板、又はGaとAlとを含みAlが0wt%より多くかつ60wt%以下である混晶体基板などが挙げられる。また、六方晶構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、例えば、SiC基板、ZnO基板、GaN基板などが挙げられる。なお、六方晶構造を有する基板材料を主成分とする下地基板上には、直接または別の層(例:緩衝層)を介して、各層を積層してもよい。
本発明においては、前記基体が、コランダム構造を有する基板材料を主成分とする下地基板であるのが好ましい。
(霧化工程)
前記霧化工程は、原料溶液を調整し、前記原料溶液を霧化してミストを発生させる。前記金属の配合割合は、特に限定されないが、原料溶液全体に対して、0.0001mol/L〜20mol/Lが好ましい。霧化手段は、前記原料溶液を霧化できさえすれば特に限定されず、公知の霧化手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段であるのが好ましい。前記ミストは、初速度がゼロで、空中に浮遊するものが好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮かびガスとして搬送することが可能なミストであるのがより好ましい。ミストの液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1〜10μmである。
(搬送工程)
前記搬送工程では、前記キャリアガスによって前記ミストを前記基体へ搬送する。キャリアガスの種類としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。本発明においては、前記キャリアガスが、酸素又は不活性ガスであるのがより好ましい。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、キャリアガス濃度を変化させた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、反応炉内での線速(より具体的には、反応炉は高温になっており、環境に依存して変化してしまうため、室温を仮定して換算される線速)で、0.1m/s〜100m/sが好ましく、1m/s〜10m/sがより好ましい。
(導電体層形成工程)
成膜工程では、前記ミストを反応させて、前記基体表面の一部または全部に成膜する。前記反応は、前記ミストから膜が形成される反応であれば特に限定されないが、本発明においては、熱反応が好ましい。前記熱反応は、熱でもって前記ミストが反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度以下が好ましく、650℃以下がより好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが蒸発温度の計算が簡単になる等の点で好ましい。また、非酸素雰囲気下で行われるのも好ましい。なお、真空の場合には、蒸発温度を下げることができる。また、膜厚は成膜時間を調整することにより、設定することができる。
本発明においては、導電体層の形成後、得られた抵抗体をコンデンサやインダクタ等に用いることができる。前記抵抗体の導電体層をコンデンサやインダクタ等の導電体層として用いることで容易に本発明の抵抗体を適用することができ、かかる適用に用いる手段も公知の手段であってよい。また、本発明においては、前記導電体層上に、さらに他の層を積層してもよく、導電体層と他の層とを交互に繰り返して積層してもよい。かかる積層には、ミストCVD法を用いるのが、より工業的有利に積層でき、密着性等にも優れたものになるので好ましい。
以下、図面を用いて、本発明に好適に用いられる成膜装置1を説明する。成膜装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源2bと、キャリアガス(希釈)源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、成膜室7と、ミスト発生源4から成膜室7までをつなぐ石英製の供給管9と、成膜室7内に設置されたホットプレート8とを備えている。ホットプレート8上には、基板10が設置されている。
図2は、霧化・液滴化部を示している。原料溶液4aが収容されている容器からなるミスト発生源4が、水5aが収容されている容器5に、支持体(図示せず)を用いて収納されている。容器5の底部には、超音波振動子6が備え付けられており、超音波振動子6と発振器16とが接続されている。そして、発振器16を作動させると、超音波振動子6が振動し、水5aを介して、ミスト発生源4内に超音波が伝播し、原料溶液4aが霧化または液滴するように構成されている。
図3は、図2に示されている超音波振動子6を示している。超音波振動子6は、支持体6e上の円筒状の弾性体6d内に、円板状の圧電体素子6bが備え付けられており、圧電体素子6bの両面に電極6a、6cが設けられている。そして、電極に発振器を接続して発振周波数を変更すると、圧電振動子の厚さ方向の共振周波数及び径方向の共振周波数を持つ超音波が発生されるように構成されている。
そして、図1に記載のとおり、原料溶液4aをミスト発生源4内に収容する。次に、基板10を用いて、ホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて成膜室7内の温度を昇温させる。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開いてキャリアガス源2(2a、2b)からキャリアガスを成膜室7内に供給し、成膜室7の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量と、キャリアガス(希釈)の流量とをそれぞれ調節する。次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを微粒子化させて原料微粒子4bを生成する。この原料微粒子4bが、キャリアガスによって成膜室7内に導入され、そして、大気圧下、成膜室7内でミストが熱反応して、基板10上に膜が形成する。なお、多層状にする場合には、原料溶液4aとして、第1の原料溶液と第2の原料溶液とを交互に使用することで、第1の層と第2の層とが交互となる多層構造を形成することができる。
本実施例では、図4に示すミストCVD装置19を用いた。ミストCVD装置19は、基板20を載置するサセプタ21と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段22aと、キャリアガス供給手段22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給手段22bと、キャリアガス(希釈)供給手段22bから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、内径40mmの石英管からなる供給管27と、供給管27の周辺部に設置されたヒーター28と、熱反応後のミスト、液滴および排気ガスを排出する排気口29とを備えている。サセプタ21は、石英からなり、基板20を載置する面が水平面から傾斜している。成膜室となる供給管27とサセプタ21をどちらも石英で作製することにより、基板20上に形成される膜内に装置由来の不純物が混入することを抑制している。
2.原料溶液の作製
0.025mol/Lの臭化インジウム水溶液に、ガリウムに対するスズの原子比が1:0.01となるように塩化スズを添加し、これを原料溶液とした。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、基板20として、サファイア基板をサセプタ21上に設置し、ヒーター28を作動させて成膜室27内の温度を500℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23a、23bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段22a、22bからキャリアガスを成膜室27内に供給し、成膜室27の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5.0L/minに、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/minにそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
4.抵抗体の形成
次に、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを微粒子化させて原料微粒子を生成した。この原料微粒子が、キャリアガスによって成膜室27内に導入され、大気圧下、500℃にて、成膜室27内でミストが反応して、基板20上に酸化インジウム膜が形成された。成膜時間は20分間であった。
5.コンデンサの作製
0.025mol/Lの臭化ガリウム水溶液に、ガリウムに対するゲルマニウムの原子比が0.04%となるように酸化ゲルマニウムを添加し、この際、臭化水素酸を体積比で10%を含有させ、これを誘電体層の原料溶液とした。
誘電体層の原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、基板20として、上記4.で得られた抵抗体をサセプタ21上に設置し、ヒーター28を作動させて成膜室27内の温度を500℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23a、23bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段22a、22bからキャリアガスを成膜室27内に供給し、成膜室27の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5.0L/minに、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/minにそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして酸素を用いた。
上記4.で得られた抵抗体の導電体層をコンデンサの導電体層として用いて、導電層上に誘電体層を形成した。誘電体層の形成は、誘電体層の原料溶液を原料溶液24aとして用いて、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを微粒子化させて原料微粒子を生成した。この原料微粒子が、キャリアガスによって成膜室27内に導入され、大気圧下、500℃にて、成膜室27内でミストが反応して、基板20上に酸化インジウム膜が形成された。成膜時間は30分間であった。
次に、スパッタリングにて電極33aとしてPtを、電極33bとしてチタンを成膜して、コンデンサを作製した。得られたコンデンサにつき、コンデンサとしての性能を確認するため、CV測定(周波数1MHz)を行い、キャリア密度とバリアハイトを使って、誘電率を算出した。その結果、誘電率は約10であった。この結果から得られたコンデンサは、コンデンサとして非常に良好であることがわかる。
本発明の製造方法は、抵抗体を工業的有利に製造することができ、さらには、抵抗体がコンデンサやインダクタ等に有用であることから、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができる。
1 成膜装置
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b 原料微粒子
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
6a 電極
6b 圧電体素子
6c 電極
6d 弾性体
6e 支持体
7 成膜室
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板
16 発振器
19 ミストCVD装置
20 基板
21 サセプタ
22a キャリアガス供給手段
22b キャリアガス(希釈)供給手段
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ヒーター
29 排気口
30 基板
31 導電体層
32 誘電体層
33a 電極
33b 電極


Claims (9)

  1. 原料溶液から基体上に導電体層を形成して抵抗体を製造する抵抗体の製造方法であって、前記導電体の積層を、前記原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させることにより、前記基体上に前記導電体層を形成することを特徴とする抵抗体の製造方法。
  2. 前記原料溶液が金属を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 前記金属が、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)及びインジウム(In)から選ばれる1種または2種以上の金属である請求項2記載の製造方法。
  4. 前記キャリアガスが酸素又は不活性ガスである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記熱反応を、650℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 抵抗体層を積層する第1の工程及び誘電体層又は絶縁体層を積層する第2の工程を少なくとも含むコンデンサの製造方法であって、前記抵抗体層の積層を、前記抵抗体層の原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させて、前記基体上に前記抵抗体層を形成することにより行うことを特徴とするコンデンサの製造方法。
  7. 前記誘電体層又は前記絶縁体層の積層を、ミストCVD法を用いて行う請求項6記載の製造方法。
  8. 抵抗体層を積層する第1の工程及び磁性体層を積層する第2の工程を少なくとも含むインダクタの製造方法であって、前記抵抗体層の積層を、前記抵抗体層の原料溶液を霧化し、得られたミストをキャリアガスを用いて前記基体近傍まで搬送し、ついで前記基体近傍で前記ミストを熱反応させて、前記基体上に前記抵抗体層を形成することにより行うことを特徴とするインダクタの製造方法。
  9. 前記誘電体層又は前記絶縁体層の積層を、ミストCVD法を用いて行う請求項8記載の製造方法。

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