JP2018017390A - 釘 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、先端1002を尖塔状に尖らせた釘1000は、打ち込む際に木材の繊維を押しのけて侵入し、かつ円錐状に形成した1004によって内部から木を押し広げる作用を有する。このため、図12(b)に示すように木材に割れ1005が生じてしまうことが多い。このように釘を打ち込んだ部分に割れが生じると、木材を締結する強度が劣化してしまう。
軸部の先端を非尖塔形状に形成し、反対端の打撃部を前記先端と同様に非尖塔形状に形成し若しくは軸部との境界に円錐状のテーパー面若しくは湾曲面を介在させない円板状の頭部を形成したことを特徴とする。
また、軸の先端面を尖塔状に形成しなくてもよいということは、軸の両端面を平坦面若しくは平坦面と実質的に同一の形状に形成することが出来るということであるので、先端と後端の区別の無い対称形状の釘を形成することができるという効果を有している。
以下、本発明を実施するための形態について図を用いて説明する。釘1は、先端に尖塔部を設けない釘の一例を表した説明図である。釘1は、直径に対して長尺の軸部2を有し、当該軸部2の先端3を軸部2長手方向に対して直角面を成す平坦面として形成したものである。また、軸部2の後端4も軸部2長手方向に対して直角面を成す平坦面として形成したものである。また、先端3、後端4近傍から中央方向に向かう軸部2の表面上に、螺旋状の凸条からなる粗面部5を設けている。
また、前記先端3、後端4およびこれらの近傍に形成した各粗面部5、5の形状および位置は、軸部2の中間部を中心として略対称の位置に設けられている。すなわち、図1に示した上下の方向に区別はなく、先端3若しくは後端4の何れを木材に対して打ち込んでもよいものとして形成されている。
なお、図示した例は、軸部を中実の棒状体として形成しているが、軸芯に沿って孔を設け軸部を管状に形成してもよい。また、この孔を軸部全体に亘る貫通孔若しくは先端から所定の深さまでの孔を設けることにより管状に形成してもよい。
このような従来の釘は、木材に打ち込まれる際に、木材の繊維を広げながら侵入する。また、前述した円錐状のテーパー面若しくは湾曲面を有する釘の頭部が打ち込まれることによってさらに繊維が押し広げられ、これにより木材に割れが生じる。
しかしながら、本実施の形態に係る釘1は、木材に対して打ち込まれる際に、木材の繊維を押し潰しながら侵入するので、木材の繊維を広げる作用が少ない。また、木材に対して釘1を最後まで打ち込んでも、頭部にテーパー面や湾曲面を形成していないので木材の繊維を広げることがなく、木材に割れを生じさせることがないようになっている。
図2は、先端に尖塔部を設けない釘に関する第2の実施例に関する説明図である。図2に示した釘10は、直径に対して長尺の軸部12を有したものである。軸部12の両端面13、14は、尖塔状にすることなく軸部12に対して直交する平坦面として形成しており、両端13、14に近接した部位の軸部上に螺旋状の凸条若しくは環状の凸条を複数段設けた粗面部15を設けている。粗面部15の形状や軸12表面からの突出量は、釘10の太さや軸部12の長さに応じて適切に設定されるものであり、概ね0.5mm前後である。
また、前記両端近傍に形成した各粗面部15、15は、軸部12の中央を中心として略対称の位置に設けられている。釘10を構成する素材は、鉄やステンレス鋼等の釘として一般な素材である。
なお、図示した例は、軸部を中実の棒状体として形成しているが、軸芯に沿って孔を設け軸部を管状に形成してもよい。また、この孔を軸部全体に亘る貫通孔若しくは先端から所定の深さまでの孔を設けることにより管状に形成してもよい。
釘は結合する木材の表面に対して垂直に打ち込む場合の他、木材表面に対して45度程度傾斜させて打ち込む場合がある。これは、木材同士を結合させる方向と釘の打ち込み方向(軸部の角度)を異ならせることによって、引き剥がし方向への抵抗を増加させる作用が生じ結合を強固にできるからである。また、金槌を振る作業スペースが無く垂直に打ち込むことができない場合に、斜めに釘を打つ場合もある。
これに対して第1実施例に係る釘1および第2実施例に係る釘10は、従来の先端が尖った釘と異なり、木材に対して打ち込まれる先端が軸部に対して直交しているので、木材に釘1および釘10を打ち込み始める場合、最初に先端の縁部が木材に対して当接し食い込むことになる。したがって、先端が木材表面を滑ることなく打ち込み位置がずれなくなる。このように、釘1および釘10は、木材に対して釘を斜めに打ち込む場合であっても、先端を滑らせることなく狙った位置に打ち込むことができるという効果を有している。
従来の釘を釘打ち機に使用する場合には、マガジン内に収容する釘の向きを整えるとともに、釘同士の間隔の保持と頭部の重なり防止のために、釘をワイヤで連結固定するなどの方法を採用する場合が多い。
しかしながら、上記の釘1場合には打ち込む方向は先端3又は後端4のいずれでも良く、釘10の場合には端面13又は端面14の何れの方向でもよい。また、両者とも軸方向に沿って対称の形状を有しており、頭部と称するような膨出部も無い。このため、釘打ち機に対する釘の装着は軸方向が揃っていればよく、頭部を有していないことから軸方向に沿って予め高さを異ならせて配置する必要もない。
従って、釘1や釘10のような釘を用いる場合、マガジン内に収容する釘の本数を増加させるような釘打機の構造が可能になり、作業効率を向上させるような釘打機を形成することが可能になるという効果を有している。また、構造次第では釘同士を連結したり、整列配置を行う必要の無い、マガジン内にバラ積み的に収容するような構造の釘打機を形成することも可能になる。
図3は先端に尖塔部を設けない釘に関する他の例の説明図である。図3に示した釘20は、直径に対して長尺の軸部22を有し、当該軸部22の先端面23を木材に対する進入部として構成し、後端を金槌若しくは釘打機のドライバーによって叩打される軸部22よりも直径の大きい円板状の打撃部24として構成したものである。
釘20の先端23は、尖塔状にすることなく、軸部22に対して直交する平坦面として形成している。釘20を構成する素材は、鉄やステンレス鋼等の釘として一般な素材である。
なお、図示した例は、軸部を中実の棒状体として形成しているが、軸芯に沿って孔を設け軸部を管状に形成してもよい。また、前述した実施例と同様に、打撃部として円板状の頭部を設けない構造にしてもよい。
打撃部24は、軸部22よりも外径の大きい円板状の頭部として形成されている。この釘20の特徴は、軸部22から頭部である打撃部24に亘る境界部分に、両者をなだらかに接続する円錐状のテーパー面や湾曲面を形成せず、境界部分を略直角に近い形状に形成している。これは、釘20を打撃部24まで打ち込んだ場合に、打撃部24は木材表面に対して軸方向にめり込み、結合する木材を抜け出ないように軸方向に沿って押さえる作用を有する。しかし、側面には円錐状のテーパー面や湾曲面を有しておらず、軸部22と直交する方向に木材の繊維を押し広げる作用を発生させないので、木材の割れを抑制できるようになっている。
図4、図5は先端に尖塔部を設けない釘に関する他の例の説明図である。図4は釘30の断面を表しており、直径に対して長尺の軸部32を有し、当該軸部32の先端33を木材に対する進入部として構成し、後端を金槌若しくは釘打機のドライバーによって叩打される軸部32よりも直径の大きい円板状の打撃部34として構成したものである。
図5は、図4に示したA部の拡大図である。釘30の先端面33は、球面状に凹んだ凹部として形成したものである。このため、先端面33の外周縁35はエッジを形成しており、木材に打ち込んだ場合、先端面33の外周縁35によって木材の繊維を断ち切りながら侵入する構造になっている。また、木材表面に対して傾斜した方向から釘30を打ち込む場合であっても、エッジを成す外周縁35が木材に食い込むので、木材表面を先端部が滑って打ち込み位置がずれることがないという効果を有している。
なお、球面状に凹んだ凹部の代わりに、円錐状(漏斗状)に凹んだ凹部を形成してもよい。また、軸芯に沿って孔を設け軸部を管状に形成してもよい。また、この孔を軸部全体に亘る貫通孔若しくは先端から所定の深さまでの孔を設けることにより管状に形成してもよい。
図6、図7は先端に尖塔部を設けない釘に関する他の例の説明図である。図6(a)は釘40の正面図、図6(b)は釘40の側面図を表している。また、図7は釘40を先端方向から見た状態の斜視図である。
釘40は、直径に対して長尺の軸部42を有し、当該軸部42の先端43を木材に対する進入部として構成し、後端を金槌若しくは釘打機のドライバーによって叩打される軸部22よりも直径の大きい円板状の打撃部44として構成したものである。
木材に打ち込んだ場合、先端面43の外周縁45によって木材の繊維を断ち切りながら侵入する構造になっている。特に、湾曲面によって凹溝を形成すると、突出した鋭角なエッジ45が溝の両脇に形成されるので、このエッジにより木材の繊維を断ち切りやすくなり木材に侵入しやすくなっている。
また、この釘40は、軸部42から頭部である打撃部44に亘る境界部分に、両者をなだらかに接続するテーパー面や湾曲面を形成せず、境界部分を略直角に近い形状に形成している。この形状による作用、効果は前述した例と同様であり、木材の割れを発生させにくくするものである。
なお、図示した例は、軸部を中実の棒状体として形成しているが、軸芯に沿って孔を設け軸部を管状に形成してもよい。また、この孔を軸部全体に亘る貫通孔若しくは先端から所定の深さまでの孔を設けることにより管状に形成してもよい。
図8は先端に尖塔部を設けない釘に関する他の例の説明図である。図8に示した釘50は、直径に対して長尺の軸部52を有し、当該軸部52の先端面53を木材に対する進入部として構成し、後端を金槌若しくは釘打機のドライバーによって叩打される軸部52よりも直径の大きい円板状の打撃部54を構成したものである。打撃部54の形状および作用効果は、前述した他の例と同様である。
当該軸部52の先端53は、軸部52と直交する平面を形成し、その平面の中央に一条の角溝55を形成したものである。この釘50も、木材に打ち込んだ場合、先端面53の外周縁56によって木材の繊維を断ち切りながら侵入する構造になっている。
なお、図示した例は、軸部を中実の棒状体として形成しているが、軸芯に沿って孔を設け軸部を管状に形成してもよい。また、この孔を軸部全体に亘る貫通孔若しくは先端から所定の深さまでの孔を設けることにより管状に形成してもよい。
図9は先端に尖塔部を設けない釘に関する他の例の説明図である。図9に示した釘60は、直径に対して長尺の軸部62を有し、当該軸部62の先端面63を木材に対する進入部として構成し、後端を金槌若しくは釘打機のドライバーによって叩打される軸部62よりも直径の大きい円板状の打撃部64を構成したものである。
当該軸部62の先端43は、軸部62と直交する平面を形成するとともに、軸部62の中央には孔45が形成されている。すなわち、釘60はパイプのような中空形状を成している。
なお、前述した第1、第2の実施例と同様に、打撃部として円板状の頭部を設けない構造にしてもよい。
軸芯を中空状に形成すると、木材に対して侵入しやすくなる。また、釘のせん断強度は低下するが、孔65内に高圧で木材が充填されることによって補強され、釘のせん断強度を高める効果を生じるようになっている。
図10は、本実施の形態に係る釘70の外観図を表している。釘70は、直径に対して長尺の軸部72を有し、当該軸部72の先端73を木材に対する侵入部として構成し、後端を金槌若しくは釘打機のドライバーによって叩打される軸部72よりも直径の大きい円板状の打撃部(頭部)74を構成したものである。
釘70の先端73は、尖塔状にすることなく、軸部72に対して直交する平坦面として形成している。なお、先端3は実質的に平坦と看做せるものであればよく、円形の外周縁を僅かな面取りしたような形状であってもよい。
釘70を構成する素材は、鉄やステンレス鋼等の釘として一般な素材である。
先端73が平坦な釘70を木材Mに対して打ち込むと、先端73は木材の繊維を断ち切り、押し潰しながら侵入する。この際、木材M中の繊維を断ち切られた部分の多くは、軸部2の進行方向に向かって押し潰され圧縮される(圧縮部分75)。
この作用は、前述した各実施例にも共通する作用である。
2 軸部
3 先端
4 後端
Claims (7)
- 軸部の先端を非尖塔形状に形成し、反対端の打撃部を前記先端と同様に非尖塔形状に形成し若しくは軸部との境界に円錐状のテーパー面若しくは湾曲面を介在させない円板状の頭部を形成したことを特徴とする釘。
- 前記軸部の先端に、当該軸部の長手方向と直交する平坦面を形成したことを特徴とする請求項1記載の釘。
- 前記軸部の先端を、球面状若しくは円錐状に凹んだ凹面状に形成したことを特徴とする請求項1記載の釘。
- 前記軸部の先端全面に、軸部の長手方向と直交する溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の釘。
- 前記軸部の先端面に、軸部の長手方向と直交する一条の溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の釘。
- 軸部の先端を平坦に形成し、当該軸部全体に亘る貫通孔若しくは先端から所定の深さまでの孔を設けることにより管状に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項記載の釘。
- 前記先端若しくは打撃部付近から他端方向に至る軸部の表面に、複数回旋回させた螺旋状若しくは複数段の環状の凸条からなる粗面部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の釘。
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