JP2018017283A - 建築構造用ねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】木質構造の建築物において、ねじの引抜耐力を設計上要求される耐力を保持しつつねじ本体の強度よりも安定的に下げることにより、靭性に富んだ接合部を形成するとともに建築物の脆性破壊を防ぐ建築構造用ねじを提供する。【解決手段】一端部に締付用回転工具との係合部となる頭部と、他端側の先端に締付部材への切込みをする切歯部とねじ込みをするねじ部形成した軸部を備え、切歯部とねじ部との間に、ねじ部の谷部の直径よりも大きくねじ部の山部よりの直径よりも小さい直径を有する円柱状の拡穴部を設けた建築構造用ねじで、ねじ部外周部において、拡穴部がねじ部の谷部の直径よりも大きくねじ部の山部の直径よりも小さな直径の挿入孔を形成し、ねじ山が締付部材に食込むかかり代を縮小してねじ山と締付部材との接触面積を減少させ、摩擦力を低下させることで建築構造用ねじの引抜耐力を安定的に低減させる。【選択図】図5

Description

この発明は、木質構造に使用する建築構造用ねじに関する。
建築物は、地震や台風などの外力による衝撃から居住空間や作業空間等を保護する役割を担っているが、その中でも大地震などの強い外力に対しては、建築物の架構に部分的なひび割れ等の損傷を生じても、最終的な建築物の崩壊から人命の保護を図るように耐震設計が行われている。従来より、強い外力による建築物の崩壊を免れるには、各構造部材が、せん断破壊のような脆性的な破壊を起こさず、粘り強く靭性に富んだ塑性変形能力を有する必要があるとされてきた。建築物の靭性は、各構造部材自体の性能だけではなく構造部材同士の接合方法によっても大きく左右されるため、その接合具においては、各構造部材が耐震設計に基づく崩壊形をたどることができるよう接合部に作用する外力や被接合部材の存在応力を確実に各構造部材に伝達するとともに、所定の強度や靭性を有する必要がある。
特にわが国の小規模及び中規模建築物に多く使用されている木質構造において、主材となる木材は、一般に引張及び曲げなどの力に対して靭性を有さず、脆性的な破壊をすることで知られている。そのため、従来より、木質構造を靭性に富んだ粘り強い構造とするために、各構造部材の接合部には高い塑性変形性能を確保するように設計が行われてきた。これらの木質構造の建築物においては、近年「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されたことからも今後ますます利用の機運が高まっていくことが予想されている。
一般的に、木質構造で使用される各部材同士の接合方法として、伝統的な仕口や継手による接合の他に釘やねじによる接合、ボルト接合、接着接合などが知られており、その中でも最も簡便な接合方法として、釘やねじによる接合が建築施工現場で頻繁に使用されている。接合された釘やねじは引き抜こうとする力に抵抗する優れた引抜耐力を有しており、その接合部に軸方向引張力などの荷重が作用した場合には、引抜耐力によって荷重に抵抗することとなる。特にねじは、ねじ山が締付部材に食い込み釘と比較して締付部材との接触面積が広くなるため、摩擦力が上がり引抜耐力が大きくなりやすい。
従来の建築構造用ねじには、図7に示すように、ねじ軸端部の外周部にねじ山を形成し、ねじ山が締付部材へ食込むことで摩擦力を生じさせ引抜耐力を高めているものなどが知られている。また、図8は図7の部分拡大図であるが、ねじ山の大半が締付部材と接触し、強固に食込んでいることが分かる。
また、ねじの引抜耐力をより高めるものとして、ねじ軸部にローレット状の凹凸溝部を設けたねじが知られている。このねじは頭部と軸部とで構成されており、軸部には軸外周部にねじ山を有していない軸部と軸外周部にねじ山を有している軸部との間にローレット状の凹凸溝部を設けているため、被打ち込み部材にねじが埋入された際には、ねじ山だけではなく凹凸溝部が被打ち込み部材に食い込むことで引抜耐力を向上さることができる。さらに、切歯形状の軸部先端には切欠き凹部を有し、さらに被打ち込み部との噛合いを強固なものとしている。(特許文献1)
特開2003−130023号公報
ところで、ねじによる接合を靭性に富んだ粘り強い接合とするためには、ねじが優れた引抜耐力を十分に発揮する必要がある。
しかしながら現状として、大地震などの強い衝撃がねじを用いた木質構造の建築物に加わった場合に起きる破壊形状は、ねじが十分な粘り強さを発揮する前に起こるねじの折れ又はねじ以外の例えば主材部分での脆性的な破壊となることが主である。これに対して、釘を用いた木質構造の破壊形状は、釘が十分な粘り強さを発揮した後に起こる釘の引き抜けとなることが多い。
このようなねじの脆性的な破壊形状は、釘との材質、処理の違いにもよるが、ねじの引抜耐力が木材強度やねじ本体の強度よりも過大であることが主な原因といえる。例えば、ねじに軸方向の引張力が作用した場合、ねじには引張力が生じるが、この時、ねじ山にはねじ山を引裂くようなせん断力が作用することとなり、ねじの引抜耐力よりも小さいねじ山のせん断耐力が先に降伏してねじが破断してしまうことがある。つまり、ねじの引抜耐力がねじ本体の強度と比較して過大である場合には、ねじが引抜耐力による粘り強い抵抗を起こす前に、ねじ本体の強度が先に降伏してしまい、結果として脆性的なせん断破壊を起こすことになるのである。
一般的にねじの引抜耐力は一定の評価がされているため、前述したような従来使用されている建築構造用ねじや凹凸溝部を有するねじのように引抜耐力を一定値まで高めたねじは非常に有効なものであるが、ねじ本体の強度を考慮したうえで外力に対しねじが粘り強い抵抗を発揮するためには、ねじの引抜耐力をねじ本体の強度よりも低減させる必要がある。
引抜耐力を低下させる手法としては、外周部にねじ山を有するねじ軸部の長さを短くし、ねじ山を減少させて締付部材とねじの摩擦面を低減させるものが知られている。しかしながら、ねじを短くすることは同時にせん断耐力を弱めることに繋がり、ねじの所定の強度や性能を維持するためには限界がある。
また、ねじのねじ山高さを低くし、ねじの締付部材への食い込みを弱めてねじの引抜耐力を低下させる手法があるが、この手法では引抜耐力が低減するとともにねじの推進力が低下するため、硬度の高い材質の木材にねじを挿入することができなくなるという問題が生じる。
更にまた、ねじ先端部に締付部材に切込みを入れるための切歯部を設け、その穿孔径とねじの山部の直径との寸法を近づけることで、ねじ山部の締付部材への食い込みを低減させ、ねじの引抜耐力を弱める手法が知られている。しかしながら、現在の技術では切歯部とねじ部とを別工程にて成型することが多いため、その穿孔径とねじ山の直径との関係を精度よく管理することが非常に困難であるという問題点が挙げられる。
そこで本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、木質構造の建築物において、ねじの引抜耐力を設計上要求される耐力を保持しつつ安定的にねじ本体の強度よりも下げることにより、靭性に富んだ接合部を形成するとともに木質構造の建築物の脆性破壊を防ぐ建築構造用ねじを提供することを目的とする。
本発明の建築構造用くぎは、一端部に締付用回転工具との係合部となる頭部と、他端側の先端に締付部材への切込みをする切歯部とねじ込みをするねじ部を形成した軸部を具備し、切歯部とねじ部との間にねじ部の谷部の直径よりも大きくねじ部の山部の直径よりも小さい直径を有する円柱状の拡穴部を設けたことを特徴としている。
本発明の建築構造用くぎは、拡穴部が外周に施した凹凸部が切歯部側の端部から軸部の軸芯に直交する線に対して所定のリード角度を形成している凹凸斜目であることを特徴としている。
本発明の建築構造用くぎは、リード角度が30度以上90度以下の角度であることを特徴としている。
本発明の建築構造用くぎは、拡穴部の外周面がローレット加工面であることを特徴としている。
本発明の建築構造用くぎは、転造加工により成型されたことを特徴としている。
本発明の建築構造用ねじによると、一端部に締付用回転工具との係合部となる頭部と、他端側の先端に締付部材への切込みをする切歯部とねじ込みをするねじ部を形成した軸部とを備え、切歯部とねじ部との間には、ねじ部の谷部の直径よりも大きくねじ部の山部の直径よりも小さい直径を有する円柱状の拡穴部を設けているので、締付部材に挿通する場合においては、切歯部と同時に締付部材に挿入される拡穴部が、締付部材にねじ部の谷部の直径よりも大きくねじ部の山部の直径よりも小さな直径の挿入孔を形成することができる。そのため、ねじ部を締付部材に埋入した際には、ねじ部の谷部の外周面から挿入孔の内周面までの間に位置するねじ山は、締付部材に接触しないため摩擦が生じず、挿入孔内周面から締付部材に食込んだねじ山のみで摩擦が生じる。したがって、拡穴部を切歯部とねじ部との間に設けることにより、締付部材とねじ山とが接触する面積が減少しねじ山と締付部材間に生じる摩擦力が低下してねじの引抜耐力を所定の数値まで低減させることができる。
本発明の建築構造用ねじによると、前記拡穴部は、外周面に施した凹凸部が切歯部側の端部から軸部の軸芯に直交する線に対して所定のリード角度を形成している凹凸斜目であるため、前記切歯部によって形成されている穴の内周面を削って所望の内径を有する挿入孔を前記締付部材に形成することができる。
本発明の建築構造用ねじによると、前記リード角度は、30度以上90度以下の角度であるため、前記締付部材の材質に適合した前記リード角度を選択することができ、前記切歯部によって形成されている穴の内周面を削って所望の内径を有する挿入孔を前記締付部材に形成することができる。
本発明の建築構造用ねじによると、前記拡穴部は、外周面がローレット加工面であるため、ローレット加工による凹凸部によって摩擦力を高めることができ、前記切歯部によって形成されている穴の内周面を削って所望の内径を有する挿入孔を形成するとともに、前記締付部材に埋入後は、前記凹凸部が前記締付部材に嵌着し前記拡穴部を前記締付部材内に強固に固定することができる。
本発明の建築構造用ねじによると、転造加工により成型されているので、前記拡穴部の直径と前記ねじ部の山部の直径及び前記ねじ部の谷部の直径との寸法差を精度良く管理することがことができ、前記建築構造用ねじの引抜耐力を安定して所定の数値まで低減することができる。
この発明の建築構造用ねじの実施形態の正面図。 この発明の建築構造用ねじの他の実施形態の正面図。 図1の丸印の部分拡大図。 図1の丸印の他の実施形態の部分拡大図。 図1の建築構造用ねじの締付部材への埋設状態説明図。 図5の丸印の部分拡大図。 従来の建築構造用ねじの締付部材への埋設状態説明図。 図7の丸印の部分拡大図。
この建築構造用ねじの最良の実施形態について以下図面を参照しつつ説明する。この建築構造用ねじ1は、図5に示されるように、2つの重ね合わされた締付部材M1と締付部材M2とを締付け固定して締付部材Mとする接合具で、一端部に締付用回転工具との係合部となる頭部2と、他端部の先端に締付部材M1及び締付部材M2へ切込みをする切歯部3とねじ込みをするねじ部4aを形成した軸部4を備えており、更に切歯部3とねじ部4aとの間には、図5及び図6に示すように、ねじ谷部41の谷部直径L1よりも大きくねじ山部42の山部直径L2よりも小さい拡穴部直径L3を有する外周に凹凸を施した円柱状の拡穴部5を設けている。
前記頭部2は締付用回転工具との係合部であり、図示していないが、上端部表面には電動ドライバー等の締付用回転工具の先端部を差込む為の切込みが設けられている。図5に示すように、建築構造用ねじ1を締付部材Mに埋入した際、頭部2の上端部を締付部材M1の表面に隙間無く固着させることにより、締付部材M内に埋設した建築構造用ねじ1の脱落や緩みを防止し、建築構造用ねじ1を締付部材M内に強固に固定することができる。図1、図2等において、頭部2の上端部側面形状は平坦な皿形となっているが、これに限定されるものではなく、側面形状がドーム型である鍋型やトラス型などでもよい。また、上端部表面の切込み形状においても、特に限定するものではなく、十字型やマイナス型、スクエア型、あるいはそれらを組み合わせた形状などでもよい。
前記切歯部3は、図5に示されるように、軸部4の他端側の先端に設けられており、締付部材Mに切込みを入れるための刃先部分である。図1においては、先端部の刃先形状が滑らかな曲線のU字型形状をしているが、これに限定されず図2のように、尖り先形状としてもよく、締付部材Mの材質に最適な刃先形状を選択することができる。
前記軸部4は、締付部材Mを締付け固定し一端部の頭部2と拡穴部5とを繋ぐ円柱状の部分であり、図5に示すように、拡穴部5側の端部に形成され軸の外周部にねじ山を有したねじ部4aと、頭部2側の端部に形成され軸の外周部にねじ山を有しない円柱部4bとを備えている。図5に示すように、ねじ部4aは、締付部材M2にねじ込み埋設される部分で、ねじ谷部41とねじ山部42から構成される。ねじ部4aは、円柱部4bよりも軸径が細く、円柱部4bとの結合部においては、円柱部4bの軸径を下底とした円錐台形となっており、円柱部4bと滑らかに結合されている。ねじ谷部41は、ねじ部4aに形成されるねじ山の谷部分で、図5に示されるように、ねじ谷部41の軸径である谷部直径L1は、拡穴部直径L3よりも小さいため、拡穴部5に続いてねじ谷部41を締付部材M2に埋入した場合には、ねじ谷部41は締付部材M2と接触せず摩擦力が生じない。ねじ山部42は、ねじ部4aに螺旋状のねじ山を形成する部分で、締付部材M2に螺入して食込み、接触する締付部材M2との間に摩擦力を発生させ引抜耐力を形成する重要な部分となる。図6に示すように、山部直径L2は、ねじ谷部41の外周面から垂直外周部方向に最も離れた位置にあるねじ山部42の先端部の水平距離を指しており、拡穴部直径L3よりも大きいため、締付部材M2に埋入した場合には、挿入孔6の内周面から締付部材M2に食込んだねじ山部42が摩擦力を生じさせ引抜耐力を形成する。かかり代L4は、図6に示されるように、挿入孔6の内周面から締付部材M2に食込んだねじ山部42の先端までの距離を指し、山部直径L2と拡穴部直径L3との長さを変動させると連関して変化する。すなわち、山部直径L2と拡穴部直径L3との寸法差が縮小すればかかり代L4も連動して縮小し、山部直径L2と拡穴部直径L3との寸法差が拡大すればかかり代L4も連動して拡大することになる。したがって、かかり代L4の大きさを調整することにより、ねじ山部42と締付部材M2との間に生じる摩擦力を変化させることができ、所望する引抜耐力を形成することができるのである。
前記円柱部4bは、図5に示すように、軸の外周部にねじ山を有さず締付部材M1を前記ねじ部4a側に押圧して固定する部分である。ねじ部4aは、締付部材M2にねじ込み螺入することで締付部材M2を円柱部4b側に引き上げる力を生じさせるため、締付部材M1と締付部材M2とを建築構造用ねじ1で接合する場合には、円柱部4bによって押圧された締付部材M1と、ねじ部4aによって締付けられ締付部材M1側に引寄せられる締付部材M2との間を隙間無く接合することができる。したがって、軸部4を締付部材Mに埋入することにより締付部材M1と締付部材M2とを両側から締め付けて強固に固定することができるのである。
前記拡穴部5は、図5及び図6に示されるように、切歯部3と軸部4のねじ部4aとの間に設けられ、ねじ谷部41の谷部直径L1よりも大きくねじ山部42の山部直径L2よりも小さい拡穴部直径L3を有する円柱状の部分で、ねじ込み時においては、軸部4の周囲に直径が拡穴部直径L3の挿入孔6を形成することが出来る。また図3に示されるように、外周面に施した凹凸部5aが、切歯部3側の端部から軸部4の軸芯に直交する線に対して所定のリード角度αを形成した凹凸斜目であるため、拡穴部5を締付部材Mに埋入する際には、切歯部3によって開けられている穴の内周面を削って拡穴部直径L3を有する挿入孔6を形成することができる。凹凸部5aのリード角度αは、切歯部3側の端部から軸部4の軸芯に直交する線に対して30度以上90度以下が望ましく、締付部材Mの硬度や強度など材質に適合した角度を選択することができるとともに、建築構造用ねじ1の回転方向によっては軸部4の軸芯に対して左右逆転した凹凸斜目としてもよい。この凹凸部5aは、ローレット加工により形成されているが、凹凸の形状は前述した所定の角度の範囲であればとくに限定されるものではなく、図4に示すように、スクリュー形状などとしてもよい。
また、前記建築構造用ねじ1は、二つの転造ダイスの間に建築構造用ねじ1の縦長さを確保した細長い円柱状の材料を狭着し、転造盤によって材料に圧力をかけ形状を変化させる転造加工により一体として成型される。そのため、拡穴部直径L3と谷部直径L1及び山部直径L2との寸法差を極めて精度良く管理することができ、建築構造用ねじ1の引抜耐力を安定して所定の数値まで低減することができる。
次にこの実施形態において、上記の建築構造用ねじ1を用いて、締付部材M1と締付部材M2とを締付け固定する要領を説明する。まず、切歯部3の先端を締付部材M1に当接し、頭部2の上端部切込みに締付用回転工具を差込み回転させ押圧して締付部材M1に切込みを入れ、切歯部3を締付部材M1及び締付部材M2に挿入する。この時同時に拡穴部5も埋入されるが、この埋入時に、図5及び図6に示されるように、拡穴部5は、谷部直径L1よりも大きく山部直径L2よりも小さな拡穴部直径L3を有する挿入孔6を形成することができる。また、拡穴部5は、図3に示すように、外周面に設けられたローレット状の凹凸部5aが切歯部3側の端部から軸部4の軸芯に直交する線に対してリード角度αを形成している凹凸斜目であるため、切歯部3によって形成されている穴の内周面を削って所望の内径を有する挿入孔6を形成できるとともに、拡穴部5が締付部材M2内に埋入された後には、この凹凸部5aが締付部材M2に嵌着して拡穴部5を締付部材M2内に強固に固定することができる。
前述したように、前記ねじ部4aが挿入孔6に埋入した場合には、図5に示すように、ねじ谷部41の外周面と挿入孔6の内周面との間に位置するねじ山部42は、締付部材M2に接触しないので摩擦力は発生しない。ねじ山部42は、図6に示されるように、挿入孔6の内周面からはみ出した部分のかかり代L4のみが締付部材M2に食込むこととなる。つまり、拡穴部直径L3と山部直径L2との差が縮まるとかかり代L4が縮小してねじ山部42が締付部材M2に食込む接触面積が減少し、摩擦力が低下して引抜耐力を低減することができる。反対に、拡穴部直径L3と山部直径L2との差が大きくなるとかかり代L4が拡大してねじ山部42が締付部材M2に食込む接触面積が増加し、摩擦力が上昇して引抜耐力を向上させることができる。したがって、切歯部3とねじ部4aとの間に拡穴部5を設けることにより、締付部材M2とねじ山部42との接触面積を減少させることができ、拡穴部直径L3と山部直径L2との関係を変化させることによって、締付部材M1及び締付部材M2の材質や接合する部位、耐震設計上接合部に求められる強度に応じてねじの引抜耐力を変化させることができるのである。
最後に前記円柱部4b及び頭部2を締付部材M1に挿入して、建築構造用ねじ1の締付部材Mへの埋入を完了する。建築構造用ねじ1を締付部材Mから抜脱したい場合には、前述の逆の順序でまず頭部2の上端部切込みに締付回転工具を差込み、埋入時とは逆方向に建築構造用ねじ1を回転させて締付部材Mから建築構造用ねじ1を引出すだけでよい。
この発明の建築構造用ねじ1は、上述のような種々の利点から、安定して引抜耐力を所定の数値まで低減することができ、木質構造の建築物において各構造部材を靭性に富んだ接合部とすることができる。これらの建築構造用ねじを使用して全国的に普及している木質構造の建築物の耐震性を向上させることは、地震等による災害時において、木質構造の建築物の崩壊を防ぎ、甚大な被害を抑制することに繋がるといえる。
1 建築構造用ねじ
2 頭部
3 切歯部
4 軸部
4a ねじ部
41 ねじ谷部
42 ねじ山部
4b 円柱部
5 拡穴部
5a 凹凸部
6 挿入孔
L1 谷部直径
L2 山部直径
L3 拡穴部直径
L4 かかり代
α リード角度

Claims (5)

  1. 一端部に締付用回転工具との係合部となる頭部と、他端側の先端に締付部材への切込みをする切歯部とねじ込みするねじ部を形成した軸部と、を具備する建築構造用ねじにおいて、
    前記切歯部と前記ねじ部との間に前記ねじ部の谷部の直径よりも大きく前記ねじ部の山部の直径よりも小さい直径を有する外周に凹凸部を施した円柱状の拡穴部を設けたことを特徴とする建築構造用ねじ。
  2. 前記拡穴部は、外周に施した前記凹凸部が前記切歯部側の端部から軸部の軸芯に直交する線に対して所定のリード角度を形成している凹凸斜目であることを特徴とする請求項1に記載の建築構造用ねじ。
  3. 前記リード角度が、30度以上90度以下の角度であることを特徴とする請求項2に記載の建築構造用ねじ。
  4. 前記拡穴部は、外周面がローレット加工面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建築構造用ねじ。
  5. 前記建築構造用ねじは、転造加工により成型されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建築構造用ねじ。
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