JP2018017134A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定電流制御時の電流変化がノイズとなって電源電圧に重畳するのを抑制できる燃料噴射制御装置を提供すること。【解決手段】燃料噴射制御装置は、制御部を有する。制御部は、放電期間において対応する放電スイッチ及びローサイドスイッチをオンさせ、定電流期間において、放電スイッチをオフさせつつ、電流がピーク電流値Ipeakよりも低い所定の保持電流値Iholdとなるように、対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフを制御する。制御部は、直噴インジェクタの1つである第1インジェクタの定電流期間において、第1インジェクタとは別気筒のインジェクタの1つであり、第1インジェクタとは別のハイサイド回路部により駆動される第2インジェクタに、第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように、第2インジェクタに対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフも制御する。【選択図】図3
Description
この明細書における開示は、直噴インジェクタの駆動を制御する燃料噴射制御装置に関する。
特許文献1には、直噴インジェクタの駆動を制御する燃料噴射制御装置(インジェクタ駆動制御装置)が開示されている。この燃料噴射制御装置は、噴射期間のうち、噴射期間の開始から直噴インジェクタに流れる電流が所定のピーク電流に到達するまでの放電期間において、対応する放電スイッチ及びローサイドスイッチをオンさせる。一方、ピーク電流に到達してから噴射期間が終了するまでの定電流期間において、放電スイッチをオフさせつつ、電流がピーク電流よりも低い所定の保持電流となるように、対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフを制御する。たとえば定電流期間において、ローサイドスイッチをオンさせつつ、所定の保持電流となるように定電流スイッチを繰り返しオンオフさせる。
上記したように、所定の保持電流となるように、たとえば定電流スイッチを繰り返しオンオフさせる構成の場合、オンオフにともなう電流変化がノイズとなって電源電圧に重畳する。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、定電流制御時の電流変化がノイズとなって電源電圧に重畳するのを抑制できる燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつは、内燃機関が有する複数の気筒それぞれに設けられた直噴インジェクタ(100)の駆動を制御する燃料噴射制御装置であって、
電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路部(20)と、
対応する直噴インジェクタの上流側と昇圧回路部との間に配置され、オンすることで昇圧電圧を対応する直噴インジェクタに印加する放電スイッチ(Q2)、及び、対応する直噴インジェクタの上流側に配置され、オンすることで電源電圧を対応する直噴インジェクタに印加する定電流スイッチ(Q3)をそれぞれ有し、内燃機関の気筒数以下であって複数設けられたハイサイド回路部(COM)と、
対応する直噴インジェクタの下流側に配置されて、オンにより対応する直噴インジェクタの下流側をグランドに接続する複数のローサイドスイッチ(Q4)と、
直噴インジェクタから燃料を噴射させる噴射期間のうち、噴射期間の開始から直噴インジェクタに流れる電流が所定のピーク電流に到達するまでの放電期間において、対応する放電スイッチ及びローサイドスイッチをオンさせ、ピーク電流に到達してから噴射期間が終了するまでの定電流期間において、放電スイッチをオフさせつつ、電流がピーク電流よりも低い所定の保持電流となるように、対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフを制御する制御部(30)と、
を備え、
制御部は、直噴インジェクタの1つである第1インジェクタの定電流期間において、第1インジェクタとは別気筒の直噴インジェクタの1つであり、第1インジェクタとは別のハイサイド回路部により駆動される第2インジェクタに、第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように、第1インジェクタに対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフと、第2インジェクタに対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフを制御する。
電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路部(20)と、
対応する直噴インジェクタの上流側と昇圧回路部との間に配置され、オンすることで昇圧電圧を対応する直噴インジェクタに印加する放電スイッチ(Q2)、及び、対応する直噴インジェクタの上流側に配置され、オンすることで電源電圧を対応する直噴インジェクタに印加する定電流スイッチ(Q3)をそれぞれ有し、内燃機関の気筒数以下であって複数設けられたハイサイド回路部(COM)と、
対応する直噴インジェクタの下流側に配置されて、オンにより対応する直噴インジェクタの下流側をグランドに接続する複数のローサイドスイッチ(Q4)と、
直噴インジェクタから燃料を噴射させる噴射期間のうち、噴射期間の開始から直噴インジェクタに流れる電流が所定のピーク電流に到達するまでの放電期間において、対応する放電スイッチ及びローサイドスイッチをオンさせ、ピーク電流に到達してから噴射期間が終了するまでの定電流期間において、放電スイッチをオフさせつつ、電流がピーク電流よりも低い所定の保持電流となるように、対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフを制御する制御部(30)と、
を備え、
制御部は、直噴インジェクタの1つである第1インジェクタの定電流期間において、第1インジェクタとは別気筒の直噴インジェクタの1つであり、第1インジェクタとは別のハイサイド回路部により駆動される第2インジェクタに、第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように、第1インジェクタに対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフと、第2インジェクタに対応する定電流スイッチ及びローサイドスイッチのオンオフを制御する。
この燃料噴射制御装置によれば、第1インジェクタの定電流期間に、第1インジェクタとは別のハイサイド回路部により駆動される第2インジェクタに対して、第1インジェクタとは逆位相の電流を流すように制御する。第1インジェクタに流れる電流と第2インジェクタに流れる電流が互いに逆位相となり、電流変化が相殺される。これにより、定電流制御時の電流変化が、ノイズとなって電源電圧に重畳するのを抑制することができる。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、本実施形態に係る燃料噴射制御装置の概略構成を説明する。本実施形態の燃料噴射制御装置は、エンジンECU(Electronic Control Unit)として構成されている。以下においては、エンジンECUとしての機能のうち、インジェクタの駆動を制御する機能について説明する。
先ず、図1に基づき、本実施形態に係る燃料噴射制御装置の概略構成を説明する。本実施形態の燃料噴射制御装置は、エンジンECU(Electronic Control Unit)として構成されている。以下においては、エンジンECUとしての機能のうち、インジェクタの駆動を制御する機能について説明する。
図1に示す燃料噴射制御装置10は、車両のエンジンルームに配置されており、エンジン(内燃機関)の各気筒それぞれに設けられたインジェクタ100の駆動を制御する。インジェクタ100は、燃料噴射弁とも称される。インジェクタ100は、エンジンの燃焼室内に、燃料を直接的に噴射する。インジェクタ100が直噴インジェクタに相当する。インジェクタ100は、電磁負荷であるソレノイド110を有している。ソレノイド110は、コイルとも称される。
本実施形態では、4気筒ガソリンエンジンの各気筒それぞれに、インジェクタ100が設けられている。インジェクタ100はインジェクタ101〜104を有し、ソレノイド110はソレノイド111〜114を有している。ソレノイド111を有するインジェクタ101が第1気筒に設けられており、ソレノイド112を有するインジェクタ102が第2気筒に設けられている。ソレノイド113を有するインジェクタ103が第3気筒に設けられており、ソレノイド114を有するインジェクタ104が第4気筒に設けられている。
インジェクタ100は、対応するソレノイド110の通電時には該ソレノイド110が生じる電磁力によって開放され、燃料を噴射するようになっている。また、ソレノイド110への非通電時には、インジェクタ100に設けられた図示しないバネの付勢力により閉鎖されるようになっている。
ソレノイド110の上流側は燃料噴射制御装置10の端子P1に接続され、下流側は端子P2に接続されている。端子P1は上流端子とも称され、端子P2は下流端子とも称される。本実施形態では、燃料噴射制御装置10が、端子P1として端子P11〜P14を有している。端子P11はソレノイド111の上流側に接続され、端子P12はソレノイド112の上流側に接続されている。端子P13はソレノイド113の上流側に接続され、端子P14はソレノイド114の上流側に接続されている。端子P1については、ソレノイド111,114で共通とし、ソレノイド112,113で共通とすることもできる。
また、燃料噴射制御装置10が、端子P2として端子P21〜P24を有している。端子P21はソレノイド111の下流側に接続され、端子P22はソレノイド112の下流側に接続されている。端子P23はソレノイド113の下流側に接続され、端子P24がソレノイド114の下流側に接続されている。
燃料噴射制御装置10は、昇圧回路部20、ハイサイド回路部COM、ローサイドスイッチQ4、電流検出用の抵抗R2、及び制御部30を備えている。
昇圧回路部20は、バッテリ電圧VBを昇圧して昇圧電圧を生成する回路であり、コンデンサC1及び充電回路を有している。バッテリ電圧VBは、電源電圧に相当する。コンデンサC1は、開弁駆動時にソレノイド110(ソレノイド111〜114)に印加するエネルギを蓄える。コンデンサC1は昇圧電源、チャージコンデンサとも称される。コンデンサC1としては、たとえば電解コンデンサを採用することができる。
充電回路は、バッテリ電圧VBを昇圧してコンデンサC1を充電する回路である。充電回路は、インダクタL1(コイル)、昇圧スイッチQ1、抵抗R1、及びダイオードD1を有している。
燃料噴射制御装置10の端子P3には、バッテリ電圧VBが供給される。インダクタL1の一端は端子P3に接続されており、他端には昇圧スイッチQ1が接続されている。本実施形態では、昇圧スイッチQ1としてnチャネル型のMOSFETを採用している。昇圧スイッチQ1のドレインがインダクタL1に接続され、ソースが抵抗R1を介してグランドに接続されている。昇圧スイッチQ1のオンオフは、制御部30から出力される駆動信号S1によって制御される。
インダクタL1と昇圧スイッチQ1との接続点には、逆流阻止用のダイオードD1のアノードが接続されている。ダイオードD1とグランドとの間に、コンデンサC1が配置されている。コンデンサC1の正極(陽極)が、ダイオードD1のカソードに接続され、負極が昇圧スイッチQ1と抵抗R1との接続点に接続されている。抵抗R1に流れる電流が、制御部30により検出される。
ハイサイド回路部COMは、対応するソレノイド110の上流側に配置され、オンすることで対応するソレノイド110に電力を供給するスイッチを備えた回路である。燃料噴射制御装置10は、ハイサイド回路部COMとして、ソレノイド111,114に対して電力を供給可能なハイサイド回路部COM1、及び、ソレノイド112,113に対して電力を供給可能なハイサイド回路部COM2を有している。ハイサイド回路部COM1は、ソレノイド111,114に共通の回路であり、ハイサイド回路部COM2は、ソレノイド112,113に共通の回路である。ハイサイド回路部COM1,COM2は、それぞれコモン回路とも称される。しかしながら、ソレノイド110ごとに独立して設けられたハイサイド回路部COMを採用することもできる。
ハイサイド回路部COMは、放電スイッチQ2、定電流スイッチQ3、及びダイオードD2,D3を有している。放電スイッチQ2は、コンデンサC1の正極と端子P1との間に配置され、オンすることで、コンデンサC1に蓄積されたエネルギを、端子P1を介してソレノイド110に放電させるスイッチである。本実施形態では、放電スイッチQ2として、nチャネル型のMOSFETを採用している。
放電スイッチQ2のドレインはダイオードD1とコンデンサC1との接続点、すなわちコンデンサC1の正極に接続され、ソースは端子P1を介して対応するソレノイド110の上流側に接続されている。ハイサイド回路部COMは、放電スイッチQ2として2つの放電スイッチQ21,Q22を有している。ハイサイド回路部COM1が放電スイッチQ21を有し、ハイサイド回路部COM2が放電スイッチQ22を有している。
放電スイッチQ21は、ソレノイド111,114の上流端子、すなわち端子P11,P14とコンデンサC1との間に配置され、オンすることで、コンデンサC1に蓄積されたエネルギ(昇圧電圧)を、端子P11,P14を介してソレノイド111,114に放電させるスイッチである。放電スイッチQ22は、ソレノイド112,113の上流端子、すなわち端子P12,P13とコンデンサC1との間に配置され、オンすることで、コンデンサC1に蓄積されたエネルギを、端子P12,P13を介してソレノイド112,113に放電させるスイッチである。放電スイッチQ21,Q22のオンオフは、制御部30から出力される駆動信号S21,S22によって制御される。
定電流スイッチQ3は、端子P1に対して上流側に配置され、オンすることで、端子P1を介して対応するソレノイド110にバッテリ電圧VBを供給するスイッチである。本実施形態では、定電流スイッチQ3として、nチャネル型のMOSFETを採用している。
定電流スイッチQ3のドレインは電源ライン21を介して端子P3に接続されており、ソースは、逆流阻止用のダイオードD2及び端子P1を介して、対応するソレノイド110の上流側に接続されている。燃料噴射制御装置10は、定電流スイッチQ3として2つの定電流スイッチQ31,Q32を有している。ハイサイド回路部COM1が定電流スイッチQ31を有し、ハイサイド回路部COM2が定電流スイッチQ32を有している。
定電流スイッチQ31は、ソレノイド111,114の上流端子、すなわち端子P11,P14に対して上流側に配置され、オンすることで、端子P11,P14を介してソレノイド111,114にバッテリ電圧VBを供給するスイッチである。定電流スイッチQ31のソースは、ダイオードD21を介して、端子P11,P14に接続されている。定電流スイッチQ32は、ソレノイド112,113の上流端子、すなわち端子P12,P13に対して上流側に配置され、オンすることで、端子P12,P13を介してソレノイド112,113にバッテリ電圧VBを供給するスイッチである。定電流スイッチQ32のソースは、ダイオードD22を介して、端子P12,P13に接続されている。定電流スイッチQ31,Q32のオンオフは、制御部30から出力される駆動信号S31,S32によって制御される。
ダイオードD2のアノードは定電流スイッチQ3のソースに接続され、カソードは放電スイッチQ2のソースに接続されている。ダイオードD2と放電スイッチQ2の接続点とグランドとの間には、還流用のダイオードD3がアノードをグランド側にして配置されている。燃料噴射制御装置10は、ダイオードD2として2つのダイオードD21,D22を有し、ダイオードD3として2つのダイオードD31,D32を有している。ハイサイド回路部COM1がダイオードD21,D31を有し、ハイサイド回路部COM2がダイオードD22,D32を有している。
ローサイドスイッチQ4は、ソレノイド110ごとに設けられるとともに対応するソレノイド110の下流側に配置され、オンすることで、対応するソレノイド110の下流側をグランドに接続させる。ローサイドスイッチQ4は、気筒選択スイッチとも称される。本実施形態では、ローサイドスイッチQ4として、nチャネル型のMOSFETを採用している。ローサイドスイッチQ4のソースは電流検出用の抵抗R2を介してグランドに接続されており、ドレインは端子P2を介して対応するソレノイド110の下流側に接続されている。抵抗R2は、ローサイドスイッチQ4をオンしているときに、対応するソレノイド110(インジェクタ100)に流れる電流を検出するための抵抗である。
具体的には、燃料噴射制御装置10が、ローサイドスイッチQ4として、4つのローサイドスイッチQ41,Q42,Q43,Q44を有している。また、抵抗R2として、4つの抵抗R21,R22,R23,R24を有している。ローサイドスイッチQ41は、第1気筒のインジェクタ101に対応しており、ドレインが端子P21を介してソレノイド111の下流側に接続され、ソースが抵抗R21を介してグランドに接続されている。ローサイドスイッチQ42は、第2気筒のインジェクタ102に対応しており、ドレインが端子P22を介してソレノイド112の下流側に接続され、ソースが抵抗R22を介してグランドに接続されている。
ローサイドスイッチQ43は、第3気筒のインジェクタ103に対応しており、ドレインが端子P23を介してソレノイド113の下流側に接続され、ソースが抵抗R23を介してグランドに接続されている。ローサイドスイッチQ44は、第4気筒のインジェクタ104に対応しており、ドレインが端子P24を介してソレノイド114の下流側に接続され、ソースが抵抗R24を介してグランドに接続されている。
ローサイドスイッチQ41,Q42,Q43,Q44のオンオフは、制御部30から出力される駆動信号S41,S42,S43,S44によって制御される。なお、電流検出用の抵抗R2については、ハイサイド回路部COM1に対応するソレノイド111,114で共通とし、ハイサイド回路部COM2に対応するソレノイド112,113で共通とすることもできる。
制御部30は、昇圧回路部20を構成する充電回路の駆動、具体的には昇圧スイッチQ1のオンオフを制御する。また、制御部30は、ハイサイド回路部COMが備えるスイッチ、すなわち放電スイッチQ2(Q21,Q22)のオンオフ、及び、定電流スイッチQ3(Q31,Q32)のオンオフを制御する。また、制御部30は、ローサイドスイッチQ4(Q41,Q42,Q43,Q44)のオンオフを制御する。
制御部30が提供する手段及び/又は機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。たとえば制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。本実施形態の燃料噴射制御装置10は、上記したようにエンジンECUとして構成されている。そして、制御部30が、図示しないマイコン及び制御ICにより構成されている。
マイコンは、CPU、ROM、RAM、レジスタ、及びI/Oポートなどを備えて構成されたマイクロコンピュータである。たとえば、マイコンは、エンジンが出力すべき目標トルクを算出する。また、エンジンが要求される目標トルクを生じるために、図示しないスロットルバルブを適切な開度に制御するとともに、エンジンの燃料噴射量及び点火タイミングを制御する。
マイコンは、エンジン回転数Ne、アクセル開度など、図示しない各種センサにて検出されるエンジンの運転情報に基づいて、各インジェクタ100に対応する噴射信号TQを生成し、制御ICに出力する。マイコンは、開弁を指示する期間において、噴射信号TQとして電圧レベルがHレベルの信号を出力し、閉弁を指示する期間において、噴射信号TQとしてLレベルの信号を出力する。本実施形態では、インジェクタ101、インジェクタ103、インジェクタ104、インジェクタ102の順に噴射するように、噴射信号TQ1〜TQ4を生成する。なお、噴射信号TQ1が、インジェクタ101に対応する信号である。
制御ICは、マイコンから各気筒の噴射信号TQを取得する。また、抵抗R2に流れる電流を検出する。制御ICは、電流に相関する抵抗R2の両端電圧(両端の電位差)を検出する。制御ICは、インジェクタ100の燃料噴射を制御するために、噴射信号TQ及び電流の検出信号に基づいて駆動信号を生成し、放電スイッチQ2、定電流スイッチQ3、及びローサイドスイッチQ4のオンオフを制御する。すなわち、各インジェクタ100による燃料噴射を制御する。
また、制御ICは、昇圧電圧が所定の範囲内に保持されるように、昇圧回路部20を構成する昇圧スイッチQ1のオンオフを制御する。制御部30は、コンデンサC1の正極側の電圧、すなわち昇圧電圧を取得する。昇圧電圧は、たとえば図示しない抵抗により分圧されて、制御部30に入力される。制御部30は、昇圧電圧が所定の閾値電圧以下になると、昇圧スイッチQ1を繰り返しオンオフさせることで、昇圧電圧が目標電圧(たとえば満充電電圧)となるようにコンデンサC1を充電させる。昇圧スイッチQ1をオンさせると、インダクタL1及び昇圧スイッチQ1を通じて抵抗R1に電流(充電電流)が流れる。昇圧スイッチQ1をオフさせると、インダクタL1に蓄積されたエネルギが、ダイオードD1を通じてコンデンサC1に移り、昇圧電圧は上昇する。このとき、抵抗R1に充電電流が流れる。制御部30は、たとえば、噴射のためにコンデンサC1から放電が行われた後、次の放電が開始されるまでの間に、コンデンサC1を充電させる。
次に、図2及び図3に基づき、逆位相駆動が可能な制御部30の構成及び制御部30が実行する燃料噴射制御について説明する。図3では、4気筒のうち、第1気筒の噴射期間を例示している。図3に示すI1はソレノイド111に流れる電流、I2はソレノイド112に流れる電流を示している。
上記したように、本実施形態では、インジェクタ101、インジェクタ103、インジェクタ104、インジェクタ102の順に燃料を噴射する。また、インジェクタ101,104が共通のハイサイド回路部COM1とされ、インジェクタ102,103が共通のハイサイド回路部COM2となっている。そして、インジェクタ101の噴射期間において、インジェクタ102が逆位相駆動される。また、インジェクタ103の噴射期間において、インジェクタ101が逆位相駆動される。また、インジェクタ104の噴射期間において、インジェクタ103が逆位相駆動される。また、インジェクタ102の噴射期間において、インジェクタ104が逆位相駆動される。
図2に示すように、制御部30の制御ICは、駆動信号S31,S32を生成するために、制御信号生成部31,32、逆位相指示部33,34、及び反転回路部35を有している。
制御信号生成部31は、定電流スイッチQ31をオンオフさせるための制御信号S51を生成する。制御信号生成部31は、噴射信号TQ1,TQ4及びソレノイド111,114に流れる電流I1,I4に基づいて、制御信号S51を生成する。
たとえばインジェクタ101の噴射期間において、制御信号S51が駆動信号S31として、定電流スイッチQ31に出力される。制御信号生成部31は、インジェクタ101の噴射期間のうち、電流I1がピーク電流値Ipeakに到達した後、噴射期間が終了するまでの定電流期間において、電流I1がピーク電流値Ipeakよりも低い所定の保持電流値Iholdとなるように、HレベルとLレベルが交互に切り替わる制御信号S51を出力する。
電流I1が、ピーク電流値Ipeakよりも低い所定の下限電流値まで低下すると、制御信号S51がHレベルになる。これにより電流I1は上昇する。電流I1が、ピーク電流値Ipeakよりも低く、下限電流値よりも高い所定の上限電流値まで上昇すると、制御信号S51がHレベルからLレベルに切り替わる。これにより、定電流スイッチQ31がオフとなり、電流I1が低下する。下限電流値と上限電流値は、保持電流値Iholdを挟むように設定される。このようにして、電流I1が保持電流値Iholdに保持される。保持電流は、たとえば下限電流値及び上限電流値の中間値とされる。
同様に、インジェクタ104の噴射期間において、制御信号S51が駆動信号S31として、定電流スイッチQ31に出力される。
制御信号生成部32は、定電流スイッチQ32をオンオフさせるための制御信号S52を生成する。制御信号生成部32は、噴射信号TQ2,TQ3及びソレノイド112,113に流れる電流I2,I3に基づいて、制御信号S52を生成する。
たとえばインジェクタ102の噴射期間において、制御信号S52が駆動信号S32として、定電流スイッチQ32に出力される。制御信号生成部32は、インジェクタ102の噴射期間のうち、電流I2がピーク電流値Ipeakに到達した後、噴射期間が終了するまでの定電流期間において、電流I2がピーク電流値Ipeakよりも低い所定の保持電流値Iholdとなるように、HレベルとLレベルが交互に切り替わる制御信号S52を出力する。電流I2が、ピーク電流値Ipeakよりも低い所定の下限電流値まで低下すると、制御信号S52がHレベルになる。これにより電流I2は上昇する。電流I2が、ピーク電流値Ipeakよりも低く、下限電流値よりも高い所定の上限電流値まで上昇すると、制御信号S52がHレベルからLレベルに切り替わる。これにより、定電流スイッチQ32がオフとなり、電流I2が低下する。このようにして、電流I2が保持電流値Iholdに保持される。
同様に、インジェクタ103の噴射期間において、制御信号S52が駆動信号S32として、定電流スイッチQ32に出力される。
逆位相指示部33は、定電流スイッチQ32に対して逆位相駆動を指示する信号S53を生成する。逆位相指示部33は、電流I1,I4に基づいて、指示信号S53を生成する。逆位相指示部33から指示信号としてHレベルの信号が出力されている間、定電流スイッチQ32は、定電流スイッチQ31とは逆位相で駆動される。これにより、電流I1とは逆位相の電流I2が流れる。また、電流I4とは逆位相の電流I3が流れる。
逆位相指示部34は、定電流スイッチQ31に対して逆位相駆動を指示する信号S54を生成する。逆位相指示部34は、電流I2,I3に基づいて、指示信号S54を生成する。逆位相指示部34から指示信号としてHレベルの信号が出力されている間、定電流スイッチQ31は、定電流スイッチQ32とは逆位相で駆動される。たとえば電流I3とは逆位相の電流I1が流れる。また、電流I2とは逆位相の電流I4が流れる。
反転回路部35は、スイッチQ51〜Q54、NOTゲートN1,N2、及び抵抗R31,R32を有している。NOTゲートN1,N2は、インバータとも称される。
スイッチQ51は、制御信号生成部31から定電流スイッチQ31のゲートまでの通電経路に設けられている。スイッチQ51がオンされると、制御信号S51が駆動信号S31として出力される。スイッチQ51がオフされると、制御信号生成部31は定電流スイッチQ31に対して遮断される。スイッチQ51のオンオフは、指示信号S54により制御される。
本実施形態では、スイッチQ51として、pnp型のバイポーラトランジスタを採用している。スイッチQ51のエミッタが制御信号生成部31に接続され、コレクタが定電流スイッチQ31のゲートに接続されている。ベースは、逆位相指示部34に接続されている。
スイッチQ52は、制御信号生成部32から定電流スイッチQ32のゲートまでの通電経路に設けられている。スイッチQ52がオンされると、制御信号S52が駆動信号S32として出力される。スイッチQ52がオフされると、制御信号生成部32は定電流スイッチQ32に対して遮断される。スイッチQ52のオンオフは、指示信号S53により制御される。
本実施形態では、スイッチQ52として、pnp型のバイポーラトランジスタを採用している。スイッチQ52のエミッタが制御信号生成部32に接続され、コレクタが定電流スイッチQ32のゲートに接続されている。ベースは、逆位相指示部33に接続されている。
スイッチQ53は、NOTゲートN1と直列に接続されている。NOTゲートN1は、制御信号S51を反転して出力する。スイッチQ53がオンされると、制御信号S51の反転信号が、定電流スイッチQ32のゲートに入力される。スイッチQ53がオフされると、定電流スイッチQ32のゲートに対する反転信号の入力が遮断される。制御信号S51の反転信号とは、制御信号S51に対してオンオフが逆転した信号、すなわち位相が反転した信号である。
本実施形態では、スイッチQ53として、npn型のバイポーラトランジスタを採用している。スイッチQ53のコレクタがスイッチQ51のコレクタに接続され、エミッタがNOTゲートN1の入力端子に接続されている。ベースは、逆位相指示部33に接続されている。NOTゲートN1の出力端子は、スイッチQ52のコレクタに接続されている。
スイッチQ54は、NOTゲートN2と直列に接続されている。NOTゲートN2は、制御信号S52を反転して出力する。スイッチQ54がオンされると、制御信号S52の反転信号が、定電流スイッチQ31のゲートに入力される。スイッチQ54がオフされると、定電流スイッチQ31のゲートに対する反転信号の入力が遮断される。
本実施形態では、スイッチQ54として、npn型のバイポーラトランジスタを採用している。スイッチQ54のコレクタがスイッチQ52のコレクタに接続され、エミッタがNOTゲートN2の入力端子に接続されている。ベースは、逆位相指示部34に接続されている。NOTゲートN2の出力端子は、スイッチQ51のコレクタに接続されている。
次いで、燃料噴射制御について説明する。以下においては、インジェクタ101の噴射期間を例に説明する。すなわち、インジェクタ101が第1インジェクタに相当し、インジェクタ102が第2インジェクタに相当する。
図3に示すように、噴射信号TQ1がLレベルからHレベルに立ち上がる、すなわちインジェクタ101の噴射期間になると、制御部30は先ず放電制御を実行する。具体的には、インジェクタ101を開弁させるために、制御部30が駆動信号S21としてHレベルの信号を出力する。また、制御部30は、駆動信号S41としてHレベルの信号を出力する。制御部30は、上記以外の駆動信号S22,S31,S32,S42,S43,S44、制御信号S51,S52、及び指示信号S53,S54として、Lレベルの信号を出力する。
これにより、噴射期間の初期において、放電スイッチQ21及びローサイドスイッチQ41がオンする。このように、放電スイッチQ21がオンされる放電期間では、コンデンサC1からソレノイド111に昇圧電圧が印加され、ソレノイド111に流れる電流I1が急激に立ち上がってインジェクタ101が開弁する。
放電期間において、制御部30の逆位相指示部33,34は、指示信号S53,S54としてLレベルの信号を出力する。このため、スイッチQ51,Q52はそれぞれオン状態となる。しかしながら、制御部30の制御信号生成部31,32から出力される制御信号S51,S52もLレベルのため、定電流スイッチQ31,Q32はオフ状態とされる。
なお、制御部30は、インジェクタ101の噴射期間中、駆動信号S22,S43,S44、制御信号S52、及び指示信号S54として、Lレベルの信号を出力する。したがって、インジェクタ101の噴射期間中、スイッチQ51がオン状態、スイッチQ54がオフ状態とされるため、制御信号S51が駆動信号S31として出力される。
電流I1が目標値であるピーク電流値Ipeakに達すると、制御部30は、駆動信号S21をHレベルからLレベルに切り替える。これにより、放電スイッチQ21がオフとなり、放電期間が終了となる。ローサイドスイッチQ41については継続してオンさせるため、制御部30は、駆動信号S41としてHレベルの信号を継続する。
放電期間が終了してから、噴射信号TQ1がLレベルに立ち下がって噴射期間が終了するまでの定電流期間において、制御部30は、定電流処理を実行する。具体的には、電流I1が、所定の下限電流値まで低下すると、制御部30の制御信号生成部31は、制御信号S51としてHレベルの信号を出力する。これにより、定電流スイッチQ31がオンし、電流I1が上昇する。電流I1が所定の上限電流値まで上昇すると、制御信号生成部31は、制御信号S51としてLレベルの信号を出力する。これにより、駆動信号S31もLレベルとなり、定電流スイッチQ31がオフ状態となって電流I1が低下する。
このように、制御信号生成部31は、電流I1が下限電流値以上、上限電流値以下となるように、定電流スイッチQ31のオンオフを制御する。これにより定電流期間では、電流I1として、ピーク電流値Ipeakよりも小さい所定の保持電流値Ihold、すなわちほぼ一定の電流が、ソレノイド111に通電される。これにより、インジェクタ101の開弁状態が保持される。
噴射信号TQ1がLレベルになる、すなわち噴射期間が終了すると、制御信号生成部31は、制御信号S51としてLレベルの信号を出力する。また、制御部30は、駆動信号S41としてLレベルの信号を出力する。これにより、定電流スイッチQ31及びローサイドスイッチQ41がオフとなり、開弁処理が終了する。
電流I1がピーク電流値Ipeakに達すると、逆位相指示部33は、出力する指示信号S53をLレベルからHレベルに切り替える。これにより、スイッチQ53がオン状態となる。また、スイッチQ52はオフ状態となる。したがって、制御信号S51の反転信号が、定電流スイッチQ32に入力される。逆位相指示部33は、噴射期間が終了すると、出力する指示信号S53をHレベルからLレベルに切り替える。
このように、指示信号S53がHレベルの間、制御信号S51の反転信号が、定電流スイッチQ32に入力される。すなわち、定電流スイッチQ31がオフのときに定電流スイッチQ32がオンされ、定電流スイッチQ31がオンのときに定電流スイッチQ32がオフされる。また、指示信号S53がHレベルの間、制御部30は、駆動信号S42としてHレベルの信号を出力する。したがって、インジェクタ102のソレノイド112にも電流I2が流れる。ソレノイド112に流れる電流I2とソレノイド111に流れる電流I1は、互いに逆位相となる。
次に、上記した燃料噴射制御装置10の効果について説明する。
従来の噴射制御では、定電流期間において、ローサイドスイッチをオンさせつつ、所定の保持電流となるように定電流スイッチを繰り返しオンオフさせるため、図4に一点鎖線で示すように、定電流制御による電流変化がノイズとなってバッテリ電圧VBに重畳するという問題があった。
これに対し、本実施形態では、制御部30が、インジェクタ101の定電流期間において、インジェクタ101とは別のハイサイド回路部COM2により駆動されるインジェクタ102に、電流I1と逆位相の電流I2が流れるように、定電流スイッチQ32及びローサイドスイッチQ42のオンオフを制御する。具体的には、制御信号S51の反転信号を用いて、定電流スイッチQ32のオンオフを制御する。すなわち、インジェクタ101に対応する定電流スイッチQ31のオンオフのタイミングに合わせて、インジェクタ102に対応する定電流スイッチQ32のオンオフを切り替える。
電流I1と電流I2は互いに逆位相であるため、電流変化が相殺される。これにより、電流変化がノイズとなってバッテリ電圧VBに重畳するのを抑制することができる。すなわち、図4に実線で示すように、バッテリ電圧VBの変動を抑制することができる。したがって、バッテリ電圧VBが変動して電磁ノイズが放射されるのを抑制することができる。
また、インジェクタ101の放電期間には、ソレノイド112に電流I2が流れないように制御するため、噴射期間ではないインジェクタ102が開弁し、燃料が噴射されるのを抑制することができる。
なお、上記においては、インジェクタ101の定電流期間において逆位相駆動する例を示した。しかしながら、その他のインジェクタ102,103,104の定電流期間においても同様である。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した燃料噴射制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した燃料噴射制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態の制御部30は、変曲点検出部36,37及びANDゲートA1,A2を有している。
変曲点検出部36は、ハイサイド回路部COM1側の電流I1,I4の変曲点DPを検出する。変曲点検出部37は、ハイサイド回路部COM2側の電流I2,I3の変曲点DPを検出する。変曲点DPの検出は、微分処理、積分処理などの数学的な処理によって実行することができる。
変曲点検出部36は、電流I1,I4それぞれの変曲点DPを検出したときの電流値を開弁位置電流値Idpとして検出する。そして、検出した開弁位置電流値Idpと予め設定されている所定の保持電流値Iholdとを比較し、比較結果を判定信号S56としてANDゲートA1に出力する。保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idp以下の場合、判定信号S56としてHレベルの信号を出力する。一方、保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idpよりも大きい場合、判定信号S56としてLレベルの信号を出力する。
同じく、変曲点検出部37は、電流I2,I3それぞれの変曲点DPを検出したときの電流値を開弁位置電流値Idpとして検出する。そして、検出した開弁位置電流値Idpと予め設定されている所定の保持電流値Iholdとを比較し、比較結果を判定信号S57としてANDゲートA2に出力する。保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idp以下の場合、判定信号S57としてHレベルの信号を出力する。一方、保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idpよりも大きい場合、判定信号S57としてLレベルの信号を出力する。
ANDゲートA1には、指示信号S53と判定信号S56が入力される。指示信号S53及び判定信号S56がともにHレベルの場合に、ANDゲートA1はスイッチQ53のベースに対してHレベルの信号を出力する。ANDゲートA1は、指示信号S53がHレベルで、判定信号S56がLレベルの場合には、スイッチQ53に対してLレベルの信号を出力する。
ANDゲートA2には、指示信号S54と判定信号S57が入力される。指示信号S54及び判定信号S57がともにHレベルの場合に、ANDゲートA1はスイッチQ54のベースに対してHレベルの信号を出力する。ANDゲートA1は、指示信号S54がHレベルで、判定信号S57がLレベルの場合には、スイッチQ54に対してLレベルの信号を出力する。
図6及び図7は、いずれもインジェクタ101の噴射期間を示している。図6は、保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idp以下の場合を示している。図7は、保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idpよりも大きい場合を示している。
図6に示すように、変曲点検出部36は、電流I1の変曲点DPにおける開弁位置電流値Idpを検出し、保持電流値Iholdが検出した開弁位置電流値Idp以下と判定すると、判定信号S56としてHレベルの信号を出力する。変曲点検出部36は、噴射期間が終了するまで、Hレベルの信号を出力する。逆位相指示部33から出力される指示信号S53がHレベルに切り替わると、制御信号S51の反転信号が、定電流スイッチQ32のゲートに入力される。したがって、インジェクタ102のソレノイド112には、電流I1とは逆位相の電流I2が流れる。
一方、図7に示すように、変曲点検出部36は、保持電流値Iholdが検出した開弁位置電流値Idpよりも大きいと判定すると、判定信号S56としてLレベルの信号を出力する。変曲点検出部36は、噴射期間が終了するまで、Lレベルの信号を出力する。このため、指示信号S53がHレベルに切り替わってもスイッチQ53がオンせず、制御信号S51の反転信号が定電流スイッチQ32のゲートに入力されない。
このように、本実施形態では、制御部30が、インジェクタ101のソレノイド111に流れる電流I1の波形の変曲点DPから開弁位置電流値Idpを検出する。そして、電流I1の保持電流値Iholdが開弁位置電流値Idp以下の場合のみ、インジェクタ102に電流I1とは逆位相の電流I2が流れるように制御する。したがって、逆位相駆動させながらも、噴射期間ではないインジェクタ102が開弁するのを、より確実に抑制することができる。
なお、上記においては、インジェクタ101の定電流期間の例を示した。しかしながら、その他のインジェクタ102,103,104の定電流期間においても同様である。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した燃料噴射制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した燃料噴射制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の制御部30は、バッテリ電圧判定部38及びANDゲートA3,A4を有している。
バッテリ電圧VBは、たとえば図示しない抵抗により分圧されて、制御部30に入力される。バッテリ電圧判定部38は、バッテリ電圧VBと予め設定された所定値とを比較し、比較結果を判定信号S58としてANDゲートA3,A4に出力する。バッテリ電圧判定部38は、バッテリ電圧VBが所定値以上の場合、判定信号S58としてHレベルの信号を出力する。一方、バッテリ電圧VBが所定値未満の場合、判定信号S58としてLレベルの信号を出力する。
ANDゲートA3には、指示信号S53と判定信号S58が入力される。指示信号S53及び判定信号S58がともにHレベルの場合に、ANDゲートA3はスイッチQ53のベースに対してHレベルの信号を出力する。ANDゲートA3は、指示信号S53がHレベルで、判定信号S58がLレベルの場合には、スイッチQ53に対してLレベルの信号を出力する。
ANDゲートA4には、指示信号S54と判定信号S58が入力される。指示信号S54及び判定信号S58がともにHレベルの場合に、ANDゲートA4はスイッチQ54のベースに対してHレベルの信号を出力する。ANDゲートA4は、指示信号S54がHレベルで、判定信号S58がLレベルの場合には、スイッチQ54に対してLレベルの信号を出力する。
タイムチャートについては省略するが、バッテリ電圧VBが所定値以上の場合、図6同様、インジェクタ101の定電流期間において、インジェクタ102のソレノイド112に逆位相の電流が流れる。バッテリ電圧VBが所定値未満の場合、図7同様、インジェクタ101の定電流期間において、インジェクタ102のソレノイド112に電流I2が流れない。
このように、本実施形態では、制御部30が、バッテリ電圧VBが所定値以上の場合のみ、インジェクタ102に電流I1とは逆位相の電流I2が流れるように制御する。すなわち、バッテリ電圧VBが低いときには逆位相制御を実施しない。これにより、バッテリ電圧VBが低いときにおいて、コンデンサC1に蓄積されたエネルギの消費を抑え、ピーク電流値Ipeakに到達するまでの時間が長くなるのを抑制することができる。
なお、上記においては、インジェクタ101の定電流期間の例を示した。しかしながら、その他のインジェクタ102,103,104の定電流期間においても同様である。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
ローサイドスイッチQ4をオン状態としたまま、定電流スイッチQ3を繰り返しオンオフさせることで、所定の保持電流値Iholdとなるように制御する例を示した。しかしながら、上記例に限定されるものではない。たとえば、定電流スイッチQ3のオンオフに合わせて、ローサイドスイッチQ4をオンオフさせてもよい。また、定電流スイッチQ3をオン状態としたまま、ローサイドスイッチQ4を繰り返しオンオフさせることで、所定の保持電流値Iholdとなるように制御することもできる。
燃料噴射制御装置10が、ローサイドスイッチQ4がオフされたときに、対応するソレノイド110に蓄積されたエネルギをコンデンサC1に回収させるエネルギ回収手段をさらに備えてもよい。エネルギ回収手段としては、ダイオードやMOSFETなどのスイッチを採用することができる。
逆位相制御のタイミングは、上記例に限定されない。第1インジェクタの定電流期間の少なくとも一部において、第2インジェクタに逆位相の電流が流れるようにすればよい。たとえば図9に示す第1変形例のように、電流I1がピーク電流値Ipeakに到達後、制御信号S51がHレベルからLレベルに立ち下がるタイミングで、指示信号S53が、Hレベルに切り替わるようにしてもよい。すなわち、電流I1が保持電流値Iholdに保持されてから、逆位相制御を開始してもよい。
制御部30の制御ICが反転回路部35を有する例を示したがこれに限定されない。制御部ICとは別に反転回路部35が構成されてもよい。
燃料噴射制御装置10がエンジンECUとして構成され、制御部30がマイコン及び制御ICを備える例を示した。しかしながら、ECUがマイコンを備え、EDU(Electronic injector Driver Unit)が、制御ICなど、上記した燃料噴射制御装置10のマイコン以外の要素を備える構成としてもよい。
燃料噴射制御装置10が、直噴ガソリンエンジンに適用される例を示したが、ディーゼルエンジンにも適用できる。内燃機関の気筒数は上記例に限定されない。
10…燃料噴射制御装置、20…昇圧回路、21…電源ライン、30…制御部、31,32…制御信号生成部、33,34…逆位相指示部、35…反転回路部、36,37…変曲点検出部、38…バッテリ電圧判定部、101,101,102,103,104…インジェクタ、110,111,112,113,114…ソレノイド、A1,A2,A3,A4…ANDゲート、C1…コンデンサ、COM,COM1,COM2…ハイサイド回路部、D1,D2、D21,D22、D3,D31,D32…ダイオード、L1…インダクタ、N1,N2…NOTゲート、P1,P11,P12,P13,P14,P2,P21,P22,P23,P24,P3…端子、Q1…充電スイッチ、Q2,Q21,Q22…放電スイッチ、Q3,Q31,Q32…定電流スイッチ、Q4,Q41,Q42,Q43,Q44…ローサイドスイッチ、Q51,Q52,Q53,Q54…スイッチ、R1,R2,R21,R22,R23,R24,R31,R32…抵抗
Claims (4)
- 内燃機関が有する複数の気筒それぞれに設けられた直噴インジェクタ(100)の駆動を制御する燃料噴射制御装置であって、
電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路部(20)と、
対応する前記直噴インジェクタの上流側と前記昇圧回路部との間に配置され、オンすることで前記昇圧電圧を対応する前記直噴インジェクタに印加する放電スイッチ(Q2)、及び、対応する前記直噴インジェクタの上流側に配置され、オンすることで前記電源電圧を対応する前記直噴インジェクタに印加する定電流スイッチ(Q3)をそれぞれ有し、前記内燃機関の気筒数以下であって複数設けられたハイサイド回路部(COM)と、
対応する前記直噴インジェクタの下流側に配置されて、オンにより対応する前記直噴インジェクタの下流側をグランドに接続する複数のローサイドスイッチ(Q4)と、
前記直噴インジェクタから燃料を噴射させる噴射期間のうち、前記噴射期間の開始から前記直噴インジェクタに流れる電流が所定のピーク電流に到達するまでの放電期間において、対応する前記放電スイッチ及び前記ローサイドスイッチをオンさせ、前記ピーク電流に到達してから前記噴射期間が終了するまでの定電流期間において、前記放電スイッチをオフさせつつ、電流が前記ピーク電流よりも低い所定の保持電流となるように、対応する前記定電流スイッチ及び前記ローサイドスイッチのオンオフを制御する制御部(30)と、
を備え、
前記制御部は、前記直噴インジェクタの1つである第1インジェクタの前記定電流期間において、前記第1インジェクタとは別気筒の前記直噴インジェクタの1つであり、前記第1インジェクタとは別の前記ハイサイド回路部により駆動される第2インジェクタに、前記第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように、前記第1インジェクタに対応する前記定電流スイッチ及び前記ローサイドスイッチのオンオフと、前記第2インジェクタに対応する前記定電流スイッチ及び前記ローサイドスイッチのオンオフを制御する燃料噴射制御装置。 - 前記制御部は、前記第1インジェクタの前記定電流期間において、前記第2インジェクタに、前記第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように、前記第1インジェクタに対応する前記定電流スイッチのオンオフのタイミングに合わせて、前記第2インジェクタに対応する前記定電流スイッチのオンオフを切り替える請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記制御部は、前記第1インジェクタに流れる電流の波形の変曲点から開弁位置電流を検出し、前記第1インジェクタの前記保持電流が検出した前記開弁位置電流以下の場合、前記第2インジェクタに、前記第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように制御する請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記制御部は、前記電源電圧が所定電圧以上の場合、前記第2インジェクタに、前記第1インジェクタに流れる電流とは逆位相の電流が流れるように制御する請求項1〜3いずれか1項に記載の燃料噴射制御装置。
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