JP2018017040A - 屋外構造ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外構造物と建物との間からの流体の入り込みを防止するのに適した屋外構造ユニットを提供する。【解決手段】建物12の外壁14に対して屋外側に配置される屋外構造物22と、屋外構造物22の一部に設けられる構造物側対向部58と、建物12の一部に設けられるとともに構造物側対向部58と対向する建物側対向部60と、建物側対向部60と構造物側対向部58との間をシールするシール体66とを有するシール構造24−Aと、を備え、シール構造24−Aは、構造物側対向部58が外壁14から離間する方向に変位したとき、シール体66によるシール状態を保持可能に構成される。【選択図】図5

Description

本発明は、建物の屋外に配置される屋外構造ユニットに関する。
従来より、ガーデンルームのような、屋根体を有する屋外構造物が提案されている。この屋外構造物は、建物の外壁に対して屋外側に配置され、屋根体の下方に雨除け可能な屋根下空間が形成される。この種の屋外構造物として、特許文献1には、地盤中の基礎に一部が埋設された鳥居部材を組み込んだものが開示されている。この屋外構造物では、建物の外壁ではなく鳥居部材にビスを用いて屋根体が接続されている。これにより、建物の外壁にビス用の孔を空けずに屋外構造物を構築可能になる。
特開2014−95276号公報
ところで、特許文献1のように、建物の外壁に屋外構造物をビスを用いて接続しない場合、建物によって屋外構造物の変位が拘束されなくなり、建物に対して屋外構造物の一部が自由に動き易くなる。本発明者が実験的に検討したところ、このような構造のもとでは、屋外構造物の屋根体上に積載される雪の静荷重等によって、屋外構造物の一部が建物の外壁から離間する方向に変位するケースがあるとの知見を得た。このように屋外構造物の一部が変位してしまうと、屋外構造物と建物との間を通して、屋外構造物の周囲の屋外空間から屋根下空間に向かって隙間風、雨水等の流体が入り込み易くなるため、その改善が求められる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、屋外構造物と建物との間からの流体の入り込みを防止するのに適した屋外構造ユニットを提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は屋外構造ユニットである。第1態様の屋外構造ユニットは、建物の外壁に対して屋外側に配置される屋外構造物と、前記屋外構造物の一部に設けられる構造物側対向部と、前記建物の一部に設けられるとともに前記構造物側対向部と対向する建物側対向部と、前記建物側対向部と前記構造物側対向部との間をシールするシール体とを有するシール構造と、を備え、前記シール構造は、前記構造物側対向部が前記外壁から離間する方向に変位したとき、前記シール体によるシール状態を保持可能に構成される。
第1態様の屋外構造ユニットによれば、屋外構造物の一部が建物の外壁から離間する方向に変位したときでも、屋外構造物と建物との間からの流体の入り込みを防止できる。
本実施形態の屋外構造ユニットを示す側面図である。 本実施形態の門型フレームを示す前面図である。 本実施形態の後屋根体を示す側面断面図である。 図3のA−A線断面の一部を示す図である。 本実施形態の後屋根体の一部を拡大して示す側面断面図である。 本実施形態の屋外構造物の第1構造物側対向部が建物の外壁から離間する方向Paに初期位置から変位した状態を示す図である。 本実施形態の屋外構造物の第1構造物側対向部が初期位置から下方に変位した状態を示す図である。 本実施形態の屋外構造物の第1構造物側対向部が初期位置から下方に変位した他の状態を示す図である。 図1のB−B線断面の一部を示す図である。 図9の後縦枠の拡大図である。 本実施形態の屋外構造物の第2構造物側対向部が建物の外壁から離間する方向Pbに初期位置から変位した状態を示す図である。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。また、共通点のある別々の構成要素には、符号の末尾に「−A、−B」と付すことで区別し、総称するときはこれらを省略する。
図1は、本実施形態の屋外構造ユニット10を示す側面図である。屋外構造ユニット10は、住宅等の建物12の外壁14に隣接して配置される。本実施形態の屋外構造ユニット10は、既設の建物12に付加的に用いられる。この建物12は、地盤16中に構築された布基礎18上に配置される。布基礎18は、フーチング部18aと、フーチング部18aから立ち上がる立壁部18bとを有する。フーチング部18aの一部は、建物12の外壁14よりも屋外側に離間する方向(図1中左向き)に延びるように設けられる。
屋外構造ユニット10は、後述する屋根体28の下方に雨除け可能な屋根下空間を形成する。建物12の外壁14には、建物12の屋内空間と屋根下空間との間を行き来可能にする開口部20が形成される。以下、外壁14に対して近接及び離間する第1水平方向を前後方向Xとし、前後方向Xに直交するとともに外壁14に沿った第2水平方向を左右方向Yとする。前後方向Xに沿った二方向のうち、外壁14から離間する方向を前側とし、外壁14に近接する方向を後側とする。
屋外構造ユニット10は、屋外構造物22と、シール構造24とを備える。屋外構造物22は、建物12の外壁14に対して屋外側に配置される。屋外構造物22は、フレームユニット26と、フレームユニット26により支持される屋根体28と、屋根体28の下方の屋根下空間を前側から覆う前壁部30と、その屋根下空間を左右方向Yの両側から覆う側壁部32とを備える。
シール構造24には、屋根体28と建物12との間から屋根下空間に向かう流体の入り込みを防止するための第1シール構造24−Aと、屋外構造物22の側壁部32と建物12との間から屋根下空間に向かう流体の入り込みを防止するための第2シール構造24−Bとが含まれる。本実施形態の屋外構造ユニット10はシール構造24に特徴があるが、先に周辺構造から説明する。
フレームユニット26は、柱フレーム34と、梁フレーム36と、桁フレーム38とを備える。柱フレーム34は、地盤16から立ち上がるように設けられる。本実施形態の柱フレーム34は、左右の前柱フレーム34−Aと、前柱フレーム34−Aの後側に配置される左右の補助柱フレーム34−Bとを含む。梁フレーム36は、前柱フレーム34−Aの上端部と補助柱フレーム34−Bの上端部との間に架設される。桁フレーム38は、左右の柱フレーム34の上端部の間に架設される。桁フレーム38は、左右の前柱フレーム34−Aの間に架設される前桁フレーム38−Aと、左右の補助柱フレーム34−Bの間に架設される補助桁フレーム38−Bとを含む。
図2は、左右の補助柱フレーム34−Bと補助桁フレーム38−Bとが構成する門型フレーム40を示す前面図である。門型フレーム40は、図1、図2に示すように、門型をなし、建物12の外壁14から間隔を空けて配置される。詳しくは、門型フレーム40は、布基礎18のフーチング部18aより前側に位置するように、建物12の外壁14から間隔を空けて配置される。補助柱フレーム34−Bの下端部は、地盤16中に構築された基礎42内に埋設されることで基礎42に固定される。前柱フレーム34−Aの下端部も同様に、地盤16中に構築された基礎42内に埋設されることで基礎42に固定される(図1参照)。
屋根体28には、図1に示すように、前側に配置される前屋根体28−Aと、後側に配置される後屋根体28−Bとが含まれる。前屋根体28−Aは、前桁フレーム38−Aと門型フレーム40との間に架け渡される。後屋根体28−Bは後述する。
屋外構造物22の側壁部32には、補助柱フレーム34−Bより前側に配置される前側壁部32−Aと、補助柱フレーム34−Bより後側に配置される後側壁部32−Bとが含まれる。本実施形態の前壁部30と前側壁部32−Aは、透光性のあるガラスパネルを含む開閉可能な障子(折戸)である。後側壁部32は、後屋根体28−Bの下方に配置され、その後屋根体28−Bを支持する。後側壁部32は後述する。
屋外構造物22の後屋根体28−Bや後側壁部32−Bは、ビスを用いて外壁14に接続されていない。このように、屋外構造物22は、ビスを用いて外壁14に接続されておらず、建物12の強度等の諸性能に関して所期の品質を確保し易くなっている。
次に、第1シール構造24−Aに関連する構成を説明する。
図3は、後屋根体28−Bを示す側面断面図である。図4は、図3のA−A線断面の一部を示す図である。後屋根体28−Bは、図3、図4に示すように、補助桁フレーム38−B上に配置され、門型フレーム40から建物12の外壁14側に向かって延びるように設けられる。後屋根体28−Bは、複数の垂木44と、複数の屋根パネル46と、複数の垂木カバー48と、パネル受け材50と、屋根枠材52と、を備える。
複数の垂木44は、前後に延びる長尺体であり、左右に間隔を空けて配置される。複数の垂木44は、その前端部が補助桁フレーム38−Bにビス、金具等を用いて接続され、その接続部分から建物12の外壁14側に向かって延びるように設けられる。垂木44は、建物12の外壁14から離間するにつれて中心軸線が下り勾配となるように傾斜して配置される。
図4に示すように、屋根パネル46は、左右に隣り合う別々の垂木44間を上方から覆うように、その別々の垂木44上に配置される。垂木カバー48は、前後に延びる長尺体である。垂木カバー48は、屋根パネル46の側辺部を挟んで垂木44とは反対側に配置され、ビス54を用いて垂木44に接続される。屋根パネル46は、垂木44と垂木カバー48との間にビートを介して挟み込まれることにより、垂木44に固定される。
図3に示すように、パネル受け材50は、補助桁フレーム38−Bの上面部にビスを用いて接続される。パネル受け材50は、屋根パネル46の下側に配置される支持部50aと、屋根パネル46の前側に配置される受け部50bとを有する。支持部50aは、屋根パネル46をビートを介して支持する野縁としての機能をもつ。受け部50bは、屋根パネル46を前側から受けることで、垂木44に対する屋根パネル46の前後方向Xでの相対変位を規制する。
図5は、後屋根体28−Bの一部を拡大して示す側面断面図である。屋根枠材52は、左右に延びる長尺体である。屋根枠材52は、建物12の外壁14に突き合わせられる外周壁部52aと、外周壁部52aの上端部から前側に突き出る上壁部52bと、外周壁部52aの下端部から前側に突き出る下壁部52cと、複数の垂木44の端面が突き当てられる内周壁部52dとを有する。
屋根枠材52の外周壁部52aは、屋外構造物22の後屋根体28−Bの外壁14に対する突き合わせ箇所に設けられる第1突き合わせ部56を構成する。第1突き合わせ部56は、左右方向Yに延びる範囲で外壁14に対して突き合わせられる。
屋根枠材52の上壁部52bと下壁部52cとは、屋根枠材52の内周壁部52dより前側に突出しており、それらの突出箇所の間に垂木44及び垂木カバー48が配置される。屋根枠材52の内周壁部52dは、屋根枠材52の外周壁部52aから間隔を空けて配置され、外周壁部52aと内周壁部52dとは中空部を形成する壁部の一部となる。屋根枠材52の内周壁部52dは、複数の垂木44それぞれの端部に、ビス、金具等を用いて接続される。
屋根枠材52の内周壁部52dには屋根パネル46の後辺部が収められるパネル収容溝52eが形成される。屋根パネル46は、パネル収容溝52eの上下の壁部の間にビートを介して挟み込まれる。
第1シール構造24−Aは、第1構造物側対向部58と、第1建物側対向部60と、可動部材62と、ガイド部材64と、第1シール体66とを有する。
第1構造物側対向部58は、屋外構造物22の一部に設けられ、その屋外構造物22の一部と一体に変位可能である。本実施形態の第1構造物側対向部58は、屋外構造物22の後屋根体28−Bの上面部において、前述の第1突き合わせ部56寄りの箇所に設けられ、その後屋根体28−Bと一体に移動可能である。より詳しくは、第1構造物側対向部58は、前述の第1突き合わせ部56寄りの箇所にある屋根枠材52の上面部により構成される。
第1建物側対向部60は、建物12の一部に設けられるとともに第1構造物側対向部58と上下方向(鉛直方向)に対向する。本実施形態の第1建物側対向部60は、後述する可動部材62の突出壁部62aに設けられる。
可動部材62は、左右に延びる長尺体であり、建物12の一部として設けられる。可動部材62は、外壁14から突き出るように設けられる突出壁部62aと、突出壁部62aの外壁14側の端部から上向きに延びる上壁部62bと、突出壁部62aの外壁14側の端部から下向きに延びる下壁部62cとを有する。
可動部材62の突出壁部62aの上面部は、外壁14から離間するにつれて下り勾配となるように傾斜している。突出壁部62aの先端部には前述の第1建物側対向部60が設けられる。第1建物側対向部60には後屋根体28−Bに臨む箇所に第1シール体66が取り付けられる。
可動部材62の下壁部62cは、屋外構造物22の第1突き合わせ部56と外壁14との間に配置される。下壁部62cには、屋外構造物22の第1突き合わせ部56に臨む箇所に第1弾性材68が取り付けられる。第1弾性材68は、たとえば、エラストマー等を用いて構成される。第1弾性材68は、左右方向Yに延びる長尺体である。
ガイド部材64は、左右に延びる長尺体であり、その横断面は上下に延びる板状をなす。ガイド部材64は、建物12の一部として設けられる。ガイド部材64は、外壁14にビス70を用いて固定される。ガイド部材64は、上端部に設けられる受け部64aと、下部に設けられるガイド部64bとを有する。
ガイド部材64の受け部64aは、外壁14との間に空間を形成しており、その空間に充填されるシール材72を受けている。受け部64aと外壁14との間はシール材72によりシールされる。シール材72の上面部は、下方に向かうにつれて、外壁14から離間する方向に傾斜している。これにより、外壁14を流下する水を外壁14から離間する方向に誘導できる。このように、受け部64aとシール材72とは、外壁14を流下する水を外壁14から離れる方向に誘導するための水切り部64cとして機能する。
ガイド部材64のガイド部64bは、可動部材62の上壁部62bを挟んで外壁14とは反対側に配置される。ガイド部64bには、外壁14に臨む箇所にシール材74が取り付けられる。ガイド部64bと可動部材62の上壁部62bとの間は、これらの間に挟み込まれるシール材74によりシールされる。
第1シール体66は、第1建物側対向部60と第1構造物側対向部58との間をシールする。第1シール体66は、左右に延びる長尺体であり、たとえば、エラストマー等の弾性体を用いて構成される。第1シール体66は、第1建物側対向部60に取り付けられる基部66aと、基部66aから延び出るとともに後屋根体28−Bに接触する複数のシール部66b、66cとを有する。
複数のシール部66b、66cには、後側に配置される後側シール部66b(第1シール部)と、前側に配置される前側シール部66c(第2シール部)とが含まれる。後側シール部66bは、基部66aから後側かつ下方に向けて延びるヒレ状をなし、前側シール部66cは、前側かつ下方に向けて延びるヒレ状をなす。複数のシール部66b、66cのそれぞれは、基部66a側が固定端部となり、基部66aとは反対側が自由端部となり、その全体が基部66aに対して弾性的に撓み変形可能である。
前側シール部66cの基部66aからの長さは後側シール部66bの基部66aからの長さより長くなるように設定される。前側シール部66cは、弾性的に撓み変形した状態で設けられ、第1構造物側対向部58の周辺部となる後屋根体28−Bの垂木カバー48に自由端部66caが接触する。この第1構造物側対向部58の周辺部は、第1構造物側対向部58に対して前側にある部位である。前側シール部66cは、固定端部66cbに対して自由端部66caが前側にあるように弾性的に撓み変形した状態で設けられている。前側シール部66cは、自らの弾性変形に起因する弾性反発力によって、第1構造物側対向部58に上下に近づく方向(本例では下向き)に付勢されている。
可動部材62は、外壁14や屋根体28にビス等を用いて固定されておらず、これらに対して移動可能に設けられる。ガイド部材64のガイド部64bは、可動部材62の上壁部62bを挟んで外壁14とは反対側に配置され、外壁14から離間する方向(図中の左向き)での可動部材62の動きを拘束している。別の観点からみると、第1シール構造24−Aは、外壁14に対する前後方向Xでの第1建物側対向部60の位置が保持されるように構成される。
可動部材62は、第1構造物側対向部58に第1シール体66を介して支持された状態にある。よって、第1構造物側対向部58が下方に変位したとき、可動部材62の自重や、可動部材62に積雪等に伴い付与される下向きの静荷重によって、第1構造物側対向部58の変位に追従して可動部材62も下方に向けて変位しようとする。このとき、ガイド部材64のガイド部64bは、外壁14と協働して、可動部材62の上下方向での動きをガイド可能である。可動部材62は、ガイド部材64のガイド部64bと外壁14とによって、外壁14に沿って下方に向けて変位するようにガイドされる。別の観点からみると、第1シール構造24−Aは、第1構造物側対向部58が下方に変位したとき、第1建物側対向部60が下方に変位可能に構成される。
以上の第1シール構造24−Aの動作を説明する。
図5に示すように、屋外構造物22の第1構造物側対向部58が初期位置にあるとき、第1シール体66の後側シール部66bは、第1構造物側対向部58となる屋根枠材52の上面部に接触する。ここでの「初期位置」とは、構築済みの屋外構造ユニット10において、対象となる部材を配置すべき位置として予め定めたものをいう。このとき、第1シール体66は、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間を基部66aと後側シール部66bとにより塞ぐことによって、これらの間をシールしている。
図6は、屋外構造物22の第1構造物側対向部58が建物12の外壁14から離間する方向Paに初期位置から変位した状態を示す図である。これは、たとえば、積雪等に伴い屋根体28に下向きの静荷重が付与されることにより、前柱フレーム34−A等の柱フレーム34が前側に向けて倒れるように弾性域で変形した場合に生じ得る。この傾向は、屋外構造物22を外壁14に接続しない場合に現われ易い。この知見は本発明者が実験的に検討することにより得たものである。この第1構造物側対向部58の変位量は、たとえば、数mm程度の大きさである。
このように第1構造物側対向部58が変位するとき、第1構造物側対向部58は、第1建物側対向部60に対して前側に変位する。このとき、第1シール体66の後側シール部66bは、第1構造物側対向部58上を摺動する。この変位量が大きくなると、第1シール体66の前側シール部66cも、第1構造物側対向部58上を摺動する。
このように、第1シール体66は、第1構造物側対向部58の変位の前後で、第1構造物側対向部58に接触した状態が保持される。これは、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間が第1シール体66により塞がれた状態が保持され、これらの間の第1シール体66によるシール状態が保持されることを意味する。このように、第1シール構造24−Aは、第1構造物側対向部58が外壁14から離間する方向に変位したとき、第1シール体66によるシール状態を保持可能に構成されている。
図7は、屋外構造物22の第1構造物側対向部58が初期位置から下方に変位した状態を示す図である。これは、たとえば、積雪等に伴い屋根体28に下向きの静荷重が付与されることにより、複数の垂木44や補助桁フレーム38−Bが弾性域で下向きに撓み変形した場合に生じ得る。この場合、前述の通り、可動部材62の自重や、可動部材62に積雪等に伴い付与される下向きの静荷重によって、第1構造物側対向部58の変位に追従して可動部材62も下方に向けて変位する。このとき、第1シール体66の後側シール部66bは、第1構造物側対向部58に接触したままとなる。よって、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間が第1シール体66により塞がれた状態が保持され、これらの間の第1シール体66によるシール状態が保持される。このように、第1シール構造24−Aは、屋外構造物22の第1構造物側対向部58が下方に変位したとき、第1建物側対向部60が下方に変位可能に構成されている。
図8は、第1建物側対向部60に対して第1構造物側対向部58が初期位置から下方に相対変位した状態を示す図である。本図では、第1構造物側対向部58の変位に追従して可動部材62が下方に向けて変位しない状態を示す。これは、たとえば、可動部材62に対する積雪量が少なく、可動部材62に付与される下向きの静荷重が過度に小さい場合に生じ得る。なお、本図では、第1構造物側対向部58が初期位置から前側Paにも変位した状態を示す。
この場合、第1シール体66の前側シール部66cは、第1構造物側対向部58の変位に追従して復元することで第1構造物側対向部58に接触する。このとき、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間を第1シール体66により塞いだ状態が保持される。このように、第1シール体66の前側シール部66cは、第1建物側対向部60に対して第1構造物側対向部58が上下方向に相対変位したとき、その変位に追従して復元することで、第1構造物側対向部58に接触可能に構成される。
以上の第1シール体66は、第1構造物側対向部58の初期位置からの方向Pa及び下方への変位量が予め定められた最大変位量になるまでの間、前側シール部66c及び後側シール部66bの何れかが第1構造物側対向部58に接触するように、その大きさが設定されている。別の観点からみると、第1シール構造24−Aは、第1構造物側対向部58の初期位置からの方向Pa及び下方への変位量が予め定められた最大変位量になるまでの間、第1シール体66によるシール状態が保持されるように構成されるといえる。
なお、前述の静荷重が除荷されると、複数の垂木44等が初期位置に復元しようとする。図6の状態から初期位置に復元するとき、第1シール体66の各シール部66b、66cの第1構造物側対向部58上の摺動を伴い、第1シール体66によるシール状態が保持される。図7の状態から初期位置に復元するとき、可動部材62の上方に向かう変位を伴い、第1シール体66によるシール状態が保持される。図8の状態から初期位置に復元するとき、第1シール体66の各シール部66b、66cの第1構造物側対向部58上の摺動や、第1シール体66の前側シール部66cの弾性的な撓み変形を伴い、第1シール体66によるシール状態が保持される。
以上の第1シール構造24−Aによれば、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60が上下に対向しており、第1建物側対向部60に取り付けられる第1シール体66が第1構造物側対向部58に接触している。よって、第1建物側対向部60に対して第1構造物側対向部58が建物12の外壁14から離間する方向に変位したとき、第1シール体66が第1構造物側対向部58を摺動でき、第1構造物側対向部58に第1シール体66を接触させた状態を維持できる。この結果、第1建物側対向部60に対する第1構造物側対向部58の変位の前後で、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間の第1シール体66によるシール状態を保持可能になる。
また、第1シール構造24−Aは、第1構造物側対向部58が下方に変位したとき、第1建物側対向部60が下方に変位可能に構成されている。よって、第1構造物側対向部58の下方への変位の前後で、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間の第1シール体66によるシール状態を保持可能になる。
(A)また、第1シール体66の前側シール部66cは、第1建物側対向部60に対して第1構造物側対向部58が上下方向に相対変位したとき、その変位に追従して復元することで、第1構造物側対向部58に接触可能に構成されている。よって、第1建物側対向部60に対する第1構造物側対向部58の相対変位の前後で、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間の第1シール体66によるシール状態を保持し易くなる。特に、第1構造物側対向部58の変位に追従して可動部材62が下方に変位しない場合でも、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間の第1シール体66によるシール状態を保持し易い点で利点がある。
また、第1シール体66の前側シール部66cは、弾性的に撓み変形した状態で設けられている。この利点を説明する。第1建物側対向部60に対する第1構造物側対向部58の相対変位の前後で、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間を第1シール体66によるシール状態を保持し易くするうえでは、前側シール部66cの固定端から自由端までの寸法を長くできるとよい。ここで、本実施形態によれば、このように寸法を長くしたとしても、前側シール部66cが撓み変形しているため、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60との間で前側シール部66cが占める上下方向でのスペースを小さくできる。
また、ガイド部材64は建物12の外壁14を流下する水を誘導するための水切り部64cを有している。よって、ガイド部材64によって、建物12の外壁14から離間する方向での可動部材62の動きを拘束しつつ、可動部材62の上下方向での動きをガイドできる。また、このような機能を発揮しつつ、建物12の外壁14とガイド部材64との間への水の入り込みを水切り部64cにより防止し、これらの間から建物12の外壁14と屋外構造物22との間への水の入り込みを防止できる。なお、ガイド部材64の水切り部64cによって建物12の外壁14から離れる方向に誘導される水は、ガイド部材64の外面を伝った後に可動部材62の突出壁部62a上に伝わる。この後、可動部材62の突出壁部62aの下り勾配に沿って下方に流下した後に屋根体28上に伝わり、その屋根体28の下り勾配に沿って下方に流下する。
次に、第2シール構造24−Bに関連する構成を説明する。
図9は、図1のB−B線断面の一部を示す図である。図1、図9に示すように、屋外構造物22の後側壁部32は、複数の壁パネル76と、複数の壁パネル76が内側に収められる外枠体78とを有する。本実施形態の壁パネル76は、透光性のあるガラスパネルである。外枠体78は、横枠80と縦枠82とにより枠組みされ、壁パネル76は、複数の縦枠82と複数の横枠80とに囲まれた箇所に収められる。
横枠80及び縦枠82は、壁パネル76の四周の端辺部のそれぞれが収められるパネル収容溝84を有する。壁パネル76は、パネル収容溝84の左右方向Yに対向する壁部の間にビート86を介して挟み込まれる。一対のビート86はゴム等の弾性体を用いて構成される。外枠体78と壁パネル76との間は一対のビート86によりシールされる。
縦枠82は、前後方向Xに間隔を空けて配置される後縦枠82−A及び前縦枠82−Bを含む。後縦枠82−Aは、建物12の外壁14との突き合わせ箇所に設けられ、前縦枠82−Bは、建物12の外壁14とは反対側に設けられる。前縦枠82−Bは、不図示のビス、金具等を用いて補助柱フレーム34−Bに接続される。
図10は、図9の後縦枠82−Aの拡大図である。後縦枠82−Aは、建物12の外壁14に対する突き合わせ箇所に設けられる第2突き合わせ部88となる外周壁部112aを有する。第2突き合わせ部88は、上下方向に延びる範囲で建物12の外壁14に対して突き合わせられる。後縦枠82−Aの第2突き合わせ部88には第2シール体を取り付けるための取付溝88aが設けられる。取付溝88aは、入口側より奥側の方が内幅寸法の大きい溝状をなす。後縦枠82−Aは後述する。
(第2シール構造)
第2シール構造24−Bは、第2構造物側対向部90と、第2建物側対向部92と、第2シール体94とを有する。第2構造物側対向部90は、第1構造物側対向部58と同様、屋外構造物22の一部に設けられ、その屋外構造物22の一部と一体に移動可能である。本実施形態の第2構造物側対向部90は、建物12の外壁14と前後方向Xに突き合わせられる後縦枠82−Aの第2突き合わせ部88により構成される。
第2建物側対向部92は、建物12の一部に設けられるとともに第2構造物側対向部90と前後方向Xに対向する。本実施形態の第2建物側対向部92は、建物12の一部となる建物12の外壁14そのものにより構成される。
第2シール体94は、第2構造物側対向部90と第2建物側対向部92との間に配置される。本実施形態の第2シール体94は左右方向Yに間隔を空けて二つ配置される。第2シール体94は、シール材96と、第2弾性材98と、第1硬質材100と、第2硬質材102とを有する。シール材96は、第2建物側対向部92と接触している。シール材96は、たとえば、シリコン系シーリング材等を用いて構成される。シール材96は、未硬化状態の硬化性シール材を第1硬質材100のシール溝100b(後述する)内に塗布することにより、第1硬質材100に取り付けられる。
第2弾性材98は、第2構造物側対向部90と第2建物側対向部92の間、より詳しくは、第2構造物側対向部90とシール材96との間に配置される。第2弾性材98は、たとえば、エチレンプロピレンゴムのような発泡ゴム等の弾性を持つ素材を用いて構成される。第2弾性材98は、上下方向に長い長尺体であり、本実施形態において環状をなす。
第1硬質材100は、シール材96と第2弾性材98との間に配置される。第1硬質材100は、第2弾性材98より硬質な素材を用いて構成される。第1硬質材100は、たとえば、第2弾性材98より硬質化した発泡ゴム等の樹脂素材を用いて構成される。第1硬質材100は、上下方向に長い長尺体であり、左右方向Yに扁平な板状をなす。第1硬質材100には、第2建物側対向部92に臨む箇所に左右方向Yに間隔を空けて二つの凸部100aが形成される。第1硬質材100には、その二つの凸部100a間にシール材96の一部が収まるシール溝100bが形成される。
第2硬質材102は、第2構造物側対向部90と第2弾性材98との間に配置される。第2硬質材102は、第2弾性材98より硬質な素材を用いて構成される。第2硬質材102は、たとえば、第2弾性材98より硬質化した発泡ゴム等の樹脂素材を用いて構成される。第2硬質材102は、上下方向に長い長尺体である。第2硬質材102は、取付溝88aに嵌め込まれる基部102aと、取付溝88aの外側に配置される板状部102bとを有する。第2硬質材102は、取付溝88a内に基部102aが嵌め込まれることで、第2構造物側対向部90に取り付けられる。つまり、第2硬質材102は、第2構造物側対向部90の一部となる取付溝88aとの嵌め合いにより、第2構造物側対向部90に取り付けられる。第2硬質材102の基部102aは、第2構造物側対向部90の取付溝88aの上下方向の一方側の開口端からスライドさせることで、第2構造物側対向部90の取付溝88aと嵌め合わされる。
以上の第2弾性材98は、第2建物側対向部92に臨む箇所が第1硬質材100に接着等により取り付けられ、第2構造物側対向部90に臨む箇所が第2硬質材102の板状部102bに接着等により取り付けられる。第2弾性材98は、第2構造物側対向部90とシール材96との間で前後方向Xに弾性的に縮み変形した状態にある。第2弾性材98は、自らの弾性変形に起因する弾性反発力によって、シール材96及び第1硬質材100の凸部100aを第2建物側対向部92に向けて押し付けるとともに、第2硬質材102の板状部102bを第2構造物側対向部90に向けて押し付けている。つまり、第2シール体94は、第2弾性材98の弾性反発力によって、第2構造物側対向部90及び第2建物側対向部92のそれぞれに自らの一部が押し付けられる。これにより、第2建物側対向部92と第2構造物側対向部90との間が第2シール体94により塞がれてシールされる。
図10は、屋外構造物22の第2構造物側対向部90が予め定められた初期位置にある状態を示す。図11は、屋外構造物22の第2構造物側対向部90が建物12の外壁14から離間する方向Pbに初期位置から変位した状態を示す図である。このように屋外構造物22の第2構造物側対向部90が変位するとき、第2建物側対向部92から第2構造物側対向部90が離間するに伴い、第2弾性材98が自らの弾性反発力によって、前後方向Xに伸びるように復元する。このとき、第2弾性材98が前後方向Xに弾性的に縮み変形した状態にある限り、第2弾性材98の弾性反発力によって、第2シール体94の一部は、第2建物側対向部92と第2構造物側対向部90とに押し付けられた状態を保持できる。つまり、第2シール構造24−Bは、屋外構造物22の第2構造物側対向部90が建物12の外壁14から離間する方向Pbに変位したとき、第2シール体94によるシール状態を保持可能に構成されている。第2弾性材98は、第2構造物側対向部90の初期位置からの変位量が予め定められた最大変位量になるまでの間、第2構造物側対向部90と第2建物側対向部92との間で前後方向Xに弾性的に縮み変形した状態にあるように、その大きさ及び形状が設定されている。
以上の第2シール構造24−Bによれば、第2構造物側対向部90と第2建物側対向部92との間に前後方向Xに弾性的に縮み変形した状態で配置される第2弾性材98を有する。よって、第2構造物側対向部90が第2建物側対向部92から離間する方向に変位したときでも、第2弾性材98が前後方向Xに弾性的に縮み変形した状態にあれば、第2シール体94によるシール状態を保持可能になる。
また、第2シール体94は、シール材96と第2弾性材98との間に配置される第1硬質材100を有し、第1硬質材100は、シール材96の一部が収まるシール溝100bが形成される。よって、未硬化状態の硬化性シール材をシール溝100b内に吹き付けることで、第1硬質材100の定位置にシール材96を安定して取り付け易くなる。
また、第2弾性材98によって第1硬質材100を介してシール材96が第2建物側対向部92に押し付けられるため、第1硬質材100がない場合と比べて、第2建物側対向部92に対するシール材96の押し付け状態が安定する。よって、第2建物側対向部92と第1硬質材100との間をシール材96によって安定してシールし易くなる。
また、第2シール体94は、第2弾性材98と第2構造物側対向部90との間に配置され、第2構造物側対向部90の取付溝88aとの嵌め合いにより第2構造物側対向部90に取り付けられる第2硬質材102を有している。よって、第2弾性材98を第2構造物側対向部90に直接に取り付けるより、簡易かつ安定して第2シール体94を第2構造物側対向部90に取り付け可能となる。
なお、後縦枠82−Aは、図10に示すように、第2突き合わせ部88の左右方向Yの端縁部から建物12の外壁14側に向けて突き出る覆い部104が設けられる。この覆い部104には、屋外構造物22の周囲の屋外空間106側(図10中右側)から第2シール体94を覆う外側覆い部104−Aと、屋外構造物22の屋根下空間108側(図10中左側)から第2シール体94を覆う内側覆い部104−Bとが含まれる。これにより、屋外構造物22の周囲の屋外空間106又は屋根下空間108から見たとき、外側覆い部104−Aや内側覆い部104−Bによって第2シール体94が見え難くなり、良好な意匠性を得られる。
次に、後縦枠82−Aの詳細を説明する。
後縦枠82−Aは、前述のパネル収容溝84が形成される内枠部材110と、内枠部材110の外周側に配置されるとともに内枠部材110に固定される外枠部材112とを有する(図1も参照)。後縦枠82−Aは、内枠部材110と外枠部材112とにより囲まれた内部空間が形成された中空構造をもつ。
内枠部材110は、外枠体78の内周側に設けられる内周壁部110aと、内周壁部110aの左右方向Y両側の端縁部から後側に向けて延びる一対の第1側壁部110bとを有する。後縦枠82−Aのパネル収容溝84は内枠部材110の内周壁部110aに形成される。
外枠部材112は、外枠体78の外周側に設けられる外周壁部112aと、外周壁部112aの左右方向Y両側の端縁部から前側に向けて延びる一対の第2側壁部112bとを有する。外枠部材112の外周壁部112aには、前述の通り、第2構造物側対向部90が設けられる。
外枠部材112の第2側壁部112bには、前側に向かって左右方向Yでの外幅寸法を小さくするような段部112cが形成される。外枠部材112の第2側壁部112bの段部112cより先端側の先端側部分112dは、内枠部材110の一対の第1側壁部110b間に差し込まれる。内枠部材110と外枠部材112とは、内枠部材110の第1側壁部110bと外枠部材112の第2側壁部112bとの重なる箇所をビス114により共締めすることで接続される。
以上の後縦枠82−Aの利点を説明する。建物12の外壁14に屋外構造物22と干渉し得る配管等の凸部がある場合を考える。この場合、本実施形態によれば、後縦枠82−Aの外枠部材112を切り欠くことで、建物12の外壁14の凸部との干渉を避けられる。よって、後縦枠82−Aの一部を切り欠く必要がある場合でも、後縦枠82−Aの内枠部材110を切り欠かずに外枠部材112を切り欠くことで、壁パネル76を収めた内枠部材110に漏気箇所となり得る継ぎ目が生じるのを防止できる。なお、建物12の外壁14の凸部と外枠部材112の切り欠き箇所との間はシール材等により塞いでもよい。
以上のように、本実施形態の屋外構造ユニット10によれば、各構造物側対向部58、90が建物12の外壁14から離間する方向に変位したとき、シール体66、94によるシール状態を保持可能に構成されるシール構造24−A、24−Bを備える。よって、屋外構造物22の一部が建物12の外壁14から離間する方向に変位したときでも、屋外構造物22と建物12との間から屋根下空間に向かう流体の入り込みを防止できる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
屋外構造物22は前壁部30と側壁部32とを有する例を説明したが、これらがなくともよいし、前壁部30及び側壁部32の何れか一方のみを有していてもよい。また、屋外構造物22の前壁部30や側壁部32は開閉不能な固定壁でもよいし、透光性の有無は特に問わない。
屋外構造物22は門型フレーム40を有する例を説明したが、門型フレーム40を有していなくともよい。門型フレーム40の補助柱フレーム34−Bの下端部は、地盤16中の基礎42内に埋設されることで、基礎42に固定される例を説明した。この補助柱フレーム34−Bの下端部は、基礎42に対する固定方法について特に限られない。たとえば、地盤16中の基礎42にアンカーボルトにより締結することで固定してもよい。
第1シール構造24−Aの第1構造物側対向部58は後屋根体28−Bの上面部であり、第1建物側対向部60は可動部材62の突出壁部62aである例を説明した。第1シール構造24−Aの第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60とは上下に対向していればよく、それらの具体的箇所は特に限られない。たとえば、屋外構造物22に後屋根体28−Bがない場合、第1構造物側対向部58は門型フレーム40の補助桁フレーム38−Bの上面部でもよい。また、屋外構造物22に門型フレーム40がない場合、第1構造物側対向部58は前屋根体28の上面部でもよい。また、これらの他にも、第1構造物側対向部58は、屋根体28や門型フレーム40の上面部の他にも、屋根体28や門型フレーム40の下面部でもよい。
また、第1シール構造24−Aの第1シール体66は、第1建物側対向部60に取り付けられ、第1構造物側対向部58に接触する例を説明した。この他にも、第1シール体66は、第1構造物側対向部58に取り付けられ、第1建物側対向部60に接触してもよい。つまり、第1シール体66は、第1構造物側対向部58と第1建物側対向部60のうちの一方に取り付けられ、他方に接触していればよい。
また、前述の(A)の作用効果を得る観点からは、第1シール体66の前側シール部66cは、弾性的に撓み変形した状態で設けられていなくともよい。たとえば、第1シール体66のシール部は、弾性的に潰れ変形等した状態で設けられていてもよい。つまり、第1シール体66のシール部は、弾性的に変形した状態で設けられていればよい。
また、第1シール構造24−Aは、第1構造物側対向部58が下方に変位したとき、第1建物側対向部60が下方に変位可能に構成される例を説明したが、これに限られない。たとえば、第1建物側対向部60は、建物12の外壁14に対して上下方向での位置が保持されるように構成されてもよい。
また、第1シール構造24−Aの可動部材62とガイド部材64とは前述の例に限られない。たとえば、可動部材62は下壁部62cがなくともよいし、ガイド部材64は水切り部64cがなくともよい。
第2シール構造24−Bの第2構造物側対向部90は、屋外構造物22の側壁部32の一部であり、第2建物側対向部92は建物12の外壁である例を説明した。第2シール構造24−Bの第2構造物側対向部90と第2建物側対向部92とは前後方向Xに対向していればよく、その具体的箇所は特に限られない。たとえば、屋外構造物22に後側壁部32がない場合、第2構造物側対向部90は門型フレーム40の補助柱フレーム34−Bの一部でもよい。また、この他にも、屋外構造物22の第2突き合わせ部88ではなく、屋外構造物22の第1突き合わせ部56に第2構造物側対向部90が設けられてもよい。
第2シール体94は、シール材96、第2弾性材98、第1硬質材100及び第2硬質材102を有する例を説明した。第2シール体94は、第2弾性材98があればよく、他のシール材96、第1硬質材100、第2硬質材102はなくともよい。
屋外構造物22は外側覆い部104−Aと内側覆い部104−Bとの二つを有する例を説明したが、これらがなくともよいし、何れか一方のみを有していてもよい。つまり、屋外構造物22は、屋外空間側及び屋根下空間側の何れか一方又は両方からシール体を覆う覆い部を有していればよい。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様の屋外構造ユニットは、第1態様において、前記シール構造は、前記構造物側対向部、前記建物側対向部及び前記シール体として、第1構造物側対向部、第1建物側対向部及び第1シール体を有する第1シール構造を含み、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部とは上下方向に対向し、前記第1シール体は、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部のうちの一方に取り付けられ、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部のうちの他方に接触してもよい。
この態様によれば、第1建物側対向部に対して第1構造物側対向部が建物の外壁から離間する方向に変位したとき、第1構造物側対向部と第1建物側対向部のうちの他方に第1シール体を接触させた状態を維持できる。この結果、第1建物側対向部に対する第1構造物側対向部の変位の前後で、第1構造物側対向部と第1建物側対向部との間の第1シール体によるシール状態を保持可能になる。
第3態様の屋外構造ユニットは、第2態様において、前記第1シール構造は、前記第1構造物側対向部が下方に変位したとき、前記第1建物側対向部が下方に変位可能に構成されてもよい。
この態様によれば、第1構造物側対向部の下方への変位の前後で、第1構造物側対向部と第1建物側対向部との間を第1シール体により塞いだ状態を保持でき、これらの間の第1シール体によるシール状態を保持可能になる。
第4態様の屋外構造ユニットは、第2態様または第3態様において、前記第1シール体は、弾性的に変形した状態で設けられるシール部を有し、前記シール部は、前記第1建物側対向部に対して前記第1構造物側対向部が上下方向に相対変位したとき、その変位に追従して復元することで、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部とのうちの他方に接触可能に構成されてもよい。
この態様によれば、第1建物側対向部に対する第1構造物側対向部の相対変位の前後で、第1構造物側対向部と第1建物側対向部との間の第1シール体によるシール状態を保持し易くなる。
第5態様の屋外構造ユニットは、第4態様において、前記シール部は、ヒレ状をなしており、弾性的に撓み変形した状態で設けられてもよい。
この態様によれば、第1構造物側対向部と第1建物側対向部との間の第1シール体によるシール状態を保持し易くするうえで、シール部の固定端から自由端までの寸法を長くしつつ、これらの間でシール部が占める上下方向でのスペースを小さくできる。
第6態様の屋外構造ユニットは、第2態様から第5態様のいずれかにおいて、前記第1シール構造は、前記外壁から突き出るように設けられるとともに前記第1建物側対向部が設けられる突出壁部と、前記突出壁部の前記外壁側の端部から上向きに延びる上壁部と、を有し、前記外壁に対して移動可能に設けられる可動部材と、前記上壁部を挟んで前記外壁とは反対側に一部が配置され、前記可動部材の上下方向での動きをガイド可能なガイド部材と、を有し、前記ガイド部材は、前記外壁を流下する水を前記外壁から離間する方向に誘導するための水切り部を有してもよい。
この態様によれば、ガイド部材によって可動部材の上下方向での動きをガイドしつつ、建物の外壁とガイド部材との間への水の入り込みを水切り部により防止できる。
第7態様の屋外構造ユニットは、第1態様から第6態様のいずれかにおいて、前記シール構造は、前記構造物側対向部、前記建物側対向部及び前記シール体として第2構造物側対向部、第2建物側対向部及び第2シール体を有する第2シール構造を含み、前記第2構造物側対向部と前記第2建物側対向部とは前記外壁に対して近接及び離間する第1水平方向に対向し、前記第2シール体は、前記第1水平方向に弾性的に縮み変形した状態で、前記第2構造物側対向部と前記第2建物側対向部との間に配置される弾性材を有してもよい。
この態様によれば、第2構造物側対向部が第2建物側対向部から離間する方向に変位したときでも、弾性材が第1水平方向に弾性的に縮み変形した状態にあれば、第2シール体によるシール状態を保持可能になる。
第8態様の屋外構造ユニットは、第7態様において、前記第2シール体は、前記第2建物側対向部と接触するシール材と、前記シール材と前記弾性材との間に配置される第1硬質材を有し、前記第1硬質材には、前記シール材の一部を収めるシール溝が形成されてもよい。
この態様によれば、未硬化状態の硬化性シール材をシール溝内に吹き付けることで、第1硬質材の定位置にシール材を安定して取り付け易くなる。
第9態様の屋外構造ユニットは、第7態様又は第8態様において、前記第2シール体は、前記第2構造物側対向部と前記弾性材との間に配置され、前記第2構造物側対向部の一部との嵌め合いにより前記第2構造物側対向部に取り付けられる第2硬質材を有してもよい。
この態様によれば、弾性材を第2構造物側対向部に直接に取り付けるより、簡易かつ安定して第2シール体を第2構造物側対向部に取り付け可能となる。
第10態様の屋外構造ユニットは、第1態様から第9態様のいずれかにおいて、前記屋外構造物は、前記外壁に対して突き合わせられる突き合わせ部を有し、前記シール体は、前記突き合わせ部と前記外壁との間に配置され、前記屋外構造物は、前記屋外構造物の周囲の屋外空間側及び前記屋外構造物の屋根下空間側の何れか一方又は両方から前記シール体を覆う覆い部を有してもよい。
この態様によれば、屋外空間又は屋根下空間の何れかからシール体を見たとき、屋外構造物の覆い部によってシール体が見え難くなり、良好な意匠性を得られる。
第11態様の屋外構造ユニットは、第1態様から第10態様のいずれかにおいて、前記屋外構造物は、屋根体と、前記屋根体の下方の屋根下空間を前記外壁に沿った第2水平方向から覆う側壁部と、を有し、前記側壁部は、壁パネルと、前記壁パネルが内側に収められる外枠体と、を有し、前記外枠体は、前記外枠体の前記外壁との突き合わせ箇所に設けられる縦枠を有し、前記縦枠は、前記壁パネルの端辺部が内側に収められる内枠部材と、前記内枠部材の外周側に配置される外枠部材とを有してもよい。
建物の外壁に屋外構造物と干渉し得る凸部がある場合を考える。この場合に、この態様によれば、縦枠の外枠部材を切り欠くことで、建物の外壁の凸部との干渉を避けられる。よって、縦枠の一部を切り欠く必要がある場合に、縦枠の内枠部材を切り欠かずに外枠部材を切り欠くことで、壁パネルの端辺部を収めた内枠部材に漏気箇所となり得る継ぎ目が生じるのを防止できる。
10…屋外構造ユニット、12…建物、14…外壁、22…屋外構造物、24…シール構造、24−A…第1シール構造、24−A…第2シール構造、28…屋根体、32…側壁部、56…第1突き合わせ部、58…第1構造物側対向部、60…第1建物側対向部、62…可動部材、62a…突出壁部、62b…上壁部、64…ガイド部材、64c…水切り部、66…第1シール体、76…壁パネル、78…外枠体、82…縦枠、88…第2突き合わせ部、90…第2構造物側対向部、92…第2建物側対向部、94…第2シール体、96…シール材、98…第2弾性材、100…第1硬質材、100b…シール溝、102…第2硬質材、104…覆い部、106…屋外空間、108…屋根下空間、110…内枠部材、112…外枠部材。

Claims (11)

  1. 建物の外壁に対して屋外側に配置される屋外構造物と、
    前記屋外構造物の一部に設けられる構造物側対向部と、前記建物の一部に設けられるとともに前記構造物側対向部と対向する建物側対向部と、前記建物側対向部と前記構造物側対向部との間をシールするシール体とを有するシール構造と、を備え、
    前記シール構造は、前記構造物側対向部が前記外壁から離間する方向に変位したとき、前記シール体によるシール状態を保持可能に構成されることを特徴とする屋外構造ユニット。
  2. 前記シール構造は、前記構造物側対向部、前記建物側対向部及び前記シール体として、第1構造物側対向部、第1建物側対向部及び第1シール体を有する第1シール構造を含み、
    前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部とは上下方向に対向し、
    前記第1シール体は、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部のうちの一方に取り付けられ、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部のうちの他方に接触する請求項1に記載の屋外構造ユニット。
  3. 前記第1シール構造は、前記第1構造物側対向部が下方に変位したとき、前記第1建物側対向部が下方に変位可能に構成される請求項2に記載の屋外構造ユニット。
  4. 前記第1シール体は、弾性的に変形した状態で設けられるシール部を有し、
    前記シール部は、前記第1建物側対向部に対して前記第1構造物側対向部が上下方向に相対変位したとき、その変位に追従して復元することで、前記第1構造物側対向部と前記第1建物側対向部とのうちの他方に接触可能に構成される請求項2又は3に記載の屋外構造ユニット。
  5. 前記シール部は、ヒレ状をなしており、弾性的に撓み変形した状態で設けられる請求項4に記載の屋外構造ユニット。
  6. 前記第1シール構造は、
    前記外壁から突き出るように設けられるとともに前記第1建物側対向部が設けられる突出壁部と、前記突出壁部の前記外壁側の端部から上向きに延びる上壁部と、を有し、前記外壁に対して移動可能に設けられる可動部材と、
    前記上壁部を挟んで前記外壁とは反対側に一部が配置され、前記可動部材の上下方向での動きをガイド可能なガイド部材と、を有し、
    前記ガイド部材は、前記外壁を流下する水を前記外壁から離間する方向に誘導するための水切り部を有する請求項2から5のいずれかに記載の屋外構造ユニット。
  7. 前記シール構造は、前記構造物側対向部、前記建物側対向部及び前記シール体として第2構造物側対向部、第2建物側対向部及び第2シール体を有する第2シール構造を含み、
    前記第2構造物側対向部と前記第2建物側対向部とは、前記外壁に対して近接及び離間する第1水平方向に対向し、
    前記第2シール体は、前記第1水平方向に弾性的に縮み変形した状態で、前記第2構造物側対向部と前記第2建物側対向部との間に配置される弾性材を有する請求項1から6のいずれかに記載の屋外構造ユニット。
  8. 前記第2シール体は、
    前記第2建物側対向部と接触するシール材と、
    前記シール材と前記弾性材との間に配置される第1硬質材を有し、
    前記第1硬質材には、前記シール材の一部を収めるシール溝が形成される請求項7に記載の屋外構造ユニット。
  9. 前記第2シール体は、前記第2構造物側対向部と前記弾性材との間に配置され、前記第2構造物側対向部の一部との嵌め合いにより前記第2構造物側対向部に取り付けられる第2硬質材を有する請求項7又は8に記載の屋外構造ユニット。
  10. 前記屋外構造物は、前記外壁に対して突き合わせられる突き合わせ部を有し、
    前記シール体は、前記突き合わせ部と前記外壁との間に配置され、
    前記屋外構造物は、前記屋外構造物の周囲の屋外空間側及び前記屋外構造物の屋根下空間側の何れか一方又は両方から前記シール体を覆う覆い部を有する請求項1から9のいずれかに記載の屋外構造ユニット。
  11. 前記屋外構造物は、屋根体と、前記屋根体の下方の屋根下空間を前記外壁に沿った第2水平方向から覆う側壁部と、を有し、
    前記側壁部は、壁パネルと、前記壁パネルが内側に収められる外枠体と、を有し、
    前記外枠体は、前記外枠体の前記外壁との突き合わせ箇所に設けられる縦枠を有し、
    前記縦枠は、前記壁パネルの端辺部が内側に収められる内枠部材と、前記内枠部材の外周側に配置される外枠部材とを有する請求項1から10のいずれかに記載の屋外構造ユニット。
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