以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。また、共通点のある別々の構成要素には、共通する符号の末尾に「−A、−B」等と付すことで区別し、総称するときはこれらを省略する。
図1は、本実施形態の屋外構造物10を示す側面図である。図2は、屋外構造物10の側面断面図である。屋外構造物10は、住宅等の建物12の屋外側に設置される。本実施形態の屋外構造物10は、建物12の外壁14に隣接して設置されるテラスである。本実施形態の屋外構造物10は、既設の建物12に付加的に用いられる。
屋外構造物10は、主に、骨組構造体16と、複数の垂木18と、屋根体20と、吊り材22と、横下地材24と、縦下地材26と、天井材30と、を備える。以下、平面視での垂木18の長手方向に沿った第1水平方向を前後方向Xとし、第1水平方向と直交する第2水平方向を左右方向Yとして説明する。前後方向Xに沿った二方向のうち、垂木18の長手方向軸が下り勾配となる方向を前側とし、垂木18の長手方向軸が上り勾配となる方向を後側とする。
骨組構造体16は、複数の骨組材を立体的に組んで構成される。複数の骨組材には、複数の柱32と、複数の梁34と、桁36とが含まれる。柱32は、床面から立ち上がるように設けられており、左右方向Xに間隔を空けて配置される。柱32には、一対の前柱32−Aと、一対の後柱32−Bとが含まれる。本実施形態の梁34は妻梁34である。妻梁34は、前後方向Yに延びるとともに左右方向Xに間隔を空けて配置され、桁36と後柱32−Bとの間に架設される。桁36は左右方向Xに延びており、左右方向Xに隣り合う前柱32−Aの上端部の間に架設される。
複数の垂木18は、金属等を素材とする押出成形品(一体成形品)を組み合わせて構成される。複数の垂木18は、躯体となる建物12の外壁14と桁36との間に架け渡されており、躯体により支持される。ここでの「躯体」とは、複数の垂木18や複数の天井材30(後述する)を支持するためのものである。本実施形態の躯体は、建物12の外壁14と骨組構造体16との組み合わせにより構成される。垂木18は、垂木18の長手方向軸が水平面に対して傾斜して配置される。妻梁34と上方の垂木18との間には妻パネル38が配置される。
図3は、図2のA−A線に沿って切断した断面の一部とともに部材の外観を示す図である。垂木18の左右方向Yの側面部には吊り材22をスライド可能に支持するための第1ガイド部18aが設けられる。第1ガイド部18aは、垂木18の長手方向に沿って延びるとともに左右方向Yの外側に向かって開く溝状をなす。第1ガイド部18aには、溝底部から入口側に離れた位置に溝幅を狭めるように突き出る一対の第1突出片18bが設けられる。
屋根体20は、屋外構造物10の屋根面を形成し、雨除け可能な屋根下空間を下方に形成する。屋根体20は、複数の屋根材20aを用いて構成され、垂木カバー等の固定具20bを用いて垂木18に固定される。
図4は、複数の下地材24、26や周辺構造を模式的に示す上面図である。屋外構造物10は、躯体により四周を囲まれて形成される天井開口部40を有する。本実施形態の天井開口部40は、一対の妻梁34と、桁36と、建物12の外壁14とにより囲まれて形成される。
複数の天井材30は、本実施形態において、左右方向Yに4つ並べられている。複数の天井材30には、複数の天井材30の並び方向Y(左右方向Y)の両端側に配置される二つの端側天井材30−Aと、二つの端側天井材30−Aの間に配置される二つの中側天井材30−Bとが含まれる。
端側天井材30−Aは、他の天井材30−Bとは並び方向Yの反対側にある長辺部30a(第1辺部)が妻梁34により受けられ、並び方向Yと直交する方向(前後方向X)の両側にある短辺部30b(第2辺部)が後述する受け材56により受けられる。また、端側天井材30−Aは、中側天井材30−Bと並び方向Yに対向する位置にある長辺部30aが縦下地材26により受けられる。中側天井材30−Bは、並び方向Yの両側にある長辺部30aが縦下地材26により受けられる。中側天井材30−Bは、前後方向Xの両側にある短辺部30bが受け材56により受けられる。
図2、図3に示すように、複数の天井材30は、水平に配置される。本明細書での「水平」とは、水平面に対して完全に平行な場合と、水平面に対してほぼ平行な場合との両者が含まれる。複数の天井材30は、天井開口部40を覆うように配置される。複数の天井材30は矩形状の面材であり、天井面を形成する仕上げ材として機能する。天井材30は、たとえば、樹脂等のような素材であって、可とう性をもつ素材を用いて構成される。
図5は、図2の吊り材22や周辺構造の拡大図である。図3、図5に示すように、吊り材22は、吊り部材42と、連結部材44と、第1裏当て部46とを有する。吊り部材42は、垂木18の下方に配置され、上下方向に延びる長尺状をなす。本実施形態の吊り部材42は、その横断面が角形断面をなす中空構造である。
連結部材44は、吊り部材42と第1裏当て部46とを連結する。連結部材44は、垂木18の左右方向Yの片側の側面部に対向して配置される板状の第1部分44aと、垂木18の下面部に対向して配置される板状の第2部分44bと、第2部分44bの前後方向Xの両端部から垂下する一対の挟み片44cとを有する。一対の挟み片44cは、吊り部材42の上端部を挟んだ前後方向Xの両側に配置される。吊り部材42は、ボルトとナットを組み合わせた第1留め具42aを用いて連結部材44に繋がれる。
第1裏当て部46は、垂木18の第1ガイド部18aの内側に配置され、垂木18の第1突出片18bに裏側から当てられている。第1裏当て部46は、垂木18の長手方向に沿って延びる長尺状をなす。
連結部材44の第1部分44aは、垂木18の第1突出片18bを挟んで第1裏当て部46とは反対側に配置され、垂木18の第1突出片18bに表側から当てられている。吊り材22と垂木18とは、連結部材44の第1部分44aを貫通するとともに第1裏当て部46にねじ込まれるねじ等の第4締結具44dにより繋がれる。
連結部材44と第1裏当て部46とは、第4締結具44dの締め付けにより、垂木18の第1突出片18bを挟み込む。これにより、吊り材22は、垂木18に対して移動不能に固定される。連結部材44と第1裏当て部46とは、第4締結具44dの締め付けを緩めることで、垂木18の第1突出片18bに対する挟み込みを解除する。これにより、吊り材22は、垂木18に対して移動可能になる。このとき、吊り材22は、垂木18の第1ガイド部18aに沿って第1裏当て部46がスライドすることで、垂木18の長手方向Paに沿って移動するようにガイドされる。このように、吊り材22は、垂木18に対して長手方向Paに沿ってスライド可能に繋げられる。
図2に示すように、吊り材22は、一つの垂木18に対して前後方向Xに間隔を空けて複数繋げられる。複数の吊り材22は、垂木18の長手方向のうち、垂木18が下り勾配となる方向(前側)にあるものほど、上下方向に沿った寸法(以下、高さ寸法という)が小さくなるように構成される。詳しくは、複数の吊り材22それぞれの吊り部材42は、垂木18が下り勾配となる方向にあるものほど、高さ寸法が小さくなるように構成される。また、複数の吊り材22それぞれの連結部材44や第1裏当て部46は、他の吊り材22と同等の寸法のものを共用している。
図3、図5に示すように、複数の下地材24、26は、吊り材22により吊り下げられており、複数の天井材30を支持している。複数の下地材24、26は長尺状をなす。本実施形態の複数の下地材24、26は水平に配置されている。複数の下地材24、26には、左右方向Yに沿って延びる複数の横下地材24と、前後方向Xに沿って延びる複数の縦下地材26とが含まれる。複数の横下地材24と複数の縦下地材26とは格子状に組まれている(図4も参照)。複数の縦下地材26及び複数の横下地材24は、両者のうちの一方(本例では横下地材24)が他方(縦下地材26)の上方をまたぐように配置され、互いの交点部でそれぞれが分断されずに直線状に延びている。
図5に示すように、横下地材24は、吊り材22に繋がれる吊り材側下地材として機能する。横下地材24は、上部に設けられる吊り材収納部24aと、下部に設けられる第2ガイド部24bとを有する。
吊り材収納部24aは、横下地材24の長手方向に沿って延びるとともに上向きに開く溝状をなす。吊り材収納部24aには、吊り材22の吊り部材42の下端部が収められる。横下地材24は、ボルトとナットを組み合わせた第2留め具24cを用いて吊り材22に繋がれる。
第2ガイド部24bは、横下地材24の長手方向に沿って延びるととともに下向きに開く溝状をなす。第2ガイド部24bには、溝底部から入口側に離れた位置に溝幅を狭めるように突き出る第2突出片24dが設けられる。第2ガイド部24bの内側には第2裏当て部材24eが配置される。第2裏当て部材24eは、第2ガイド部24bの第2突出片24dに裏側から当てられる。第2裏当て部材24eは、横下地材24の長手方向に沿って延びる板状をなす。
図6は、図3の縦下地材26周りの拡大図である。縦下地材26は、天井材30が固定される天井材側下地材として機能する。縦下地材26は、吊り材側下地材としての横下地材24に繋がれる。縦下地材26は、天井材30の長辺部30aを挟んだ上下に配置される上側部材48と下側部材50とを有する。
上側部材48は、上方に臨む上壁部48aと、下方に臨む下壁部48bと、上壁部48aと下壁部48bとを接続する接続壁部48cとを有する。上壁部48aは、横下地材24の下面部に突き当てられる。上壁部48aには、縦下地材26の長手方向(前後方向X)に沿って延びるとともに上向きに開く第1溝部48dが形成される。
上壁部48aには、下壁部48bより横下地材24の長手方向Y(左右方向Y)両側にはみ出る第1はみ出し部分48eが設けられる。上側部材48は、上側部材48の第1はみ出し部分48eを貫通するとともに第2裏当て部材24eにねじ込まれるねじ等の第3締結具48fにより、横下地材24に繋がれる。
縦下地材26は、横下地材24との交差箇所が複数の第3締結具48fを用いて繋がれる。縦下地材26と横下地材24とは互いの交差箇所が回転不能に繋がれる、つまり、剛接合されることになる。これにより、格子状に組まれた複数の横下地材24と複数の縦下地材26とはラーメン構造を構成する。
上側部材48の下壁部48bは、並び方向Yに隣り合う天井材30それぞれの長辺部30aの上方に配置される。下壁部48bには上向きに凹状をなす第1位置決め部48gが形成される。
下側部材50は、上側部材48の下方に配置される。下側部材50は、上側部材48の一端部から他端部に亘る範囲で上側部材48の長手方向に沿って延びる長尺状をなす。下側部材50は、第2位置決め部50aと、二つの支持部50bと、第2溝部50cとを有する。
第2位置決め部50aは、下側部材50の上面部に上向きに凸状をなして形成される。下側部材50の第2位置決め部50aは、上側部材48の第1位置決め部48g内に嵌め込まれる。下側部材50は、第1位置決め部48gと第2位置決め部50aとの嵌め合いにより、上側部材48に対して横下地材24の長手方向Yに位置決めされる。
支持部50bは、下側部材50に対して、横下地材24の長手方向Yの両側部に設けられる。支持部50bは、天井材30の長辺部30aを挟んで上側部材48とは反対側に配置され、天井材30の長辺部30aを受けている。
下側部材50は、ドリルねじ、タッピングねじ等のねじ立て可能な第1締結具50dにより上側部材48に締結される。詳しくは、第1締結具50dは、下側部材50の支持部50bと天井材30の長辺部30aを貫通するとともに上側部材48の下壁部48bにねじ込まれる。下側部材50は、第1締結具50dの締め付けにより、上側部材48に締結される。
下側部材50は、ねじ等の第2締結具50eにより、横下地材24に締結される。詳しくは、第2締結具50eは、下側部材50と上側部材48を貫通するとともに第2裏当て部材24eにねじ込まれる。下側部材50は、第2締結具50eの締め付けにより、横下地材24に締結される。
第2溝部50cは、下側部材50の下面部にて第2位置決め部50aと上下反対側に形成される。第2締結具50eの頭部は下側部材50の第2溝部50c内に収められる。第2溝部50cには、溝底部から入口側に離れた位置に溝幅を狭めるように突き出る爪部50fが形成される。
上側部材48と下側部材50とは、第1締結具50d及び第2締結具50eの締め付けにより、上側部材48の下壁部48bと下側部材50の支持部50bとの間の間隔が狭められ、天井材30の長辺部30aを挟み込む。これにより、縦下地材26には天井材30の長辺部30aが固定される。上側部材48と下側部材50とは、第1締結具50d及び第2締結具50eの締め付けを緩めることにより、上側部材48の下壁部48bと下側部材50の支持部50bとの間の間隔が広げられ、天井材30の長辺部30aの挟み込みを解除する。このように、上側部材48と下側部材50とは互いの上下方向での間隔を調整可能かつ保持可能である。
縦下地材26と第2裏当て部材24eとは、第1締結具50d及び第3締結具48fの締め付けにより、横下地材24の第2突出片24dを挟み込む。これにより、縦下地材26は、横下地材24に対して移動不能に固定される。横下地材24と第2裏当て部材24eとは、第1締結具50d及び第3締結具48fの締め付けを緩めることで、横下地材24に対する挟み込みを解除する。これにより、縦下地材26は、横下地材24に対して移動可能になる。このとき、縦下地材26は、横下地材24の第2ガイド部24bに沿って第2裏当て部材24eがスライドすることで、横下地材24の長手方向Yに沿って移動するようにガイドされる。このように、縦下地材26は、横下地材24に対して長手方向Yに沿ってスライド可能に繋げられる。
縦下地材26には、縦下地材26の下方に配置されるカバー材52が取り付けられる。カバー材52は、下側部材50の一端部から他端部に亘る範囲で縦下地材26の長手方向に沿って延びる長尺状をなす。カバー材52は、天井材30の下方の空間に露出するカバー部52aと、カバー部52aの裏側から上向きに突き出る一対の引っ掛け部52bとを有する。
カバー部52aは、下側部材50や第1締結具50d及び第2締結具50eを下方から覆うように設けられる。一対の引っ掛け部52bは、横下地材24の長手方向Xに間隔を空けて配置される。一対の引っ掛け部52bは、上下方向に延びる板状をなし、下側部材50の第2溝部50c内に差し込まれている。一対の引っ掛け部52bは、互いに狭まる方向(左右方向)に自由端側が弾性的に撓み変形可能である。一対の引っ掛け部52bは、スナップフィット方式により下側部材50の爪部50fに引っ掛けられることで、下側部材50に対して着脱可能に取り付けられる。
以上の屋外構造物10の作用効果を説明する。
屋外構造物10は、垂木18に繋げられる吊り材22と、吊り材22により吊り下げられ、天井材30を支持する複数の下地材24、26とを備える。よって、吊り材22と下地材24、26とを組み合わせた吊り天井構造を用いて垂木18により天井材30を支持できるようになり、天井材30を組み込んだ屋外構造物10を実現できる。
また、複数の下地材24、26の傾きを垂木18の傾きと変えることで、垂木18と天井材30の傾きを異ならせることができる。よって、垂木18が傾斜している場合でも、本実施形態のように天井材30を水平に配置できるようになる。このため、垂木18に天井材30を直付けする場合と比べて、垂木18の傾きの制約を受けることなく天井材30の傾きを自由に設計でき、天井材30に関する設計上の自由度を高められる。
吊り材22は、垂木18に対して垂木18の長手方向に沿ってスライド可能に繋げられる。よって、垂木18に対して吊り材22をスライドさせることで、吊り材22を配置予定位置からずらした位置に仮置きできるようになる。このため、吊り材22の配置予定位置の近くに障害物(たとえば、後述する付帯構造物62)がある場合、配置予定位置からずらした位置で垂木18に吊り材22を繋いだ後、垂木18に対して吊り材22をスライドさせるだけで、吊り材22を配置予定位置に配置できる。これにより、作業者や吊り材22と障害物との干渉を防止しつつ垂木18に吊り材22を繋げるようになり、良好な作業性を得られる。また、吊り材22の荷重の一部を垂木18に預けながら垂木18を位置合わせでき、良好な作業性を得られる。なお、本明細書での「配置予定位置」とは、構築済みの屋外構造物10において対象となる部材を配置すべき位置として予め定めたものをいう。
縦下地材26は、天井材30の長辺部30aを挟み込むとともに互いの間隔を調整可能な上側部材48と下側部材50とを有する。よって、上側部材48と下側部材50との間の間隔を広げたうえで、これらの間に天井材30の長辺部30aを差し込み、これらの間隔を狭めることで、天井材30の長辺部30aを縦下地材26に簡易に固定できるようになり、良好な作業性を得られる。
下側部材50は、下側部材50とともに天井材30を貫通する第1締結具50dにより上側部材48に締結されている。よって、上側部材48と下側部材50と間に天井材30を挟み込みつつ、第1締結具50dを用いた支圧接合により天井材30を縦下地材26に固定でき、縦下地材26に対する天井材30の固定度を効果的に高められる。
また、下側部材50は、下側部材50を貫通する第1締結具50dにより縦下地材26に締結されるとともに、下側部材50を貫通する第2締結具50eにより横下地材24に締結されている。よって、第1締結具50dや第2締結具50eを用いた締結相手が別部材となるため、いずれかの締結具50d、50eが緩んだときでも下側部材50を横下地材24に繋いだ状態を保ち易くなる。
また、縦下地材26は、横下地材24に対して横下地材24の長手方向Yにスライド可能に繋がれる。よって、横下地材24に対して縦下地材26をスライドさせることで、縦下地材26を配置予定位置からずらした位置に仮置きできるようになる。このため、縦下地材26を配置予定位置からずらしておき、天井材30を配置予定位置に配置した後、横下地材24に対して縦下地材26をスライドさせるだけで、縦下地材26を配置予定位置に配置できる。これにより、縦下地材26との干渉を防止しつつ天井材30や縦下地材26を配置予定位置に配置できるようになり、良好な作業性を得られる。
次に、屋外構造物10の他の特徴を説明する。
図6に示すように、縦下地材26の下壁部48bには、横下地材24の長手方向Yの両端側にある接続壁部48cより、横下地材24の長手方向Yにはみ出る第2はみ出し部分48hが設けられる。本実施形態では縦下地材26の第2はみ出し部分48hにはシール材48iが取り付けられる。縦下地材26の第2はみ出し部分48hと天井材30の長辺部30aとの間にはシール材48iが介装される。
シール材48iは、ゴム等の弾性をもつ素材を用いて構成され、縦下地材26の第2はみ出し部分48hに取り付けられる。シール材48iは、縦下地材26の第2はみ出し部分48hと天井材30の長辺部30aとの間に弾性変形した状態で介装され、これらの間をシールする。シール材48iは、第1締結具50dに対して、天井材30の長辺部30aに沿って設けられる長辺部30aの端面30cとは左右方向Yの反対側に配置される。また、シール材48iは、縦下地材26の長手方向の一端部から他端部に亘る範囲に設けられる。
この利点を説明する。天井材30の裏面側で結露水が生じ、その結露水が天井材30の長辺部30aの端面30cに向けて流れようとする場合を考える。この場合、天井材30の長辺部30aと縦下地材26との間にシール材48iが介装されるため、長辺部30aの端面30cに向かう結露水の流れをシール材48iにより遮ることができる。特に、シール材48iは、第1締結具50dに対して、天井材30の長辺部30aの端面30cとは反対側に配置される。よって、天井材30に対する第1締結具50dの貫通箇所30dに向かう結露水の流れもシール材48iにより遮ることができる。これらが相まって、天井材30の裏側で生じた結露水の天井下空間への漏れ出しを防止できる。
図7は、縦下地材26の後端部26a(図4参照)を側面から見た部分断面図である。屋外構造物10は、更に、押さえ材54と、受け材56とを有する。押さえ材54は、縦下地材26の後端部26aの上方に配置され、受け材56は、縦下地材26の後端部26aを挟んで押さえ材54とは上下反対側に配置される。
押さえ材54は、縦下地材26の端部の上向きの変位を拘束するための押さえ体58として機能する。押さえ材54は長尺状をなしている。本実施形態の押さえ材54は、縦下地材26の幅寸法と同等の長手寸法をもつ。
押さえ材54は、第1突き合わせ部54aと、第1突出壁部54bと、間隔保持部54cとを有する。第1突き合わせ部54aは、天井開口部40を形成する躯体の一部となる建物12の外壁14に突き合わせられる。押さえ材54は、押さえ材54の第1突き合わせ部54aを貫通するとともに建物12の外壁14にねじ込まれるねじ54dを用いて、建物12の外壁14に取り付けられる。第1突出壁部54bは、第1突き合わせ部54aから天井開口部40の内側に向けて突き出ている。間隔保持部54cは、受け材56との間での上下方向での間隔を保持するためのものであり、第1突出壁部54bから下向きに突き出ている。
第1突出壁部54bの先端部は、縦下地材26の後端部の上壁部48aに上方から突き当てられる。縦下地材26の後端部26aは、ボルトとナットを組み合わせた第3留め具26bを用いて押さえ材54に繋がれる。押さえ材54の第1突出壁部54bは、縦下地材26の後端部が上向きに変位しようとしたとき、縦下地材26の後端部との接触によって、その変位を拘束する。
受け材56は長尺状をなしており、受け材56とは別部材である。本実施形態の受け材56は、一対の妻梁34のうちの一方の妻梁34の内端面から他方の妻梁34の内端面に亘る範囲で左右方向Yに沿って延びている。
受け材56は、第2突き合わせ部56aと、第2突出壁部56bと、支持部56cとを有する。第2突き合わせ部56aは、建物12の外壁14に突き合わせられる。受け材56は、受け材56の第2突き合わせ部56aを貫通するとともに建物12の外壁14にねじ込まれるねじ56dを用いて、建物12の外壁14に取り付けられる。
第2突出壁部56bは、第2突き合わせ部56aから天井開口部40の内側に向けて突き出ている。第2突出壁部56bは中空状をなす。第2突出壁部56bの上面部には、天井開口部40の内側に向かう途中位置で落ち込む段部56eが形成される。第2突出壁部56bの段部56eより先端側部分は天井材30の短辺部30bを受けている。支持部50bは、第2突出壁部56bの段部56eから天井開口部40の内側に向けて突き出ており、押さえ材54の間隔保持部54cを支持している。
図8は、縦下地材26の前端部26c(図4参照)を側面から見た部分拡大図である。前述の垂木18の前端部18cは、縦下地材26の前端部26cの上方に配置され、縦下地材26の前端部26cに上方から突き当てられる。垂木18の前端部18cは、縦下地材26の前端部26cが上向きに変位しようとしたとき、縦下地材26の前端部26cとの接触によって、その変位を拘束する。このように、垂木18は、縦下地材26の前端部26cの上向きの変位を拘束する押さえ体58として機能する。
受け材56は、縦下地材26の前端部26cを挟んで垂木18の前端部18cとは上下反対側に配置される。この受け材56の第2突き合わせ部56aは、天井開口部40を形成する躯体の一部となる桁36に突き合わせられ、ねじ56dを用いて桁36に取り付けられる。
以上の構成の利点を説明する。屋外構造物10は建物12の屋外に設置されるため、天井材30には、風圧等の影響により、上向きの外力が入力されることがある。このとき、天井材30が固定される縦下地材26にも上向きの外力が天井材30を通して伝達される。ここで、本実施形態の屋外構造物10は、縦下地材26の端部26a、26cの上向きの変位を拘束するための押さえ体58を備える。よって、天井材30に上向きの外力が入力されたときでも、縦下地材26の端部26a、26cの上向きの変位を押さえ体58により拘束することで天井材30の変位を抑えられ、天井材30のばたつきを防止できる。
また、屋外構造物10は、縦下地材26の後端部26aの下側に配置され、天井材30の短辺部30bを受ける受け材56を備える。また、第1押さえ体58となる押さえ材54は受け材56とは別部材であり、躯体に取り付けられる。よって、押さえ材54を躯体から取り外しておくことで、押さえ材54との干渉を防止しつつ天井材30の短辺部30bを受け材56上に配置でき、良好な作業性を得られる。
図9は、横下地材24の端部24fを前面から見た部分拡大図である。横下地材24は、一対の妻梁34のうちの一方の妻梁34の上方から他方の妻梁34の上方に亘る範囲にあるように延びている。横下地材24の端部には縦下地材26(以下、端側縦下地材26−Aという)が繋がれる。端側縦下地材26−Aは、他の下地材26と異なり、上側部材48のみを有しており、下側部材50を有していない。端側縦下地材26−Aの下壁部48bと妻梁34との間には左右方向Yの片側Pbに向かって端側天井材30−Aの長辺部30aが差し込まれている。
端側縦下地材26−Aの下壁部48bには弾性材60が取り付けられる。弾性材60は、ゴム等の弾性をもつ素材を用いて構成される。弾性材60は、端側縦下地材26−Aの下壁部48bに取り付けられる基部60aと、基部60aから延びるヒレ部60bとを有する。
ヒレ部60bは、端側縦下地材26−Aの差込方向Pbに向かうにつれて妻梁34に近づくように延びている。ヒレ部60bは、その全体が基部60aに対して弾性的に曲げ変形可能である。ヒレ部60bは、端側縦下地材26−Aの下壁部48bと天井材30の長辺部30aとの間に介装される。本図では、弾性材60のヒレ部60bが未変形状態にあるときの形状を二点鎖線で示す。弾性材60のヒレ部60bは、その先端側の自由端部が妻梁34から離れる方向に弾性的に曲げ変形している。ヒレ部60bは、自らの弾性変形に起因する弾性反発力によって、その自由端部が妻梁34に近づく方向に付勢されている。端側天井材30−Aの長辺部30aは、弾性材60の弾性反発力によって、端側縦下地材26−Aと妻梁34との間に保持される。
次に、前述の屋外構造物10の構築方法の一例を説明する。この構築方法には、主に、次の工程が含まれる。
(第1工程)躯体に対して複数の垂木18を架け渡す。
(第2工程)複数の垂木18のそれぞれに吊り材22を繋ぐ。
(第3工程)吊り材22に下地材24、26を吊り下げる。
(第4工程)縦下地材26に天井材30を固定する。
第1工程では、複数の垂木18を架け渡す前に、複数の骨組材を組んで骨組構造体16を構築しておく。複数の垂木18は、本実施形態において、躯体の一部となる建物12の外壁14と骨組構造体16の桁36との間に架け渡す(図1参照)。
第2工程では、まず、垂木18の第1ガイド部18a内に吊り材22の第1裏当て部46を配置する(図3参照)。次に、吊り材22の連結部材44と吊り部材42とを第1留め具42aを用いて繋ぎ、連結部材44と第1裏当て部46とを第4締結具44dを用いて繋ぐ。このとき、第4締結具44dの締め付けを緩めておき、吊り材22が垂木18に対して長手方向にスライド可能な状態にしておく。
第3工程では、まず、第2留め具24cを用いて横下地材24を吊り材22に繋ぐ。次に、吊り材22により横下地材24を吊り下げた状態で、垂木18に対して吊り材22をスライドさせることで、複数の横下地材24それぞれの前後方向Xでの位置合わせをする。このとき、複数の横下地材24は、複数の横下地材24それぞれの配置予定位置に配置されるように位置合わせする。横下地材24の位置合わせが完了したら、第4締結具44dを締め付けることで、垂木18に対して吊り材22を移動不能に固定する。
第3工程では、次に、第3締結具48fを用いて縦下地材26を横下地材24に繋ぐ(図6参照)。これにより、複数の横下地材24及び複数の縦下地材26が吊り材22に吊り下げられた状態となる。このとき、縦下地材26の第3締結具48fとは緩めておき、縦下地材26が横下地材24に対して長手方向Xにスライド可能な状態にしておく。このとき、複数の縦下地材26のうちの端側縦下地材26−Aは、端側縦下地材26−Aの配置予定位置に配置されるように位置合わせする。端側縦下地材26−Aの位置合わせが完了したら、第3締結具48fを締め付けることで、横下地材24に対して端側縦下地材26−Aを移動不能に固定する。
第4工程では、複数の天井材30に関して、並び方向Yの一端側(たとえば、図4の紙面左側)にある端側天井材30−Aから順々に配置予定位置に配置していく。まず、端側天井材30−Aを配置予定位置に配置する。端側天井材30−Aの天井開口部40と並び方向Yに対向する位置にある長辺部30aは、端側縦下地材26−Aと妻梁34との間に左右方向の片側に向かって差し込み、妻梁34上で受けさせる(図9参照)。これと併せて、端側天井材30−Aの短辺部30bは受け材56上で受けさせる(図7、図8参照)。
次に、横下地材24に対して縦下地材26をスライドさせることにより、配置予定位置に配置済みの天井材30の並び方向の他端側(たとえば、図4の紙面右側)にある長辺部30aを、縦下地材26の上側部材48と下側部材50との間に入り込ませる(図6参照)。これにより、天井材30を大きくたわませることなく、縦下地材26の上側部材48と下側部材50との間に天井材30の長辺部30aを配置でき、良好な作業性が得られる。縦下地材26を配置予定位置に配置したら、第3締結具48fを締め付けることで、横下地材24に対して端側縦下地材26−Aを移動不能に固定する。
次に、配置予定位置に配置済みの天井材30に対して並び方向の他端側にある中側天井材30−Bを配置予定位置に配置する。配置済みの天井材30と並び方向Yに対向する天井材30−Bの長辺部30aは、配置予定位置に配置済みの縦下地材26の上側部材48と下側部材50との間に向かって差し込む。これと併せて、中側天井材30−Bの並び方向Yと直交する方向(前後方向X)の両側にある短辺部30bは受け材56上で受けさせる(図7、図8参照)。
中側天井材30−Bを配置予定位置に配置したら、第1締結具50d及び第2締結具50eの締め付けにより、縦下地材26の上側部材48と下側部材50との間隔を狭める。これにより、配置済みの二つの天井材30の互いに対向する長辺部30aが、縦下地材26の上側部材48と下側部材50との間に挟み込まれ、縦下地材26に天井材30の長辺部30aが固定される。
全ての中側天井材30−Bを配置予定位置に配置したら、複数の天井材30のうち並び方向の他端側にある端側天井材30−Aを配置予定位置に配置する。この端側天井材30−Aは、前述と同様、天井開口部40と並び方向Yに対向する位置にある長辺部30aを端側縦下地材26−Aと妻梁34との間に差し込み、妻梁34上で受けさせる(図9参照)。これと併せて、端側天井材30−Aの短辺部30bは受け材56上で受けさせる(図7、図8参照)。また、中側天井材30−Bと並び方向Yに対向する位置にある端側天井材30−Aの長辺部30aを、縦下地材26の上側部材48と下側部材50との間に挟み込み、縦下地材26に固定する。この後、縦下地材26にカバー材52を取り付ける。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態の屋外構造物10を図4と同じ視点から見た図である。図11は、図10の一部の拡大図である。図12は、図10のB−B線に沿って切断した断面の一部とともに部材の外観を示す図であり、B2−B2線に沿った断面の一部を併せて示す。本実施形態の屋外構造物10が用いられる建物12は、建物12の外壁14から屋外側に突き出る付帯構造物62を備える。付帯構造物62は、建物12の外壁14に付帯的に設けられるものである。本実施形態の付帯構造物62はシャッターボックスであるが、ひさし、出窓等でもよい。
第2実施形態の複数の下地材24、26、64、66には、第1補助下地材64と、二つの第2補助下地材66とが含まれる。第1補助下地材64は、付帯構造物62に対して前側に配置される。第2補助下地材66は、付帯構造物62に対して左右方向Yの両側に配置される。第1補助下地材64と二つの第2補助下地材66とは、前後方向Xの一方側(前側)と左右方向Yの両側との三方から付帯構造物62を取り囲むように配置される。
第1補助下地材64は、複数の横下地材24のうち最も建物12の外壁14に近い側にある横下地材24に第2締結具50eを用いて繋がれる。第1補助下地材64は、左右方向Yに沿って延びている。第1補助下地材64は、その大半の構成が縦下地材26と共通している。第1補助下地材64の側面部には、複数の縦下地材26それぞれの端部が前後方向Xに突き合わせられている。複数の縦下地材26それぞれの端部は、第1補助下地材64の側面部に対してL字状の第1接続具68とねじを用いて接続される。
第2補助下地材66は、第1補助下地材64と外壁14との間に配置される。第2補助下地材66は、前後方向Xに沿って延びている。第2補助下地材66は、その大半の構成が縦下地材26と共通している。第2補助下地材66は、第1補助下地材64に臨む側にある前端部が、第1補助下地材64の側面部に対してL字状の第2接続具70とねじを用いて接続される。
複数の天井材30のうちの一部の補助天井材30−Cは、第1補助下地材64と第2補助下地材66とで囲まれた箇所を覆うように配置される。補助天井材30−Cは、付帯構造物62とは左右方向Yの反対側にある辺部30eが妻梁34により受けられ、付帯構造物62と左右方向Yに対向する位置にある辺部30fが第2補助下地材66に固定される。補助天井材30−Cは、他の天井材30とは前後方向Xの反対側にある辺部30gが受け材56により受けられ、他の天井材30と前後方向Xに対向する位置にある辺部30hが第1補助下地材64に固定される。第1補助下地材64、第2補助下地材66による補助天井材30−Cの固定方法は、縦下地材26による天井材30の固定方法と同様である。
第1補助下地材64の側面部と付帯構造物62との間には弾性材60が介装されている。第2補助下地材66の側面部と付帯構造物62との間にも弾性材60が介装されている。弾性材60は、補助下地材64、66の側面部と付帯構造物62との間に形成される隙間を塞ぐように設けられる。弾性材60は、ゴム等の弾性をもつ素材を用いて構成される。
本実施形態によれば、補助下地材64、66と付帯構造物62との間には弾性材60が介装されるため、次の利点がある。地震等により複数の下地材24、26、64、66に外力が入力されることで、付帯構造物62に対して補助下地材64、66が相対変位する場合を考える。この場合、補助下地材64、66は付帯構造物62に弾性材60を介して当たるため、直接に当たることによる衝突音の発生を防止できる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
屋外構造物10は建物12の外壁14に隣接して設置されるテラスを例に説明したが、建物12の外壁14から離間して設置されるカーポート等でもよい。いずれにしても、屋外構造物10は建物12の屋外側に設置されていればよい。躯体は、骨組構造体16と建物12の外壁14との組み合わせにより構成される例に説明したが、骨組構造体16のみにより構成されてもよい。
吊り材22は、垂木18に対してスライド可能に繋がれていなくともよい。
吊り材22に繋がれる吊り材側下地材が横下地材24であり、吊り材側下地材に繋がれるとともに天井材30が固定される天井材側下地材が縦下地材26である例を説明した。この他にも、吊り材側下地材が縦下地材26であり、天井材側下地材が横下地材24でもよい。
下地材には格子状に組まれる吊り材側下地材と天井材側下地材とが含まれる例を説明したが天井材側下地材のみが含まれていてもよい。
天井材側下地材に対する天井材30の辺部の固定方法として、天井材側下地材の上側部材48と下側部材50とが天井材の辺部を挟み込む例を説明したが、これに限られない。たとえば、天井材30を挟み込まずにねじ等を用いて天井材側下地材に固定してもよい。
天井材30は、左右方向Yに複数並べられる例を説明したが、その並び方向は前後方向Xでもよい。また、天井材30は、左右方向Y及び前後方向Xの二方向に行列状に並べられてもよい。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様の屋外構造物は、第1態様において、前記吊り材は、前記垂木に対して前記垂木の長手方向に沿ってスライド可能に繋げられてもよい。
この態様によれば、吊り材の配置予定位置の近くに障害物がある場合、配置予定位置からずらした位置で垂木に吊り材を繋いだ後、垂木に対して吊り材をスライドさせるだけで、吊り材を配置予定位置に配置できる。よって、作業者や吊り材と障害物との干渉を防止しつつ、垂木に吊り材を繋げるようになり、良好な作業性を得られる。
第3態様の屋外構造物は、第1態様又は第2態様において、前記下地材には、前記天井材が固定される天井材側下地材が含まれ、前記天井材側下地材は、前記天井材の辺部を挟み込むとともに互いの間隔を調整可能な上側部材と下側部材とを有してもよい。
この態様によれば、上側部材と下側部材との間の間隔を広げたうえで、これらの間に天井材の辺部を差し込んでから、この間隔を狭めることで天井材の辺部を天井材側下地材に簡易に固定できるようになり、良好な作業性を得られる。
第4態様の屋外構造物は、第3態様において、前記下側部材は、前記下側部材とともに前記天井材を貫通する第1締結具により前記上側部材に締結されてもよい。
この態様によれば、上側部材と下側部材と間に天井材を挟み込みつつ、第1締結具を用いた支圧接合により天井材を天井材側下地材に固定でき、天井材側下地材に対する天井材の固定度を効果的に高められる。
第5態様の屋外構造物は、第3態様又は第4態様において、前記下地材には、前記吊り材に繋がれるとともに前記上側部材が繋がれる吊り材側下地材が含まれ、前記下側部材は、前記下側部材を貫通する第1締結具により前記上側部材に締結されるとともに、前記下側部材を貫通する第2締結具により前記吊り材側下地材に締結されてもよい。
この態様によれば、第1締結具や第2締結具を用いた締結相手が別部材となるため、いずれかの締結具が緩んだときでも、下側部材を吊り材側下地材に繋いだ状態を保ち易くなる。
第6態様の屋外構造物は、第3態様から第5態様のいずれかにおいて、前記天井材の前記辺部と前記上側部材の間にはシール材が介装されてもよい。
この態様によれば、天井材の辺部の端面に向かう結露水の流れをシール材により遮ることができる。
第7態様の屋外構造物は、第6態様において、前記天井材の前記辺部を貫通する第1締結具により前記上側部材に締結され、前記シール材は、前記第1締結具に対して、前記辺部に沿って設けられる前記辺部の端面とは反対側に配置されてもよい。
この態様によれば、天井材に対する第1締結具の貫通箇所に向かう結露水の流れもシール材により遮ることができる。
第8態様の屋外構造物は、第1態様から第7態様のいずれかにおいて、前記下地材には、前記吊り材に繋がれる長尺状の吊り材側下地材と、前記天井材が固定される天井材側下地材とが含まれ、前記天井材側下地材は、前記吊り材側下地材に対して前記吊り材側下地材の長手方向にスライド可能に繋がれてもよい。
この態様によれば、天井材側下地材を配置予定位置からずらしておき、天井材を配置予定位置に配置した後、吊り材側下地材対して天井材側下地材をスライドさせるだけで、天井材側下地材を配置予定位置に配置できる。これにより、天井材側下地材との干渉を防止しつつ天井材や天井材側下地材を配置予定位置に配置できるようになり、良好な作業性を得られる。
第9態様の屋外構造物は、第1態様から第8態様のいずれかにおいて、前記下地材には、前記天井材が固定される長尺状の天井材側下地材が含まれ、前記天井材側下地材の端部の上向きの変位を拘束するための押さえ体を備えてもよい。
この態様によれば、風圧等の影響により天井材に上向きの外力が入力されたときでも、天井材側下地材の端部の上向きの変位を押さえ体により拘束することで天井材の変位を押さえられ、天井材のばたつきを防止できる。
第10態様の屋外構造物は、第9態様において、前記天井材側下地材の端部を挟んで前記押さえ体とは反対側に配置され、前記天井材の辺部を受ける受け材を備え、前記押さえ体は、前記受け材とは別部材であり、躯体に取り付けられてもよい。
この態様によれば、押さえ体を躯体から取り外しておくことで、押さえ材との干渉を防止しつつ天井材の辺部を受け材上に配置でき、良好な作業性を得られる。
第11態様の屋外構造物は、第1態様から第10態様のいずれかにおいて、前記複数の下地材は、格子状に組まれており、その一部の下地材が前記建物12の外壁から屋外側に突き出る付帯構造物を取り囲むように配置され、前記付帯構造物を取り囲む下地材と前記付帯構造物との間には弾性材が介装されてもよい。
地震等により複数の下地材に外力が入力されることで、付帯構造物に対して下地材が相対変位する場合を考える。この場合に、この態様によれば、下地材は付帯構造物に弾性材を介して当たるため、直接に当たることによる衝突音の発生を防止できる。
本発明の第12態様は、第1態様から第11態様のいずれかに記載の屋外構造物の構築方法であって、躯体に対して複数の垂木を架け渡す工程と、前記垂木に前記吊り材を繋ぐ工程と、前記吊り材に前記下地材を吊り下げる工程と、を含む。