JP2018016726A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポットライフが長く、硬化速度の速い組成物を提供すること。
【解決手段】重合性化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cを含み、下記要件1)〜3)を満たす組成物。要件1):前記酸発生剤Bが、熱または光によって酸を発生するX+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物が下記条件(ア)または(イ)で硬化する塩(ア):150℃で60分間加熱する(イ):高圧水銀ランプを用い、露光量が1J/cm2となるよう光照射をする、要件2):前記安定化剤Cが、a+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物を150℃で60分間加熱しても硬化しない塩、要件3):前記組成物中の酸発生剤Bに対する安定化剤Cのモル比が0.5〜10である
Figure 2018016726

【選択図】なし

Description

本発明は組成物、具体的には硬化性組成物に関する。
硬化性組成物は、簡便な塗布プロセスによって硬化物を容易に形成することができることから、今日では広く用いられている。
このような硬化性組成物には、通常、硬化剤が配合される。しかしながら、硬化剤を含む組成物は、常温で保存したとき、徐々に硬化反応が進行するという問題があった。
前記問題に対し、貯蔵安定性に優れ、硬化時間の短い組成物を提供することを目的として、特許文献1には、特定の樹脂と硬化触媒とを含む熱硬化性組成物が記載されている。
特開2015−93904号公報
しかし、特許文献1に記載の組成物などの従来の組成物は、室温及びそれに近い温度条件下での保存安定性と、比較的低温下での硬化性とを両立できるものではなく、改善の余地があった。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、ポットライフが長く、硬化速度の速い組成物を提供することを目的としている。
本発明者が鋭意検討した結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出した。
本発明の構成例は以下のとおりである。
[1] 重合性化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cを含み、下記要件1)〜3)を満たす組成物。
要件1):前記酸発生剤Bが、熱または光によって酸を発生するX+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(α)が下記条件(ア)または(イ)で硬化する塩
(ア):150℃で60分間加熱する
(イ):高圧水銀ランプを用い、露光量が1J/cm2となるよう光照射をする
要件2):前記安定化剤Cが、a+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(β)を150℃で60分間加熱しても硬化しない塩
要件3):前記組成物中の酸発生剤Bに対する安定化剤Cのモル比が0.5〜10である
Figure 2018016726
[2] 前記安定化剤Cのb-に対応する酸H+-の気相酸性度が300kcal/mol以下である、[1]に記載の組成物。
[3] 前記安定化剤Cのb-が下記式(2)で表される、[1]または[2]に記載の組成物。
(CF3(CF2mSO2n- (2)
[mは0〜5の整数であり、nは1〜3の整数であり、Zは窒素または炭素である。]
[4] 前記安定化剤Cのa+がホスホニウム塩である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 前記酸発生剤BのX+がスルホニウムまたはヨードニウム塩である、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 前記酸発生剤BのY-が下記式(3)で表される、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
k- (3)
(Rはフッ素原子、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアリール基であり、kは1、4または6であり、Qはホウ素、リン、アンチモンまたは硫黄である。)
本発明によれば、ポットライフが長いにもかかわらず、低温(例:150℃以下)硬化速度の速い組成物を提供することができる。
≪組成物≫
本発明に係る組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、重合性化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cを含み、下記要件1)〜3)を満たす。
要件1):前記酸発生剤Bが、熱または光によって酸を発生するX+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(α)が下記条件(ア)および/または(イ)で硬化する塩
(ア):150℃で60分間加熱する
(イ):高圧水銀ランプを用い、露光量が1J/cm2となるよう光照射をする
要件2):前記安定化剤Cが、a+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(β)を150℃で60分間加熱しても硬化しない塩
要件3):前記組成物中の酸発生剤Bに対する安定化剤Cのモル比が0.5〜10である
Figure 2018016726
このような本組成物によれば、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性にバランスよく優れる組成物が得られる。
本組成物がこのような効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、室温では、安定化剤Cにより、酸発生剤Bより生じる酸がクエンチされているか、平衡状態になっているかなどにより安定な状態を保っているが、加熱または光照射すると、クエンチ能力が低下するか、平衡が崩れることにより、硬化スピードがアップしていると考えられる。
本発明において、要件1)や2)で、前記式(1)で表される化合物を用いるのは、該化合物は入手しやすく、該化合物と酸発生剤Bまたは安定化剤Cとを用いた組成物が特定の性質を示す場合、そのような性質を有する酸発生剤Bおよび安定化剤Cを用いることで、前記課題を解決できることが分かり、しかもその再現性がよかったことによる。
<重合性化合物A>
前記化合物Aは、分子内に少なくとも1つの重合性基を有する化合物であれば特に制限されないが、本発明の効果がより発揮される等の点から、カチオン重合性基を有する化合物であることが好ましく、カチオン重合性基を2つ以上有する化合物であることがより好ましい。
本組成物は、1種の化合物Aを含んでもよく、2種以上の化合物Aを含んでもよい。
前記カチオン重合性基としては、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基などの脂環式エポキシ基、オキセタニル基、ジオキソラン基、トリオキサン基、エピスルフィド基、ビニルエーテル基、メチロール基、アルコキシメチロール基、スチリル基等が挙げられ、ポットライフおよび低温硬化性により優れる組成物が得られる等の点から、エポキシ基、脂環式エポキシ基、オキセタニル基およびビニルエーテル基が好ましく、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびオキセタニル基がより好ましい。
なお、化合物Aとしてビニルエーテル基を有する化合物を用いる場合には、低温硬化性に優れる組成物が得られる等の点から、エポキシ基、脂環式エポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物と併用することが好ましい。
エポキシ基を有する化合物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテルなどのビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールと1種または2種以上のアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル;高級多価脂肪酸のポリグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
脂環式エポキシ基を有する化合物として、3,4−オキシラニルシクロヘキシルメチル−3',4'−オキシラニルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−オキシラニルシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−オキシラニル)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−オキシラニルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−オキシラニル−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−オキシラニル−6−メチルシクロヘキシル−3',4'−オキシラニル−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−オキシラニルシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールビス(3,4−オキシラニルシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−オキシラニルシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−オキシラニルシクロヘキシルメチル−3',4'−オキシラニルシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
オキセタニル基を有する化合物として、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3'−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル)エタン、1,3−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル)プロパン、エチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、トリエチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ブタン、1,6−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジトリメチロールプロパンテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールFビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、3−エチルオキセタン−3−イルメタノールとシランテトラオール重縮合物との縮合反応生成物等が挙げられる。
前記化合物Aとしては、これらの中でも、3,4−オキシラニルシクロヘキシルメチル−3',4'−オキシラニルシクロヘキサンカルボキシレート、3−エチルオキセタン−3−イルメタノールとシランテトラオール重縮合物との縮合反応生成物、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが好ましく、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性によりバランスよく優れる組成物が得られる等の点から、特に、前記式(1)で表される3,4−オキシラニルシクロヘキシルメチル−3',4'−オキシラニルシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
前記化合物Aは、市販品を用いてもよく、該市販品の例としては、(株)ダイセル製のセロキサイド 2021P、東亜合成(株)製のOXT−191、(株)ADEKA製のED−503G、三菱化学(株)製のjER828、日本カーバイド工業(株)の製BDVE、CHDVEが挙げられる。
本組成物中の化合物Aの含有量は、化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cの合計100重量%に対し、好ましくは70〜99.5重量%、より好ましくは80〜98重量%、さらに好ましくは85〜97重量%である。
化合物Aの含有量が前記範囲にあると、ポットライフ(保存安定性)、低温硬化性および塗布性等の硬化物形成性により優れる組成物が得られ、十分な硬度を有する硬化物を得ることができる。
<酸発生剤B>
前記酸発生剤Bは、下記要件1)を満たす化合物である。
要件1):前記酸発生剤Bが、熱または光によって酸を発生するX+-で表される塩であって、前記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(α)が下記条件(ア)または(イ)で硬化する塩
(ア):150℃で60分間加熱する
(イ):高圧水銀ランプを用い、露光量が1J/cm2となるよう光照射をする
このような酸発生剤Bを下記安定化剤Cと共に用いることで初めて、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性にバランスよく優れる組成物が得られる。
本組成物は、1種の酸発生剤Bを含んでもよく、2種以上の酸発生剤Bを含んでもよい。
前記条件(ア)および(イ)において、「硬化する」とは、組成物(α)を、150℃で60分間加熱したもの、または、露光量が1J/cm2となるよう高圧水銀ランプを用いて光照射したものの鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)がH以上になることをいい、具体的には、組成物(α)を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、
該塗膜付基板をホットプレート上、150℃で60分間加熱した時の塗膜、または、
該塗膜付基板の塗膜側から、高圧水銀ランプを用い、1J/cm2の光を照射することで得られた塗膜
の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)がH以上になることをいう。
なお、酸発生剤Bの種類に応じ、該酸発生剤Bを溶解させるために、前記組成物(α)には、溶媒を配合してもよい。なお、該溶媒は、用いる酸発生剤Bに応じてその種類を適宜選択すればよく、その使用量は、酸発生剤Bが溶解できる程度の量で用いられる。
前記酸発生剤BのX+は、特に制限されないが、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性にバランスよく優れる組成物が得られる等の点から、スルホニウムまたはヨードニウム塩であることが好ましく、スルホニウムであることがより好ましい。
前記酸発生剤BのY-は、特に制限されないが、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性にバランスよく優れる組成物が得られる等の点から、下記式(3)で表される構造であることが好ましい。
k- (3)
Rはフッ素原子、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアリール基であり、フッ素原子が好ましい。
kは1、4または6である。
Qはホウ素、リン、アンチモンまたは硫黄であり、ホウ素またはリンが好ましく、リンがより好ましい。
前記酸発生剤Bは、市販品を用いてもよく、該市販品の例としては、三新化学工業(株)製のサンエイドSI−110L、サンエイドSI−110P、サンアプロ(株)製のTA100、CPI−100P、BASF製のIRGACURE290が挙げられる。
本組成物中の酸発生剤Bの含有量は、化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cの合計100重量%に対し、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.20〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。
酸発生剤Bの含有量が前記範囲にあると、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性によりバランスよく優れる組成物が得られる。
<安定化剤C>
前記安定化剤Cは、下記要件2)を満たす化合物である。
要件2):前記安定化剤Cが、a+-で表される塩であって、前記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(β)を150℃で60分間加熱しても硬化しない塩
本組成物は、1種の安定化剤Cを含んでもよく、2種以上の安定化剤Cを含んでもよい。
前記要件2)において、「硬化しない」とは、組成物(β)を、150℃で60分間加熱したものの鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)がH以上にならないことをいい、具体的には、組成物(β)を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、該塗膜付基板をホットプレート上、150℃で60分間加熱した時の塗膜の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)がH以上にならないことをいう。
なお、安定化剤Cの種類に応じ、該安定化剤Cを溶解させるために、前記組成物(β)には、溶媒を配合してもよい。なお、該溶媒は、用いる安定化剤Cに応じてその種類を適宜選択すればよく、その使用量は、安定化剤Cが溶解できる程度の量で用いられる。
前記b-は、低温硬化性により優れる組成物が得られる等の点から、該b-に対応する酸H+-の気相酸性度が好ましくは300kcal/mol以下、より好ましくは220〜300kcal/mol、さらに好ましくは250〜300kcal/molとなるイオンである。
前記気相酸性度は、気相中での酸性度であり、IUPACにより酸解離に伴うギブズエネルギー変化と定義される。この気相酸性度は、例えば「J.Am.Chem.Soc. 1994、116、3047-3057」に記載されている。
前記安定化剤Cのb-は、特に制限されないが、下記式(2)で表される構造であることが好ましい。下記式(2)で表される構造は、酸性度が比較的小さいため、該構造を有する安定化剤Cを用いることで、室温での安定性により優れる組成物が得られ、また、低温硬化性により優れる組成物が得られる。従って、該構造を有する安定化剤Cを用いることで、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性によりバランスよく優れる組成物が得られる。さらに、前記酸発生剤Bとして、前記式(3)で表される構造を有する酸発生剤Bを用いることで、これらの効果がより顕著に発揮される。
(CF3(CF2mSO2n- (2)
mは0〜5の整数であり、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0である。
nは1〜3の整数であり、好ましくは2である。
Zは窒素または炭素であり、好ましくは窒素である。
前記安定化剤Cのa+は、特に制限されないが、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性にバランスよく優れる組成物が得られる等の点から、ホスホニウム塩であることが好ましい。
前記安定化剤Cとしては、トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスファート、1-ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボラート、1−ヘキシルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられ、これらの中でも、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性にバランスよく優れる組成物が得られる等の点から、トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
前記安定化剤Cは、市販品を用いてもよく、該市販品の例としては、東京化成工業(株)製のT2680、E0756、T2007、B2196、B3232、H1424、T1279、B2320が挙げられる。
本組成物中の安定化剤Cの含有量は、化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cの合計100重量%に対し、好ましくは0.4〜20重量%、より好ましくは1.5〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。
安定化剤Cの含有量が前記範囲にあると、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性によりバランスよく優れる組成物が得られる。
また、本組成物中における、酸発生剤Bに対する安定化剤Cのモル比(安定化剤Cのモル/酸発生剤Bのモル)は、好ましくは0.5〜10であり、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは2〜5である。
従来の組成物では、該組成物の硬化性を考慮して、安定化剤の使用量は極力少なくしていたが、本発明者が鋭意検討した結果、前記酸発生剤Bと安定化剤Cとを用いる場合には、これらのモル比を前記範囲、すなわち、安定化剤Cを比較的多く使用することで初めて、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性によりバランスよく優れる組成物を得ることがわかった。
<その他の成分>
本組成物には、前記化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤C以外の成分として、溶媒、顔料、染料、シリカゲル、タルク、アルミナなどの無機フィラー等のその他の成分を、所望の用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
特に、酸発生剤Bおよび安定化剤Cの溶解性または分散性が悪い場合には、これらを溶解または分散可能な従来公知の溶媒を用いることが好ましい。
<本組成物>
本組成物は、前記化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤C、ならびに、所望により前記その他の成分を混合することで得ることができるが、ポットライフ(保存安定性)および低温硬化性により優れる組成物が得られる等の点から、これらの成分が(均一に)溶解した溶液が好ましく、化合物Aと安定化剤Cとを混ぜ、均一の混合物を形成し、次に酸発生剤Bを該混合物に加えて溶液とする方法で得ることが好ましい。
なお、本組成物は、二成分型の組成物であってもよいが、本組成物は、ポットライフが長く、保存安定性に優れるため、保存容易性や硬化物の形成が容易になること等を考慮すると、一成分型の組成物であることが好ましい。
本明細書において、ポットライフは、空気中25℃で保存した時の保存安定性をいい、具体的には、下記実施例に記載のゲル化時間で評価することができる。
下記実施例に記載の方法で測定したゲル化時間は、使用可能期間が長期の組成物が得られる等の点から、好ましくは3日以上、より好ましくは7日以上であり、さらに好ましくは10日以上である。なお、該ゲル化時間の上限は、特に制限されないが、通常30日程度である。
本組成物調製時のE型粘度計により、25℃の条件で測定した粘度は、本組成物を所望の場所に塗布する際の塗布性に優れる等の点から、好ましくは10〜100,000mPa・sであり、より好ましくは100〜10,000mPa・sである。
また、本組成物を130℃で加熱した時の得られる硬化物の鉛筆硬度がH以上になる時間(硬化速度)は、高温をかけなくても、短時間で所望の硬化物を得ることができる等の点から、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。なお、該硬化速度の下限は、特に制限されないが、通常10秒程度である。
該硬化速度は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
本組成物は、前記効果を奏するため、接着剤、コート剤、封止材等の各種用途に好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例で用いた成分の略号は以下のとおりである。
「A−1」:下記式(A−1)で表される化合物((株)ダイセル製のセロキサイド 2021P)
「A−2」:下記式(A−2)で表される化合物(東亜合成(株)製のOXT−191)
「A−3」:下記式(A−3)で表される化合物((株)ADEKA製のED−503G)
「B−1」:下記式(B−1)で表される化合物(三新化学工業(株)製のサンエイドSI−110)
「B−2」:下記式(B−2)で表される化合物(サンアプロ(株)製のTA100)
「B−3」:下記式(B−3)で表される化合物(和光純薬工業(株)製のWPAG699)
「C−1」:下記式(C−1)で表される化合物(東京化成工業(株)製のT2680)
「C−2」:下記式(C−2)で表される化合物(東京化成工業(株)製のE0756)
「C−3」:下記式(C−3)で表される化合物(東京化成工業(株)製のT2007)
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「A−1」100重量部および「B−1」2重量部を混合することで得られた組成物を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、該塗膜付基板をホットプレート上、150℃で60分間加熱した時の塗膜の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)はH以上であった。すなわち、「B−1」は前記条件(ア)を満たす。
「A−1」100重量部および「B−2」2重量部を混合することで得られた組成物を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、該塗膜付基板の塗膜側から、高圧水銀ランプを用い、1J/cm2の光を照射したところ、得られた塗膜の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)はH以上であった。すなわち、「B−1」は前記条件(イ)を満たす。
「A−1」100重量部および「B−3」2重量部を混合することで得られた組成物を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、該塗膜付基板をホットプレート上、150℃で60分間加熱した時、および、高圧水銀ランプを用い、1J/cm2の光を照射した時の塗膜は未硬化であった。すなわち、「B−3」は前記条件(ア)および(イ)を満たさない。
「A−1」100重量部と、「C−1」、「C−2」または「C−3」2重量部とを混合することで得られた組成物を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、該塗膜付基板をホットプレート上、150℃で60分間加熱した時の塗膜の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)はH未満であった。すなわち、「C−1」、「C−2」および「C−3」は前記要件2)を満たす。
なお、H+(CF3SO22-の気相酸性度は291.8kcal/molであり、H+PF6 -の気相酸性度は276.6kcal/molである。
[実施例1]
「A−1」100重量部、「B−1」2.0重量部および「C−1」10.5重量部を混合することで組成物を得た。
[実施例2〜10および比較例1〜5]
下記表1または2に記載の成分を、下記表1または2に記載の量で用いた以外は実施例1と同様にして組成物を得た。なお、表中の括弧書きの中の数値は、重量部を示す。
[硬化速度]
前記実施例および比較例で調製した組成物を、得られる硬化膜の厚みが10μmとなるように基板上に塗布することで塗膜を形成した後、該塗膜付基板をホットプレート上、130℃で加熱した時の塗膜の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4に基づき測定)がH以上になる時間を硬化時間とした。結果を表1または表2に示す。
[ゲル化時間]
前記実施例および比較例で調製した組成物を空気中25℃で保存した時の粘度が、調製時の粘度の10倍の値に達するまでの時間をゲル化時間とした。なお、粘度の測定には、E型粘度計(東京計器(株)製)を用いた。結果を表1または表2に示す。
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Claims (6)

  1. 重合性化合物A、酸発生剤Bおよび安定化剤Cを含み、下記要件1)〜3)を満たす組成物。
    要件1):前記酸発生剤Bが、熱または光によって酸を発生するX+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(α)が下記条件(ア)または(イ)で硬化する塩
    (ア):150℃で60分間加熱する
    (イ):高圧水銀ランプを用い、露光量が1J/cm2となるよう光照射をする
    要件2):前記安定化剤Cが、a+-で表される塩であって、下記式(1)で表される化合物100重量部に対して、該塩を2重量部溶解させた組成物(β)を150℃で60分間加熱しても硬化しない塩
    要件3):前記組成物中の酸発生剤Bに対する安定化剤Cのモル比が0.5〜10である
    Figure 2018016726
  2. 前記安定化剤Cのb-に対応する酸H+-の気相酸性度が300kcal/mol以下である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記安定化剤Cのb-が下記式(2)で表される、請求項1または請求項2に記載の組成物。
    (CF3(CF2mSO2n- (2)
    [mは0〜5の整数であり、nは1〜3の整数であり、Zは窒素または炭素である。]
  4. 前記安定化剤Cのa+がホスホニウム塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記酸発生剤BのX+がスルホニウムまたはヨードニウム塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記酸発生剤BのY-が下記式(3)で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
    k- (3)
    (Rはフッ素原子、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアリール基であり、kは1、4または6であり、Qはホウ素、リン、アンチモンまたは硫黄である。)
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