JP2018016018A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像記録品質を維持しつつFPOTを短縮したインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】当該装置は、先行コマンドを受信したことに応じて(S11:Yes)、第1フラッシング処理を実行する(S13)。また、当該装置は、記録コマンドを受信し且つ第1フラッシング処理が終了してからの経過時間が第1閾値時間以上だと判断したことに応じて(S14:Yes&S18:Yes)、第2フラッシング処理(S19)と、記録処理(S20)とを実行する。一方、当該装置は、記録コマンドを受信し且つ経過時間が第1閾値時間未満だと判断したことに応じて(S14:Yes&S18:No)、第2フラッシング処理(S19)を実行せずに、記録処理(S20)を実行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、通信ネットワークを通じて情報処理装置から受信した記録コマンドに従って、シートに画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
従来より、通信ネットワークを通じて接続された情報処理装置及びプリンタにおいて、外部装置にプリント指示が入力されてから、1枚目のシートがプリンタから排出されるまでの時間であるFPOT(First Print Out Timeの略)を短縮する取り組みがなされている。
そこで、例えば特許文献1には、FPOTを短縮するために、ホストから印刷前通知を受信したことに応じて印刷前準備を実行し、ホストから印刷データを受信したことに応じて印刷処理を実行するプリンタが開示されている。なお、特許文献1に記載の印刷前準備は、例えば、インク受け部に向けて記録ヘッドにインクを吐出させるフラッシング処理等を含む。フラッシング処理とは、所定の画像記録品質を担保するために、記録ヘッド内で乾燥したインクを排出する処理である。
特許第2000−163225号公報
しかしながら、印刷前準備でフラッシング処理を実行してから印刷データを受信するまでの時間が長いと、記録ヘッド内のインクが再び乾燥してしまい、所定の画像記録品質を担保できない可能性がある。一方、印刷データを受信してから常にフラッシング処理を実行するとすると、FPOTの短縮効果は限定的になる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像記録品質を維持しつつFPOTを短縮したインクジェット記録装置を提供することにある。
(1) 本発明に係るインクジェット記録装置は、シートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送部によって搬送されたシートに対向するシート対向領域において、ノズルからインク滴を吐出する記録ヘッドと、上記ノズルから吐出されたインク滴を受けるインク受け部と、通信部と、コントローラとを備える。上記コントローラは、記録コマンドの送信を予告する先行コマンドを上記通信部を通じて情報処理装置から受信したことに応じて、上記インク受け部に向けて上記記録ヘッドにインク滴を吐出させる第1フラッシング処理と、シートに画像を記録する指示である上記記録コマンドを上記通信部を通じて上記情報処理装置から受信したことに応じて、上記第1フラッシング処理が終了してからの経過時間が第1閾値時間以上か否かを判断する第1判断処理と、上記第1判断処理で上記第1閾値時間以上と判断したことに応じて、上記インク受け部に向けて上記記録ヘッドにインク滴を吐出させる第2フラッシング処理と、上記第2フラッシング処理が終了したことに応じて、上記搬送部によって上記シート対向領域まで搬送されたシートに向けて、上記記録ヘッドにインク滴を吐出させる記録処理とを実行する。一方、上記コントローラは、上記第1判断処理で上記第1閾値時間未満と判断したことに応じて、上記第2フラッシング処理を実行せずに、上記記録処理を実行する。
上記構成によれば、第1フラッシング処理が終了してからの経過時間が長い場合に、第2フラッシング処理の後に記録処理が実行されるので、画像記録品質を担保することができる。また、この場合には、記録コマンドを受信した時点で既にFPOTが長くなっているので、第2フラッシング処理によるFPOTの増大の影響は相対的に小さい。一方、経過時間が短い場合には、第2フラッシング処理をスキップして記録処理が実行されるので、FPOTを短縮することができる。また、この場合には、第1フラッシング処理の終了から記録処理の開始までの時間が短いので、画像記録品質の低下も抑制される。
(2) 好ましくは、上記コントローラは、上記第2フラッシング処理において、上記インク受け部に向けて吐出するインク量を、上記経過時間が長いほど多くする。
上記構成によれば、経過時間が短い場合に第2フラッシング処理の実行時間が短くなるので、FPOTを短縮することができる。一方、経過時間が長い場合でも乾燥したインクを確実に排出できるので、画像記録品質の低下を抑制できる。
(3) 好ましくは、上記先行コマンドは、上記記録コマンドの生成に必要な時間の長さを示唆する生成時間情報を含む。上記コントローラは、上記経過時間が上記第1閾値時間以上になるか否かを上記生成時間情報に基づいて推定する第1推定処理を、上記第1フラッシング処理に先立って実行し、上記第1推定処理で上記第1閾値時間未満になると推定したことに応じて、上記記録処理を実行するのに必要な第1インク量のインクを上記記録ヘッドに吐出させる上記第1フラッシング処理を実行する。一方、上記コントローラは、上記第1推定処理で上記第1閾値時間以上になると推定したことに応じて、上記第1インク量より少ない第2インク量のインクを上記記録ヘッドに吐出させる上記第1フラッシング処理と、上記経過時間の長さに拘わらず、上記第2フラッシング処理とを実行する。
上記構成によれば、経過時間が第1閾値時間未満になる可能性が高い場合に、記録処理を実行するのに必要な第1インク量が第1フラッシング処理で吐出されるので、画像記録品質の低下が抑制される。一方、経過時間が第1閾値時間以上になる可能性が高い場合に、記録処理を実行するのに必要なインク量を第1フラッシング処理及び第2フラッシング処理で分担して排出するので、インクの無駄が抑制される。
(4) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1フラッシング処理で上記記録ヘッドに吐出させるインク量を、上記第2フラッシング処理で上記記録ヘッドに吐出させるインク量より多くする。
上記構成によれば、第2フラッシング処理の実行時間を短くできるので、FPOTの短縮に寄与する。
(5) 好ましくは、上記コントローラは、上記記録ヘッドに供給されるインクの粘度を推定する第2推定処理を、上記第1判断処理に先立って実行し、上記第1判断処理において、上記第2推定処理で推定した粘度が閾値粘度以上の場合の上記第1閾値時間を、上記閾値粘度未満の場合より短くする。
一般的に、インクの粘度が高いと、短時間で画像記録品質が大きく低下する傾向がある。そこで、インクの粘度が高い場合には、第1閾値時間を短くして第2フラッシング処理を実行されやすくすることにより、画像記録品質の低下を抑制できる。一方、インクの粘度が低い場合には、第2フラッシング処理を実行され難くすることにより、FPOTの増大を抑制できる。
(6) 好ましくは、上記記録コマンドは、上記記録処理で記録する画像の画質を示す画質情報を含む。上記コントローラは、上記第1判断処理において、上記画質情報で示される画質が閾値画質以上の場合の上記第1閾値時間を、上記閾値画質未満の場合より短くする。
上記構成にように、高い画像記録品質が要求されている場合には、FPOTが増大するとしても、第2フラッシング処理を実行されやすくするのが望ましい。一方、高い画像記録品質が要求されていない場合には、第2フラッシング処理を実行され難くすることによって、FPOTの低下を抑制するのが望ましい。
(7) 好ましくは、上記コントローラは、上記シート対向領域へ向けて上記搬送部にシートを給送させる給送処理と、上記第2フラッシング処理とを並行して実行する。
上記構成によれば、FPOTの低下をさらに抑制できる。
(8) 例えば、該インクジェット記録装置は、上記記録ヘッドを搭載しており、上記シート対向領域を含む領域を上記搬送向きと交差する主走査方向に移動するキャリッジと、上記シート対向領域から上記主走査方向に外れた第1位置に上記キャリッジが位置するときに上記記録ヘッドに対向し、上記記録ヘッドに密着して上記ノズルを覆う被覆位置及び上記記録ヘッドから離間する離間位置の間を、上記記録ヘッドに対して相対移動するキャップとを備える。上記インク受け部は、上記シート対向領域から上記主走査方向に外れた位置で且つ上記第1位置と異なる第2位置に上記キャリッジが位置するときに上記記録ヘッドに対向している。上記コントローラは、上記先行コマンドを受信したことに応じて、上記記録ヘッド及び上記キャップの相対位置を、上記被覆位置から上記離間位置に変更するアンキャップ処理と、上記キャップと上記記録ヘッドとが離間したことに応じて、上記キャリッジを上記第1位置から上記第2位置へ向けて移動させる第1移動処理と、上記キャリッジが上記第2位置に到達したことに応じて、上記第1フラッシング処理とを実行する。
(9) 好ましくは、上記コントローラは、上記経過時間が上記第1閾値時間より長い上記第2閾値時間に達するまでに上記記録コマンドを受信しないことに応じて、上記キャリッジを上記第1位置へ向けて移動させる第2移動処理と、上記キャリッジが上記第1位置に到達したことに応じて、上記記録ヘッド及び上記キャップの相対位置を、上記離間位置から上記被覆位置に変更するキャップ処理とを実行する。そして、上記コントローラは、上記キャップ処理の実行後に上記記録コマンドを受信したことに応じて、上記第1移動処理、上記第1フラッシング処理、及び上記記録処理を実行する。
上記構成によれば、長期間に亘って記録コマンドを受信できない場合に、記録ヘッドをキャップで覆うことによって、記録ヘッド内のインクの乾燥を抑制できる。これにより、フラッシング処理で排出されるインク量を抑制できる。また、この場合には、記録コマンドを受信した時点で既にFPOTが長くなっているので、第1フラッシング処理を再び実行することによるFPOTの増大の影響は相対的に小さい。
本発明によれば、経過時間が長い場合に第2フラッシング処理の後に記録処理が実行され、経過時間が短い場合に第2フラッシング処理をスキップして記録処理が実行されるので、画像記録品質を維持しつつFPOTを短縮することができる。
図1は、複合機10の外観斜視図である。 図2は、プリンタ11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、キャリッジ23及びガイドレール43、44の平面図である。 図4(A)はメンテナンス機構70の概略構成図であり、図4(B)はインク受け部75の概略構成図である。 図5は、切替機構170の概略構成図であって、(A)は第1状態を、(B)は第2状態を、(C)は第3状態を示す。 図6は、複合機10のブロック図である。 図7は、画像記録処理のフローチャートである。 図8(A)は発数決定処理のフローチャートであり、図8(B)は閾値決定処理のフローチャートである。 図9は、第1準備処理及び第2準備処理の実行タイミングを示すタイミングチャートである。 図10は、キャリッジ23及びインク受け部75の位置関係を示す図であって、(A)はインク受け部75より左方にキャリッジ23が位置する状態を、(B)はインク受け部75に対面する位置を右方にキャリッジ23が移動する状態を、(C)はインク受け部75より右方にキャリッジ23が位置する状態を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが「向き」と表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が「方向」と表現される。さらに、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
複合機10は、図1に示されるように、概ね直方体に形成されている。複合機10は、プリンタ11を備えている。複合機10は、インクジェット記録装置の一例である。また、複合機10は、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ等をさらに備えていてもよい。
[プリンタ11]
プリンタ11は、インクを吐出することによって、画像データで示される画像をシート12(図2参照)に記録する。すなわち、プリンタ11は、所謂インクジェット記録方式を採用している。プリンタ11は、図2に示されるように、給送部15A、15Bと、給送トレイ20A、20Bと、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42とを備えている。搬送ローラ部54、及び排出ローラ部55は、搬送部の一例である。
[給送トレイ20A、20B、排出トレイ21]
プリンタ11の正面には、開口13(図1参照)が形成されている。給送トレイ20A、20Bは、開口13を通じて前後方向8に挿抜される。給送トレイ20A、20Bは、各々が積層された複数のシート12を支持する。排出トレイ21は、開口13を通じて排出ローラ部55によって排出されたシート12を支持する。
[給送部15A、15B]
給送部15Aは、図2に示されるように、給送ローラ25Aと、給送アーム26Aと、軸27Aとを備える。給送ローラ25Aは、給送アーム26Aの先端部に回転可能に支持されている。給送アーム26Aは、プリンタ11のフレームに支持された軸27Aに回動可能に支持されている。給送アーム26Aは、自重或いはバネ等による弾性力によって、給送トレイ20Aへ向けて回動付勢されている。給送部15Bは、給送ローラ25Bと、給送アーム26Bと、軸27Bとを備える。給送部15Bの具体的な構成は、給送部15Aと共通する。給送部15Aは、給送モータ101(図6参照)の正転駆動力が伝達されて回転する給送ローラ25Aによって、給送トレイ20Aに支持されたシート12を搬送路65へ給送する。給送部15Bは、給送モータ101の正転駆動力が伝達されて回転する給送ローラ25Bによって、給送トレイ20Aに支持されたシート12を搬送路65へ給送する。
[搬送路65]
搬送路65は、ガイド部材18、30と、ガイド部材19、31とによって形成される空間を指す。ガイド部材18、30及びガイド部材19、31は、プリンタ11の内部において所定間隔で対向する。搬送路65は、給送トレイ20A、20Bの後端部からプリンタ11の後方側に延びる経路である。また、搬送路65は、プリンタ11の後方側において下方から上方に延びつつUターンし、記録部24を経て排出トレイ21に至る経路である。なお、搬送路65内におけるシート12の搬送向き16は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
[搬送ローラ部54]
搬送ローラ部54は、記録部24より搬送向き16の上流に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を備える。搬送ローラ60は、搬送モータ102(図6参照)によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。シート12は、搬送モータ102の正転駆動力が伝達されて正回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて、搬送向き16に沿って搬送される。また、搬送ローラ60は、搬送モータ102の逆転駆動力が伝達されることによって、正回転と逆向きの逆回転する。
[排出ローラ部55]
排出ローラ部55は、記録部24より搬送向き16の下流に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を備える。排出ローラ62は、搬送モータ102によって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。シート12は、搬送モータ102の正転駆動力が伝達されて正回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて、搬送向き16に沿って搬送される。
[レジストセンサ120]
プリンタ11は、図2に示されるように、レジストセンサ120を備える。レジストセンサ120は、搬送ローラ部54より搬送向き16の上流に設置されている。レジストセンサ120は、設置位置にシート12が存在するか否かに応じて、異なる検出信号を出力する。レジストセンサ120は、シート12が設置位置に存在していることに応じて、ハイレベル信号を後述するコントローラ130(図6参照)に出力する。一方、レジストセンサ120は、シート12が設置位置に存在していないことに応じて、ローレベル信号をコントローラ130に出力する。
[ロータリエンコーダ121]
プリンタ11は、図6に示されるように、搬送ローラ60の回転(換言すれば、搬送モータ102の回転駆動)に応じてパルス信号を発生させるロータリエンコーダ121を備える。ロータリエンコーダ121は、エンコーダディスクと、光学センサとを備える。エンコーダディスクは、搬送ローラ60の回転と共に回転する。光学センサは、回転するエンコーダディスクを読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号をコントローラ130に出力する。
[記録部24]
記録部24は、図2に示されるように、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。また、記録部24は、上下方向7においてプラテン42と対向して配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39と、エンコーダセンサ38Aと、メディアセンサ122とを備えている。また、キャリッジ23には、図3に示されるように、インクチューブ32及びフレキシブルフラットケーブル33が接続されている。
インクチューブ32は、不図示の装着部と記録ヘッド39とを接続する。装着部は、インクカートリッジが着脱可能に構成されている。そして、インクチューブ32は、装着部に装着されたインクカートリッジに貯留されたインクを、記録ヘッド39に供給する。但し、インクは、装着部に着脱されるインクカートリッジに貯留されることに限定されず、複合機10の筐体の固定されたインクタンクに貯留されてもよい。フレキシブルフラットケーブル33は、コントローラ130が実装された制御基板と記録ヘッド39とを電気的に接続する。
キャリッジ23は、図3に示されるように、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に配置された公知のベルト機構に連結されている。なお、このベルト機構は、キャリッジモータ103(図6参照)によって駆動される。つまり、キャリッジモータ103の駆動により周運動するベルト機構に接続されたキャリッジ23は、左右方向9に往復移動することができる。左右方向9は、主走査方向の一例である。
記録ヘッド39は、図2に示されるように、キャリッジ23に搭載されている。記録ヘッド39の下面(以下、「ノズル面」と表記する。)には、複数のノズル40が形成されている。記録ヘッド39は、ピエゾ素子等の振動素子が振動されることによって、ノズル40からインク滴を吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されているシート12に対して記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、シート12に画像が記録される。
振動素子は、ノズル40からインク滴を吐出させるためのエネルギー(すなわち、振動エネルギー)を、電源部110によって印加された駆動電圧から生成する吐出エネルギー生成素子の一例である。但し、吐出エネルギー生成素子の具体例は振動素子に限定されず、例えば、熱エネルギーを生成するヒータであってもよい。そして、ヒータは、電源部110によって印加された駆動電圧から生成した熱エネルギーでインクを加熱し、発泡させたインク滴をノズルから吐出させてもよい。また、本実施形態に係る記録ヘッド39は、顔料インクを吐出するが、染料インクであってもよい。
なお、記録ヘッド39は、例えば、メイン滴及びサテライト滴をノズル40から吐出してもよい。メイン滴及びサテライト滴は、例えば、ノズル40から吐出される段階では別々の液滴であり、空中で合体してシートのほぼ同じ位置に着弾し、シート上で1ドットを構成するものである。本明細書では、シート上で1ドットを構成するインクの単位を「1滴」或いは「1発」とする。すなわち、後述する「FLS発数」は、シート上の略同一位置に着弾するメイン滴及びサテライト滴を含めて、1発とカウントする。
複数のノズル40は、図2及び図4に示されるように、前後方向8及び左右方向9に配列されている。前後方向8に配列された複数のノズル40(以下、「ノズル列」と表記する。)は、同一色のインク滴を吐出する。ノズル面には、左右方向9に配列された24列のノズル列が形成されている。そして、隣接する6列ずつのノズル列は、同一色のインク滴を吐出する。本実施形態では、右端から6列のノズル列がブラックインクのインク滴を吐出し、その隣の6列のノズル列がイエローインクのインク滴を吐出し、その隣の6列のノズル列がシアンインクのインク滴を吐出し、左端から6列のノズル列がマゼンタインクのインク滴を吐出する。但し、ノズル列の数及び吐出するインクの色の組み合わせは、前述の例に限定されない。
また、ガイドレール44には、図3に示されるように、左右方向9に延びる帯状のエンコーダストリップ38Bが配置されている。エンコーダセンサ38Aは、エンコーダストリップ38Bに対面する位置において、キャリッジ23の下面に搭載されている。キャリッジ23が移動する過程において、エンコーダセンサ38Aは、エンコーダストリップ38Bを読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号をコントローラ130に出力する。エンコーダセンサ38A及びエンコーダストリップ38Bは、キャリッジセンサ38(図6参照)を構成する。
[メディアセンサ122]
メディアセンサ122は、図2に示されるように、キャリッジ23の下面(プラテン42に対向する面)においてキャリッジ23に搭載されている。メディアセンサ122は、発光ダイオード等からなる発光部と、光学式センサ等からなる受光部とを備える。発光部は、コントローラ130によって指示された光量の光をプラテン42へ向けて照射する。発光部から照射された光は、プラテン42或いはプラテン42に支持されたシート12で反射され、反射された光が受光部で受光される。メディアセンサ122は、受光部の受光量に応じた検出信号をコントローラ130へ出力する。例えば、メディアセンサ122は、受光量が大きいほどレベルの高い検出信号をコントローラ130へ出力する。
[プラテン42]
プラテン42は、図2に示されるように、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向して配置されている。プラテン42は、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の少なくとも一方によって搬送されるシート12を下方から支持する。本実施形態におけるプラテン42の光反射率は、シート12より低く設定されている。
[メンテナンス機構70]
プリンタ11は、図3に示されるように、メンテナンス機構70をさらに備える。メンテナンス機構70は、記録ヘッド39のメンテナンスを行うものである。より詳細には、メンテナンス機構70は、ノズル40内のインクや空気、及びノズル面に付着した異物を吸引するパージ動作を実行する。また、ノズル40内のインクや空気、及びノズル面に付着した異物のことを、以下ではインク等と表記する。メンテナンス機構70によって吸引除去されたインク等は、排液タンク74(図4(A)参照)に貯留される。
メンテナンス機構70は、図3に示されるように、シート対向領域から主走査方向の一方(右方)に外れた位置に配置される。シート対向領域は、搬送部によって搬送されたシート12とキャリッジ23とが対面し得る主走査方向の領域を指す。メンテナンス機構70は、図4(A)に示されるように、キャップ71と、チューブ72と、ポンプ73とを備えている。
キャップ71は、ゴムにより構成されている。キャップ71は、シート対向領域から主走査方向の右方に外れた第1位置にキャリッジ23が位置するときに、キャリッジ23の記録ヘッド39に対面する位置に配置されている。チューブ72は、キャップ71からポンプ73を経由して排液タンク74に至る。ポンプ73は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。ポンプ73は、搬送モータ102に駆動されることによって、ノズル40内のインク等をキャップ71及びチューブ72を通じて吸引し、チューブ72を通じて排液タンク74に排出する。
キャップ71は、例えば、上下方向7に離間した被覆位置及び離間位置の間を移動可能に構成されている。被覆位置のキャップ71は、第1位置のキャリッジ23の記録ヘッド39に密着してノズル面を覆う。一方、離間位置のキャップ71は、ノズル面から離間する。キャップ71は、給送モータ101によって駆動される不図示の昇降機構によって、被覆位置と離間位置との間を移動する。但し、記録ヘッド39及びキャップ71を接離させる具体的な構成は、前述の例に限定されない。
他の例として、キャップ71は、給送モータ101によって駆動される昇降機構に代えて、キャリッジ23の移動に連動して動作する不図示のリンク機構によって移動されてもよい。リンク機構は、キャップ71を被覆位置に保持する第1姿勢と、キャップ71を離間位置に保持する第2姿勢とに姿勢変化が可能である。そして、リンク機構は、例えば、第1位置へ向けて移動するキャリッジ23に当接されて、第2姿勢から第1姿勢に姿勢変化する。一方、リンク機構は、例えば、第2位置へ向けて移動するキャリッジ23に離間されて、第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化する。
他の例として、複合機10は、キャップ71を移動させる機構に代えて、ガイドレール43、44を上下方向7に移動させる昇降機構を備えてもよい。すなわち、第1位置のキャリッジ23は、昇降機構によって昇降されるガイドレール43、44と共に昇降される。一方、キャップ71は、第1位置のキャリッジ23の記録ヘッド39に対面する位置に固定される。そして、ガイドレール43、44及びキャリッジ23が昇降機構によって所定の位置まで降下されることによって、記録ヘッド39のノズル面がキャップ71によって覆われる。また、ガイドレール43、44及びキャリッジ23が昇降機構によって所定の位置まで上昇されることによって、記録ヘッド39及びキャップ71が離間し、且つキャリッジ23が主走査方向に移動可能となる。
さらに他の例として、複合機10は、キャップ71を移動させる昇降機構、及びガイドレール43、44を移動させる昇降機構の両方を備えてもよい。そして、キャリッジ23及びキャップ71を互いに近接させる向きに移動させて、キャップ71をノズル面に密着させてもよい。さらに、キャリッジ23及びキャップ71を互いに離間させる向きに移動させて、キャップ71をノズル面から離間させてもよい。すなわち、前述の被覆位置及び離間位置は、記録ヘッド39及びキャップ71の相対位置を指す。そして、記録ヘッド39及びキャップ71の一方或いは両方を移動させることによって、記録ヘッド39及びキャップ71の相対位置を変更すればよい。換言すれば、記録ヘッド39及びキャップ71を相対移動させることによって、記録ヘッド39及びキャップ71の相対位置を変更すればよい。
[キャップセンサ123]
キャップセンサ123は、キャップ71が被覆位置か否かに応じて、異なる検出信号を出力する。キャップセンサ123は、キャップ71が被覆位置であることに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130に出力する。一方、キャップセンサ123は、キャップ71が被覆位置と異なる位置であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130に出力する。なお、キャップ71を被覆位置から離間位置へ移動させたとき、キャップセンサ123から出力される検出信号は、キャップ71が離間位置へ到達する前にハイレベル信号からローレベル信号に変化する。
[インク受け部75]
プリンタ11は、図3に示されるように、インク受け部75をさらに備える。インク受け部75は、シート対向領域から主走査方向の他方(左方)に外れた位置に配置されている。より詳細には、インク受け部75は、シート対向領域から主走査方向の左方に外れた第2位置にキャリッジ23が位置するときに、キャリッジ23の記録ヘッド39に対面する位置に配置されている。なお、メンテナンス機構70とインク受け部75とは、シート対向領域から主走査方向の同じ側に設けられていてもよい。但し、第1位置及び第2位置は、主走査方向に離間した位置である。
インク受け部75は、図4(B)に示されるように、上面に開口75Aが形成された概ね直方体の箱形状である。主走査方向における開口75Aの幅は、主走査方向におけるノズル面の幅より短い。また、インク受け部75の内部には、左右方向9に離間した位置において、案内板75B、75Cが設けられている。案内板75B、75Cは、上下方向7及び前後方向8に広がる板状の部材である。また、案内板75B、75Cは、左右方向9に傾斜して設けられている。より詳細には、案内板75B、75Cの左面が左斜め上方を向くように、インク受け部75の内部に配置されている。案内板75B、75Cは、記録ヘッド39から吐出されたインク滴をインク受け部75の奥面(底面)に向けて案内する。但し、案内板75B、75Cの数は、2つに限定されない。
[駆動力伝達機構80]
プリンタ11は、図6に示されるように、駆動力伝達機構80をさらに備える。駆動力伝達機構80は、給送モータ101及び搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25A、25B、搬送ローラ60、排出ローラ62、キャップ71の昇降機構、及びポンプ73に伝達する。駆動力伝達機構80は、歯車、プーリ、無端環状のベルト、遊星歯車機構(振子ギヤ機構)、及びワンウェイクラッチ等の全部又は一部を組み合わせて構成される。また、駆動力伝達機構80は、給送モータ101及び搬送モータ102の駆動力の伝達先を切り替える切替機構170(図5参照)を備えている。
[切替機構170]
切替機構170は、図3に示されるように、シート対向領域より主走査方向の一方に外れた位置に配置されている。また、切替機構170は、ガイドレール43の下方に配置されている。切替機構170は、図5に示されるように、スライド部材171と、駆動ギヤ172、173と、被駆動ギヤ174、175、176、177と、レバー178と、付勢部材の一例であるバネ179、180とを備える。切替機構170は、第1状態と、第2状態と、第3状態とに切替可能に構成されている。
第1状態は、給送モータ101の駆動力を、給送ローラ25Aに伝達し、給送ローラ25B及びキャップ71の昇降機構に伝達しない状態である。第2状態は、給送モータ101の駆動力を、給送ローラ25Bに伝達し、給送ローラ25A及びキャップ71の昇降機構に伝達しない状態である。第3状態は、給送モータ101の駆動力を、キャップ71の昇降機構に伝達し、給送ローラ25A、25Bに伝達しない状態である。また、第1状態及び第2状態は、搬送モータ102の駆動力を、搬送ローラ60及び排出ローラ62に伝達し、ポンプ73に伝達しない状態である。第2状態は、搬送モータ102の駆動力を、搬送ローラ60、排出ローラ62、及びポンプ73の全てに伝達する状態である。
スライド部材171は、左右方向9に延びる支軸(図5において破線で示す)に支持された概ね円柱形状の部材である。また、スライド部材171は、支軸に沿って左右方向9にスライド可能に構成されている。さらに、スライド部材171は、その外面の左右方向9にずれた位置において、駆動ギヤ172、173を各々が独立して回転可能な状態で支持している。すなわち、スライド部材171及び駆動ギヤ172、173は、一体となって左右方向9にスライドする。
駆動ギヤ172は、給送モータ101の回転駆動力が伝達されて回転する。駆動ギヤ172は、被駆動ギヤ174、175、176のうちの1つに噛み合う。より詳細には、駆動ギヤ172は、切替機構170が第1状態のときに、図5(A)に示されるように被駆動ギヤ174に噛み合う。また、駆動ギヤ172は、切替機構170が第2状態のときに、図5(B)に示されるように被駆動ギヤ175に噛み合う。さらに、駆動ギヤ172は、切替機構170が第3状態のときに、図5(C)に示されるように被駆動ギヤ176に噛み合う。
駆動ギヤ173は、搬送モータ102の回転駆動力が伝達されて回転する。駆動ギヤ173は、切替機構170が第1状態及び第2状態のときに、図5(A)及び図5(B)に示されるように被駆動ギヤ176との噛み合いが解除される。また、駆動ギヤ173は、切替機構170が第3状態のときに、図5(C)に示されるように被駆動ギヤ176に噛み合う。
被駆動ギヤ174は、給送ローラ25Aを回転させるギヤ列に噛み合う。すなわち、給送モータ101の回転駆動力は、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ174とが噛み合うことによって、給送ローラ25Aに伝達される。また、給送モータ101の回転駆動力は、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ174との噛み合いが解除されたことによって、給送ローラ25Aに伝達されない。
被駆動ギヤ175は、給送ローラ25Bを回転させるギヤ列に噛み合う。すなわち、給送モータ101の回転駆動力は、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ175とが噛み合うことによって、給送ローラ25Bに伝達される。また、給送モータ101の回転駆動力は、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ175との噛み合いが解除されたことによって、給送ローラ25Bに伝達されない。
被駆動ギヤ176は、キャップ71の昇降機構を駆動させるギヤ列に噛み合う。すなわち、給送モータ101の回転駆動力は、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ176とが噛み合うことによって、キャップ71の昇降機構に伝達される。また、給送モータ101の回転駆動力は、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ176との噛み合いが解除されたことによって、昇降機構に伝達されない。
被駆動ギヤ177は、ポンプ73を駆動するギヤ列に噛み合う。すなわち、搬送モータ102の回転駆動力は、駆動ギヤ173と被駆動ギヤ177とが噛み合うことによって、ポンプ73に伝達される。また、搬送モータ102の回転駆動力は、駆動ギヤ173と被駆動ギヤ177との噛み合いが解除されたことによって、ポンプ73に伝達されない。一方、搬送モータ102の回転駆動力は、切替機構170を経由せずに搬送ローラ60及び排出ローラ62に伝達される。すなわち、搬送ローラ60及び排出ローラ62は、切替機構170の状態に拘わらず、搬送モータ102の回転駆動力によって回転する。
レバー178は、スライド部材171の右方に隣接する位置において、支軸に支持されている。また、レバー178は、支軸に沿って左右方向9にスライドする。さらに、レバー178は、上方に突出している。そして、レバー178の先端は、ガイドレール43に設けられた開口43Aを通じて、キャリッジ23に当接し得る位置にまで到達している。レバー178は、キャリッジ23に接離されることによって左右方向9にスライドする。また、切替機構170は、レバー178を係止する複数の係止部を備える。そして、係止部に係止されたレバー178は、キャリッジ23に離間された後も、その位置に留まることができる。
バネ179、180は、支軸に支持されている。バネ179は、その一端(左端)がプリンタ11のフレームと当接し、他端(右端)がスライド部材171の左端面に当接している。すなわち、バネ179は、スライド部材171及びスライド部材171に当接するレバー178を右向きに付勢する。バネ180は、その一端(右端)がプリンタ11のフレームに当接し、他端(左端)がレバー178の右端面に当接している。すなわち、バネ180は、レバー178及びレバー178に当接するスライド部材171を左向きに付勢する。さらに、バネ180の付勢力は、バネ179の付勢力より大きい。
レバー178が第1係止部に係止されているとき、切替機構170は、第1状態である。そして、右向きに移動するキャリッジ23に押されたレバー178は、バネ180の付勢力に抗して右向きに移動し、第1係止部より右方に位置する第2係止部に係止される。これにより、スライド部材171は、バネ179の付勢力によって、レバー178の動きに追従して右向きに移動する。その結果、切替機構170は、図5(A)に示される第1状態から、図5(B)に示される第2状態に切り替えられる。すなわち、レバー178は、第2位置から第1位置へ向かうキャリッジ23に当接されて、切替機構170を第1状態から第2状態に切り替える。
また、第1位置まで移動するキャリッジ23に押されたレバー178は、バネ180の付勢力に抗して右向きに移動し、第2係止部よりさらに右方に位置する第3係止部に係止される。これにより、スライド部材171は、バネ179の付勢力によって、レバー178の動きに追従して右向きに移動する。その結果、切替機構170は、図5(A)に示される第1状態或いは図5(B)に示される第2状態から、図5(C)に示される第3状態に切り替えられる。すなわち、レバー178は、第1位置へ移動するキャリッジ23に当接されて、切替機構170を第3状態に切り替える。
さらに、第1位置よりさらに右方に移動するキャリッジ23に押され、その後に左向きに移動するキャリッジ23に離間されたレバー178は、第3係止部による係止が解除される。これにより、スライド部材171及びレバー178は、バネ180の付勢力によって左向きに移動される。そして、レバー178は、第1係止部に係止される。その結果、切替機構170は、図5(C)に示される第3状態から、図5(A)に示される第1状態に切り替えられる。すなわち、レバー178は、第1位置から第2位置へ移動するキャリッジ23に接離されて、切替機構170を第3状態から第1状態に切り替える。
すなわち、切替機構170の状態は、レバー178に対するキャリッジ23の接離によって切り替えられる。換言すれば、給送モータ101及び搬送モータ102の駆動力の伝達先は、キャリッジ23によって切り替えられる。なお、本実施形態に係る切替機構170の状態は、第3状態から第2状態に直接切り替えられず、前述のように、第3状態から第1状態に切り替え、さらに第1状態から第2状態に切り替える必要がある。
[電源部110]
複合機10は、図6に示されるように、電源部110を有する。電源部110は、電源プラグを通じて外部電源から供給された電力を、複合機10の各構成要素に供給する。より詳細には、電源部110は、外部電源から取得した電力を、各モータ101〜103及び記録ヘッド39に駆動電力(例えば、24〜26V)として出力し、コントローラ130に制御電力(例えば、5V)として出力する。
また、電源部110は、コントローラ130から出力される電源信号に基づいて、駆動状態と休眠状態とに切り替えが可能である。より詳細には、コントローラ130は、HIGHレベルの電源信号(例えば、5V)を出力することによって、電源部110を休眠状態から駆動状態に切り替える。また、コントローラ130は、LOWレベルの電源信号(例えば、0V)を出力することによって、電源部110を駆動状態から休眠状態に切り替える。
駆動状態とは、モータ101〜103及び記録ヘッド39に駆動電力を出力している状態である。換言すれば、駆動状態とは、モータ101〜103及び記録ヘッド39が動作可能な状態である。休眠状態とは、モータ101〜103及び記録ヘッド39に駆動電力を出力していない状態である。換言すれば、休眠状態とは、モータ101〜103及び記録ヘッド39が動作不能な状態である。一方図示は省略するが、電源部110は、駆動状態であるか休眠状態であるかに拘わらず、コントローラ130及び通信部50に制御電力を出力している。
[コントローラ130]
コントローラ130は、図6に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定情報が格納される。
本実施形態において、EEPROM134は、後述する第1FLS処理を直前に実行した時刻(以下、「FLS実行時刻」と表記する。)を示す時刻情報を記憶する。コントローラ130は、第1FLS処理の実行時にシステムクロック(不図示)から時刻情報を取得し、取得した時刻情報をEEPROM134に記憶させる。また、コントローラ130は、EEPROM134に既に時刻情報が記憶されていることに応じて、既に記憶されている時刻情報を新たな時刻情報で上書きする。
ASIC135には、給送モータ101、搬送モータ102、及びキャリッジモータ103が接続されている。ASIC135は、各モータを回転させるための駆動信号を生成し、生成した駆動信号を各モータに出力する。各モータは、ASIC135からの駆動信号に従って正転駆動又は逆転駆動される。また、コントローラ130は、電源部110の駆動電圧を記録ヘッド39の振動素子に印加することによって、ノズル40からインク滴を吐出させる。
また、ASIC135には、通信部50が接続されている。通信部50は、情報処理装置51と通信可能な通信インタフェースである。すなわち、コントローラ130は、通信部50を通じて情報処理装置51に各種情報を出力し、通信部50を通じて情報処理装置51から各種情報を受信する。通信部50は、例えば、Wi−Fi(Wi−Fi Allianceの登録商標)に従った通信手順で無線信号を送受信するものであってもよいし、LANケーブル或いはUSBケーブルが接続されるインタフェースであってもよい。なお、図6において、情報処理装置51を点線の枠で囲むことによって、複合機10の構成要素と区別している。
また、ASIC135には、レジストセンサ120、ロータリエンコーダ121、キャリッジセンサ38、メディアセンサ122、及びキャップセンサ123が接続されている。コントローラ130は、レジストセンサ120から出力される検出信号と、ロータリエンコーダ121から出力されるパルス信号とに基づいて、シート12の位置を検知する。また、コントローラ130は、キャリッジセンサ38から出力されるパルス信号に基づいて、キャリッジ23の位置を検知する。また、コントローラ130は、キャップセンサ123から出力される検出信号に基づいて、キャップ71の位置を検知する。
また、コントローラ130は、メディアセンサ122から出力される検出信号に基づいて、搬送部によって搬送されたシート12を検知する。より詳細には、コントローラ130は、時間的に隣接する検出信号の信号レベルの変化量と、予め定められた閾値とを比較する。そして、コントローラ130は、信号レベルの変化量が閾値以上になったことに応じて、上下方向7においてメディアセンサ122と対向する位置に、シート12の先端が到達したことを検知する。
さらに、RAM133或いはEEPROM134には、自動FLSフラグが記憶される。自動FLSフラグは、後述する第1FLS処理が終了してからの経過時間Tに拘わらず、後述する第2FLS処理を実行するか否かを示す情報である。自動FLSフラグには、経過時間Tに拘わらず第2FLS処理を実行することに対応する第1値“ON”、或いは経過時間Tに応じて第2FLS処理の要否を決定することに対応する第2値“OFF”が設定される。
[画像記録処理]
次に、図7〜図10を参照して、本実施形態の画像記録処理を説明する。なお、画像記録処理の開始時点において、キャリッジ23は第1位置に位置し、キャップ71は被覆位置に位置し、切替機構170は第3状態であるものとする。以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、コントローラ130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。また、各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
まず図示は省略するが、情報処理装置51は、例えば、複合機10に画像記録処理を実行させる指示をユーザから受け付けたことに応じて、複合機10に先行コマンドを送信する。先行コマンドは、後述する記録コマンドの送信を予告するコマンドである。次に、情報処理装置51は、先行コマンドを送信したことに応じて、ユーザによって指定された画像データをラスタデータに変換する。そして、情報処理装置51は、ラスタデータを生成したことに応じて、記録コマンドを複合機10に送信する。記録コマンドは、ラスタデータで示される画像をシートに記録させるコマンドである。
先行コマンドは、例えば、記録モードを示すモード情報を含んでもよい。記録モードは、画像記録処理で記録される画像の画質を示す。記録モードは、例えば、情報処理装置51を通じて画像記録処理を指示するユーザによって指定される。モード情報には、記録モードを表す設定値として、例えば、第3値“ドラフト”、或いは第3値“ドラフト”より高い画質に対応する第4値“ファイン”が設定される。また、情報処理装置51が記録コマンド(換言すれば、ラスタデータ)を生成するのに必要な生成時間は、記録モードによって変動し得る。より詳細には、記録モード“ドラフト”の場合の生成時間は、記録モード“ファイン”の場合より、短くなる傾向がある。
このように、モード情報は、情報処理装置51が記録コマンドを生成するのに必要な時間の長さを示唆する生成時間情報の一例である。但し、生成時間情報の具体例はモード情報に限定されず、例えば、画像記録処理の対象となる画像データのデータサイズを示すサイズ情報等であってもよい。すなわち、生成時間は、データサイズが大きいほど長くなり、データサイズが短いほど短くなる傾向がある。
記録コマンドは、例えば、記録ヘッド39に吐出させるインク滴の大きさ(より詳細には、1滴のインク量)を示すインク滴情報を含んでもよい。インク滴情報には、例えば、第5値“小玉”、第5値より大きいインク滴に対応する第6値“大玉”が設定される。インク滴の大きさは、シートに吐出する全てのインク滴に共通でもよいし、インク滴毎に異なってもよい。また、小さいインク滴で記録される画像の画質は、大きいインク滴で記録される画像より高い傾向がある。すなわち、インク滴情報は、記録処理で記録される画像の画質を示す画質情報の一例である。また、記録コマンドは、前述のモード情報を含んでもよい。すなわち、モード情報は、画質情報の他の例である。
まず、コントローラ130は、通信部50を通じて情報処理装置51から先行コマンドを受信したことに応じて(S11:Yes)、発数決定処理を実行する(S12)。発数決定処理は、第1FLS処理におけるFLS発数を決定する処理である。FLS発数は、フラッシング処理で各ノズル40から吐出するインク滴の数である。図8(A)を参照して、発数決定処理の詳細を説明する。
[発数決定処理]
まず、コントローラ130は、S11で受信した先行コマンドに含まれるモード情報の設定値を判断する(S31)。前述したように、情報処理装置51で記録コマンドが生成されるのに必要な時間(換言すれば、先行コマンドを受信してから記録コマンドを受信するまでの時間)の長さは、記録モードによって変動し得る。そこで、コントローラ130は、モード情報の設定値によって、第1FLS処理が終了してから記録コマンドを受信するまでの経過時間Tを推定することができる。S31の処理は、第1推定処理の一例である。
コントローラ130は、モード情報に第3値“ドラフト”が設定されていることに応じて(S31:ドラフト)、第1FLS処理が終了してから記録コマンドを受信するまでの経過時間Tが、後述する第1閾値時間Tth1未満になると推定する。そして、コントローラ130は、FLS発数をα発に決定し(S32)、自動FLSフラグに第2値“OFF”を設定して(S33)、発数決定処理を終了する。
一方、コントローラ130は、モード情報に第4値“ファイン”が設定されていることに応じて(S31:ファイン)、第1FLS処理が終了してから記録コマンドを受信するまでの経過時間Tが、第1閾値時間Tth1以上になると推定する。そして、コントローラ130は、FLS発数をβ発に決定し(S34)、自動FLSフラグに第1値“ON”を設定して(S35)、発数決定処理を終了する。
なお、FLS発数=α発は、記録処理を実行するのに必要な第1インク量の一例である。より詳細には、FLS発数=α発は、第1FLS処理が終了してから第1閾値時間Tth1が経過するまでに実行する記録処理において、所定の画像記録品質を維持するのに必要なインク量である。すなわち、コントローラ130は、第1FLS処理でα発のインク滴を各ノズル40から吐出させ、且つ第1FLS処理が終了してから第1閾値時間Tth1が経過するまでに記録コマンドを受信すれば、第2FLS処理を実行せずに記録処理を実行しても、所定の画像記録品質の画像を記録することができる。
一方、FLS発数=β発は、α発より少ない第2インク量の一例である。より詳細には、FLS発数=β発は、記録処理において、所定の画像記録品質を維持できない程度のインク量である。すなわち、コントローラ130は、第1FLS処理でβ発のインク滴を各ノズル40から吐出させた場合、第2FLS処理を実行してから記録処理を実行しなければ、所定の画像記録品質の画像を記録することができない。
さらに、第1閾値時間Tth1は、後述する閾値決定処理で確定される値であって、発数決定処理の実行時点では不定値(例えば、1sec〜3sec)である。そこで、コントローラ130は、例えばS31において、経過時間Tが第1閾値時間Tth1の最大値(本実施形態では、3sec)以上になるか否かを推定すればよい。
次に図7に戻って、コントローラ130は、第1準備処理を実行する(S13)。すなわち、先行コマンドは、第1準備処理の実行を指示するコマンドと言い換えることができる。第1準備処理は、プリンタ11を記録処理の実行が可能な状態にするための処理である。「記録処理の実行が可能な状態」とは、例えば、所定以上の品質の画像を記録することが可能な状態と言い換えることができる。第1準備処理は、例えば図9に示されるように、昇圧処理(S51)と、アンキャップ処理(S52)と、FLS位置移動処理(S53)と、クック処理(S54、S55)と、第1FLS処理(S56)と、検出位置移動処理(S57)とを含む。
昇圧処理(S51)は、電源部110がプリンタ11の各構成要素へ供給する駆動電圧を、予め定められたFLS電圧Vまで昇圧させる処理である。電源部110は、例えば、外部電源から供給される電源電圧を、不図示のレギュレータ回路によってFLS電圧Vまで昇圧する。電源部110を昇圧するとは、例えば、不図示のコンデンサ等の蓄電素子に電荷を蓄えることを指す。さらに、レギュレータ回路は、FLS電圧Vに相当する電荷が蓄電素子に蓄えられた後において、駆動電圧を維持するための電圧を、継続して蓄電素子に印加し続ける。FLS電圧Vは、例えば、記録処理でインクを吐出するときと同じ24Vであってもよい。
但し、駆動電圧を急激に昇圧すると、昇圧中の駆動電圧が不安定になる可能性がある。そこで、コントローラ130は、例えばフィードバック制御によって、駆動電圧をチェック電圧Vまで昇圧する。次に、コントローラ130は、駆動電圧がチェック電圧Vに達したことに応じて、フィードバック制御によって、駆動電圧をチェック電圧Vまで昇圧する。このように、複数の昇圧ステップを繰り返して徐々に昇圧する。すなわち、V<V<・・・<Vである。これにより、昇圧中の駆動電圧の変動が抑制される。なお、チェック電圧V、V、・・・は、FLS電圧Vに近づくほど、細かく設定される。LS電圧V=24Vの場合、チェック電圧は、例えば、20V、22V、23V、23.5V、23.75Vに設定される。
また、コントローラ130は、電源部110に記録ヘッド39へ駆動電圧を印加させた状態で、昇圧処理を実行してもよい。「記録ヘッド39に駆動電圧を印加させた状態」とは、例えば、電源部110から記録ヘッド39に至る回路のスイッチ素子を導通状態とすることによって、昇圧中の駆動電圧が記録ヘッド39の振動素子に印加される状態を指す。換言すれば、昇圧中の駆動電圧が24Vに達した場合に、ノズル40からインク滴が吐出される状態と表現することもできる。これにより、以下の理由によって、昇圧中の駆動電圧の変動をさらに抑制することができる。
まず、一般的に、回路に印加される電圧が変動した場合において、電圧波形の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、当該回路内における抵抗成分が大きいほど長くなる。すなわち、抵抗成分が大きいほど、単位時間当たりの電圧の変化が少なくなる。そして、電源部110から記録ヘッド39の振動素子に至る回路には、スイッチ素子を構成するトランジスタ、駆動信号を出力する出力部等の抵抗成分が存在する。そこで、電源部110から記録ヘッド39までを1つの回路とすれば、電源部110と記録ヘッド39との間を遮断して電源部110単体の回路とする場合と比較して、昇圧中の駆動電圧の変動を減衰させることができる。
また、振動素子を有する記録ヘッド39の制御回路は、所定の静電容量を有するコンデンサとみなすことができる。そして、このコンデンサは、印加される駆動電圧の変動に伴って充電及び放電を繰り返す。その結果、電圧変動のうちの高周波数成分を除去することができるので、昇圧中の駆動電圧の変動をさらに減衰させることができる。
さらに、昇圧処理(S51)は、典型的には、複合機10の電源が投入されたタイミング、或いは電源部110が休眠状態から駆動状態に切り替えられたタイミングで実行される。すなわち、既に電源部110が供給する駆動電圧が既にFLS電圧Vに達している場合は、昇圧処理(S51)が省略されることがある。
アンキャップ処理(S52)は、キャップ71を被覆位置から離間位置へ移動させる処理である。すなわち、コントローラ130は、給送モータ101を予め定められた回転量だけ回転させる。そして、給送モータ101の回転駆動力が第3状態の切替機構170を通じて昇降機構に伝達されることによって、キャップ71が被覆位置から離間位置へ移動される。また、キャップセンサ123から出力される検出信号は、キャップ71が離間位置に到達する前に、換言すれば、アンキャップ処理の実行中にハイレベル信号からローレベル信号に変化する。
FLS位置移動処理(S53)は、切替機構170を第3状態から第1状態に切り替える処理と、キャップ71に離間されたキャリッジ23を第1位置から第2位置へ向けて移動させる処理とを含む。すなわち、コントローラ130は、第1位置のキャリッジ23を右向きに移動させ、その後に第2位置へ向けて左向きに移動させる。コントローラ130は、ステップS53において、図10(A)に示されるように、インク受け部75より左方の位置に、キャリッジ23を到達させる。また、コントローラ130は、記録ヘッド39のノズル40に形成されたインクのメニスカスが破壊されるのを抑制するために、ステップS53の開始時点において、キャリッジ23を低速で左向きに移動させてから、ステップS53の処理を実行してもよい。
クック処理(S54、S55)は、給送モータ101及び搬送モータ102の少なくとも一方を正逆回転させる処理である。より詳細には、コントローラ130は、切替機構170が第3状態のときに、給送モータ101及び搬送モータ102の両方を正逆回転させる(S54)。これにより、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ176との間の面圧、及び駆動ギヤ173と被駆動ギヤ177との間の面圧が解除されるので、各ギヤの噛み合いがスムーズに解除される。また、コントローラ130は、切替機構170が第1状態に切り替えられる際に、給送モータ101を正逆回転させる(S55)。これにより、駆動ギヤ172と被駆動ギヤ174とをスムーズに噛み合わせることができる。なお、クック処理は、ステップS54、S55の一方のみであってもよい。
第1FLS処理(S56)は、インク受け部75に向けて記録ヘッド39にインク滴を吐出させる第1フラッシング処理の一例である。すなわち、コントローラ130は、ステップS56において、予め定められたCR速度でキャリッジ23を移動させる過程で、FLS電圧Vを振動素子に印加して、FLS発数のインク滴を記録ヘッド39に吐出させる。より詳細には、コントローラ130は、図10(A)に示される位置から右方にキャリッジ23を移動させ、ノズル40毎に予め定められたタイミングで各ノズル40からFLS発数のインク滴を吐出させる。なお、キャリッジ23は、第1FLS処理の期間中において、停止した状態からCR速度まで加速し、CR速度で定速で移動する。すなわち、CR速度は、第1FLS処理におけるキャリッジ23の最高速度或いは目標速度を指す。
インク滴の吐出タイミングは、案内板75B、75C上の目標位置にインク滴が着弾するように、予め定められている。各ノズル40の吐出タイミングは、例えば、キャリッジセンサ38から出力されるパルス信号によって特定される。本実施形態では、例えば図10(B)に破線で示されるように、ブラックインクを吐出する右端のノズル列と、シアンインクを吐出する右端のノズル列とから最初のタイミングでインク滴が吐出され、インク滴が吐出されたノズル列の左隣のノズル列から次のタイミングでインク滴が吐出される。すなわち、コントローラ130は、各ノズル40から主走査方向の配列順(すなわち、右から左の順)にインク滴を吐出させる。
なお、コントローラ130は、第1FLS処理の前に、非吐出フラッシング処理をさらに実行してもよい。非吐出フラッシング処理とは、ノズル40からインク滴が吐出されない程度に振動素子を振動させる処理である。非吐出フラッシング処理は、昇圧処理を終了した後の任意のタイミングで実行されてもよい。これにより、フラッシング処理において、ノズル40からインク滴が吐出されやすくなる。
検出位置移動処理(S57)は、キャリッジ23を検出位置に移動させる第1移動処理の一例である。検出位置とは、シート対向領域のうち、給送トレイ20A、20Bが支持可能な全てのサイズ(例えば、A4、B4、L版など)のシート12が通過する位置である。主走査方向におけるシート12の中央が位置決めされた状態で給送トレイ20A、20Bに支持されている場合、検出位置は、主走査方向におけるシート対向領域の中央であってもよい。コントローラ130は、第1FLS処理において、全てのノズル40からFLS発数のインク滴が吐出されたことに応じて、移動中のキャリッジ23を停止させずに検出位置に到達させる。
なお、コントローラ130は、図9に示されるように、先行コマンドを受信したタイミングでステップS51、S52の処理を同時に開始する。すなわち、コントローラ130は、ステップS51、S52の処理を並行して実行する。また、コントローラ130は、ステップS53、S54を同時に開始する。すなわち、コントローラ130は、ステップS53〜S55の処理を並行して実行する。但し、各ステップS51〜S55の実行タイミングは図9の例に限定されない。
さらに、コントローラ130は、キャップセンサ123の検出信号がハイレベル信号からローレベル信号に変化したタイミングでステップS53の処理を開始する。すなわち、コントローラ130は、ステップS51、S52の開始より後にステップS53を開始する。より詳細には、コントローラ130は、ステップS53のうち、キャリッジ23を低速で左向きに移動させる処理と、キャリッジ23を第1位置より右方に移動させる処理とを、ステップS52と並行して実行する。一方、コントローラ130は、ステップS53のうち、キャリッジ23を第2位置へ向けて左向きに移動させる処理を、ステップS52の終了後に実行する。
典型的には、昇圧処理は、第1準備処理に含まれる複数の処理(S51〜S55)のなかで実行時間が最も長い。そこで、コントローラ130は、図9に示されるように、ステップS51の処理と、ステップS52〜S55の各処理とを並行して実行する。換言すれば、コントローラ130は、ステップS51の処理を実行中の所定のタイミングで、ステップS52〜S55の各処理を実行する。さらに換言すれば、ステップS52〜S55の各処理は、ステップS51の処理に対して並行して実行される。一方、コントローラ130は、S51の処理が終了した後にS56の処理を開始し、S56の処理が終了した後にS57の処理を開始する。
次に図7に戻って、コントローラ130は、通信部50を通じて情報処理装置51から記録コマンドを受信するまで(S14:No)、或いは第1FLS処理が終了してからの経過時間Tが第2閾値時間Tth2に達するまで(S21:No)、以降の処理の実行を待機する。経過時間Tは、EEPROM134に記憶されたFLS実行時刻と現在時刻との差である。第2閾値時間Tth2は、第1閾値時間Tth1より十分に長い時間(例えば、5sec)である。
コントローラ130は、通信部50を通じて情報処理装置51から記録コマンドを受信したことに応じて(S14:Yes)、自動FLSフラグの設定値を判断する(S15)。そして、コントローラ130は、自動FLSフラグに第2値“OFF”が設定されていると判断したことに応じて(S15:OFF)、閾値決定処理を実行する(S17)。閾値決定処理は、第1閾値時間Tth1の値を決定する処理である。図9(B)を参照して、閾値決定処理の詳細を説明する。
まず、コントローラ130は、記録ヘッド39の周辺の温度と、予め定められた閾値温度とを比較する(S41)。記録ヘッド39の周辺温度は、例えば、キャリッジ23等に搭載されたセンサによって検出すればよい。一般的に、インクの粘度は、温度が高いほど低くなり、温度が低いほど高くなる傾向がある。そこで、コントローラ130は、記録ヘッド39の周辺温度によって、記録ヘッド39内のインクの粘度を推定することができる。S41の処理は、第2推定処理の一例である。
そして、コントローラ130は、周辺温度が閾値温度以上であることに応じて(S41:Yes)、インクの粘度が予め定められた閾値粘度未満だと推定する。そして、コントローラ130は、第1閾値時間Tth1を第1時間(例えば、3sec)に決定する(S42)。一方、コントローラ130は、周辺温度が閾値温度未満であることに応じて(S41:No)、インクの粘度が閾値粘度以上だと推定する。そして、コントローラ130は、第1閾値時間Tth1を第2時間(例えば、1sec)に決定する(S43)。なお、第1時間は、第2時間より長い。
再び図7に戻って、コントローラ130は、第1FLS処理が終了してからの経過時間Tと、S17で決定した第1閾値時間Tth1とを比較する(S18)。換言すれば、コントローラ130は、S14で受信した記録コマンドに従って実行する記録処理において、所定の画像記録品質を維持するために、第2FLS処理が必要か否かを判断する。S18の処理は、第1判断処理の一例である。
次に、コントローラ130は、経過時間Tが第1閾値時間Tth1以上だと判断したことに応じて(S18:Yes)、第2FLS処理(S62)を含む第2準備処理を実行する(S16)。第2準備処理は、プリンタ11を記録処理の実行が可能な状態にするための処理のうち、第1準備処理に含まれない処理である。第2準備処理は、例えば図9に示されるように、FLS位置移動処理(S61)と、第2FLS処理(S62)と、検出位置移動処理(S63)と、給送処理(S64)と、頭出し処理(S65)とを含む。
FLS位置移動処理(S61)は、キャリッジ23を検出位置から第2位置へ向けて移動させる処理である。すなわち、コントローラ130は、図10(A)に示されるように、インク受け部75より左方の位置に、キャリッジ23を到達させる。検出位置移動処理(S63)は、S57の処理と同様である。
第2FLS処理(S62)は、インク受け部75に向けて記録ヘッド39にインク滴を吐出させる第2フラッシング処理の一例である。第2FLS処理の具体的な処理内容は、第1FLS処理と同様であってもよい。但し、第1FLS処理と第2FLS処理とでは、例えば、FLS発数が異なる。例えば、第2FLS処理のFLS発数は、第1FLS処理より少ないのが望ましい。また、第2FLS処理のFLS発数は、経過時間Tが長いほど多いのが望ましい。
給送処理(S64)は、給送トレイ20Aに支持されたシート12を、搬送ローラ部54に到達する位置まで給送部15Aに給送させる処理である。この給送処理は、シート12の給送元として給送トレイ20Aを記録コマンドが示す場合に実行される。コントローラ130は、給送モータ101を正転させ、レジストセンサ120の検出信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化してから予め定められた回転量だけさらに正転させる。そして、給送モータ101の回転駆動力が第1状態の切替機構170を通じて給送ローラ25Aに伝達されることによって、給送トレイ20Aに支持されたシートが搬送路65に給送される。
頭出し処理(S65)は、給送処理によって搬送ローラ部54に到達されたシート12を、最初に画像が記録される領域(以下、「記録領域」と表記することがある。)が記録ヘッド39に対面し得る位置まで、搬送部に搬送向き16に搬送させる処理である。シート12上の最初の記録領域は、記録コマンドに示されている。コントローラ130は、搬送モータ102を正転させることによって、メディアセンサ122によってシート12の先端を検知し、さらに記録コマンドに示される最初の記録領域が記録ヘッド39に対面するまで、搬送ローラ部54に到達されたシート12を搬送部に搬送させる。
なお、第2準備処理に含まれる各処理(S61〜S65)は、第1準備処理に含まれる複数の処理の少なくとも一部が終了した後でなければ、開始することができない。FLS位置移動処理(S61)は、検出位置移動処理(S57)が終了した後でなければ開始できず、クック処理(S55)が終了していなくても開始できる。一方、給送処理(S64)は、クック処理(S55)が終了した後でなければ開始できず、検出位置移動処理(S57)が終了していなくても開始できる。
また、第2FLS処理(S62)は、FLS位置移動処理(S61)が終了した後でなければ開始できない。また、検出位置移動処理(S63)は、第2FLS処理(S62)が終了した後でなければ開始できない。さらに、頭出し処理(S65)は、給送処理(S64)及び検出位置移動処理(S63)が終了した後でなければ開始できない。すなわち、コントローラ130は、第2FLS処理(S62)と、給送処理(S64)とを並行して実行する。
また図示は省略するが、シート12の給送元として給送トレイ20Bを記録コマンドが示す場合、コントローラ130は、FLS位置移動処理(S61)の前に、切替機構170を第1状態から第2状態に切り替える。すなわち、コントローラ130は、検出位置のキャリッジ23を右向きに移動させて、第1係止部に係止されたレバー178を第2係止部に係止させる。そして、コントローラ130は、切替機構170を第2状態に切り替えたことに応じて、キャリッジ23を第2位置に移動させる。さらに、コントローラ130は、切替機構170を第2状態に切り替えたことに応じて、給送トレイ20Bに支持されたシート12を給送する給送処理を開始する。
再び図7に戻って、コントローラ130は、第2準備処理に含まれる全ての処理が終了したことに応じて、受信した記録コマンドに従って記録処理を実行する(S20)。記録処理は、例えば、交互に実行される吐出処理及び搬送処理と、排出処理とを含む。吐出処理は、記録ヘッド39に対面されたシート12の記録領域に対して、記録ヘッド39にインク滴を吐出させる処理である。搬送処理は、搬送向き16に沿う所定の搬送幅だけシート12を搬送部に搬送させる処理である。排出処理は、画像が記録されたシート12を排出ローラ部55に排出トレイ21へ排出させる処理である。
すなわち、コントローラ130は、キャリッジ23をシート対向領域の一端から他端に移動させ、記録コマンドで示されるタイミングで記録ヘッド39にインク滴を吐出させる吐出処理を実行する。次に、コントローラ130は、次の記録領域に記録すべき画像が存在することに応じて、次の記録領域が記録ヘッド39に対面される位置まで、搬送部にシート12を搬送させる搬送処理を実行する。コントローラ130は、全ての記録領域に画像を記録するまで、吐出処理及び搬送処理を繰り返し実行する。コントローラ130は、全ての記録領域に画像を記録したことに応じて、排出ローラ部55にシート12を排出トレイ21へ排出させる排出処理を実行する。
また、コントローラ130は、自動FLSフラグに第1値“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S15:ON)、S17、S18の処理を実行することなく、第2準備処理(S16)と、記録処理(S20)とを実行する。すなわち、コントローラ130は、自動FLSフラグに第1値“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S15:ON)、経過時間Tの長さに拘わらず、第2FLS処理(S62)を実行してから、記録処理(S20)を実行する。
一方、コントローラ130は、経過時間Tが第1閾値時間Tth1未満だと判断したことに応じて(S18:No)、第2FLS処理(S62)を含まない第2準備処理を実行する(S19)。より詳細には、S19で実行する第2準備処理は、FLS位置移動処理(S61)、第2FLS処理(S62)、検出位置移動処理(S63)を含まない点においてS16と相違し、その他の点においてS16と共通する。すなわち、コントローラ130は、経過時間Tが第1閾値時間Tth1未満だと判断したことに応じて(S18:No)、第2FLS処理(S62)を実行せずに、記録処理(S20)を実行する。
さらに、コントローラ130は、経過時間Tが第2閾値時間Tth2に達するまでに記録コマンドを受信しないことに応じて(S14:No&S21:Yes)、待機処理を実行する(S22)。待機処理は、記録ヘッド39をキャップ71で覆った状態で、記録コマンドを受信するまで待機する処理である。すなわち、コントローラ130は、キャリッジ23を第1位置へ向けて移動させ、切替機構170を第3状態に変化させる。この処理は、第2移動処理の一例である。そして、コントローラ130は、キャリッジ23が第1位置に到達したことに応じて、キャップ71を被覆位置に移動させる。この処理は、キャップ処理の一例である。
そして、コントローラ130は、情報処理装置51から記録コマンドを受信するまで待機する(S23:No)。さらに、コントローラ130は、キャップ71を被覆位置に移動させてから所定の時間が経過したことに応じて、電源部110を駆動状態から休眠状態に切り替え、所謂ディスチャージフラッシングを実行する。ディスチャージフラッシングは、蓄電素子に対する電圧の印加をレギュレータ回路に停止させ、且つ駆動電圧を印加して振動素子を振動させる処理である。これにより、蓄電素子に蓄電された電荷が瞬時に放出される。また、振動素子の振動によってノズル40からインク滴が吐出されたとしても、当該インクはキャップ71内に着弾するので、シート対向領域の汚染を抑制できる。
次に、コントローラ130は、通信部50を通じて情報処理装置51から記録コマンドを受信したことに応じて(S23:Yes)、第1準備処理(S24)と、第2FLS処理(S62)等を含まない第2準備処理(S19)と、記録処理(S20)とを実行する。S24の処理はS13と同様なので、説明は省略する。すなわち、コントローラ130は、キャリッジ23が第1位置で且つキャップ71が被覆位置のときに記録コマンドを受信したことに応じて、第1FLS処理及び第2FLS処理のうちの第1FLS処理のみを実行してから、記録処理を実行する。なお、このときの第1FLS処理では、FLS発数=α発のインク滴が吐出される。
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、第1FLS処理(S56)が終了してから記録コマンドを受信するまでの経過時間Tが長い場合に、第2FLS処理(S62)の後に記録処理(S20)が実行されるので、画像記録品質を担保することができる。また、この場合には、記録コマンドを受信した時点で既にFPOTが長くなっているので、第2FLS処理によるFPOTの増大の影響は相対的に小さい。一方、経過時間Tが短い場合には、第2FLS処理をスキップして記録処理が実行されるので、FPOTを短縮することができる。また、この場合には、第1FLS処理の終了から記録処理の開始までの時間が短いので、画像記録品質の低下も抑制される。
また、上記の実施形態によれば、経過時間Tが第1閾値時間Tth1未満になる可能性が高い場合に、記録処理を実行するのに必要なインク量を第1FLS処理で吐出させる。これにより、第2FLS処理を実行する必要がなくなるので、画像記録品質の低下が抑制しつつ、FPOTを短縮することができる。一方、経過時間Tが第1閾値時間Tth1以上になる可能性が高い場合に、記録処理を実行するのに必要なインク量を第1FLS処理及び第2FLS処理で分担して吐出する。これにより、フラッシング処理を2回実行することによるインクの無駄が抑制される。
また、上記の実施形態によれば、推定したインクの粘度に基づいて閾値時間Tth1を増減させることによって、第2FLS処理の実行されやすさを切り替えている。一般的に、インクの粘度が高いと、短時間で画像記録品質が大きく低下する傾向がある。そこで、インクの粘度が高い場合には、第2FLS処理を実行されやすくすることにより、画像記録品質の低下を抑制できる。一方、インクの粘度が低い場合には、第2FLS処理を実行され難くすることにより、FPOTの増大を抑制できる。
但し、インクの粘度の推定方法は、記録ヘッド39の周辺温度に限定されず、例えば、記録ヘッド39の周辺の湿度、インクカートリッジが装着部に装着されてからの経過時間、或いはこれらの組み合わせによって推定してもよい。記録ヘッド39の周辺湿度、及びインクカートリッジが装着部に装着されてからの経過時間は、不図示のセンサによって検出することができる。
すなわち、コントローラ130は、記録ヘッド39の周辺の湿度が閾値湿度以上であることに応じて、インクの粘度が閾値粘度未満だと推定してもよい。一方、コントローラ130は、記録ヘッド39の周辺の湿度が閾値湿度未満であることに応じて、インクの粘度が閾値粘度以上だと推定してもよい。また、コントローラ130は、インクカートリッジが装着部に装着されてからの経過時間が閾値時間未満であることに応じて、インクの粘度が閾値粘度未満だと推定してもよい。一方、コントローラ130は、インクカートリッジが装着部に装着されてからの経過時間が閾値時間以上であることに応じて、インクの粘度が閾値粘度以上だと推定してもよい。
また、第2FLS処理の実行されやすさ(すなわち、第1閾値時間Tth1)は、インクの粘度のみならず、記録処理で記録する画像の品質によって切り替えてもよい。一例として、コントローラ130は、記録コマンドに含まれるモード情報に第3値“ドラフト”が設定されている場合の第1閾値時間Tth1を、モード情報に第4値“ファイン”が設定されている場合より長くしてもよい。他の例として、コントローラ130は、記録コマンドに含まれるインク滴情報に第6値“大玉”が設定されている場合の第1閾値時間Tth1を、インク滴情報に第5値“小玉”が設定されている場合より長くしてもよい。さらに、インク滴情報がインク滴毎に設定されている場合、最初の吐出処理(所謂1パス目)で吐出するインク滴に対応するインク滴情報に基づいて、第1閾値時間が決定されてもよい。
このように、高い画像記録品質(モード情報“ファイン”、インク滴情報“小玉”)が要求されている場合には、FPOTが増大するとしても、第2FLS処理を実行されやすくするのが望ましい。一方、高い画像記録品質が要求されていない場合(モード情報“ドラフト”、インク滴情報“大玉”)には、第2FLS処理を実行され難くすることによって、FPOTの低下を抑制するのが望ましい。
また、上記の実施形態によれば、第2FLS処理のFLS発数を第1FLS処理より少なくするので、FPOTをさらに短縮することができる。また、第2FLS処理のFLS発数を経過時間Tに応じて増減させるので、FPOTの短縮と、画像記録品質の維持とを両立させることができる。
さらに、上記の実施形態によれば、長期間(すなわち、T≧Tth2)に亘って記録コマンドを受信できない場合に、記録ヘッド39をキャップ71で覆うことによって、記録ヘッド39内のインクの乾燥を抑制できる。これにより、フラッシング処理で排出されるインク量を抑制できる。また、この場合には、記録コマンドを受信した時点で既にFPOTが長くなっているので、第1準備処理をやり直すことによるFPOTの増大の影響は相対的に小さい。
また、上記の実施形態に係るフラッシング処理(S56、S62)では、キャリッジ23が主走査方向に移動する過程で記録ヘッド39にインク滴を吐出させる例を説明した。しかしながら、インク受け部75に対面する位置にキャリッジ23を停止させた状態で、記録ヘッド39にインク滴を吐出させてもよい。さらに、上記の実施形態では、キャリッジ23が主走査方向に移動する過程で記録ヘッド39にインク滴を吐出させる例を説明した。しかしながら、本発明の記録ヘッドは、これに限定されず、例えば、シート対向領域の全域にノズルが配列された所謂ラインヘッドであってもよい。
また、S18において、経過時間Tが閾値時間Tth1に達したか否かを判断する具体的な方法は、前述の例に限定されない。他の例として、コントローラ130は、第1FLS処理が終了したことに応じて、第1閾値時間Tth1が経過したこと検出する第1タイマをスタートする。また、RAM133は、タイマフラグを記憶している。タイマフラグには、第1タイマがタイムアウトしたことに対応する第7値“ON”、或いは第1タイマがタイムアウトしていないことに対応する第8値“OFF”が設定される。タイマフラグの初期値は、第8値“OFF”である。
次に、コントローラ130は、第1タイマがタイムアウトしたことに応じて、第1フラグに第7値“ON”をセットする。一方、コントローラ130は、第1タイマがタイムアウトするまでに記録コマンドを受信したことに応じて、第1タイマをキャンセルする。そして、コントローラ130は、記録コマンドを受信したことに応じて(S14:Yes)、タイマフラグの設定値を判断する(S18)。
より詳細には、コントローラ130は、タイマフラグに第7値“ON”が設定されていることに応じて(S18:Yes)、S16の処理を実行する。一方、コントローラ130は、タイマフラグに第8値“OFF”が設定されていることに応じて(S18:No)、S19の処理を実行する。すなわち、タイマフラグの設定値を判断する処理は、第1判断処理の他の例である。
同様に、コントローラ130は、第1FLS処理が終了したことに応じて、第2閾値時間Tth2が経過したこと検出する第2タイマをスタートしてもよい。そして、コントローラ130は、記録コマンドを受信する前に第2タイマがタイムアウトしたことに応じて(S14:No&S21:Yes)、S22の処理を実行してもよい。一方、コントローラ130は、第2タイマがタイムアウトする前に記録コマンドを受信したことに応じて、第2タイマをキャンセルすればよい。
また、第1タイマ及び第2タイマをスタートするタイミングは、第1FLS処理が終了したタイミングに限定されない。すなわち、第1準備処理(S13)に含まれる各処理の実行時間が、常に一定だと評価できる程度のバラツキしかない場合には、第1FLS処理が終了する前の任意のタイミングで、タイマをスタートさせてもよい。FLS実行時刻を取得するタイミングについても同様である。一例として、コントローラ130は、第1FLS処理を開始するタイミングでタイマをスタートしてもよい。この場合の第1閾値時間Tth1は、例えば、第1FLS処理(S56)に要すると想定される予め定められた想定時間を、閾値決定処理で決定した時間に加算したものでもよい。
他の例として、コントローラ130は、キャップ71が記録ヘッド39から離間したタイミングでタイマをスタートしてもよい。この場合の第1閾値時間Tth1は、例えば、アンキャップ処理(S52)、FLS位置移動処理(S53)、及び第1FLS処理(S56)に要すると想定される予め定められた想定時間を、閾値決定処理で決定した時間に加算したものでもよい。さらに他の例として、コントローラ130は、先行コマンドを受信したタイミングでタイマをスタートしてもよい。この場合の第1閾値時間Tth1は、例えば、発数決定処理(S12)及び第1準備処理(S13)に要すると想定される予め定められた想定時間を、閾値決定処理で決定した時間に加算したものでもよい。
10・・・複合機
11・・・プリンタ
23・・・キャリッジ
39・・・記録ヘッド
40・・・ノズル
50・・・通信部
54・・・搬送ローラ部
55・・・排出ローラ部
71・・・キャップ
75・・・インク受け部
110・・・電源部
122・・・メディアセンサ
130・・・コントローラ

Claims (9)

  1. シートを搬送向きに搬送する搬送部と、
    上記搬送部によって搬送されたシートに対向するシート対向領域において、ノズルからインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    上記ノズルから吐出されたインク滴を受けるインク受け部と、
    通信部と、
    コントローラとを備えるインクジェット記録装置であって、
    上記コントローラは、
    記録コマンドの送信を予告する先行コマンドを上記通信部を通じて情報処理装置から受信したことに応じて、上記インク受け部に向けて上記記録ヘッドにインク滴を吐出させる第1フラッシング処理と、
    シートに画像を記録する指示である上記記録コマンドを上記通信部を通じて上記情報処理装置から受信したことに応じて、上記第1フラッシング処理が終了してからの経過時間が第1閾値時間以上か否かを判断する第1判断処理と、
    上記第1判断処理で上記第1閾値時間以上と判断したことに応じて、
    上記インク受け部に向けて上記記録ヘッドにインク滴を吐出させる第2フラッシング処理と、
    上記第2フラッシング処理が終了したことに応じて、上記搬送部によって上記シート対向領域まで搬送されたシートに向けて、上記記録ヘッドにインク滴を吐出させる記録処理とを実行し、
    上記第1判断処理で上記第1閾値時間未満と判断したことに応じて、上記第2フラッシング処理を実行せずに、上記記録処理を実行するインクジェット記録装置。
  2. 上記コントローラは、上記第2フラッシング処理において、上記インク受け部に向けて吐出するインク量を、上記経過時間が長いほど多くする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 上記先行コマンドは、上記記録コマンドの生成に必要な時間の長さを示唆する生成時間情報を含み、
    上記コントローラは、
    上記経過時間が上記第1閾値時間以上になるか否かを上記生成時間情報に基づいて推定する第1推定処理を、上記第1フラッシング処理に先立って実行し、
    上記第1推定処理で上記第1閾値時間未満になると推定したことに応じて、上記記録処理を実行するのに必要な第1インク量のインクを上記記録ヘッドに吐出させる上記第1フラッシング処理を実行し、
    上記第1推定処理で上記第1閾値時間以上になると推定したことに応じて、
    上記第1インク量より少ない第2インク量のインクを上記記録ヘッドに吐出させる上記第1フラッシング処理と、
    上記経過時間の長さに拘わらず、上記第2フラッシング処理とを実行する請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 上記コントローラは、上記第1フラッシング処理で上記記録ヘッドに吐出させるインク量を、上記第2フラッシング処理で上記記録ヘッドに吐出させるインク量より多くする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 上記コントローラは、
    上記記録ヘッドに供給されるインクの粘度を推定する第2推定処理を、上記第1判断処理に先立って実行し、
    上記第1判断処理において、上記第2推定処理で推定した粘度が閾値粘度以上の場合の上記第1閾値時間を、上記閾値粘度未満の場合より短くする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 上記記録コマンドは、上記記録処理で記録する画像の画質を示す画質情報を含み、
    上記コントローラは、上記第1判断処理において、上記画質情報で示される画質が閾値画質以上の場合の上記第1閾値時間を、上記閾値画質未満の場合より短くする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 上記コントローラは、上記シート対向領域へ向けて上記搬送部にシートを給送させる給送処理と、上記第2フラッシング処理とを並行して実行する請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 該インクジェット記録装置は、
    上記記録ヘッドを搭載しており、上記シート対向領域を含む領域を上記搬送向きと交差する主走査方向に移動するキャリッジと、
    上記シート対向領域から上記主走査方向に外れた第1位置に上記キャリッジが位置するときに上記記録ヘッドに対向し、上記記録ヘッドに密着して上記ノズルを覆う被覆位置及び上記記録ヘッドから離間する離間位置の間を、上記記録ヘッドに対して相対移動するキャップとを備えており、
    上記インク受け部は、上記シート対向領域から上記主走査方向に外れた位置で且つ上記第1位置と異なる第2位置に上記キャリッジが位置するときに上記記録ヘッドに対向し、
    上記コントローラは、上記先行コマンドを受信したことに応じて、
    上記記録ヘッド及び上記キャップの相対位置を、上記被覆位置から上記離間位置に変更するアンキャップ処理と、
    上記キャップと上記記録ヘッドとが離間したことに応じて、上記キャリッジを上記第1位置から上記第2位置へ向けて移動させる第1移動処理と、
    上記キャリッジが上記第2位置に到達したことに応じて、上記第1フラッシング処理とを実行する請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 上記コントローラは、
    上記経過時間が上記第1閾値時間より長い上記第2閾値時間に達するまでに上記記録コマンドを受信しないことに応じて、
    上記キャリッジを上記第1位置へ向けて移動させる第2移動処理と、
    上記キャリッジが上記第1位置に到達したことに応じて、上記記録ヘッド及び上記キャップの相対位置を、上記離間位置から上記被覆位置に変更するキャップ処理とを実行し、
    上記キャップ処理の実行後に上記記録コマンドを受信したことに応じて、上記第1移動処理、上記第1フラッシング処理、及び上記記録処理を実行する請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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