JP2018013812A - ドライバ状態誘導装置、及びドライバ状態誘導プログラム - Google Patents

ドライバ状態誘導装置、及びドライバ状態誘導プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】注意散漫な状態にあるドライバに対して適切なアクチュエーションを実施することが可能なドライバ状態誘導装置等の提供。【解決手段】状態誘導装置70は、車両Aのドライバへ向けたアクチュエーションにより、当該ドライバの運転状態を誘導するドライバ状態誘導装置として機能する。状態誘導装置70は、ドライバの脇見について、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示した脇見判定結果を取得する。そして、ドライバが興味本位による脇見をした場合、状態誘導装置70は、ドライバの視線を誘導する第一アクチュエーションを実施する。一方、ドライバが退屈による脇見をした場合、状態誘導装置70は、ドライバの視線を誘導しつつ、第一アクチュエーションよりもドライバの意識を刺激することで覚醒度を高い状態に誘導する第二アクチュエーションを実施する。【選択図】図5

Description

この明細書による開示は、ドライバの運転状態を誘導するドライバ状態誘導装置、及びドライバ状態誘導プログラムに関する。
従来、例えば特許文献1には、ドライバへの刺激の付与により、覚醒度の維持された正しい運転状態にドライバを誘導する覚醒度維持装置が開示されている。具体的に、特許文献1の覚醒維持装置は、ドライバの眠気レベルが低下した状態で、眠気に関連付けられたドライバの動作、生体信号、及び車両挙動等をさらに検出した場合に、覚醒効果のある刺激をドライバに付与する。このように、ドライバの主観やフィーリングと一致するタイミングで覚醒効果のある刺激を与えることにより、ドライバは、違和感なく刺激を受け入れることができる。
特許第4518083号公報
さて、本開示の発明者は、覚醒度の低下したドライバが眠気状態又は漫然状態に陥る前に、注意散漫な状態となることに着目した。このような注意散漫な状態では、ドライバに脇見が生じ易くなる。そのため本開示の発明者は、脇見に基づいて注意散漫な状態を判定し、ドライバの覚醒度を高めるアクチュエーションを実施することを想到した。
こうした技術の開発過程において、注意散漫な状態の脇見にも、覚醒度が比較的維持された状態での興味本位による脇見と、覚醒度が比較的低い状態での退屈による脇見とがあることを、新たに見出した。しかし、特許文献1には、注意散漫な状態を検出する技術も、注意散漫な状態での脇見を判別する技術も、何ら開示されていない。このように注意散漫な状態での脇見を判別できない場合、注意散漫な状態で脇見をしたドライバに対するアクチュエーションは、同一の内容とならざるを得なかった。
その結果、興味本位による脇見をしたドライバには、アクチュエーションによる刺激が強すぎてしまい、過覚醒状態までドライバの意識が引き上げられてしまう虞があった。一方で、退屈による脇見をしたドライバには、アクチュエーションによる刺激が不足し、正しく運転が可能な状態までドライバの意識を回復させることが困難となり得た。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、注意散漫な状態にあるドライバに対して適切なアクチュエーションを実施することが可能な技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、車両(A)のドライバへ向けたアクチュエーションにより、当該ドライバの運転状態を誘導するドライバ状態誘導装置であって、ドライバの脇見について、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示した脇見判定結果を取得する判定結果取得部(71)と、ドライバが興味本位による脇見をしたという脇見判定結果が取得された場合に、ドライバの視線を誘導する第一アクチュエーションを実施する第一実施部(73)と、ドライバが退屈による脇見をしたという脇見判定結果が取得された場合に、ドライバの視線を誘導しつつ、第一アクチュエーションよりもドライバの意識を刺激することで覚醒度を高い状態に誘導する第二アクチュエーションを実施する第二実施部(74)と、を備えるドライバ状態誘導装置とされる。
また、開示された他の一つの態様は、車両(A)のドライバへ向けたアクチュエーションにより、当該ドライバの運転状態を誘導するドライバ状態誘導プログラムであって、ドライバの脇見について、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示した判定結果を取得するステップ(S121)と、ドライバが興味本位による脇見をしたという脇見判定結果が取得された場合に、ドライバの視線を誘導する第一アクチュエーションを実施するステップ(S123)と、ドライバが退屈による脇見をしたという脇見判定結果が取得された場合に、ドライバの視線を誘導しつつ、第一アクチュエーションよりもドライバの意識を刺激することで覚醒度を高い状態に誘導する第二アクチュエーションを実施するステップ(S125)と、を少なくとも一つのプロセッサ(70b,210b)に実施させるドライバ状態誘導プログラムとされる。
これらの態様によれば、ドライバが興味本位の脇見をした場合に実施される第一アクチュエーションは、単にドライバの視線を誘導する内容である。故に、ドライバの意識を刺激する作用は、第二アクチュエーションよりも抑えられる。その結果、興味本位の脇見をしたドライバの意識が過覚醒状態まで引き上げられる事態は、回避される。
一方、ドライバが退屈による脇見をした場合に実施される第二アクチュエーションは、ドライバの視線を誘導するだけでなく、ドライバの意識を刺激して覚醒度を高い状態に誘導する。こうした第二アクチュエーションによれば、ドライバの意識を正しい運転状態まで回復させることが可能となる。
以上のように、脇見の種類を判別した判定結果に基づくことにより、注意散漫な状態にあるドライバに対して適切なアクチュエーションを実施することが可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第一実施形態によるアクチュエーションシステムを含む車載機器の全体像を示すブロック図である。 ドライバ覚醒度の状態管理の概念を模式的に示す図である。 状態判定装置に構築される機能ブロックを示す図である。 状態判定装置によって実施される注意散漫度判定処理の詳細を示すフローチャートである。 状態誘導装置に構築される機能ブロックを示す図である。 状態誘導装置によって実施される誘導判定処理の詳細を示すフローチャートである。 ドライバの視線を誘導する第一アクチュエーションの一例を示す図である。 ドライバの視線と意識を共に誘導する第二アクチュエーションの一例を示す図である。 ドライバの意識を誘導する第三アクチュエーションの一例を示す図である。 各アクチュエーションの特徴を比較して示す図である。 第二実施形態によるアクチュエーション装置を含む車載機器の全体像を示すブロック図である。 アクチュエーション装置に構築される機能ブロックを示す図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による図1のアクチュエーションシステム10は、状態判定装置30及び状態誘導装置70等によって構成されている。アクチュエーションシステム10は、車両Aのドライバへ向けたアクチュエーションにより、ドライバの覚醒度を高めることで、ドライバの運転状態を正しい状態に誘導する。
ドライバの覚醒度は、図2に示すように、長時間の運転による疲労や単調な運転操作の継続等により、運転に適した状態から外れることがある。例えば、ドライバの覚醒度が低下すると、漫然状態又は強い眠気のある状態となる。また、ドライバの覚醒度が過度に高められると、ドライバの覚醒度は、イライラ及び焦りを感じて運転に集中困難な過覚醒状態となる。さらに、覚醒度の低下によって漫然状態に陥る以前には、ドライバは、注意散漫な状態となる。以下説明する図1のアクチュエーションシステム10は、主に注意散漫な状態となったドライバの意識を適切に回復させることにより、ドライバを過覚醒状態にすることなく、運転に適した覚醒状態に誘導する。
アクチュエーションシステム10は、ドライバモニタシステム11、車載装置群13、ウェアラブルデバイス19、自動運転ECU20、表示器80、音声出力器85、及び触覚提示器87等と共に車両Aに搭載されている。
図1及び図3に示すドライバモニタシステム11は、車内カメラ12及び制御ユニット等によって構成されている。車内カメラ12は、例えば近赤外光源を有する近赤外線カメラである。車内カメラ12は、運転席側に撮像方向を向けた姿勢で、車両Aの車室内に設置されている。車内カメラ12は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの顔を撮影する。制御ユニットは、車内カメラ12によって撮像された画像を解析することにより、ドライバの視線方向、顔向き方向、及び開眼度等を検出する。ドライバモニタシステム11は、検出したこれらの情報を状態判定装置30に逐次提供する。
車載装置群13は、車両Aに搭載された多数の制御装置及び多数のセンサ等を含んでいる。車載装置群13は、一例として、車両Aの車速、操舵角、ブレーキ操作量、ターンシグナルの作動状態、加速度、前走車との車間距離、走行中の道路の形状、及び並走する周辺車両の相対位置等の情報を検出する。車載装置群13は、検出した各種の情報を状態判定装置30に逐次提供する。
ウェアラブルデバイス19は、ドライバに装着されることにより、ドライバの生体信号を検出可能な機器である。ウェアラブルデバイス19は、一例として、着用されたドライバの心拍数及び体温等の情報を検出する。ウェアラブルデバイス19は、検出した情報を無線通信によって状態判定装置30へ逐次提供する。尚、ウェアラブルデバイス19は、ドライバの手首に装着される腕時計型の機器であってもよく、又はドライバの顔に装着されるメガネ型の機器であってもよい。
自動運転ECU(Electronic Control Unit)20は、CPU、RAM、及びROMを有するコンピュータを主体に構成されている。自動運転ECU20は、車両Aの走行計画の策定し、策定した走行計画に従って車両Aの制御系を制御することにより、ドライバの運転操作を支援又は代行可能である。自動運転ECU20には、例えば自動運転開始ボタンが接続されている。ドライバ等の搭乗者による自動運転開始ボタンへの入力に基づき、自動運転ECU20は、自動運転機能の作動状態を、オフ状態(以下、「手動運転モード」)からオン状態(以下、「自動運転モード」)に切り替える。自動運転ECU20は、自動運転機能の作動状態、即ち自動運転モードか手動運転モードかを示した作動情報を、自動運転ECU20及び状態誘導装置70に逐次提供可能である。尚、例えば道路の形状及び周辺車両の相対位置等、車載装置群13から状態判定装置30に提供される情報の少なくとも一部は、車載装置群13からではなく、自動運転ECU20から状態判定装置30に提供されてもよい。
図1に示す表示器80、音声出力器85、及び触覚提示器87は、車両Aに係る種々の情報を、ドライバを含む車両Aの搭乗車へ向けて提示する構成である。これらの構成は、車両Aに予め搭載された構成であってもよく、又はドライバ等の搭乗者によって車室内に持ち込まれることにより、車両Aに一時的に搭載される構成であってもよい。
表示器80は、表示面に表示させた画像及びアイコン等の表示物により、ドライバ等の視覚を通じて情報を提示する(図10参照)。表示器80には、例えばセンターディスプレイ81、ヘッドアップディスプレイ82、ルームミラーモニタ83、及びミラーインジケータ84が含まれている(図7参照)。
センターディスプレイ81は、インスツルメントパネルの上面中央に配置されている。センターディスプレイ81は、表示面に種々の画像をカラー表示させる。ヘッドアップディスプレイ82は、ウインドシールドに区画された投影領域82aに光を投影することにより、前景に虚像を重畳表示させる。ルームミラーモニタ83は、車室内に設けられた後写鏡と一体的に形成されている。ルームミラーモニタ83は、後写鏡の反射面に種々の画像をカラー表示させる。ミラーインジケータ84は、車両Aの左右のドアに設置された車体外後写鏡と一体的に形成されている。ミラーインジケータ84は、車体外後写鏡の反射面に所定形状のアイコンを発光表示させる。
音声出力器85は、車室内に再生させる報知音又は音声メッセージ等により、ドライバ等の聴覚を通じて情報を提示する(図10参照)。音声出力器85は、複数のスピーカを有している。複数のスピーカは、ドライバを囲む配置にて車室内に設置されている。音声出力器85は、音を出力するスピーカを複数のうちから選択することにより、報知音又は音声メッセージ等を任意の方向からドライバに聞かせることができる。尚、音声出力器85に用いられるスピーカは、例えばドライバのみに聞こえる指向性をもった音を出力可能な構成であってもよい。
触覚提示器87は、ドライバと接触する部位を振動又は変位等させることにより、ドライバに触覚を通じて情報を提示する(図10参照)。触覚提示器87は、例えばステアリングホイールのリム部分に埋め込まれたステア振動部と、運転席の座面又はバックレスト等に埋め込まれたシート振動部を有している。加えて触覚提示器87は、例えば車両Aの前後左右に姿勢変化するアクティブフットレスト等を有していてもよい。
次に、状態判定装置30及び状態誘導装置70の構成を順に説明する。
図1及び図3に示す状態判定装置30は、ドライバの状態を判定し、判定によって取得した判定結果を状態誘導装置70に提供する。状態判定装置30には、状態判定処理部30aが設けられている。状態判定処理部30aは、CPU30b、RAM30c、及びメモリ30d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成された電子回路である。メモリ30dは、CPU30bによる情報の読み取りが可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)である。CPU30bは、メモリ30dに記憶された種々のプログラムを実行可能である。
状態判定装置30は、メモリ30dに記憶された状態判定プログラムをCPU30bによって実行させる。これにより状態判定装置30には、ドライバの状態判定に関連する機能ブロックとして脇見判定器31、作動情報取得部32、覚醒度判定器33、及び注意散漫判定器34等が構築される。
脇見判定器31は、ドライバモニタシステム11から提供される視線及び顔向きの情報を取得し、ドライバが脇見をしているか否かを判定するための情報を生成する。ドライバの見ている位置を簡易的に扱うため、脇見判定器31には、ドライバ前方の可視範囲を複数(「1」〜「7」)の領域に分割した規定が予め設定されている。
この規定では、例えばウインドシールドの範囲は、水平方向に三分割されて、それぞれ「1」〜「3」の番号が割り振られている。また、ウインドシールドの下側の範囲は、センターコンソールの周辺が「4」とされ、ステアリングホイール周辺が「5」とされている。さらに、ウインドシールドの左右がそれぞれ「6」及び「7」とされている。脇見判定器31は、視線と顔向きの各情報を統合することにより、予め規定された領域「1」〜「7」のうちで、ドライバがどの領域を見ているのかを判定する。
加えて脇見判定器31は、正面である「1」〜「3」の領域からドライバの見ている位置(以下、「視線位置」)が継続して外れている場合、正面から外れている時間(以下「脇見固定時間」)を計測する。脇見判定器31は、ドライバの視線位置を示す番号と、脇見固定時間とを、ドライバの脇見状態を示した脇見情報として、注意散漫判定器34に提供する。
作動情報取得部32は、自動運転機能の作動状態を示した作動情報を、自動運転ECU20から取得する。作動情報取得部32は、取得した作動情報を、覚醒度判定器33及び注意散漫判定器34に提供する。
覚醒度判定器33は、ドライバモニタシステム11から提供される開眼度の情報、車載装置群13及びウェアラブルデバイス19から提供される各種の情報に基づき、ドライバの覚醒度の低下を判定するための情報、具体的には、判定覚醒度を生成する。判定覚醒度は、ドライバの覚醒度が高くなるほど高い値となり、ドライバの覚醒度が低くなるほど低い値となる。
覚醒度判定器33は、ドライバモニタシステム11から提供される開眼度の推移から、開閉眼パターン、瞼の開閉時間、及び開眼量を抽出する。覚醒度判定器33は、瞬目頻度の増加、瞬目における閉眼時間の増加、開眼量の減少等が生じた場合に、ドライバの覚醒度を低く算定する。
加えて覚醒度判定器33は、車両Aに入力された運転操作の操作情報に基づいて、覚醒度の低下を判定する。覚醒度判定器33は、ドライバの運転操作に連動する操作情報、例えば車速及び加速度から推定されるアクセル操作及びブレーキ操作、並びに操舵角から推定されるステアリング操作等の履歴を監視することで、ドライバの運転パターンの変化を検出可能である。
その結果、覚醒度判定器33は、前走車との車間距離の変化とドライバのアクセル操作及びブレーキ操作の各履歴とを比較することで、車間距離の変化に対するアクセル操作又はブレーキ操作の応答遅れを検出できる。故に、覚醒度判定器33は、アクセル操作及びブレーキ操作の応答遅れが大きくなるほど、ドライバの覚醒度を低く算定可能となる。
さらに覚醒度判定器33は、道路形状とドライバのステアリング操作の履歴を比較することで、カーブへの進入時におけるステアリング操作の始動遅れを検出できる。故に、覚醒度判定器33は、ステアリング操作の始動遅れが大きくなるほど、ドライバの覚醒度を低く算定可能となる。
また覚醒度判定器33は、直線区間において修正舵の入力頻度が低下するほど、ドライバの覚醒度を低く算定する。さらに、道路形状や車速の推移に基づいて、単調な運転操作が継続していると推定した場合にも、ドライバの覚醒度の低下を推定する。
さらに覚醒度判定器33は、複雑な道路環境又は道路の混在に起因した運転負荷を推定する。覚醒度判定器33は、高運転負荷な状態で、運転操作が忙しいはずのシーンにおいて、操作情報に基づくドライバの各操作が不足している場合、又は生体信号に基づき心拍数等が低いままの場合等にて、ドライバの覚醒度を低く算定する。
覚醒度判定器33は、上記のような各情報を適宜組み合わせることにより、ドライバの覚醒度を定量的に評価した判定覚醒度を取得する。例えば、覚醒度判定器33は、作動情報取得部32から取得した作動情報に基づき、自動運転機能が作動している自動運転モードである場合には、覚醒度判定への操作情報の使用を中断し、開眼度及び生体信号等のみを使用して判定覚醒度を算定する。覚醒度判定器33は、取得した判定覚醒度を、ドライバの覚醒度の低下、維持、上昇等を示した覚醒度情報として、注意散漫判定器34に提供する。
注意散漫判定器34は、作動情報取得部32から提供される脇見情報と、覚醒度判定器33から提供される覚醒度情報とを組み合わせることにより、ドライバの注意散漫度合いを判定する。注意散漫判定器34には、注意散漫な度合いを判定するためのサブ機能ブロックとして、脇見情報取得部35、覚醒度情報取得部36、判定部37、及び出力部38等がさらに構築されている。
脇見情報取得部35は、ドライバの脇見情報として、視線情報及び脇見固定時間を脇見判定器31から取得する。覚醒度情報取得部36は、ドライバの覚醒度情報として、判定覚醒度を覚醒度判定器33から取得する。
判定部37は、脇見情報取得部35の取得する脇見情報に基づき、ドライバにおける脇見の発生を判定する。ドライバに脇見が発生した場合、判定部37は、覚醒度情報取得部36の取得する覚醒度情報に基づき、ドライバの脇見の種類を判定する(図2参照)。具体的に、判定部37は、判定覚醒度が低下していない場合の脇見を、興味本位による脇見と判定する。一方で、判定部37は、覚醒度が低下している場合の脇見を、退屈による脇見と判定する。
判定部37は、作動情報取得部32の取得した作動情報に基づき、自動運転ECU20が自動運転モードである場合には、ドライバが脇見状態であると判定する判定基準を緩和する。加えて判定部37は、脇見情報に基づき脇見が発生したと判定されていない場合でも、判定覚醒度が低下した場合には、覚醒度の低下により、注意散漫な状態となっていると判定する。
出力部38は、判定部37による判定結果を、状態誘導装置70へ向けて逐次出力する。出力部38は、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示す判定結果(以下、「脇見判定結果」)、又は脇見が発生していない場合の覚醒度低下を判定した判定結果(以下、覚醒度判定結果)を、状態誘導装置70へ提供可能である。
以上の注意散漫判定器34によって実施される注意散漫度判定処理の詳細を、図4に基づき、図1及び図3を参照しつつ説明する。注意散漫度判定処理は、例えば車両Aのシフト位置が「D(ドライブ)」とされ、車両Aが前方に走行可能な状態とされたことに基づき、開始される。注意散漫度判定処理は、車両Aのシフト位置が「D」から変更されるまで、繰り返し開始される。
S101では、脇見判定器31から脇見情報を取得する。そして、脇見判定器31から取得される脇見情報に基づき、視線位置が「1」〜「3」の領域、即ち正面から外れているか否かを判定する。S101にて、ドライバの視線位置が「1」〜「3」の領域から外れていると判定した場合、S104に進む。一方で、S101にて、ドライバの視線位置が「1」〜「3」のいずれかの領域にあると判定した場合、S102に進む。
S102では、覚醒度判定器33から判定覚醒度を取得し、判定覚醒度と、予め設定された平静覚醒度とを比較する。平静覚醒度は、注意散漫な状態のうちで、ドライバの覚醒度の低下が生じているか否かを判定するための閾値である(図2参照)。平静覚醒度は、例えば複数の被験者における覚醒度の低下を客観的に評価した評価データを基に、予め設定されている。S102にて、判定覚醒度が平静覚醒度よりも高いと判定した場合、ドライバの覚醒度が十分に維持された状態であると推定し、S101に戻る。一方で、S102にて、判定覚醒度が平静覚醒度以下であると判定した場合、S103に進む。S103では、ドライバの覚醒度が低下しているという旨の覚醒度判定結果を生成し、S109に進む。
一方、S101にて、ドライバの視線位置が正面にないと判定した場合のS104では、ドライバが側方を確認している動作中なのか否かを判定する。具体的に、S104にて、視線位置が「6」又は「7」であり、且つ、ターンシグナルが作動している場合には、側方を確認する動作中であると推定し、S101に戻る。一方で、視線位置が「6」又は「7」ではない場合、或いはターンシグナルが作動していない場合には、側方確認の動作中ではないと推定し、S105に進む。
S105では、S101にて取得した脇見情報の示す脇見固定時間と、予め設定された脇見判定時間とを比較する。脇見判定時間は、例えば一定の値であってもよく、又は車両状態に応じて変更される値であってもよい。例えば、脇見判定時間は、車両Aの車速が高くなるほど、短くされてよい。加えて、自動運転機能が作動している場合には、脇見判定時間を長く調整する制御により、脇見判定の基準が緩和されてよい。S105にて、脇見固定時間が脇見判定時間以下であると判定した場合、脇見が発生していないと判定し、S101に戻る。一方で、S105にて、脇見固定時間が脇見判定時間を超えていると判定した場合、脇見が発生したと判定し、S106に進む。
S106では、S102と同様に覚醒度判定器33から判定覚醒度を取得し、判定覚醒度と平静覚醒度とを比較する。S106にて、判定覚醒度が平静覚醒度よりも高いと判定した場合、S107に進む。S107では、S105にて発生を判定した脇見について、ドライバの興味本位による脇見である旨の脇見判定結果を生成し、S109に進む。一方で、S106にて、判定覚醒度が平静覚醒度以下であると判定した場合、S108に進む。S108では、S105にて発生を判定した脇見について、ドライバの退屈による脇見である旨の脇見判定結果を生成し、S109に進む。
S109では、S103,S107,及びS108のいずれか一つの処理にて生成された判定結果を、状態誘導装置70へ向けて出力し、一連の注意散漫度判定処理を終了する。
図1及び図5に示す状態誘導装置70は、表示器80、音声出力器85、及び触覚提示器87を用いたアクチュエーションを実行する。状態誘導装置70は、アクチュエーションの態様をドライバの状態に応じて変更可能である。状態誘導装置70は、アクチュエーションによってドライバの運転状態を正しい状態に誘導する。
状態誘導装置70には、アクチュエーション制御部70aが設けられている。アクチュエーション制御部70aは、CPU70b、RAM70c、及びメモリ70d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成された電子回路である。メモリ70dは、CPU70bによる情報の読み取りが可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)である。CPU70bは、メモリ70dに記憶された種々のプログラムを実行可能である。
状態誘導装置70は、メモリ70dに記憶された状態誘導プログラムをCPU70bによって実行させる。これにより状態誘導装置70には、ドライバの状態誘導に関連する機能ブロックとして、判定結果取得部71、作動情報取得部72、第一実施部73、第二実施部74、及び第三実施部75等が構築される。
判定結果取得部71は、ドライバの脇見について、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示した脇見判定結果を、出力部38(図3参照)から取得する。加えて判定結果取得部71は、脇見をしていないドライバについての覚醒度の低下を示した覚醒度判定結果を、出力部38からさらに取得する。
作動情報取得部72は、状態判定装置30の作動情報取得部32(図3参照)と同様に、自動運転機能の作動状態を示した作動情報を、自動運転ECU20から取得する。作動情報取得部72は、自動運転機能の作動情報を、主に第一実施部73に提供する。
第一実施部73は、判定結果取得部71の取得した脇見判定結果に基づき、ドライバが興味本位による脇見をした場合に、第一アクチュエーションを実施する。第一アクチュエーションは、ドライバの視線を特定の方向(例えば正面)に誘導する。第一アクチュエーションは、後述する第二,第三アクチュエーションよりも、ドライバの意識を刺激しにくい態様とされている。加えて第一実施部73は、作動情報に基づき、自動運転機能がドライバの運転操作を代行する自動運転モードである場合に、第一アクチュエーションの実施を中断する。これにより、自動運転機能によって車両Aが走行しているうちは、覚醒度を維持しているドライバが脇見をしても、アクチュエーションは、実施されない。
第二実施部74は、判定結果取得部71の取得した脇見判定結果に基づき、ドライバが退屈による脇見をした場合に、第二アクチュエーションを実施する。第二アクチュエーションは、第一アクチュエーションと同様にドライバの視線を特定の方向に誘導する。加えて第二アクチュエーションは、第一アクチュエーションよりもドライバの意識を刺激することで、覚醒度を高い状態に誘導する。
第三実施部75は、判定結果取得部71の取得した覚醒度判定結果に基づき、脇見をしていないドライバの覚醒度が注意散漫な状態まで低下した場合に、第三アクチュエーションを実施する。第三アクチュエーションは、第一アクチュエーションよりもドライバの意識を刺激する態様で実施され、第二アクチュエーションと同様に、ドライバの意識を覚醒度の高い状態に誘導できる。
以上の状態誘導装置70によって実施される誘導判定処理の詳細を、図6に基づき、図1及び図5を参照しつつ説明する。誘導判定処理は、注意散漫度判定処理(図4参照)と同様に、車両Aのシフト位置が「D」とされたことに基づいて開始され、シフト位置が「D」から変更されるまで、繰り返し開始される。
S121では、状態判定装置30から提供される脇見判定結果又は覚醒度判定結果を取得する処理を行う。そして、脇見判定結果及び覚醒度判定結果のいずれかを取得できたか否かを判定する。S121にて、いずれの判定結果も取得していないと判定した場合、S121を繰り返し、判定結果の取得を待機する。そして、脇見判定結果及び覚醒度判定結果のいずれか一方の取得により、S121からS122に進む。
状態判定装置30から取得した判定結果が興味本位による脇見の発生を示した脇見判定結果である場合に、S122からS123に進む。S123では、第一アクチュエーションの実施を決定し、一連の誘導判定処理を終了する。S123により、第一実施部73による第一アクチュエーションが実行される。
一方、状態判定装置30から取得した判定結果が退屈よる脇見の発生を示した脇見判定結果である場合、S122及びS124の判定を経て、S125に進む。S125では、第二アクチュエーションの実施を決定し、一連の誘導判定処理を終了する。S125により、第二実施部74による第二アクチュエーションが実行される。
さらに、状態判定装置30から取得した判定結果がドライバの注意散漫状態を示す覚醒度判定結果である場合、S122,S124,及びS126の判定を経て、S127に進む。S127では、第三アクチュエーションの実施を決定し、一連の誘導判定処理を終了する。S127により、第三実施部75による第三アクチュエーションが実行される。尚、S126の判定は、省略されてもよい。
次に、各実施部73〜75によって実施されるアクチュエーションの詳細を図7〜図10に基づき、図5を参照しつつ説明する。
図7及び図10に示す第一アクチュエーションでは、脇見をしたドライバの視線を特定の位置(例えば、正面)へ誘導するための情報提示が行われる。第一アクチュエーションが実施される場面では、ドライバの意識は、覚醒状態であると推定されている。故に、第一アクチュエーションは、ドライバの意識を刺激することなく、ドライバにとって煩わしくないようにする、という方針で行われる。
第一アクチュエーションでは、音声出力器85は、第一誘導音を再生する。音声出力器85は、ドライバの視線を誘導したい誘導先(例えば正面)から第一誘導音が聞こえるように、各スピーカを制御して仮想の音源をドライバに認識させる。第一誘導音の音量は、第二アクチュエーションにて音声出力器85が再生する第二誘導音の音量よりも小さくされる。この第一誘導音は、例えば音楽等のコンテンツであって、第二誘導音よりもリズムの遅いコンテンツとされている。加えて、第一誘導音の音程は、第二誘導音の音程よりも低く設定されている。以上のように、第一誘導音は、ドライバに刺激を与え難いような内容とされている。
第一アクチュエーションでは、脇見をしたドライバの視線を誘導する視線誘導アニメーションがコンテンツとして表示器80に表示される。この視線誘導アニメーションにて表示器80に表示される第一表示物61の顕著性は、第二アクチュエーションにて表示器80に表示される第二表示物62(図8参照)の顕著性よりも低く設定されている。その結果、第一表示物61の視認性は、第二表示物62の視認性よりも低くなっている。
第一アクチュエーションでの視線誘導アニメーションは、例えば矢印状の画像を、センターディスプレイ81、ルームミラーモニタ83、及びミラーインジケータ84等に表示させ、これら矢印状の画像を移動又は点滅させる動画である。各矢印状の画像の先端は、ドライバの視線を誘導したい誘導先へ向けられている。
第一アクチュエーションでの触覚提示器87による情報提示は、例えばステア振動部を振動させることによって実施される。第一アクチュエーションおけるステア振動部の振動は、後述する第二,第三アクチュエーションでのステア振動部の振動よりも弱くされている。尚、運転席に埋め込まれたシート振動部は、第一アクチュエーションでは使用されない。
図8及び図9に示す第二,第三アクチュエーションでは、ドライバの意識を覚醒状態に誘導するか、又は休憩に移行させるための情報提示が行われる。第二,第三アクチュエーションが実施される場合、ドライバの覚醒度は低下していると推定されている。故に、第二,第三アクチュエーションは、強調された音、表示、及び振動等を用いてドライバに現在の状態を強くアピールすることで、ドライバの意識を積極的に刺激する、という方針で行われる。
図8及び図10に示す第二アクチュエーションにて音声出力器85が再生する第二誘導音の音量は、第一誘導音の音量よりも大きくされる。第二誘導音は、第一誘導音と同様に、視線の誘導先となる方向からドライバに聞こえてくるよう、車室内に再生される。第二誘導音は、例えば警告音等のコンテンツである。第二誘導音には、第一誘導音よりもリズムの速い音源であって、第一誘導音よりも音程の高い音源が用いられている。以上のように、第二誘導音は、ドライバに警戒感を惹起させ易い内容とされている。
第二アクチュエーションでは、第一アクチュエーションとは異なった内容の視線誘導アニメーションが表示器80に表示される。第二アクチュエーションの視線誘導アニメーションにて表示される第二表示物62のサイズ及び動きは、第一表示物61(図7参照)よりも大きく設定されている。第二表示物62は、例えば投影領域82a、ルームミラーモニタ83、及びセンターディスプレイ81に跨った同心楕円状の画像である。各楕円の中心は、ドライバの視線を誘導したい誘導先に設定されている。視線誘導アニメーションでは、例えば個々の楕円を中心へ向けて連続的に縮小させることにより、ドライバの視線を中心へ誘導する。以上のように、第二アクチュエーションの視線誘導アニメーションでは、第一表示物61よりも顕著性及び視認性の高い第二表示物62を大きく動かすことにより、ドライバの視線の誘導だけでなく、意識の誘導も行う。
第二アクチュエーションでの触覚提示器87による情報提示は、ステア振動部及びシート振動部を共に振動させることによって実施される。各振動部の振動の強さは、第一アクチュエーションでのステア振動部の振動よりも強く設定されている。触覚提示器87は、各振動部の振動によってドライバに刺激を与えて、覚醒度を向上させる。
図9及び図10に示す第三アクチュエーションでは、第二アクチュエーションと同様に、音声出力器85は、第二誘導音を再生する。加えて触覚提示器87は、ステア振動部及びシート振動部を強く振動させる。一方、第三アクチュエーションでは、第三表示物63として、ドライバの状態通知又は警告、或いは休憩を要求するアイコンがセンターディスプレイ81及び投影領域82a等に表示される。第三表示物63である各アイコンは、第二表示物62(図8参照)と同様に、第一表示物61(図7参照)よりも大きなサイズで表示され、且つ、第一表示物61よりも顕著性及び視認性の高い形態とされている。尚、第三表示物63である各アイコンは、第二表示物62の一部として視線誘導アニメーションと共に、又は視線誘導アニメーションの合間に、センターディスプレイ81又は投影領域82a等に表示されてよい。
ここまで説明した第一実施形態において、ドライバが興味本位の脇見をした場合に実施される第一アクチュエーションは、単にドライバの視線を誘導する内容である。故に、ドライバの意識を刺激する作用は、第二アクチュエーションよりも抑えられる。その結果、興味本位の脇見をしたドライバの意識が過覚醒状態まで引き上げられる事態は、回避される。
一方、ドライバが退屈による脇見をした場合に実施される第二アクチュエーションは、ドライバの視線を誘導するだけでなく、ドライバの意識を刺激して覚醒度を高い状態に誘導する。こうした第二アクチュエーションによれば、ドライバの意識を正しい運転状態まで回復させることが可能となる。
以上のように、脇見の種類を判別した判定結果に基づくことにより、状態誘導装置70は、注意散漫な状態にあるドライバに対して、適切なアクチュエーションを実施可能となる。
加えて第一実施形態では、覚醒度の低下判定に基づいて、第三アクチュエーションが実施される。興味本位による脇見が生じる程度の覚醒度の低下を検出することは困難である一方で、退屈による脇見を生じる程度までの覚醒度の低下は、精度を確保しつつ検出し得る。故に、脇見が検出されていなくても、覚醒度の低下判定に基づいて注意散漫な状態が推定可能となる。故に、脇見が未検出であっても、ドライバの覚醒度の低下判定がなされた場合に、第三アクチュエーションによってドライバの意識を刺激できれば、状態誘導装置70は、注意散漫な状態にあるドライバの意識を、速やかに回復させることができる。
また第一実施形態では、第一アクチュエーションにて表示される第一表示物61の表示サイズが、第二アクチュエーションにて表示される第二表示物62の表示サイズよりも小さくされている。加えて、第一アクチュエーションにて再生される第一誘導音の音量は、第二アクチュエーションにて表示される第二誘導音よりも小さくされている。このような設定によれば、第一アクチュエーションによる刺激は、第二アクチュエーションによる刺激よりも確実に抑えられる。故に、状態誘導装置70は、注意散漫な状態にあるドライバに対して、聴覚及び視覚を通じて適切なアクチュエーションを行うことができる。
さらに、自動運転ECU20による自動運転機能がドライバの運転操作を代行している場合には、ドライバの脇見が許容され得る。そのため、興味本位の脇見に対して視線を誘導するような第一アクチュエーションの必要性は、低くなる。故に第一実施形態では、自動運転中にて、第一アクチュエーションの実施が中断される。以上により、運転操作から解放されているドライバに煩わしさを感じさせないようにすることができる。
尚、第一実施形態では、CPU70bが「プロセッサ」に相当し、状態誘導装置70が「ドライバ状態誘導装置」に相当する。
(第二実施形態)
図11及び図12に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態のアクチュエーション装置210は、第一実施形態の状態判定装置30(図1参照)及び状態誘導装置70(図1参照)の両方の機能を統合した電子制御装置である。アクチュエーション装置210には、少なくとも一つのCPU210b、RAM210c、及びメモリ210d等を有する処理部210a等が設けられている。メモリ210dは、CPU210bによる情報の読み取りが可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)である。CPU210bは、メモリ210dに記憶された状態判定プログラム及び状態誘導プログラムを実行可能である。
状態判定プログラムの実行によれば、アクチュエーション装置210には、第一実施形態と実質同一の脇見判定器31、覚醒度判定器33、及び注意散漫判定器34と、作動情報取得部232とが少なくとも構築される。注意散漫判定器34には、脇見情報取得部35、覚醒度情報取得部36、判定部37、及び出力部38が含まれている。作動情報取得部232は、第一実施形態の作動情報取得部32(図3参照)に相当し、自動運転ECU20から取得した作動情報を注意散漫判定器34及び状態誘導器270に出力する。
また、状態誘導プログラムの実行によれば、アクチュエーション装置210には、状態誘導器270が少なくとも構築される。状態誘導器270には、第一実施形態と実質同一の判定結果取得部71、第一実施部73、第二実施部74、及び第三実施部75が含まれている。
ここまで説明した第二実施形態のように、ドライバ状態の判定と誘導の各機能が一つのアクチュエーション装置210によって実現された形態であっても、第一実施形態と同様の効果を奏することが可能である。したがって、アクチュエーション装置210は、注意散漫な状態にあるドライバに対して、適切なアクチュエーションを実施できる。尚、第二実施形態では、アクチュエーション装置210が「ドライバ状態誘導装置」に相当し、CPU210bが「プロセッサ」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示による複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、ドライバの脇見が検出されていなくても、ドライバの覚醒度の低下が検出されていた場合には、ドライバの意識を覚醒度の高い状態に誘導する第三アクチュエーションが実施されていた。しかし、こうした第三アクチュエーションは実施されなくてもよく、第一アクチュエーションと第二アクチュエーションのみが実施される形態であってもよい。
上記実施形態における各アクチュエーションの態様は、適宜変更可能である。例えば、第一アクチュエーションにおける視線誘導アニメーションは、第二アクチュエーションと類似のコンテンツであってもよい。例えば、第二表示物62(図8参照)である楕円状の画像について、線幅及び表示色を顕著性の低い表示態様に変更した第一表示物を表示器に表示させる。そして、これら楕円状の画像を中心へ向けて収縮させる視線誘導アニメーションが第一アクチュエーションの表示コンテンツとされてもよい。或いは、第一表示物61(図7参照)である矢印状の画像の表示サイズを大きくした第二表示物を表示器に表示させ、大型の矢印状の画像を動かす視線誘導アニメーションが第二アクチュエーションとされてもよい。
さらに、アクチュエーションに用いられる表示器、音声出力器、及び触覚提示器の具体的な構成、数、及び車室内の配置等は、適宜変更可能である。例えば、コンビネーションメータに設けられたマルチインフォメーションディスプレイや、多数の発光ダイオードをインスツルメントパネルに配列してなる表示デバイス等が、表示器として各アクチュエーションに使用されてよい。
上記実施形態の状態誘導装置は、車両に搭載された自動運転ECUと連携可能であり、自動運転中には第一アクチュエーションを実施しない等、制御内容を変更していた。しかし、状態誘導装置は、自動運転ECUと連携しない構成であってもよい。状態誘導装置は、自動運転機能を搭載していない車両に搭載されて、注意散漫状態となったドライバへのアクチュエーションを実施可能である。
本開示のドライバ状態誘導プログラムを実施する機能部は、上述の構成とは異なるハードウェア及びソフトウェア、或いはこれらの組み合わせによっても提供可能である。例えば、ナビゲーションシステム等のHMI系の電子装置の処理回路により、脇見判定結果に基づいてドライバを正しい運転状態に誘導する状態誘導方法が実施されてもよい。
また、ドライバ状態誘導プログラムを格納する記憶媒体は、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等であってもよく、又はハードディスクドライブ等の記憶装置であってもよい。さらに、記憶媒体は、状態誘導装置に内蔵された構成であってもよく、又はメモリカード等の形態で提供され、状態誘導装置に設けられたカードスロットに挿入される構成であってもよい。
A 車両、210 アクチュエーション装置(ドライバ状態誘導装置)、61 第一表示物、62 第二表示物、70 状態誘導装置(ドライバ状態誘導装置)、70b,210b CPU(プロセッサ)、71 判定結果取得部、72,232 作動情報取得部、73 第一実施部、74 第二実施部、75 第三実施部、80 表示器、85 音声出力器

Claims (6)

  1. 車両(A)のドライバへ向けたアクチュエーションにより、当該ドライバの運転状態を誘導するドライバ状態誘導装置であって、
    前記ドライバの脇見について、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示した脇見判定結果を取得する判定結果取得部(71)と、
    前記ドライバが興味本位による脇見をしたという前記脇見判定結果が取得された場合に、前記ドライバの視線を誘導する第一アクチュエーションを実施する第一実施部(73)と、
    前記ドライバが退屈による脇見をしたという前記脇見判定結果が取得された場合に、前記ドライバの視線を誘導しつつ、前記第一アクチュエーションよりも前記ドライバの意識を刺激することで覚醒度を高い状態に誘導する第二アクチュエーションを実施する第二実施部(74)と、
    を備えるドライバ状態誘導装置。
  2. 前記判定結果取得部は、前記ドライバについての覚醒度を示した覚醒度判定結果をさらに取得し、
    前記ドライバの脇見を示す前記脇見判定結果が取得されておらず、且つ、前記ドライバの覚醒度の低下を示す前記覚醒度判定結果が取得された場合に、前記第一アクチュエーションよりも前記ドライバの意識を刺激することで覚醒度を高い状態に誘導する第三アクチュエーションを実施する第三実施部(75)、をさらに備える請求項1に記載のドライバ状態誘導装置。
  3. 前記車両には、少なくとも一つの表示器(80)が設けられており、
    前記第一アクチュエーションにより前記表示器に表示される第一表示物(61)は、前記第二アクチュエーションにより前記表示器に表示される第二表示物(62)よりも小さい請求項1又は2に記載のドライバ状態誘導装置。
  4. 前記車両には、少なくとも一つの音声出力器(85)が設けられており、
    前記第一アクチュエーションにより前記音声出力器が再生する第一誘導音の音量は、前記第二アクチュエーションにより前記音声出力器が再生する第二誘導音の音量よりも小さい請求項1〜3のいずれか一項に記載のドライバ状態誘導装置。
  5. 前記車両には、前記ドライバによる運転操作を代行可能な自動運転機能が搭載され、
    前記自動運転機能の作動状態を示した作動情報を取得する作動情報取得部(72,232)、をさらに備え、
    前記第一実施部は、前記自動運転機能が運転操作を代行しているという前記作動情報が取得されている場合に、前記第一アクチュエーションの実施を中断する請求項1〜4いずれか一項に記載のドライバ状態誘導装置。
  6. 車両(A)のドライバへ向けたアクチュエーションにより、当該ドライバの運転状態を誘導するドライバ状態誘導プログラムであって、
    前記ドライバの脇見について、興味本位による脇見か退屈による脇見であるかを示した脇見判定結果を取得するステップ(S121)と、
    前記ドライバが興味本位による脇見をしたという前記脇見判定結果が取得された場合に、前記ドライバの視線を誘導する第一アクチュエーションを実施するステップ(S123)と、
    前記ドライバが退屈による脇見をしたという前記脇見判定結果が取得された場合に、前記ドライバの視線を誘導しつつ、前記第一アクチュエーションよりも前記ドライバの意識を刺激することで覚醒度を高い状態に誘導する第二アクチュエーションを実施するステップ(S125)と、
    を少なくとも一つのプロセッサ(70b,210b)に実施させるドライバ状態誘導プログラム。
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