次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の遊星歯車機構を含む動力伝達装置10の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置10は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、トランスミッションケース(静止部材)11や、発進装置(流体伝動装置)12、オイルポンプ17、エンジン等から入力軸(入力部材)20iに伝達された動力を変速して出力軸(出力部材)20oに伝達する自動変速機20等を含む。
発進装置12は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに連結されるフロントカバー13や、当該フロントカバー13に密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ140、自動変速機20の入力軸20iに連結される出力側のタービンランナ142、ポンプインペラ140およびタービンランナ142の内側に配置されてタービンランナ142からポンプインペラ140への作動油(ATF)の流れを整流するステータ143、ステータ143の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ144等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)を含む。なお、発進装置12は、ステータ143を有さない流体継手を含むものであってもよい。
更に、発進装置12は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ15と、フロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構16とを含む。本実施形態において、ロックアップクラッチ15は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチとして構成される。ただし、ロックアップクラッチ15は、単板摩擦式油圧クラッチであってもよい。
オイルポンプ17は、チェーン18を介して発進装置12のポンプインペラ140に連結されるロータ170と、複数の外歯を有すると共にロータ170と一体に回転する外歯ギヤ(ドライブギヤ)171と、外歯ギヤ171の外歯に噛合する当該外歯の総数よりも1つ多い複数の内歯を有すると共に当該外歯ギヤ171に対して偏心して配置される内歯ギヤ(ドリブンギヤ)172とを含む。オイルポンプ17は、チェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。
自動変速機20は、10段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸20iや図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸20oに加えて、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1遊星歯車21および第2遊星歯車22、ダブルピニオン式遊星歯車とシングルピニオン式遊星歯車とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構としてのラビニヨ式遊星歯車機構25とを含む。更に、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ)、第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ)、第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ)、第4係合要素としてのクラッチC4(第4クラッチ)、第5係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ)および第6係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)を含む。
本実施形態において、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12すなわちエンジン側(図1における左側)から、ラビニヨ式遊星歯車機構25、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21、すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するシングルピニオン式遊星歯車、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するダブルピニオン式遊星歯車、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21という順番で並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。これにより、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12に近接するように車両の前部側に配置される。また、第1遊星歯車21は、出力軸20oに近接するように車両の後部側に配置される。更に、第2遊星歯車22は、入力軸20iや出力軸20o等の軸方向におけるラビニヨ式遊星歯車機構25と第1遊星歯車21との間に配置される。
第1遊星歯車21は、外歯歯車である第1サンギヤ21sと、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ21rと、それぞれ第1サンギヤ21sおよび第1リングギヤ21rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ21pと、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ21cとを有する。本実施形態において、第1遊星歯車21のギヤ比λ1(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)は、例えば、λ1=0.277と定められている。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、図1に示すように、入力軸20iに連結された自動変速機20の中間軸(インターミディエイトシャフト)20mに常時連結(固定)される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第1キャリヤ21cには、エンジンからの動力が入力軸20iおよび中間軸20mを介して常時伝達される。また、第1キャリヤ21cは、クラッチC4の係合時に第1遊星歯車21の入力要素として機能し、クラッチC4の解放時には空転する。更に、第1リングギヤ21rは、クラッチC4の係合時に当該第1遊星歯車21の出力要素として機能する。
第2遊星歯車22は、外歯歯車である第2サンギヤ22sと、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ22rと、それぞれ第2サンギヤ22sおよび第2リングギヤ22rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ22pと、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)22cとを有する。本実施形態において、第2遊星歯車22のギヤ比λ2(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)は、例えば、λ2=0.244と定められている。
第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、図1に示すように、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ21sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材(第1連結部材)を介して常時連結されてもよい。また、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、出力軸20oに常時連結されており、当該出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。これにより、第2キャリヤ22cは、第2遊星歯車22の出力要素として機能する。更に、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rは、当該第2遊星歯車22の固定可能要素として機能する。
ラビニヨ式遊星歯車機構25は、外歯歯車である第3サンギヤ23sおよび第4サンギヤ24sと、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ23rと、第3サンギヤ23sに噛合する複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)23pと、第4サンギヤ24sおよび複数の第3ピニオンギヤ23pに噛合すると共に第3リングギヤ23rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)24pと、複数の第3ピニオンギヤ23pおよび複数の第4ピニオンギヤ24pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第3キャリヤ23cとを有する。
このようなラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車(第3遊星歯車)とシングルピニオン式遊星歯車(第4遊星歯車)とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構である。すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s、第3キャリヤ23c、第3および第4ピニオンギヤ23p,24p、並びに第3リングギヤ23rは、ダブルピニオン式の第3遊星歯車を構成する。更に、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s、第3キャリヤ23c、第4ピニオンギヤ24p、および第3リングギヤ23rは、シングルピニオン式の第4遊星歯車を構成する。そして、本実施形態において、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式の第3遊星歯車のギヤ比λ3(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ3=0.488となり、かつシングルピニオン式の第4遊星歯車のギヤ比λ4(第4サンギヤ24sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ4=0.581となるように構成される。
また、ラビニヨ式遊星歯車機構25(第3および第4遊星歯車)を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ24sは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素(自動変速機20の第2固定可能要素)として機能する。更に、第3キャリヤ23cは、図1に示すように、入力軸20iに常時連結(固定)されると共に、連結部材(第2連結部材)としての中間軸20mを介して第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cに常時連結される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第3キャリヤ23cには、エンジンからの動力が入力軸20iを介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ23cは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ23rは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素として機能し、第3サンギヤ23sは、当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素である第3サンギヤ23sとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第1遊星歯車21の出力要素である第1リングギヤ21rと出力軸20oとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。
ブレーキB1は、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素である第4サンギヤ24sを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第4サンギヤ24sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車22の固定可能要素である第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第2リングギヤ22rを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。
本実施形態では、クラッチC1〜C4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1およびB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。そして、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、油圧制御装置により作動油が給排されることで動作する。
図2に自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を表した作動表を示し、図3に自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図を示す。自動変速機20は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図2の作動表に示す状態とすることで、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを提供する。
図3に示すように、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25の10個の回転要素(ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとが常時連結されているので、実質的には合計9個の回転要素)は、これらのギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4に応じた間隔をおいて図3における左側から図示される順番で並ぶ。このような速度線図上での並び順に従い、本実施形態では、第1サンギヤ21sを自動変速機20の第1回転要素とし、第1キャリヤ21cを自動変速機20の第2回転要素とし、第1リングギヤ21rを自動変速機20の第3回転要素とする。また、第2サンギヤ22sを自動変速機20の第4回転要素とし、第2キャリヤ22cを自動変速機20の第5回転要素とし、第2リングギヤ22rを自動変速機20の第4回転要素とする。更に、第4サンギヤ24sを自動変速機20の第7回転要素とし、第3キャリヤ23cを自動変速機20の第8回転要素とし、第3リングギヤ23rを自動変速機20の第9回転要素とし、第3サンギヤ23sを自動変速機20の第10回転要素とする。
なお、第1および第2遊星歯車21,22並びに第3および第4遊星歯車のギヤ比λ1〜λ4は、上述のものに限られない。また、自動変速機20において、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチあるいはドグブレーキといった噛み合い係合要素とされてもよい。例えば、自動変速機20では、前進第1速段から前進第4速段の形成に際して連続して係合されると共に、後進段の形成に際して係合されるブレーキB2として、ドグブレーキが採用されてもよい。更に、自動変速機20において、第1および第2遊星歯車21,22の少なくとも何れかは、ダブルピニオン式の遊星歯車であってもよく、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、例えばシンプソン型やCR−CR型といった複合遊星歯車機構に置き換えられてもよい。また、上述の自動変速機20は、前輪駆動車両に搭載される変速機に改変されてもよい。
図4は、自動変速機20のラビニヨ式遊星歯車機構25の第3キャリヤ23cを示す断面図であり、図5および図6は、第3キャリヤ23cを示す斜視図である。
図4〜図6に示すように、第3キャリヤ23cは、第1シャフト支持部231と、第2シャフト支持部232と、複数の第3シャフト支持部233と、それぞれ第1シャフト支持部231と対応する第3シャフト支持部233とを繋ぐ複数の第1ブリッジ部234と、それぞれ第2シャフト支持部232と対応する第3シャフト支持部233とを繋ぐ複数の第2ブリッジ部235とを含む。これらの第1〜第3シャフト支持部231、232,233、第1および第2ブリッジ部234,235は、アルミニウム合金を鋳造することにより一体に成形される。
第3キャリヤ23cの第1シャフト支持部231は、環状に形成されており、図4等において図示を省略する入力軸20iや第3サンギヤ23sが挿通される中心孔231oを有する。また、第1シャフト支持部231には、複数の第1ピニオンシャフト支持孔231Sが当該第1シャフト支持部231の周方向に間隔をおいて配設されている。第1ピニオンシャフト支持孔231Sは、第3キャリヤ23cの軸方向に延びる貫通孔であり、各第1ピニオンシャフト支持孔231Sには、第3ピニオンギヤ23pに挿通されたショートピニオンシャフト230の一端が挿入される。更に、第1シャフト支持部231には、複数の第2ピニオンシャフト支持孔231Lが当該第1シャフト支持部231の周方向に間隔をおいて配設されている。第2ピニオンシャフト支持孔231Lは、隣り合う第1ピニオンシャフト支持孔231Sの間で第3キャリヤ23cの軸方向に延びる貫通孔であり、各第2ピニオンシャフト支持孔231Lには、第4ピニオンギヤ24pに挿通されたロングピニオンシャフト240の一端が挿入される。
また、第1シャフト支持部231には、それぞれ外周面から径方向内側に延在して対応する第1ピニオンシャフト支持孔231Sで開口する複数の位置決め孔(貫通孔)231yが形成されている。各ショートピニオンシャフト230は、対応する位置決め孔231yに挿入されるロケートピン230pにより第1シャフト支持部231すなわち第3キャリヤ23cに対して位置決めされる。更に、第1シャフト支持部231の内周部には、径方向外側に向けて窪む集油凹部231rと、それぞれ当該集油凹部231rの底面から径方向内側に延在して対応する第1ピニオンシャフト支持孔231Sで開口する複数の油孔231aと、それぞれ当該集油凹部231rの底面から径方向内側に延在して対応する第2ピニオンシャフト支持孔231Lで開口する複数の油孔231bとが形成されている。
図4に示すように、各油孔231aは、ショートピニオンシャフト230に形成された径方向に延びる油孔230aに連通し、各油孔231bは、ロングピニオンシャフト240に形成された径方向に延びる油孔240aに連通する。また、ショートピニオンシャフト230には、油孔230aに連通すると共に当該ショートピニオンシャフト230の軸心に沿って延びる内部油路230bと、当該内部油路230bから径方向外側に延在してショートピニオンシャフト230の外周面で開口する油孔230cとが形成されている。更に、ロングピニオンシャフト240には、油孔240aに連通すると共に当該ロングピニオンシャフト240の軸心に沿って延びる内部油路240bと、当該内部油路240bから径方向外側に延在してロングピニオンシャフト240の外周面で開口する油孔240cとが形成されている。
これにより、第3キャリヤ23cの第1シャフト支持部231周辺に飛散した作動油が集油凹部231rで捕集され、捕集された作動油は、第1シャフト支持部231の油孔231a、ショートピニオンシャフト230の油孔230aおよび内部油路230bを介して油孔230cに流入すると共に、第1シャフト支持部231の油孔231b、ロングピニオンシャフト240の油孔240aおよび内部油路240bを介して油孔240cに流入する。これにより、ショートピニオンシャフト230と第3ピニオンギヤ23pの内周面との間に配置されるニードルベアリング230nや、第3ピニオンギヤ23pの軸方向における両側に配置されるスラストワッシャ230w、ロングピニオンシャフト240と第4ピニオンギヤ24pの内周面との間に配置されるニードルベアリング240n、第4ピニオンギヤ24pの軸方向における両側に配置されるスラストワッシャ240w等に潤滑・冷却媒体として作動油を供給することが可能となる。
第3キャリヤ23cの第2シャフト支持部232も、第1シャフト支持部231と同様に環状に形成されており、図4等において図示を省略する入力軸20iや第4サンギヤ24sが挿通される中心孔232oを有する。また、第2シャフト支持部232には、第1シャフト支持部231の対応する第2ピニオンシャフト支持孔231Lと軸方向に対向するように、複数のピニオンシャフト支持孔232Lが当該第2シャフト支持部232の周方向に間隔をおいて配設されている。ピニオンシャフト支持孔232Lは、第3キャリヤ23cの軸方向に延びる貫通孔であり、各ピニオンシャフト支持孔232Lには、第4ピニオンギヤ24pに挿通されたロングピニオンシャフト240の他端が挿入される。
また、第2シャフト支持部232には、それぞれ内周面から径方向外側に延在して対応するピニオンシャフト支持孔232Lで開口する複数の位置決め孔(貫通孔)232yが形成されている。各ロングピニオンシャフト240は、対応する位置決め孔232yに挿入されるロケートピン240pにより第2シャフト支持部232すなわち第3キャリヤ23cに対して位置決めされる。更に、第2シャフト支持部232の外周部には、第2シャフト支持部232のピニオンシャフト支持孔232L周辺の部分よりも肉薄の環状の突部(リブ)232aが径方向外側に突出するように形成されており、突部232aの外周面には、複数のカシメ用の凹部232rが当該第2シャフト支持部232の周方向に間隔をおいて形成されている。図4〜図6に示すように、第2シャフト支持部232すなわち突部232aの外径は、第1シャフト支持部231の外径よりも大きく定められている。
第3キャリヤ23cの各第3シャフト支持部233は、第1および第2シャフト支持部231,232の軸方向における間に配置される。各第3シャフト支持部233には、第1シャフト支持部231の対応する第1ピニオンシャフト支持孔231Sと軸方向に対向するように、1個のピニオンシャフト支持孔233Sが形成されている。ピニオンシャフト支持孔233Sは、第3キャリヤ23cの軸方向に延びる貫通孔であり、各ピニオンシャフト支持孔233Sには、第3ピニオンギヤ23pに挿通されたショートピニオンシャフト230の他端が挿入される。
更に、各第3シャフト支持部233の外周部には、当該第3シャフト支持部233のピニオンシャフト支持孔233S周辺の部分よりも肉薄の環状の突部(リブ)233aと、当該突部233aよりも第1シャフト支持部231側に位置すると共に突部233aよりも小径の圧入面233bとが形成されている。すなわち、各第3シャフト支持部233の突部233aは、図5および図6に示すように、圧入面233bよりも第2シャフト支持部232側で径方向外側に突出すると共に当該圧入面233bに沿って第3キャリヤ23cの周方向に延在する。また、突部233a(第3シャフト支持部233)の外径は、第1シャフト支持部231の外径よりも大きく定められている。加えて、各第3シャフト支持部233には、第3ピニオンギヤ23pと第3サンギヤ23sとの噛合部に潤滑・冷却媒体としての作動油を供給するための油孔233hが形成されている。
また、図4に示すように、各第3シャフト支持部233の内周部は、中空の内筒部233iと一体化されている。内筒部233iは、各第3シャフト支持部233の内周部から主に第1シャフト支持部231側に第3キャリヤ23cと同軸に延出されている。更に、内筒部233iの内周面には、スプライン233spが形成されている。当該スプライン233spには、入力軸20iの外周面に形成されたスプラインが嵌合され、これにより、入力軸20iと第3キャリヤ23cとが一体に回転するように常時連結される。このように、第1および第2シャフト支持部231,232の軸方向における間に配置される複数の第3シャフト支持部233に、第1シャフト支持部231側に突出する内筒部233iを介して入力軸20iを連結することで、第3キャリヤ23cが入力軸20iの軸方向と直交する方向に対して傾くのを良好に抑制することが可能となる。
第3キャリヤ23cの複数の第1ブリッジ部234は、第3キャリヤ23cの周方向に間隔をおいて軸方向に延在し、それぞれ第1シャフト支持部231と対応する第3シャフト支持部233との間で両者を繋ぐ。また、第3キャリヤ23cの複数の第2ブリッジ部235は、第3キャリヤ23cの周方向に間隔をおいて軸方向に延在し、それぞれ第2シャフト支持部232と対応する第3シャフト支持部233との間で両者を繋ぐ。図5および図6に示すように、各第1ブリッジ部234の周方向の寸法は、各第2ブリッジ部235の周方向の寸法よりも短く(本実施形態では、概ね半分程度に)定められている。これにより、互いに隣り合う第1ブリッジ部234の周方向における間に、第3ピニオンギヤ23pおよびそれに噛合する第4ピニオンギヤ24pの半部の配置スペースが確保される。また、互いに隣り合う第2ブリッジ部235の周方向における間には、第3ピニオンギヤ23pに噛合しない第4ピニオンギヤ24pの半部の配置スペースが確保される。
更に、自動変速機20のラビニヨ式遊星歯車機構25は、図4および図7に示すように、第3キャリヤ23cの外周部に装着される環状部材100を更に含む。環状部材100は、キャリヤを形成するアルミニウム合金よりも小さい熱膨張係数を有する例えば鋼材(鉄合金)により概ね円筒状に形成されている。そして、環状部材100は、第3キャリヤ23cの外周部、すなわち第2および第3シャフト支持部232,233並びに第2ブリッジ部235を包囲するように第3シャフト支持部233の圧入面233bに圧入により固定される。
環状部材100は、図4および図7に示すように、円筒状の小径部101と、当該小径部101の一端から軸方向に延出された小径部101よりも大径の大径部102とを含む。小径部101は、突部232aの第3シャフト支持部233とは反対側の端部から圧入面233bの第1シャフト支持部231側の端部までの軸方向長さに概ね一致する軸長を有する。また、小径部101の内周面の大径部102側の端部には、径方向内側に突出する環状突部101aが形成されている。当該環状突部101aの内周面の内径は、第3シャフト支持部233の圧入面233bの外径よりも僅かに小さく定められている。更に、小径部101の大径部102とは反対側の端部の内周面は、第2シャフト支持部232の突部232aの外周面よりも僅かに大径に形成されている。
また、小径部101には、図7に示すように、第3キャリヤ23cの内部に滞留した作動油を排出させるための油排出孔101hが複数形成されている。更に、大径部102の外周面には、図7に示すように、複数の凹部102rが周方向に間隔をおいて形成されている。複数の凹部102rは、第3キャリヤ23cすなわち入力軸20iの回転速度を検出するための回転センサ(図示省略)の被検出部として利用される。
上述のような環状部材100は、第1シャフト支持部231側から第2シャフト支持部232側に向けて、第3キャリヤ23cに対して組み付けられる。すなわち、環状部材100の大径部102とは反対側の端部(先端部)は、第2シャフト支持部232の突部232aに嵌合(インロー嵌合)され、環状部材100の環状突部101aは、第3シャフト支持部233の圧入面233bに圧入される。そして、環状突部101aの大径部102側とは反対側の端面は、第3シャフト支持部233の突部233aの圧入面233b側の端面に当接し、環状部材100の小径部101の先端部は、突部232aに形成された凹部232rの径方向外側からカシメられる。
これにより、第3キャリヤ23cの第2および第3シャフト支持部232,233(突部232a,233a)並びに第2ブリッジ部235は、環状部材100の小径部101により包囲される。また、環状部材100の大径部102は、図4に示すように、第3キャリヤ23cの径方向からみて、第3および第4ピニオンギヤ23p,24pと軸方向に部分的に重なり、当該大径部102の径方向内側に第3リングギヤ23rが配置されることになる。更に、本実施形態では、第3キャリヤ23cに環状部材100が装着された際に、図4に示すように、第2ブリッジ部235の外周面と環状部材100の小径部101の内周面との間に間隙(空間)が形成されると共に、第3シャフト支持部233の突部233aの外周面と、環状部材100の小径部101の内周面との間に僅かな隙間が形成される。
このように、第2および第3シャフト支持部232,233(突部232a,233a)並びに第2ブリッジ部235を包囲するように環状部材100を圧入により第3キャリヤ23cの第3シャフト支持部233に固定することで、第3キャリヤ23c(第3シャフト支持部233)に圧縮応力を付与することができるので、遠心力の作用や回転トルクの伝達に伴う捩りにより第3キャリヤ23cで引張応力が発生するのを抑制することが可能となる。更に、例えば第3、第4ピニオンギヤ23p,24pの高速回転に伴って第3キャリヤ23cの温度が高まった際には、環状部材100の膨張量に比べて第3キャリヤ23cの膨張量が大きくなることから、環状部材100から第3キャリヤ23c(第3シャフト支持部233)に付与される圧縮応力をより大きくすると共に、環状部材100から第2シャフト支持部232にも圧縮応力を付与することができる。この結果、第1、第2および第3シャフト支持部231,23,233や第1および第2ブリッジ部234,235の厚みの増加を抑えて第3キャリヤ23cひいてはラビニヨ式遊星歯車機構25の大型化や重量増を抑制しつつ、当該第3キャリヤ23cの剛性を良好に確保することが可能となる。
また、第3キャリヤ23cでは、第2および第3シャフト支持部232,233の突部232a,233aがリブとして機能することから、第2および第3シャフト支持部232,233ひいては第3キャリヤ23c全体の剛性をより向上させることができる。更に、環状部材100は、小径部101の内周面から径方向内側に突出する環状突部101aを有する。また、第3キャリヤ23cの第3シャフト支持部233の外周部には、環状突部101aが圧入される圧入面233bよりも環状部材100の圧入方向における下流側で径方向外側に突出すると共に圧入面233bに沿って周方向に延在する突部233aが形成されている。これにより、環状部材100の圧入に際して、環状突部101aと圧入面233bとの間で切屑(バリ)が生じたとしても、当該切屑を環状部材100の環状突部101aと第3シャフト支持部233の突部233aとの間に留めておくことが可能となる。
更に、環状部材100(大径部102)の外周面に回転センサの被検出部となる複数の凹部102rを形成することで、回転センサの被検出部を有する専用部材を用意する必要がなくなることから、ラビニヨ式遊星歯車機構25の部品点数の増加を抑制することが可能となる。ただし、環状部材100から凹部102rが省略されてもよく、この場合、大径部102自体が省略されてもよい。
また、第3キャリヤ23cは、アルミニウムを主成分とする材料により一体成形され、環状部材100は、鉄を主成分とする材料により形成されるが、これに限られるものではない。すなわち、第3キャリヤ23cは、鋼材等のアルミニウム合金以外の材料により形成されてもよく、この場合、環状部材100は、第3キャリヤ23cを形成する材料よりも小さい熱膨張係数を有する材料により形成されればよい。
更に、上述のような第3キャリヤ23cおよび環状部材100の構造は、ラビニヨ式遊星歯車機構25以外のシンプソン型遊星歯車機構や、CR−CR型遊星歯車機構といった2つの遊星歯車を組み合わせた複合遊星歯車機構に適用されてもよい。
また、単一の遊星歯車を含む遊星歯車機構において、ピニオンギヤに挿通されるピニオンシャフトの端部を支持するシャフト支持部(突部)を包囲するように環状部材が当該シャフト支持部(キャリヤ)に圧入により固定されてもよい。この場合も、環状部材は、内周面から径方向内側に突出する環状突部を有してもよく、シャフト支持部の外周部には、環状部材の環状突部が圧入される圧入面と、圧入面よりも環状部材の圧入方向における下流側に位置する突部とが形成されてもよい。更に、単一の遊星歯車を含む遊星歯車機構が2つのシャフト支持部を有する場合、2つのシャフト支持部の何れか一方に環状部材が圧入されてもよく、2つのシャフト支持部の双方に環状部材が圧入されてもよい。
なお、上記第3キャリヤ23cでは、環状部材100の環状突部101aが第3シャフト支持部233の圧入面233bに圧入されるが、これに限られるものではない。すなわち、圧入面は、第2シャフト支持部232の端部に設けられてもよく、環状突部は、環状部材100の大径部102とは反対側の端部に設けられてもよい。この場合、環状部材100は、第2シャフト支持部232側から第1シャフト支持部231側に向けて第3キャリヤ23cに対して組み付けられ、第2シャフト支持部232に圧入される。また、ラビニヨ式遊星歯車機構25における第3リングギヤ23rの配置箇所によっては、環状部材100が第1および第3シャフト支持部231,233並びに第1ブリッジ部234を包囲するように第3キャリヤ23cに圧入により固定されてもよい。この場合、圧入面は、第1および第3シャフト支持部231,233の何れか一方に設けられればよく、環状突部は、環状部材100(小径部101)の何れか一方の端部に設けられればよい。
以上説明したように、本開示の遊星歯車機構は、複数のピニオンギヤ(23p,24p)を回転自在に支持するキャリヤ(23c)を含む遊星歯車機構(25)において、前記キャリヤ(23c)を形成する材料よりも小さい熱膨張係数を有する材料により形成され、前記キャリヤ(23c)の外周部の少なくとも一部を包囲するように該キャリヤ(23c)に圧入により固定される環状部材(100)を備えるものである。
このように、環状部材を圧入によりキャリヤに固定することで、キャリヤに圧縮応力を付与することができるので、遠心力の作用や回転トルクの伝達に伴う捩りによりキャリヤで引張応力が発生するのを抑制することが可能となる。更に、例えばピニオンギヤの高速回転に伴ってキャリヤの温度が高まった際には、環状部材の膨張量に比べてキャリヤの膨張量が大きくなることから、環状部材からキャリヤに付与される圧縮応力をより大きくすることができる。この結果、キャリヤおよびそれを含む遊星歯車機構の大型化や重量増を抑制しつつ、当該キャリヤの剛性を良好に確保することが可能となる。
また、前記キャリヤ(23c)は、前記ピニオンギヤ(23p,24p)に挿通されるピニオンシャフト(230,240)の端部を支持するシャフト支持部(232,233)を有してもよく、前記環状部材(100)は、前記シャフト支持部(232,233)を包囲するように該シャフト支持部(233)に圧入により固定されてもよい。これにより、環状部材からシャフト支持部に圧縮応力を付与して当該シャフト支持部の剛性を良好に確保することが可能となる。
更に、前記環状部材(100)は、内周面から径方向内側に突出する環状突部(101a)を有してもよく、前記シャフト支持部(233)の外周部には、前記環状部材(100)の前記環状突部(101a)が圧入される圧入面(233b)と、前記圧入面(233b)よりも前記環状部材(100)の圧入方向における下流側で径方向外側に突出すると共に該圧入面(233b)に沿って周方向に延在し、該環状部材(100)により包囲される突部(233a)とが形成されてもよい。これにより、環状部材の圧入に際して、環状突部と圧入面との間で切屑(バリ)が生じたとしても、当該切屑を環状部材の環状突部とシャフト支持部の突部との間に留めておくことが可能となる。加えて、シャフト支持部の突部がリブとして機能することから、シャフト支持部ひいてはキャリヤ全体の剛性をより向上させることができる。
また、前記遊星歯車機構は、2つの遊星歯車(23,24)を組み合わせた複合遊星歯車機構(25)であってもよい。ただし、遊星歯車機構が単一の遊星歯車を含むものであってもよいことはいうまでもない。
更に、前記遊星歯車機構は、2つのサンギヤ(23s,24s)と、リングギヤ(23r)と、前記2つのサンギヤの一方(23s)に噛合する複数のショートピニオンギヤ(23p)と、前記2つのサンギヤの他方(24s)と前記ショートピニオンギヤ(23p)と前記リングギヤ(23r)とに噛合する複数のロングピニオンギヤ(24p)と、前記複数のショートピニオンギヤ(23p)および前記複数のロングピニオンギヤ(24p)を回転自在に支持する前記キャリヤ(23c)とを含むラビニヨ式遊星歯車機構(25)であってもよい。
また、前記キャリヤ(23c)は、前記ショートピニオンギヤ(23p)に挿通されるショートピニオンシャフト(230)の一端と前記ロングピニオンシャフト(24p)に挿通されるロングピニオンシャフト(240)の一端とを支持する環状の第1シャフト支持部(231)と、前記ロングピニオンシャフト(240)の他端を支持する環状の第2シャフト支持部(232)と、前記第1シャフト支持部(231)と前記第2シャフト支持部(232)との軸方向における間に周方向に間隔をおいて配設されると共に、それぞれ前記ショートピニオンシャフト(230)の他端を支持する複数の第3シャフト支持部(233)と、周方向に間隔をおいて軸方向に延在し、それぞれ前記第1シャフト支持部(231)と対応する前記第3シャフト支持部(233)とを繋ぐ複数の第1ブリッジ部(234)と、周方向に間隔をおいて軸方向に延在し、それぞれ前記第2シャフト支持部(232)と対応する前記第3シャフト支持部(233)とを繋ぐ複数の第2ブリッジ部(235)とを有してもよく、前記環状部材(100)は、前記第1および第3シャフト支持部(231,233)並びに前記第1ブリッジ部(234)または前記第2および第3シャフト支持部(232,233)並びに前記第2ブリッジ部(235)を包囲するように前記キャリヤ(23c)に圧入により固定されてもよい。
これにより、第1、第2および第3シャフト支持部や第1および第2ブリッジ部の厚みの増加を抑えてキャリヤひいては遊星歯車機構の大型化や重量増を抑制しつつ、当該キャリヤの剛性を良好に確保することが可能となる。
更に、前記環状部材(100)は、内周面から径方向内側に突出する環状突部(101a)を有してもよく、前記第3シャフト支持部(231)の外周部には、前記環状部材(100)の前記環状突部(101a)が圧入される圧入面(233b)と、前記圧入面(233b)よりも前記第2シャフト支持部(232)側で径方向外側に突出すると共に該圧入面(233b)に沿って周方向に延在し、前記環状部材(100)により包囲される突部(233a)とが形成されてもよく、前記第2シャフト支持部(232)の外周部には、径方向外側に突出すると共に前記環状部材(100)により包囲される環状の突部(232a)が形成されてもよい。これにより、環状部材の圧入に際して、環状突部と圧入面との間で切屑(バリ)が生じたとしても、当該切屑を環状部材の環状突部と第3シャフト支持部の突部との間に留めておくことが可能となる。加えて、第2および第3シャフト支持部の突部がリブとして機能することから、第2および第3シャフト支持部ひいてはキャリヤ全体の剛性をより向上させることができる。
また、前記キャリヤ(23c)は、アルミニウムを主成分とする材料により一体成形されてもよく、前記環状部材(100)は、鉄を主成分とする材料により形成されてもよい。
更に、前記環状部材(100)の外周面には、回転センサの被検出部となる複数の凹部(102r)が周方向に間隔をおいて形成されてもよい。これにより、回転センサの被検出部を有する専用部材を用意する必要がなくなることから、遊星歯車機構の部品点数の増加を抑制することが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。