JP2018012770A - 親水撥油性共重合体、表面被覆材、被膜、被膜の製造方法 - Google Patents

親水撥油性共重合体、表面被覆材、被膜、被膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた親水性と撥油性を有する新規な材料、これを含有する表面被覆材および被膜、さらにその被膜の製造方法を提供する。【解決手段】側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位とを含む親水撥油性共重合体。表面被覆材は、上記の親水撥油性共重合体と、液体媒体とを含む。被膜は、基材の表面の少なくとも一部を被覆する被膜であって、上記の親水撥油性共重合体を含む。被膜の製造方法は、基材の表面の少なくとも一部に、上記の表面被覆材を塗布して塗布膜を形成する工程と、その塗布膜に含まれる液体媒体を除去する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、親水撥油性共重合体、表面被覆材、被膜、被膜の製造方法に関する。
物品の油汚れを防止する方法として、物品表面を、撥油性を有する表面被覆材で被覆する方法が知られている。撥油性を有する表面被覆材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素を含む炭化水素の重合体であるフッ素樹脂が広く用いられている。しかしながら、フッ素樹脂は撥水性が高いため、物品表面に付着した油汚れを水洗浄により洗い流すことが困難であるという課題があった。このため、油汚れを防止するための撥油性と、付着した油汚れを水洗浄するための親水性とを有する表面被覆材が望まれている。
特許文献1には、親水性、撥油性および滑水性を有する樹脂組成物として、炭素数1から18のペルフルオロアルキル(メタ)アクリル酸エステルと親水基含有モノマーを構成成分に含む共重合体を樹脂に配合した樹脂組成物が開示されている。
特開2008−297482号公報
前記特許文献1に開示されている共重合体は、親水基含有モノマーを構成成分として含むので親水性は向上するが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素樹脂と比較すると、撥油性が低くなり易い傾向があった。
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、優れた親水性と撥油性を有する新規な材料、これを含有する表面被覆材および被膜、さらにその被膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位とを有する共重合体は、優れた親水性と撥油性とを有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位とを含むことを特徴とする親水撥油性共重合体。
[2]前記側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位が、下記の一般式(1)または一般式(2)で表される構成単位のうちの少なくとも1種であり、前記側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位が下記の一般式(3)で表される構成単位であることを特徴とする前項1に記載の親水撥油性共重合体。
Figure 2018012770
上記の一般式(1)中、R 、R は、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表し、R は、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Rは、2価の連結基を表し、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。
Figure 2018012770
上記の一般式(2)中、R 、R 及びR は、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6で直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表し、Rは、2価の連結基を表し、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。
Figure 2018012770
上記の一般式(3)中、Rは、2価の連結基を表し、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、Xは、両性型の親水性賦与基を表す。
[3]前記側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位の含有量と、前記側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位の含有量との比が、モル比で3:97〜95:5の範囲にあることを特徴とする前項1または2に記載の親水撥油性共重合体。
[4]さらに、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位を、0.1モル%以上10モル%以下の範囲にて含むことを特徴とする前項1乃至3のいずれかの1項に記載の親水撥油性共重合体。
[5]前項1乃至4のいずれかの1項に記載の親水撥油性共重合体と、液体媒体とを含むことを特徴とする表面被覆材。
[6]基材の表面の少なくとも一部を被覆する被膜であって、前項1乃至4のいずれかの1項に記載の親水撥油性共重合体を含むことを特徴とする被膜。
[7]基材の表面の少なくとも一部に、前項5に記載の表面被覆材を塗布して塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜に含まれる液体媒体を除去する工程とを含むことを特徴とする被膜の製造方法。
本発明によれば、優れた親水性と撥油性を有する新規な材料、これを含有する表面被覆材および被膜、さらにその被膜の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態である親水撥油性共重合体の構造の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態である親水撥油性共重合体を含む被膜の乾燥状態の挙動を説明するための推定図である。 本発明の一実施形態である親水撥油性共重合体を含む被膜の水中での挙動を説明するための推定図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である親水撥油性共重合体について、それを含む表面被覆材と被膜、そしてその被膜の製造方法とともに詳細に説明する。
<親水撥油性共重合体>
図1に本発明の一実施形態である親水撥油性共重合体の構造の一例を示す模式図を示す。本実施形態の親水撥油性共重合体10は、主鎖11と、末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する撥油性の側鎖13と、末端に両性型の親水性賦与基14を有する親水性の側鎖15とを含む。主鎖11は後述する架橋単位16によって架橋されている。
撥油性の側鎖13の末端にある含窒素ペルフルオロ基12は、窒素原子の3つの結合手のうちの1つの結合手にペルフルオロアルキレン基が結合し、2つの結合手にペルフルオロアルキル基が結合している基を意味する。ペルフルオロアルキレン基は、連結基を介して主鎖11に接続している。2つのペルフルオロアルキル基は、直鎖状又は分岐状であってもよいし、互いに直接もしくは連結基を介して結合して環を形成してもよい。
親水性の側鎖15の末端にある両性型の親水性賦与基14は、アニオン性親水性基とカチオン性親水性基の両方を持つ基を意味する。両性型の親水性賦与基14の例としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミンオキシド型及びホスホベタイン型が挙げられる。
図2と図3は、基材20の表面に形成されている親水撥油性共重合体10を含む被膜21における親水撥油性共重合体10の側鎖の配向状態を示す推定図である。
図2は、大気30中、すなわち被膜21が水に触れていない状態での親水撥油性共重合体の側鎖の配向状態を示す推定図である。大気30中では、撥油性の側鎖13が被膜21の表面に配向することによって、含窒素ペルフルオロ基12による撥油性が発揮されて、被膜21の油汚れが予防されると推定される。本実施形態の親水撥油性共重合体10では、含窒素ペルフルオロ基12の窒素原子に結合している1つのペルフルオロアルキレン基と2つのペルフルオロアルキル基がそれぞれ撥油性を発揮するので、大気30中において優れた撥油性を示すと考えられる。
図3は、水31中、すなわち被膜21が水に触れている状態での親水撥油性共重合体10の側鎖の配向状態を示す推定図である。水31中では、親水性の側鎖15が被膜21の表面に配向することによって、両性型の親水性賦与基14による親水性が発揮されて、被膜21の水に対する濡れ性が向上すると推定される。水に対する濡れ性が向上することによって、被膜21の表面に付着した油汚れを水洗浄によって除去することが可能となると考えられる。
[親水撥油性共重合体10の構成単位]
次に、本実施形態の親水撥油性共重合体10を構成する構成単位ついて説明する。本実施形態の親水撥油性共重合体10は、末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する撥油性の側鎖13を構成する構成単位(即ち、側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位)と、末端に両性型の親水性賦与基14を有する親水性の側鎖15を構成する構成単位(即ち、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位)とを含む。
(側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位)
親水撥油性共重合体10に含まれる側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位は、下記の一般式(1)または一般式(2)で表される構成単位であることが好ましい。親水撥油性共重合体10は、下記の一般式(1)または一般式(2)で表される構成単位のうちの1種を単独で含んでいてもよいし、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
Figure 2018012770
上記の一般式(1)中、Rf、Rfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表す。Rf及びRfの炭素数は、それぞれ1〜4の範囲にあることがより好ましい。Rfは、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表す。Rfで表されるペルフルオロアルキレン基の炭素数は1〜4の範囲にあることがより好ましい。
Rf〜Rf中の、フッ素が結合している炭素の合計数は4〜18個の範囲であることが好ましい。フッ素が結合している炭素の合計数が4未満であると、撥油効果が不十分となることがあるために好ましくない。また、Rf、Rf及びRfの炭素数がそれぞれ1〜6の範囲にあると、生体蓄積性や環境適応性の点で問題視されているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)あるいはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を生成する懸念がない化学構造でありながら、優れた親水撥油性を付与することが可能である。
上記の一般式(1)中、Rは、2価の連結基を表す。2価の連結基の例としては、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基と酸素原子の組合せ、2価の炭化水素基とアミド基との組合せ、2価の炭化水素基とエステル基との組合せ、2価の炭化水素基とウレタン基(−NH−CO−O−)との組合せを挙げることができる。2価の炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。また、炭化水素基は鎖状炭化水素基であってもよいし、環状炭化水素基であってもよい。鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。炭化水素基の例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基およびこれらの組合せを挙げることができる。アルキレン基は、炭素数が1〜12の範囲にあることが好ましい。アルケニレン基は、炭素数が2〜12の範囲にあることが好ましい。アリーレン基は、炭素数が6〜12の範囲にあることが好ましい。アミド基は、カルボン酸アミド基(−CO−NH−)およびスルホンアミド基(−SO−NH−)を含む。エステル基は、カルボン酸エステル基(−CO−O−)およびスルホン酸エステル基(−SO−O−)を含む。アミド基およびウレタン基の窒素原子に結合している水素原子は、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
の具体例を、次に示す。
*−CO−(O−アルキレン基)−(aは、1〜10の数である。)
*−CO−NH−アルキレン基−
*−アルキレン基−O−CO−NH−アルキレン基−
*−アルキレン基−
*−アルキレン基−(O−アルキレン基)−(bは、1〜10の数である。)
なお、*は一般式(1)中のRfに結合する結合手を表す。
上記の一般式(1)中、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。Rは、水素原子もしくはメチル基であることが好ましい。
Figure 2018012770
上記の一般式(2)中、Rf、Rf及びRfは、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表す。Rf、Rf及びRfは、それぞれ炭素数が1〜4の範囲にあることがより好ましい。Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表す。イミノ基及びCF基の置換基の例としては、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基が挙げられる。
Rf〜Rf及びZ中の、フッ素が結合している炭素数の合計は4〜18個の範囲であることが好ましい。フッ素が結合した炭素数が4未満であると、撥油効果が不十分となることがあるために好ましくない。
上記の一般式(2)中、Rは、2価の連結基を表す。2価の連結基の例としては、前記の一般式(1)の場合と同じである。
上記の一般式(2)中、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。Rは、水素原子もしくはメチル基であることが好ましい。
側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位の含有量と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位の含有量との比は、モル比で3:97〜95:5の範囲にあることが好ましい。
(側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位)
親水撥油性共重合体10に含まれる側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位は、下記の一般式(3)で表される構成単位であることが好ましい。親水撥油性共重合体10は、下記の一般式(3)で表される構成単位のうちの1種を単独で含んでいてもよいし、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
Figure 2018012770
上記の一般式(3)中、Rは、2価の連結基を表す。2価の連結基の例としては、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基と酸素原子の組合せ、2価の炭化水素基とアミド基との組合せ、2価の炭化水素基とエステル基との組合せ、2価の炭化水素基とウレタン基(−NH−CO−O−)との組合せを挙げることができる。2価の炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。また、炭化水素基は鎖状炭化水素基であってもよいし、環状炭化水素基であってもよい。鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。炭化水素基の例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基およびこれらの組合せを挙げることができる。アルキレン基は、炭素数が1〜12の範囲にあることが好ましい。アルケニレン基は、炭素数が2〜12の範囲にあることが好ましい。アリーレン基は、炭素数が6〜12の範囲にあることが好ましい。アミド基は、カルボン酸アミド基(−CO−NH−)およびスルホンアミド基(−SO−NH−)を含む。エステル基は、カルボン酸エステル基(−CO−O−)およびスルホン酸エステル基(−SO−O−)を含む。アミド基およびウレタン基の窒素原子に結合している水素原子は、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
の具体例を、次に示す。
*−アルキレン基−O−CO−、
*−アルキレン基−NH−CO−、
なお、*は一般式(3)中のXに結合する結合手を表す。
上記の一般式(3)中、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。Rは、水素原子もしくはメチル基であることが好ましい。
上記の一般式(3)中、Xは、両性型の親水性賦与基を表す。Xの例としては、下記の一般式で表されるカルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミンオキシド型及びホスホベタイン型の親水性賦与基が挙げられる。なお、下記の式中、k、m、nは1〜5の数、R、R、Rは水素原子またはそれぞれ独立した炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐状のアルキル基を表す。
Figure 2018012770
Figure 2018012770
Figure 2018012770
Figure 2018012770
本実施形態の親水撥油性共重合体10において、側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位の含有量と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位の含有量との比は、親水撥油性共重合体10の親水性と撥油性とのバランスを考慮して適宜設定することができるが、一般にモル比で3:97〜95:5の範囲にある。
また、側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位とは、ランダムに結合していてもよいし、交互に結合していてもよいし、また同種の構成単位がブロックを形成していてもよい。
(多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位)
本実施形態の親水撥油性共重合体10は、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位を有していてもよい。この構成単位は、架橋単位16を構成する。
多官能(メタ)アクリレートは、一分子中に、2個以上、好ましくは2〜4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機化合物である。多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、一分子中に、2個以上、好ましくは2〜4個の(メタ)アクリロイルオキシ基と1個以上のウレタン結合(−O−CO−NH−)とを有する有機化合物である。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ基」の語は、アクリロイルオキシ基及びメタアクリロイルオキシ基の少なくとも一方を意味する。
多官能(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートが挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートの例としては、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートおよび多官能ウレタン(メタ)アクリレートは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。これらの多官能(メタ)アクリレートおよび多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、市販品として新中村化学工業(株)や共栄社化学(株)等から入手可能である。
多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位は、側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位とを2次元的にまたは3次元的に架橋させる作用を有する。このため、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位を有する親水撥油性共重合体は、基材への密着性、溶剤への耐溶出性、親水撥油性や防汚性の持続性も硬さ、感触などの種々の性質を必要に応じて改善することができる。多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位の含有量は、0.1モル%以上10モル%以下の範囲にあることが好ましく、0.1モル%以上5モル%以下の範囲にあることがより好ましい。この構成単位の含有量が少なくなりすぎると上記の作用効果を得ることができないおそれがある。一方、この構成単位の含有量が多くなりすぎると、相対的に側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基12を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基14を有する構成単位の含有量が少なくなり、親水性および撥油性などの特性が低下するおそれがある。
(その他の構成単位)
また、溶媒溶解性の調節や、基材との密着性をさらに高めるために、共有結合やイオン結合および水素結合を形成し得る官能基を有する非フッ素系不飽和化合物をさらに共重合させてもよい。非フッ素系不飽和化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸無水物、グリシジル基またはイソシアナート基を有する非フッ素系不飽和化合物であれば特に限定されない。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。非フッ素系不飽和化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を組合せて使用してもよい。
(親水撥油性共重合体10の分子量)
本実施形態の親水撥油性共重合体10の分子量は、質量平均で、1000〜1000000の範囲とすることが好ましく、5000〜500000の範囲とすることがより好ましい。ここで、分子量が1000未満であると所望の特性が発現しないため好ましくない。一方、1000000を超えると溶剤への溶解性が低下するため好ましくない。
[親水撥油性共重合体10の合成方法]
親水撥油性共重合体10は、例えば、含窒素ペルフルオロ基12を有する含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと、両性型の親水性賦与基14を有する両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとを重合させることによって合成することができる。
含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートとしては、下記の一般式(4)または一般式(5)で表される化合物が挙げられる。また、両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとしては、下記の一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018012770
Figure 2018012770
Figure 2018012770
なお、上記の一般式(4)中、R 、R 、R 、RおよびRの定義は、前記の一般式(1)の場合と同じである。上記の一般式(5)中、R 、R 、R 、Z、RおよびRの定義は、前記の一般式(2)の場合と同じである。上記の一般式(6)中、R、RおよびXの定義は、前記の一般式(3)の場合と同じである。
含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと、両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとを重合させる方法としては、溶液重合法および乳化重合法を用いることができる。
(溶液重合法)
溶液重合法では、重合開始剤の存在下、単量体である含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと、両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとを有機溶剤に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で3〜24時間加熱撹拌する方法が採用される。
重合開始剤としては、具体的には、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2‘−アゾビス(プロパン−2−カルボアミジン)・二塩酸、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤は、単量体100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で用いることが好ましく、0.01〜10質量部の範囲がより好ましい。
有機溶剤としては、単量体に不活性でこれらを溶解するものであれば、特に限定されるものではない。このような有機溶剤としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、トリフルオロエタノール等のアルコール類、アセトン、クロロホルム、HCHC−225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。有機溶媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の割合で配合して使用してもよい。有機溶剤は、単量体の合計100質量部に対して、50〜2000質量部の範囲で用いることが好ましく、50〜1000質量部の範囲で用いることがより好ましい。
有機溶媒に、任意成分として連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤の例としては、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、ステアリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のチオール系、亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等のリン系、イソプロピルアルコール等の2級アルコール等が挙げられる。連鎖移動剤の添加量は、例えば、単量体の合計100質量部に対して0.01〜10質量部であり、より好ましくは0.01〜5質量部である。連鎖移動剤の添加量が0.01質量部未満であると、添加効果が十分に得られないおそれがある。一方、連鎖移動剤の添加量が10質量部を超えると、得られる親水撥油性共重合体10の分子量の低下が大きくなり、被膜が水に溶出し易くなったり密着強度が低下するおそれがある。
(乳化重合法)
乳化重合では、重合開始剤および乳化剤の存在下で、単量体である含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと、両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとを水中に乳化させ、窒素置換後、50〜80℃の範囲で1〜24時間、撹拌して共重合させる方法が採用される。
重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、2,2‘−アゾビス(プロパン−2−カルボアミジン)・二塩酸、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性のものやアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの油溶性のものが用いられる。重合開始剤は、単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲で用いられる。
乳化重合法の場合も、上記の溶液重合法と同様に、水に、任意成分として連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤の例および使用量は、乳化重合法の場合と同様である。
<表面被覆剤>
次に、本実施形態の表面被覆剤について説明する。
本実施形態の表面被覆剤は、上述の親水撥油性共重合体10と、液体媒体とを含む。液体媒体としては、有機溶媒、水、およびこれらの混合物を挙げることができる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール等のアルコール系溶媒やヘキサフルオロイソプロピレンのようなフッ素系溶媒が挙げられる。表面被覆剤は、溶液、エマルション、またはエアゾールの形態であることが好ましい。表面被覆剤の親水撥油性共重合体10の濃度は、一般に、0.01〜50重量%の範囲である。
さらに、本実施形態の表面被覆剤は、上述した親水撥油性共重合体10以外に、他の表面処理剤(例えば、撥水剤や撥油剤)、あるいは、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤などを含有していてもよい。
<被膜>
次に、本実施形態の被膜について説明する。
本実施形態の被膜は、基材の表面の少なくとも一部を被覆する被膜であって、上述した親水撥油性共重合体10を含む。
本実施形態の被膜で被覆される基材としては、特に限定されないが、ガラス、樹脂、金属、セラミックス、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、紙、皮革、それらの組合せ、それらの構造体、積層体等を用いることができる。
繊維としては、種々の例を挙げることができる。具体的には、例えば、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。また、繊維の生地の種類としては、織布、不織布、編物であってもよい。
また、基材は、ガラス、樹脂、金属、セラミックスからなる連続気孔を有する多孔質体または多孔質膜であってもよい。
<被膜の製造方法>
本実施形態の被膜の製造方法は、基材の表面の少なくとも一部に、前述の表面被覆材を塗布して塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜に含まれる溶媒を除去する工程とを含む。
基材と親水撥油性共重合体10との接着性を向上させるために、表面被覆材を塗布する前の基材にプライマー処理を施してもよい。基材のプライマー処理の方法としては、公知の方法を適用することができる。例えば、基材が鋼材の場合は、表面にリン酸塩処理やクロメート処理を施し、その上に、エポキシプライマーや、無水マレイン酸変性ポリオレフィンやポリオレフィンプライマーを積層する方法がある。また、ポリイソシアネートやイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを硬化性成分として含有するプライマーを直接塗布する方法もある。基材がポリプロピレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネートなどの合成樹脂の場合にも無水マレイン酸で変性処理されたポリオレフィンなどがプライマーとして使用できる。
また、基材の下地処理として、ポリエステル樹脂やポリオレフィン系樹脂などの場合、酸やアルカリ、フッ素ガス等による化学的処理や、プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン処理等の表面処理を施しておいてもよい。
表面被覆剤は、公知の方法により基材に塗布することができる。表面被覆材の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、バーコーティング、ダイコーティング、スピンコートが挙げられる。
塗布膜に含まれる溶媒を除去する方法としては、加熱法、減圧法、加熱減圧法が挙げられる。
得られた被膜は、必要に応じて、基材の表面温度が80〜180℃となるようにキュアリングを行ってもよい。
<実施例1>
(1)含窒素ペルフルオロ基含有メタクリレートの合成
滴下ロートを備えた三口フラスコに、ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成株式会社製)30.5gとアセトニトリル200mLとを投入した。次いで、滴下ロートに、(CNCHCH(CH)COCHの電解フッ素化によって得られる、(CNCFCF(CF)COF(純度70%)157.4gを入れ、室温で徐々に滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌した。
撹拌終了後、得られた反応液を水と1M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。次いで、反応液にクロロホルムを加え、クロロホルム層を分液した。得られたクロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いでロータリーエバポレーターにより濃縮した。得られた濃縮物を、減圧蒸留することで下記の式(7)で表される含窒素ペルフルオロ基含有メタクリレートを得た(収量:57.5g、収率:45%)。
Figure 2018012770
(2)親水撥油性共重合体の合成
窒素導入管を備えた三口フラスコに、含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートとして、上記(1)にて合成した式(7)で表される含窒素ペルフルオロ基含有メタクリレート2.6g、両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとして、下記の式(8)で表されるホスホベタイン型親水性賦与基含有メタクリレート(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、東京化成社製)1.0g、エタノール15mL、そしてアゾビスイソブチロニトリル0.036gをそれぞれ投入した。なお、含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと両性型親水性賦与基含有メタクリレートの投入量のモル比は、51:49である。
次いで、三口フラスコ内のエタノール中に窒素を10分間吹き込んだ後、70℃で21時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を、アセトンに投入して再沈殿させることで、白色固体の親水撥油性共重合体を得た(収量:3.0g)。
Figure 2018012770
<実施例2>
親水撥油性共重合体の合成
窒素導入管を備えた三口フラスコに、含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートとして、上記実施例1の(1)にて合成した式(7)で表される含窒素ペルフルオロ基含有メタクリレートを0.49g、両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートとして、下記の式(9)で表されるスルホベタイン型親水性付与基含有(メタ)アクリレート([2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、アルドリッチ社製)を3.4g、エタノールを25mL投入した。なお、含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと両性型親水性賦与基含有メタクリレートの投入量のモル比は、5:95である。
次いで、三口フラスコ内のエタノール中に窒素を10分間吹き込んだ後、アゾビスイソブチロニトリルを0.11g加え70℃で18時間反応させた。次いで、重合物が析出しているのを確認した後、水20gを加えて撹拌した。撹拌終了後、水をデカンテーションにより除去して、残渣を60℃で減圧乾燥させ、白色固体の親水撥油性共重合体を得た(収量:2.84g)。
Figure 2018012770
実施例1、2において、親水撥油性共重合体の合成に使用した含窒素ペルフルオロ基含有(アルキル)アクリレートと両性型親水性賦与基含有(アルキル)アクリレートの種類とモル比、得られた親水撥油性共重合体の水溶解性を、表1に示す。なお、水溶解性は、下記の方法により測定した。
(水溶解性の測定方法)
親水撥油性共重合体を0.01g秤量し蒸留水を加えて100gとしたもの(0.01質量%相当)と、0.02g秤量し蒸留水を加えて20gとしたもの(0.1質量%相当)について、室温(22±1℃)下、15分間超音波照射後の溶解状態を目視にて判定した。完全に溶けていれば溶解とし、溶け残りがあれば未溶解とした。
<親水撥油性の評価>
実施例1、2にて合成した親水撥油性共重合体を用いて、親水撥油性評価用試料(被膜付き基材)を作製し、作製した親水撥油性評価用試料の被膜の親水撥油性を評価した。親水撥油性は、静的接触角、水中接触角、親水持続性、撥油持続性の各特性を測定することによって評価した。その評価結果を表2に示す。
親水撥油性評価用試料の作製方法と、各特性の測定方法を次に示す。
(実施例1の親水撥油性評価用試料の作製)
実施例1で合成した親水撥油性共重合体を、エタノールに溶解させて、親水撥油性共重合体の濃度が0.5質量%の表面被覆材を調製した。基材としてソーダガラス板を用意した。ソーダガラス板は、予め蒸留水洗浄とアセトン洗浄を行ない、乾燥した。このソーダガラス板の上に、調製した表面被覆材約0.5mLを滴下した後、1000rpmの回転速度で5秒間、2000rpmの回転速度で20秒間の条件にてスピンコートして塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を90℃で15分間加熱し、塗布膜に含まれるエタノールを乾燥させて、実施例1の親水撥油性評価用試料を作製した。
(実施例2の親水撥油性評価用試料の作製)
実施例2で合成した親水撥油性共重合体を、トリフルオロエタノールに溶解させて、親水撥油性共重合体の濃度が1.0質量%の表面被覆材を調製した。基材としてSUS430板を用意した。SUS430板は、予め蒸留水洗浄とアセトン洗浄を行ない、乾燥した。このSUS430板の上に、調製した表面被覆材約2mLを滴下した後、200rpmの回転速度で5秒間、1000rpmの回転速度で10秒間の条件にてスピンコートして塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を室温で1時間、120℃で2時間加熱して、塗布膜に含まれるトリフルオロエタノールを乾燥させて実施例2の親水撥油性評価用試料を作製した。
(静的接触角の測定方法)
測定装置には自動接触角計(協和界面科学社製、Drop Master 701)を使用した。親水撥油性評価用試料の被膜の表面に、蒸留水及びn−ヘキサデカンを各々2μLずつ滴下して、室温(22±1℃)下、被膜表面と液滴との接触部位で形成される角度(単位:度)を測定した。
(水中接触角の測定)
測定装置には自動接触角計(協和界面科学社製、Drop Master 701)を使用した。
室温(22±1℃)下、親水撥油性評価用試料を、被膜が下を向くように水中に配置した。次いで、親水撥油性評価用試料の被膜の表面(下面)に、注射器でn−ヘキサデカン2μLを接触させ、被膜表面とn−ヘキサデカン液滴との接触部位で形成される角度(単位:度)を測定した。この水中接触角が大きいほど、水中での被膜の撥油性が高く、親水性が高いことを意味する。
(親水持続性)
親水撥油性評価用試料の被膜表面を、蒸留水で濡らした不織布(旭化成製、商品名:ベンコットM3−II)を用いて往復で100回拭いた後、被膜を乾燥した。その後、親水撥油性評価用試料の被膜の上に、蒸留水を2μL滴下して、蒸留水の静的接触角を測定した。初期(不織布で拭く前)の静的接触角に対して、測定した静的接触角の変化が10度以下であったものを「○」とし、静的接触角の変化が10度を超えたものを「×」とした。
(撥油持続性)
親水撥油性評価用試料の被膜表面を、蒸留水で濡らした不織布(旭化成製、商品名:ベンコットM3−II)を用いて往復で100回拭後、被膜を乾燥した。その後、親水撥油性評価用試料の被膜の上に、n−ヘキサデカンを2μL滴下して、n−ヘキサデカンの静的接触角を測定した。初期(不織布で拭く前)の静的接触角に対して、測定した静的接触角の変化が10度以下であったものを「○」とし、静的接触角の変化が10度を超えたものを「×」とした。
<比較例1>
ポリテトラフルオロエチレン製のテストピース(株式会社スタンダードテストピース製)を用意した。このテストピースを、洗剤で洗浄し、次いで蒸留水で濯ぎ、エチルアルコールでかけ洗いした後に室温下で乾燥して比較例1の試料とした。この比較例1の試料について、静的接触角、水中接触角を測定した。その結果を表2に示す。
<密着性の評価>
実施例1、2にて合成した親水撥油性共重合体を用いて、密着性評価用試料(被膜付き基材)を作製し、作製した密着性評価用試料の被膜と基材との密着性を評価した。その評価結果を表2に示す。
密着性評価用試料の作製方法と、密着性の評価方法を次に示す。
(密着性評価用試料の作製)
実施例1、2で合成した親水撥油性共重合体をそれぞれエタノールに溶解させて、親水撥油性共重合体の濃度が0.5質量%の表面被覆材を調製した。基材としてアクリル板を用意した。アクリル板は、予め洗剤で洗浄した後、蒸留水で濯ぎ、乾燥した。このアクリル板の上に、調製した表面被覆材約0.5mLを滴下した後、1000rpmの回転速度で5秒間、2000rpmの回転速度で20秒間の条件にてスピンコートして塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を90℃で15分間加熱し、塗布膜に含まれるエタノールを乾燥させて、密着性評価用試料を作製した。
(密着性の評価方法)
密着性は、碁盤目試験により評価した。すなわち、密着性評価用試料の被膜に、基材のアクリル板まで到達する切込みを1mm間隔で11本入れた後、90度向きを変えてさらに切込みを1mm間隔で11本入れて、100マスの格子パターンを形成した。次いで、切り込みを入れた被膜の表面に、約50mm付着するようにセロハン粘着テープを貼り付け、そのテープを指の腹でこすって被膜に押し付けた。テープを押し付けてから1〜2分後にテープの端を持って被膜との角度を直角に保ちながら、テープを瞬間的にひき剥がした。そして、テープをひき剥がした後の被膜の表面を目視で観察し、被膜が剥がれたマス目の数を計測した。
Figure 2018012770
Figure 2018012770
表2に示す評価結果から、本発明に従う親水撥油性共重合体を含む表面被覆材を用いて作製した被膜は、いずれも撥油性性樹脂として代表的なポリテトラフルオロエチレンと比較して、親水性と撥油性とに優れていることが確認された。また、基材との密着性が良好で、親水持続性と撥油持続性とにも優れていることが確認された。
本発明による親水撥油性重合体は樹脂、ガラスおよび金属等の表面被覆剤として有用であり、防油性と易洗浄性に優れた塗布膜を形成できるので、防汚塗料等の分野で使用できる。例えば、樹脂、ガラスおよび金属等からなるフィルム、ボードおよび繊維等の表面被覆剤として有用である。具体的には厨房、レンジフード、耐油汚染保護衣・同保護具などに応用できる。また、不織布やガラス繊維などの繊維集合体や連続気孔を有する多孔質体や多孔質膜の表面に当該塗布膜を形成させることで、油水混合液から水と油を容易に分離できる油水分離フィルターとしても使用できる。
10 親水撥油性共重合体
11 主鎖
12 含窒素ペルフルオロ基
13 撥油性の側鎖
14 両性型の親水性賦与基
15 親水性の側鎖
16 架橋単位
20 基材
21 被膜
30 大気
31 水

Claims (7)

  1. 側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位と、側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位とを含むことを特徴とする親水撥油性共重合体。
  2. 前記側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位が、下記の一般式(1)または一般式(2)で表される構成単位のうちの少なくとも1種であり、前記側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位が下記の一般式(3)で表される構成単位であることを特徴とする請求項1に記載の親水撥油性共重合体:
    Figure 2018012770
    上記の一般式(1)中、R 、R は、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表し、R は、炭素数1〜6であって直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Rは、2価の連結基を表し、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す:
    Figure 2018012770
    上記の一般式(2)中、R 、R 及びR は、それぞれ同一または互いに異なる、炭素数1〜6で直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、置換基を有していてもよいイミノ基及び置換基を有していてもよいCF基のいずれかを表し、Rは、2価の連結基を表し、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す:
    Figure 2018012770
    上記の一般式(3)中、Rは、2価の連結基を表し、Rは、水素原子もしくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、Xは、両性型の親水性賦与基を表す。
  3. 前記側鎖の末端に含窒素ペルフルオロ基を有する構成単位の含有量と、前記側鎖の末端に両性型の親水性賦与基を有する構成単位の含有量との比が、モル比で3:97〜95:5の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の親水撥油性共重合体。
  4. さらに、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能ウレタン(メタ)アクリレートから誘導された構成単位を、0.1モル%以上10モル%以下の範囲にて含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの1項に記載の親水撥油性共重合体。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの1項に記載の親水撥油性共重合体と、液体媒体とを含むことを特徴とする表面被覆材。
  6. 基材の表面の少なくとも一部を被覆する被膜であって、請求項1乃至4のいずれかの1項に記載の親水撥油性共重合体を含むことを特徴とする被膜。
  7. 基材の表面の少なくとも一部に、請求項5に記載の表面被覆材を塗布して塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜に含まれる液体媒体を除去する工程とを含むことを特徴とする被膜の製造方法。
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