JP2018012628A - ガラスの製造方法 - Google Patents

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優大 片上
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Abstract

【課題】溶融ガラスの異なる部分間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を未然に防ぐ方法を提供する。【解決手段】ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、前記金属部材間に印加される交流電圧を、以下の式で求められるΔθが5°以下となるように調整することを特徴とする。Δθ=|θ1−θ2|θ1:印加交流電圧0.05V以下における電圧位相に対する電流位相の差θ2:設定する印加電圧における電圧位相に対する電流位相の差【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスの製造工程において発生する電気化学的な気泡の形成を抑制あるいは防止する方法に関する。
ガラス製造工程では溶融ガラスを加熱するために、溶解槽内に挿入した電極による直接通電加熱や、フィーダー、成形装置等への通電加熱が使用される場合がある。しかしながら、溶融ガラスが通電加熱されている場合、溶融ガラスの異なる金属部材間で電位差が生じると、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成され、正極に相当する金属/溶融ガラス界面で気泡が発生することがある。このような気泡がガラス製造工程の下流域、より具体的には清澄領域より下流側で発生した場合、気泡が浮上して脱泡するための十分な時間が得られないため、製品中に泡欠陥として残留してしまう。
特許文献1では、交流電流密度及び直流電流密度をモニタリングし、気泡が発生する直流電流密度以下となるような直流電流を相殺する補償直流電流を印加する方法等が記載されている。
特許第5863836号公報
しかしながら、交流電圧の周波数が低い領域においては、直流電流が生じていない場合においても、印加する電圧によって気泡が発生するおそれがある。
本発明の目的は、溶融ガラスの異なる部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を未然に防ぐ方法を提供することである。
本発明者は、気泡が形成される交流電圧が、電圧位相に対する電流位相の差の変化によって求められることを見出し、本発明を提案するに至った。詳述すると、溶融ガラスに印加する交流電圧が小さい時には、電圧位相に対して位相差の大きい電気二重層コンデンサの充電電流のみが流れる。これに対して、印加する交流電圧が大きくなると、充電電流に加えて、電圧位相に対して位相差の小さい式1の反応に基づくファラデー電流が流れ始め、この反応が進行すると気泡を生成する。充電電流のみが流れているときには、電流は電圧よりも位相が進んでおり、電圧位相に対する電流位相の差はほぼ一定である。しかしながら、ファラデー電流が流れ始めると電圧位相に対する電流位相の差は次第に小さくなる。つまり、電圧位相に対する電流位相の差の変化量が小さくなると、式1の反応に基づく泡が発生する。
2− → 0.5O + 2e ・・・式1
以上の知見に基づく本発明のガラスの製造方法は、ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、前記金属部材間に印加される交流電圧を、以下の式2で求められるΔθが5°(0.0873rad)以下となるように調整することを特徴とする。なお本発明において「金属部材」とは、ガラス製造装置を構成する金属製部材を意味する。「金属部材間の交流電圧」とは、ガラス製造設備を構成する複数の金属部材のうち、少なくとも2つの部材間における交流電圧を意味する。「電圧位相に対する電流位相の差」は、ガラス製造設備を構成する複数の金属部材のうち、少なくとも2つの部材間に流れる交流の電流波形と電圧波形を測定することにより求めることができる。
Δθ=|θ−θ| ・・・式2
θ:印加交流電圧0.05V以下における電圧位相に対する電流位相の差
θ:設定する印加電圧における電圧位相に対する電流位相の差
本発明においては、交流の周波数が1000Hz以下であることが好ましい。
本発明においては、金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金からなることが好ましい。
本発明においては、溶融、清澄及び成形領域を含み、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接していることが好ましい。
上記構成とすれば、気泡を除去し難い領域における気泡の発生を効果的に防止できる。
本発明においては、清澄領域より下流側でθ1及びθを測定することが好ましい。
上記構成によれば、清澄領域より下流側の気泡の発生を抑制したい場合に、より正確な交流電圧の閾値を求めることができる。
本発明においては、金属部材間に印加される交流電圧が0.23V以下となるように調整することが好ましい。
本発明によれば、電気化学的な反応によって発生する気泡を簡便に防止、抑制することができる。
溶融ガラスの電流波形及び電圧波形を測定する実験装置を示す概略説明図である。
以下、本発明について詳述する。ただし以降の記載は本発明を限定するものではない。
本発明のガラスの製造方法においては、溶融、清澄及び成形領域を含み得る。
溶融領域とは、ガラス原料やガラスカレットをガラス化、溶融する領域である。連続溶融炉においては、この領域は一般に溶解槽が該当する。
清澄領域とは、溶融ガラスの温度を上昇させることにより、溶融ガラス中に含まれる気泡を拡大、浮上させて除去する領域であり、連続溶融炉においては、一般にホットスプリングあるいはホットスポットが該当する。通常はこの領域が最も高温となる。またこの領域より下流側では、溶融ガラスに含まれる気泡が浮上して脱泡するための時間が不十分であることから、清澄領域より下流側で気泡が発生しないようにすることが求められる。
成形領域とは、溶融ガラスを均質化し、また成形に適した粘度となるように調整した後、所定の形状に成形する領域である。連続溶融炉においては、一般にフィーダー、撹拌槽、成形装置等が該当する。
本発明の製造方法は、その製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接することを特徴とする。連続溶融炉においては、ガラスに通電したり、ガラスの汚染を防止したりする等の目的から、Pt、Rh、Ir、Mo、W等の金属、或いはこれらの合金で作製される耐熱性の金属部材が多用される。また金属部材としては、具体的には溶解槽内に設置される電極、撹拌槽やフィーダーの壁面、スターラー、ガラスの移送装置、成形装置等が例示される。溶融ガラスが通電加熱されている場合、金属部材間で電位差が生じ、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成され易い。電気的な回路が形成されると、以下の反応が生じて正極側となる部分で気泡が生じ得る。
正極側: O2− → 0.5O + 2e
負極側: 0.5O + 2e → O2−
清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接して交流電圧が生じる例としては、例えば撹拌槽壁面と撹拌槽内部に設けられるスターラーとの間、フィーダーの互いに絶縁された壁面間、ガラスの移送装置と成形装置との間等である。既述の通り、清澄領域より下流側では気泡を除去し難いことから、上記金属部材間での交流電圧が大きくならないようにすることが、ガラス製品の泡品位を向上させる上で極めて重要となる。
本発明の製造方法は、金属部材間に印加される交流電圧を、泡が発生しないレベルに調整することを特徴とする。泡が発生しないレベルに調整するには、以下の式2を用いてΔθが5°(0.0873rad)以下、好ましくは4°(0.0698rad)以下となるように交流電圧を設定すればよい。なおθやθは、溶融ガラスの電流波形及び電圧波形から求めることができる。電流波形及び電圧波形は市販のオシロスコープで測定することができる。
Δθ=|θ−θ| ・・・式2
θ:印加交流電圧0.05V以下(より具体的には0.02V)における電圧位相に対する電流位相の差
θ:設定する印加電圧における電圧位相に対する電流位相の差
交流電圧の調整箇所となる、溶融ガラスの電流波形及び電圧波形の測定箇所は特に限定されるものではないが、気泡の発生場所を抑制したい位置で測定することが望ましい。特にフィーダーと呼ばれる製造工程の下流域で発生した泡は浮上の機会を得ず製品に流出するため、フィーダーで電流波形及び電圧波形を測定することが望ましい。
本発明においては、周波数が低くなるほど気泡が容易に生成するため、交流の周波数が低いほど本発明の効果を享受できる。交流の周波数は1000Hz以下、500Hz以下、特に200Hz以下とすることが好ましい。交流の周波数が大きくなり過ぎると設備への費用負担が増加する。
本発明においては、金属部材間に印加される交流電圧が0.23V以下となるように調整することが好ましい。金属部材間に印加される交流電圧が大きくなり過ぎると容易に泡が発生する。
本発明の方法で製造されるガラスの種類は特に限定されない。例えばソーダライムガラス、Eガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等種々のガラスを製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1は本実施例で使用するガラス(組成A)を示している。また図1は本実施例の実験装置の概略を表している。
まず表1の組成のガラスカレットをアルミナ坩堝1に投入し、1250℃で30分溶融した。
続いて作用極2として直径0.6mm、長さ25mmの白金線を、対極3として幅25mm、長さ30mm(浸漬長25mm)の白金板を、参照極4として直径0.6mm、長さ25mmの2本の白金線を編んだものをそれぞれ溶融ガラスG中に設置した。交流電圧印加時の電流波形及び電圧波形をポテンショスタット5に接続したオシロスコープから取り込んだ。インピーダンス及び位相は交流インピーダンス法によって測定した。測定時の初期電位は0Vであり、交流電圧は0.02〜0.30V、周波数は60Hzとした。またθとして印加交流電圧0.02Vにおける電圧位相に対する電流位相の差をθとし、0.08〜0.30Vの印加電圧における電圧位相に対する電流位相の差をθとした。
このようにして得られたθ−θの絶対値と発泡状態の関係を表2に示す。なお、作用極2の白金線上に目視で泡が観察された場合に「発泡あり」と判定した。
表2から、θ−θの絶対値が6°(0.1047rad)以上になると、作用極2で発泡することが分かる。またこの時に印加されていた交流電圧は0.24V以上であった。
本発明の方法は、電気化学的な反応によって発生する気泡を、交流電圧の調整によって防止、抑制できることから、溶融ガラスの加熱に交流電圧を使用するガラスの製造方法に好適に適用できる。
1 アルミナ坩堝
2 作用極(白金線)
3 対極(白金板)
4 参照極(白金線)
5 ポテンショスタット
G 溶融ガラス

Claims (6)

  1. ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、前記金属部材間に印加される交流電圧を、以下の式で求められるΔθが5°以下となるように調整することを特徴とするガラスの製造方法。
    Δθ=|θ−θ
    θ:印加交流電圧0.05V以下における電圧位相に対する電流位相の差
    θ:設定する印加電圧における電圧位相に対する電流位相の差
  2. 交流の周波数が1000Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラスの製造方法。
  3. 金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスの製造方法。
  4. 溶融、清澄及び成形領域を含み、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスの製造方法。
  5. 清澄領域より下流側でθ1及びθを測定することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラスの製造方法。
  6. 金属部材間に印加される交流電圧が0.23V以下となるように調整することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラスの製造方法。
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