JP2005225738A - ガラスの電気加熱方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、アンチモン濃度を低減させることなく、モリブデン電極の侵食を防止することができるガラスの電気加熱方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】溶解槽10の底部には、複数のモリブデン電極22、22…が設けられている。モリブデン電極22、22…は、交流電源24に接続されており、交流印加が施される。また、モリブデン電極22と対極電極26との電位差が、基準電極を基準として−1.8V未満になるようにモリブデン電極22の負極直流電気印加が施される。
【選択図】図1

Description

本発明はガラスの電気加熱方法及び装置に係り、特に陰極線管用ガラス物品等の製造におけるガラスの電気加熱方法及び装置に関する。
ガラス製造では、ガラス融液の加熱源として一般にバーナーが用いられているが、バーナーによる加熱以外に溶融ガラス中の電極に直接電気を流して加熱する方法がある(特許文献1参照)。この方法は、例えばモリブデン電極をガラス融液中に浸漬して電圧を印加することによって、溶融ガラスを加熱する。
ところで、モリブデン電極をガラス融液中に浸漬すると、モリブデン電極はガラス中のアンチモン、砒素、鉛、ニッケル等の陽イオンにより酸化され、侵食されることが知られている。そこで、本願発明の発明者がモリブデン電極の侵食原因についてさらに調べたところ、モリブデン電極の侵食の主な原因はアンチモンによる酸化であることが明らかになった。よって、モリブデン電極の侵食を抑制するためには、ガラス中のアンチモン濃度を低減することが望まれる。
特開平9−315824号公報
しかしながら、アンチモンはガラスの清澄剤(脱泡剤)であるため、アンチモン濃度を低減すると、溶融ガラスに泡が発生しやすくなり、製品の歩留まりが低下するおそれがある。したがって、アンチモン濃度の低減と歩留まりの向上を両立させることは難しく、アンチモン濃度を低減させることなく、モリブデン電極の侵食を防止することが望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、アンチモン濃度を低減させることなく、モリブデン電極の侵食を防止することができるガラスの電気加熱方法及び装置を提供することを目的とする。特に、陰極線管用ガラス物品製造において適正条件を明らかにすることによって、モリブデン電極の侵食を防止できるガラスの電気加熱方法及び装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は前記目的を達成するために、モリブデン電極を用いてガラス融液を加熱するガラスの電気加熱方法において、前記モリブデン電極の負極直流電位印加を行うことを特徴とする。
本発明によれば、モリブデン電極の負極直流電位印加を行うことにより、モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成される。このMo5 Si3 の膜によって、モリブデン電極の侵食を防止することができる。ここで、モリブデン電極の負極直流電位印加とは、モリブデン電極を負極側とした直流電位の印加をいう。
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記ガラス融液はアンチモンイオンを含むことを特徴とする。本発明によれば、アンチモン濃度を低減させることなく、モリブデン電極の侵食を防止することができる。
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記負極直流電位印加は、基準電極に対して直流電位を−1.8V未満にすることを特徴とする。本発明によれば、基準電極に対して−1.8V未満の負極直流電位印加を行うようにしたので、モリブデン電極の侵食を効果的に防止できる。なお、上記の直流電位は−1.8V未満が好ましく、−2.0V以下がより好ましい。
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、モリブデン電極に交流電流を印加するとともに、該交流電流の電流密度(すなわち、電極間の電流を電極表面積で除した値)が2A/cm2 以下であることを特徴とする。
電流密度が2A/cm2 を超えた交流電流を印加すると、モリブデン電極の表面温度が上昇してMo5 Si3 の膜が形成されにくくなる。よって、本発明によれば、電流密度が2A/cm2 以下の交流電流を印加するようにしたので、モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成され、モリブデン電極の侵食を防止することができる。なお、上記の電流密度は、2A/cm2 以下が好ましく、1A/cm2 以下がより好ましく、0.7A/cm2 以下がさらに好ましい。
請求項5の発明は請求項1〜4のいずれか1の発明において、前記モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されるので、モリブデン電極の侵食を防止することができる。
請求項6の発明は請求項5の発明において、前記Mo5 Si3 の膜の表面にMoSi2 の膜が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、MoSi2 とMo5 Si3 の二層膜が形成されるので、モリブデン電極の侵食をより効果的に防止することができる。
請求項7の発明は前記目的を達成するために、モリブデン電極を用いてガラス融液を加熱するガラスの電気加熱装置において、前記モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されるので、モリブデン電極の侵食を防止することができる。
請求項8の発明は請求項7の発明において、前記Mo5 Si3 の膜の表面にMoSi2 の膜が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、MoSi2 とMo5 Si3 の二層膜が形成されるので、モリブデン電極の侵食をより効果的に防止することができる。
本発明に係るガラスの電気加熱方法及び装置によれば、モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されるので、モリブデン電極の侵食を防止することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るガラスの電気加熱方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明が適用されたガラス溶融炉の平面図であり、図2はその正面図である。
図1及び図2に示すように、ガラス溶融炉は主として、溶解槽10、及び冷却槽12で構成され、溶解槽10と冷却槽12はスロート14によって連通されている。溶解槽10には、冷却槽12の反対側から原料が供給されるようになっている。そして、溶解槽10の側面には、原料を加熱するための燃焼バーナー16が数基設置されており、この燃焼バーナー16から燃焼火炎を発生させることによって溶解槽10内の原料が加熱される。この燃焼熱と、後述する通電によるジュール発熱によって、溶解槽10内の原料が高温溶融されてガラス融液となる。ガラス融液は、溶解槽10内の温度勾配によって対流、循環され、溶解、清澄が成される。溶解槽10内のガラス融液は、スロート14を介して冷却槽12に送られる。
冷却槽12では、ガスバーナー等の加熱や冷却空気等の冷却によって、ガラス融液の温度調節が行われる。この冷却槽12には複数本のフィーダ18、18…が接続されており、冷却槽12で温度調節されたガラス融液がフィーダ18に送られるようになっている。フィーダ18に送られたガラス融液は、ガス燃焼や空冷等によって成型可能な温度まで温度調節された後、成型工程に供給される。
また、冷却槽12には、オーバーフローと呼ばれる流量調節用フィーダ20が接続されており、ガラス融液の流量を調節できるようになっている。なお、流量調節用フィーダ20は溶解槽10に設けてもよい。
ところで、溶解槽10の底部には、複数のモリブデン電極22、22…が設けられている。モリブデン電極22、22…は、交流電源24に接続されており、直接印加を施すことによってガラス自身の抵抗でジュール熱が発生し、ガラスの溶解、清澄を促進するようになっている。その際、各モリブデン電極22、22…間の印加電圧を調節することによって、ガラス融液の温度制御が行われる。
なお、モリブデン電極22の形状は、円筒形であっても板状であってもよい。また、モリブデン電極22の設置位置は、溶解槽10の底面に限定するものではなく、溶解層10の側面であってもよい。さらに、モリブデン電極22の設置位置は、溶解槽10だけでなく、冷却槽12やフィーダ18に設けてもよい。
前記流量調整用フィーダ20の内部には、対極と呼ばれる電極(以下、対極電極という)26が設けられる。対極電極26としては例えば白金等が用いられ、この対極電極26とモリブデン電極22とが直流電源28を介して結線される。そして、モリブデン電極22と対極電極26との電位差が、基準電極30を基準として−2V以下になるようにモリブデン電極22の負極直流電位印加が施される。ここで、モリブデン電極22の負極直流電位印加とは、モリブデン電極22を負極側、対極電極26を正極側とした場合の直流印加をいう。前記基準電極30は、電位が0の電極であり、通常炉内の電位が0の線上に設置され、例えばガラス融液の温度を測定する熱電対が使用される。
次に上記の如く構成されたガラス溶融炉の作用について説明する。
モリブデン電極22の負極直流電位印加を行わない場合は、後述する試験結果から明らかなように、ガラス融液中のアンチモンイオンとモリブデン電極22との酸化還元反応で、モリブデン電極22自身がイオン化されて酸化し溶解する。一方、アンチモンイオンは還元されてメタル化される。メタル化したアンチモンは、モリブデン電極22の根元に堆積し、モリブデン電極22の内部に浸入するため、モリブデン粒子の粗大化、粒界剥離が引き起こされる。また、780℃以下ではSb3 Mo7 液相がモリブデン電極22内部に形成され、著しい強度低下を引き起こす。この結果、モリブデン電極22が極端に減少して強度劣化し、操業中に制御不能となり、大きなトラブルとなる。
これに対して、本実施の形態では、モリブデン電極22の負極直流電位印加を行うようにしている。この結果、後述する試験結果から分かるように、モリブデン電極22の表面にMo−Si被膜が形成され、ガラス融液中のアンチモンイオンとモリブデン電極22との酸化還元反応を防ぐことができる。具体的には、ガラス融液が1400℃の場合にはモリブデン電極22の表面にMo5 Si3 の被膜が形成され、ガラス融液が1350℃の場合にはモリブデン電極22の表面にMo5 Si3 とMoSi2 の二層の被膜が形成される。そして、これらの被膜の形成によって、モリブデン電極22の内部へのアンチモンの拡散が生じなくなり、モリブデン電極22の侵食を防止することができる。
一方、対極電極26では材料の酸化溶解が起こるが、この対極電極26はオーバーフロー用の流量調節用フィーダ20に設置されているので、フィーダ18に送られるガラス融液に影響を及ぼすことがない。
このように本実施の形態によれば、モリブデン電極22の負極直流電位印加を行うことによって、モリブデン電極22の表面に少なくともMo5 Si3 の被膜が形成されるので、モリブデン電極22の侵食を防止することができる。これにより、ガラス融液中のアンチモン濃度を低減させることなく、モリブデン電極22の侵食を防止することができる。また、モリブデン電極22の侵食を防止することができるので、交流印加の電圧を増加させることができ、通電加熱の効率を向上させることができる。よって、燃焼バーナー16による燃焼加熱に対する通電加熱の割合を増加させたり、或いは通電加熱のみでのガラス製造が可能となる。したがって、燃焼バーナー16での問題点(例えば、低い燃焼効率や燃焼ガスでの環境汚染等)を解消することができる。
また、本実施の形態は、後述の試験によって求められた陰極線管用ガラス物品製造における適正条件に基づいてガラスの電気加熱を行っているので、モリブデン電極22の表面にMo5 Si3 の被膜を確実に形成することができる。例えば、本実施の形態のように、交流印加を施すとともにガラス素地流れがある場合には、基準電極30に対して−2V以下の負極直流電位印加を行うとともに、ガラス融液の温度を1400℃以下に制御している。このような条件下で電気加熱を行うことによって、モリブデン電極22の表面にMo5 Si3 の被膜を確実に形成することができ、モリブデン電極22の侵食を防止することができる。なお、交流印加とガラス素地流れの両方がある場合には、ガラス融液の温度を1350℃以下に制御することが好ましい。これにより、モリブデン電極22の表面にMo5 Si3 の被膜が形成されるとともに、Mo5 Si3 の被膜の外側にMoSi2 の被膜が形成されるので、モリブデン電極22の侵食をより効果的に防止することができる。
また、交流印加を施さない条件下では、交流印加を施した時よりもモリブデン電極22の侵食が小さいので、ガラス融液の温度を1450℃まで上昇させても、モリブデン電極22の表面にMo5 Si3 の被膜を安定して形成することができる。さらに、交流印加を施さない条件下では、ガラス融液の温度を1400℃以下にすると、Mo5 Si3 とMoSi2 の両方の被膜を形成することができる。よって、交流印加を施さない場合には、ガラス融液の温度を1450℃以下にすることが好ましく、1400℃以下とすることがより好ましい。
なお、上述したガラス融液の温度、モリブデン電極22の負極直流電位印加の電圧値等の製造条件は、上記のものに限定されるものではなく、モリブデン電極22の表面にMo5 Si3 の被膜が形成されるものであればよい。
次に、本発明が成された根拠となる試験結果について説明する。
(試験1)図3は、試験装置の構成を示す概略図である。同図において、符号50はアルミナ坩堝であり、このアルミナ坩堝50に750gの陰極線管用ガラスカレットを入れて1350℃または1450℃に加熱した。陰極線管用ガラスの組成は図4の表に示す。
アルミナ坩堝50のガラス52中に一対のモリブデン電極(以下、Mo電極と称す)54、54を浸漬した。Mo電極54は、長さ30mmのMoロッド(purity>99.95%、PLANSEE、diameter:4.9mm)を用い、このMoロッドの下端10mmを露出させた状態でアルミナ管56にセットし、シリカ−アルミナ系セメントで封着・固定するとともに、Moロッドの上部先端を10Rh90Pt白金線58と接続して構成した。なお、Moロッドの上部先端は、上記シリカ−アルミナ系のセメントで封着することにより、Moが酸化して昇華することを防止した。また、Mo電極54の酸化防止のために電気炉60内にN2 ガスをフロー(2dm3 /min)した。
実験に用いた電気炉60は炉底昇降式のものであり、炉底62はモータ64に連結されて、回転自在になっている。坩堝50の回転数やMo電極54の位置は、一対のMo電極54の中心でのガラス流速が約0.22cm/secとなるようにセットした。
上記の如く構成された試験装置において、Mo溶出量と浸漬時間の関係について調べた。この試験において、ガラス52は、Sb2 3 =0.084mol%の陰極線管用ガラス製晶カレット(旭硝子(株))を用いた。また、Mo溶出量は、Mo電極の直径変化から求めた。この試験結果を図5に示す。
図5から分かるように、Mo電極54の侵食量(Mo溶出量)と浸漬時間との間には直線関係があることが分かった。また、Mo電極54の侵食量は1350℃よりも1450℃の方が大きいことが分かった。
以上の結果により、Sbイオンを含有したガラス52中にMo電極54を浸漬すると、Mo電極54の侵食が起こり、その侵食速度とガラス52中のSb濃度との間には直線関係があることが分かった。この場合の侵食メカニズムは、ガラス52中のSbイオンとMo電極の酸化還元反応であると考えられる。
次に、上記した試験装置において、交流印加した場合の侵食試験を行った。交流印加はポテンシオスタット((株)扶桑製作所、HECS9077)66を用いて行い、Mo電極54の表面の電流密度がスタート時のMo電極54の表面積(1.73cm2 )に対して0〜2A/cm2 となるよう電流値を制御した。また同ポテンシオスタット66を用いて、交流周波数を50Hzとした。侵食量は、Mo電極54の断面写真から測定した電極直径の変化により評価した。またMo電極54の直径変化から見積もられるMo溶出重量、スタート時のMo電極直径(4.9mm)および浸漬時間からMo電極侵食速度(mg・cm-2・h-1)を求めた。また、侵食メカニズムを考察するため、侵食拭験後のMo電極断面をEPMA(Shimazu、EPMA1600)で観察・解析した。その試験結果を図6に示す。
図6は、交流電流密度=0.53A/cm2 におけるMo電極54の侵食量とガラス52中のSb濃度との関係を示している。また、同図において、比較例は、前述した交流印加しない場合の試験結果を示している。
図6に示すように、交流印加した場合、交流印加しない場合よりも侵食速度が大きいことが分かった。また、交流印加した場合も、交流印加しない場合と同様にガラス52中Sb濃度とMo電極54の侵食速度との間に直線関係があることが分かった。
(試験2)図7は、Mo電極54を作用電極とした場合のボルタンメトリー測定および直流印加試験に用いた試験装置の概略図である。同図において、参照電極70には底部をpt線と接続したZrO2 管(外径:6.3mm、内径:4.3mm、長さ:50mm)内に0.4ml/minで空気をフローした物を用いた。対極電極72には90%Pt−10%Rb板を用いた。
上記の試験装置において、まず、−1〜−2. 5Vの範囲で直流電位を変化させ、Mo電極54の断面を電子顕微鏡で観察して被膜生成の有無を調べた。その結果を図8の表に示す。
図8の表から分かるように、ZrO2 参照電極70に対して−2Vよりマイナス側で(換言すると−1.8未満で)Mo電極54の表面にMo−Si系被膜の生成が確認された。例えば、1450℃で坩堝回転なしで3時間、−2.0V(対 ZrO2 /Air/Pt参照電極)でカソード分極した場合、Mo電極54の表面に2層の被膜が生成していた。この被膜をEPMAによる組成分析を行った結果、Mo5 Si3 及びMoSi2 であることが分かった。
また、坩堝50を回転させた場合には、上層のMoSi2 被膜が粒子状に分散して破壊し、下層のMo5 Si3 の被膜のみが生成された。この原因は次のように考えられる。約1400℃以上ではMo/Si(モル比)=1/2以下ではMoSi2 (solid)とSi(liquid)相に分離する。負極直流電位印加によりSiO2 が過剰に還元され、Mo−Si相中のMo/Si比が1/2以下となった場合、Si液相が生成され、ガラス中へ分散し易くなる。そのため、坩堝50を回転してガラス流速を与えた場合、MoSi2 層が安定に形成されなかったと考えられる。
一方、Mo5 Si3 相は負極直流電位印加により、Mo/Si=5/3以下となってもMo5 Si3 (solid)とMoSi2 (solid)相とに分離するため、ガラス流速がある場合でも、Mo電極54の表面に安定に生成したと考えられる。
次に、Mo−Si系被膜の生成が、交流を同時に負荷した場合にも起こるかどうかを調べた。交流周波数はすべて50Hzで行った。DC−2.0V、AC電流密度0.5A/cm2 で1450℃、24時間印加した場合、Mo−Si被膜の生成はみられず、Mo電極54の表面は激しく侵食されており、Mo電極54の内部にSbの拡散が起こっていた。これに対して、1350℃の条件下で、AC電流密度0.62又は0.50A/cm2 で、カソード直流印加(−2V)を24時間行った場合、Mo5 Si3 及びMoSi2 被膜の生成が確認された。また、1400℃の条件下では交流を負荷した場合は被膜は2層構造になっておらず、Mo5 Si3 被膜のみ生成が確認された。
以上の結果から、交流電流を印加すると、Mo電極54が侵食されやすくなるが、ガラス融液の温度や交流電流の電流密度等の条件によっては、Mo−Si被膜が形成され、Mo電極54の侵食を防止できるという結果が得られた。
本発明が適用されたガラス溶融炉の平面図 図1のガラス溶融炉の正面図 試験装置の構成図 試験に用いた陰極線管用ガラスの組成を示す表図 電極侵食量と時間との関係を示す図 電極侵食速度とアンチモン濃度との関係を示す図 試験装置の構成図 モリブデン電極電位と電極表面被膜生成の関係を示す表図
符号の説明
10…溶解槽、12…冷却槽、14…スロート、16…燃焼バーナー、18…フィーダ、20…流量調節用フィーダ、22…モリブデン電極、24…交流電源、26…対極電極、28…直流電源、30…基準電極

Claims (8)

  1. モリブデン電極を用いてガラス融液を加熱するガラスの電気加熱方法において、
    前記モリブデン電極の負極直流電位印加を行うことを特徴とするガラスの電気加熱方法。
  2. 前記ガラス融液はアンチモンイオンを含むことを特徴とする請求項1に記載のガラスの電気加熱方法。
  3. 前記負極直流電位印加は、基準電極に対して直流電位を−1.8V未満にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスの電気加熱方法。
  4. モリブデン電極に交流電流を印加するとともに、該交流電流の電流密度が2A/cm2 以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のガラスの電気加熱方法。
  5. 前記モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のガラスの電気加熱方法。
  6. 前記Mo5 Si3 の膜の表面にMoSi2 の膜が形成されることを特徴とする請求項5に記載のガラスの電気加熱方法。
  7. モリブデン電極を用いてガラス融液を加熱するガラスの電気加熱装置において、
    前記モリブデン電極の表面にMo5 Si3 の膜が形成されることを特徴とするガラスの電気加熱装置。
  8. 前記Mo5 Si3 の膜の表面にMoSi2 の膜が形成されることを特徴とする請求項7に記載のガラスの電気加熱装置。
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