JP2017186215A - ガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属部材間の直流電位差に起因する気泡の発生を防止できるガラスの製造方法の提供。
【解決手段】ガラスの製造中に溶融ガラスGが複数の金属部材2a、2bと接するガラスの製造方法であって、金属部材2a、2b間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制するように、金属部材2a、2b間の直流電位差を、以下の式から求めた閾値E以下に調整するガラスの製造方法。E=RT/4F×ln(PA/pO2 C)、E:直流電位差の閾値、R:気体定数、T:絶対温度、F:ファラデー定数、PA:大気圧、pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
【選択図】図1
【解決手段】ガラスの製造中に溶融ガラスGが複数の金属部材2a、2bと接するガラスの製造方法であって、金属部材2a、2b間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制するように、金属部材2a、2b間の直流電位差を、以下の式から求めた閾値E以下に調整するガラスの製造方法。E=RT/4F×ln(PA/pO2 C)、E:直流電位差の閾値、R:気体定数、T:絶対温度、F:ファラデー定数、PA:大気圧、pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラスの製造工程において発生する電気化学的な気泡の形成を抑制あるいは防止する方法に関する。
ガラス製造工程では溶融ガラスを加熱する目的として、溶解槽内に挿入した電極による直接通電加熱や、フィーダー、成形装置等への通電加熱が使用される場合がある。しかしながら、溶融ガラスが通電加熱されている場合、溶融ガラスに接する異なる金属部材間で電位差が生じると、これらが溶融ガラスを介して電気的な回路を形成し、正極に相当する金属/溶融ガラス界面で気泡が発生することがある。このような気泡がガラス製造工程の下流域、より具体的には清澄領域より下流側で発生した場合、気泡が浮上して脱泡するための十分な時間が得られないため、製品中に泡欠陥として残留してしまう。
特許文献1では、交流電流密度及び直流電流密度をモニタリングし、気泡が発生する直流電流密度以下となるような直流電流を相殺する補償直流電流を印加する方法、交流電圧の周波数を100Hz以上に高くするあるいは低濃度のレドックス緩衝剤を添加する方法が記載されている。
特許第5863836号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、補償直流電流を印加することによって新たな電気的回路が形成され気泡が発生するおそれがある。また、交流電圧の周波数を変更するには変圧器を新たに設置するなど設備的な負担が強いられる。さらにレドックス緩衝剤を添加すると透過率を低下させるなどガラス製品の特性を悪化させるおそれがある。加えて気泡が形成しうる電位差については議論されていない。
本発明の目的は、金属部材間の直流電位差に起因する気泡の発生を防止できるガラスの製造方法を提供することである。
本発明者等は、種々検討したところ、気泡が形成される直流電位差の閾値が溶融ガラスの酸素分圧を利用して求められることを見出した。
詳述すると、標準電極電位をE0、正極での溶融ガラスの酸素分圧をpO2 A、負極での溶融ガラスの酸素分圧をpO2 C、溶融ガラスの酸素活量をaO2−、気体定数をR、絶対温度をT、ファラデー定数をFとすると、正極での電極電位EA及び負極での電極電位ECは以下の式で表すことができる。
EA=E0+RT/4F×ln(pO2 A/aO2−) ・・・式1
EC=E0+RT/4F×ln(pO2 C/aO2−) ・・・式2
上記式1、式2から気泡が形成される直流電位差の閾値Eは以下の式で表すことができる。
EC=E0+RT/4F×ln(pO2 C/aO2−) ・・・式2
上記式1、式2から気泡が形成される直流電位差の閾値Eは以下の式で表すことができる。
E=EA−EC=RT/4F×ln(pO2 A/pO2 C) ・・・式3
正極では式4に従い酸素泡が形成されるが、泡が発生するときの正極での溶融ガラスの酸素分圧pO2 Aは大気圧PA(およそ0.1MPa)とみなすことができる。
正極では式4に従い酸素泡が形成されるが、泡が発生するときの正極での溶融ガラスの酸素分圧pO2 Aは大気圧PA(およそ0.1MPa)とみなすことができる。
O2− → 0.5O2+2e− ・・・式4
つまり式3から、気泡が形成される直流電位差は、大気圧、負極での溶融ガラスの酸素分圧(≒溶融ガラスの酸素分圧)及び絶対温度によって決定されることが分かる。
つまり式3から、気泡が形成される直流電位差は、大気圧、負極での溶融ガラスの酸素分圧(≒溶融ガラスの酸素分圧)及び絶対温度によって決定されることが分かる。
以上の知見に基づく本発明のガラスの製造方法は、ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、前記金属部材間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制するように、前記金属部材間の直流電位差を、以下の式から求めた閾値E以下に調整することを特徴とする。なお本発明において「金属部材」とは、ガラス製造装置を構成する金属製部材を意味する。「前記金属部材間の直流電位差」とは、ガラス製造設備を構成する複数の金属部材のうち、少なくとも2つの部材間における直流電位差を意味する。
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C) ・・・式5
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
また本発明のガラスの製造方法は、ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cを測定する工程と、式5から、得られた酸素分圧pO2 Cに基づく直流電位差の閾値Eを求める工程と、前記金属部材間の直流電位差を前記閾値E以下に調整する工程とを含むことを特徴とする。なお溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cの測定箇所は、特に限定するものではないが、負極側となる金属部材の近傍で測定することが望ましい。
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
また本発明のガラスの製造方法は、ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cを測定する工程と、式5から、得られた酸素分圧pO2 Cに基づく直流電位差の閾値Eを求める工程と、前記金属部材間の直流電位差を前記閾値E以下に調整する工程とを含むことを特徴とする。なお溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cの測定箇所は、特に限定するものではないが、負極側となる金属部材の近傍で測定することが望ましい。
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C) ・・・式5
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
本発明においては、金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金からなることが好ましい。
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
本発明においては、金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金からなることが好ましい。
本発明においては、溶融、清澄及び成形領域を含み、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接していてもよい。
上記構成とすれば、気泡を除去し難い領域における気泡の発生を効果的に防止できる。
本発明においては、清澄領域より下流側で酸素分圧pO2 Cを測定することが好ましい。
上記構成によれば、清澄領域より下流側の気泡の発生を抑制したい場合に、より正確な直流電位差の閾値Eを求めることができる。
本発明においては、直流電位差の閾値Eが0.05V以下であることが好ましい。
また本発明のガラスの製造方法は、溶融、清澄及び成形領域を含み、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、以下の工程を含み、前記金属部材間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制することを特徴とする。
(1)清澄領域より下流側で溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cを測定する工程
(2)得られた酸素分圧pO2 Cに基づき、直流電位差の閾値Eを以下の式から求める工程
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C) ・・・式5
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
(3)前記金属部材間の直流電位差を前記閾値E以下に調整する工程
また本発明のガラスの製造方法は、ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、溶融ガラスの酸素分圧を測定し、得られた酸素分圧を利用して気泡が生じる直流電位差の閾値を求めた後、前記金属部材間の直流電位差を前記閾値以下に調整することを特徴とする。
(1)清澄領域より下流側で溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cを測定する工程
(2)得られた酸素分圧pO2 Cに基づき、直流電位差の閾値Eを以下の式から求める工程
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C) ・・・式5
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
(3)前記金属部材間の直流電位差を前記閾値E以下に調整する工程
また本発明のガラスの製造方法は、ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、溶融ガラスの酸素分圧を測定し、得られた酸素分圧を利用して気泡が生じる直流電位差の閾値を求めた後、前記金属部材間の直流電位差を前記閾値以下に調整することを特徴とする。
本発明によれば、電気化学的な反応によって発生する気泡を簡便に防止、抑制することができる。
以下、本発明について詳述する。ただし以降の記載は本発明を限定するものではない。
本発明のガラスの製造方法においては、溶融、清澄及び成形領域を含み得る。
溶融領域とは、ガラス原料やガラスカレットをガラス化、溶融する領域である。連続溶融炉においては、この領域は一般に溶解槽が該当する。
清澄領域とは、溶融ガラスの温度を上昇させることにより、溶融ガラス中に含まれる気泡を拡大、浮上させて除去する領域であり、連続溶融炉においては、一般にホットスプリングあるいはホットスポットが該当する。通常はこの領域が最も高温となる。またこの領域より下流側では、溶融ガラスに含まれる気泡が浮上して脱泡するための時間が不十分であることから、清澄領域より下流側で気泡が発生しないようにすることが求められる。
成形領域とは、溶融ガラスを均質化し、また成形に適した粘度となるように調整した後、所定の形状に成形する領域である。連続溶融炉においては、一般にフィーダー、撹拌槽、成形装置等が該当する。
本発明の製造方法は、その製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接することを特徴とする。連続溶融炉においては、ガラスに通電したり、ガラスの汚染を防止したりする等の目的から、Pt、Rh、Ir、Mo、W等の金属、或いはこれらの合金で作製される耐熱性の金属部材が多用される。また金属部材としては、具体的には溶解槽内に設置される電極、撹拌槽やフィーダーの壁面、スターラー、ガラスの移送装置、成形装置等が例示される。溶融ガラスが通電加熱されている場合、金属部材間で電位差が生じ、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成され易い。電気的な回路が形成されると、以下の反応が生じて正極側となる部分で気泡が生じ得る。
正極側: O2− → 0.5O2+2e−
負極側: 0.5O2 + 2e− → O2-
清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接して直流電位差が生じる例としては、例えば撹拌槽壁面と撹拌槽内部に設けられるスターラーとの間、フィーダーの互いに絶縁された壁面間、ガラスの移送装置と成形装置との間等である。既述の通り、清澄領域より下流側では気泡を除去し難いことから、上記金属部材間での直流電位差が大きくならないようにすることが、ガラス製品の泡品位を向上させる上で極めて重要となる。
負極側: 0.5O2 + 2e− → O2-
清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接して直流電位差が生じる例としては、例えば撹拌槽壁面と撹拌槽内部に設けられるスターラーとの間、フィーダーの互いに絶縁された壁面間、ガラスの移送装置と成形装置との間等である。既述の通り、清澄領域より下流側では気泡を除去し難いことから、上記金属部材間での直流電位差が大きくならないようにすることが、ガラス製品の泡品位を向上させる上で極めて重要となる。
本発明の製造方法は、溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cから、金属部材間で気泡が生じる直流電位差の閾値Eを求めることを特徴とする。閾値Eを求めるに当たっては下記の式5が好適に用いられる。例えば酸素分圧pO2 Cが0.021MPa程度である場合、その閾値Eは0.05V程度となる。
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C) ・・・式5
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
なお大気圧PAは市販の気圧計で測定することができる。溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cは、例えばMo−MoO2の酸素分圧を基準としてIr電極との起電力を測定し、その起電力からネルンストの式に基づき酸素分圧を算出するIr−安定化ジルコニア使用酸素センサーによって測定することができる。酸素分圧pO2 Cの測定場所は制限されないが、負極側となる金属部材の近傍で測定することが好ましい。また清澄領域より下流側で気泡の発生を防止したい場合、酸素分圧pO2 Cの測定場所は、フィーダー等、清澄領域より下流側であることが望ましい。
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
なお大気圧PAは市販の気圧計で測定することができる。溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cは、例えばMo−MoO2の酸素分圧を基準としてIr電極との起電力を測定し、その起電力からネルンストの式に基づき酸素分圧を算出するIr−安定化ジルコニア使用酸素センサーによって測定することができる。酸素分圧pO2 Cの測定場所は制限されないが、負極側となる金属部材の近傍で測定することが好ましい。また清澄領域より下流側で気泡の発生を防止したい場合、酸素分圧pO2 Cの測定場所は、フィーダー等、清澄領域より下流側であることが望ましい。
本発明の製造方法は、金属部材間の直流電位差を、式5で求めた閾値E以下に調整することを特徴とする。直流電位差を閾値E以下に調整することにより、金属部材間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制することが可能となる。金属部材間の直流電位差を、閾値E以下に調整する方法としては、例えば金属部材に印加する電力を下げる、金属部材間に発生する直流電位差を補償する電位差を印加する等の方法が採用可能である。
本発明の方法で製造されるガラスの種類は特に限定されない。例えばソーダライムガラス、Eガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等種々のガラスを製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1は本実施例で使用するガラス(組成A、B)を示している。
まず表1の組成となるようにガラス原料を秤量、混合して原料バッチ(A、B)を準備した。なお各原料バッチには、外割りで0.2モル%の硫酸ナトリウムを添加した。ガラス原料を白金坩堝に投入し、ガラスAは1300℃、ガラスBは1400℃でそれぞれ4時間溶融した。その後、白金坩堝から溶融ガラスを取り出し、冷却することにより、ガラスカレットを作製した。ガラスA、Bの酸素分圧は、ガラスA、ガラスBともに0.021MPaであった。なお酸素分圧はIr−安定化ジルコニア使用酸素センサーによって測定した。
ところで、式5から、大気圧が0.1MPa、溶融ガラスの酸素分圧が0.021MPaの場合、1300℃において気泡が形成される直流電位差の閾値Eは0.053Vと見積もることができる。よって、金属部材間の直流電位差が0.053V以下となるように調整すれば、ガラスA、ガラスBともに、気泡が形成されないと推定される。
次に各ガラスカレットを石英容器1に入れ、1300℃に保たれた電気炉内に設置した。5分間保持した後、幅1.0cm、厚み0.04cmの白金板2a、2bを0.6cmの間隔で溶融ガラス中に2.0cm浸漬するように平行に設置し、白金板間に0.05V、0.10V及び0.12Vの直流電圧を300秒間印加した。さらに白金板周囲の様子をCCDカメラ3で撮影した(図1)。
このようにして得られた電圧印加前後の画像から、正極の白金板上に直径100μm以上の泡が観察された場合に「発泡あり」と判定した。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、白金板2a、2b間の直流電位差を0.053V以下に調整した場合、気泡の発生が認められなかった。
本発明は、電気化学的な反応によって発生する気泡を防止、抑制するガラスの製造方法として好適である。
1 石英容器
2a、2b 白金板
3 CCDカメラ
G 溶融ガラス
2a、2b 白金板
3 CCDカメラ
G 溶融ガラス
Claims (8)
- ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、前記金属部材間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制するように、前記金属部材間の直流電位差を、以下の式から求めた閾値E以下に調整することを特徴とするガラスの製造方法。
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C)
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧 - ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cを測定する工程と、下記式から、得られた酸素分圧pO2 Cに基づく直流電位差の閾値Eを求める工程と、前記金属部材間の直流電位差を前記閾値E以下に調整する工程とを含むことを特徴とするガラスの製造方法。
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C)
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧 - 金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスの製造方法。
- 溶融、清澄及び成形領域を含み、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスの製造方法。
- 清澄領域より下流側で酸素分圧pO2 Cを測定することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラスの製造方法。
- 直流電位差の閾値Eが0.05V以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラスの製造方法。
- 溶融、清澄及び成形領域を含み、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、以下の工程を含み、前記金属部材間の直流電位差に起因して生じる気泡を抑制することを特徴とするガラスの製造方法。
(1)清澄領域より下流側で溶融ガラスの酸素分圧pO2 Cを測定する工程
(2)得られた酸素分圧pO2 Cに基づき、直流電位差の閾値Eを以下の式から求める工程
E=RT/4F×ln(PA/pO2 C)
E:直流電位差の閾値
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー定数
PA:大気圧
pO2 C:溶融ガラスの酸素分圧
(3)前記金属部材間の直流電位差を前記閾値E以下に調整する工程 - ガラスの製造中に溶融ガラスが複数の金属部材と接するガラスの製造方法であって、溶融ガラスの酸素分圧を測定し、得られた酸素分圧を利用して気泡が生じる直流電位差の閾値を求めた後、前記金属部材間の直流電位差を前記閾値以下に調整することを特徴とするガラスの製造方法。
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