JP2019127423A - ガラスの製造方法 - Google Patents

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康志 紀井
Yasushi Kii
康志 紀井
吉田 紀之
Noriyuki Yoshida
紀之 吉田
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Abstract

【課題】溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を未然に防ぐ方法を提供する。【解決手段】本発明のガラスの製造方法は、溶融領域、清澄領域及び成形領域を含むガラスの製造方法において、溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を有し、前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分の電流密度をI、前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分のn倍成分の電流密度をInとした時に、In/Iの最大値が0.22未満となるように、前記溶融ガラスに交流電圧を印加することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスの製造方法に関し、具体的には、ガラスの製造工程において電気化学的な気泡の発生を抑制又は防止し得る方法に関する。
ガラスの製造工程では、溶融ガラスを加熱するために、溶解槽内に挿入した電極による直接通電加熱が行われる場合があり、フィーダー、成形装置等への通電加熱が行われる場合もある。
溶融ガラスが通電加熱されている場合、溶融ガラスの異なる金属部材間で電位差が生じると、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成されて、正極に相当する金属部材/溶融ガラス界面近傍の溶融ガラス中に気泡が発生することがある。このような気泡がガラスの製造工程の下流側、具体的には清澄領域より下流側で発生すると、気泡が浮上して脱泡するための時間を十分に確保できなくなる。結果として、ガラス製品中に泡欠陥が残留してしまう。
特許文献1には、交流電流密度及び直流電流密度をモニタリングし、気泡が発生する直流電流密度以下となるように、直流電流を相殺する補償直流電流を印加する方法等が記載されている。
特許第5863836号公報
しかしながら、交流電圧の周波数が低い領域では、直流電流が生じていない場合でも、印加する電圧によって気泡が発生する虞がある。
そこで、本発明の目的は、溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を未然に防ぐ方法を提供することである。
本発明者等は、気泡が発生する交流電圧が、金属部材間のフーリエ変換後の電流密度及び周波数と関係があることを見出し、本発明を提案するに至った。詳述すると、溶融ガラスに印加する交流電圧が低い時には、電気二重層コンデンサの充電電流のみが流れる。これに対して、印加する交流電圧が高くなると、充電電流に加えて、式1の反応に基づくファラデー電流が流れ始める。そして、この反応が進行すると気泡が生成する。
充電電流のみが流れている時は、フーリエ変換後の測定周波数成分の電流密度はフーリエ変換後の測定周波数のn倍成分(但し、nは2以上の自然数)における電流密度に比べて十分に大きい。しかし、ファラデー電流が流れ始めると、測定周波数のn倍成分におけるフーリエ変換後の電流密度が大きくなる。つまり、フーリエ変換後の測定周波数成分における電流密度に対してフーリエ変換後の測定周波数のn倍成分の電流密度が大きくなると、式1の反応に基づく泡が発生する。
2− → 0.5O + 2e ・・・式1
以上の知見に基づく本発明のガラスの製造方法は、溶融領域、清澄領域及び成形領域を含むガラスの製造方法において、溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を有し、前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分の電流密度をI、前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分のn倍成分(但し、nは2以上の自然数)の電流密度をIとした時に、I/Iの最大値が0.22未満となるように、前記溶融ガラスに交流電圧を印加することを特徴とする。ここで、「金属部材」は、ガラス製造装置を構成する金属製部材を意味する。「金属部材間の交流電圧」は、ガラス製造装置を構成する複数の金属部材のうち、少なくとも2つの金属部材間における交流電圧を意味する。「交流電流」は、交流電圧が印加された金属部材間に流れる交流電流を市販のオシロスコープ等で測定することにより求めることができる。「電流密度」は、上記交流電流と、金属部材の対向する溶融ガラス接触面の面積の平均値から求めることができる。
また、本発明のガラスの製造方法では、交流の周波数が1000Hz以下であることが好ましい。
また、本発明のガラスの製造方法では、金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金であることが好ましい。
また、本発明のガラスの製造方法では、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接すると共に、前記複数の金属部材のうちの少なくとも2つの金属部材間で交流電圧を印加することが好ましい。これにより、気泡を除去し難い領域において気泡の発生を効果的に防止することができる。
また、本発明のガラスの製造方法では、複数の金属部材のうちの少なくとも2つの金属部材間で交流電圧を印加すると共に、清澄領域より下流側で交流電流を測定し、その測定結果に基づいて溶融ガラスに印加する交流電圧を調整することが好ましい。
本発明によれば、溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を未然に防ぐことができる。
溶融ガラスの電流波形及び電圧波形を測定するための実験装置を示す概略説明図である。
以下、本発明について詳述する。但し、以降の記載は、本発明を限定するものではない。
本発明のガラスの製造方法は、溶融領域、清澄領域及び成形領域を含む。
溶融領域とは、ガラス原料やガラスカレットからなるガラスバッチをガラス化、溶融する領域である。連続溶融炉では、溶解槽が、一般に溶融領域に該当する。
清澄領域とは、溶融ガラスの温度を上昇させることにより、溶融ガラス中に含まれる気泡を拡大、浮上させて除去する領域である。連続溶融炉では、ホットスプリング又はホットスポットが、一般に清澄領域に該当する。なお、ガラスの製造工程において、清澄領域が最も高温となる。そして、清澄領域より下流側では、溶融ガラスに含まれる気泡が浮上して脱泡するための時間が不十分であるため、気泡を発生させないことが求められる。
成形領域とは、溶融ガラスを均質化し、また成形に適した粘度となるように調整した後、所定の形状に成形する領域である。連続溶融炉では、フィーダー、撹拌槽、成形装置等が、一般に成形領域に該当する。
本発明のガラスの製造方法は、溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を有することを特徴とする。連続溶融炉では、溶融ガラスに通電したり、溶融ガラスの汚染を防止したりする等の目的から、Pt、Rh、Ir、Mo、W等の金属、或いはこれらの合金で作製される耐熱性の金属部材が多用される。例えば、溶解槽内に設置される電極、撹拌槽、フィーダーの壁面、スターラー、移送装置、成形装置等に金属部材が使用される。
本発明のガラスの製造方法は、溶融ガラスが接する金属部材の内、少なくとも2つの金属部材間において、溶融ガラスに交流電圧を印加して通電加熱を行う。溶融ガラスが通電加熱されている場合、金属部材間で電位差が生じ、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成され易い。電気的な回路が形成されると、以下の反応が生じて正極側となる部分で気泡が生じ得る。
正極側: O2− → 0.5O + 2e
負極側: 0.5O + 2e → O2−
清澄領域より下流側で溶融ガラスに交流電圧を印加する箇所の具体例としては、撹拌槽壁面と撹拌槽内部に設けられるスターラーとの間、フィーダーの互いに絶縁された壁面間、移送装置と成形装置との間等である。既述の通り、清澄領域より下流側では気泡を除去し難いことから、上記金属部材間での交流電圧を制御することが、ガラス製品の泡品位を高める上で特に重要である。
本発明のガラスの製造方法は、金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分の電流密度をI、前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分のn倍成分(好ましくはn=2又はn=3)の電流密度をIとした時に、I/Iの最大値が0.22未満となるように交流電圧を印加することを特徴とする。交流電圧の調整箇所(或いは交流電流の測定箇所)は特に限定されないが、気泡の発生を抑制したい箇所であることが望ましい。特に、清澄領域より下流側にあるフィーダーで発生した泡は、浮上の機会を得ずガラス製品に流出するため、フィーダーで交流電流を測定し、その交流電流をフーリエ変換した結果に基づいて交流電圧を調整することが望ましい。
交流の周波数が低くなる程、気泡が発生し易くなる。よって、交流の周波数が低くなる程、本発明を実施する意義が大きくなる。交流の周波数は、好ましくは1000Hz以下、500Hz以下、200Hz以下、特に100Hz以下である。なお、交流の周波数を大きくする場合、ガラス製造設備の設備コストが大きくなる。
本発明のガラスの製造方法において、ガラスの種類は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、Eガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、高Al含有ガラス(ガラス組成中にAlを18質量%以上含むガラス)等のガラスを製造することができるが、その中でも、無アルカリガラス、高Al含有ガラスは、高融点であるため、泡品位を高めることが困難である。よって、これらのガラスを製造する場合、本発明を実施する意義が大きくなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1は、本実施例で使用するガラス(ガラスA)を示している。また、図1は、本実施例の実験装置の概略を示しており、具体的には溶融ガラスの電流波形及び電圧波形を測定するための実験装置の概略を示している。
まず、表1のガラスAからなるガラスカレットを図1に示すアルミナ坩堝1に投入し、1250℃で30分間溶融した。
続いて、作用極2として直径0.6mm、長さ25mmの白金線を、対極3として幅25mm、長さ30mm(浸漬長25mm)の白金板を、参照極4として直径0.6mm、長さ25mmの2本の白金線を編んだものをそれぞれ溶融ガラスG中に設置した。交流電圧を印加した時の電流波形及び電圧波形をポテンショスタット5に接続したオシロスコープから取り込み、フーリエ変換した。測定時の初期電位を0V、交流電圧を0.028〜0.31V、交流の周波数を60Hzとした。またフーリエ変換後の電流密度の測定周波数成分をIとし、フーリエ変換後の測定周波数成分の2倍成分、3倍成分、4倍成分をそれぞれI、I、Iとした。
このようにして得られたI/I、I/I、I/Iと発泡状態の関係を表2に示す。なお、作用極2の白金線上に目視で泡が観察された場合を「発泡あり」と判定した。
表2から分かるように、フーリエ変換後の測定周波数成分の電流密度Iに対するフーリエ変換後の測定周波数のn倍成分の電流密度の比(I/I)の最大値を0.22未満に調整した場合、気泡の発生が認められなかった。
本発明のガラスの製造方法は、溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を未然に防止し得るため、交流電圧を使用して溶融ガラスを加熱するガラスの製造方法に好適である。
1 アルミナ坩堝
2 作用極(白金線)
3 対極(白金板)
4 参照極(白金線)
5 ポテンショスタット
G 溶融ガラス

Claims (5)

  1. 溶融領域、清澄領域及び成形領域を含むガラスの製造方法において、
    溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を有し、
    前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分の電流密度をI、前記金属部材間のフーリエ変換後の測定周波数成分のn倍成分の電流密度をIとした時に、I/Iの最大値が0.22未満となるように、前記溶融ガラスに交流電圧を印加することを特徴とするガラスの製造方法。
  2. 交流の周波数が1000Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラスの製造方法。
  3. 金属部材が、Pt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスの製造方法。
  4. 少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスの製造方法。
  5. 少なくとも清澄領域より下流側で交流電流を測定することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラスの製造方法。
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