JP2018012492A - 電動式ボード - Google Patents
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Abstract
【課題】搭乗者の重心移動の操作やバランス調整の検出機構を簡略化し、かつ全体構造をシンプルにし、低コストで、前進、後退、速度調整、旋回等の各種の制御を行うことができる電動式ボードを提供する。【解決手段】2つの車輪4L、4Rを装着し、各々独立して駆動する2つの電動駆動装置と、2つの電動駆動装置を取付けるベース2と、ベースに取付けられ搭乗者の足を置く搭乗デッキ3と、2つの電動駆動装置を制御する車両制御装置とを備え、搭乗者の重心移動による車輪の軸線周りの搭乗デッキの傾斜角度を傾斜角度検出センサにより検出し、検出信号に基づく車両制御装置の信号により2つの電動駆動装置に供給される駆動電流を制御する電動式ボード1。【選択図】図1
Description
本発明は、電動スケートボード等の電動式ボードに関する。
従来、モータを動力とする電動式ボードとして、電動スケートボード、電動サーフボード、電動キックボード等が知られている。これらの電動式ボードにおいては、スロットル、ジョイスティック、無線式リモコン等を用いる手元操作により、速度の制御、前後進の操作を行うものが提案されている(特許文献1)。また、ボードに圧力センサや歪センサを設けて走行方向および速度を制御することも提案されている(特許文献2、3)。さらに、ジャイロセンサを設けて走行方向および速度と、回転角センサを設けて旋回方向を制御することも提案されている(特許文献4)。
特許文献1の技術では、手元で操作する必要があるため、操作に気をとられ安全性が損なわれる恐れがある。特許文献2、3のように荷重センサをボードに設けると、搭乗する位置に合わせて荷重センサの位置を限定する必要があり、さらに、搭乗者が意図しない荷重が検出されることも考えられる。これらにより、荷重を的確に検出して車両を制御することが難しい。また、このような場合に荷重を正確に検出するためには、多くのセンサを設ける必要があり、コストが高くなる。
特許文献4では、ロール角方向の搭乗者の重心移動量に応じて旋回速度を制御し、旋回動作を行っている。しかし、上記のような車両および制御機構は構造が複雑になり、コストが高くなる。また、降車する場合には、バランスを取った姿勢で車両本体のスイッチを操作し、姿勢制御を停止した後に、車両を傾斜させ、補助輪を着地させて降車する。この場合、スイッチを操作する時に搭乗者の重心が変化して車両が動き出し、搭乗者がバランスを崩して転倒する可能性がある。さらに、搭乗者が搭乗デッキに乗った状態で、スイッチ操作後に姿勢制御が停止するため、車輪にトルクが無くなり、搭乗者がバランスを崩して搭乗デッキが勢いよく傾き、転倒する可能性もある。
以上の問題に鑑み、本発明は、搭乗者の重心移動による操作やバランス調整の検出機構を簡略化し、かつ全体構造をシンプルにし、低コストで、前進、後退、速度調整、旋回等の各種の制御を行うことができる電動式ボードを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するため種々検討した結果、電動式ボードの搭乗デッキを一体型構造にし、車輪の軸線周りの傾斜運動のみを許容する構成にするという新たな着想に至った。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、2つの車輪が装着され、その各々を独立して回転駆動する2つの電動駆動装置と、前記2つの車輪の軸線を一致させ前記車輪を平行にした配置で前記2つの電動駆動装置が取り付けられるベースと、このベースに取付けられ、搭乗者の左右の足が個別に置かれる搭乗デッキと、前記2つの電動駆動装置を制御する車両制御部とを備え、前記搭乗者の重心移動による前記車輪の軸線周りの前記搭乗デッキの傾斜角度を傾斜角度検出センサにより検出し、この検出信号に基づく前記車両制御部の信号により前記2つの電動駆動装置に供給される駆動電流が制御される電動式ボードであって、前記搭乗デッキは、その重量バランスを前記ベースの中心付近に配置した一体型構造からなり、前記車輪の軸線周りの傾斜運動のみが許容される構成とし、前記搭乗デッキ上の搭乗者が、前記車輪の軸線方向へ重心移動させることにより、前記2つの車輪に掛かる駆動トルク差による車輪の回転速度差を生じさせて旋回走行し、前記搭乗者が搭乗した際、前記搭乗デッキ上に置いた前記搭乗者の左右の足を各々検出する搭乗者検出センサを備え、この検出信号に基づく前記車両制御部の制御信号により前記2つの電動駆動装置に供給される姿勢制御のための駆動電流が制御されることを特徴とする。上記の構成により、搭乗者の重心移動による操作やバランス調整の検出機構を簡略化し、かつ全体構造をシンプルにし、低コストで、前進、後退、速度調整、旋回等の各種の制御を行うことができる電動式ボードを実現することができる。また、搭乗者検出センサの検出信号に基づき車両制御部から電動駆動装置へ自動的に姿勢制御が開始されるので、直ちに搭乗者の姿勢を安定させることができ、安全性が高い。
上記の搭乗者の重心移動による2つの車輪にかかる駆動トルクを検出するトルク検出センサを備え、この検出信号に基づく車両制御部の信号により2つの電動駆動装置に供給される旋回走行制御のための駆動電流を制御することができる。この場合は、トルク検出センサの検出信号に基づいて車両制御部で旋回走行のための駆動電流を制御し、電動駆動装置をトルク制御することができる。これにより、例えば、初心者から熟練者まで、その操作レベルに応じた旋回走行をアシストすることができる。
上記のトルク検出センサを電流検出センサにすることにより、トルク検出センサを容易に構成することができる。
上記の傾斜角度検出センサを、角速度を検出するジャイロセンサと加速度を検出する加速度センサとから構成することが好ましい。これにより、より精度の高い傾斜角度の算出が可能となり、電動駆動装置を滑らかに駆動することで、電動式ボードをより安全に運転することができる。
上記の搭乗デッキの両端の下部に、搭乗デッキの車軸中心周りの傾斜角度を制限する補助輪を設けたことにより、乗降時、又は、搭乗者がバランスを崩した時に、搭乗者と搭乗デッキを衝撃から守ることができる。
上記の電動駆動装置がモータと減速機とからなることにより、回転トルクが増加し、電動モータを小型化することができる。その結果、電動式ボードを軽量、コンパクトにすることができる。
本発明によれば、搭乗者の重心移動による操作やバランス調整の検出機構を簡略化し、かつ全体構造をシンプルにし、低コストで、前進、後退、速度調整、旋回等の各種の制御を行うことができる電動式ボードを実現することができる。
本発明の一実施形態に係る電動式ボードを図1〜図13に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電動式ボードの全体を示す斜視図で、図2は図1の正面図で、図3(a)は図1の平面図で、図3(b)は図3(a)のB−B線で矢視した正面図である。図4(a)は搭乗デッキの平面図で、図4(b)は搭乗デッキの正面図である。図5は、図1の下方側から見たベースと電動駆動装置からなる駆動ユニットおよび車輪の斜視図であり、図6(a)は、図5を下方側から見た平面図で、図6(b)は電動駆動装置を示す平面図である。
図1〜図3に示すように、電動式ボード1は、平行に配置された2つの車輪4L、4Rと、2つの電動駆動装置5L、5Rと、搭乗デッキ3と、搭乗デッキ3と電動駆動装置5L、5Rが取り付けられたベース2を構造面の主な構成とする。電動駆動装置5L、5Rの制御面の構成として、図3(a)に示すように、搭乗デッキ3の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサ6と、トルク検出センサ10L、10Rと、走行状態を制御する車両制御部7と、搭乗者検出センサ9L、9Rを備えている。
図3(b)に示すように、電動式ボード1の中央部にベース2が配置されている。ベース2の内周にはハウジング孔2aが形成されており、電動駆動装置5L、5Rが嵌め込まれて取り付けられる。ベース2の外周面2bは略矩形状に形成され、この外周面2bに搭乗デッキ3の中央凹部3aが嵌め込まれて取り付けられている。
図5〜図6(b)に示すように、車輪4L、4Rを装着する電動駆動装置5L、5Rの出力軸にはハブ11が設けられており、ハブ11に車輪4L、4Rがボルト12により締付け固定されている。2つの車輪4L、4Rの軸線A−Aを一致させ、車輪4L、4Rは平行にした配置で電動駆動装置5L、5Rはベース2に取付けられている。
電動駆動装置5L、5Rは、電動モータ51と減速機52とを組合せて構成され、電動モータ51の出力を減速機52によって減速して車輪4L、4Rへ伝達している。このような構成の電動駆動装置5L、5Rは、一定の規格に基づいて交換可能な電動駆動モジュールとして好適なものである。電動モータ51と減速機52を組合せた場合は、回転トルクが増加し、電動モータ51を小型化することができる。しかし、これに限られず、電動モータ51の能力によっては、電動モータ51単独で構成してもよい。
車輪4L、4Rは、電動駆動装置5L、5Rによって回転され、電動式ボード1の加減速を行う。車輪4L、4Rは搭乗者の体重を保持できる程度の強度を必要とし、例えば、ゴム製タイヤが用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、他の車輪状のものも適用できる。
搭乗デッキ3は、その重量バランスをベース2の中心付近(図1〜図3の左右方向の中心付近)に配置した一体型構造からなり、前述したように、ベース2の外周面2bに搭乗デッキ3の中央凹部3aが嵌め込まれて取付けられている。このため、2つの車輪4L、4Rの軸線A−A周りの傾斜運動のみが許容される構成になっている〔図3(a)参照〕。搭乗者は、搭乗デッキ3の搭乗者検出センサ9L、9R上に左右の足を載せる(図8参照)。
図2に示すように、搭乗デッキ3は、板31とフレーム32との組み合わせた部材であり、搭乗者の体重を保持できる程度の強度を必要とする。ただし、上記の強度を確保できるのであれば、板状の部材のみでも構わない。
搭乗デッキ3は、一体型構造からなり、電動駆動装置5L、5Rを収容するベース2に取付けられているので、全体構造がシンプルで、低コスト化が図れる。また、搭乗者も楽に思い通りの操作ができると共に電動式ボード本来の楽しさを味わうことができる。
搭乗デッキ3の両端下部に補助輪8L、8Rが設けられている。補助輪8L、8Rは、乗降時、又は、搭乗者がバランスを崩した時に、搭乗者と搭乗デッキ3を衝撃から守るためのものである。補助輪8L、8Rはウレタンゴム製のキャスタを用いている。補助輪8L、8Rは、ウレタンゴム製のキャスタに限られず、搭乗デッキ3の接地する際の衝撃を吸収する機構であれば、特に限定されるものではなく、その他の材質の車輪でもよいし、車輪の形状をとらなくてもよく、例えば、衝撃吸収シートやエアクッション等を使用してもよい。
搭乗デッキ3と地表までのスペースに、制御回路13L、13R、ドライバ回路14L、14Rからなる車両制御部7(7L、7R)および電源としてのバッテリー15が設けられ、それぞれ、カバーされている。バッテリー15のカバーに電源スイッチ16が設けられている。図示は省略するが、それぞれを接続する配線が設けられている。
搭乗デッキ3の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサ6は、傾斜角度を検出信号へ変換するセンサであり、例えば、傾斜センサが用いられる。しかし、これに限られず、ジャイロセンサや距離センサ等を適用してもよい。
車両制御部7(7L、7R)は、傾斜角度検出センサ6およびトルク検出センサ10L、10Rの入力信号を演算処理して、速度および前進、後退を判断し、制御信号を出力する制御回路13L、13Rと、制御回路13L、13Rから出力された制御信号に基づいて電動駆動装置5L、5Rへ駆動電流出力するドライバ回路14L、14Rとから構成される。
次に、本実施形態の電動式ボード1の駆動制御について、図7〜図13に基づいて説明する。図7は、電動式ボードの姿勢を示し、補助輪が接地した状態を示す平面図で、図8は地面と平行状態を示す平面図である。図9は電動式ボードの旋回走行の制御を説明する図で、図9(a)は平面図で、図9(b)は、図9(a)の左側面図である。図10は搭乗デッキの傾斜角度と電動駆動装置の速度・出力の関係を示すグラフで、図11および図12は電動式ボードの制御フローチャートで、図13は電動式ボードの制御ブロック図である。
電動式ボード1の制御系の概要を図13の制御ブロック図に基づいて説明する。平行に配置された2つの車輪4L、4Rの各々を独立して回転駆動する2つの電動駆動装置5L、5Rは、左右2つの車両制御部7L、7Rにより制御される。車両制御部7L、7Rは、それぞれ、制御回路13L、13Rとドライバ回路14L、14Rを備え、制御回路13L、13Rのそれぞれに傾斜角度検出センサ6、搭乗者検出センサ9L、9R、トルク検出センサ10L、10Rの検出信号が入力される。トルク検出センサ10L、10Rは電動駆動装置5L、5Rの駆動トルクを検出する。電源であるバッテリー15は、電源スイッチ16を経由して左右の車両制御部7L、7Rに接続されている。
ここで、各センサについて定義する。傾斜角度検出センサとは、傾斜角度を検出する傾斜角センサや、角速度、各加速度を検出するジャイロセンサや、加速度を検出する加速度センサ等を指す。搭乗者検出センサとは、圧力センサや、近接センサ、テープスイッチ等を指す。トルク検出センサとは、電流検出抵抗器や、電流センサを指す。
次に、搭乗デッキ3の傾斜角度と電動駆動装置5L、5Rの速度・出力の関係について図10を参照して説明する。搭乗デッキ3を走行したい方向を下げて傾斜させると、その傾斜角度θの大きさに応じて駆動電流が制御され、傾斜角度θが増加すると電動式ボード1の速度が速くなり、傾斜角度θが小さくなると速度が遅くなる。そして、傾斜角度θが設定値α以上に大きくなると、電動駆動装置5L、5Rへの駆動電流が遮断され、電動式ボードが減速、停止する。
電動式ボード1の制御系の概要は以上のとおりであるが、次に、具体的な駆動制御について、図11、図12を参照して説明する。図11に示すように、まず、ステップS1として、搭乗者が電動式ボード1に搭乗する前に、電源スイッチ15をオンさせ、車両制御部7を起動させる。次に、ステップS2として、左右どちらか一方の補助輪8L(又は、8R)を接地させ、搭乗デッキ3を安定させる。
補助輪8L(又は、8R)の接地が確認されると、図7に示すように、搭乗者は、片足を搭乗デッキ3に乗せ、搭乗者確認センサ9L又は9Rがオンすることにより搭乗者の片足が乗ったことを判断する(ステップS3)。
次に、残りの片足を搭乗デッキ3に乗せると、搭乗デッキ3は持ち上がり、図8に示すように、搭乗者は両足で地面と平行になるようにバランスを取る。これにより、搭乗者検出センサ9L、9Rが両方ともオンすることで搭乗者の両足を検出する(ステップS4)。そして、ステップS5として、搭乗デッキ3が平行になったことを傾斜角度検出センサ6が検出すると、車両制御部7から電動駆動装置5L、5Rへ駆動電流が出力され、自動的に姿勢制御が開始される(ステップS6)。姿勢制御がオンになると、搭乗デッキ3が倒れた方向(下がった側に)に電動駆動装置5L、5Rを駆動して水平状態に戻すように制御され、搭乗デッキ3の姿勢が安定する。
電動式ボード1の姿勢制御が開始されたことで、図12のステップ10として、搭乗者が走行したい方向へ重心移動することにより、搭乗デッキ3が走行したい方向に傾斜し、その傾斜角度を傾斜角度検出センサ6で検出され、この検出信号が車両制御部7へ入力され、前記検出信号が車両制御部7の制御回路13L、13Rで演算される。制御回路13L、13Rで演算された制御信号がドライバ回路14L、14Rに入力され、電動駆動装置5L、5Rに駆動電流が供給される。これにより、車輪4L、4Rが回転駆動され、搭乗者が走行したい方向に走り始める。そして、図10に示すように、搭乗デッキ3の傾斜角度αが大きくなると、車両制御部7から供給される駆動電流が増加し、電動式ボード1の速度が速くなる。
次に、電動式ボード1の旋回動作を図9(a)、図9(b)に基づいて説明する。電動式ボード1の旋回動作は、搭乗者が車輪4L又は4Rに荷重を掛けることにより、より荷重を掛けた方の電動駆動装置5L又は5Rの出力軸に掛かる駆動トルクが増大し回転数が減少する。それにより、車輪4L又は4Rに回転差が生じて電動式ボード1の旋回が可能になる。
図9(a)、図9(b)を参照して具体的に説明する。まず、図9(a)は、搭乗デッキ3の左側が下がった傾斜状態で、図の左方向に進む状態を示している。また、本実施形態の電動式ボード1は、前述したように、搭乗デッキ3が一体型構造でベース2に取付け固定されている。このため、2つの車輪4L、4Rの軸線A−A周りの傾斜運動のみが許容される構成になっている(図3参照)。
そのため、搭乗者が車輪4L、4Rの軸線A−A方向に重心移動して、図9(b)の白抜き矢印で示すように、2つの車輪4L、4Rのうち車輪4Lにより荷重を掛けると、電動駆動装置5Lの出力軸に掛かる駆動トルクが増大し、回転数が減少する。その結果、図9(a)の白抜き矢印で示すように、車輪4Lの回転速度が車輪4Rの回転速度よりも遅くなり、その回転差により、黒塗り矢印のように左方向に旋回する。このように、旋回する方向に搭乗者の重心を移動させるので、搭乗者の姿勢も安定する。さらに小さい半径で旋回するには、より荷重を掛けた車輪4Lを中心にして、搭乗者自身の体のひねりを利用することで可能になる。
また、上記の搭乗者の重心移動や体のひねりによるマニュアル旋回走行に加えて、トルク検出センサ10L、10Rの検出信号に基づいて車両制御部7L、7Rで旋回走行のための駆動電流を制御し、電動駆動装置5L、5Rをトルク制御することができる。これにより、例えば、重心移動や体のひねりが少ない場合でも、一定の旋回走行が可能となり、初心者から熟練者まで、その操作レベルに応じた旋回走行をアシストすることができる。
上記のように、本実施形態の電動式ボード1は、2つの車輪4L、4Rの軸線A−A周りの傾斜運動のみが許容される構成になっているので、搭乗デッキ3に乗った搭乗者の姿勢が安定し、搭乗者は楽に思い通りの操作ができる。
電動式ボード1の停止および降車について説明する。走行中に停止する場合、搭乗デッキ3を一定以上に傾斜させると、傾斜角度検出センサ6の検出信号が車両制御部7L、7Rに入力され、車両制御部7L、7Rの制御回路13L、13Rで予め設定された角度αを超えたこと判定(ステップS11)し、制御回路13L、13Rからドライバ回路14L、14Rへ制御信号を入力し、ドライバ回路14L、14Rからの駆動電流を遮断する(ステップS12)。これにより、電動式ボード1が減速され、減速された状態で補助輪8L又は8Rを接地(ステップS13)することで、安全な速度で停止することが可能となる(ステップS14)。
停止後、搭乗デッキ3の浮いている側の片足を下すことで、搭乗者検出センサ9L又は9Rがオフし(ステップS15)、姿勢制御が自動的に終了される(ステップS16)。その後、残りの片足を下ろし(ステップS17)、電源スイッチ16をオフする(ステップS18)。以上で降車が完了する。
ステップS15の状態から、下ろした片足を再度搭乗デッキ3に乗せ、傾斜角度検出センサ6が平行になったことを検出すると(ステップ19)、姿勢制御が自動的にオンになり(ステップS20)、引き続き走行可能となる。
以上説明したように、本実施形態の電動式ボード1は、搭乗デッキ3が、その重量バランスをベース2の中心付近に配置した一体型構造からなり、2つの車輪4L、4Rの軸線A−A周りの傾斜運動のみが許容される構成になっているので、搭乗者の重心移動の操作やバランス調整の検出機構を簡略化し、かつ全体構造をシンプルにし、低コストで、前進、後退、速度調整、旋回等の各種の制御を行うことができる。搭乗者は、安全で思い通りの操作ができると共に電動式ボードの楽しさを味わうことができる。
また、搭乗者検出センサ9L、9Rが搭乗者の両足を検出し、搭乗デッキ3が平行になったことを傾斜角度検出センサ6が検出すると、車両制御部7から電動駆動装置5L、5Rへ駆動電流が出力され、自動的に姿勢制御が開始されるので、直ちに搭乗者の姿勢を安定させることができ、安全性が高い。
次に、傾斜角度検出センサおよび車両制御部の別の実施形態を図14に基づいて説明する。前述した実施形態と同じ機能を有する部位には同一の符号を付して、前述した実施形態に係る電動式ボードの構成、駆動制御等についての内容を本実施形態に準用する。以下に要点を説明する。搭乗デッキ3の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサ6は、傾斜角度を検出信号へ変換するセンサであり、角速度を検出するジャイロセンサ6aと加速度を検出する加速度センサ6bとから構成される。本実施形態では、ジャイロセンサ6aおよび加速度センサ6bにより、搭乗デッキ3のピッチング方向の角度を検出している。また、ピッチング角度だけでなく、前記ピッチング方向に対して直交方向にジャイロセンサおよび加速度センサを追加して設置した場合、搭乗デッキ3のロール角度も検出することができるため、電動式ボード1を旋回する信号として利用することも可能となる。
車両制御部7(7L、7R)は、傾斜角度検出センサ6より出力される信号に基づいて、傾斜角度を算出する傾斜角度演算部13La、13Raを内蔵し、演算処理した傾斜角度とトルク検出センサ10L、10Rの出力信号を演算処理して、指令速度および前進、後退を決定し、制御信号を出力する制御回路13L、13Rと、制御回路13L、13Rから出力された制御信号に基づいて電動駆動装置5L、5Rへ駆動電流出力するドライバ回路14L、14Rとから構成される。
次に、傾斜角度の演算処理について説明する。傾斜角度検出センサ6は、前述したように、加速度センサ6bに加え、ジャイロセンサ6aを使用している。加速度センサ6bのみの場合、静止した状態においては正しい傾斜角度を得ることができるが、移動時に重力方向以外の加速度が加わると、正確な傾斜角度を得ることが困難である。また、ジャイロセンサ6aのみの場合は、ジャイロセンサ6aから得られる角速度は正確であり、積分すれば正しい傾斜角度が得られるが、センサ出力がオフセットしたり、連続運転時にドリフトが生じると、積分誤差により正確な傾斜角度を計算するのが困難である。
そこで、それぞれのセンサの特徴を活かして、加速度センサ6bにはローパスフィルタを掛けて低周波成分を取り出し、ジャイロセンサ6aにはハイパスフィルタを掛けて高周波成分を取り出して組合せて、下記の式1、式2により演算することで、より精度の高い傾斜角度の算出が可能となり、電動駆動装置5L、5Rを滑らかに駆動することで、電動式ボード1をより安全に運転することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 電動式ボード
2 ベース
3 搭乗デッキ
4 車輪
5 電動駆動装置
6 傾斜角度検出センサ
6a ジャイロセンサ
6b 加速度センサ
7 車両制御部
8 補助輪
9 搭乗者検出センサ
10 トルク検出センサ
13 制御回路
14 ドライバ回路
15 バッテリー
16 電源スイッチ
51 電動モータ
52 減速機
α 傾斜角度の設定値
θ 傾斜角度
2 ベース
3 搭乗デッキ
4 車輪
5 電動駆動装置
6 傾斜角度検出センサ
6a ジャイロセンサ
6b 加速度センサ
7 車両制御部
8 補助輪
9 搭乗者検出センサ
10 トルク検出センサ
13 制御回路
14 ドライバ回路
15 バッテリー
16 電源スイッチ
51 電動モータ
52 減速機
α 傾斜角度の設定値
θ 傾斜角度
Claims (6)
- 2つの車輪が装着され、その各々を独立して回転駆動する2つの電動駆動装置と、前記2つの車輪の軸線を一致させ前記車輪を平行にした配置で前記2つの電動駆動装置が取り付けられるベースと、このベースに取付けられ、搭乗者の左右の足が個別に置かれる搭乗デッキと、前記2つの電動駆動装置を制御する車両制御部とを備え、前記搭乗者の重心移動による前記車輪の軸線周りの前記搭乗デッキの傾斜角度を傾斜角度検出センサにより検出し、この検出信号に基づく前記車両制御部の信号により前記2つの電動駆動装置に供給される駆動電流が制御される電動式ボードであって、
前記搭乗デッキは、その重量バランスを前記ベースの中心付近に配置した一体型構造からなり、前記車輪の軸線周りの傾斜運動のみが許容される構成とし、
前記搭乗デッキ上の搭乗者が、前記車輪の軸線方向へ重心移動させることにより、前記2つの車輪に掛かる駆動トルク差による車輪の回転速度差を生じさせて旋回走行し、
前記搭乗者が搭乗した際、前記搭乗デッキ上に置いた前記搭乗者の左右の足を各々検出する搭乗者検出センサを備え、この検出信号に基づく前記車両制御部の制御信号により前記2つの電動駆動装置に供給される姿勢制御のための駆動電流が制御されることを特徴とする電動式ボード。 - 前記搭乗者の重心移動による前記2つの車輪にかかる駆動トルクを検出するトルク検出センサを備え、この検出信号に基づく前記車両制御部の信号により前記2つの電動駆動装置に供給される旋回走行制御のための駆動電流が制御されることを特徴とする請求項1に記載の電動式ボード。
- 前記トルク検出センサが電流検出センサであることを特徴とする請求項2に記載の電動式ボード。
- 前記傾斜角度検出センサが、角速度を検出するジャイロセンサと加速度を検出する加速度センサとから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動式ボード。
- 前記搭乗デッキの両端の下部に、前記搭乗デッキの前記車軸中心周りの傾斜角度を制限する補助輪を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動式ボード。
- 前記電動駆動装置がモータと減速機とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動式ボード。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108499085A (zh) * | 2018-03-23 | 2018-09-07 | 南京工业职业技术学院 | 一种智能滑板车控制速度方法 |
KR20200135305A (ko) | 2018-03-26 | 2020-12-02 | 소니 주식회사 | 촬상 소자, 촬상 장치, 및 정보 처리 방법 |
CN113911242A (zh) * | 2021-09-01 | 2022-01-11 | 上海奥令科电子科技有限公司 | 一种电动助力车及控制方法 |
JP2022165720A (ja) * | 2021-04-20 | 2022-11-01 | 有限会社インテンド | キック式走行車 |
-
2017
- 2017-06-23 JP JP2017123113A patent/JP2018012492A/ja active Pending
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