以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る撮影機器の回路構成を示すブロック図である。
図1において、撮影機器10は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子によって構成された撮像部12を有している。撮像部12は、撮影機器10の前面に設けられた図示しないレンズを介して被写体像を取り込み、光電変換して撮像画像を得る。撮像部12は、信号処理及び制御部11によって駆動制御されて、被写体を撮影し撮像画像を出力する。
信号処理及び制御部11は、撮像部12の駆動信号を撮像部12に出力すると共に、撮像部12からの撮像画像を読み出す。信号処理及び制御部11は、読み出した撮像画像に対して、所定の信号処理、例えば、色調整処理、マトリックス変換処理、ノイズ除去処理、その他各種の信号処理を行う。
撮影機器10には、操作判定部13も配設されている。操作判定部13は、撮影機器10に設けられた図示しないレリーズボタン、ファンクションボタン、撮影モード設定等の各種スイッチ等を含む操作部に対するユーザ操作に基づく操作信号を発生して、信号処理及び制御部11に出力するようになっている。信号処理及び制御部11は、操作信号に基づいて、各部を制御する。
また、信号処理及び制御部11の表示制御部11aは表示に関する各種処理を実行する。表示制御部11aは、信号処理後の撮像画像を表示部18及び接眼表示部17に与えることができる。表示部18及び接眼表示部17は、夫々LCD等の表示画面を有しており、表示制御部11aから与えられた画像を表示する。また、表示制御部11aは、各種メニュー表示等をこれらの表示画面に表示させることもできるようになっている。
また、撮影機器10にはタッチパネル19が設けられている。例えば、タッチパネル19を表示部18の表示画面上に設けることで、ユーザが指で指し示した表示画面上の位置に応じた操作信号を発生することができる。これにより、ユーザは、表示部18の表示画面上に表示された画像に対する選択操作等を簡単に行うことができる。
なお、表示部18は、撮影機器10の例えば背面の略全域を占めるように配設されており(図3参照)、撮影者は、撮影時に表示部18の表示画面上に表示されたスルー画を確認することができ、スルー画を確認しながら撮影操作を行うことができる。
また、撮影機器10には接眼センサ17bも設けられている。接眼センサ17bは、撮影者が目を接眼表示部17に近接(接眼)させたことを検出して検出結果を信号処理及び制御部11に出力するようになっている。
信号処理及び制御部11は、信号処理後の撮像画像を圧縮処理し、圧縮後の画像を記録部16に与えて記録させることができる。記録部16としては、例えばカードインターフェースを採用することができ、記録部16はメモリカード等の記録媒体に画像情報及び音声情報等を記録すると共に、記録媒体に記録されている画像及び音声情報を読み出して再生することもできるようになっている。
撮影機器10の筐体には図示しないアクセサリーシューが設けられており、スマートフォン等の他の撮影機器20を取り付けることができるようになっている。そして、本実施の形態においては、撮影機器10において他の撮影機器20と連携して撮影を行うことができるようになっている。通信部14は、他の撮影機器20に設けられた通信部24との間で通信が可能であり、信号処理及び制御部11と他の撮影機器20との間でデータの送受が可能である。これにより、信号処理及び制御部11は、他の撮影機器20との間で連携して撮影を行う連携撮影モードで動作することができるようになっている。
他の撮影機器20は、例えば、スマートフォン等によって構成することができる。他の撮影機器20は、信号処理及び制御部21を備えており、信号処理及び制御部21は、他の撮影機器20の各部を制御する。他の撮影機器20は、通信部25を備えている。信号処理及び制御部21の通信制御部21bは、通信部25を制御して、各種データを電話回線等の所定のネットワークを介して送信すると共に所定のネットワークからの各種データを取り込むことができる。
他の撮影機器20は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子によって構成された撮像部22を有している。撮像部22は、他の撮影機器20の前面に設けられた図示しないレンズを介して被写体像を取り込み、光電変換して撮像画像を得る。撮像部22は、信号処理及び制御部21によって駆動制御されて、被写体を撮影し撮像画像を出力する。信号処理及び制御部21の撮像制御部21cは、撮像部22の駆動信号を撮像部22に出力する。撮像制御部21cによって、ズーム制御及びフォーカス制御が可能である。信号処理及び制御部21は、撮像部22からの撮像画像を読み出し、読み出した撮像画像に対して、所定の信号処理、例えば、色調整処理、マトリックス変換処理、ノイズ除去処理、その他各種の信号処理を行う。
また、信号処理及び制御部21の表示制御部21aは表示に関する各種処理を実行する。表示制御部21aは、信号処理後の撮像画像を表示部28に与えることができる。表示部28は、LCD等の表示画面を有しており、表示制御部21aから与えられた画像を表示する。また、表示制御部21aは、各種メニュー表示等をこれらの表示画面に表示させることもできるようになっている。
また、他の撮影機器20にはタッチパネル29が設けられている。例えば、タッチパネル29を表示部28の表示画面上に設けることで、ユーザが指で指し示した表示画面上の位置に応じた操作信号を発生することができる。これにより、ユーザは、表示部28の表示画面上に表示された画像に対する選択操作等を簡単に行うことができる。
なお、表示部28は、他の撮影機器20の例えば一面の略全域を占めるように配設されており(図3参照)、撮影者は、撮影時に表示部28の表示画面上に表示されたスルー画を確認することができ、スルー画を確認しながら撮影操作を行うことができる。
また、信号処理及び制御部21は、信号処理後の撮像画像を圧縮処理し、圧縮後の画像を記録部26に与えて記録させることができる。記録部26は記録媒体に画像情報及び音声情報等を記録すると共に、記録媒体に記録されている画像及び音声情報を読み出して再生することもできるようになっている。
本実施の形態においては、信号処理及び制御部11の接続機器制御部11eは、アクセサリーシューに他の撮影機器20を接続したことを検出することができるようになっている。例えば、信号処理及び制御部11は、接続機器制御部11eによってアクセサリーシューに他の撮影機器20が接続されたことが検出されと、連携撮影モードに移行するようになっている。接続機器制御部11eは、連携撮影モードにおいて、他の撮影機器20に関して、撮像制御、画像送信制御、表示制御等を行うことができるようになっている。
連携撮影モードにおいては、信号処理及び制御部11の特徴判定部11bは、撮像部12からの撮像画像(以下、第1の撮像画像ともいう)の特徴を判定する。例えば、特徴判定部11bは、第1の撮像画像の中心の所定サイズの領域を特徴検出領域に設定し、特徴検出領域の画像についての特徴を求める。また、特徴判定部11bは、第1の撮像画像中のユーザが指定した範囲の画像部分を特徴検出領域に設定し、この領域の特徴を求めるようにしてもよい。
画像比較部11cは、通信部24,14を介して他の撮影機器20の撮像画像(以下、第2の撮像画像ともいう)が与えられ、第2の撮像画像中に第1の撮像画像の特徴検出領域における画像の特徴に略一致する特徴の画像部分が存在するか否かを判定し、存在する場合には一致する画像部分について第1の撮像画像上での位置を求める。
画角表示部11dは、画像比較部11cの検出結果が与えられ、第1の撮像画像の特徴検出領域に対応する第2の撮像画像上での範囲を示す枠画像を生成することができる。
本実施の形態においては、表示制御部11aは、連携撮影モード時には、撮像部12からの第1の撮像画像と他の撮影機器20からの第2の撮像画像とを、同一表示画面上に表示することができるようになっている。更に、表示制御部11aは、画角表示部11dからの枠画像を第2の撮像画像に重ねて表示することもできるようになっている。
おな、信号処理及び制御部11は、通信部14,24を介して第1の撮像画像を他の撮影機器20に送信し、他の撮影機器20の通信制御部21bによって所定のネットワーク上に第1の撮像画像を送信させることも可能である。また、信号処理及び制御部11は、ユーザ操作に基づいて他の撮影機器20用の操作信号を発生し、通信部14,24を介して他の撮影機器20に送信することにより、他の撮影機器20を操作することもできるようになっている。これにより、撮影機器10の操作によって他の撮影機器20の撮像部22において撮影を行うことも可能である。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2乃至図7を参照して説明する。図2は第1の実施の形態のカメラ制御を示すフローチャートである。図3は撮影機器10及び他の撮影機器20の外観及び撮影の様子を示す説明図であり、図4は表示部18の表示画面18a上の表示を説明するための説明図である。図5は実施の形態の動作を説明するための説明図である。
撮影者は撮影機器10の図示しないアクセサリーシューに、スマートフォン等の他の撮影機器20を装着する。図3はこの状態を示している。撮影者31は、例えば、撮影機器10の筐体10aを右手32R及び左手32Lで把持して、表示部18の表示画面18a上に表示されたスルー画を見ながら被写体を視野範囲に捉えた状態で、撮影を行うことができる。撮影機器10と他の撮影機器20とが連携していない場合には、他の撮影機器20の表示画面28aには、他の撮影機器20の撮像部22によって撮像して得た撮像画像が表示される。
これに対し、本実施の形態においては、撮影機器10と他の撮影機器20とは連携して撮影を行うことができるようになっており、他の撮影機器20を撮影機器10に装着すると、他の撮影機器20の表示画面28aの表示は消灯し、他の撮影機器20によって撮像された画像は、撮影機器10の表示画面18a上に表示される。
図4はこの状態を示しており、表示部18の表示画面18a上には、撮影機器10の撮像部12による第1の撮像画像を表示する主表示領域41aと他の撮影機器20の撮像部22による第2の撮像画像を表示する副表示領域41bとが設けられる。例えば、撮影機器10,20は略同一の方向を撮影し、他の撮影機器20は広角での撮影を行い、撮影機器10は望遠での撮影を行うものとすると、他の撮影機器20において撮像される撮影範囲の一部の領域が撮影機器10において撮像される。この場合には、副表示領域41bには広角画像44が表示され、主表示領域41aでは広角画像44の一部の望遠画像42が表示される。図4の例では広角画像44の一部には鳥の画像45が表示されていることを示している。また、望遠画像42中には略全域に鳥の画像43が表示されている。
本実施の形態においては、望遠画像42が広角画像44中のいずれの位置の画像であるかを示す枠画像による画角表示46を広角画像44中に表示するようになっている。
撮影機器10の表示画面18a上に、撮影機器10,20の両方の撮像画像を表示する表示領域41a,41bを設けたことから、撮影者は両方の画像の確認が容易となる。なお、他の撮影機器20の表示部28を消灯させてもよく、消費電力を低減させることができる。また、副表示領域41bには例えば全景を表示し、主表示領域41aに全景のうちの撮影したい部分を表示することで、撮影機器10によって撮像したい撮影範囲の確認が容易となる。例えば、撮影機器10によって撮像しようとした被写体が動いて追尾できなくなった場合でも、副表示領域41bの広角画像44を確認することで、対象となる被写体を探して再度追尾することが簡単になる。しかも、広角画像44中には撮影機器10によって撮像中の望遠画像42の範囲を示す画角表示46を表示しており、被写体の位置の確認が極めて容易となる。
次に、このようなカメラ制御について図2を参照して説明する。
図2のステップS1において、信号処理及び制御部11は撮影モードであるか否かを判定する。撮影モードが指示されていない場合には、信号処理及び制御部11は、ステップS2において、再生モードが指示されたか否かを判定する。再生モードが指示されると、信号処理及び制御部11は、ステップS3において画像の再生を行う。ユーザが再生画像に付随した関連情報であるタグの再生を指示すると、信号処理及び制御部11は、ステップS4から処理をステップS5に移行して再生画像に関連する情報の表示(タグ表示)を行う。
信号処理及び制御部11は、ステップS6において、撮像画像を公開するためのシェアボタンが操作されているか否かを判定する。撮影機器10には図示しないシェアボタンが配設されており、ユーザは撮像画像をインターネット等のネットワーク回線上のサーバ等に転送しようとする場合にはこのシェアボタンの操作を行う。
本実施の形態においては、シェアボタンが操作されると、撮影機器10の信号処理及び制御部11は、撮影機器20の通信を制御するためのコマンドと共に撮像画像を通信部14を介して他の撮影機器20に送信する。他の撮影機器20の通信制御部21bは、撮影機器10からのコマンドに応じて通信部25を制御して、撮影機器20から転送された撮像画像を図示しないネットワーク回線上に送信する(ステップS7)。こうして、撮影機器10がネットワーク回線に接続する通信部を有していない場合でも、他の撮影機器20の通信部を利用した画像送信が可能である。
ユーザが再生画像の変更再生を指示すると、信号処理及び制御部11は、ステップS8から処理をステップS9に移行して再生する画像を変更する。信号処理及び制御部11は、ステップS2において再生モードが指定されていない場合には、ステップS22において他の撮影機器20を介した画像受信を行った後、処理をステップS1に戻す。
ここで、ユーザにより撮影モードが指示されるものとする。信号処理及び制御部11は、ステップS11において、撮像部12を起動し、撮像画像を取り込む。信号処理及び制御部11の特徴判定部11bは、ステップS12において特徴判定を行う。特徴判定部11bによって、撮像部12によって得られた撮像画像の特徴が判定される。この特徴は後述する画像比較に用いられる。
ステップS13では、ズーム操作の有無が判定され、ズーム操作があった場合には、ズーム制御が行われる(ステップS14)。次にステップS15では、他の撮影機器との連携撮影モードが設定されたか否かを判定する(スマホ連携)。例えば、スマートフォン等の他の撮影機器20を、撮影機器10のアクセサリーシューに装着した場合には、接続機器制御部11eによってこの装着が検出されて連携撮影モードが設定される。
いま、連携撮影モードでないものとすると、撮影機器10と他の撮影機器20とは夫々単独で動作する。例えば、図5(a)は略同一方向を撮影機器10及び他の撮影機器20によって撮影した状態を示している。撮影機器10においては撮影画像はスルー画として表示される(ステップS16)。図5(a)においては、撮影機器10の表示画面18a上に、画像43を含む望遠画像42が表示されている様子と他の撮影機器20の表示画面28a上に、画像44を含む広角画像44が表示されている様子を示している。なお、表示画面18a上には、動画撮影のための操作ボタン51が表示されている。
撮影操作が行われると、信号処理及び制御部11はステップS17において撮影操作を検出し、ステップS18において撮影を行う。撮像部12からの撮像画像は信号処理及び制御部11によって所定の信号処理が施される。信号処理及び制御部11は、ステップS19においてメタデータを付与し、撮像画像と共に記録部16に記録する。ステップS20ではレックビュー表示(確認表示)が所定時間経過するまで行われる(ステップS21)。
一方、撮影機器10のアクセサリーシューに他の撮影機器20が装着された場合には、連携撮影モードとなり、処理はステップS15からステップS31に移行して、接続機器制御部11eは、他の撮影機器20の撮像部22を起動させると共に、他の撮影機器20に広角での撮影を指示する(ステップS31)。次に、接続機器制御部11eは、他の撮影機器20の表示部28を消灯させ、撮像部22によって撮像された撮像画像を通信部24,14を介して転送させる(ステップS32)。
表示制御部11aは、表示部18の表示画面18aに主表示領域41a及び副表示領域41bを設定し(ステップS33)、主表示領域41aに撮像部12に基づく撮像画像を表示し(ステップS34)、副表示領域41bに撮像部22に基づく撮像画像を表示する(ステップS35)。
図5(b)はこの状態を示している。撮影機器10及び他の撮影機器20は略同一方向を撮像しており、撮影機器10は望遠での撮像を行い、他の撮影機器20は広角での撮像を行っている。撮影機器20の表示画面28aは消灯され、撮影機器10の表示画面18a上には、主表示領域41a及び副表示領域41bが表示されている。主表示領域41aには、撮像部12による望遠画像42が表示され、副表示領域41bには撮像部22による広角画像44が表示されている。
次のステップS36では、画像比較部11cによる画像比較が行われる。画像比較部11cは、ステップS12において求めた画像の特徴を用いて、主表示領域41aの望遠画像42に類似する画像が広角画像44中のいずれの領域にあるかを求め、その範囲を検出結果として出力する。画角表示部11dは、画像比較部11cの検出結果が与えられ、広角画像44中に画像比較部11cの検出結果に基づく範囲を示す枠画像を表示させるための表示データを生成して表示制御部11aに出力する。こうして、表示制御部11aによる副表示領域41b中に枠画像による画角表示46が表示される(ステップS37)。
ステップS38においては、表示制御部11aによって、動画撮影のための操作ボタン51が表示画面18a上に表示される。次のステップS39においては、信号処理及び制御部11は、動画撮影の操作ボタン51の操作を検出し、動画撮影が指示されたか否かを判定する。信号処理及び制御部11は、操作ボタン51が指53aによってタッチされた場合には、ステップS40において動画撮影中であるか否かを判定し、動画撮影中でない場合には動画撮影を開始し(ステップS41)、動画撮影中の場合には動画撮影を終了する(ステップS42)。なお、ユーザが指53bによってシャッターボタン52を押圧操作した場合には、処理はステップS39からステップS17に移行して、静止画撮影が行われる(ステップS18)。
このように、主表示領域41aに表示される撮像画像が副表示領域41bのいずれの領域に表示されているかを示す画角表示46が副表示領域41b内に表示される。これにより、ユーザは、広角画像44中に表示された画角表示46を利用することで、撮像部12によって撮像する望遠画像42のおおよその撮影方向を認識することができ、構図設定等に極めて有用である。
なお、図5(b)では、主表示領域41a及び副表示領域41bを撮影機器10の筐体10aの背面に設けた表示部18に設定する例について説明したが、接眼表示部17にこれらの領域を設けて、撮像部12,22からの撮像画像を表示するようにしてもよい。
図5(c),(d)はこの場合の例を示すものであり、図5(c)は撮影機器10,20の外観を示し、図5(d)は接眼表示部17の表示画面17a上の表示を示している。図5(d)に示すように、接眼表示部17においても、主表示領域41a及び副表示領域41bが設定され、望遠画像42、広角画像44が表示されると共に、広角画像44中に画角表示46が表示されている。なお、この場合には、表示部18の表示画面18a上には、動画撮影のための操作ボタン51aが表示されている。この操作ボタン51aは、ユーザが接眼表示部17を覗いた状態でも確実に操作可能のように、十分大きなサイズで表示されている。
なお、図2のステップS41においては動画撮影を撮影機器10において行う例について説明したが、動画撮影操作に応じて、接続機器制御部11eが他の撮影機器20を制御することにより、他の撮影機器20において動画撮影を行うようにしてもよい。また、この場合には、ステップS19のメタデータの付与処理において、他の撮影機器20の動画撮影によって得られた動画像を、ステップS18の静止画撮影のメタデータとして付与するようにしてもよい。また、動画撮影操作の有無に拘わらず、ステップS18の静止画撮影の前後の所定時間における動画像を、メタデータとして自動的に記録するようにしてもよい。
図6は図2のステップS36における画像比較処理の一例を示す説明図であり、図7は画像比較処理の動作フローを示すフローチャートである。図6(a)は撮影機器10の撮像部12によって撮像された望遠画像42が表示画面18aに表示されている様子を示しており、図6(b)はその他の撮影機器20の撮像部22によって撮像された広角画像44が表示画面28aに表示されている様子を示している。広角画像44中の画像45と望遠画像42中の画像43とは同一被写体である鳥を撮像して得られたものである。
特徴判定部11bは、図7のステップS51において、撮影機器10による撮像画像(望遠画像44)の画面中央の画像(以下、判定対象画像という)の特徴を判定する。次に、画像比較部11cは、他の撮影機器20による撮像画像(広角画像44)中に判定位置を設定し、設定した判定位置における画像の特徴とステップS51で求めた判定対象画像の特徴判定の結果との一致比較を行う。
例えば、図6(c)の画像43aが判定対象画像であるものとすると、画像比較部11cは、広角画像44中にこの画像43aと同一サイズの判定領域を所定の判定位置に設定して類似特徴の判定を行い(ステップS53)、特徴の一致度を求める(ステップS54)。
画像比較部11cは、判定領域を広角画像44中で移動させて(ステップS56)、ステップS53,S54の類似判定を繰り返す。全ての判定位置において判定領域の類似判定が終了すると、処理をステップS55からステップS57に移行して、判定対象画像の縮小限界に到達したか否かを判定する。縮小限界に到達していない場合には、ステップS58に移行して、画面中央の判定対象画像を縮小して(ステップS58)、ステップS52〜S56を繰り返す。
判定対象画像の縮小限界に到達すると、画像比較部11cは、特徴の一致度が最も高い位置を縮小相当部として、当該部分を画角表示領域の候補に設定する。例えば、図6(c)に示すように、判定対象画像を画像43aから画像43b、43cと順次縮小し、これらの画像と広角画像44の判定領域の画像との類似判定を行う。例えば、画像43cに一致する判定領域についての一致度が最も高い場合には、この判定領域が望遠画像44中の判定対象画像に対応する画像であるものとする。図6(d)はこの判定領域47を破線にて示している。
本実施の形態におていは、上述したように、判定領域47の位置を示す画角表示46を副表示領域41b中に枠画像により表示する。
なお、図7では特徴判定部11bは、画面中央の特徴判定を行うものとして説明したが、特徴判定する位置をユーザが指定するようにしてもよい。
このように本実施の形態においては、連携撮影モードにおいては、接続された他の撮影機器の制御を行うと共に、自機の撮像画像と他の撮影機器の撮像画像とを同一画面上に表示する。また、自機の撮像画像が他の撮影機器の撮像画像中のいずれの領域の画像に対応するかを画角表示によって表示する。これにより、自機では追尾できなかった被写体を他の撮影機器の撮像画像を利用して再度追尾することも可能である。また、他の撮影機器の表示部を消灯することにより、消費電力を抑制することができる。また、他の撮影機器の通信制御を行うことも可能であり、自機で撮影した画像を他の撮影機器を介して所定のネットワークに送信させることも可能である。これにより、ネットワークへの通信機能を有していない撮影機器であっても、画像の公開等のデータ通信が可能である。
(第2の実施の形態)
図8は本発明の第2の実施の形態を説明するための説明図である。図8において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態は連携撮影モードにおいて被写体の追尾を容易にしたものである。
本実施の形態における撮影機器60は、撮影方向指示部11fを付加した信号処理及び制御部61を採用した点が第1の実施の形態と異なる。本実施の形態においては、他の撮影機器20によって広角画像を撮像し、撮影機器60によって広角画像内の被写体を望遠にて撮像する。この場合において、他の撮影機器20によって撮像した追尾対象の被写体の広角画像を利用することで、撮影機器60にて撮影するするための撮影方向を指定可能にするようになっている。
全ての方向に等しく撮影方向の指定を可能にするためには、他の撮影機器20の光軸と撮影機器60の光軸とが一致していた方がよい。そこで、実際の撮影の前に、撮影機器60の光軸と、他の撮影機器20の光軸との調整作業を行う。
図9はこのような光軸合わせの調整作業を可能にするための機構を示す説明図であり、図10は信号処理及び制御部61による調整作業の動作フローを示すフローチャートである。なお、図9の機構及び図10の動作フローは、第1の実施の形態の撮影機器10にも同様に適用可能である。なお、図9及び図10にて示した光軸を一致させるための調整作業は、本実施の形態に必須の構成ではなく、光軸一致の調整作業を行わなくても、視野方向の指定は可能である。
図9においては撮影機器60の筐体10aと他の撮影機器20とはねじとボール継ぎ手75によって結合されている。筐体10aの上面には接眼表示部17が配設され、この接眼表示部17の上面にねじとボール継ぎ手75が配設されている。ねじとボール継ぎ手75は、球面受部を有する取付本体76と、この球面受部に球状部が摺動自在に支持されたボールスタッド71とにより構成される。ボールスタッド71の上端に他の撮影機器20が取り付け固定されている。
ねじ77を締めることによって、取り付け本体76の球面受部とボールスタッド71とは相互に固定されるようになっている。ねじ77を緩めることにより、ボールスタッド71の球状部は球面受部に対し摺動自在となり、他の撮影機器20を、球状部を中心に、図9の矢印74aの仰俯角方向及び矢印74bの方位角方向に回転させることができる。他の撮影機器20の光軸を撮影機器60の光軸に一致させた後ねじ77を締めることによって、撮影機器60,20の光軸を一致させた状態で固定することができる。
例えば、図10のステップS61において、他の撮影機器から補助光を照射させる。図9は他の撮影機器20の前方に配置したチャート72上に補助光を照射した状態を示している。補助光によりチャート72上に楕円形の高輝度部73が映出される。ステップS62では、光軸位置調整を行うことを指示するメッセージ表示が表示部18の表示画面18a上に表示される。図9の例では「1mの壁に向けてください」というメッセージ表示が表示されている。
次のステップS63において、撮影機器60の撮像部12によってチャート72の高輝度部73を撮像する。図9は表示画面18a上に、高輝度部73がスルー画として表示された状態を示している。撮像部12によって得られた撮像画像中の高輝度部73に対応する画像部分の形状や輝度分布によって、照射パターンが判定される。撮影機器60が判定した照射パターンと他の撮影機器20が照射した補助光による高輝度部73の照射パターンとの比較によって、撮影機器60と他の撮影機器20の光軸が一致しているか否か、或いは光軸のずれ方向を判定することができる。
光軸が一致している場合には、ステップS64からステップS65に移行して、例えば表示画面18a上にOK表示を表示し、一致していない場合には、ステップS66においていずれの方向に他の撮影機器20を向ければ良いかを示す方向指示表示を例えば表示画面18a上に表示する。この場合には、その方向指示表示に従って、ユーザは他の撮影機器20の向きを変える。
以後、OK表示が表示されるまで、ステップS62〜S66の処理を繰り返す。処理が終了すると、撮影機器60による撮影及び他の撮影機器20による補助光の照射を終了する。
図8において、撮影方向指示部11fは、撮影機器60による撮像画像と他の撮影機器20の撮像画像とに基づいて、撮影機器60が撮影すべき方向(撮影方向)を指示することができるようになっている。例えば、撮影方向指示部11fは、追尾対象が撮影機器60の撮像範囲以外の位置に位置することになったとしても、他の撮影機器20の撮像範囲以内に位置する場合には、撮影機器60の撮影方向を指示することができる。なお、追尾対象としては、ユーザが指定した被写体(以下、対象被写体という)が考えられる。例えば、撮影機器60の表示画面上のタッチ操作によって対象被写体を指定することができる。撮影機器60の撮像範囲から対象被写体が脱した場合でも、他の撮影機器20によって対象被写体が撮像されていれば、再度追尾できるように撮影機器60の撮影方向を指示することができる。
なお、撮影機器60は、所定の速さ以上で動きがある被写体を自動的に追尾対象と判定しても良い。また、鳥、動物、人物等の形を対象被写体として指定しておくことも可能である。この場合には、指定された対象被写体が撮影機器60の撮像範囲に入った以降、撮影方向の指示が可能である。
なお、撮影機器60の光軸と他の撮影機器20の光軸が一致している場合には、他の撮影機器20が撮影機器60よりも広角での撮影を行っていれば、撮影機器60の撮像範囲に入る追尾被写体は必ず撮影機器20にも撮像され、以後、撮影方向の指示が可能である。しかし、撮影機器60の光軸と他の撮影機器20の光軸が一致していない場合でも、撮影機器60及び撮影機器20の両方の撮像範囲に入った追尾対象については、撮影機器20に撮像され続ける限り、撮影方向の指示が可能である。
図11乃至図13は撮影方向指示部11fによる撮影方向の指示の仕方を説明するための説明図である。図11は撮影機器60,20の撮像範囲と被写体との位置関係を示している。撮影者31は手32で撮影機器60を支持して撮影を行う。撮影機器60と他の撮影機器20の光軸の誤差によって、図11に示すように、撮像範囲81W,82Wにずれが生じる。
図11に示す例では、(仰俯角,方位角)で撮影方向を示しており、撮影機器60の望遠での撮像範囲81Tの中心を基準(81C(0,0))として、撮影機器20の広角での撮像範囲82Wの中心82C(θh0,θv0)を規定している。このように、撮影機器60,20の光軸のずれによって、撮像範囲の中心位置(黒丸部)にずれが生じる。
撮影機器60の広角での撮像範囲81Wの中央近傍に対象被写体83が位置しており、撮影機器60の望遠での撮像範囲81Tの右上端に対象被写体83が位置している。また、撮影機器20の広角での撮像範囲82Wの左下端に対象被写体83が位置している。即ち、対象被写体83は、撮影機器60,20の撮像範囲内に位置している。撮像範囲81Tにおける対象被写体83の位置と撮像範囲82Wにおける対象被写体83の位置との位置関係によって、撮影方向指示部11fは、撮像範囲81Tの中心81Cを基準とした撮像範囲82Wの中心82Cの位置を(仰俯角,方位角)にて求めることができる。
ここで、図12に示すように、対象被写体83(斜線丸印)が撮像範囲81Tからずれた位置に移動するものとする。なお、図12中において、撮影機器20の撮像範囲の中心82C(θh0,θv0)は、撮影機器60の撮像範囲の中心81C(0,0)を基準に示しているが、対象被写体83の中心位置は、撮影機器20の撮像範囲の中心82C(θh0,θv0)を基準に示している。
撮影方向指示部11fは、撮影機器20から対象被写体83の中心位置に関する情報が与えられると、図13の図表に従って撮影方向の指示を行う。図13の例では、撮影方向を矢印で示すようになっている。例えば、(θhs+θh0)が−θh1と+θh1との間の値で且つ(θvs+θv0)が−θv1と+θv1との間の値である場合、即ち、撮像範囲81Tの範囲内である場合には、矢印を表示しない。また、例えば、(θhs+θh0)が−θh1と+θh1との間の値で、且つ(θvs+θv0)がθv1よりも大きい値である場合、即ち、撮像範囲81Tの範囲の上方に位置する場合には、上向きの矢印を表示するように表示制御部11aを制御する。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図14のフローチャート及び図15の説明図を参照して説明する。図14において図7と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。なお、図14においては、再生時の処理については図示を省略している。
図14においては、ステップS70において他の撮影機器との連携撮影モードが開始されたものと判定された場合には、他の撮影機器20を起動して広角撮影を指示し、表示部28を消灯させると共に撮像部22からの画像を要求する(ステップS31,S32)。
本実施の形態においては、連携撮影モードでは、撮影機器60の撮像範囲の中心位置と他の撮影機器20の撮像範囲の中心位置との誤差が求められる。先ず、信号処理及び制御部61は、撮影機器60,20の撮像範囲の両方に対象被写体等の同一の被写体が含まれ易いように、撮影機器60を画角を広角化する(ステップS71)。次いで、撮影方向指示部11fは、撮影機器60,20からの撮像画像の画像比較を行い(ステップS72)、図11に示す手法によって、これらの撮像画像の中心位置の誤差を求める。例えば、撮影機器60の撮像画像の中心位置を基準に、撮影機器20の撮像画像の中心位置を求める。
なお、対象被写体までの距離が十分に大きい場合には、撮影機器60,20の光軸のずれ量に変化がなければ、以後、ステップS37において求めた誤差を用いて、撮影方向の方向指示表示を行ってもよい。
信号処理及び制御部61は、ステップS74において連携撮影モードが継続しいるか否かを判定する。継続している場合には、処理をステップS33に移行する。ステップS33〜S35において、撮影機器60の表示部18の表示画面18a上に、主表示領域41a及び副表示領域41bの表示が行われる(図4参照)。
次のステップS75では、撮影方向指示部11fは、撮影機器60,20の撮像画像によって、追尾対象が撮影機器60の撮像範囲外であって、撮影機器20の撮像範囲内に位置するか否かを判定する。この段階では、撮影機器60,20の両方の撮像範囲中に対象被写体等の追尾対象が位置することが多く、処理はステップS75からステップS36に移行する。こうして、第1の実施形態と同様に、副表示領域41b中に主表示領域41aの撮像範囲を示す画角表示46が表示される(ステップS37)。
ここで、撮影機器60においてズーム操作が行われて、撮像範囲が望遠による撮像範囲81Tに変化するものとする。そして、追尾対象が、撮像範囲81Tの外側で且つ撮影機器20の撮像範囲82W内の位置に移動するものとする。
この場合には、撮影方向指示部11fは、ステップS75からステップS76に処理を移行して、対象被写体が存在するか否かを判定した後、ステップS77において図12及び図13の手法によって画面内に方向指示のための例えば矢印表示を表示する。対象被写体が設定されていない場合等のように対象被写体がない場合には、撮影方向指示部11fは、早い動きの被写体を追尾対象として動きに応じた方向指示を行う(ステップS78)。
図15(a)は撮影者31が手32L,32Rによって筐体10aを支持して、対象被写体85を撮影しようとしている様子を示している。対象被写体85は、撮影機器60の撮像範囲の右側で、撮影機器20の撮像範囲内に位置する。この場合には、撮影方向指示部11fは、表示制御部11aを制御して、対象被写体85を撮影するために撮影方向を右側に移動させるべきであることを示す方向指示表示87を表示画面18a上に表示させる。
撮影方向指示部11fは、表示画面18a上に図13に従った方向指示表示を表示させることができる。これにより、撮影者は、表示画面18a上の方向指示表示を見ながら、対象被写体を追尾するためにいずれの方向に撮影機器60を向ければよいかを認識することができる。
また、本実施の形態においては、信号処理及び制御部61は、撮影機器20による望遠での動画撮影中に、追尾対象が撮影機器60の撮像範囲外に移動したか否かを判定し(ステップS79)、移動した場合には、他の撮影機器20によって動画撮影を行う(ステップS80)。これにより、撮影機器60によって対象被写体を動画撮影することができない場合でも、他の撮影機器20による広角での動画撮影が可能である。なお、この場合には、ステップS42において、撮影機器60による動画撮影だけでなく、撮影機器20による動画撮影も停止させる。
このように本実施の形態においては、追尾対象が他の撮影機器によって撮像されていれば、追尾対象が撮像範囲を脱した場合でも、追尾対象を撮像するために向けるべき方向を求めて表示部に方向指示表示として表示させることができる。これにより、撮影者は、動きの速い被写体であっても簡単に追尾することが可能である。しかも、方向指示表示は、スルー画の表示領域近傍に表示されており、方向指示表示の確認が容易である。
なお、上記実施の形態においては、追尾対象を追尾するために撮影機器を向ける方向を方向指示表示によってユーザに示したが、追尾対象を追尾するために撮影機器を向ける方向を方向を示す音声によってユーザに示すようにしてもよい。
また、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話やスマートフォンなど携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
なお、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップは、発明の本質に影響しない部分については、適宜省略も可能であることは言うまでもない。
なお、ここで説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。