以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<システムの概要>
まず、本開示の一実施の形態に係るドアホンシステムの概要について説明する。
図1は、本実施の形態に係るドアホンシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。本実施の形態に係るドアホンシステムは、例えば、親世帯用と子世帯用とに住居スペースが分かれた、二世帯住宅に設置されるシステムである。
図1に示すように、ドアホンシステム1は、例えば親世帯用の住居スペースに配置される第1のドアホンシステム1aと、例えば子世帯用の住居スペースに配置される第2のドアホンシステム1bと、これらを接続する通信ケーブル11と、を有する。
第1のドアホンシステム1aは、2つの第1の玄関子機100a−1、100a−2、第1のドアホン親機200aおよび第1の増設モニタ300aを有する。第1の玄関子機100a−1、100a−2および第1の増設モニタ300aは、それぞれ、通信ケーブル101a−1、101a−2、301aを介して第1のドアホン親機200aに接続されている。第1のドアホンシステム1aは、第1のドアホン親機200aによるデータ転送機能により、第1のドアホン親機200aを中心としたスター型の通信ネットワークを形成している。
第2のドアホンシステム1bは、2つの第2の玄関子機100b−1、100b−2、第2のドアホン親機200bおよび第2の増設モニタ300bを有する。第2の玄関子機100b−1、100b−2および第2の増設モニタ300bは、それぞれ、通信ケーブル101b−1、101b−2、301bを介して第1のドアホン親機200bに接続されている。第2のドアホンシステム1bは、第2のドアホン親機200bによるデータ転送機能により、第2のドアホン親機200bを中心としたスター型の通信ネットワークを形成している。
通信ケーブル11は、第1のドアホン親機200aと第2のドアホン親機200bとを接続している。通信ケーブル11、101a−1、101a−2、301a、101b−1、101b−2、301bのそれぞれは、1対の銅線から成る2線ケーブルである。
なお、以下では、第1のドアホン親機200aおよび第2のドアホン親機200bは、同一の構成を有するため、適宜「ドアホン親機200」として纏めて説明を行う。また、第1の玄関子機100a−1、100a−2および第2の玄関子機100b−1、100b−2は、同一の構成を有するため、適宜「玄関子機100」として纏めて説明を行う。また、第1の増設モニタ300aおよび第2の増設モニタ300bは、同一の構成を有するため、適宜「増設モニタ300」として纏めて説明を行う。
玄関子機100は、親世帯の住居スペースおよび子世帯の住居スペースのそれぞれの玄関先に設けられる。ドアホン親機200および増設モニタ300は、親世帯の住居スペースおよび子世帯の住居スペースのそれぞれの宅内に設けられ、壁に固定されたり、テーブルまたは台の上などに載置されたりする。
玄関子機100は、呼出ボタンの操作等の所定の操作が行われたとき、呼出信号を含む制御信号を生成し、玄関周辺の映像を撮影して映像データを生成し、玄関周辺の音声を取得して音声データを生成する。また、玄関子機100は、ドアホン親機200から受信した音声データおよび制御情報に従って、音声の出力等を行う。
ドアホン親機200は、玄関子機100と通信を行い、玄関子機100から制御信号、映像データ、および音声データを受信し、音声データおよび制御情報を送信する。また、ドアホン親機200は、増設モニタ300と通信を行う。そして、ドアホン親機200は、玄関子機100から受信した制御信号、映像データおよび音声データ(以下、適宜「各種子機データ」という)を増設モニタ300へ転送し、増設モニタ300から受信した音声データおよび制御情報を玄関子機100へ転送する。
ドアホン親機200は、玄関子機100から呼出信号を受信したとき、呼出音の出力を行うと共に、玄関周辺の映像および音声を出力する。そして、応答ボタンの操作等の所定の操作が行われると、ドアホン親機200周辺の音声を取得して音声データを生成し、制御情報と共に玄関子機100へ送信する。
また、ドアホン親機200は、ドアホンシステム1の他のドアホン親機200と通信を行い、玄関子機100から受信した各種子機データを他のドアホン親機200へ転送し、他のドアホン親機200から受信した各種子機データに対し、音声/映像出力や転送等の所定の処理を行う。
増設モニタ300は、ドアホン親機200から呼出信号を受信したとき、呼出音の出力を行うと共に、玄関周辺の映像および音声を出力する。そして、応答ボタンの操作等の所定の操作が行われると、増設モニタ300周辺の音声を取得して音声データを生成し、制御情報と共にドアホン親機200へ送信する。
なお、以下の説明において、スロット管理を行うドアホン親機200を「マスタ親機」と称し、スロット管理を行わないドアホン親機200を「スレーブ親機」と称する。そして、玄関子機100あるいは増設モニタ300からドアホン親機200への方向、および、スレーブ親機からマスタ親機への方向を「上り方向」といい、ドアホン親機200から玄関子機100あるいは増設モニタ300への方向、および、マスタ親機からスレーブ親機への方向を「下り方向」という。また、上り方向に送信されるパケット、信号をそれぞれ「上りパケット」、「上り信号」といい、下り方向に送信されるパケット、信号をそれぞれ「下りパケット」、「下り信号」という。なお、マスタ親機は、すべての機器に対してIDの設定を行う。
<フレーム構成、タイムスロット構成>
次に、本実施の形態に係る同期通信時のフレーム構成、タイムスロット構成について図2Aを用いて説明する。図2Aに示すように、各フレームは、48000bitsの領域を有し、10ms周期、4.8Mbpsのビットレートであり、24個のタイムスロットに分割される。したがって、各タイムスロットは、2000bits=250bytesの領域を有し、0.416ms周期、4.8Mbpsのビットレートになる。
各タイムスロットは、52byteのガードスペース(Guard)、4byteのプリアンブルフィールド、2byteのシンクフィールド(Sync)、32byteの制御データフィールド、160byteのユーザデータフィールドに分けられている。
ガードスペースは、伝播遅延時間差やクロックジッタ等によるタイムスロットの衝突を避けるための時間である。プリアンブルフィールドには、所定のユニークパターンを有するプリアンブルデータ(後述)が付加される。シンクフィールドには、所定のシンクパターンが付加される。制御データフィールドには、制御データが付加される。ユーザデータフィールドには、画像データおよび音声データが付加される。ここでシンクパターンとは、シンクフィールドに配置された既知のデータあるいはデータ列であって、受信データ受信時の同期を確立するために用いられ、受信データが正確なタイミングで受信されたことを確認するための予め規定した既知のデータパターンである。
<割り込み信号の構成>
次に、本実施の形態に係る非同期通信時の割り込み信号の構成について図2Bを用いて説明する。
図2Bに示すように、割り込み信号は、4byteのプリアンブルフィールド、2byteのシンクフィールド(Sync)、32byteの制御データフィールドに分けられている。さらに、図2Bに示す割り込み信号には、将来の拡張用として、30byteのユーザデータフィールドが設けられている。
割り込み信号のプリアンブルデータおよびシンクパターンは、図2Aに示した同期通信時のタイムスロットと同一のものである。これにより、同期通信時と非同期通信時とで受信部等を共用できるため、コストを抑えることができる。
割り込み信号の制御データフィールドには、メッセージ種別(同期要求等)、送信元機器番号(ID)等の制御情報が書き込まれる。割り込み信号のユーザデータフィールドは、機器異常情報(機器の異常を検知したことを示す情報)等、メッセージ種別に応じた詳細情報を通知するフィールドとして使用しても良い。
なお、図2Bに示す割り込み信号は、接続機器の初期登録時にも使用される。
<玄関子機の構成>
次に、玄関子機100の構成について、図3のブロック図を用いて説明する。図3に示すように、玄関子機100は、ケーブル接続部101、キー入力部102、スピーカ103、マイク104、音声I/F(インターフェイス)部105、カメラ部106および制御部107を有する。制御部107は、内部に、第1クロック生成部131、パケット生成部132、データ再生部133、接続状態検出部134を有する。また、玄関子機100は、送信データ処理部108、送信データ反転部109、送信ドライバ110、受信ドライバ111、受信データ反転部112、受信データ処理部113、識別子記憶部114を有する。
ケーブル接続部101は、2線ケーブル用の接続端子を含み、2線ケーブルの玄関側の一端と、受信ドライバ111および送信ドライバ110との間を、信号を伝送可能な状態で接続する。なお、2線ケーブルの他端は、ドアホン親機200に接続される。
キー入力部102は、呼出ボタンを含み、呼出ボタンが操作されたとき、その旨を示す信号を制御部107に出力する。
スピーカ103は、音声I/F部105から出力されたアナログ音声データを、音声に変換して出力する。
マイク104は、周囲の音声を集音してアナログ音声データに変換し、音声I/F部105に出力する。
音声I/F部105は、制御部107から出力されたデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、信号レベルを調整して、スピーカ103に出力する。また、音声I/F部105は、マイク104から出力されたアナログ音声データを、信号レベルを調整し、デジタル音声データに変換して、制御部107に出力する。かかるアナログ/デジタル変換は、A/D,D/A変換器(図示せず)により行われる。
なお、音声I/F部105は、マイク104から出力されたアナログ音声データをデジタル変換したデータに対して、所定の音声圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル音声データとして制御部107に出力してもよい。また、音声I/F部105は、制御部107から出力されたデジタル音声データが所定の音声圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の音声伸張処理を行ってから、デジタル/アナログ変換を行う。
カメラ部106は、デジタルカメラを含み、玄関の映像を撮影し、デジタル映像データを生成して、制御部107に出力する。なお、カメラ部106は、エンコーダモジュールを搭載していてもよい。すなわち、カメラ部106は、デジタルカメラから出力された映像データに対してH.264等の所定の動画圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル映像データとして制御部107に出力してもよい。
制御部107は、玄関子機100の各部の制御を行う。また、制御部107は、送信を許可する送信区間、および、受信を許可する受信区間を指示する切り替え制御信号(SW CON)を送信ドライバ110および受信ドライバ111に出力する。
制御部107の第1クロック生成部131は、受信データをサンプリングするためのクロックであって、水晶発振周波数を基準に、受信データのビットレートのn倍(nは1以上)に対応する第1周波数(例えば、48MHz(n=10))のクロック(CLK)を生成し、受信データ処理部113に出力する。
制御部107のパケット生成部132は、映像付き通話を実現するための上りパケットを生成する。具体的には、パケット生成部132は、音声I/F部105から出力されたデジタル音声データおよびカメラ部106から出力されたデジタル映像データを適宜分割して各タイムスロットのユーザデータフィールドに書き込み、自機(玄関子機100)に固有の識別子(以下、「自機IDslave」という)および通信相手のドアホン親機200の識別子(以下、「IDmaster」という)を含む制御データを各タイムスロットの制御データフィールドに書き込む。さらに、パケット生成部132は、各タイムスロットに、プリアンブルデータ、シンクパターンを書き込み、上りパケット(送信データ)を生成する。さらに、パケット生成部132は、送信用のイネーブル信号(SSCS)および送信用の第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成する。そして、パケット生成部132は、上りパケットを、送信用のイネーブル信号(SSCS)およびクロック(SSCK)と同期させて、送信データ処理部108に出力する。なお、クロック(SSCK)は、水晶発振周波数を基準にして生成される。
なお、玄関子機100とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態では、パケット生成部132は、上りパケットを生成しない。また、待機状態(非同期通信時)において、呼出ボタンが操作される等の所定のイベントが発生すると、パケット生成部132は、プリアンブルデータ、シンクパターン、制御データを書き込んだ上りパケット(割り込み信号)を生成する。なお、非同期通信時の割り込み信号において使用されるプリアンブルとシンクパターンは、同期通信時に使用されるものと同一である。
制御部107のデータ再生部133は、受信データ処理部113からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、受信データ処理部113から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、受信データ処理部113から出力された下りパケットを再生し、再生した下りパケット(復号データ)に含まれるデジタル音声データを音声I/F部105に出力し、シンクパターンを接続状態検出部134に出力する。なお、データ再生部133は、初期登録時に、下りパケットに含まれる自機IDslaveおよびIDmasterを識別子記憶部114に記憶させる。
また、データ再生部133は、待機状態(非同期通信時)において所定のイベントが発生し、下り信号(割り込み信号)を入力した場合、下り信号を復調して下りパケットを取得し、下りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部134に出力する。データ再生部133は、接続状態検出部134において正確に割り込み信号を捕捉できたことを確認した後、割り込み信号の制御データを抽出する。制御データが同期要求であれば、玄関子機100は、ドアホン親機200との同期処理に移行する。
制御部107の接続状態検出部134は、2線ケーブルが正接続である場合のチェック用シンクパターン(以下、「正接続チェック用シンクパターン」という(例えば、16bit全てが「0」))、および、正接続チェック用シンクパターンの逆のパターンであって、2線ケーブルが逆接続である場合のチェック用シンクパターン(以下、「逆接続チェック用シンクパターン」という(例えば、16bit全てが「1」))を記憶している。そして、接続状態検出部134は、データ再生部133から出力された受信データのシンクパターンを、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンと照合する。接続状態検出部134は、受信データのシンクパターンと正接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが正接続であると判定し、受信データのシンクパターンと逆接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが逆接続であると判定する。そして、接続状態検出部134は、判定結果を示す反転制御信号(INV CON)を、送信データ反転部109および受信データ反転部112に出力する。
送信データ処理部108は、パケット生成部132からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、パケット生成部132から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、パケット生成部132から出力された上りパケットのデータに対して変調処理を行って上り信号を生成し、送信データ反転部109に出力する。なお、送信データ処理部108の変調処理の詳細(具体例)については後述する。
送信データ反転部109は、接続状態検出部134において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、送信データ処理部108から出力された上り信号を反転させて送信ドライバ110に出力する。一方、送信データ反転部109は、接続状態検出部134において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、送信データ処理部108から出力された上り信号をそのまま送信ドライバ110に出力する。
送信ドライバ110は、制御部107からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、上り信号を、ケーブル接続部101を介してドアホン親機200に送信する。
受信ドライバ111は、ドアホン親機200から送信された下り信号を、ケーブル接続部101を介して受信する。そして、受信ドライバ111は、制御部107からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された受信区間において、下り信号を、受信データ反転部112に出力する。
受信データ反転部112は、接続状態検出部134において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、受信ドライバ111から出力された下り信号を反転させて受信データ処理部113に出力する。一方、受信データ反転部112は、接続状態検出部134において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、受信ドライバ111から出力された下り信号をそのまま受信データ処理部113に出力する。
受信データ処理部113は、第1クロック生成部131から出力された第1周波数のクロック(CLK)を使用し、受信ドライバ111から出力された下り信号に含まれるプリアンブルデータを用いてドアホン親機200との同期(受信データの各ビットの先頭のタイミング)を検出する。そして、受信データ処理部113は、プリアンブルデータのユニークパターンを検出したタイミングで、データ再生動作を許可するイネーブル信号(SSCS)をデータ再生部133に出力する。
また、受信データ処理部113は、受信データ反転部112から出力された下り信号(受信データ)を復号し、復号データをデータ再生部133に出力する。また、受信データ処理部113は、第1クロック生成部131から出力された第1周波数のクロック(CLK)を基準に、受信データのビットレートに対応する第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成し、データ再生部133に出力する。なお、受信データ処理部113の構成の詳細については、後述する。
識別子記憶部114は、ドアホン親機200から受信した自機IDslaveおよびIDmasterを記憶する。
<ドアホン親機の構成>
次に、ドアホン親機200の構成について、図4のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、ドアホン親機200は、ケーブル接続部201、キー入力部202、スピーカ203、マイク204、音声I/F部205、ディスプレイ部206および制御部207を有する。制御部207は、内部に、第1クロック生成部231、パケット生成部232、データ再生部233、接続状態検出部234を有する。また、ドアホン親機200は、送信データ処理部208、送信データ反転部209、送信ドライバ210、受信ドライバ211およびルーティング制御部212、受信データ処理部213、識別子記憶部214を有する。なお、ドアホン親機200は、ケーブル接続部201、送信ドライバ210および受信ドライバ211を、N個(Nは自然数)有する。
ケーブル接続部201−i(iは1からNまでの何れかの整数)は、2線ケーブル用の接続端子を含み、2線ケーブルの室内側の一端と、送信ドライバ210−iおよび受信ドライバ211−iとの間を、信号を伝送可能な状態で接続する。なお、各2線ケーブルの他端は、玄関子機100、増設モニタ300あるいは他のドアホンシステムの親機に接続される。図4では、ケーブル接続部201−1が、他のドアホンシステムの親機に接続されている場合を例示している。
キー入力部202は、応答ボタンを含み、応答ボタンが操作されたとき、その旨を示す信号を制御部207に出力する。
スピーカ203は、音声I/F部205から出力されたアナログ音声データを、音声に変換して出力する。
マイク204は、周囲の音声を集音してアナログ音声データに変換し、音声I/F部205に出力する。
音声I/F部205は、制御部207から出力されたデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、信号レベルを調整して、スピーカ203に出力する。また、音声I/F部205は、マイク204から出力されたアナログ音声データを、信号レベルを調整し、デジタル音声データに変換して、制御部207に出力する。かかるアナログ/デジタル変換は、A/D,D/A変換器(図示せず)により行われる。
なお、音声I/F部205は、マイク204から出力されたアナログ音声データをデジタル変換したデータに対して、所定の音声圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル音声データとして制御部207に出力してもよい。また、音声I/F部205は、制御部207から出力されたデジタル音声データが所定の音声圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の音声伸張処理を行ってから、デジタル/アナログ変換を行う。
ディスプレイ部206は、液晶ディスプレイを含み、制御部207から出力されたデジタル映像データを再生し、玄関の映像を表示する。なお、制御部207から出力されたデジタル映像データが所定の動画圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の動画伸張処理を行って、映像表示を行う。
制御部207は、ドアホン親機200の各部の制御を行う。また、制御部207は、送信を許可する送信区間、および、受信を許可する受信区間を指示する切り替え制御信号(SW CON)を各送信ドライバ210−i、各受信ドライバ211−iおよびルーティング制御部212に出力する。
制御部207の第1クロック生成部231は、受信データをサンプリングするためのクロックであって、水晶発振周波数を基準に、受信データのビットレートのn倍に対応する第1周波数(例えば、48MHz(n=10))のクロック(CLK)を生成し、受信データ処理部213に出力する。
制御部207のパケット生成部232は、映像付き通話を実現するための下りパケットを生成する。具体的には、パケット生成部232は、音声I/F部205から出力されたデジタル音声データを適宜分割して各タイムスロットのユーザデータフィールドに書き込み、自機(ドアホン親機200)に固有の識別子(以下、「自機IDmaster」という)および通信相手の機器の識別子を含む制御データを各タイムスロットの制御データフィールドに書き込む。さらに、パケット生成部232は、各タイムスロットに、プリアンブルデータ、シンクパターンを書き込み、下りパケット(送信データ)を生成する。さらに、パケット生成部232は、送信用のイネーブル信号(SSCS)および送信用の第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成する。そして、パケット生成部232は、下りパケットを、送信用のイネーブル信号(SSCS)およびクロック(SSCK)と同期させて、送信データ処理部208に出力する。なお、クロック(SSCK)は、水晶発振周波数を基準にして生成される。
また、パケット生成部232は、ドアホン親機200の動作あるいは玄関子機100の動作に関する制御データを、玄関子機100への送信の対象となるデータとして送信データ処理部208に出力してもよい。かかる制御データには、例えば、ドアホン親機200から玄関子機100のカメラ動作(データレート、パン、チルト、ライト、シャッター、およびフィルタ等の動作)や、玄関子機100に備えられた各種センサデバイスの動作を、ドアホン親機200から制御するための制御信号が含まれる。また、かかる制御データには、玄関子機100に備えられた無線通信回路等(図示せず)を介して屋外に配置されたデバイス(門の電子鍵等)の動作を制御するための制御信号が含まれる。
なお、玄関子機100(あるいは増設モニタ300)とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態では、パケット生成部232は、下りパケットを生成しない。また、待機状態(非同期通信時)において、応答ボタンが操作される等の所定のイベントが発生すると、パケット生成部232は、プリアンブルデータ、シンクパターン、制御データを書き込んだ下りパケット(割り込み信号)を生成する。なお、非同期通信時の割り込み信号において使用されるプリアンブルとシンクパターンは、同期通信時に使用されるものと同一である。
制御部207のデータ再生部233は、受信データ処理部213からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、受信データ処理部213から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、受信データ処理部213から出力された上りパケットを再生し、再生した上りパケット(復号データ)に含まれるデジタル音声データを音声I/F部205に出力し、デジタル映像データをディスプレイ部206に出力し、シンクパターンを接続状態検出部234に出力する。
また、データ再生部233は、待機状態(非同期通信時)において所定のイベントが発生し、上り信号(割り込み信号)を入力した場合、上り信号を復調して上りパケットを取得し、上りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部234に出力する。データ再生部233は、接続状態検出部234において正確に割り込み信号を捕捉できたことを確認した後、割り込み信号の制御データを抽出する。制御データが同期要求であれば、ドアホン親機200は、玄関子機100あるいは増設モニタ300との同期処理に移行する。
制御部207の接続状態検出部234は、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンを記憶し、データ再生部233から出力された受信データのシンクパターンを、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンと照合する。接続状態検出部234は、受信データのシンクパターンと正接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが正接続であると判定し、受信データのシンクパターンと逆接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが逆接続であると判定する。そして、接続状態検出部234は、判定結果を示す反転制御信号(INV CON)を、送信データ反転部209に出力する。
送信データ処理部208は、パケット生成部232からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、パケット生成部232から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、パケット生成部232から出力された下りパケットのデータに対して変調処理を行って下り信号を生成し、ルーティング制御部212に出力する。
送信データ反転部209は、接続状態検出部234において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、ルーティング制御部212から出力された下り信号を反転させて送信ドライバ210−1に出力する。一方、送信データ反転部209は、接続状態検出部234において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、ルーティング制御部212から出力された下り信号をそのまま送信ドライバ210−1に出力する。
送信ドライバ210−1は、制御部207からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、下り信号を、ケーブル接続部201−1を介して他のドアホンシステムの親機に送信する。送信ドライバ210−i(この場合、iは1以外)は、制御部207からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、下り信号を、ケーブル接続部201−iを介して玄関子機100あるいは増設モニタ300に送信する。
受信ドライバ211−iは、玄関子機100、増設モニタ300あるいは他のドアホンシステムの親機から送信された上り信号を、ケーブル接続部201−iを介して受信する。そして、受信ドライバ211−iは、制御部207からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された受信区間において、上り信号を、ルーティング制御部212に出力する。
ルーティング制御部212は、玄関子機100から送信され、受信ドライバ211−iから出力された上り信号を、親機200宛である場合には受信データ処理部213に出力し、増設モニタ300宛である場合には対応の送信ドライバ210−iに出力する。また、ルーティング制御部212は、送信データ処理部208から出力された玄関子機100宛の下り信号を、対応の送信ドライバ210−iに出力する。また、ルーティング制御部212は、増設モニタ300から送信され、受信ドライバ211−iから出力された玄関子機100宛の上り信号を、対応の送信ドライバ210−iに出力する。また、ルーティング制御部212は、ルーティング(通信ルートの有効/無効)の制御を行う。なお、ルーティング制御部212が行うルーティング制御の具体例については後述する。
受信データ処理部213は、第1クロック生成部231から出力された第1周波数のクロック(CLK)を使用し、ルーティング制御部212から出力された上り信号に含まれるプリアンブルデータを用いて玄関子機100との同期(受信データの各ビットの先頭のタイミング)を検出する。そして、受信データ処理部213は、プリアンブルデータのユニークパターンを検出したタイミングで、データ再生動作を許可するイネーブル信号(SSCS)をデータ再生部233に出力する。
また、受信データ処理部213は、ルーティング制御部212から出力された上り信号(受信データ)を復号し、復号データをデータ再生部233に出力する。また、受信データ処理部213は、第1クロック生成部231から出力された第1周波数のクロック(CLK)を基準に、受信データのビットレートに対応する第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成し、データ再生部233に出力する。
識別子記憶部214は、自機IDmaster、および、各機器(玄関子機100、増設モニタ300、他のドアホンシステムの親機)の識別子を記憶する。
<増設モニタの構成>
次に、増設モニタ300の構成について、図5のブロック図を用いて説明する。図5に示すように、増設モニタ300は、ケーブル接続部301、キー入力部302、スピーカ303、マイク304、音声I/F(インターフェイス)部305、ディスプレイ部306および制御部307を有する。制御部307は、内部に、第1クロック生成部331、パケット生成部332、データ再生部333、接続状態検出部334を有する。また、増設モニタ300は、送信データ処理部308、送信データ反転部309、送信ドライバ310、受信ドライバ311、受信データ反転部312、受信データ処理部313、識別子記憶部314を有する。
ケーブル接続部301は、2線ケーブル用の接続端子を含み、2線ケーブルの増設モニタ側の一端と、受信ドライバ311および送信ドライバ310との間を、信号を伝送可能な状態で接続する。なお、2線ケーブルの他端は、ドアホン親機200に接続される。
キー入力部302は、呼出ボタンを含み、呼出ボタンが操作されたとき、その旨を示す信号を制御部307に出力する。
スピーカ303は、音声I/F部305から出力されたアナログ音声データを、音声に変換して出力する。
マイク304は、周囲の音声を集音してアナログ音声データに変換し、音声I/F部305に出力する。
音声I/F部305は、制御部307から出力されたデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、信号レベルを調整して、スピーカ303に出力する。また、音声I/F部305は、マイク304から出力されたアナログ音声データを、信号レベルを調整し、デジタル音声データに変換して、制御部307に出力する。かかるアナログ/デジタル変換は、A/D,D/A変換器(図示せず)により行われる。
なお、音声I/F部305は、マイク304から出力されたアナログ音声データをデジタル変換したデータに対して、所定の音声圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル音声データとして制御部307に出力してもよい。また、音声I/F部305は、制御部307から出力されたデジタル音声データが所定の音声圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の音声伸張処理を行ってから、デジタル/アナログ変換を行う。
ディスプレイ部306は、液晶ディスプレイを含み、制御部307から出力されたデジタル映像データを再生し、玄関の映像を表示する。なお、制御部307から出力されたデジタル映像データが所定の動画圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の動画伸張処理を行って、映像表示を行う。
制御部307は、増設モニタ300の各部の制御を行う。また、制御部307は、送信を許可する送信区間、および、受信を許可する受信区間を指示する切り替え制御信号(SW CON)を送信ドライバ310および受信ドライバ311に出力する。
制御部307の第1クロック生成部331は、受信データをサンプリングするためのクロックであって、水晶発振周波数を基準に、受信データのビットレートのn倍に対応する第1周波数(例えば、48MHz(n=10))のクロック(CLK)を生成し、受信データ処理部313に出力する。
制御部307のパケット生成部332は、映像付き通話を実現するための上りパケットを生成する。具体的には、パケット生成部332は、音声I/F部305から出力されたデジタル音声データを適宜分割して各タイムスロットのユーザデータフィールドに書き込み、自機(増設モニタ300)に固有の識別子(以下、「自機IDmonitor」という)およびIDmasterを含む制御データを各タイムスロットの制御データフィールドに書き込む。さらに、パケット生成部332は、各タイムスロットに、プリアンブルデータ、シンクパターンを書き込み、上りパケット(送信データ)を生成する。さらに、パケット生成部332は、送信用のイネーブル信号(SSCS)および送信用の第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成する。そして、パケット生成部332は、上りパケットを、送信用のイネーブル信号(SSCS)およびクロック(SSCK)と同期させて、送信データ処理部308に出力する。なお、クロック(SSCK)は、水晶発振周波数を基準にして生成される。
なお、増設モニタ300とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態では、パケット生成部332は、上りパケットを生成しない。また、待機状態(非同期通信時)において、呼出ボタンが操作される等の所定のイベントが発生すると、パケット生成部332は、プリアンブルデータ、シンクパターン、制御データを書き込んだ上りパケット(割り込み信号)を生成する。なお、非同期通信時の割り込み信号において使用されるプリアンブルとシンクパターンは、同期通信時に使用されるものと同一である。
制御部307のデータ再生部333は、受信データ処理部313からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、受信データ処理部313から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、受信データ処理部313から出力された下りパケットを再生し、再生した下りパケット(復号データ)に含まれるデジタル映像データをディスプレイ部306に出力し、デジタル音声データを音声I/F部305に出力し、シンクパターンを接続状態検出部334に出力する。なお、データ再生部333は、初期登録時に、下りパケットに含まれる自機IDmonitorおよびIDmasterを識別子記憶部314に記憶させる。
また、データ再生部333は、待機状態(非同期通信時)において所定のイベントが発生し、下り信号(割り込み信号)を入力した場合、下り信号を復調して下りパケットを取得し、下りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部334に出力する。データ再生部333は、接続状態検出部334において正確に割り込み信号を捕捉できたことを確認した後、割り込み信号の制御データを抽出する。制御データが同期要求であれば、増設モニタ300は、ドアホン親機200との同期処理に移行する。
制御部307の接続状態検出部334は、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンを記憶し、データ再生部333から出力された受信データのシンクパターンを、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンと照合する。接続状態検出部334は、受信データのシンクパターンと正接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが正接続であると判定し、受信データのシンクパターンと逆接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが逆接続であると判定する。そして、接続状態検出部334は、判定結果を示す反転制御信号(INV CON)を、送信データ反転部309および受信データ反転部312に出力する。
送信データ処理部308は、パケット生成部332からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、パケット生成部332から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、パケット生成部332から出力された上りパケットのデータに対して変調処理を行って上り信号を生成し、送信データ反転部309に出力する。
送信データ反転部309は、接続状態検出部334において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、送信データ処理部308から出力された上り信号を反転させて送信ドライバ310に出力する。一方、送信データ反転部309は、接続状態検出部334において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、送信データ処理部308から出力された上り信号をそのまま送信ドライバ310に出力する。
送信ドライバ310は、制御部307からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、上り信号を、ケーブル接続部301を介してドアホン親機200に送信する。
受信ドライバ311は、ドアホン親機200から送信された下り信号を、ケーブル接続部301を介して受信する。そして、受信ドライバ311は、制御部307からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された受信区間において、下り信号を、受信データ反転部312に出力する。
受信データ反転部312は、接続状態検出部334において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、受信ドライバ311から出力された下り信号を反転させて受信データ処理部313に出力する。一方、受信データ反転部312は、接続状態検出部334において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、受信ドライバ311から出力された下り信号をそのまま受信データ処理部313に出力する。
受信データ処理部313は、第1クロック生成部331から出力された第1周波数のクロック(CLK)を使用し、受信ドライバ311から出力された下り信号に含まれるプリアンブルデータを用いてドアホン親機200との同期(受信データの各ビットの先頭のタイミング)を検出する。そして、受信データ処理部313は、プリアンブルデータのユニークパターンを検出したタイミングで、データ再生動作を許可するイネーブル信号(SSCS)をデータ再生部333に出力する。
また、受信データ処理部313は、受信データ反転部312から出力された下り信号(受信データ)を復号し、復号データをデータ再生部333に出力する。また、受信データ処理部313は、第1クロック生成部131から出力された第1周波数のクロック(CLK)を基準に、受信データのビットレートに対応する第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成し、データ再生部333に出力する。
識別子記憶部314は、ドアホン親機200から受信した自機IDmonitorおよびIDmasterを記憶する。
なお、玄関子機100、ドアホン親機200および増設モニタ300は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、および通信回路をそれぞれ有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
<変調処理の一例>
次に、送信データ処理部108(208、308)が行う変調処理の一例について図6、図7を用いて説明する。図6、図7では、マンチェスタ符号を採用した場合を示している。
送信データ処理部108(208、308)は、周期Tm毎に、パケットの各データ(1ビット)に対応する信号を1つ生成する。マンチェスタ符号を採用した場合、図6に示すように、送信データ処理部108(208、308)は、値「0」のデータ401にLowからHighへの立上りを発生させ、変調信号402を生成する。また、送信データ処理部108(208、308)は、値「1」のデータ411にHighからLowへの立下りを発生させ、変調信号412を生成する。
そして、図7に示すように、「0,0,1,・・・,1,0」というデータ列421に対して、送信データ処理部108(208、308)は、各ビットの値に対応して、周期Tm毎に立上りあるいは立下りを有する変調信号422を生成する。
<プリアンブルデータの一例>
次に、本実施の形態において使用されるプリアンブルデータの一例について図8を用いて説明する。
図8に示すように、本実施の形態において使用されるプリアンブルデータ(4byte=32bit)は、1byte目から3byte目までがすべて「1」のパターンであり、4byte目が、最初から6bitまでが「1」、7bitが「0」、8bit(最後の1bit)が「1」のパターンである。さらに、この場合、プリアンブルデータに続くシンクパターンの最初の1bitが「1」である。この結果、図8に示すプリアンブルデータは、4byte目の6bit目から8bit目にかけての隣接する立下りエッジ間501の期間が他よりも長いユニークパターンとなっている。また、隣接する立下りエッジ間501のH(High)の期間およびL(Low)の期間が他よりも長くなっている。なお、図8は、マンチェスタエンコード後のプリアンブルデータの波形を示している。
なお、本実施の形態では、プリアンブルデータが、図8に示すものが反転されたものであっても良い。すなわち、本実施の形態において使用されるプリアンブルデータ(4byte=32bit)は、1byte目から3byte目までがすべて「0」のパターンであり、4byte目が、最初から6bitまでが「0」、7bitが「1」、8bit(最後の1bit)が「0」のパターンであってもよい。この場合、プリアンブルデータに続くシンクパターンの最初の1bitが「0」である。
<受信データ処理部の内部構成>
次に、玄関子機100の受信データ処理部113の内部構成の詳細について、図9を用いて説明する。なお、その説明の際、本実施の形態の同期検出処理について理解を容易にするため、図9と併せて図10を用いる。図10の例において、プリアンブルデータおよびそのユニークパターンは、図8に示したものを用いる。なお、図10では、第1クロック生成部131が48MHzのクロック(CLK)を生成し、第2クロック生成部156が4.8MHzのクロック(SSCK)を生成している場合を示している。
図9に示すように、受信データ処理部113は、第1のユニークパターン検出部151、第2のユニークパターン検出部152、イネーブル信号生成部153、タイミング調整部154、受信データ復号部155および第2クロック生成部156を有する。
受信データ反転部112から出力された受信データは、第1のユニークパターン検出部151、第2のユニークパターン検出部152、タイミング調整部154および受信データ復号部155に入力される。第1クロック生成部131のクロック(CLK)は、第1のユニークパターン検出部151、第2のユニークパターン検出部152、タイミング調整部154、受信データ復号部155および第2クロック生成部156に入力される。
第1のユニークパターン検出部151および第2のユニークパターン検出部152は、ユニークパターン検出用のクロックの第1規定数(例えば、「18」から「22」)を記憶している。
第1のユニークパターン検出部151は、第1クロック生成部131のクロックで、受信データ反転部112から出力された受信データに含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立下りエッジ間のクロックを計数する。第1のユニークパターン検出部151は、隣接する立下りエッジ間のクロック数が第1規定数のいずれかに一致した場合にユニークパターンを検出したと判定する。図10の例では、隣接する立下りエッジ間501のクロック数「20」が、第1規定数の中の1つと一致する。そして、第1のユニークパターン検出部151は、所定のタイミングで、その旨を示す信号を、イネーブル信号生成部153に出力する。
第2のユニークパターン検出部152は、第1のユニークパターン検出部151と同一タイミングで、受信データ反転部112から出力された受信データに含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立上りエッジ間のクロックを計数する。第2のユニークパターン検出部152は、隣接する立上りエッジ間のクロック数が第1規定数のいずれかに一致した場合にユニークパターンを検出したと判定し、その旨を示す信号をイネーブル信号生成部153に出力する。
イネーブル信号生成部153は、第1のユニークパターン検出部151あるいは第2のユニークパターン検出部152のいずれかから、ユニークパターンを検出した旨を示す信号を入力すると(図10のタイミング510)、データ再生動作を許可するイネーブル信号をタイミング調整部154およびデータ再生部133に出力する(図10の例では、イネーブル信号SSCSを立下げ、L(Low)信号とする(アクティブにする))。
タイミング調整部154は、内部にタイミング生成用カウンタを有し、イネーブル信号生成部153からイネーブル信号を入力すると、先頭の受信データ(シンクパターン1ビット目)の波形エッジを検出する。なお、先頭の受信データは、プリアンブルデータとシンクパターンの間の波形エッジであるデータ反転のタイミング511から始まる。
そして、タイミング調整部154は、該波形エッジを検出した後に、第1周波数のクロックで、タイミング生成用カウンタによる「0」から「9」までのカウントを繰り返し行い、各受信データの波形エッジのタイミングにおけるカウンタ値を観測する。そして、該カウンタ値が正常な値と異なる場合、タイミング調整部154は、カウンタ値を補正し、補正後のカウンタ値を受信データ復号部155および第2クロック生成部156に出力する。これにより、カウンタ値が所定の値となる範囲であるデータ再生ウィンドウの範囲(図10の範囲502)の開始タイミングが調整される。
受信データ復号部155は、タイミング調整部154からカウンタ値を入力し、データ再生ウィンドウの範囲(図10の範囲502)で、受信データ1ビット分の波形の論理反転をスキャン検出し、当該受信データ1ビット分のマンチェスタエンコードされた波形の論理反転に対応したデータの復号処理を行い、復号データをデータ再生部133に出力する。図10の例では、受信データ復号部155は、範囲502において、波形が「H」から「L」に反転した場合には復号データ「1」を出力し、波形が「L」から「H」に反転した場合には復号データ「0」を出力する。2番目の受信データが受信データ復号部155に入力される時間とほぼ同じ時間に、先頭の受信データの復号データが受信データ復号部155から一定の時間遅延して出力される。なお、受信データ復号部155が行う受信データの復号処理の詳細については後述する。
第2クロック生成部156は、タイミング調整部154からカウンタ値(「0」〜「9」)を入力し、2番目の受信データのカウンタ値「0」(図10のタイミング512)で、SSCKの出力(図10では「L」)を開始し、先頭の受信データのカウンタ値「5」で、一定の遅延後にある先頭の復号データ用のSSCKの論理を「L」から「H」に反転し、2番目の受信データのカウンタ値「0」で、先頭の復号データと2番目の復号データの境界のSSCKの論理を「H」から「L」に反転する。その後、第2クロック生成部156は、再生クロックSSCKについて、カウント値「0」での「H」から「L」への論理反転およびカウント値「5」での「L」から「H」への論理反転を繰返す。そして、第2クロック生成部156は、「L」から「H」へ論理反転したタイミングで、第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)をデータ再生部133に出力する。
ドアホン親機200の受信データ処理部213の内部構成および増設モニタ300の受信データ処理部313の内部構成は、玄関子機100の受信データ処理部113の内部構成と同一である。
<ユニークパターンの検出の詳細説明>
次に、ユニークパターンの検出について、図11を用いて詳細に説明する。図11(A)は、2線ケーブルが正接続の場合の正常極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図11(A)の(1)は、第1のユニークパターン検出部151によって計数されるクロック数を示し、図11(A)の(2)は、第2のユニークパターン検出部152によって計数されるクロック数を示す。図11(B)は、2線ケーブルが逆接続の場合の反転極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図11(B)の(1)は、第1のユニークパターン検出部151によって計数されるクロック数を示し、図11(B)の(2)は、第2のユニークパターン検出部152によって計数されるクロック数を示す。
2線ケーブルが正接続の場合、図11(A)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部151において計数されるクロック数は、ユニークパターン1の隣接する立下りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立下りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中のいずれにも一致しない。第1のユニークパターン検出部151がユニークパターン1を検出すると、イネーブル信号生成部153が所定のタイミングZでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図11(A)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部152において計数されるクロック数は、いずれの隣接する立上りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中のいずれにも一致しない。このため、第2のユニークパターン検出部152は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが正接続の場合、受信データ処理部113(第1のユニークパターン検出部151および第2のユニークパターン検出部152)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン1が唯一検出される。
2線ケーブルが逆接続の場合、図11(B)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部152において計数されるクロック数は、ユニークパターン2の隣接する立上りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立上りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中のいずれにも一致しない。第2のユニークパターン検出部152がユニークパターン2を検出すると、イネーブル信号生成部153が所定のタイミングYでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図11(B)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部151において計数されるクロック数は、いずれの隣接する立下りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第1のユニークパターン検出部151は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが逆接続の場合、受信データ処理部113(第1のユニークパターン検出部151および第2のユニークパターン検出部152)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン2が唯一検出される。
なお、図11(B)の受信波形は、図11(A)のの受信波形が反転されたものであって、正常極性のときに立下りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在する場合は、必然的に、反転極性のときに立上りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在することになる。また、その場合のユニークパターン1とユニークパターン2の配置位置およびタイミングは同一となり、イネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)タイミングZとYも一致する(図10のタイミング510)。
<2線ケーブルの反転検出処理のフロー>
次に、玄関子機100(受信データ処理部113、接続状態検出部134)における2線ケーブルの反転検出処理のフローについて図12を用いて説明する。
ステップS610において、受信データ処理部113は、第1のユニークパターン検出部151および第2のユニークパターン検出部152により、第1クロック生成部131のクロックで、受信ドライバ111から出力された復調前の下り信号に含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立下りエッジ間あるいは隣接する立上りエッジ間の何れか一方である測定区間のクロック数に基づいてプリアンブルデータのユニークパターンのチェックを行う。
ユニークパターンを検出できた場合(S620:YES)、ビット同期を取ることができたとして、フローをステップS630へ進め、検出できていない場合(S620:NO)、フローをステップS610に戻し、ユニークパターンのチェックを再び行う。
ステップS630において、接続状態検出部134は、データ再生部133から出力された受信データのシンクパターンのチェックを行う。
受信データのシンクパターンが、正接続チェック用シンクパターン(第1のシンクパターン)と一致した場合(S640:YES)、ステップS650において、接続状態検出部134は、2線ケーブルが正接続であると判定し、検出処理を終了する。
また、受信データのシンクパターンが、正接続チェック用シンクパターンを反転した逆接続チェック用シンクパターン(第2のシンクパターン)と一致した場合(S640:NO,S660:YES)、ステップS670において、接続状態検出部134は、2線ケーブルが逆接続であると判定し、検出処理を終了する。
また、受信データのシンクパターンが、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンのどちらにも一致しなかった場合(S640:NO,S660:NO)、ステップS680において、接続状態検出部134は、シンクパターンの検知に失敗したと判定し、フローをステップS610に戻し、ユニークパターンのチェックを再び行う。
なお、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)のタイミングとしては、(1)システムを設置した時やドアホン親機200にかかったリセットを解除した時(リセット解除時)、(2)システム稼働中に玄関子機100等の機器を新規に接続した時(新規接続時)、(3)スレーブ親機がマスタ親機として動作を開始する時、等が挙げられる。スレーブ親機がマスタ親機として動作を開始する時とは、例えば、2世帯システムにおいて、電源ブレーカが切断された等の理由によりマスタ親機200が通信不能となり、スレーブ親機が、規定の時間あるいは規定の回数においてマスタ親機からの応答がないことを検知すると、動作可能なスレーブ親機が、マスタ親機として動作を開始する時である。
(1)リセット解除時、(2)新規接続時のシーケンスについては、以下に詳細に説明する。
<リセット解除後の初期登録のシーケンス>
次に、本実施の形態に係るリセット解除後の初期登録のシーケンスについて図13から図16を用いて説明する。図13、図14は、ドアホン親機200と玄関子機100との間の初期登録のシーケンスであり、図15、図16は、マスタ親機200aとスレーブ親機200bとの間の初期登録のシーケンスである。また、図13、図15は、図2Bに示した割り込み信号を使用した場合を示し、図14、図16は、図2Aに示したタイムスロットで構成されるフレームによる同期信号を使用した場合を示す。
図13の場合、電源がONされると(S701)、ドアホン親機200は、玄関子機100に対して、制御データフィールドに登録開始情報が書き込まれた割り込み信号(下りパケット)を送信する(S702)。
玄関子機100は、ドアホン親機200からの割り込み信号を捕捉する(S703)。なお、割り込み信号の捕捉とは、具体的には、第1周波数のクロックを用いて割り込み信号のサンプリングを行い、プリアンブル内のユニークパターンを検出してビット同期を確立し、第2周波数のクロックを用いて割り込み信号を再生してシンクパターンを検出することである。
また、玄関子機100は、割り込み信号のシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部109および受信データ反転部112に対して反転設定を行う(S704)。
その後、玄関子機100は、割り込み信号の制御データ(登録開始情報)を確認し(S705)、制御データフィールドに登録開始情報受領が書き込まれた割り込み信号(上りパケット)をドアホン親機200に送信する(S706)。
なお、玄関子機100は、制御データフィールドに、2線ケーブルが正接続であるか逆接続であるかを示す反転検出結果情報をさらに書き込み、ドアホン親機200へ通知しても良い。
ドアホン親機200は、玄関子機100からの割り込み信号を捕捉し、割り込み信号の制御データ(登録開始情報受領)を確認する(S707)。
そして、ドアホン親機200は、玄関子機100に割り当てた固有の識別子(端末ID)が制御データフィールドに書き込まれた割り込み信号(下りパケット)を送信する(S708)。
玄関子機100は、割り込み信号の制御データ(端末ID)を確認し、制御データフィールドに端末ID受領が書き込まれた割り込み信号(上りパケット)をドアホン親機200に送信する(S709)。
以上の処理により、初期登録が完了する(S710)。
なお、図13では、ドアホン親機200から玄関子機100に割込み信号を送信し、玄関子機100が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施するシーケンスとしているが、本実施の形態はこれに限られず、玄関子機100からドアホン親機200に割込み信号を送信し、ドアホン親機200が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施し、ドアホン親機200から玄関子機100へ反転検出結果情報を通知するシーケンスとしてもよい。この場合、ドアホン親機200から玄関子機100にIDを送付するS708以降の処理を同様に実施すればよい。
図14の場合、電源がONされると(S721)、ドアホン親機200は、玄関子機100に対して、第1の指定タイムスロットの制御データフィールドに登録開始情報および玄関子機100からドアホン親機200へ送信する場合の第2の指定タイムスロット(番号)が書き込まれた同期信号(下りパケット)を送信する(S722)。なお、第2の指定タイムスロットとして、既知の登録専用に準備したタイムスロットを使用してもよい。
玄関子機100は、ドアホン親機200からの同期信号(下りパケット)に従って、ドアホン親機200と同期を取る(S723)。これにより、玄関子機100とドアホン親機200との間は同期状態となる。なお、同期の取得とは、具体的には、第1周波数のクロックを用いて同期信号のサンプリングを行い、プリアンブル内のユニークパターンを検出してビット同期を確立し、第2周波数のクロックを用いて割り込み信号を再生してシンクパターンを検出することである。
また、玄関子機100は、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットあるいは第1の指定タイムスロットより先に到着するタイムスロットのシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部109および受信データ反転部112に対して反転設定を行う(S724)。
その後、玄関子機100は、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットの制御データ(登録開始情報)を確認し(S725)、第2の指定タイムスロットの制御データフィールドに登録開始情報受領が書き込まれた同期信号(上りパケット)をドアホン親機200に送信する(S726)。
なお、玄関子機100は、制御データフィールドに、2線ケーブルが正接続であるか逆接続であるかを示す反転検出結果情報をさらに書き込み、ドアホン親機200へ通知しても良い。
ドアホン親機200は、玄関子機100からの同期信号(上りパケット)を捕捉し、第2の指定タイムスロットの制御データ(登録開始情報受領)を確認する(S727)。
そして、ドアホン親機200は、玄関子機100に割り当てた固有の識別子(端末ID)が制御データフィールドに書き込まれた第1の指定タイムスロットを含む同期信号(下りパケット)を送信する(S728)。
玄関子機100は、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットの制御データ(端末ID)を確認し、制御データフィールドに端末ID受領が書き込まれた第2の指定タイムスロットを含む同期信号(上りパケット)をドアホン親機200に送信する(S729)。
以上の処理により、初期登録が完了する(S730)。
なお、図14では、ドアホン親機200から玄関子機100に同期信号を送信し、玄関子機100が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施するシーケンスとしているが、本実施の形態はこれに限られず、玄関子機100からドアホン親機200に同期信号を送信し、ドアホン親機200が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施し、ドアホン親機200から玄関子機100へ反転検出結果情報を通知するシーケンスとしてもよい。この場合、ドアホン親機200から玄関子機100にIDを送付するS728以降の処理を同様に実施すればよい。
図15の場合、電源がONされると(S741)、マスタ親機200aは、スレーブ親機200bに対して、制御データフィールドに登録開始情報が書き込まれた割り込み信号(下りパケット)を送信する(S742)。
スレーブ親機200bは、マスタ親機200aからの割り込み信号を捕捉する(S743)。また、スレーブ親機200bは、割り込み信号のシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部209に対して反転設定を行う(S744)。
その後、スレーブ親機200bは、割り込み信号の制御データ(登録開始情報)を確認し(S745)、制御データフィールドに登録開始情報受領および反転検出結果情報が書き込まれた割り込み信号(上りパケット)をマスタ親機200aに送信する(S746)。
マスタ親機200aは、スレーブ親機200bからの割り込み信号を捕捉し、割り込み信号の制御データ(登録開始情報受領および反転検出結果情報)を確認する(S747)。
また、マスタ親機200aは、反転検出結果情報によって2線ケーブルが逆接続であることが判明した場合、送信データ反転部209に対して反転設定を行う(S748)。
そして、マスタ親機200aは、スレーブ親機200bに割り当てた固有の識別子(端末ID)が制御データフィールドに書き込まれた割り込み信号(下りパケット)を送信する(S749)。
スレーブ親機200bは、割り込み信号の制御データ(端末ID)を確認し、制御データフィールドに端末ID受領が書き込まれた割り込み信号(上りパケット)をマスタ親機200aに送信する(S750)。
以上の処理により、初期登録が完了する(S751)。
なお、図15では、マスタ親機200aからスレーブ親機200bに割込み信号を送信し、スレーブ親機200bが2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施するシーケンスとしているが、本実施の形態はこれに限られず、スレーブ親機200bからマスタ親機200aに割込み信号を送信し、マスタ親機200aが2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施し、マスタ親機200aからスレーブ親機200bへ反転検出結果情報を通知するシーケンスとしてもよい。この場合、マスタ親機200aからスレーブ親機200bにIDを送付するS749以降の処理を同様に実施すればよい。
図16において、電源がONされた場合(S761)、マスタ親機200aは、スレーブ親機200bに対して、第1の指定タイムスロットの制御データフィールドに登録開始情報およびスレーブ親機200bからマスタ親機200aへ送信する場合の第2の指定タイムスロット(番号)が書き込まれた同期信号(下りパケット)を送信する(S762)。第2の指定タイムスロットとして、既知の登録専用に準備したタイムスロットを使用してもよい。
スレーブ親機200bは、マスタ親機200aからの同期信号(下りパケット)に従って、マスタ親機200aと同期を取る(S763)。これにより、スレーブ親機200bとマスタ親機200aとの間は、同期状態となる。
また、スレーブ親機200bは、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットあるいは第1の指定タイムスロットより先に到着するタイムスロットのシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部209に対して反転設定を行う(S764)。
その後、スレーブ親機200bは、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットの制御データ(登録開始情報)を確認し(S765)、第2の指定タイムスロットの制御データフィールドに登録開始情報受領および反転検出結果情報が書き込まれた同期信号(上りパケット)をマスタ親機200aに送信する(S766)。
マスタ親機200aは、スレーブ親機200bからの同期信号(上りパケット)を捕捉し、第2の指定タイムスロットの制御データ(登録開始情報受領および反転検出結果情報)を確認する(S767)。
また、マスタ親機200aは、反転検出結果情報によって2線ケーブルが逆接続であることが判明した場合、送信データ反転部209に対して反転設定を行う(S768)。
そして、マスタ親機200aは、スレーブ親機200bに割り当てた固有の識別子(端末ID)が制御データフィールドに書き込まれた第1の指定タイムスロットを含む同期信号(下りパケット)を送信する(S769)。
スレーブ親機200bは、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットの制御データ(端末ID)を確認し、制御データフィールドに端末ID受領が書き込まれた第2の指定タイムスロットを含む同期信号(上りパケット)をマスタ親機200aに送信する(S770)。
以上の処理により、初期登録が完了する(S771)。
なお、図16では、マスタ親機200aからスレーブ親機200bに同期信号を送信し、スレーブ親機200bが2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施するシーケンスとしているが、本実施の形態はこれに限られず、スレーブ親機200bからマスタ親機200aに同期信号を送信し、マスタ親機200aが2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施し、マスタ親機200aからスレーブ親機200bへ反転検出結果情報を通知するシーケンスとしてもよい。この場合、マスタ親機200aからスレーブ親機200bにIDを送付するS769以降の処理を同様に実施すればよい。
<新規接続時の初期登録のシーケンス>
次に、本実施の形態に係るリセット解除後の初期登録のシーケンスについて図17、図18を用いて説明する。図17は、図2Bに示した割り込み信号を使用した場合を示し、図18は、図2Aに示したタイムスロットで構成されるフレームによる同期信号を使用した場合を示す。なお、図17、図18において、図13、図14と共通する処理には同一符号を付してその説明を省略する。
図17、図18において、玄関子機100−1は、既に初期登録が完了し、ドアホン親機200と通信状態あるいは通信可能な待機状態にあり、玄関子機100−2は、ドアホン親機200に新たに接続され、初期登録が未完了であるものとする。
図17の場合、ドアホンシステム動作時において(S781)、ドアホン親機200は、玄関子機100−2に対して、制御データフィールドに死活監視情報が書き込まれた割り込み信号(下りパケット)を送信する(S782)。
玄関子機100−2は、ドアホン親機200からの割り込み信号を捕捉する(S783)。また、玄関子機100−2は、割り込み信号のシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部109および受信データ反転部112に対して反転設定を行う(S784)。
その後、玄関子機100−2は、割り込み信号の制御データ(死活監視情報)を確認し(S785)、制御データフィールドに新規接続情報が書き込まれた割り込み信号(上りパケット)をドアホン親機200に送信する(S786)。なお、玄関子機100−2は、制御データフィールドに、2線ケーブルが正接続であるか逆接続であるかを示す反転検出結果情報をさらに書き込み、ドアホン親機200へ通知しても良い。
ドアホン親機200は、玄関子機100−2からの割り込み信号を捕捉し、割り込み信号の制御データ(新規接続情報)を確認する(S787)。
以下、ドアホン親機200と玄関子機100−2との間で、図13で説明したS708、S709の処理が行われ、玄関子機100−2の初期登録が完了する(S710)。
なお、図17では、ドアホン親機200から玄関子機100−2に割込み信号を送信し、玄関子機100−2が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施するシーケンスとしているが、本実施の形態はこれに限られず、玄関子機100−2からドアホン親機200に割込み信号を送信し、ドアホン親機200が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施し、ドアホン親機200から玄関子機100−2へ反転検出結果情報を通知するシーケンスとしてもよい。この場合、ドアホン親機200から玄関子機100−2にIDを送付するS708以降の処理を同様に実施すればよい。
図18の場合、ドアホンシステム動作時において(S791)、ドアホン親機200は、玄関子機100−2に対して、第1の指定タイムスロットの制御データフィールドに死活監視情報および玄関子機100−2からドアホン親機200へ送信する場合の第2の指定タイムスロット(番号)が書き込まれた同期信号(下りパケット)を送信する(S792)。第2の指定タイムスロットとして、既知の登録専用に準備したタイムスロットを使用してもよい。
玄関子機100−2は、ドアホン親機200からの同期信号(下りパケット)に従って、ドアホン親機200と同期を取る(S793)。これにより、玄関子機100−2とドアホン親機200との間は同期状態となる。
また、玄関子機100−2は、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットあるいは第1の指定タイムスロットより先に到着するタイムスロットのシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部109および受信データ反転部112に対して反転設定を行う(S794)。
その後、玄関子機100−2は、同期信号(下りパケット)における第1の指定タイムスロットの制御データ(死活監視情報)を確認し(S795)、第2の指定タイムスロットの制御データフィールドに新規接続情報が書き込まれた同期信号(上りパケット)を、ドアホン親機200に送信する(S796)。なお、玄関子機100−2は、制御データフィールドに、2線ケーブルが正接続であるか逆接続であるかを示す反転検出結果情報をさらに書き込み、ドアホン親機200へ通知しても良い。
ドアホン親機200は、玄関子機100−2からの同期信号(上りパケット)を捕捉し、第2の指定タイムスロットの制御データ(新規接続情報)を確認する(S797)。
以下、ドアホン親機200と玄関子機100−2との間で、図14で説明したS728、S729の処理が行われ、玄関子機100−2の初期登録が完了する(S730)。
なお、図18では、ドアホン親機200から玄関子機100−2に同期信号を送信し、玄関子機100−2が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施するシーケンスとしているが、本実施の形態はこれに限られず、玄関子機100−2からドアホン親機200に同期信号を送信し、ドアホン親機200が2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行って逆接続の場合にデータの反転設定を実施し、ドアホン親機200から玄関子機100−2へ反転検出結果情報を通知するシーケンスとしてもよい。この場合、ドアホン親機200から玄関子機100−2にIDを送付するS728以降の処理を同様に実施すればよい。
なお、図15、図16では、電源ON時のドアホン親機200aとドアホン親機200bの初期登録を例示しているが、ドアホンシステム動作時にマスタ親機200aにスレーブ親機200bが新しく接続される場合も同様のシーケンスとなる。この場合、図15、図16の「電源ON」を「ドアホンシステム動作時」に、また「登録開始情報」を「死活監視情報」に変更すれば良い。この場合、それぞれのドアホン親機200に接続される玄関子機100が省略された図になる。
また、電源ブレーカが切断された等の理由によりマスタ親機が通信不能になり、スレーブ親機が、規定の時間あるいは規定の回数においてマスタ親機からの応答がないことを検知すると、動作可能なスレーブ親機が、新たなマスタ親機として動作を開始する。その後、通信不能になっていた旧マスタ親機が復活した場合、旧マスタ親機は、新スレーブ親機として登録される。
また、図13から図18に例示した2線ケーブルの逆接続検出と逆接続時のデータ反転設定のシーケンスは、1つの2線ケーブルで接続される機器間、すなわち、ドアホン親機200とこれに接続される玄関子機100との間、および、接続する2つのドアホン親機200の間(マスタ親機200aとスレーブ親機200bとの間)で実行されるものである。例えば、スレーブ親機200bに接続される玄関子機100とマスタ親機200aとの間のように、2つの2線ケーブルを介して接続する機器間では、2つの2線ケーブルとも逆接続の場合に「正接続」と検知されてしまうため、上記のシーケンスを実行できない。
<待機状態から通信状態までのシーケンス>
次に、本実施の形態に係る待機状態(非同期通信時)から通信状態までのシーケンスについて図19を用いて説明する。なお、図19では、玄関子機100−1、100−2および増設モニタ300がドアホン親機200と接続している場合のシーケンスを示す。
各機器とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態(非同期通信時)において(S801)、玄関子機100−2の呼出ボタンが操作された場合(S802)、玄関子機100−2は、制御データフィールドに同期要求が書き込まれた割り込み信号をドアホン親機200に送信することにより同期要求を行う(S803)。
ドアホン親機200は、割り込み信号を捕捉し(S804)、割り込み信号に含まれる同期要求を確認する。なお、割り込み信号の捕捉とは、具体的には、第1周波数のクロックを用いて割り込み信号のサンプリングを行い、プリアンブル内のユニークパターンを検出してビット同期を確立し、第2周波数のクロックを用いて割り込み信号を再生してシンクパターンを検出することである。
ドアホン親機200は、玄関子機100−2からの同期要求を確認すると、各機器と同期通信するためのフレームタイミングを決定し(S805)、各機器に同期信号を送信する(S806)。
各機器は、同期信号に従って、ドアホン親機200と同期を取る(S807)。これにより、各機器とドアホン親機200との間は、同期状態となる(S808)。
その後、玄関子機100−2は、制御データフィールドに画像接続要求が書き込まれた上りパケットを親機200に送信することにより画像接続要求を行う(S809)。ドアホン親機200は、画像接続要求を確認すると、制御データフィールドに画像接続確認が書き込まれた下りパケットを玄関子機100−2に送信することにより画像接続確認を行う(S810)。以降、玄関子機100−2が上りパケットによりドアホン親機200に画像データを送信し、ドアホン親機200が当該画像データを表示する画像データ通信状態となる(S811)。なお、玄関子機100−2から送信された画像データは、ドアホン親機200から他の機器(玄関子機100−1、増設モニタ300)に同報送信され、増設モニタ300においても、画像データが表示可能になる。
<各装置の動作>
次に、各装置の動作について説明する。
<玄関子機の動作>
図20は、玄関子機100の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1010において、制御部107は、呼出ボタンが操作されたか否かを判定する。制御部107は、呼出ボタンが操作された場合(S1010:YES)、フローをステップS1020へ進め、操作されていない場合(S1010:NO)、フローを後述のステップS1100へ進める。
ステップS1020において、制御部107は、呼出信号をドアホン親機200へ送信する。
ステップS1030において、制御部107は、ドアホン親機200から応答信号を受信したか否かを判定する。制御部107は、応答信号を受信していない場合(S1030:NO)、フローをステップS1020へ戻し、応答信号を受信した場合(S1030:YES)、フローをステップS1040へ進める。なお、制御部107は、呼出信号を所定回数送信しても応答信号を受信しない場合、フローを、後述のステップS1100へ進めてもよい。
ステップS1040において、制御部107は、マイク104、音声I/F部105、およびカメラ部106を用いて、音声入力および映像撮影を開始する。また、制御部107は、パケット生成部132および送信データ処理部108を用いて、送信の対象となる各種データ(制御データ/デジタル音声データ/デジタル映像データ)のパケット化および符号化を開始する。なお、制御部107は、デジタル音声データおよびデジタル映像データの送信レート制御を行ってもよい。
ステップS1050において、制御部107は、子機側送信区間であるか否かを判定する。制御部107は、送信区間である場合(S1050:YES)、フローをステップS1060へ進め、送信区間ではない場合(S1050:NO)、フローを後述のステップS1070へ進める。
ステップS1060において、制御部107は、送信ドライバ110を用いて、符号化により生成された上り信号を、2線ケーブルを介してドアホン親機200へ送信する。なお、制御部107は、送信区間が終了したとき、上り信号の送信を停止する。
ステップS1070において、制御部107は、親機側送信区間であるか否かを判定する。制御部107は、送信区間である場合(S1070:YES)、フローをステップS1080へ進め、送信区間ではない場合(S1070:NO)、フローを後述のステップS1090へ進める。
ステップS1080において、制御部107は、下り信号の受信、各種データ(制御データ/音声データ)の抽出、および音声の出力を開始する。なお、制御部107は、送信区間が終了したとき、下り信号の受信あるいは各種データの抽出を停止する。
ステップS1090において、制御部107は、玄関子機100とドアホン親機200との間の通話が終了したか否かを判定する。例えば、制御部107は、ドアホン親機200で通話終了の操作が行われたことを示す信号をドアホン親機200から受信したとき、通話が終了したと判定する。制御部107は、通話が終了していない場合(S1090:NO)、フローをステップS1050へ戻し、通話が終了した場合(S1090:YES)、フローをステップS1100へ進める。
ステップS1100において、制御部107は、ドアホン機能に関する処理の終了を指示されたかを判定する。例えば、制御部107は、ドアホン親機200でドアホン機能の停止の操作が行われたことを示す信号をドアホン親機200から受信したとき、上記処理の終了を指示されたと判定する。制御部107は、上記処理の終了を指示されていない場合(S1100:NO)、フローをステップS1010へ戻し、上記処理の終了を指示された場合(S1100:YES)、一連の処理を終了する。
<ドアホン親機の動作>
図21は、ドアホン親機200の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS2010において、制御部207は、玄関子機100から呼出信号を受信したか否かを判定する。制御部207は、呼出信号を受信した場合(S2010:YES)、フローをステップS2020へ進め、呼出信号を受信していない場合(S2010:NO)、フローを後述のステップS2090へ進める。
ステップS2020において、制御部207は、応答信号を玄関子機100へ送信するとともに、音声I/F部205およびスピーカ203を用いて、呼出音を出力する。
ステップS2030において、制御部207は、マイク204および音声I/F部205を用いて、音声入力を開始する。また、制御部207は、パケット生成部232および送信データ処理部208を用いて、送信の対象となる各種データ(制御データ/デジタル音声データ)のパケット化および符号化を開始する。なお、制御部207は、デジタル音声データの送信レート制御を行ってもよい。
ステップS2040において、制御部207は、子機側送信区間であるか否かを判定する。制御部207は、送信区間である場合(S2040:YES)、フローをステップS2050へ進め、送信区間ではない場合(S2040:NO)、フローを後述のステップS2060へ進める。
ステップS2050において、制御部207は、上り信号の受信および各種データ(制御データ/音声データ/映像データ)の抽出を開始する。また、制御部207は、音声I/F部205、スピーカ203および液晶ディスプレイを用いて、音声および映像の出力を開始する。なお、制御部207は、送信区間が終了したとき、上り信号の受信あるいは各種データの抽出を停止する。
ステップS2060において、制御部207は、親機側送信区間であるか否かを判定する。制御部207は、送信区間である場合(S2060:YES)、フローをステップS2070へ進め、送信区間ではない場合(S2060:NO)、フローを後述のステップS2080へ進める。
ステップS2070において、制御部207は、送信ドライバ210を用いて、符号化により生成された下り信号を、2線ケーブルを介して玄関子機100へ送信する。但し、制御部207は、上述の通り、応答ボタンが操作されるまでは、デジタル音声データの送信を行わないことが望ましい。なお、制御部207は、送信区間が終了したとき、下り信号の送信を停止する。
ステップS2080において、制御部207は、玄関子機100とドアホン親機200との間の通話が終了したか否かを判定する。例えば、制御部207は、ドアホン親機200で通話終了の操作が行われたこと検知したとき、通話が終了したと判定する。なお、制御部207は、かかる通話終了の操作が行われたとき、その旨を示す信号を玄関子機100に送信することが望ましい。制御部207は、通話が終了していない場合(S2080:NO)、フローをステップS2040へ戻し、通話が終了した場合(S2080:YES)、フローをステップS2090へ進める。
ステップS2090において、制御部207は、ドアホン機能に関する処理の終了を指示されたかを判定する。例えば、制御部207は、ドアホン親機200でドアホン機能の停止の操作が行われたことを検知したとき、上記処理の終了を指示されたと判定する。なお、制御部207は、かかるドアホン機能の停止の操作が行われたとき、その旨を示す信号を玄関子機100に送信することが望ましい。制御部207は、上記処理の終了を指示されていない場合(S2090:NO)、フローをステップS2010へ戻し、上記処理の終了を指示された場合(S2090:YES)、一連の処理を終了する。
<通常動作時のルーティング制御>
次に、本実施の形態に係るドアホン親機200の通常動作時のルーティング制御の具体例について、図22、図23を用いて説明する。図22の例では、ドアホン親機200(制御部207(図22では「親機制御部」と記載))が、いずれかのDRV(送信ドライバ(Tx)と受信ドライバ(Rx)のセット)1〜5を介して5個の機器(玄関子機100、増設モニタ300、他のドアホンシステムの親機)と接続している場合を示している。この場合、7種類の設定パターン(P1〜P7)が用意される。図23は、ルーティング制御部212の内部構成を示す図である。図23に示すように、ルーティング制御部212は、内部に、切替スイッチ2121およびOR回路2122を有する。
設定パターンP1は、ドアホン親機200がいずれの機器ともデータの送受を行っていない待機状態におけるルーティング(通信ルートの有効/無効)を示す。設定パターンP1では、ドアホン親機200は、受信モード(送信を行わず、受信のみを行うモード)となり、制御部207は、図22に示すように受信モードであるため、SPI-RWの制御により、切替スイッチ2121の端子T3をT2に接続し、各機器からのデータ受信が可能となるように各DRVの受信ドライバ(Rx)を有効にし、各接続機器からの割り込みを待っている状態となる。
なお、設定パターンP1で、各接続機器からの割り込みを待っている状態において、OR回路2122のすべての入力は「L」である必要がある。これは、OR回路2122のすべての入力の内の1つでも「H」となった場合には、OR回路2122に正規のデータが入力されても、OR回路2122の出力が「H」で固定されてしまうためである。よって、受信データを反転させると、受信待機時にOR回路2122の入力が「H」になる場合が発生するため、DRVの受信ドライバ(RX)とOR回路2122の間では、データの反転制御はできないことになる。そこで、本実施の形態では、ドアホン親機200が他のドアホンシステムのドアホン親機に接続する2線ケーブルが逆接続の場合の対応として、それぞれのドアホン親機200側の送信データを反転する方式で回路を設計する。
なお、各DRVの各受信ドライバ(RX)で受信された受信データの第1の出力のそれぞれに受信データ反転のトリガで極性を反転する受信データ反転部を含む受信データ処理部を設け、かつ、ドアホン親機200から送信されるデータとルーティング制御部212で同報配信されるデータの位相を一致させるために、各DRVの各受信ドライバ(RX)で受信された受信データの第2の出力とOR回路2122の間で、それぞれの第2の出力に受信データ反転のトリガで極性を反転する極性調整用の極性反転部を設け、各受信ドライバ(RX)で受信された受信データの第2の出力のそれぞれを極性反転部からOR回路2122に入力させ、OR回路2122の出力から切替スイッチ2121を通る同報配信の経路に導き、かつ、DRVへの(SW CON)を併用することにより、いずれかひとつの受信データが出力されている受信データ処理部の出力を選択して制御部207に出力すれば、ドアホン親機200側の受信データを反転することもできる。
待機状態において、いずれかの機器から非同期の割り込み信号を受信した場合、ドアホン親機200は、当該割り込み信号を送信した機器との間で同期を確立する。例えば、ドアホン親機200は、DRV1から割り込み信号を受信した場合、DRV1と接続する機器と同期を確立し、データの送受を行う(P2(送信時)またはP3(受信時)に移行する)。
設定パターンP2は、ドアホン親機200が全ての機器に対してデータを送信する一斉送信時(Broadcast)におけるルーティングを示す。設定パターンP2では、ドアホン親機200は、送信モード(受信を行わず、送信のみを行うモード)となり、制御部207は、切替スイッチ2121の端子T3を端子T1と接続させ、各機器へのデータ送信が可能となるように各DRVの送信ドライバ(Tx)を有効にする。このとき、いずれかの機器からドアホン親機200にデータが送信されても、各DRVにおいて受信できず、親機200において当該データは破棄される。なお、設定パターンP2では、ドアホン親機200が、接続中のすべての機器に対してデータ送信を行うが、下りパケットの制御データフィールドには通信相手の機器の識別子のみが記載されているため、他の機器は、データを受信しても破棄する。なお、設定パターンP2で、すべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
設定パターンP3からP7は、ドアホン親機200がいずれか1つの機器からデータを受信する個別受信時におけるルーティングを示す。設定パターンP3からP7では、ドアホン親機200は受信モードとなり、制御部207は、切替スイッチ2121の端子T3を端子T2と接続させ、各設定パターンに対応する1つのDRVの受信ドライバ(Rx)を有効にし、他のDRVの送信ドライバ(Tx)を有効にする。これにより、ドアホン親機200は、受信ドライバ(Rx)が選択されたDRVから受信したデータを、ルーティング制御部212において、受信データ処理部213に出力すると同時に、当該データをそのまま、送信ドライバ(Tx)が選択されたすべてのDRVに接続されている他の機器に同報送信することができる。したがって、同報送信する際に、受信データを復号して解析する必要がない。なお、送信ドライバ(Tx)が選択されているすべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
例えば、ドアホン親機200が、玄関子機100のデータをDRV2から受信する場合、制御部207は、DRV2の受信ドライバ(Rx)を有効とし、他のDRVの送信ドライバ(Tx)を有効にする。この場合、玄関子機100からのデータは、DRV2から受信され、ルーティング制御部212のOR回路2122を通り、復号用として受信データ処理部213へ出力される。さらに、OR回路2122を通ったデータは、切替スイッチ2121を経由して、DRV1、3、4、5に送信され、各接続機器に同報送信される。その際、DRV2は、受信ドライバ(Rx)のみが有効であり、送信ドライバ(Tx)が無効であるため、OR回路2122を通ったデータは、DRV2からは同報送信されない。また、この時、他の機器からドアホン親機200にデータが送信されても、DRV1、3、4、5において受信できず、親機200において当該データは破棄される。
<初期登録時のルーティング制御>
次に、本実施の形態に係るドアホン親機200の初期登録時のルーティング制御の具体例について、図23、図24を用いて説明する。図24の例では、ドアホン親機200(制御部207(図24では「親機制御部」と記載))が、いずれかのDRV1〜5を介して5個の機器と接続している場合を示している。この場合、5種類の設定パターン(EP1〜EP5)が用意される。
設定パターンEP1からEP5は、ドアホン親機200がいずれか1つの機器を登録する初期登録時におけるルーティングを示す。設定パターンEP1からEP5では、ドアホン親機200は送信モードとなり、制御部207は、切替スイッチ2121の端子T3を端子T1と接続させ、登録対象の機器に対応するDRVの送信ドライバ(Tx)を有効にし、他のDRVの受信ドライバ(Rx)を有効にする。これにより、ドアホン親機200は、パケットを送信する区間において、登録対象以外の機器に対してパケットの送信を行わず、登録対象の機器のみにパケットの送信を行うことができる。なお、このとき、他のDRVの受信ドライバ(Rx)が有効になるが、ドアホン親機200が送信の場合は、全ての機器からのパケットの受信を遮断する論理とし、それらのDRVからのパケットの受信を受け付けない(SPI-RWで制御部207は送信を選択する)。なお、各登録対象の機器からドアホン親機200へのパケットの送信は、図22のP3からP7の設定を使用する。この場合、他接続機器への同報送信の機能が働くが、ドアホン親機200のみへの送信であるため、他接続機器はこれを無視する。これにより、ドアホン親機200が、各玄関子機100等の登録対象機器と1対1に通信することができる。なお、送信ドライバ(Tx)が選択されているすべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。また、DRVの受信ドライバ(Rx)が選択され、各接続機器からの割り込みを待っている状態においては、受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
<2線ケーブルの無極性化>
上記の説明では、玄関子機100、ドアホン親機200および増設モニタ300は、接続状態検出部134、234、334にて2線ケーブルの接続状態を検出し、逆接続であった場合には送信データ反転部109、209、309および受信データ反転部112、312において信号を反転させる場合を例にした。これにより、2線ケーブルの接続を実質的に無極性化することができ、2線ケーブルの接続状態に影響されないデジタル通信を実現することができる。
しかしながら、デジタル通信の送受信信号を反転するのは送信側あるいは受信側のどちらか一方でもよい。以下では、玄関子機100とドアホン親機200との間で無極性化を実現するための構成について例示する。
図25は、2線ケーブルが正接続の状態になっているときの様子を示す模式図である。図26から図29は、2線ケーブルが逆接続の状態になっているときの様子を示す模式図である。
なお、図26から図29において、2線ケーブルを使用したデジタル通信の無極性化に密接に関連する部分以外の部分については、図示を省略している。また、図26から図29において、玄関子機100およびドアホン親機200(以下、適宜「機器」と総称する)のそれぞれは、送信データ反転部および受信データ反転部を備えているものとする。上記の説明では、ドアホン親機200が受信データ反転部を有しない構成について説明したが、以下の説明では、ドアホン親機200が受信データ反転部215を有する場合についても説明する。
送信データ反転部は、上述の通り、接続状態検出部から出力された反転制御信号(INV CON)に従って、送信データ処理部から出力された送信信号を反転させ、あるいは反転させずに、送信ドライバへ出力する。
また、受信データ反転部は、上述の通り、接続状態検出部から出力された反転制御信号(INV CON)に従って、受信ドライバから出力された受信信号を反転させ、あるいは反転させずに、受信データ処理部へ出力する。
また、図25から図29において、送信データ反転部および受信データ反転部のうち、信号の反転を行わない状態(信号をそのままスルーさせる状態)のものは、破線で示している。また、図25から図29における2線ケーブルの2つの線は、2線ケーブルを構成する2本のケーブルを示す。
図25に示すように、2線ケーブルが正接続となっている場合、2線ケーブルの両側の機器の間で極性は一致している。従って、両方の機器は、上り信号および下り信号のいずれに対しても反転を行う必要がない。従って、各機器の送信データ反転部109、209および受信データ反転部112、215は、信号反転を行わない。
一方、図26から図29に示すように、2線ケーブルが逆接続となっている場合、2線ケーブルの両側の機器の間で極性は逆転している。従って、上り信号および下り信号の両方について、いずれかの機器において信号反転を行う必要がある。
図26は、両方の機器において、接続状態検出部134、234により逆接続の検出を行い、逆接続が検出されたとき、送信データ反転部109、209が信号反転を開始する例を示す。この場合、玄関子機100およびドアホン親機200は、必ずしも受信データ反転部112、215を備える必要がない。
一方、図27は、両方の機器において、逆接続が検出されたときに受信データ反転部112、212が信号反転を開始する例を示す。この場合、玄関子機100およびドアホン親機200は、必ずしも送信データ反転部109、209を備える必要がない。
または、例えば、図28および図29に示すように、一方の機器のみにおいて、接続状態検出部により逆接続の検出を行い、逆接続が検出されたとき、当該機器の送信データ反転部および受信データ反転部において、信号反転を開始するようにしてもよい。この場合、他方の機器は、必ずしも接続状態検出部、送信データ反転部および受信データ反転部を備える必要がない。
なお、図25から図29では、玄関子機100とドアホン親機200の場合を例示しているが、本実施の形態では、玄関子機100をスレーブ親機100bとし、ドアホン親機200をマスタ親機200aとしてもよい。
<本実施の形態の効果>
以上のように、本実施の形態では、2線ケーブルが逆接続の場合、送信側装置あるいは受信側装置のいずれか一方において、データを反転してから送信/受信を行うことにより、2線ケーブルの接続状態にかかわらず受信側装置がデータを復調することができる。したがって、工事作業者は、接続状態(正接続か逆接続か)を気にすることなく、2線ケーブルを配線することができるので、2線ケーブル配線時の作業効率を上げることができる。
なお、本実施の形態では、時分割複信のデジタル通信を例に説明したが、本発明はこれに限られず、他のデジタル通信にも適用できる。例えば、その他の応用機器として、ビジネスホン(内線電話機と制御装置間)、ホームセキュリティ装置(監視カメラ装置と室内モニタ間、各種センサーノードと制御装置間)等の制御装置(通信装置)などであっても、同様の効果が得られる。
本開示のドアホンシステムは、親機が複数の子機のそれぞれと2線ケーブルを介して接続され、前記親機が前記各子機との間でデジタル通信を行うドアホンシステムであって、前記親機は、生成した第1エンコードデータを前記複数の子機の全てに一斉送信し、特定の子機から受信した第2エンコードデータを前記特定の子機を除く全ての子機に同報送信し、各接続経路に前記第1エンコードデータを出力し、前記特定の子機との接続経路を除く各接続経路に前記第2エンコードデータを出力するようにルーティング制御を行うルーティング制御部を具備し、前記親機あるいは前記複数の子機のそれぞれは、接続されている前記2線ケーブルが正接続であるか逆接続であるかを判定し、前記2線ケーブルが逆接続である場合、前記親機において前記ルーティング制御部を通過した前記第1エンコードデータの極性と前記ルーティング制御部を通過した前記第2エンコードデータの極性とが同じになるように前記第2エンコードデータの反転制御を行う。
本開示のドアホンシステムの通信方法は、親機が複数の子機のそれぞれと2線ケーブルを介して接続され、前記親機が前記各子機との間でデジタル通信を行うドアホンシステムの通信方法であって、前記親機が、生成した第1エンコードデータを、ルーティング制御部により各接続経路に出力して、前記複数の子機の全てに一斉送信し、特定の子機から受信した第2エンコードデータを、前記ルーティング制御部により前記特定の子機との接続経路を除く各接続経路に出力して、前記特定の子機を除く全ての子機に同報送信し、前記親機あるいは前記複数の子機のそれぞれが、接続されている前記2線ケーブルが正接続であるか逆接続であるかを判定し、前記2線ケーブルが逆接続である場合、前記親機において前記ルーティング制御部を通過した前記第1エンコードデータの極性と前記ルーティング制御部を通過した前記第2エンコードデータの極性とが同じになるように前記第2エンコードデータの反転制御を行う。