JP2018010504A - 伸縮性配線シート及びその製造方法、伸縮性タッチセンサシート - Google Patents

伸縮性配線シート及びその製造方法、伸縮性タッチセンサシート Download PDF

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Abstract

【課題】簡易かつ低コストに製造することができ、柔軟性、耐久性及び外力に対する追従性に富み、伸縮に伴う抵抗値変化が小さい高伸縮性の伸縮性配線シート等の提供。【解決手段】本発明の伸縮性配線シートは、伸縮性の第1のエラストマーシート1aと、第1のエラストマーシート1aと対向して接着される伸縮性の第2のエラストマーシート1bと、除荷時に第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの間に挟持される導線2と、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの間に導線2と離間された状態等で配される接着部(接着層3)と、を有する。【選択図】図1(b)

Description

本発明は、導線が2枚の伸縮性エラストマーシートに挟持される伸縮性に優れた伸縮性配線シート及びその製造方法、伸縮性タッチセンサシートに関する。
伸縮性配線シートは、例えば、柔軟性が要求されるRFID機器用のアンテナや配線、スポーツ科学における運動解析センサ用配線、衣服型心拍・心電図モニタ、ロボット可動部の配線シート、コンピュータに指令を送るためのタッチセンサシート、更に、ロボットを遠隔操作するために、手指、肘関節、膝関節に装着される屈曲センサ用配線シートなど、近年様々な分野において需要が高まっている。こうした伸縮性配線シートにおいては、伸縮性に優れるとともに伸縮に伴う抵抗値変化が小さいことが求められる。
こうした背景をもとに、これまでゴムにイオン性液体、カーボンナノチューブ等を分散させることにより伸縮性を持つ導電性ゴムを製造することが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この提案では、伸縮性導電体を形成するカーボンナノチューブ等の材料が高価であり、また、十分な導電性を得るためには、含有率を非常に高くする必要があることから、製造コストがより一層嵩む問題がある。
また、エラストマー上に波状構造を持つ銅配線を張り付けて伸縮性回路基板を製造することが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この提案では、エラストマー上に積層された銅箔をエッチングして波状パターンの銅配線を形成するため、製造プロセスが複雑となる問題がある。また、この伸縮性回路基板をタッチセンサシートとして用いる場合、波状構造に逆らって銅配線を伸長させることとなるため、タッチ操作に追従させて形状を変化させにくく、操作感や感度が十分に得られない問題がある。
また、エステル系ウレタンゴム製のエラストマーシートの下面に、ウレタンゴムと銀粉末からなる配線を配置することが提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、この提案では、ウレタンゴムの内部に銀粉末を封入して伸縮性を発現する導線を個別に形成することから製造コストが高くなる問題がある。また、形成される導線が伸長や曲げ操作に伴う形状変化に伴って銀粉末間の電気的接触がいずれかの箇所で途絶えると導線として機能しなくなることから柔軟性や耐久性に乏しい問題がある。
また、ICチップのアンテナに、導電性繊維からなるブースター用のアンテナを未接着状態で対向配置させた導電性繊維シートが提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、この提案では、導電性繊維が高価であり、また、種々のアンテナ形状に応じて切断加工を行う際、無駄となる導電性繊維シートによって更なるコストアップを招く問題がある。
国際公開2009−102077号公報 特開2013−187380号公報 特開2011− 34822号公報 特開2013−206080号公報
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、簡易かつ低コストに製造することができ、柔軟性、耐久性及び外力に対する追従性に富み、伸縮に伴う抵抗値変化が小さい高伸縮性の伸縮性配線シート及びその製造方法、伸縮性タッチセンサシートを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 伸縮性の第1のエラストマーシートと、前記第1のエラストマーシートと対向して配される伸縮性の第2のエラストマーシートと、除荷時に前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの間に挟持される導線と、前記第1のエラストマーシートと前記第2エラストマーシートとの間に前記導線と離間された状態及び前記波状形状における波の頂部を含む前記導線の一部と当接された状態のいずれかの状態で配され、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部と、を有することを特徴とする伸縮性配線シート。
<2> 接着部が、間に導線が配されるように前記導線の配線方向における両側部側の領域に一様の厚みで形成される2つの接着層を有して構成される前記<1>に記載の伸縮性配線シート。
<3> 導線の線径方向の断面形状が円形状である前記<1>から<2>のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
<4> 導線の線径が太くとも50μmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
<5> 導線のヤング率が小さくとも150GPaである前記<1>から<4>のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
<6> 波状形状における波高が20μm〜5mmとされる前記<1>から<5>のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
<7> 波状形状における波の頂部の曲率半径をAとし、前記波状形状における隣接する前記波間の周期的なピッチ間隔をBとしたとき、A/Bの比が0.05〜0.5である前記<1>から<6>のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
<8> 第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートの少なくともいずれかの対向面に対し、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部を、導線を配する導線配線領域を避けて形成する接着部形成工程と、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを対向させて一の伸長方向に伸長させる伸長工程と、対向する前記第1のエラストマーシート−前記第2のエラストマーシート間の前記導線配線領域に棒状の前記導線を前記伸長方向に沿って配し、前記導線を挟持する状態で前記接着部により前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを貼り合せる貼合工程と、貼り合された状態の前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートの伸長を開放して除荷し、前記導線を前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状に変形させるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態とする除荷工程と、を含むことを特徴とする伸縮性配線シートの製造方法。
<9> 伸縮性の第1のエラストマーシートと、前記第1のエラストマーシートと対向して接着される伸縮性の第2のエラストマーシートと、除荷時に前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの間に挟持される導線と、前記第1のエラストマーシートと前記第2エラストマーシートとの間に前記導線と離間された状態及び前記波状形状における波の頂部を含む前記導線の一部と当接された状態のいずれかの状態で配され、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部と、を有し、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートが透明材料で形成され、前記導線が複数本並設されて形成される2つの伸縮性配線シートを、前記導線の配線方向が直交する状態で対向配置させたことを特徴とする伸縮性タッチセンサシート。
<10> ヘイズ値が大きくとも60%以下である前記<9>に記載の伸縮性タッチセンサシート。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決して、簡易かつ低コストに製造することができ、柔軟性、耐久性及び外力に対する追従性に富む高伸縮性の伸縮性配線シート及びその製造方法、伸縮性タッチセンサシートを提供することができる。
伸縮性配線シートのシート上面を示す説明図である。 図1(a)における伸縮性シートのA−A線断面を部分拡大して示す断面図である。 除荷時における、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとで挟持された状態の導線2の長さLを示す図である。 第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとを溶媒等で除去して外部に取り出し除荷した状態の導線2の長さLを示す図である。 導線2の形成材料の弾性係数と、前記波状形状における波頂部の曲率半径との相関関係を説明するための説明図である。 弾性係数が小さく曲率半径が小さい波形について、図2(a)中の円で囲んだ部分を拡大して示す拡大図である。 弾性係数が大きく曲率半径が大きい波形について、図2(a)中の円で囲んだ部分を拡大して示す拡大図である。 伸縮性配線シート10の製造工程を示す図(1)である。 伸縮性配線シート10の製造工程を示す図(2)である。 伸縮性配線シート10の製造工程を示す図(3)である。 伸縮性配線シートの製造装置の一例を示す説明図である。 伸縮性タッチセンサシートの構成例を示す説明図である。 静電容量型タッチセンサの構成例を示す図である。 実施例に係る伸縮性配線シートに形成された導線の波形形状を電子顕微鏡で観察した様子を示す図である。 比較例に係る伸縮性配線シートに形成された導線の波形形状を電子顕微鏡で観察した様子を示す図である。
(伸縮性配線シート)
本発明の一実施形態に係る伸縮性配線シート10を図1(a),(b)を参照しつつ説明する。なお、図1(a)は、伸縮性配線シートのシート上面を示す説明図であり、図1(b)は、図1(a)における伸縮性シートのA−A線断面を部分拡大して示す断面図である。
図1(a),(b)に示すように、伸縮性配線シート10は、伸縮性の第1のエラストマーシート1aと、第1のエラストマーシート1aと対向して接着される伸縮性の第2のエラストマーシート1bと、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの間に挟持される導線2と、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシートとを接着させる接着部3a,3bとを有する。
第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bとしては、弾性変形して伸縮するものであれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、公知のエラストマー材料で形成されるシートを用いることができ、例えば、天然ゴム、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコン系エラストマーが挙げられる。
伸縮性配線シート10を伸縮性タッチセンサシートとして用いる場合には、伸縮性配線シート10を支持する側の表示が伸縮性配線シート10の上面側から視認可能であることが必要であり、第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bに透明性が求められる。この場合、第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bとしては、公知の透明性を有するエラストマー材料で形成されるシートを用いることができ、例えば、公知のウレタン系エラストマーシート、アクリル系エラストマーシート、シリコン系エラストマーシートを用いることができる。
なお、本明細書において「透明性」の用語は、可視光透過率が50%以上であることを示す。
第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bの限界伸長率としては、特に制限はないが、大きい程、伸縮性配線シート10を高伸縮性とすることができるため、50%(自然長の1.5倍)以上が好ましく、300%(自然長の4倍)以上がより好ましく、500%(自然長の6倍)以上が特に好ましい。
なお、本明細書において「限界伸長率」の用語は、シートを伸長させたときに破断が生じる伸長率を示す。
第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bの厚みとしては、特に制限はなく形成材料にもよるが、これらシートの対向面内で導線2を周期的に湾曲する波状形状で挟持させる程度の剛性を持たせる観点から、5μm以上であることが好ましい。即ち、5μm未満であると、製造時において、対向面内で導線2が周期的に湾曲する波状形状を有するようにこれらシート間に導線2を挟持させたとき、導線2の波状形状がこれらシートの厚み方向に立ち上がる挙動を抑制できず、導線2をこれらシートの対向面内で周期的に湾曲させた波状形状とすることが難しくなることがある。ただし、厚みにより付与される剛性により、このような導線2の挙動を抑制できない場合であっても、これらシートに剛性を付与するように、これらシートの上下を平面性の高い板等で支持しつつ導線2を挟持させることで、導線2がこれらシートの対向面内で周期的に湾曲された波状形状を有するように製造を行うこともできる。
また、前記厚みの上限としては、特に制限はないが、伸縮性配線シート10に必要な柔軟性、透明性を持たせる観点から、150μm程度が好ましい。
導線2は、除荷時に第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの間に挟持される。
導線2を第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの間にこのような状態で配することで、柔軟性、耐久性及び外力に対する追従性に富む高伸縮性の伸縮性配線シート10が形成される。また、この導線2では、伸長時に電気が流れる経路の長さが除荷時の自然長と変わらず、抵抗値が安定とされる。
なお、この導線2の配線状態の形成方法は、後述の製造方法の欄において詳述する。
伸縮性配線シート10において、導線2の前記波状形状が前記棒状形状に復元する方向に付勢されていることは、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとを溶媒等で除去して外部に取り出し除荷した状態の導線2の長さが、除荷時における、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとで挟持された状態の導線2の長さよりも長くなることで確認することができる。即ち、本明細書において、「導線の波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢されている」とは、例えば、図1(c)に例示される、除荷時における、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとで挟持された状態の導線2の長さLが、図1(d)に例示される、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとを溶媒等で除去して外部に取り出し除荷した状態の導線2の長さLに対して、次式、L<L(m)の関係を満たすことを意味する。
また、本明細書において「除荷」の用語は、伸縮性配線シート10に対し、伸長や曲げ等の形状変化を加えない状態を示す。
導線2の断面形状としては、特に制限はないが、伸長時に局所的な応力集中によって破断することを避ける観点から、円形状であることが好ましく、楕円やトラック形状であってもよい。
また、導線2の線径としては、特に制限はないが、伸縮性配線シート10に透明性を付与する観点から、太くとも50μmであることが好ましく、太くとも25μmであることがより好ましく、太くとも12μmであることが特に好ましい。なお、導線2の断面形状が円形状以外である場合の線径としては、その断面形状において長さが最も長くなる位置での径が該当する。また、導線2の線径の下限としては、1μm程度である。
伸縮性配線シート10に透明性を付与する観点から、先の通り、導線2の線径としては、極めて細く設定される。したがって、伸縮性配線シート10に伸長や曲げ等の形状変化を加えたときに導線2が破断しないように、材料選択及び前記波状形状を設定する必要がある。
導線2の形成材料の弾性係数と、前記波状形状における波頂部の曲率半径との間には、強い相関がある。
即ち、図2(a)に示すように、弾性係数が小さいと曲率半径が小さい波形となり、弾性係数が大きいと曲率半径が大きい波形となる。なお、図2(a)は、導線2の形成材料の弾性係数と、前記波状形状における波頂部の曲率半径との相関関係を説明するための説明図である。
ここで、弾性係数が小さく曲率半径が小さい波形では、図2(b)に拡大して示すように、伸縮性配線シート10に伸長や曲げ等の形状変化を加えたときに導線2が破断し易く、弾性係数が大きく曲率半径が大きい波形では、図2(c)に拡大して示すように、伸縮性配線シート10に伸長や曲げ等の形状変化を加えたときに導線2が破断しにくい。なお、図2(b)は、弾性係数が小さく曲率半径が小さい波形について、図2(a)中の円で囲んだ部分を拡大して示す拡大図であり、図2(c)は、弾性係数が大きく曲率半径が大きい波形について、図2(a)中の円で囲んだ部分を拡大して示す拡大図である。
したがって、導線としてみたときに材料の弾性係数と同様の物性を指標する導線2のヤング率(縦弾性係数)としては、前記波状形状における波の頂部の曲率半径を大きく保つ観点から、小さくとも150GPaであることが好ましい。なお、前記ヤング率(縦弾性係数)の上限としては、500GPa程度とされる。また、前記ヤング率(縦弾性係数)の測定は、導線2の引張り試験を行い、応力−ひずみ線図を得て、その応力−ひずみ線図における直線部分の傾きを求めることにより算出できる。
また、前記波状形状における波の頂部の曲率半径をAとし、前記波状形状における隣接する前記波間の周期的なピッチ間隔をBとしたとき、A/Bの比としては、特に制限はないが0.05〜0.5であることが好ましい。即ち、A/Bの比が0.05未満であると、屈曲部での歪が大きくなり断線することがあり、0.5を超えると、周期的な波の形状を保持することが困難なことがある。
また、前記波状形状における波高としては、特に制限はないが、20μm〜5mmが好ましい。即ち、前記波高が20μm未満であると、導線2が略棒状となって伸縮性配線シート10の伸長範囲を狭めることがあり、5mmを超えると、伸縮性配線シート10中の導線2が視認し易くなり必要な透明性が得られないことがある。
なお、前記波状形状の波形は、公知の光学顕微鏡、デジタルマイクロスコープ、電子顕微鏡、X線顕微鏡により伸縮性配線シート10の外部から確認することができる。
導線2の抵抗率としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1.0×10−6Ω・cm〜1.0×10−3Ω・cm程度である。
導線2の形成材料としては、特に制限はなく前記各特徴を考慮して適宜選択することができ、例えば、SUS304に代表されるステンレス鋼、タングステン、タングステン合金、炭素鋼等の公知の金属線、炭素繊維等が挙げられる。なお、前記金属線に関し、前記ピアノ線や前記SUS304線のように比較的抵抗率の高いものについては、表面に銅や銀等の抵抗率の低い金属をめっきして用いることもできる。
導線2の種類と、その縦弾性係数及び抵抗率とを下記表1に例示する。該表1に示すように、導線2として弾性係数が大きなピアノ線、SUS304線を用いる場合、曲率半径が大きく破断が生じにくい。一方、抵抗率は、銅線が最も低い。したがって、導線2を曲率半径が大きく破断が生じにくく、更に、低抵抗率とする場合、前記ピアノ線、前記SUS304線に対して、抵抗率の低い前記金属をめっきしたものを用いることが特に好ましい。なお、下記表1における縦弾性係数及び抵抗率は、線径方向の断面が円形状の導線材における値を示したものである。
接着部3a,3bは、第1のエラストマーシート1aと第2エラストマーシート1bとの間に導線2と離間された状態及び前記波状形状における波の頂部を含む導線2の一部と当接された状態のいずれかの状態で配され、第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとを接着させる部である。
このように構成される接着部3a,3bでは、後述する伸縮性配線シート10の製造時において棒状の導線2を前記波型形状に変形させたときに、接着部3a,3bがこの変形を妨げることを避け易く、導線2における前記波型形状の波毎の形状を同形状に均質化させ易く、延いては、導線2の伸縮操作に対する耐久性を向上させることができる。
即ち、前記波状形状における個々の波形状が不均一であると、導線2の一部に負荷が集中して破断等が生じ易くなる。また、製造される複数の伸縮性配線シート10間における伸縮性が不均一となり、伸縮性能が安定した伸縮性配線シート10を製造できないことがある。例えば、第1のエラストマーシート1aの対向面の全面に接着層を塗工し、この状態の第1のエラストマーシート1a−第2のエラストマーシート間に導線2を配してこれらシートを貼り合せると、棒状の導線2が前記波型形状に変化する際に前記接着層が導線2と全体的に当接するため、前記接着層がこの変形を妨げ、延いては、前記波状形状における個々の波形状が不均一となることがある。
本実施形態に係る例では、接着部3a,3bが、第1のエラストマーシート1aと第2エラストマーシート1bとの間に導線2と離間された状態で配され、また、間に導線2が配されるように導線2の配線方向における両側部側の領域に一様の厚みで形成される2つの接着層(3a,3b)として構成され(図1(a),(b)参照)、製造時を含め接着部3a,3bが導線2と非接触とされることから、導線2が前記波型形状へ変形することを接着部3a,3bが妨げることを避けることができる。また、接着部3a,3bが導線2の配線部分以外の領域に一様の厚みで形成されることから、凹凸感のない伸縮性配線シート10を製造することができるとともに、第1のエラストマーシート1aと第2エラストマーシート1bとを確実に接着することができる。
なお、接着部3a,3bとしては、導線2の線径と同程度である。
接着部3a,3bとしては、硬化後の柔軟性、伸縮性等の物理特性が第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bが有する柔軟性、伸縮性等の物理特性の妨げとならないように適宜選択され、その形成材料としては、例えば、公知のゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤等を挙げることができる。また、透明性が求められる場合には、公知のウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤を好適に用いることができる。
なお、伸縮性配線シート10では、1本の導線2を配することとしているが、複数本の導線2を並設させて形成することもできる。この場合、前記接着部の形成領域としては、並設される導線2の並設間隔に応じて設定することができ、例えば、複数の導線2を1本ずつ間において前記接着部をその両側部側に形成してもよいし、全本数の導線2を配する領域を1つの導線形成領域と見立てて、この領域を間において前記接着部を前記領域の両側部側に形成してもよい。
以上のように構成される伸縮性配線シート10では、柔軟性、耐久性及び外力に対する追従性に富み、また、形状変化に伴う抵抗値の変化が小さく、また、後述の製造方法により簡易かつ低コストに製造することができるため、柔軟性が要求されるRFID機器用の配線、スポーツ科学における運動解析センサ用の配線、心拍・心電図モニタ用の配線、ロボット可動部用の配線、コンピュータに指令を送るためのタッチセンサパネル用の配線等に用いられる配線シートとして、幅広い分野での利用を期待することができる。
(伸縮性配線シートの製造方法)
本発明の伸縮性配線シートの製造方法は、接着部形成工程と、伸長工程と、貼合工程と、除荷工程と、を含み、必要に応じて、その他の工程を含む。
前記接着部形成工程は、第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートの少なくともいずれかの対向面に対し、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部を、導線を配する導線配線領域を避けて形成する工程である。このような工程を有することで、後工程の前記除荷工程において、前記導線が前記波型形状へ変形することを前記接着部が妨げることを避け易くすることができる。
前記伸長工程は、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを対向させて一の伸長方向に伸長させる工程である。
これらシートを一の伸長方向に伸長させる方法としては、特に制限はなく、例えば、公知の張力装置を用いてこれらシートに張力を与える方法が挙げられる。
また、前記伸長工程における第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートの伸長率(初期伸長率)としては、これらシートの限界伸長率未満であれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
前記貼合工程は、対向する前記第1のエラストマーシート−前記第2のエラストマーシート間の前記導線配線領域に棒状の前記導線を前記伸長方向に沿って配し、前記導線を挟持する状態で前記接着部により前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを貼り合せる工程である。
前記対向する前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートの間に前記導線を配する方法としては、特に制限はなく、公知の回転ローラでこれらシート間に前記導線を供給する方法等が挙げられる。
また、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを貼り合せる方法としては、特に制限はなく、2つの圧着ローラ間にこれらシートが密着する状態で挿通させる方法やプレス機を用いてこれらシートを圧着させる方法等が挙げられる。
前記除荷工程は、貼り合された状態の前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートの伸長を開放して除荷し、前記導線を前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状に変形させるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態とする工程である。
この工程において、除荷前の前記導線が前記導線配線領域に配されているため、除荷により前記導線が前記波型形状に変化する際に前記接着層が前記導線の全体と当接して、前記接着層の変形を妨げることを避け易い。延いては、前記波状形状における個々の波形状を均一化させ易くすることができる。
本発明の一実施形態に係る伸縮性配線シート10の製造方法を例に、本発明の前記伸縮性配線シートの製造方法を図3(a)〜(c)、図1(a)を用いて説明する。なお、図3(a)〜(c)は、伸縮性配線シート10の製造工程を示す図(1)〜(3)である。
先ず、図3(a)に自然長の大きさを示す、第1のエラストマーシート1aを用意し、第1のエラストマーシート1aと後出の第2のエラストマーシート1bとを接着させる接着部3a,3bを、導線2を配する導線配線領域を避けて形成する(図3(a)参照)。
例えば、図示のように、第1のエラストマーシート1aの長手方向中央部を前記導線配線領域とし、この導線配線領域以外の領域に接着部3a,3bを塗工する。
次に、第1のエラストマーシート1aの長さ方向に張力を付与して第1のエラストマーシート1aを伸長させる(図3(b)参照)。
次に、第1のエラストマーシート1aを伸長させた状態で、第1のエラストマーシート1aの接着層3a,3bが形成された面上の前記導線配線領域に棒状の導線2を第1のエラストマーシート1aの伸長方向に沿って配する(図3(b)参照)。
次に、第1のエラストマーシート1aと同素材の第2のエラストマーシート1bを第1のエラストマーシート1aと同様に伸長させるとともに、第1のエラストマーシート1a−第2のエラストマーシート1b間の前記導線配線領域に棒状の導線2が配された状態で、これらシートを貼り合せる(図3(c)参照)。
次に、貼り合された状態の第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bの伸長を開放して除荷する。この時、棒状の導線2は、第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bの収縮に伴い、これらシートの対向面内における前記導線配線領域で周期的に湾曲された波状形状に変形され、また、前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢されてこれらシートに挟持される(図1(a)参照)。
以上により、伸縮性配線シート10が製造される。
この伸縮性配線シートの製造方法によれば、第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bの伸縮性を利用した、およそ伸長された第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1b間に導線2を配するだけのシンプルな製造工程とされるため、極めて簡易かつ低コストに伸縮性配線シート10を製造することができる。
(伸縮性配線シートの製造装置)
次に、図4を参照しつつ前記伸縮性配線シートの製造装置の一例について説明する。この製造装置は、本発明の前記伸縮性配線シートの製造方法により前記伸縮性配線シートの大量製造を可能とするものである。なお、図4は、伸縮性配線シートの製造装置の一例を示す説明図である。
図4に示すように、伸縮性配線シートの製造装置20は、第1のエラストマーシート供給ローラ26aと、第2のエラストマーシート供給ローラ26bと、圧着ローラ27a,bと、導線供給ローラ28と、これらローラの回転速度を制御するローラ制御部(不図示)と、を有する。
圧着ローラ27a,bは、少なくともいずれかの対向面側に接着部3a,3bが形成された第1のエラストマーシート1aと第2のエラストマーシート1bとの間で、かつ、接着部3a,3bの間の位置に棒状の導線2(2a〜2c)が配されるように、これらを2つの回転ローラ間に圧入させて圧着可能とされる。
第1のエラストマーシート供給ローラ26aは、第1のエラストマーシート1aを圧着ローラ27a,bに向けて供給可能とされ、また、第2のエラストマーシート供給ローラ26bは、第2のエラストマーシート1bを第1のエラストマーシート1aと対向させて圧着ローラ27a,bに向けて供給可能とされる。
導線供給ローラ28a、b、cは、ダンサーローラ29a、b、cと共に第1のエラストマーシート供給ローラ26aと第2のエラストマーシート供給ローラ26bとの間に配され、第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bのいずれかの対向面と反対側の面上から視たときに、これらの圧着ローラ27a,bに対する供給方向と平行な方向で導線2(2a〜2c)を、ダンサーローラ29a、b、cの動きによってその張力を調整しながら圧着ローラ27a,bに向けて供給可能とされる。
前記ローラ制御部は、第1のエラストマーシート供給ローラ26a及び第2のエラストマーシート供給ローラ26bから供給される第1のエラストマーシート1a及び第2のエラストマーシート1bが前記供給方向に伸長された状態で圧着ローラ27a,bに圧入されるように第1のエラストマーシート供給ローラ26a及び第2のエラストマーシート供給ローラ26bの供給速度よりも速い速度で圧着ローラ27a,bの送出速度を制御するとともに、導線供給ローラ28の供給速度と同じ速度で圧着ローラ27a,bの前記送出速度を制御する。
なお、圧着ローラ27a,bから送出された伸縮性配線シートは、公知の裁断装置により目的に応じた大きさに裁断される。
以上により構成される伸縮性配線シートの製造装置20によれば、第1のエラストマーシート1a、第2のエラストマーシート1b及び導線2を連続供給して伸縮性配線シートを大量に製造することができる。
(伸縮性タッチセンサシート)
次に、本発明の伸縮性タッチセンサシートについて図5(a)を参照しつつ説明する。なお、図5(a)は、伸縮性タッチセンサシートの構成例を示す説明図である。
この伸縮性タッチセンサシート30は、本発明の前記伸縮性配線シートを2つ用いて構成される。
即ち、伸縮性タッチセンサシート30は、前記伸縮性の第1のエラストマーシートと、前記第1のエラストマーシートと対向して接着される伸縮性の前記第2のエラストマーシートと、除荷時に前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された前記波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの間に挟持される前記導線と、前記第1のエラストマーシートと前記第2エラストマーシートとの間に前記導線と離間された状態及び前記波状形状における波の頂部を含む前記導線の一部と当接された状態のいずれかの状態で配され、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部と、を有し、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートが透明材料で形成され、前記導線が複数本並設されて形成される2つの伸縮性配線シート10a,bを、前記導線の配線方向が直交する状態で対向配置させて構成される。
このように構成される伸縮性タッチセンサシート30では、前記波状形状の導線が予め外力を受けて変形する方向に付勢されて配されるため、タッチ操作に追従させて形状を変化させ易く、操作感や感度に優れる。また、伸長方向と曲げ方向とのいずれの形状変化に対しても耐性を有するため、設置場所が曲面である場合でも、曲面に追従させて配することができる。
伸縮性タッチセンサシート30は、公知の抵抗変化型タッチセンサ、静電容量型タッチセンサ等のタッチセンサ用の導電シートとして用いることができる。
一例として、静電容量型タッチセンサの構成例を図5(b)に示す。
この静電容量型タッチセンサでは、縦横のマトリクス状に配され、通電状態の前記各導線の一方の端部に静電容量変化検出回路が接続され、タッチ操作に伴う伸縮性タッチセンサシート30の静電容量変化を検出する。
なお、図示の例では、1本の前記導線を1つの検出ラインとして構成しているが、検出に最適な抵抗値を得にくい場合は、複数本の前記導線に対して1つの静電容量変化検出回路を接続して、これを1つの検出ラインとすることもできる。
伸縮性タッチセンサシート30を前記抵抗変化型タッチセンサに用いる場合、伸縮時の抵抗値変化が5%以下となるように前記導線の材料を選択することが好ましい。また、1検出ラインの単位長さあたりの抵抗値が100Ω/cm以下となるように設計されることが好ましい。
一方、伸縮性タッチセンサシート30を前記静電容量型タッチセンサに用いる場合、伸縮時の抵抗値変化が30%以下となるように前記導線の材料を選択することが好ましい。また、1検出ラインの単位長さあたりの抵抗値が500Ω/cm以下となるように設計されることが好ましい。
伸縮性タッチセンサシート30では、タッチ面の汚れの視認性やこのタッチセンサを通してみた時のディスプレイ上の画像の視認性を考慮して、伸縮性タッチセンサシート30を構成する前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートには、対向配置された状態で可視光透過率50%以上の透明性を有することが求められる。
また、伸縮性タッチセンサシート30のヘイズ値(曇価)としては、透明性の観点から小さい程(例えば3%)好ましく、大きくとも60%であることが好ましい。なお、このヘイズ値は、シートに可視光を照射し、全透過光に対する拡散透過光の割合を計測することにより測定される。
前記ヘイズ値としては、前記導線の線径、前記導線が並設される間隔等によって調整可能とされる。
ここで、前記導線の線径及びタッチセンサまでの距離と視認性との関係性を下記表2に示す。
ただし、表2中の○は、主観評価により、視認できないことを示し、△は、かろうじて視認できることを示し、×は、視認できることを示す。
したがって、伸縮性タッチセンサシート30を高精細パネルや高精細印刷物用のタッチセンサに適用する場合、前記導線の線径としては、12μm以下が好ましい。
一方、自動販売機やデジタルサイネージのように大型の画面を用い、画像の高精細さが要求されず、1m以上の距離から観察されるような用途で用いる場合、前記導線の線径としては、40μm以下程度であってもよい。
また、前記導線が並設される間隔としては、100μm〜10mm程度であると、前記ヘイズ値が得られ易い。
更なる用途として、スマートフォン等の情報端末で、折り畳みディスプレイ用タッチセンサに適用する場合、前記導線の前記波状形状の曲率半径が1mmであるときの耐屈曲回数が10万回以上であることが好ましい。
また、人間の関節など、摺動部用のウエアラブルデバイス用タッチセンサに適用する場合、高い伸縮性と耐久性が要求されることから、伸長率が50%以上で、耐屈曲回数が10万回以上であることが好ましい。
また、自動車の内装などの曲面にタッチセンサを貼り付けて実装する場合、伸長率が60%以上で、前記導線の抵抗変化率が5%以下であることが好ましい。
(実施例)
第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートとして限界伸長率が600%の市販のウレタン系エラストマーシートと、導線として線径が12μmのSUS304線(引張強さ3,170MPa)とを用い、先に説明した前記伸縮性配線シートの製造方法(図3(a)〜(c)参照)にしたがって、実施例に係る伸縮性配線シートを製造した。
ここで、第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートとの接着に用いる接着部(接着層)の形成材料としては、市販のウレタンジェル系粘着剤を用い、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートの貼り付け時における初期伸長率は、100%(除荷時の2倍の長さに伸長させる伸長率)とした。
また、2つの接着部間に形成される導線配線領域(図3(a)参照)における、前記2つの接着部間の最短距離として表される前記導線配線領域の間隔(図3(a)中の短手方向の長さ)を1mmとし、前記導線配線領域の長手方向の略中央に前記導線を配した状態で、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートの貼り合せ及びこれらシートに対する伸長の除荷を行った。
(比較例)
第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートの各対向面の全面に前記接着部(接着層)を形成し、これらシートの対向面間に前記導線を配したこと以外は、実施例と同様にして、比較例に係る伸縮性配線シートを製造した。
実施例に係る伸縮性配線シートに形成された前記導線の波形形状を電子顕微鏡で観察した様子を図6に示す。また、比較例に係る伸縮性配線シートに形成された前記導線の前記波形形状を電子顕微鏡で観察した様子を図7に示す。
図6,7の比較を通じて理解されるように、比較例に係る伸縮性配線シートでは、前記波形形状の個々の波形状が不均一になりがちであるのに対し、実施例に係る伸縮性配線シートでは、前記波形形状の個々の波形状が比較的均一なものとされている。
したがって、本発明によれば、簡易かつ低コストに製造することができ、柔軟性、耐久性及び外力に対する追従性に富む高伸縮性の伸縮性配線シートを提供することができ、特に、前記波形形状の個々の波形状が均一化されることで、不均一部分に負荷が集中することによる耐久性の低下や不均一部分の存在による個々の伸縮性配線シート間での伸縮性能の不安定化等を避け、より一層、製造し易く耐久性等を向上させた伸縮性配線シートを提供することができる。
1a 第1のエラストマーシート
1b 第2のエラストマーシート
2 導線
3a,b 接着部
10 伸縮性配線シート
20 伸縮性配線シートの製造装置
26a 第1のエラストマーシート供給ローラ
26b 第2のエラストマーシート供給ローラ
27a,b 圧着ローラ
28a,b,c 導線供給ローラ
29a,b,c ダンサーローラ

Claims (10)

  1. 伸縮性の第1のエラストマーシートと、
    前記第1のエラストマーシートと対向して配される伸縮性の第2のエラストマーシートと、
    除荷時に前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの間に挟持される導線と、
    前記第1のエラストマーシートと前記第2エラストマーシートとの間に前記導線と離間された状態及び前記波状形状における波の頂部を含む前記導線の一部と当接された状態のいずれかの状態で配され、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部と、
    を有することを特徴とする伸縮性配線シート。
  2. 接着部が、間に導線が配されるように前記導線の配線方向における両側部側の領域に一様の厚みで形成される2つの接着層を有して構成される請求項1に記載の伸縮性配線シート。
  3. 導線の線径方向の断面形状が円形状である請求項1から2のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
  4. 導線の線径が太くとも50μmである請求項1から3のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
  5. 導線のヤング率が小さくとも150GPaである請求項1から4のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
  6. 波状形状における波高が20μm〜5mmとされる請求項1から5のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
  7. 波状形状における波の頂部の曲率半径をAとし、前記波状形状における隣接する前記波間の周期的なピッチ間隔をBとしたとき、A/Bの比が0.05〜0.5である請求項1から6のいずれかに記載の伸縮性配線シート。
  8. 第1のエラストマーシート及び第2のエラストマーシートの少なくともいずれかの対向面に対し、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部を、導線を配する導線配線領域を避けて形成する接着部形成工程と、
    前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを対向させて一の伸長方向に伸長させる伸長工程と、
    対向する前記第1のエラストマーシート−前記第2のエラストマーシート間の前記導線配線領域に棒状の前記導線を前記伸長方向に沿って配し、前記導線を挟持する状態で前記接着部により前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートを貼り合せる貼合工程と、
    貼り合された状態の前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートの伸長を開放して除荷し、前記導線を前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状に変形させるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態とする除荷工程と、
    を含むことを特徴とする伸縮性配線シートの製造方法。
  9. 伸縮性の第1のエラストマーシートと、前記第1のエラストマーシートと対向して接着される伸縮性の第2のエラストマーシートと、除荷時に前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの対向面内で周期的に湾曲された波状形状とされるとともに前記波状形状が棒状形状に復元する方向に付勢される状態で前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとの間に挟持される導線と、前記第1のエラストマーシートと前記第2エラストマーシートとの間に前記導線と離間された状態及び前記波状形状における波の頂部を含む前記導線の一部と当接された状態のいずれかの状態で配され、前記第1のエラストマーシートと前記第2のエラストマーシートとを接着させる接着部と、を有し、前記第1のエラストマーシート及び前記第2のエラストマーシートが透明材料で形成され、前記導線が複数本並設されて形成される2つの伸縮性配線シートを、前記導線の配線方向が直交する状態で対向配置させたことを特徴とする伸縮性タッチセンサシート。
  10. ヘイズ値が大きくとも60%以下である請求項9に記載の伸縮性タッチセンサシート。
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