JP2018009497A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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英二 熊倉
公佑 西村
Kosuke Nishimura
公佑 西村
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Abstract

【課題】高圧側ブッシュがブッシュ溝の内縁に高速で衝突することを抑制できる回転式圧縮機を提供する。【解決手段】ブレード(70)には、一対のブッシュ(61,62)のうち高圧室(55b)側寄りの高圧側ブッシュ(62)に対向する対向面(71)に凹部(72)が形成される。凹部(72)には、吐出行程の開始後において高圧側ブッシュ(62)をブッシュ溝(63)側へ押し付けるための高圧流体が導入される。【選択図】図5

Description

本発明は、回転式圧縮機に関する。
従来より、流体を圧縮する圧縮機が知られている。この圧縮機として、シリンダ室内でピストンが偏心回転する回転式圧縮機がある。
特許文献1に記載の圧縮機は、揺動ピストン型の圧縮機構を有している。圧縮機構のシリンダには、一対のブッシュが揺動可能に嵌合するブッシュ溝が形成され、一対のブッシュの間にブレードが摺動可能に保持される。ブレードとピストンとが連結されることで、シリンダ室が低圧室と高圧室とに区画される。
電動機によって駆動軸が回転駆動されると、シリンダ室でピストンが偏心回転し、シリンダ室内の低圧室(吸入室)及び高圧室の容積が変化する。これにより、高圧室では、その容積の減少に伴い流体が圧縮され、圧縮された流体が圧縮機構から吐出される。
特開平10−54383号公報
上述のような揺動ピストン型の圧縮機構では、一対のブッシュのうち高圧室側のブッシュ(以下、高圧側ブッシュともいう)が、ブッシュを挟んでシリンダ室と反対側の背圧室へと移動し、その後、逆方向に移動してブッシュ溝の内縁に高速で衝突してしまうことがある。この点について詳細に説明する。
シリンダ室では、ピストンの回転に伴い高圧室の容積が徐々に小さくなり、これに伴い高圧室の内圧が上昇する。高圧室の内圧が、圧縮機構の外部の圧力よりも高くなると、吐出弁が開放され、高圧室の流体が圧縮機構の外部へ吐出される。このような吐出行程では、高圧室の流体が過剰に圧縮されることで(いわゆる過圧縮となることで)、高圧室の圧力が、上記背圧室よりも高くなることがある。
吐出行程において、高圧室の圧力が背圧室よりも高くなると、高圧室の流体の圧力を受けたブッシュが、背圧室側へと移動する。その後、吐出行程が終了し、高圧室の圧力が背圧室の圧力よりも低くなると、背圧室側へ押し付けられていたブッシュが、逆向き(高圧室側)へと急峻に移動する。この結果、ブッシュは、ブッシュ溝の内縁のうち高圧室寄りの部分に激しく衝突する。
このようなブッシュの衝突は、ピストンが一回転する毎に行われる。従って、圧縮機の運転時には、ブッシュがブッシュ溝の内縁に高頻度で衝突する、いわゆるチャタリングが生じてしまう。この結果、このチャタリングに起因して、騒音が発生したり、ブッシュの摩耗が促進されて圧縮機構の信頼性が損なわれたりする、という問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧室側のブッシュがブッシュ溝の内縁に高速で衝突することを抑制できる回転式圧縮機を提供することである。
第1の発明は、回転式圧縮機を対象とし、電動機(20)と、該電動機(20)に連結する駆動軸(30)と、該駆動軸(30)に駆動されるピストン(60)と、該ピストン(60)を収容するシリンダ室(55)が形成されるシリンダ(51)と、該シリンダ(51)のブッシュ溝(63)に揺動可能に内嵌する一対のブッシュ(61,62)と、該一対のブッシュ(61,62)の間に進退可能に保持され、上記シリンダ室(55)を低圧室(55a)と高圧室(55b)とに区画するブレード(70)とを有し、上記シリンダ(51)には、上記一対のブッシュ(61,62)におけるシリンダ室(55)と反対側に高圧圧力が作用する背圧室(64)が形成される圧縮機構(50)とを備え、上記ブレード(70)には、上記一対のブッシュ(61,62)のうち上記高圧室(55b)側寄りの高圧側ブッシュ(62)に対向する対向面(71)に凹部(72)が形成され、上記凹部(72)には、吐出行程の開始後において上記高圧側ブッシュ(62)を上記ブッシュ溝(63)側へ押し付けるための高圧流体が導入される。
第1の発明では、ブレード(70)における高圧側ブッシュ(62)の対向面(71)に凹部(72)が形成される。凹部(72)は、高圧流体が導入可能に構成される。これにより、高圧室(55b)の過圧縮に起因する高圧側ブッシュ(62)の移動を抑制でき、ひいてはチャタリングを防止できる。
具体的には、シリンダ室(55)の高圧室(55b)の吐出行程が開始されるタイミングでは、高圧室(55b)が過圧縮状態となる。このため、高圧室(55b)の内圧が背圧室(64)の内圧よりも高くなり、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へ移動しようとする。しかし、本発明では、ブレード(70)の凹部(72)の高圧流体が、高圧側ブッシュ(62)をブレード溝(67)の内周面に向かって径方向外方へ押し付ける。これにより、高圧側ブッシュ(62)がブレード溝(67)へ押し付けられると、高圧側ブッシュ(62)のブレード(70)の進退方向に沿った移動が規制される。この結果、過圧縮状態の高圧室(55b)の圧力によって、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へ移動することを抑制できる。従って、吐出行程が終了して高圧室(55b)の圧力が低下した際、高圧側ブッシュ(62)が急峻に高圧室(55b)側へ移動してしまうことを回避できる。この結果、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)の内縁に激しく衝突することも回避できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記凹部(72)は、少なくとも上記吐出行程の開始の時点に上記高圧室(55b)と連通し、該吐出行程における該開始の時点よりも後に上記高圧室(55b)と遮断されるように構成される。
第2の発明では、ブレード(70)が一対のブッシュ(61,62)の間で進退することに起因して、凹部(72)が高圧室(55b)と連通したり、遮断したりする。具体的に、圧縮機構(50)の吐出行程の開始の時点には、凹部(72)が高圧室(55b)と連通する。吐出行程の開始の時点では、高圧室(55b)が過圧縮状態となっている。このため、凹部(72)には、過圧縮状態の高圧室(55b)から比較的高い圧力の高圧流体が凹部(72)へ流入する。その後、吐出行程が継続されると、凹部(72)が高圧室(55b)と遮断される。これにより、凹部(72)の内部には、背圧室(64)よりも高い圧力の流体が封入される。すると、凹部(72)の内圧が高圧側ブッシュ(62)に作用し、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)へ押し付けられる。この結果、吐出行程の所定の期間において、高圧側ブッシュ(62)の移動が規制される。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記高圧側ブッシュ(62)のうち上記ブレード(70)に対向する内壁部(66)には、上記ブレード(70)の凹部(72)と連通するブッシュ側凹部(68)が形成される。
第3の発明では、高圧側ブッシュ(62)の内壁部(66)にブッシュ側凹部(68)が形成される。ブッシュ側凹部(68)がブレード(70)の凹部(72)と連通すると、凹部(72)の内部の高圧流体がブッシュ側凹部(68)に流入する。すると、高圧側ブッシュ(62)は、ブレード(70)の凹部(72)及びブッシュ側凹部(68)内の高圧流体の圧力によって、ブッシュ溝(63)へ押し付けられる。
ブッシュ側凹部(68)は、高圧側ブッシュ(62)に形成されている。このため、高圧側ブッシュ(62)が揺動運動を行ったとしても、ブッシュ側凹部(68)の内部の高圧流体の圧力が高圧側ブッシュ(62)の壁面に作用する作用点の位置は、大きく変化しない。従って、高圧側ブッシュ(62)に対して安定した押し付け力を作用させることができ、高圧側ブッシュ(62)の移動を確実に規制できる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記凹部(72)は、上記ブレード(70)のうち上記ブッシュ(61,62)の揺動軸に沿った方向の両端部を除く部分に形成される。
第4の発明では、ブレード(70)の凹部(72)が、該ブレード(70)の両端部を除く部分に形成される。これにより、凹部(72)に流入した高圧流体が、ブレード(70)の両端部から外部へ漏れてしまうことを回避でき、凹部(72)の内圧を確保できる。この結果、高圧側ブッシュ(62)の移動を確実に規制できる。
本発明によれば、圧縮行程において、ブレード(70)の凹部(72)の高圧流体によって高圧側ブッシュ(62)をブッシュ溝(63)側へ押し付けるようにしたので、高圧室(55b)が過圧縮となった状態において、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)へ移動してしまうことを防止できる。これにより、吐出行程が終了した際、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)に激しく衝突してしまうことを回避できる。この結果、いわゆるチャタリングの発生を防止でき、ひいては騒音が発生したり、ブッシュの摩耗が促進されて圧縮機構の信頼性が損なわれたりする、という問題を回避できる。
第2の発明によれば、過圧縮となった高圧室(55b)の高圧流体を凹部(72)に導入するため、高圧側ブッシュ(62)をブッシュ溝(63)に強く押し付けることができ、高圧側ブッシュ(62)の移動を確実に規制できる。
第3の発明によれば、高圧側ブッシュ(62)のブッシュ側凹部(68)にも高圧流体を導入するため、高圧側ブッシュ(62)に対して安定した押し付け力を作用させることができる。
第4の発明では、ブレード(70)の両端部における高圧流体の漏れを防止でき、高圧側ブッシュ(62)の押し付け力を十分確保できる。
図1は、実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。 図2は、シリンダの横断面図であり、ピストンの回転角が0°(360°)の状態、ピストンの回転角が90°の状態、ピストンの回転角が180°の状態、及びピストンの回転角が270°の状態を表したものである。図2において、連通部の図示は省略している。 図3は、一対のブッシュの近傍を拡大した横断面図である。 図4は、ブッシュの要部を拡大した斜視図である。 図5は、ブッシュの近傍を拡大した横断面図であり、図5(A)は回転角度が0°の状態を、図5(B)は回転角度が90°の状態を、図5(C)は回転角度が160°の状態を、図5(D)は回転角度が180°の状態を、図5(E)は回転角度が200°の状態を、図5(F)は回転角度が270°の状態をそれぞれ示している。図5における白抜きの矢印はブッシュに作用するガス圧の大きさを表している。 図6は、変形例1に係るブッシュの近傍を拡大した横断面図であり、図6(A)は回転角度が0°の状態を、図6(B)は回転角度が90°の状態を、図6(C)は回転角度が180°の状態を、図6(D)は回転角度が270°の状態をそれぞれ示している。図6における白抜きの矢印はブッシュに作用するガス圧の大きさを表している。 図7は、変形例2に係るブッシュの近傍を拡大した横断面図であり、図7(A)は回転角度が0°の状態を、図7(B)は回転角度が90°の状態を、図7(C)は回転角度が180°の状態を、図7(D)は回転角度が270°の状態をそれぞれ示している。図7における白抜きの矢印はブッシュに作用するガス圧の大きさを表している。 図8は、その他の実施形態の第1の例に係るブッシュ側凹部の形状を示す、図4に相当する図である。 図9は、その他の実施形態の第2の例に係るブッシュ側凹部の形状を示す、図4に相当する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
〈圧縮機の全体構成〉
図1は、本実施形態に係る圧縮機(10)の縦断面図である。本実施形態に係る圧縮機(10)は、全密閉式の回転式圧縮機である。圧縮機(10)は、冷媒が充填された冷媒回路(図示省略)に接続されている。冷媒回路では、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。つまり、冷媒回路では、圧縮機(10)で圧縮された冷媒が、凝縮器で凝縮し、膨張弁で減圧された後、蒸発器で蒸発し、圧縮機(10)に吸入される。
圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、ケーシング(11)の内部に収容される電動機(20)と、電動機(20)と連結する駆動軸(30)と、該駆動軸(30)によって駆動される圧縮機構(50)とを備えている。
〈ケーシング〉
ケーシング(11)は、縦長の円筒状の密閉容器で構成される。ケーシング(11)は、胴部(12)、下部鏡板(13)、及び上部鏡板(14)を有している。胴部(12)は、上下に延びる円筒状に形成され、軸方向の両端が開口している。下部鏡板(13)は、胴部(12)の下端に固定されている。上部鏡板(14)は、胴部(12)の上端に固定されている。
胴部(12)の下部には、吸入管(15)が貫通して固定されている。上部鏡板(14)には、吐出管(16)が貫通して固定されている。上部鏡板(14)には、電動機(20)へ電力を供給するためのターミナル(17)が取り付けられている。
ケーシング(11)の底部には、油貯留部(18)が形成されている。油貯留部(18)は、下部鏡板(13)及び胴部(12)の下部の内壁によって構成される。油貯留部(18)には、圧縮機構(50)や駆動軸(30)の摺動部を潤滑するための潤滑油(冷凍機油)が貯留される。
ケーシング(11)の内部は、圧縮機構(50)で圧縮された高圧冷媒で満たされる。つまり、圧縮機(10)は、ケーシング(11)の内部空間(S)の内圧が高圧冷媒の圧力と実質的に等しい、いわゆる高圧ドーム型に構成されている。
〈電動機〉
電動機(20)は、圧縮機構(50)の上方に配置されている。電動機(20)は、固定子(21)と回転子(22)とを有している。固定子(21)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内周面に固定されている。回転子(22)は、固定子(21)の内部を上下方向に貫通している。回転子(22)の軸心内部には、駆動軸(30)が固定される。電動機(20)が通電されると、回転子(22)とともに駆動軸(30)が回転駆動される。
〈駆動軸〉
駆動軸(30)は、ケーシング(11)の胴部(12)の軸心上に位置している。駆動軸(30)は、圧縮機構(50)の各軸受(41,42,43)に回転可能に支持されている。
駆動軸(30)は、上側から下側に向かって順に、主軸(31)、クランク軸(32)、及び副軸(33)を有している。主軸(31)の上部は、電動機(20)の回転子(22)に固定される。クランク軸(32)は、主軸(31)の下端に連結している。副軸(33)は、クランク軸(32)の下端に連結している。主軸(31)の軸心と副軸(33)の軸心は一致している。クランク軸(32)の軸心は、主軸(31)及び副軸(33)の軸心に対して所定量だけ偏心している。クランク軸(32)の外径は、主軸(31)及び副軸(33)の外径よりも大きい。
主軸(31)の上部は、電動機(20)の回転子(22)に固定される。主軸(31)の下部は、フロントヘッド(52)の主軸側貫通口(52c)の内部に位置している。主軸(31)の軸方向の中間部は、上部主軸受(41)に回転可能に支持されている。主軸(31)の下部は、下部主軸受(42)に回転可能に支持されている。副軸(33)の上部は、リアヘッド(53)の副軸側貫通口(53a)の内部に位置している。副軸(33)の軸方向の中間部は、副軸受(43)に回転可能に支持されている。
駆動軸(30)は、クランク軸(32)や各軸受(41,42,43)の摺動部に周囲に油を供給するための油供給機構(34)を備えている。油供給機構(34)は、副軸(33)の下端に取り付けられる油ポンプ(35)と、駆動軸(30)の内部を軸心に沿って延びる主流路(図示省略)と、該主流路から各摺動部へ分岐する分岐流路(図示省略)とを有している。
〈圧縮機構〉
図1に示すように、圧縮機構(50)は、電動機(20)の下方に配置されている。図2に示すように、圧縮機構(50)は、揺動ピストン型に構成されている。図1に示すように、圧縮機構(50)は、シリンダ(51)と、フロントヘッド(52)と、リアヘッド(53)とを備えている。圧縮機構(50)では、シリンダ(51)の上端部(軸方向一端部)にフロントヘッド(52)が積層され、シリンダ(51)の下端部(軸方向他端部)にリアヘッド(53)が積層される。シリンダ(51)、フロントヘッド(52)、及びリアヘッド(53)は、締結部材(図示省略)を介して一体化されている。フロントヘッド(52)及びリアヘッド(53)は、ヘッド部材を構成している。
シリンダ(51)は、ケーシング(11)の胴部(12)の下部の内周面に固定されている。シリンダ(51)は、扁平な略環状に形成され、その中央部に円柱状のシリンダ室(55)を形成している。図1及び図2に示すように、シリンダ(51)には、径方向に延びる吸入ポート(56)が貫通形成されている。吸入ポート(56)には、シリンダ室(55)と連通するように吸入管(15)が接続されている。
フロントヘッド(52)では、環状プレート部(52a)及び筒状突出部(52b)の中央部に、主軸(31)が貫通する主軸側貫通口(52c)が形成されている。主軸側貫通口(52c)の上端部の内周面には、上部主軸受(41)が形成される。主軸側貫通口(52c)の下部には、下部主軸受(42)が形成される。フロントヘッド(52)には、シリンダ室(55)の高圧室(55b)と連通する吐出ポート(57)が軸方向に貫通して形成される。吐出ポート(57)には、例えばリード弁等の吐出弁(図示省略)が設けられる。吐出弁は、高圧室(55b)の内圧が、圧縮機構(50)の外部の圧力(即ち、内部空間(S)の圧力)よりも大きくなると、吐出ポート(57)を開放するように構成される。これにより、高圧室(55b)の冷媒が圧縮機構(50)の外部(内部空間(S))へ吐出される、吐出行程が行われる。
リアヘッド(53)は、シリンダ(51)の内部空間を覆うようにシリンダ(51)の下方に配置されている。リアヘッド(53)の径方向中央部には、副軸(33)が貫通する副軸側貫通口(53a)が形成されている。副軸側貫通口(53a)の内周面には、副軸受(43)が形成される。
図2に示すように、本実施形態の圧縮機構(50)は、ピストン(60)、ブッシュ(61)、及びブレード(70)を備えている。ピストン(60)は、シリンダ室(55)に収容されている。ピストン(60)は、真円筒形状に形成され、その内部にクランク軸(32)が内嵌している。
シリンダ(51)には、ブッシュ溝(63)と背圧室(64)とが形成される。ブッシュ溝(63)は、シリンダ室(55)と隣接する位置に形成され、シリンダ室(55)と連通している。ブッシュ溝(63)は、横断面が略円形の円柱状の空間を構成している。背圧室(64)は、シリンダ(51)において、ブッシュ溝(63)よりも径方向外方に位置している。背圧室(64)は、横断面が略円形の円柱状の空間を構成している。背圧室(64)は、シリンダ室(55)側の端部がブッシュ溝(63)と連通している。背圧室(64)は、ケーシング(11)の内部空間(S)の圧力に相当する高圧圧力の雰囲気となっている。
一対のブッシュ(61,62)は、横断面が略弓形状ないし半円形状に形成されている。一対のブッシュ(61,62)は、ブッシュ溝(63)の内部に嵌め込まれる。一対のブッシュ(61,62)は、低圧室(55a)(吸入ポート(56))寄りの1つの低圧側ブッシュ(61)と、高圧室(55b)(吐出ポート(57))寄りの1つの高圧側ブッシュ(62)とで構成される。
一対のブッシュ(61,62)は、ブッシュ溝(63)に対向する外周壁部(65)と、ブレード(70)に対向する内壁部(66)とを有している。外周壁部(65)の軸直角断面(水平断面)の形状は、略円弧状に形成される。内壁部(66)の軸直角断面(水平断面)の形状は、直線状に形成される。一対のブッシュ(61,62)は、ブッシュ溝(63)の中心を軸心として外周壁部(65)がブッシュ溝(63)と摺接しながら揺動運動を行う。また、一対のブッシュ(61,62)は、各内壁部(66)が互いに対向するようにブッシュ溝(63)に配置される。これにより、一対のブッシュ(61,62)の各内壁部(66)の間には、ブレード溝(67)が形成される。ブレード溝(67)は、横断面が略矩形状に形成され、その内部にブレード(70)が径方向に進退可能に保持される。
ブレード(70)は、径方向外方に延びる直方体状ないし板状に形成される。ブレード(70)の基端(径方向内方端部)は、ピストン(60)の外周面に連結している。ブレード(70)は、一対のブッシュ(61,62)の間に形成されるブレード溝(67)に進退可能に収容される。ブレード(70)の突端(径方向外方端部)は、背圧室(64)に位置している。
ブレード(70)は、シリンダ室(55)を低圧室(55a)と高圧室(55b)とに区画する仕切部を構成している。低圧室(55a)は、図2におけるブレード(70)の右側の空間であり、吸入ポート(56)と連通している。高圧室(55b)は、図2におけるブレード(70)の左側の空間であり、吐出ポート(57)と連通している。
本実施形態の圧縮機構(50)では、例えばピストン(60)の回転角度が約180°〜約330°の範囲において、吐出行程が行われる。この吐出行程では、高圧室(55b)で圧縮された冷媒が、吐出ポート(57)を通じて圧縮機構(50)の外部(内部空間(S))へ吐出される。
〈ブレード側凹部〉
本実施形態のブレード(70)には、いわゆるチャタリングの発生を防止するための凹部(ブレード側凹部(72))が形成されている。ブレード側凹部(72)の構成について、図3〜図5を参照しながら詳細に説明する。
ブレード(70)には、高圧側ブッシュ(62)に対向する対向面(71)にブレード側凹部(72)が形成される。ブレード側凹部(72)は、対向面(71)の長手方向(ブレード(70)の進退方向)の中間部に形成され、ブレード(70)の厚さ方向の内方へ凹んでいる。
本実施形態のブレード側凹部(72)は、例えば図4に示すように、一対のブッシュ(61,62)の揺動軸の軸心に沿った方向に、縦長の矩形状に形成される。本実施形態のブレード側凹部(72)は、ブレード(70)の対向面(71)の両端部には形成されず、該両端部の間の中間部分のみに形成される。つまり、ブレード側凹部(72)は、ブレード(70)のうち一対のブッシュ(61,62)の揺動軸に沿った方向の両端部を除く部分にのみ形成される。言い換えると、ブレード(70)の対向面(71)の両端部には、ブレード(70)の厚さ方向に凹んでいない平坦部(73,73)がそれぞれ形成される。これらの平坦部(73,73)は、高圧側ブッシュ(62)の内壁部(66)と実質的に摺接する。
本実施形態のブレード側凹部(72)は、ブレード(70)が進退することに伴い、高圧室(55b)と連通する位置と、高圧室(55b)と遮断される位置との間を交互に移動する。また、本実施形態のブレード側凹部(72)は、背圧室(64)にも一時的に連通する。
具体的には、図5に示すように、ブレード側凹部(72)は、ピストン(60)の回転角度が0°のとき(ピストン(60)がブッシュ溝(63)に最接近する上死点の位置のとき)に、背圧室(64)と連通する。ブレード側凹部(72)は、その後の所定の回転角度から、吐出行程が開始される直前の回転角度(例えば回転角度=160°)の間において、背圧室(64)及び高圧室(55b)と遮断される。ブレード側凹部(72)は、その後の吐出行程が開始される回転角度(例えば回転角度=180°)の付近から吐出行程中の所定の回転角度(例えば回転角度=200°)の間において、高圧室(55b)と連通する。つまり、ブレード側凹部(72)は、高圧室(55b)が過圧縮状態となるタイミングにおいて、該高圧室(55b)と連通する。ブレード側凹部(72)は、その後の吐出行程の所定期間において、背圧室(64)及び高圧室(55b)と遮断される。
−圧縮機の運転動作−
圧縮機(10)の基本的な運転動作について図1及び図2を参照しながら説明する。
ターミナル(17)から電動機(20)へ電力が供給されると、電動機(20)が作動し、駆動軸(30)が回転駆動される。すると、駆動軸(30)のクランク軸(32)が偏心回転し、これに伴いピストン(60)が揺動運動を行う。
図2に示すように、圧縮機構(50)では、ピストン(60)の外周面が、シリンダ室(55)の内周面と油膜を介して線接触し、シール部を形成する。ピストン(60)がシリンダ室(55)の内部で揺動運動すると、ピストン(60)とシリンダ(51)との間のシール部が、シリンダ室(55)の内周面に沿って変位し、低圧室(55a)と高圧室(55b)の容積が変化する。この際、ブレード(70)は、ピストン(60)の揺動運動に伴いブレード溝(67)の内部を進退し、且つブッシュ溝(63)の軸心を中心として揺動する。
ピストン(60)の揺動運動(回転角=0°→90°→180°→270°)に伴い低圧室(55a)の容積が徐々に大きくなると、吸入管(15)を流れる流体(冷媒)が吸入ポート(56)から低圧室(55a)へ吸入されていく。次いで、この低圧室(55a)が吸入ポート(56)から遮断されると、遮断された空間が高圧室(55b)を構成する(回転角=90°)。次いで、この高圧室(55b)の容積が徐々に小さくなると(回転角=90°→180°→270°)、高圧室(55b)の内圧が上昇していく。高圧室(55b)の内圧が内部空間(S)の圧力より大きくなると、吐出行程が行われる。つまり、吐出行程では、吐出ポート(57)のリード弁が開放され、高圧室(55b)の冷媒が吐出ポート(57)を通じて、圧縮機構(50)の外部へ流出する。この高圧冷媒は、ケーシング(11)の内部空間を上方へ流れ、電動機(20)のコアカット(図示省略)等を通過する。電動機(20)の上方に流出した高圧冷媒は、吐出管(16)より冷媒回路へ送られる。
−チャタリングの抑制作用−
このような圧縮機(10)の運転動作において、従来であれば、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)の内縁に激しく衝突するチャタリングが発生していた。まず、このチャタリングについて図2を参照しながら説明する。
圧縮機構(50)の作動中において、一対のブッシュ(61,62)には、高圧室(55b)の圧力と背圧室(64)の圧力とが作用する。例えばピストンの回転角度が0°〜90°の範囲では、高圧室(55b)から一対のブッシュ(61,62)に作用する圧力は、背圧室(64)から一対のブッシュ(61,62)に作用する圧力と比較して小さい。このため、一対のブッシュ(61,62)は、シリンダ室(55)側に押し付けられた状態となる。一方、ピストン(60)の回転角度が90°〜180°の範囲に至ると、高圧室(55b)の圧力が上昇し、例えば回転角度が180°において吐出行程が開始される。この際、高圧室(55b)は過圧縮状態となるため、高圧室(55b)の圧力が背圧室(64)の圧力よりも大きくなる。従って、このような過圧縮が継続する状態では、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へと移動してしまう。このような状態から、ピストン(60)が270°、360°と順に回転すると、圧縮機構(50)の吐出行程が終了し、高圧室(55b)の圧力が急激に低下する。すると、背圧室(64)側へ移動していた高圧側ブッシュ(62)が、背圧室(64)の圧力を受けて急峻に高圧室(55b)側へと移動する。この結果、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)の内縁に激しく衝突する。このような高圧側ブッシュ(62)の衝突は、ピストンが一回転する毎に繰り返される。この結果、いわゆるチャタリングが生じ、騒音が発生したり、高圧側ブッシュ(62)が摩耗したりする、という不具合が生じる。
そこで、本実施形態では、このようなチャタリングを回避するために、ブレード(70)における高圧側ブッシュ(62)の対向面(71)にブレード側凹部(72)を形成している。ブレード側凹部(72)によるチャタリングの抑制作用について、図5を参照しながら詳細に説明する。
図5(A)に示すように、ピストン(60)の回転角度が約0°の状態では、ブレード側凹部(72)が背圧室(64)に最も近い位置となる。この状態では、ブレード側凹部(72)が背圧室(64)と連通する。これにより、ブレード側凹部(72)の内圧は、背圧室(64)と概ね等しくなる。
次いで、図5(A)に示す状態のピストン(60)が更に回転すると、ブレード側凹部(72)と背圧室(64)とが遮断される。そして、ピストン(60)の回転角度が90°の状態(図5(B)に示す状態)では、ブレード側凹部(72)が、例えば高圧側ブッシュ(62)の内壁部(66)のうちブレード(70)の進退方向の中間部に位置する。
次いで、図5(B)に示すピストン(60)が更に回転し、ピストン(60)の回転角度が160°の状態(図5(C)の状態)に至ると、ブレード側凹部(72)と高圧室(55b)とが連通し始める。この状態は、圧縮機構(50)で吐出行程が開始される直前のタイミングであり、過圧縮が始まる直前のタイミングということもできる。
次いで、図5(C)に示す状態のピストン(60)が更に回転し、ピストン(60)の回転角度が180°の状態(図5(D)の状態)に至ると、吐出行程が始まり、高圧室(55b)が過圧縮状態となる。これにより、高圧室(55b)と連通するブレード側凹部(72)には、過圧縮状態の高圧室(55b)から、背圧室(64)よりも圧力の高い高圧冷媒(高圧流体)が導入される。
次いで、図5(D)に示す状態のピストン(60)が更に回転し、ピストン(60)の回転角度が200°の状態(図5(E)の状態)に至ると、ブレード側凹部(72)が高圧室(55b)と遮断される。すると、ブレード側凹部(72)の内圧が、高圧側ブッシュ(62)の内壁部(66)に作用する。この状態では、高圧室(55b)において未だ過圧縮が継続しているため、高圧室(55b)の圧力が背圧室(64)の圧力よりも高い。従って、従来であれば、このような差圧により、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へ大きく移動してしまう。
これに対し、本実施形態では、このような状態において、ブレード側凹部(72)の高圧冷媒の圧力によって、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)側へ押し付けられる。これにより、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へ移動してしまうことを、このような押し付け力によって規制できる。
ブレード側凹部(72)は、吐出行程において、該吐出行程の開始の後の所定期間に亘って、高圧室(55b)及び背圧室(64)と遮断される状態となる。そして、ピストン(60)の回転角度が270°の状態(図5(F)に示す状態)では、ブレード側凹部(72)が、例えば高圧側ブッシュ(62)の内壁部(66)のうちブレード(70)の進退方向の中間部に位置する。
次いで、図5(F)の状態のピストン(60)が更に回転すると、ブレード側凹部(72)が背圧室(64)と再び連通し、ブレード側凹部(72)の内圧が若干低下する。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
上記実施形態では、吐出行程の開始のタイミングにおいて、過圧縮状態の高圧室(55b)とブレード側凹部(72)とが連通し、該高圧室(55b)の高圧冷媒がブレード側凹部(72)に導入される。そして、その後の吐出行程において、ブレード側凹部(72)を高圧室(55b)と遮断するようにしている。これにより、吐出行程では、ブレード側凹部(72)の内圧により、高圧側ブッシュ(62)をブッシュ溝(63)側へ押し付けることができるため、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へ移動してしまうことを回避できる。
この結果、その後に高圧室(55b)の内圧が急激に低下したとしても、高圧側ブッシュ(62)が高圧室(55b)側へ急峻に移動することを回避でき、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)の内縁に激しく衝突することも回避できる。従って、いわゆるチャタリングを抑制でき、騒音の発生やブッシュ(61,62)の摩耗を回避できる。
また、本実施形態のブレード側凹部(72)は、ブレード(70)の両端部の間の中間部のみに形成される(図4を参照)。このため、ブレード側凹部(72)に導入された高圧冷媒が、ブレード(70)の両端部より外部へ漏れてしまうことを回避できる。この結果、高圧側ブッシュ(62)の押し付け力を十分に確保でき、チャタリングの抑制効果が向上する。
また、本実施形態では、吐出行程が終了し、次の吐出行程が始まるまでの所定のタイミングにおいて、ブレード側凹部(72)と背圧室(64)とが連通する。具体的に、本実施形態では、少なくともピストン(60)が上死点に至るタイミングにおいて、ブレード側凹部(72)と背圧室(64)とが連通する。これにより、吐出行程が始まるまでの所定期間において、ブレード側凹部(72)の内圧が過剰に高くなることを回避でき、この期間において高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)へ過剰に押し付けられることを回避できる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態において、チャタリングを抑制するために以下の構成を採用してもよい。
〈変形例1〉
図6に示す変形例1は、ブレード側凹部(72)の構成が上記実施形態と異なる。具体的に、上述した実施形態のブレード側凹部(72)は、所定の回転角度範囲(例えば回転角度=0°)において背圧室(64)と連通可能に構成される。これに対し、変形例1では、いずれの回転角度においても、ブレード側凹部(72)が背圧室(64)と連通しない。そして、変形例1のブレード側凹部(72)は、上記実施形態と同様、吐出行程の開始のタイミングにおいて高圧室(55b)と連通し、その後の吐出行程の所定期間において高圧室(55b)と遮断される。
従って、変形例1では、過圧縮状態の高圧室(55b)からブレード側凹部(72)に高圧冷媒が導入されると、この高圧冷媒はブレード側凹部(72)の内部に継続的に封入される。このため、ブレード側凹部(72)の内圧を十分に確保でき、高圧側ブッシュ(62)をブッシュ溝(63)に十分に押し付けることができる。それ以外の作用効果は、上記実施形態と同様である。
〈変形例2〉
図7に示す変形例2は、上記実施形態のブレード側凹部(72)(凹部)に加えて、高圧側ブッシュ(62)にブッシュ側凹部(68)が形成される。ブッシュ側凹部(68)は、高圧側ブッシュ(62)の内壁部(66)に形成される。ブッシュ側凹部(68)の形状は、例えばブレード側凹部(72)と同様の矩形状に形成される。また、ブッシュ側凹部(68)は、ブレード側凹部(72)と同様にして、ブッシュ(61,62)における揺動軸の軸心に沿った方向の両端部を除く部分に形成される。本実施形態のブッシュ側凹部(68)は、ピストン(60)が一回転する間において、ブレード側凹部(72)と常時連通する。
変形例2では、ブッシュ側凹部(68)におけるブレード(70)の進退方向(図7の上下方向)に沿った幅が、ブレード側凹部(72)における同一方向の幅よりも大きい。ブッシュ側凹部(68)の内部容積は、ブレード側凹部(72)の内部容積よりも大きい。
変形例2のブッシュ側凹部(68)は、変形例1と同様、背圧室(64)とは連通しない。一方、ブッシュ側凹部(68)は、少なくとも吐出行程の開始及び開始の時点(図7(C)の状態)において高圧室(55b)と連通する。ブッシュ側凹部(68)が過圧縮状態の高圧室(55b)と連通すると、高圧室(55b)の高圧冷媒はブッシュ側凹部(68)に導入される。この状態のブッシュ側凹部(68)は、ブレード側凹部(72)と連通している。このため、高圧室(55b)の高圧冷媒は、ブッシュ側凹部(68)を介してブレード側凹部(72)にも導入される。
その後、吐出行程の所定の期間において、ブレード側凹部(72)が高圧室(55b)と遮断されると、ブレード側凹部(72)及びブッシュ側凹部(68)の内圧が高圧側ブッシュ(62)に作用し、高圧側ブッシュ(62)がブッシュ溝(63)へ押し付けられる。これにより、高圧側ブッシュ(62)が背圧室(64)側へ移動することを回避できる。
変形例2では、ブレード側凹部(72)だけでなくブッシュ側凹部(68)の内圧を利用して、高圧側ブッシュ(62)を押し付けることができる。ここで、ブッシュ側凹部(68)は高圧側ブッシュ(62)に形成されるため、ブッシュ側凹部(68)から高圧側ブッシュ(62)の壁面に作用する圧力の作用点は大きく変化しない。このため、高圧側ブッシュ(62)に作用する押し付け力を安定させることができる。それ以外の作用効果は、上述した実施形態と同様である。
〈その他の実施形態〉
上記実施形態や各変形例については、以下のような構成としてもよい。
上述したブレード側凹部(72)は、ブレード(70)の両端部を除く部分に形成される矩形状の凹部によって構成される。しかしながら、例えば図8に示すように、ブレード(70)の両端部を除く部分に正円形の凹部を形成してもよいし、楕円形ないし長円形の凹部を形成してもよい。
また、例えば図9に示すように、ブレード(70)の両端に亘ってブレード側凹部(72)を形成してもよい。この場合、ブレード側凹部(72)の内部の高圧流体が、ブレード(70)の両端から漏れ出す可能性がある。しかしながら、ピストン(60)が一回転する毎にブレード側凹部(72)を過圧縮状態の高圧室(55b)と連通させることで、高圧側ブッシュ(62)の押し付け力を確保できる。図9の例では、ブレード側凹部(72)の加工が容易となる。なお、このような例の凹部の形状をブッシュ側凹部(68)に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は回転式圧縮機について有用である。
20 電動機
30 駆動軸
50 圧縮機構
51 シリンダ
55 シリンダ室
55a 低圧室
55b 高圧室
60 ピストン
61 低圧側ブッシュ
62 高圧側ブッシュ
63 ブッシュ溝
64 背圧室
66 内壁部
68 ブッシュ側凹部(凹部)
70 ブレード
71 対向面
72 ブレード側凹部

Claims (4)

  1. 電動機(20)と、
    上記電動機(20)に連結する駆動軸(30)と、
    上記駆動軸(30)に駆動されるピストン(60)と、該ピストン(60)を収容するシリンダ室(55)が形成されるシリンダ(51)と、該シリンダ(51)のブッシュ溝(63)に揺動可能に内嵌する一対のブッシュ(61,62)と、該一対のブッシュ(61,62)の間に進退可能に保持され、上記シリンダ室(55)を低圧室(55a)と高圧室(55b)とに区画するブレード(70)とを有し、上記シリンダ(51)には、上記一対のブッシュ(61,62)におけるシリンダ室(55)と反対側に高圧圧力が作用する背圧室(64)が形成される圧縮機構(50)とを備え、
    上記ブレード(70)には、
    上記一対のブッシュ(61,62)のうち上記高圧室(55b)側寄りの高圧側ブッシュ(62)に対向する対向面(71)に凹部(72)が形成され、
    上記凹部(72)には、吐出行程の開始後において上記高圧側ブッシュ(62)を上記ブッシュ溝(63)側へ押し付けるための高圧流体が導入される
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記凹部(72)は、
    少なくとも上記吐出行程の開始の時点に上記高圧室(55b)と連通し、該吐出行程における該開始の時点よりも後に上記高圧室(55b)と遮断されるように構成される
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記高圧側ブッシュ(62)のうち上記ブレード(70)に対向する内壁部(66)には、上記ブレード(70)の凹部(72)と連通するブッシュ側凹部(68)が形成される
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記凹部(72)は、上記ブレード(70)のうち上記ブッシュ(61,62)の揺動軸に沿った方向の両端部を除く部分に形成される
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
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