JP2010275974A - ロータリ式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータリ式圧縮機において、性能を低下させることなくブレードの焼き付きを防止する。
【解決手段】圧縮機(1)に、筒状のシリンダ(21)と、該シリンダ(21)内において偏心回転するピストン本体(28a)と、シリンダ(21)の内周面から径方向外側に向かって延びるブレード溝(29)に挿入されてシリンダ(21)とピストン本体(28a)との間の圧縮室(25)を低圧側の低圧室(25a)と高圧側の高圧室(25b)とに仕切るブレード(27)とを設ける。上記ブレード溝(29,49)の奥側に、高圧の潤滑油が導かれる油溜まり溝(50)を形成し、上記ブレード(27)の上記低圧室(25a)側の側面(27a)に、該ブレード(27)の長手方向に延び、内側端部(80a)が常時ブレード溝(29)内に位置する一方、外側端部(80b)が常時油溜まり溝(50)内に位置する給油溝(80)を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】圧縮機(1)に、筒状のシリンダ(21)と、該シリンダ(21)内において偏心回転するピストン本体(28a)と、シリンダ(21)の内周面から径方向外側に向かって延びるブレード溝(29)に挿入されてシリンダ(21)とピストン本体(28a)との間の圧縮室(25)を低圧側の低圧室(25a)と高圧側の高圧室(25b)とに仕切るブレード(27)とを設ける。上記ブレード溝(29,49)の奥側に、高圧の潤滑油が導かれる油溜まり溝(50)を形成し、上記ブレード(27)の上記低圧室(25a)側の側面(27a)に、該ブレード(27)の長手方向に延び、内側端部(80a)が常時ブレード溝(29)内に位置する一方、外側端部(80b)が常時油溜まり溝(50)内に位置する給油溝(80)を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロータリ式圧縮機に関し、特に、高圧室と低圧室とを仕切るブレードの焼き付き防止対策に係るものである。
従来より、空気調和装置等の冷凍装置にロータリ式圧縮機が用いられている(例えば、特許文献1参照)。ロータリ式圧縮機は、ケーシングと、該ケーシング内に設けられた回転軸と、該回転軸を回転駆動する電動機と、回転軸に連結された圧縮機構とを備えている。圧縮機構は、筒状のシリンダと、回転軸に連結されてシリンダ内において偏心回転するピストンと、シリンダとピストンとの間に形成された圧縮室を高圧側の高圧室と低圧側の低圧室とに仕切るブレードとを備えている。圧縮機構では、回転軸の回転に伴って、ピストンがシリンダ内において偏心回転して圧縮室の容積が変化することによって流体が圧縮される。ブレードは、シリンダに形成されて該シリンダの径方向に延びるブレード溝内に、ピストンの偏心回転に伴って圧縮室内へ出没自在となるように収容されている。また、ブレード溝の奥側には潤滑油が貯留された油溜まり溝が形成されている。
ところで、シリンダ内においてピストンが偏心回転すると、ブレードはブレード溝内において摺動する。また、ブレードは、ブレード溝を構成する壁面と面接触しているため、該壁面との摺動による摩擦熱が発生し易く、焼き付きが発生して信頼性が低下する虞がある。そのため、上記特許文献1では、ブレードに、該ブレードの後端(ピストンと反対側の端部)からピストン側に延び、ブレード溝を構成する低圧室側の壁面と高圧室側の壁面との間を連通する切り欠き部を形成していた。これにより、油溜まり溝の潤滑油がブレード後端部から切り欠き部に導入され、ブレードとブレード溝を形成する低圧室側の壁面及び高圧室側の壁面との間に潤滑油が供給されて潤滑されると共に、該潤滑油によってブレードとブレード溝を形成する壁面とが冷却されることによって焼き付きが防止されていた。
ところで、高圧室と低圧室とを仕切るブレードは、高圧室と低圧室の圧力差によってブレード溝の低圧室側の壁面に強く押し付けられる。そのため、ブレードとブレード溝の高圧室側の壁面との間には低圧室側の壁面との間に比べて広い隙間ができる。よって、上述のように、ブレードに大きな切り欠き部を形成することとすると、ブレードとブレード溝の高圧室側の壁面との広い隙間から多量の潤滑油が圧縮室へと流出してしまい、圧縮機の性能を低下させてしまう虞があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロータリ式圧縮機において、性能を低下させることなくブレードの焼き付きを防止することにある。
第1の発明は、筒状のシリンダ(21)と、該シリンダ(21)内において偏心回転するピストン(28a,48)と、上記シリンダ(21)の内周面から径方向外側に向かって延びるブレード溝(29,49)に挿入されて上記シリンダ(21)とピストン(28a,48)との間の圧縮室(25)を低圧側の低圧室(25a)と高圧側の高圧室(25b)とに仕切るブレード(27,47)とを有するロータリ式圧縮機であって、上記ブレード溝(29,49)の奥側には、高圧の潤滑油が導かれる油溜まり溝(50)が形成され、上記ブレード(27,47)の上記低圧室(25a)側の側面(27a,47a)には、該ブレード(27,47)の長手方向に延び、内側端部(80a)が常時上記ブレード溝(29,49)内に位置する一方、外側端部(80b)が常時上記油溜まり溝(50)内に位置する給油溝(80)が形成されている。
第1の発明では、ブレード(27,47)の低圧室(25a)側の側面(27a,47a)に給油溝(80)を設けたことにより、油溜まり溝(50)の潤滑油がブレード(27,47)とブレード溝(29,49)を形成する低圧室(25a)側の壁面(29a,49a)との隙間に導かれる。これにより、ブレード(27,47)及びブレード溝(29,49)を形成する低圧室(25a)側の壁面(29a,49a)は潤滑油によって冷却されると共に潤滑される。また、給油溝(80)は、ブレード(27,47)が進退して圧縮室(25)内に出没しても、その内側端部(80a)が常時ブレード溝(29,49)内に位置するように形成されているため、給油溝(80)内の潤滑油が大量に圧縮室(25)内に漏れることがない。さらに、給油溝(80)は、ブレード(27,47)が進退して圧縮室(25)内に出没しても、外側端部(80b)が常時油溜まり溝(50)内に位置するように形成されているため、油溜まり溝(50)の潤滑油が常に給油溝に供給される。
第2の発明は、第1の発明において、上記ブレード(27,47)には、上記低圧室(25a)側の側面(27a,47a)から上記高圧室(25b)側の側面(27b,47b)に亘って延び、上記低圧室(25a)側の端部(81a)が上記給油溝(80)において開口する一方、上記高圧室(25b)側の端部(81b)が上記ブレード(27,47)の上記ブレード溝(29,49)内から上記圧縮室(25)内に突出する部分(A3)において開口する導通路(81)が形成されている。
第2の発明では、ブレード(27,47)が圧縮室(25)内に突出すると、導通路(81)の高圧室(25b)側の端部(81b)が高圧室(25b)において開口する。また、上記導通路(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は、常時、給油溝(80)において開口している。そのため、ブレード(27,47)が圧縮室(25)内に突出すると、該導通路(81)を介して給油溝(80)と高圧室(25b)とが連通することとなる。よって、給油溝(80)の潤滑油が高圧室(25b)に排出される一方、給油溝(80)には油溜まり溝(50)から新たな潤滑油が供給される。これにより、給油溝(80)の潤滑油が定期的に入れ替えられ、ブレード(27,47)が効率よく冷却される。
第3の発明は、第2の発明において、上記導通路(81)の上記低圧室(25a)側の端部(81a)は、上記給油溝(80)の内側端部(80a)において開口している。
第3の発明では、導通路(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)が給油溝(80)の内側端部(80a)において開口している。そのため、給油溝(80)の外側端部(80b)から供給された潤滑油は、給油溝(80)の全体に行き亘った後、内側端部(80a)から導通路(81)を介して高圧室(25b)に排出されることとなる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記ブレード(27)は上記ピストン(28a)と一体的に構成されている。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、上記流体は二酸化炭素である。
第5の発明では、二酸化炭素が上記流体として用いられるため、作動圧力及び差圧が非常に大きくなる。これにより、他の冷媒(HFC等)を用いた場合に比べて低圧室(25a)と高圧室(25b)との圧力差が大きくなるため、ブレード(27)がより焼き付き易くなる。しかしながら、上述したように、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)には給油溝(80)が形成され、該給油溝(80)によってブレード(27)とブレード溝(29,49)を形成する低圧室(25a)側の壁面(29a,49a)との間には潤滑油が供給されるため、ブレード(27)の焼き付きを防止することができる。
本発明によれば、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に給油溝(80)を設けたことにより、油溜まり溝(50)の潤滑油をブレード(27)とブレード溝(29,49)を形成する低圧室(25a)側の壁面(29a,49a)との隙間に導くことができる。これにより、ブレード(27)とブレード溝(29,49)を形成する低圧室(25a)側の壁面(29a,49a)とを上記隙間に導かれた潤滑油によって冷却すると共に潤滑することができる。また、給油溝(80)は、ブレード溝(29,49)において低圧側に押し付けられ易いブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)のみに設けられ、その内側端部(80a)が常時ブレード溝(29,49)内に位置するように形成されている。そのため、給油溝(80)の潤滑油が圧縮室(25)に多量に流れ込むことがない。なお、潤滑油が低圧室(25a)に流入すると、低圧室(25a)に吸入された低圧の流体に高温かつ高圧の潤滑油が流れ込むため、圧縮機の性能が著しく低下してしまうが、本発明によれば、潤滑油の圧縮室(25)への流入を防止することができるため、圧縮機の性能低下を回避することができる。従って、性能を低下させることなく低圧側に押し付けられ易いブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)とブレード溝(29,49)を形成する低圧室(25a)の壁面(29a,49a)との焼き付きを防止することができる。
また、本発明によれば、外側端部(80b)が常時油溜まり溝(50)内に位置するように給油溝(80)を構成することにより、給油溝(80)に常に新たな潤滑油を供給することができる。そのため、給油溝の潤滑油の温度上昇を抑制することができ、ブレード(27)を常に冷却することができる。
また、第2の発明によれば、ブレード(27)が圧縮室(25)内に突出したときに給油溝(80)と高圧室(25b)とを連通する導通路(81)を形成したことにより、給油溝(80)の潤滑油を定期的に高圧室(25b)に排出することができる。これにより、給油溝(80)には、油溜まり溝(50)から新たな潤滑油が定期的に供給されるため、比較的低い温度の潤滑油によってブレード(27)を効率よく冷却することができる。
また、第3の発明によれば、導通路(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)を給油溝(80)の内側端部(80a)において開口させることにより、給油溝(80)に供給された潤滑油の全てを高圧室(25b)に排出することが可能となる。これにより、給油溝(80)内の潤滑油を効率よく入れ替えることができる。
また、第5の発明によれば、流体を二酸化炭素とすると低圧室(25a)と高圧室(25b)との圧力差が大きくなり、ブレード(27)がより焼き付きやすくなるため、本発明による効果がより顕著となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明に係る圧縮機(1)は、図1に示すように、揺動ピストン型の圧縮機である。上記圧縮機(1)は、冷凍装置の冷媒回路に設けられ、流体であるガス冷媒を圧縮するために用いられる。この圧縮機(1)は、ドーム型のケーシング(10)内に、圧縮機構(偏心回転型ピストン機構)(20)と電動機(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。また、圧縮機(1)は、圧縮機構(20)において圧縮された冷媒がケーシング(10)の内部空間(S1)に吐出されて該ケーシング(10)の内部空間(S1)が高圧圧力状態となる所謂高圧ドーム型に構成されている。
本発明に係る圧縮機(1)は、図1に示すように、揺動ピストン型の圧縮機である。上記圧縮機(1)は、冷凍装置の冷媒回路に設けられ、流体であるガス冷媒を圧縮するために用いられる。この圧縮機(1)は、ドーム型のケーシング(10)内に、圧縮機構(偏心回転型ピストン機構)(20)と電動機(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。また、圧縮機(1)は、圧縮機構(20)において圧縮された冷媒がケーシング(10)の内部空間(S1)に吐出されて該ケーシング(10)の内部空間(S1)が高圧圧力状態となる所謂高圧ドーム型に構成されている。
上記ケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、該胴部(11)の上下にそれぞれ設けられた上部鏡板(12)及び下部鏡板(13)とを備えている。上記胴部(11)の下部には、吸入管(41)が設けられ、上部鏡板(12)には、吐出管(15)と、電動機(30)に電力を供給するターミナル(16)とが設けられている。また、下部鏡板(13)の内部には、圧縮機構(20)及び電動機(30)の各摺動部を潤滑するための潤滑油が貯留された油溜まり部(17)が形成されている。
上記電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。該ステータ(31)は、圧縮機構(20)の上方でケーシング(10)の胴部(11)に固定され、ロータ(32)にはクランク軸(33)が連結されている。
上記クランク軸(33)は、軸部(33b,33c)と該軸部(33b,33c)の回転中心から偏心した偏心部(33a)とで構成されている。上記軸部(33b,33c)は、偏心部(33a)を挟んで軸方向両側に位置する主軸部(33b)と副軸部(33c)とを有している。偏心部(33a)は、上記軸部(33b,33c)よりも大径に形成されている。また、偏心部(33a)の外周には、揺動ピストン(ピストン)(28)が嵌合されている。
上記圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内の下部に配置され、シリンダ(21)と該シリンダ(21)の内部に収納された揺動ピストン(28)とを備えている。
上記シリンダ(21)は、円筒形状に形成されている。該シリンダ(21)の上部及び下部には、フロントヘッド(22)及びリアヘッド(23)が設けられている。具体的には、フロントヘッド(22)及びリアヘッド(23)が、シリンダ(21)の上下を閉塞することにより、上記シリンダ(21)の内部に圧縮室(25)が形成されている。また、フロントヘッド(22)には、上記主軸部(33b)を回転自在に支持する円筒形状の主軸受部(22a)が形成される一方、リアヘッド(23)には、上記副軸部(33c)を回転自在に支持する円筒形状の副軸受部(23a)が形成されている。
図2に示すように、上記揺動ピストン(28)は、ピストン本体(28a)と、該ピストン本体(28a)に一体に形成され、且つピストン本体(28a)から径方向外方へ突出するブレード(27)とを備えている。該ピストン本体(28a)は略円筒形状に形成され、内部に上記偏心部(33a)が挿入されている。この構成において、クランク軸(33)が回転すると、揺動ピストン(28)が、シリンダ(21)の内部を偏心回転する。
上記シリンダ(21)には、ブッシュ孔(26)が形成されている。該ブッシュ孔(26)には、一対のブッシュ(51a,51b)が挿入されている。該一対のブッシュ(51a,51b)は、それぞれ断面が略半円形状に構成され、フラット面(29a,29b)と円弧状の外周面とを備えている。そして、一対のブッシュ(51a,51b)は、互いのフラット面(29a,29b)同士が対向するように配置され、この対向したフラット面(29a,29b)の間にブレード溝(29)が形成されている。つまり、低圧室(25a)側のブッシュ(51a)のフラット面(29a)がブレード溝(29)の低圧室(25a)側の壁面を構成し、高圧室(25b)側のブッシュ(51b)のフラット面(29b)がブレード溝(29)の高圧室(25b)側の壁面を構成している。そして、一対のブッシュ(51a,51b)は、ブッシュ孔(26)内において該ブッシュ孔(26)を形成するシリンダ(21)の壁面に沿って揺動自在に設けられている。また、上記ブレード溝(29)には、上記ブレード(27)が挿入されている。
上記シリンダ(21)には、ブレード(27)の外側端部を収容するための収容溝(50)が、ブッシュ孔(26)の奥側(シリンダ(21)の径方向外側)に形成されている。該収容溝(50)は、給油路(図示省略)を介してケーシング(10)の油溜まり部(17)と連通されている。そして、該収容溝(50)には、上記給油路を介して油溜まり部(17)から高圧の潤滑油が供給される。これにより、収容溝(50)は、シリンダ(21)内に高圧の潤滑油を一時的に貯留する油溜まり溝を構成している。
このような構成により、ピストン本体(28a)がシリンダ(21)の内部を偏心回転すると、ブレード(27)は上記一対のブッシュ(51a,51b)に挟まれた状態でブレード溝(29)内を進退し、一対のブッシュ(51a,51b)はブレード(27)と一体的にブッシュ孔(26)の中で揺動する。
上記ブレード(27)は、圧縮室(25)を吸入側の低圧室(25a)と吐出側の高圧室(25b)とに区画している。上記シリンダ(21)には、吸入通路(14)が形成されている。該吸入通路(14)の流入端には、吸入管(41)が接続されている(図1参照)。一方、吸入通路(14)の流出端(吸入ポート(14a))は、圧縮室(25)に向かって開口している。
また、上記フロントヘッド(22)には吐出口(42)が形成されている。さらに、シリンダ(21)の内周面には、吐出通路(43)が、吐出口(42)に連通するように形成されている。なお、上記フロントヘッド(22)の上面には、吐出口(42)を開閉する吐出弁(45)が設けられている。このような構成により、圧縮機構(20)において圧縮された冷媒は、吐出口(42)及び吐出通路(43)を通ってケーシング(10)の内部空間(S1)に吐出される。
(焼き付き防止構造)
本圧縮機(1)では、ブレード(27)の焼き付きを防止するために焼き付き防止構造が採用されている。以下、焼き付き防止構造について具体的に説明する。
本圧縮機(1)では、ブレード(27)の焼き付きを防止するために焼き付き防止構造が採用されている。以下、焼き付き防止構造について具体的に説明する。
具体的には、図3(A)、(B)及び図4に示すように、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に、給油溝(80)が形成されている。該給油溝(80)は、ブレード(27)の長手方向(進退方向)に延び、内側端部(80a)が常時ブレード溝(29)内に位置する一方、外側端部(80b)が常時収容溝(50)内に位置するように形成されている。
より具体的には、給油溝(80)は、図3(A)に示すように、揺動ピストン(28)の上死点においてブレード(27)が収容溝(50)の奥深くまで収容されているときは勿論のこと、図3(B)に示すように、揺動ピストン(28)の下死点においてブレード(27)が最も圧縮室(25)内に突出しているときであっても、内側端部(80a)がブレード溝(29)内に位置すると共に、外側端部(80b)が収容溝(50)内に位置するように形成されている。つまり、給油溝(80)は、圧縮室(25)、ブレード溝(29)及び収容溝(50)の内部で進退するブレード(27)において、圧縮室(25)内に突出しない範囲(A1)に形成されている。また、給油溝(80)の外側端部(80b)は、圧縮室(25)、ブレード溝(29)及び収容溝(50)の内部で進退するブレード(27)において、収容溝(50)内に常時収容されている範囲(A2)に形成されている。なお、本実施形態1では、給油溝(80)の外側端部(80b)は、ブレード(27)の後端面まで延びるように形成されている。
−運転動作−
次に、上記圧縮機(1)の運転動作について説明する。
次に、上記圧縮機(1)の運転動作について説明する。
冷凍装置の冷媒回路では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の超臨界冷凍サイクルが行われる。その際、上記圧縮機(1)は、吸熱器から低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し、圧縮後の高圧のガス冷媒を放熱器へ送り出す。
電動機(30)を起動してロータ(32)が回転すると、該ロータ(32)の回転がクランク軸(33)の偏心部(33a)を介して圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に伝達される。これによって、揺動ピストン(28)のブレード(27)がブッシュ(51a,51b)に対して往復直線運動の摺動を行い、且つブッシュ(51a,51b)が上記ブッシュ孔(26)内で揺動することで、ピストン本体(28a)がシリンダ(21)の内部でクランク軸(33)を中心として公転し、圧縮機構(20)が所定の圧縮動作を行う。
具体的には、クランク軸(33)が回転すると、揺動ピストン(28)が、図5の(A)から(H)の順に偏心回転する。揺動ピストン(28)のピストン本体(28a)は、その内周面が偏心部(33a)の外周面と油膜を介して摺接し、その外周面がシリンダ(21)の内周面と油膜を介して摺接しながら、偏心回転する。
ピストン本体(28a)とシリンダ(21)とが、吸入ポート(14a)のクランク軸(33)の回転方向に関して前側の端部(14b)に対応するシリンダ(21)の内周面(以下、単に「ポート前端対応部分」と称する。)と当接すると、低圧室(25a)が区画され、吸入通路(14)から圧縮室(25)の低圧室(25a)へ冷媒が流入し始める。そして、低圧室(25a)へは、ピストン本体(28a)がシリンダ(21)のポート前端対応部分と再び当接するまで冷媒が流入し続ける。そして、ピストン本体(28a)がシリンダ(21)のポート前端対応部分と再び当接すると、低圧室(25a)と吸入通路(14)との連通が遮断されて吸入行程が完了し、低圧室(25a)は高圧室(25b)となる。
クランク軸(33)がさらに回転すると、高圧室(25b)において冷媒の圧縮が開始される。そして、高圧室(25b)の圧力が吐出通路(43)内の圧力を上回って吐出弁(45)が開状態になると、高圧室(25b)内の冷媒が吐出口(42)から吐出通路(43)へ吐出される(吐出行程)。冷媒の吐出行程は、ピストン本体(28a)によって吐出口(42)が閉塞された時点で完了する。この動作が繰り返されることによって冷媒が圧縮される。
−給油動作−
上述のように、揺動ピストン(28)のピストン本体(28a)がシリンダ(21)内において偏心回転するうちに、ブレード(27)は、圧縮室(25)、ブレード溝(29)及び収容溝(50)の内部においてブレード溝(29)に沿って摺動する。
上述のように、揺動ピストン(28)のピストン本体(28a)がシリンダ(21)内において偏心回転するうちに、ブレード(27)は、圧縮室(25)、ブレード溝(29)及び収容溝(50)の内部においてブレード溝(29)に沿って摺動する。
このとき、上述したように、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に形成された給油溝(80)は、図3(A)に示すように揺動ピストン(28)の上死点では勿論、図3(B)に示すように揺動ピストン(28)の下死点においても、外側端部(80b)が収容溝(50)内に位置するように形成されている。そのため、給油溝(80)には、外側端部(80b)から常時収容溝(50)内の高圧の潤滑油が供給される。これにより、ブレード(27)及びブレード溝(29)を形成する低圧側のブッシュ(51a)のフラット面(29a)との隙間に潤滑油がもたらされ、該潤滑油によってブレード(27)及び低圧側のブッシュ(51a)が冷却されると共に潤滑される。
なお、上述したように、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に形成された給油溝(80)は、図3(A)に示すように揺動ピストン(28)の上死点では勿論、図3(B)に示すように揺動ピストン(28)の下死点においても、内側端部(80a)がブレード溝(29)内に位置するように形成されている。そのため、給油溝(80)が圧縮室(25)内に進入することがない。よって、給油溝(80)内の潤滑油が低圧室(25a)に流れ込んで圧縮機(1)の性能を低下させることがない。
−実施形態1の効果−
以上により、本圧縮機(1)では、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に給油溝(80)を設けたことにより、収容溝(50)(油溜まり溝)の潤滑油をブレード(27)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)側の壁面(フラット面(29a))との隙間に導くことができる。これにより、ブレード(27)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)側の壁面(フラット面(29a))とを上記隙間に導かれた潤滑油によって冷却すると共に潤滑することができる。また、給油溝(80)は、ブレード溝(29)において低圧側に押し付けられ易いブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)のみに設けられ、その内側端部(80a)が常時ブレード溝(29)内に位置するように形成されている。そのため、給油溝(80)の潤滑油が圧縮室(25)に流れ込むことがない。潤滑油が低圧室(25a)に流入すると、低圧室(25a)に吸入された低圧の流体に高温かつ高圧の潤滑油が流れ込むため、圧縮機の性能が著しく低下してしまうが、本発明によれば、潤滑油の圧縮室(25)への流入を防止することができるため、圧縮機の性能低下を回避することができる。従って、性能を低下させることなく低圧側に押し付けられ易いブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)の壁面(フラット面(29a))との焼き付きを防止することができる。
以上により、本圧縮機(1)では、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に給油溝(80)を設けたことにより、収容溝(50)(油溜まり溝)の潤滑油をブレード(27)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)側の壁面(フラット面(29a))との隙間に導くことができる。これにより、ブレード(27)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)側の壁面(フラット面(29a))とを上記隙間に導かれた潤滑油によって冷却すると共に潤滑することができる。また、給油溝(80)は、ブレード溝(29)において低圧側に押し付けられ易いブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)のみに設けられ、その内側端部(80a)が常時ブレード溝(29)内に位置するように形成されている。そのため、給油溝(80)の潤滑油が圧縮室(25)に流れ込むことがない。潤滑油が低圧室(25a)に流入すると、低圧室(25a)に吸入された低圧の流体に高温かつ高圧の潤滑油が流れ込むため、圧縮機の性能が著しく低下してしまうが、本発明によれば、潤滑油の圧縮室(25)への流入を防止することができるため、圧縮機の性能低下を回避することができる。従って、性能を低下させることなく低圧側に押し付けられ易いブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)の壁面(フラット面(29a))との焼き付きを防止することができる。
また、本圧縮機(1)によれば、外側端部(80b)が常時収容溝(50)(油溜まり溝)内に位置するように給油溝(80)を構成することにより、給油溝(80)に常に新たな潤滑油を供給することができる。そのため、給油溝の潤滑油の温度上昇を抑制することができ、ブレード(27)を常に冷却することができる。
また、本圧縮機(1)では、二酸化炭素が冷媒として用いられているため、作動圧力及び差圧が非常に大きくなる。よって、冷媒として二酸化炭素を用いた場合、他の冷媒(HFC等)を用いた場合に比べて低圧室(25a)と高圧室(25b)との圧力差が大きくなり、ブレード(27)がより焼き付き易くなる。しかしながら、上述したように、本圧縮機(1)では、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)に給油溝(80)を形成したことにより、該給油溝(80)を介してブレード(27)とブレード溝(29)を形成する低圧室(25a)側の壁面(フラット面(29a))との間に潤滑油を供給することができ、ブレード(27)の焼き付きを防止することができる。
《発明の実施形態2》
図6(A)、(B)及び図7に示すように、実施形態2に係る圧縮機(1)は、実施形態1の圧縮機において、ブレード(27)の焼き付き防止構造を変更したものである。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図6(A)、(B)及び図7に示すように、実施形態2に係る圧縮機(1)は、実施形態1の圧縮機において、ブレード(27)の焼き付き防止構造を変更したものである。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
(焼き付き防止構造)
実施形態2では、ブレード(27)には、実施形態1と同様の給油溝(80)が形成されると共に、導通孔(81)が形成されている。
実施形態2では、ブレード(27)には、実施形態1と同様の給油溝(80)が形成されると共に、導通孔(81)が形成されている。
具体的には、図6(A)、(B)及び図7に示すように、上記導通孔(81)は、ブレード(27)の低圧室(25a)側の側面(27a)から高圧室(25b)側の側面(27b)に亘って形成された貫通孔であり、本発明に係る導通路を構成している。そして、導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は、給油溝(80)において開口している。なお、本実施形態2では、導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は、給油溝(80)の内側端部(80a)において開口している。一方、導通孔(81)の高圧室(25b)側の端部(81b)は、ブレード(27)のブレード溝(29)から圧縮室(25)内に突出する範囲(A3)において開口している。言い換えると、導通孔(81)の高圧室(25b)側の端部(81a)は、図6(B)に示す揺動ピストン(28)の下死点において圧縮室(25)内にあるブレード(27)の範囲(A3)内に形成されている。
以上のような構成により、ブレード(27)が圧縮室(25)内に突出すると、導通孔(81)の高圧室(25b)側の端部(81b)が高圧室(25b)において開口する。また、上記導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は常時給油溝(80)において開口している。そのため、ブレード(27)が圧縮室(25)内に突出すると、導通孔(81)を介して給油溝(80)と高圧室(25b)とが連通する。
なお、ここで、揺動ピストン(28)が下死点(図6(B)の状態)にあるとき、高圧室(25b)は中間圧力状態から高圧圧力状態の間にある。そのため、給油溝(80)内の高圧の潤滑油は、上記導通孔(81)を通って高圧室(25b)に引き込まれる。これにより、給油溝(80)の潤滑油が高圧室(25b)に排出される。
一方、給油溝(80)では、外側端部(80b)が常時収容溝(50)(油溜まり溝)に位置しているため、収容溝(50)(油溜まり溝)から新たな潤滑油が供給される。これにより、給油溝(80)の潤滑油が定期的に入れ替えられるため、ブレード(27)が効率よく冷却される。
−実施形態2の効果−
以上により、実施形態2の圧縮機(1)によれば、ブレード(27)が圧縮室(25)内に突出したときに給油溝(80)と高圧室(25b)とを連通する導通孔(81)を形成したことにより、給油溝(80)の潤滑油を定期的に高圧室(25b)に排出することができる。これにより、給油溝(80)には、収容溝(50)(油溜まり溝)から新たな潤滑油が定期的に供給されるため、比較的低い温度の潤滑油によってブレード(27)を効率よく冷却することができる。
以上により、実施形態2の圧縮機(1)によれば、ブレード(27)が圧縮室(25)内に突出したときに給油溝(80)と高圧室(25b)とを連通する導通孔(81)を形成したことにより、給油溝(80)の潤滑油を定期的に高圧室(25b)に排出することができる。これにより、給油溝(80)には、収容溝(50)(油溜まり溝)から新たな潤滑油が定期的に供給されるため、比較的低い温度の潤滑油によってブレード(27)を効率よく冷却することができる。
また、実施形態2の圧縮機(1)では、導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)を給油溝(80)の内側端部(80a)において開口させている。そのため、給油溝(80)の外側端部(80b)から供給された潤滑油は、給油溝(80)の全体に行き亘った後、内側端部(80a)から導通孔(81)を介して高圧室(25b)に排出されることとなる。よって、導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)を給油溝(80)の内側端部(80a)において開口させることにより、給油溝(80)に供給された潤滑油の全てを高圧室(25b)に排出することが可能となる。これにより、給油溝(80)内の潤滑油を効率よく入れ替えることができる。
《発明の実施形態3》
図8乃至図10に示すように、実施形態3に係る圧縮機(1)は、実施形態2において所謂揺動ピストン型であった圧縮機構(20)を所謂ローリングピストン型に変更したものである。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
図8乃至図10に示すように、実施形態3に係る圧縮機(1)は、実施形態2において所謂揺動ピストン型であった圧縮機構(20)を所謂ローリングピストン型に変更したものである。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
実施形態3に係る圧縮機構(20)は、シリンダ(21)と該シリンダ(21)の内部に収納されたピストン(48)と、該ピストン(48)とは別体に形成されたブレード(47)とを備えている。
上記ピストン(48)は略円筒形状に形成されている。該ピストン(48)の内部には、上記偏心部(33a)が挿入されている。
一方、上記シリンダ(21)には、内周面から径方向外側に向かって延びるブレード溝(49)が形成されている。該ブレード溝(49)には、上記ブレード(47)が摺動自在に挿入されている。ブレード(47)は、圧縮室(25)を吸入側の低圧室(25a)と吐出側の高圧室(25b)とに区画している。
また、シリンダ(21)には、ブレード(47)の外側端部を収容するための収容溝(50)が、ブレード溝(49)の奥側(シリンダ(21)の径方向外側)に形成されている。該収容溝(50)は、給油路(図示省略)を介してケーシング(10)の油溜まり部(17)と連通されている。そして、該収容溝(50)には、上記給油路を介して油溜まり部(17)から高圧の潤滑油が供給される。これにより、収容溝(50)は、シリンダ(21)内に高圧の潤滑油を一時的に貯留する油溜まり溝を構成している。また、該収容溝(50)内であって該収容溝(50)の奥側の内壁面とブレード(47)との間にはバネが介挿されている。該バネによって、ブレード(47)は常時圧縮室(25)側に付勢されている。
(焼き付き防止構造)
実施形態3に係る圧縮機(1)においても、ブレード(47)の焼き付きを防止するために焼き付き防止構造が採用されている。以下、焼き付き防止構造について具体的に説明する。
実施形態3に係る圧縮機(1)においても、ブレード(47)の焼き付きを防止するために焼き付き防止構造が採用されている。以下、焼き付き防止構造について具体的に説明する。
具体的には、ブレード(47)の低圧室(25a)側の側面(47a)に、給油溝(80)が形成されている。該給油溝(80)は、ブレード(47)の長手方向(進退方向)に延び、内側端部(80a)が常時ブレード溝(49)内に位置する一方、外側端部(80b)が常時収容溝(50)内に位置するように形成されている。
より具体的には、給油溝(80)は、図9(A)に示すように、ピストン(48)の上死点においてブレード(47)が収容溝(50)の奥深くまで収容されているときは勿論のこと、図9(B)に示すように、ピストン(48)の下死点においてブレード(47)が最も圧縮室(25)内に突出しているときであっても、内側端部(80a)がブレード溝(49)内に位置すると共に、外側端部(80b)が収容溝(50)内に位置するように形成されている。つまり、給油溝(80)は、圧縮室(25)、ブレード溝(49)及び収容溝(50)の内部で進退するブレード(47)において、圧縮室(25)内に突出しない範囲(A1)に形成されている。また、給油溝(80)の外側端部(80b)は、圧縮室(25)、ブレード溝(49)及び収容溝(50)の内部で進退するブレード(47)において、収容溝(50)内に常時収容されている範囲(A2)に形成されている。なお、本実施形態3でも、給油溝(80)の外側端部(80b)は、ブレード(47)の後端面まで延びるように形成されている。
また、実施形態2と同様に、ブレード(47)には、導通孔(81)が形成されている。該導通孔(81)は、ブレード(47)の低圧室(25a)側の側面(47a)から高圧室(25b)側の側面(47b)に亘って形成された貫通孔であり、本発明に係る導通路を構成している。そして、導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は、給油溝(80)において開口している。なお、本実施形態3では、導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は、給油溝(80)の内側端部(80a)において開口している。一方、導通孔(81)の高圧室(25b)側の端部(81b)は、ブレード(47)のブレード溝(49)から圧縮室(25)内に突出する範囲(A3)において開口している。言い換えると、導通孔(81)の高圧室(25b)側の端部(81a)は、図9(B)に示すピストン(48)の下死点において圧縮室(25)内にあるブレード(47)の範囲(A3)内に形成されている。
以上のような構成により、ブレード(47)が圧縮室(25)内に突出すると、導通孔(81)の高圧室(25b)側の端部(81b)が高圧室(25b)において開口する。また、上記導通孔(81)の低圧室(25a)側の端部(81a)は常時給油溝(80)において開口している。そのため、ブレード(47)が圧縮室(25)内に突出すると、導通孔(81)を介して給油溝(80)と高圧室(25b)とが連通する。
なお、ここで、ピストン(48)が下死点にあるとき、高圧室(25b)は中間圧力状態から高圧圧力状態の間にある。そのため、給油溝(80)内の高圧の潤滑油は、上記導通孔(81)を通って高圧室(25b)に引き込まれる。これにより、給油溝(80)の潤滑油が高圧室(25b)に排出される。
一方、給油溝(80)では、外側端部(80b)が常時収容溝(50)(油溜まり溝)に位置しているため、収容溝(50)(油溜まり溝)から新たな潤滑油が供給される。これにより、給油溝(80)の潤滑油が定期的に入れ替えられるため、ブレード(47)が効率よく冷却される。
−実施形態3の効果−
以上により、実施形態3のようにローリングピストン型の圧縮機(1)であっても、実施形態2のような揺動型の圧縮機と同様の効果を奏することができる。よって、ブレード(47)の低圧室(25a)側の側面(47a)と、ブレード溝(49)を形成する低圧室(25a)側の側面(47a)との焼き付きを防止することができる。
以上により、実施形態3のようにローリングピストン型の圧縮機(1)であっても、実施形態2のような揺動型の圧縮機と同様の効果を奏することができる。よって、ブレード(47)の低圧室(25a)側の側面(47a)と、ブレード溝(49)を形成する低圧室(25a)側の側面(47a)との焼き付きを防止することができる。
《その他の実施形態》
上述した各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上述した各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、給油溝(80)の外側端部(80b)は、ブレード(27,47)の後端面まで延びるように形成されていた。しかし、給油溝(80)の外側端部(80b)は、ブレード(27,47)において、収容溝(50)内に常時収容されている範囲(A2)に形成されていればよく、必ずしもブレード(27,47)の後端面まで延びている必要はない。
上記各実施形態について、冷媒回路に充填される冷媒が二酸化炭素以外の冷媒(例えばフロン冷媒)であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ロータリ式圧縮機について有用である。
1 圧縮機
21 シリンダ
22 フロントヘッド
25 圧縮室
25a 低圧室
25b 高圧室
27 ブレード
27a 側面(低圧室側の側面)
27b 側面(高圧室側の側面)
28 揺動ピストン
28a ピストン本体(ピストン)
29 ブレード溝
47 ブレード
47a 側面(低圧室側の側面)
47b 側面(高圧室側の側面)
48 ピストン
49 ブレード溝
50 収容溝(油溜まり溝)
80 給油溝
80a 内側端部
80b 外側端部
81 導通孔(導通路)
81a 端部(低圧室側の端部)
81b 端部(高圧室側の端部)
21 シリンダ
22 フロントヘッド
25 圧縮室
25a 低圧室
25b 高圧室
27 ブレード
27a 側面(低圧室側の側面)
27b 側面(高圧室側の側面)
28 揺動ピストン
28a ピストン本体(ピストン)
29 ブレード溝
47 ブレード
47a 側面(低圧室側の側面)
47b 側面(高圧室側の側面)
48 ピストン
49 ブレード溝
50 収容溝(油溜まり溝)
80 給油溝
80a 内側端部
80b 外側端部
81 導通孔(導通路)
81a 端部(低圧室側の端部)
81b 端部(高圧室側の端部)
Claims (5)
- 筒状のシリンダ(21)と、該シリンダ(21)内において偏心回転するピストン(28a,48)と、上記シリンダ(21)の内周面から径方向外側に向かって延びるブレード溝(29,49)に挿入されて上記シリンダ(21)とピストン(28a,48)との間の圧縮室(25)を低圧側の低圧室(25a)と高圧側の高圧室(25b)とに仕切るブレード(27,47)とを有するロータリ式圧縮機であって、
上記ブレード溝(29,49)の奥側には、高圧の潤滑油が導かれる油溜まり溝(50)が形成され、
上記ブレード(27,47)の上記低圧室(25a)側の側面(27a,47a)には、該ブレード(27,47)の長手方向に延び、内側端部(80a)が常時上記ブレード溝(29,49)内に位置する一方、外側端部(80b)が常時上記油溜まり溝(50)内に位置する給油溝(80)が形成されている
ことを特徴とするロータリ式圧縮機。 - 請求項1において、
上記ブレード(27,47)には、上記低圧室(25a)側の側面(27a,47a)から上記高圧室(25b)側の側面(27b,47b)に亘って延び、上記低圧室(25a)側の端部(81a)が上記給油溝(80)において開口する一方、上記高圧室(25b)側の端部(81b)が上記ブレード(27,47)の上記ブレード溝(29,49)内から上記圧縮室(25)内に突出する部分(A3)において開口する導通路(81)が形成されている
ことを特徴とするロータリ式圧縮機。 - 請求項2において、
上記導通路(81)の上記低圧室(25a)側の端部(81a)は、上記給油溝(80)の内側端部(80a)において開口している
ことを特徴とするロータリ式圧縮機。 - 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
上記ブレード(27)は上記ピストン(28a)と一体的に構成されている
ことを特徴とするロータリ式圧縮機。 - 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
上記流体は二酸化炭素である
ことを特徴とするロータリ式圧縮機。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013139729A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-18 | Daikin Industries Ltd | 回転式圧縮機 |
CN104675702A (zh) * | 2013-11-28 | 2015-06-03 | 三菱电机株式会社 | 旋转式压缩机 |
US9074500B2 (en) | 2011-06-09 | 2015-07-07 | Hyundai Motor Company | Engine oil pump including plunge pool to mitigate surge noise |
CN114402140A (zh) * | 2019-09-18 | 2022-04-26 | 三菱电机株式会社 | 旋转型压缩机 |
-
2009
- 2009-05-29 JP JP2009131355A patent/JP2010275974A/ja active Pending
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