JP2018009394A - コンクリート床版仕上がり高さ管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】道路、高速道路等の建造物のためのコンクリート打設表面高さの経時的変化を計測して、管理するコンクリート床版仕上がり高さ管理装置を提供する。【解決手段】レーザ測距機2で、打設されたコンクリート床版の表面をスキャニングして計測データを計算機3へ送信する。計算機3は、コンクリート床版の表面の設計値と計測値の変位を求め、ディスプレイ9に、変位値に応じて強調表示する。コンクリート床版の表面の設計値と計測値の変位は、表面をセルに分割してメッシュ化し、各セルの変位値を表示する。また、コンクリート床版の表面の平坦度を求め、膨らみと凹みをその度合いに応じて強調表示する。【選択図】図1

Description

本発明は、道路、高速道路等の建造物のための計測装置に関し、特に、経時的変化を計測するコンクリート床版仕上がり高さ管理装置に関する。詳しくは、施工中のコンクリート床版の仕上がりの高さを管理するコンクリート床版仕上がり高さ管理装置に関する。
床版の工事を次の工程で行う。まず、橋桁と橋脚の上に、型枠として床版型枠及び側型枠を組む。そして、床版型枠の上に、鉄筋を並べ、鉄筋同士を細い針金等で結束する。この鉄筋は、コンクリート床版に生じる引張応力に抵抗するものである。型枠は、コンクリートに接する板状部品であるせき板、型枠の支えとなる横ばたや縦ばた、大規模な型枠の場合、これらに加え根太、大引、支柱からなる。せき板の内面には、完成時にコンクリートが剥がれ易くするために油や樹脂等が塗られる。
せき板は、鋼材、樹脂、紙、コンクリート、合板が利用される。鉄筋の配置が完了したら、型枠内に生のコンクリートを打ち込むコンクリート打設が行われる。このコンクリートの打ち込みは、コンクリート打設といい、人力による場合もあるが、一般にコンクリートポンプ車等の専用の機械で行う。このコンクリート打設のとき、コンクリートが型枠の中に設計高さになるように管理するため、型枠のせき板に設けた、又は、型枠の中に設けた目印を作業員が確認しながらコンクリートの打ち込みを行う。最後は、作業員が目印を見ながら打ち込まれたコンクリートの高さを人力で調整する最後の仕上げが行われる。
コンクリート構造物の品質保証を行うためには、コンクリート打設の仕上がりの管理が重要である。特に、コンクリート打設の仕上がりをリアルタイムで管理する技術が求められている。コンクリート打設の仕上がりを管理する技術としては、多数の技術が開示されている。例えば、コンクリート打設空間にセンサを配置して、コンクリートの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面との距離を計測するコンクリート打設管理システムが開示されている(例えば、特許文献1)。このセンサから出力された計測値を基にコンクリート高さを演算して、演算表示装置の画面にリアルタイムで表示している。
また、特許文献2には、道路、高速道等の建造物のためのコンクリート打設の表面高さの経時的変化を計測して管理するコンクリート床版仕上がり高さ管理方法が開示知れている。詳しくは、レーザ測距機で、打設されたコンクリート床版の表面の高さを計測し、表示器に、目標とする目標表面の高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違いを表示する。このとき、コンクリート床版の表面の仕上げの基準となる点にプリズムを置き、コンクリート型枠の表面をレーザ測距機で計測するときの基準値として利用し、レーザ測距機の基準点の計測に利用している。表示器は、コンクリート床版表面の目標とする高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違いを、その度合いに応じて識別して表示している。
特開2009−83353号公報 特開2013−19202号公報
特許文献1のコンクリート打設管理システムは、センサとその直下の領域のコンクリート面との間の距離を計測している。このシステムは、道路や高速道路等のコンクリート建造物のように広い領域にコンクリート打設を行うものでは、センサを多数配置する必要があり、不向きである。特許文献2のコンクリート床版仕上がり高さ管理方法は、コンクリート床版表面の目標とする高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違いを、その度合いに応じて識別して表示しているが、コンクリート床版の表面の仕上げの基準となる点にプリズムを置き、コンクリート型枠の表面をレーザ測距機で計測するときの基準値として利用している。
このため、作業員がプリズムを配置する手間がかかるとともに、コンクリート床版の仕上げの高さを局所的に表示していない。このように、道路や高速道路等の広い領域にコンクリート打設する場合でも、コンクリート打設をリアルタイムで管理し、目標とするコンクリート打設の目標表面の高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違いを表示して、コンクリート床版仕上がり高さを、現場の作業員に分かりやすく伝達する技術が求められている。
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、道路、高速道路等の建造物のためのコンクリート打設表面高さの経時的変化を計測して、管理するコンクリート床版仕上がり高さ管理装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明の発明1のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置は、
コンクリート床版を施工するため、型枠内にコンクリートを打ち込むコンクリート打設において、
前記コンクリート打設時に、打設された前記コンクリート床版の表面を計測するためのレーザ測量手段と、
(a)前記計測を行った計測地点の設計上の座標を表す設計値を、前記計測地点の周囲の4点以上の設計地点の設計座標から計算して求め、(b)前記計測地点を前記計測したときの座標である計測値を前記設計値と比較計算する計算手段と、
前記計算された結果を用いて、前記設計値からなり目標とする前記コンクリート打設の目標表面高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違い、又は、前記目標表面上の管理線から前記管理線の計測値が変位する平坦度を表示する表示手段と
からなることを特徴とする。
本発明の発明2のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置は、発明1において、
前記計算手段は、前記平坦度を求めるとき、前記計測値の近傍の2地点の前記設計座標から、該2地点を結ぶ設計直線を計算し、前記設計直線から前記計測値の設計値を求める
ことを特徴とする。
本発明の発明3のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置は、発明1において、
前記計算手段は、
(c)前記コンクリート床版の前記表面を所定の大きさの複数のセルにメッシュ化して分割し、1一つの前記セルの中心点の設計値である設計中心点を、前記セルの中又は近傍の前記4地点の前記設計座標から、計算して求め、
(d)前記設計中心点に一番近い前記計測地点の計測値を、前記セルの計測された値であるセル計測値として求め、
(e)前記設計中心点を前記セル計測値を比較計算してセル比較計算結果を出力し、
前記表示手段は、前記セル比較計算結果を用いて、前記目標表面の高さと前記打設表面の高さの違いを表示する
ことを特徴とする。
本発明の発明4のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置は、発明3において、
前記計算手段は、
(c)前記コンクリート床版の前記表面を所定の大きさの複数のセルにメッシュ化して分割し、1一つの前記セルの中心点の設計値である前記設計中心点を、前記セルの中又は近傍の前記4地点の前記設計座標から、計算して求め、
前記設計中心点の座標は、それを囲む4つの前記地点の設計座標から求める
ことを特徴とする
本発明の発明5のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置は、発明1乃至4において、
前記表示器は、前記目標表面と前記打設表面との違いを、色彩、シンボル、キャラクター及びハッチングの中から選択される1以上の強調方法で異なる表示で行う
ことを特徴とする。
本発明によると、次の効果が奏される。
本発明のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置によると、コンクリート打設の仕上がり、特に高さの経時的変化を計測し、管理し易くなった。
また、本発明のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置によると、コンクリート打設をリアルタイムで管理し、目標とするコンクリート打設の目標表面の高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違いを表示して、コンクリート床版仕上がり高さを、現場の作業員に分かりやすく伝達することができた。
更に、本発明のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置によると、コンクリート打設の仕上がり、特に高さの経時的変化を計測して管理することで、コンクリート打設の仕上がりの品質向上、工期の短縮を図ることができた。
更にまた、設計値及び基準点をレーザ測距機で入力して自動的に計測するので、従来のようにコンクリート打設面の両側に沿って基準となるプリズムを設置する作業がなくなった。
図1は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1の運営状況を示す概念図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1において、コンクリート打設高さを管理するとき、全体の流れを示す手順の例を示すフローチャートである。 図3は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、平坦度計測の概要を図示している概念図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、平坦度計測を行う手順の例を示すフローチャートを図示している。 図5は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、平坦度計測を行った実例を示す図で、図5(a)は、平坦度計測で求めた平坦度乖離値の例を示す図で、図5(b)は、平坦度計測の計測結果の例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、計算機3のディスプレイ9に平坦度計測の様子を表示する画面例である。 図7は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、コンクリート打設表面をメッシュ化してセルにする例を示す概念図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、コンクリート打設表面において、セル中心点の高さを求める例を示す概念図であり、図8(a)は、設計点と計測点とセル中心点の位置関係の例を示す概念図で、図8(b)は、設計点からセル中心点の高さを求める例を示す概念図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、コンクリート打設表面において、キャンバーの高さを計算する例を示すフローチャートである。 図10は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、キャンバー計測した実例を示す図で、図10(a)は、キャンバー計測で求めたキャンバー値の例を示す図で、図10(b)は、キャンバー計測の計測結果の例を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、計算機3のディスプレイ9にキャンバー計測の様子を表示する画面例である。 図12は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1において、施工管理プログラム4の構造の概要を示すブロック図である。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明によるコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1の第1の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1の運営状況を示す概念図である。コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、コンクリート床版を橋桁や橋脚の上に施工するコンクリート床版のためのコンクリート打設に利用されるものである。
コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、主に、コンクリート床版等の計測を行うための装置であるレーザ測距機2と、レーザ測距機2で計測した計測データを解析して処理するための計算機3からなる。計算機3は、施工管理プログラム4を内蔵し、このプログラムにより計測データを解析処理をする。道路5等のコンクリートの建造物は、コンクリート床版を橋桁や橋脚6の上にコンクリート打設を行って施工する。特に、高架橋では、地表に設置された橋脚6の上に橋桁(図示せず。)が設置され、橋桁の上に、コンクリート型枠7が組まれる。
コンクリート型枠7は、床版型枠と側型枠からなる。床版型枠上に鉄筋8が配され、コンクリート型枠7内にコンクリートが打ち込まれる。コンクリート型枠7は、コンクリートが固まるまでの形状を保つためのものである。コンクリート型枠7は、基本的に、コンクリート打設後が所定の養成期間経過後、解体されて取り外される。コンクリート型枠7は、コンクリートに接する板状部品であるせき板、型枠の支えとなる横ばたや縦ばた、大規模な型枠の場合、これらに加え根太、大引、支柱からなる。せき板の内面には完成時にコンクリートが剥がれ易くするために油や樹脂等が塗られる。
せき板は、アルミニウム、ステンレス、樹脂、紙、コンクリート、合板が利用される。ただし、コンクリート型枠7の施工工事、コンクリート型枠7の材料等は、本発明の趣旨ではないので、詳しい説明は省略する。コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、基本的に、レーザ測距機2と計算機3からなる。コンクリート型枠7の中にコンクリートを打ち込むとき、コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、コンクリートを打ち込みしている表面、コンクリートを打ち込みが終了した表面等であるコンクリート打設表面の高さをレーザ測距機2で計測し、計測されたデータを計算機3の表示器としてのディスプレイ9に表示する。
ディスプレイ9には、コンクリートを打ち込むときの設計値、計測データ、この設計値と計測データの変位値等を見やすく表示する。例えば、図3に図示したように、設計値である管理ラインLcと実際の打設結果である計測値(打設結果ラインLs)、その変位値である膨らみと凹みを表示する。この膨らみと凹みを色、線等で強調して表示すると、現場の管理者に見やすくなり、工事の進み具合を把握しやすくなる。現場の管理者は、ディスプレイ9上に表示されているコンクリート打設の表面高さを見ながら、コンクリートの打ち込みを設計値に合うように、又は、予め設定した基準値に合うように行う。
言い換えると、現場の管理者は、ディスプレイ9上に表示されているコンクリート打設の表面高さを見て、コンクリートの打ち込みが設計値に合っているか否かを瞬時に把握することができる。レーザ測距機2は、三脚2a上に載置されて固定される。レーザ測距機2を搭載した三脚2aは、コンクリート打設の現場の付近に設置されるが、例えば、図1に図示したように、既にコンクリートの打設が終わり硬化したコンクリート床版等の上に配置されることができる。レーザ測距機2と計算機3は、互いに双方向通信を行うための通信機能を有する。
本発明の第1の実施の形態において、レーザ測距機2は計算機3と無線双方向通信を行っているが、レーザ測距機2と計算機3が通信ケーブル等で接続される有線通信機能を、レーザ測距機2が備えても良い。レーザ測距機2は、無線通信をするためのアンテナ2bを備えている。計算機3は、無線通信をするためのアンテナ(図示せず。)を内蔵している。レーザ測距機2は、アンテナ2bと計算機3のアンテナを介して、計算機3と通信する。レーザ測距機2と計算機3との通信は、例えば、無線LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の汎用の無線通信方式を用いる。
本例では、Bluetoothを例に説明する。また、計算機3は、アンテナを介して、管理センター(図示せず。)と通信することもできる。管理センターは、計算機3、レーザ測距機2等を含みコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1の全体の運営を管理するところである。レーザ測距機2は、レーザ光を発生させて計測対象物へ照射し、このレーザ光が計測対象物で反射してきた反射レーザ光を検出して、計測を行う。
レーザ光は、対象物にレーザ測距機2からほぼ直線状に照射されて反射されるもので、図1の中でレーザ測距機2から伸びている破線で図示している。レーザ測距機2としては、トータルステーションに代表されるように汎用の装置を利用する。トータルステーションとしては、株式会社ソキア・トプコン(本社:東京都板橋区)製のSRXトータルステーションシリーズが例示できる。また、道路や建造物等の測量・計測技術は、日本国特許第4059832号に開示されている「道路断面継続装置および道路断面計測方法」のように、多数開示されている。
本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、基準点及びコンクリート打設表面の高さが計測できる既知の任意の計測方法も採用することもできる。本発明の第1の実施の形態において、コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、日本国特許第4059832号に開示された計測方法の全部又はその一部を採用した。また、レーザ測距機2としては、Leica Geosystems AG(本社:Heerbrugg, Canton St. Gallen, Switzerland)のLeica Nova M S50マルチステーション装置を利用することができる。
このマルチステーション装置は、3次元スキャン機能が搭載され、複数回計測した面の変位量を計算し出力する機能を有する装置で、ノンプリズム計測ができる。以下に説明する本発明のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1においては、このマルチステーション装置の機能を利用できるものとする。説明するレーザ測距機2の構造に関しては、汎用の構造である。構造部に違いがあっても、同じ機能を実現できるものである場合、レーザ測距機2としては、公知の計測用、測距用、測量用の装置等が利用できる。
以下、レーザ測距機2の構造概要、計測の方法等について簡単に説明し、その詳細な構造及び計測の方法については汎用の機器のため省略する。レーザ測距機2は、レーザ光(位相)検出距離計算器(図示せず。)を備えている。レーザ光検出距離計算器は、投射レーザ光を発振するためのレーザ投射器と、レーザ投射器の投射方向に対応する2次元角度に光軸を制御するための2軸回転サーボ機構と、レーザ投射角度をプログラムに従って制御するレーザ投射角度電子制御系と、反射して戻ったレーザ光を検出し位相を計測する光波位相解析距離計算器とを備えている。
レーザ投射器から投射される投射レーザ光が計測対象点(図示せず。)で反射して戻った反射レーザ光は、光波位相解析距離計算器で受信される。光波位相解析距離計算器は、反射レーザ光と投射レーザ光に夫々対応する位相の差に基づいて、レーザ測距機2に設定されている機械的原点(基準点)と計測対象点の間の距離(R)を計算し、計測データとして出力する。計測データは、3次元極座標データ(R,θx,θy)を有し、2次元角度座標(θx,θy)に対応して距離Rが計測されているので、その3次元極座標データのうちの距離データRは、R(θx,θy)として表される。
3次元極座標データ(R,θx,θy)は、レーザ投射角度電子制御系から出力される2次元角度データ(θx,θy)と、光波位相解析距離計算器から出力される距離データRとを合成する3次元極座標データ作成器により作成される。3次元極座標データ作成器は、時系列3次元極座標データ(R(t),θx,θy)、又は、(R(t,θx,θy),θx,θy)を作成することができる。その時刻tは、計算器5又はレーザ光波検出距離計算器に内蔵されるクロック(図示せず。)により与えられる。
レーザ測距機2は、計測された計測データを計算機3へ送信する。計算機3は、図示しないが、中央処理装置(以下、CPUという。)、主記憶装置(RAM)、ROM、通信バス、入力装置、出力装置としての表示器であるディスプレイ9、各種通信インターフェースを備えた電子計算機である。本発明の第1の実施の形態においては、計算機3の本体は、CPU、RAM、ROM、通信バス、各種通信インターフェースからなる。
また、計算機3の本体は、内蔵及び/又は外付けのハードディスク、不揮発性メモリ等の補助記憶装置を有する。この補助記憶装置は、図示していないが所定のインターフェースで通信バスに接続され、コンクリート床版仕上がり高さ管理に必要なアプリケーションソフトウェアである施工管理プログラム4が格納されている。施工管理プログラム4は、コンクリート床版の設計データを読み込んで打設現場を表示する機能、コンクリート床版の設計データを入力して打設現場をディスプレイ9上に表示する機能を有する。
また、施工管理プログラム4は、表示されている打設現場に、レーザ測距機2で計測された計測データ、この計測データから計算された3次元又は2次元の図を表示する機能も有する。また、計算機3の補助記憶装置には、計算機3がレーザ測距機2及び/又は管理センターと通信するとき、その通信を制御するための通信ソフトウェアが格納されている。これらのソフトウェアは、計算機3を制御している基本ソフトウェアから呼び出されて動作する。また、計算機3の本体は、計算機3の電源を供給するための内蔵電源ユニット(図示せず。)を備える。
計算機3の入力装置は、図示していないが、マウス、キーボード、タッチパネル等の装置である。出力装置は、ディスプレイ9からなる。計算機3のアンテナは、通信インターフェースに接続され、計算機3の内蔵されているものが好ましい。計算機3は、上述のように本体と、それに接続して利用する入力装置、ディスプレイ9、アンテナ等からなっているが、計算機3は、本体がこれらを内蔵した一体型でも良い。
計算機3は、マイクロソフト社のWindows(登録商標)、オープンソースのLINUX(登録商標)、アップル社のMac OS(登録商標)等の汎用の電子計算機ようのオペレーティングシステム、グーグル社のアンドロイド(登録商標)、アップル社のiOS(登録商標)、モジラ・ファウンデーションのFirefox OS(登録商標)、マイクロソフト社のWindows Mobile(登録商標)等のスマートフォン、タブレット電子計算機用のオペレーティングシステム等の任意の基本ソフトウェアで制御されて動作する。
計算機3は、本発明の第1の実施の形態で記述した処理を行うことができるものであれば、任意の電子計算機を使用できる。計算機3の詳細な動作については、本発明の趣旨ではないので省略する。計算機3は、本発明の第1の実施の形態において、コンクリート打設の現場で利用するものであるので、ノートブック等の携帯型の小型の電子計算機であることが最も好ましい。レーザ測距機2から送信された計測データに基づいて、コンクリート打設の進捗状況が計算機3のディスプレイ9に表示される。また、このディスプレイ9には、上述の通り、レーザ測距機2で計測した実際のコンクリート打設の進捗状況と合わせてコンクリート床版の設計データが表示される。
この表示のとき、コンクリート床版の設計データで目標とする目標表面の高さと、既に打設された表面である打設表面(計測値)との高さの違いを表示する。この違いは、変位値として計算される。この打設表面は、計測ポイント10で計測したときの高さの値で、計測値となる。コンクリート打設の作業者や管理者は、この表示を見て、すぐにコンクリート打設が適切に行われているか否かが確認できる。つまり、コンクリート床版表面高さが設計通りになった箇所と、コンクリート床版表面高さが設計された高さから低い箇所又は高い箇所の値が確認できる。
[レーザ測距機2の自己位置決定]
現場では、レーザ測距機2を設置すると共に座標が分かっている2つの基準点の座標がレーザ測距機2に入力される。又は、2つの基準点をレーザ測距機2で計測し、それを基準点として入力する。この基準点には、例えば、支持棒11aで固定されたプリズム11を設置し、計測を行うと誤差が少なく、確実にデータ入力ができる。これは、現場の特徴に合わせて現場で判断することである。レーザ測距機2は、現場の周辺で、現場全体を見渡して計測できる任意の場所に設置される。
計算機3は、後方交会法により、レーザ測距機2が設置された自己位置を計算する。後方交会法は、周知のものであり、その概要を説明すると、計算機3に前記既知点の座標を入力し、レーザ測距機2によりレーザ測距機2から2つの既知点に設置したプリズムまでの距離を夫々計測し、この2つの距離とレーザ測距機2と一方の既知点とを結ぶ直線とレーザ測距機2と他方の既知点とを結ぶ直線とが成す夾角とから、計算機3によりレーザ測距機2を設置した自己位置である基準点(機械的原点)を計算して求めるものである(図2のステップ4を参照。)。
道路5の現場の工事が進み、コンクリート打設となると、上述と略同様にレーザ測距機2と、座標が分かっている2つの基準点に夫々プリズム11が設置される。レーザ測距機2とプリズム11を利用して計算機3により自己位置である基準点(機械的原点)を計算する。自己位置を測定して計算した後、各計測ポイント10(面)を計測するために、投射光の投射する投射角度、言い換えるとレーザ測距機2を旋回する角度、を計算機3が求める。測定ポイント10が事前に計算機3に入力されている場合は、この測定ポイント10の座標を使って投射角度が求められる。
レーザ測距機2には、計測対象の範囲(以下、スキャン範囲と言う。)が予め設定されているので、レーザ測距機2はスキャン範囲内で各計測ポイントの計測を行う。レーザ測距機2は、スキャン範囲内に所定の間隔で自動的に測定を行う機能を有する。例えば、レーザ測距機2の性能によるが、建設中の道路5の幅と、道路5の長さ方向1000mまでの範囲を設定することができ、レーザ測距機2はこのスキャン範囲で、所定の間隔で計測を行う。レーザ測距機2は、例えば、縦、横5cmの間隔で計測を行う。
スキャン範囲が広くなると、計測に時間がかかり、計測データの量も多くなるため、その解析や処理に時間がかかる。また、レーザ測距機2の現状の性能では、サブmm単位で、計測性能を実現するためには、特に数百m以上離れた1計測点の計測には1秒近くかかることがあり、実用的ではない。そのため、レーザ測距機2が計測するスキャン範囲を、例えば、道路5の幅方向で3〜10m、道路長さ方向で300mまで、計測誤差1mm〜3mmと設定することが実用的である。無論、レーザ測距機2の性能が上がればスキャン範囲を広範囲、計測誤差も小さく設定することができる。
プリズム12を道路5の中央辺りに設置する場合は、レーザ測距機2は、プリズム12までの距離を求め、そこからプリズム12を通る線を求めて、この線上に所定個の測定ポイント10を求めている。図1の場合は、プリズム12の下部点を通る直線13上に等間隔の測定ポイント10が例として図示されている。また、既に打設されたコンクリート面の上には、直線13上に等間隔の測定ポイント10が例として図示されている。この測定ポイント10は、後述するメッシュのセルの中心点になる。
これにより、レーザ測距機2は、設置された場所から現場を計測し、計算機3では、それを設計データと重ねて表示可能になる。これらの一連の計測が終わると、コンクリート床版仕上がりの高さ管理ができるようになる。レーザ測距機2は、設計データをもとに予め前記設定されたスキャン範囲で自動旋回して計測を行う。尚、レーザ測距機2は、計算機3から受信し、指示された測定ポイント10へ自動旋回して計測を行うこともできる。レーザ測距機2が計測を終了すると、レーザ測距機2は計測データを計算機3へ送信する。
計算機3は、コンクリート床版仕上がりの高さに関するデータを、ディスプレイ9上に表示し、所定の帳票形式で出力し、これがプリンタ(図示せず。)等で印刷される。また、ディスプレイ9で表示されている図面がそのまま帳票出力されても良い。更に、計算機3は、この帳票出力を、通信機能を利用して管理センターへ送信することもできる。帳票出力は、計測最中に任意のタイミングで行うこともできる。
[全体の流れ]
図2は、コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1によって、コンクリート打設するときのコンクリート打設高さを管理する流れを示すフロー図である。まず、計算機3を電源に接続又はその電源ボタンを操作して、計算機3に電源供給を行い、計算機3を稼働させる。計算機3が稼働すると、そのメモリ上に、施工管理プログラム4が読み込まれて、動作を開始する(ステップ1)。施工管理プログラム4が稼働すると、設計データが計算機3に入力される(ステップ2)。
この設計データは、コンクリート床版を施工するための設計データである。設計データは、図1に示したようなコンクリート型枠7、鉄筋8の設計データも含む。コンクリート床版の設計データは、事前に専用の設計ソフトウェア等で作成される。設計データは、その設計ソフトウェアの専用の形式、又は、テキスト形式で保存される。設計データは紙媒体等から管理者が計算機3に直接入力することができるが、膨大なデータであり実用的ではない。本発明の第1の実施の形態において、設計データの手動入力を排除せず、管理者が設計データを全部又はその一部を、手動で計算機3に入力することができるものとする。
本発明の第1の実施の形態において、少なくとも、計算機3に入力された設計データを、管理者が手動で、削除、追加、訂正等のように修正することができる。又は、管理者が手動で、計算機3に、設計データの一部のデータ、現場に関するデータ等を新規に追加することができる。設計ソフトウェアで作成された設計データは、計算機3の内蔵の補助記憶装置、携帯用補助記憶装置、ネットワーク上の記憶装置に保存され、計算機3で動作する施工管理プログラム4によって、保存場所から読み出される。
管理者は、施工管理プログラム4によって、現場に関する情報、現場の基準点等の現場データを入力する(ステップ3)。更に、管理者が現場管理するための道路の幅、長さ等を指定又は入力して表示することもできる。施工管理プログラム4は、この設計データを、読み込んで、コンクリート床版の設計データを、ディスプレイ9上にコンクリート床版仕上がり高さ管理現場図として表示する。そのとき、施工管理プログラム4は、現場の基準点に基づいて、現場の設置位置補正(後述する「後方交会法」である。)を行う(ステップ4)。
そして、最終的に、現場の道路の幅や長さで指定されたコンクリート床版仕上がり高さを管理する現場図がディスプレイ9に表示され、計測する用意ができる(ステップ5)。その後、コンクリート床版仕上がり高さの管理現場では、計測が開始され、レーザ測距機2が現場のスキャニングを行う(ステップ5、6)。現場のスキャニングは、指定されたスキャン範囲で、各計測ポイントのスキャニング(計測)を行う。レーザ測距機2による現場のスキャン範囲のスキャニングが終了すると、計算機3へ計測データを送信する等して、データ交換が行われる(ステップ7)。
レーザ測距機2は、その中で指定されて又は計算機3からの指示で、計測を一回のみ、又は、所定間隔で定期的に行うことができる。図2のフローチャートの例では、一回のみの計測の場合、レーザ測距機2のスキャニングが終了次第、データ交換が行われて計測を終了し、次の処理へ移行する(ステップ8→ステップ11)。一回のみの計測ではない、定期的な監視の場合は、レーザ測距機2が監視時間になったか否かを確認する(ステップ8→ステップ9→ステップ10)。監視時間になった場合、現場のスキャニングを行う(ステップ10→ステップ6)。
そして、レーザ測距機2は計算機3とデータ交換を行う(ステップ7)。監視時間になっていない場合は、監視時間になるまでに、所定時間間隔で時間確認しながら待機する(ステップ10→ステップ9)。スキャニングの頻度は、管理者が、レーザ測距機2又は計算機3から指示して任意に設定することができる。打設が終わると、レーザ測距機2は、コンクリート打設の現場から撤去され計測が完了する。本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1によるコンクリート床版仕上がり高さ管理は、平坦度計測とキャンバー確認等からなる。
[平坦度計測及び表示]
平坦度計測は、コンクリート床版仕上がり面に設計値からずれる膨らみ又は凹み、言い換えるとたわみを計測するものである。平坦度計測は、コンクリート床版仕上がり面の所定の方向の1線、特に道路の幅方向の線に沿って、計測値が設計値からずれて膨らみ又は凹みがあるかを計測し表示するものである。コンクリート床版仕上がり高さ管理箇所に、特にコンクリート打設面のたわみを計測するめに、支持棒12a等の取り付け具でプリズム12を設置する。
コンクリート打設面のたわみは、直線又は曲線状に沿って管理するので、プリズム12付きの支持棒12aは1線上に設置される。例えば、図1で図示したように、コンクリート打設面の中央辺りに、プリズム12付きの支持棒12aが複数設置されている。平坦度計測の概要を図3に図示している。図3(a)に、コンクリート打設面としては、道路5の表面5aの上面図の概念図を図示している。表面5aの上に、管理ラインLc,Lc’が破線で図示されている。この例では、管理ラインLc,Lc’が直線状になっている。
図3(b)に、コンクリート打設面の断面において、管理ラインLcを側面から見た概念図を図示している。管理ラインLcは、設計データに基づくもので、コンクリート打設の表面に沿う線である。言い換えると、管理ラインLcは、コンクリート打設の目標となる表面高さになる。図3において、管理ラインLcの上に、L2,G1L,G1,G1R,R2の点がある。点G1L,G1Rは、X,Y,Z座標が登録された点である。点L2,G1,R2は、X,Y座標が登録された点であり、点G1Lと点G1Rの座標から計算されて、点L2,G1,R2の高さが決定される。
点G1は、コンクリート打設面に中央辺りの点であり、言い換えると、点G1Lと点G1Rの中間付近に位置する。点L2,R2は道路面の側面方向の点である。点L2,G1L,G1,G1R,R2は1線上にあり、この線は、道路面の長さ方向に対して任意の角度を有することができるが、実用的には、道路面の長さ方向に対して略直角であることが運用しやすい。よって、図3(a)に図示したように、管理ラインLcは、表面5aの長さ方向に対して略直角にした。上述のスキャニングで得られた結果は、図3(b)に打設結果ラインLsで表示されている。
打設結果ラインLsと管理ラインLcに差があると、コンクリート打設が正しく行われていないことになる。例えば、打設結果ラインLsが管理ラインLcより高い場合は、差d1が生じ、コンクリート打設表面に膨らみができる。逆に、打設結果ラインLsが管理ラインLcより低い場合は、差d2が生じ、コンクリート打設表面に凹みができる。施工管理プログラム4は、このような差がある場合、それを色分け等をして強調して表示する。
図4には、計算機3において、平坦度を求める手順の例を示すフローチャートを図示している。まず、施工管理プログラム4は、平坦度の計算を開始する(ステップ20)。施工管理プログラム4は、最初は、コンクリート打設の設計データを補助記憶装置等から受信し、コンクリート打設表面の設計直線を計算して求める(ステップ21,22)。この設計直線は、図3に示した管理ラインLc,Lc’である。この管理ラインLcは、コンクリート打設表面に所定の間隔Dで、表面5aの長さ方向に隣接して配置されてディスプレイ9上に表示される。
この間隔Dは、コンクリート打設表面の現場状況に合わせて様々に決定される。標準値があっても、現場の工事責任者が最終的に決定すると良い。その理由は、建設中の道路の建設現場の状況に応じて間隔Dを数メートルの長さから数十センチの長さに設定する。道路に急カーブのように、局所的な変化が大きい場合は、特に、上下変動が多い場所では、間隔Dを短くした方が良い。各管理ラインLcでの高さ計算をすると、隣接するライン間で高さが異なるので、間隔Dをできる限り短くする方が良い。道路5の表面5aが平面の場合は、間隔Dを長くとっても良い。
この場合は、道路表面には、局所的な変化がほとんどないので、間隔Dが長くても、高さの計算にほとんど影響しないためである。そして、施工管理プログラム4は、レーザ測距機2から計測データ(計測地点の計測値)を受信する(ステップ23)。その後、施工管理プログラム4は、計測データを利用して、各計測地点の設計座標を、設計直線から求める(ステップ24)。計測地点の計測値を、設計座標と比較する(ステップ25)。この比較では、図3に図示した差d1、d2等の膨らみ、凹み等を求めて、その結果をディスプレイ9上に表示する。
この表示の際、差d1、d2の長さに応じて強調表示する(ステップ26)。言い換えると、計測値を設計値と比べ、その膨らみ度又は凹み度に応じて強調表示する。強調表示は、限定しないが、例えば、差d1、d2の長さに応じて別々の色で表示する。例えば、差d1、d2の長さが非常に長い場合は赤色で、差d1、d2の長さが0に近い場合は緑色で表示する。その間は、黄色、青色、黒色、茶色等の色で分けて表示することができる。このように強調表示の仕方はこれに限定するものではなく、現場の状況に合わせて任意に設定できるものである。
強調表示がディスプレイ9上に表示されると、管理者はこれを見て、道路のコンクリート打設の度合い、進行度を簡単に把握することができる。施工管理プログラム4は、その後、次の処理に移行する(ステップ27)。図5には、施工管理プログラム4によって求められた平坦度の値の例を図示している。この平坦度の値は、施工管理プログラム4を操作して、ディスプレイ9上に表示することができる。また、求められた平坦度の値は、補助記憶装置に保存され、保存されたものが取得されてディスプレイ9上に表示されて閲覧することができる。
無論、この平坦度の値は、現場のコンクリート打設の進捗状況を証明する証拠となり、時間経過情報として保存・保管される。図5には、ディスプレイ9上に表示される平坦度の値が表形式で表示されている。図5(a)に図示したように、ディスプレイ9に平坦度の値を示す表50が表示されている。表50の第1欄51は図3に図示した管理ラインLcの各点を示し、第1行52は各管理ラインLcを示している。表50の各セルには求められた平坦度の値が表示されている。この表50には平坦度の値の乖離値が表示されている。
平坦度の値の乖離値は、図3の差d1と差d2である。この平坦度の値の乖離値は、計測値が設計値より高かった場合、正の値になる。この平坦度の値の乖離値は、計測値が設計値より低かった場合、負の値になる。この平坦度の値の乖離値が所定の値以上の場合、その値の有するセルを強調表示している。例えば、表50のセル53は図5(a)の中でハッチングされているが、実際のディスプレイ9上には青色で表示される。このように強調表示されたセルの値は全て−15mm以下の小さい値である。
言い換えると、コンクリート打設面が設計値より−15mm以下の低い場合である。その他のセル、例えばセル54は、図5(a)の中でハッチングされていないが、実際のディスプレイ9上には緑色で表示される。図5(b)には平坦度の実際の計測値を示している。図5(b)の表55の第1欄51(同じ点の値を表示するので、図5(a)と同じ参照番号を利用した。以下、同様である。)は図3に図示した管理ラインLcの各点を示し、第1行52は各管理ラインLcを示している。
表55の各セルには、平坦度の計測値が表示されている。平坦度の計測値は、第1欄51の各点で計測した高さである。各セルの中で、図5(a)でハッチングしたセルと同じセルがハッチングされており、図5(a)と同じように強調表示される。これにより、管理者は、各セルに当たる場所がどのくらいの高さに打設されており、その高さが設計値より低いか高いかを簡単に把握できる効果がある。
図6は、ディスプレイ9の表示例である画面60を例示している。画面60には、コンクリート床版仕上がりの高さ管理の状況を表示する第1領域61と、表示する値を選択するための第2領域62、高さの指標を示す第3領域63と、選択された値を表示する第4領域64等が表示されている。
第1領域61には、レーザ測距機2の動作状態を表示する領域61aと、レーザ測距機2の計測の種類を示す領域61bと、計測の現在時刻又は第4領域64に表示する値の計測時刻を示す領域61c、計測した値が設計値からずれたときそのずれた度合いに応じて警報レベルを示す領域61d等がある。
領域61aは、レーザ測距機2の動作状態を、待機しているときは「待機中」、計測しているときは「計測中」等と動作状態に応じて表示する。領域61bは、レーザ測距機2の計測の種類を示す。コンクリート打設表面の平坦度を計測する設定になっている場合は「平坦度」になり、図11に示すように、キャンバー計測の場合は「キャンバー」になる。領域61cは、計測の現在時刻又は表示されるデータの計測時刻を、年月日と時刻の順で表示する。
領域61dは、警報の度合いを複数のレベルで表示するもので、これは第4領域64に表示される計測値と設計値のずれに応じて表示レベルを表示する。本例では、警報レベル「警報LV3」になっている。このレベルを参照して、コンクリート打設が設計値からどのくらいずれているかが把握できる。例えば、警報レベルは、最大の警報レベル、言い換える、大きくずれている場合は、警報レベルを上げたりする。
第2領域62は、第4領域64に表示される値を選択するものであり、設計値と計測値の変位値を選択して表示する領域62aと、計測値を選択して表示する領域62bと、設計値(計算値)を選択して表示する領域62cと、計測値が設計図と設計値から乖離することを示す色彩表示を選択して表示する領域62d等がある。領域62a〜領域62dは、タッチパネル式ディスプレイの場合、作業者がタッチして選択するためのボタンを有するものであっても良い。第2領域62で選択された値は、第4領域64に表示される。
第3領域63は、第4領域64に表示される計測値が設計値からどのくらいずれているかを強調表示するための強調の度合いを示すマークからなる。本例では、強調の度合いを示すマークは、色彩表示になっている。第3領域63は、上から、領域63aから領域62bまで複数の領域に分割されており、それぞれが強調の度合いを示すマークである。第4領域に表示される各値はこのマークによって強調表示される。この表示例は、図5ですでに色彩表示を例に説明している。
第3領域63は、強調表示のためのマークとしては、色彩表示の他に、特定の図、シンボルからなるキャラクター、複数の種類のハッチング、表示する値を太線〜細線で表示、表示する値のフォントの大きさ等を用いることができる。また、第3領域63の強調表示のためのマークは、強調表示の度合いによってアナログ的に緩やかに色変化する強調表示でも良い。第4領域64には、第2領域62で選択された値を表示する。本例では、図5に図示した例を表示している。
画面60には、第4領域64の下に、第4領域に表示されている値の計測状況、又は設計を示す図を2次元図又は3次元図で表示する領域65と、第4領域64に表示される値を経過時間で再生するための選択再生ボタンを備えた領域66と、設定とプログラムを終了させるためのボタン等を有する領域67がある。領域66の平坦度ボタン66aは、平坦度計測をする、又は、その計測値を表示するために操作するボタンである。領域66のキャンバーボタン66cは、キャンバー計測をする、又は、その計測値を表示するために操作するボタンである。
再生ボタン66bは、第4領域64に選択された値を時系列で表示することを開始させる。領域67には、計測済みの過去情報を表示するボタン67aと、プログラムの設定又は表示画面の設定を行うための画面へ遷移するボタン67b、計測された値又は画面60の表示状況、設定等を保存するためのボタン67c、画面60又はプログラムを終了させるためのボタン67d等がある。また、第4領域64の右上の領域50aは、第4領域64に表示される値の単位を示している領域である。
[キャンバー確認及び表示]
本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、コンクリート打設面を3次元スキャニングし、キャンバー確認しながらコンクリート打設が行われる。キャンバーは、コンクリートの打込み時やその後のクリープなどによる沈下を考慮して打設表面の鉛直位置を高く設定するものである。本実施の形態において、キャンバー確認又はキャンバーとは、コンクリート打設表面が設計値からずれることを意味する。
本発明の第1の実施の形態のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1は、コンクリート打設面を3次元スキャニングし、このスキャン結果を変換補正して、得られたデータからメッシュ情報を作成する。このメッシュとは、コンクリート打設の表面を一つの平面とみなして、長方形、四角形、三角形、台形等の所定の幾何学図形からなるセルに分割して、それを設計値と比較するものである。本実施の形態において、四角形の図形からなるセルにコンクリート打設表面を分割している。
図7には、このメッシュの例を図示している。道路5の表面5aは、その長さ方向に縦と横に同じ間隔で引かれた線でメッシュにしている。ここで、隣接する縦の2並行線と、この2並行線とほぼ直角をなして引かれた隣接する2並行線で囲まれた略四角形の領域をセルとする。図7の例では、参照番号70で1つのセルを示している。各セルの中心点は、参照番号71で図示している。このセル中心点71は、設計点72との違いを分かりやすく表すために丸で表示しているが、その中心点の座標がセル中心点71である。セル中心点71は、セル70の対抗する2角を結ぶ直線の交差点である。
設計点72は、コンクリート打設を行っている道路5を設計するときに決定した設計データを示す点で、基本的に3次元座標で表される。レーザ測距機2でスキャン範囲をスキャニングしたデータは、基本的に細かい間隔でスキャンする。ここでいうメッシュは、スキャンと同じ間隔にして良いが、ほとんどの場合、スキャン範囲のスキャニング間隔(計測ポイントの間隔)より長くする。図7のセル70の中に複数のスキャンポイントが入っている。メッシュ情報作成は、スキャンされたスキャン範囲のデータから、スキャン範囲を適当な大きさのセル70に分割してメッシュ化したものである。
メッシュ化するとき、セル70の中に計測データがない場合は、施工管理プログラム4は、そのセル70について計測データがない旨の警報を出力する。スキャン精度、言い換えるとスキャン間隔がセル70より大きくないので、このようなエラーはほとんど出ない。出た場合は、スキャン間隔を小さくしたり、又は、セル70の大きさを大きくしたりして、このエラーを解決することができる。また、そのセル70の位置に障害物がある可能性があるので、エラーのセル70を後段の処理から外すこともできる。
[キャンバー計測と表示の流れ]
図9は、コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1によって、コンクリート打設するとき、キャンバーを計測し画面上に表示する手順の例を示すフローチャートである。このフローチャートの説明で用いる用語は、基本的に、図2及び図4のフローチャートの説明で記述した用語と同じ概念であるため、その定義は省略する。まず、計算機3を電源に接続又はその電源ボタンを操作して、計算機3に電源供給を行い、計算機3を稼働させる。
計算機3が稼働すると、そのメモリ上に、施工管理プログラム4が読み込まれて、動作を開始する(ステップ40)。施工管理プログラム4が稼働すると、設計データが計算機3に入力される(ステップ41)。管理者は、施工管理プログラム4によって、現場データの入力、道路の幅、長さ等の指定、入力、表示、現場の設置位置補正等は、前述の平坦度計測のとき行われているので、これらの作業は省略される。もし、これらの作業が行われていない場合は、これらの作業は図2及び図4のフローチャートで説明した通り行われるので、ここではその説明は省略する。
施工管理プログラム4は、打設表面をメッシュ化して、各セル中心点71の設計のX,Y座標を求める(ステップ42)。メッシュ化は、図7の通り行われる。各セル中心点71の設計座標が決定されると、そのセル中心点から周囲の4地点の設計点を求める(ステップ43)。この4地点は、図8(a)で示すように、セル中心点cと、その周囲の4地点である点1〜4である。そして、この周囲の4地点から、セル中心点cのZ座標を求める(ステップ44)。
そして、セル中心点cを計測した計測値と比較し、セル中心点cに一番近い計測点の計測値を求める(ステップ45)。セル中心点cに一番近い計測点の計測の値を、当セルの計測値とする(ステップ45)。そして、セル中心点cの座標X,Y,Zと、セルの計測値を比較する(ステップ46)。この比較の結果をディスプレイ9に表示する(ステップ47)。この比較で、セルの計測値が設計値とどのくらいずれているかを示す値が、変位値としてディスプレイ9上に表示され、そのセルがその変位値の度合いに応じて強調表示される。その後、施工管理プログラム4は次の処理へ移行する(ステップ48)。
上述のように、道路5の表面5aは、メッシュ化され細かいセルに分割されている。メッシュ化は、表面5aを上面からみて2次元的に行われるので、メッシュの各点は2次元座標が付与される。言い換えると、メッシュの各セルの角の点が2次元座標(X,Y座標)として付与され、そのセル中心点もここから2次元座標(X,Y座標)が求められる。ここで、各セルを計測値と比較するためにはその高さ方向の座標が必要である。また、このセルの大きさは必ずしも設計値をその角に持つものではなく、隣接する設計値の間に、セルが完全に入ったり、複数のセルが入ったりすることがある。
そのため、セルの中心点を求め、その中心点の設計上の高さを求めるとき、このセルに一番近い4個の設計点の高さを利用する。言い換えると、セル中心点cに一番近い4個の設計点の高さからセル中心点の高さを求める。この4設計点は、基本的に略1平面をなしており、その間に、言い換えるとこの平面に位置する点は、この4設計点の一番高いZ座標の値と一番低いZ座標の値の間にある。よって、セル中心点のZ座標は次のように求められる。
この求め方は、図8(b)に図示されている。その計算方法は次のように行われる。セル中心点cからそれを囲む一番近い4個の設計点へ線を引く。セル中心点cを囲む一番近い4設計点は、基本的に四角形を形成し、この四角形の各辺へセル中心点cから垂直線を引き、この垂直線と各辺の交差点を求める。図8(b)の例では、点1と点2を結ぶ線にセル中心点cから垂直線を引き、その交差点を点aとし、その垂直線の長さはh1としている。
また、点3と点4を結ぶ線にセル中心点cから垂直線を引き、その交差点を点bとし、その垂直線の長さはh2としている。このとき、点aのZ軸の座標、言い換えると高さは、点1と点2のZ軸の座標と、点aと点1の長さ、点aと点2の長さの比率から求められる。同じく、点bのZ軸の座標、点3と点4のZ軸の座標と、点bと点3の長さ、点bと点4の長さの比率から求められる。よって、点aと点bのZ軸座標が決まると、セル中心点cのZ軸座標が点aと点bのZ軸座標の間に位置する。点aと点bのZ軸座標の差を、垂直線h1とh2の長さの比率で割って求めることで、セル中心点cの高さが決まる。
もう一つの方法は、点1と点2と点cは三角形をなしており、この三角形を点cを軸にX,Y面で、点1と点2からなる線がX軸又はY軸と平行になるように回転させる。平行になったら、点cのY軸又はX軸の値と、平行線のY軸又はX軸の値との差がh1になる。そして、点1と点2からなる線へ点cから垂直線を引き、その交差点の座標を求める。その後、回転角度と同じ角度で、この三角形を元へ戻るように回転させ、そのとき求めた交差点が点aになり、この回転角度から点aの座標X,Yが求められる。
そして、点aは、点1と点2のZ軸の値の間にあり、点1と点2のZ軸の差から、点1と点aの長さ、点2と点aの長さの比率から、点aの3次元座標が求められる。点3と点4と点cも同様に、三角形をなしており、この三角形を点cを軸に、X,Y面で、回転させて、点3と点4からなる線がX軸又はY軸と平行になるように回転させる。平行になったら、点cのY軸又はX軸の値と、平行線のY軸又はX軸の値との差がh2になる。そして、点3と点4からなる線へ点cから垂直線を引き、その交差点の座標を求める。
その後、回転角度と同じ角度で、この三角形を元へ戻るように回転させ、そのとき求めた交差点が点bになり、この回転角度から点bの座標X,Yが求められる。そして、点bは点2と点3のZ軸の値の間にあり、点3と点4のZ軸の差から点3と点bの長さ、点4と点bの長さの比率から点bの3次元座標が求められる。最後は、求めた点aと点bのZ軸の値の間に、点cのZ軸の値があり、点aと点bのZ軸の差から、h1とh2の長さの比率から、点cのZ軸座標が求められる。よって、点cの三次元座標が決まる。
図10には、施工管理プログラム4によって求められたキャンバーの値の例を図示している。このキャンバーの値は、施工管理プログラム4を操作してディスプレイ上に表示、又は、補助記憶装置の中から取得して閲覧することができる。無論、このキャンバーの値は、現場のコンクリート打設の進捗状況を証明する証拠となり、時間経過情報として保存・保管される。図10には、ディスプレイ9上に表示されるキャンバーの値が表形式で表示されている。図10(a)に図示したように、ディスプレイ9に、キャンバーを示す表80が表示されている。
表80の第1欄81は、メッシュの縦軸(道路沿いの軸)のセル欄の番号を示し、第1行82は、メッシュの横軸(道路沿いの軸に垂直軸)のセル行の番号を示している。その交差点は、図7で示した各セル83に当たる。各セル83には、求められた変位値が表示されている。この変位値は、各セル83の計測値がセル中心点の設計値からずれる値、言い換えると変位値を示す。正の値の場合は、計測値が設計値より高い値を示し、言い換えるとコンクリート打設が過剰になり膨らみが出ていることになる。
負の値の場合は、計測値が設計値より低い値を示し、言い換えるとコンクリート打設が足りず凹みになっていることになる。図10(a)に図示した各セル83は、複数の種類でハッチングされて強調表示されている。実際のディスプレイ9上には、ハッチングの変わりでは色別に表示される。このように強調表示されたセルの値は、その強調の種類、ハッチングの種類によって、変位値が異なる範囲である。例えば、左下から右上へ伸びる線でハッチングされたセル84の場合は、変位値が70mm以上の値である。
横線でハッチングされたセル86の場合は、変位値が8mm以下の値である。右上から左下へ伸びる線でハッチングされたセル85の場合は、変位値が20mm以上25mm以下の値である。ハッチングされていない他のセルは上記の範囲以外のセルである。図10(b)には、キャンバーの実際の計測値を示している。図10(b)は図10(a)と同じく各セル83を表示しており、各セルの内容は計測値を表示している。各セル83は、図10(a)と同じく強調表示されている。
これにより、管理者は、各セル83に当たる場所がどのくらいの高さに打設されており、その高さが設計値より低いか高いかを簡単に把握できる効果がある。図11は、ディスプレイ9の表示例である画面60を例示している。画面60は、図6と基本的に同じであり、キャンバーの値を表示する例である。図6と違うのは、第4領域64には、キャンバーの計測値、設計値、変位値などが表示されている。また、領域65には、第4領域64に表示された選択されたセルの座標が表示されている。打設が終わるといったんレーザ測距機2はコンクリート打設の現場から撤去され計測が完了する。
[施工管理プログラム4の構成]
施工管理プログラム4の機能とその動作概要を上述の通り説明した。施工管理プログラム4は、次の図12に例示したように、これらの機能を実現する複数のモジュールからなることができる。図12には、計算機3上に動作する施工管理プログラム4の構造の概要をブロック図で図示している。施工管理プログラム4は、3Dスキャン制御モジュール90、座標結果変換・補正モジュール91、結果情報分析モジュール92、平坦度分析モジュール93等からなる。
3Dスキャン制御モジュール90は、レーザ測距機2を制御するためのモジュールで、レーザ測距機2の位置確認する機能、レーザ測距機2へ指令を送り3Dスキャンの実施を行う機能、レーザ測距機2によって行われたスキャニングの計測結果である計測データを受信する機能等を備える。3Dスキャン制御モジュール90は、レーザ測距機2から計測データを受信するとき、バイナリデータになることが多いが、テキスト形式等も受信することができ、受信したバイナリデータをそのまま、又はテキストデータ等に変換して、後段のモジュールに送信する。
座標結果変換・補正モジュール91は、計測データを処理して、座標の位置補正処理を行う機能、回転補正処理を行う機能、3次元座標情報作成する機能等を備える。座標結果変換・補正モジュール91においては、上述のメッシュ化処理が行われる。結果情報分析モジュール92は、初期座標を設定する機能、初期座標から変位量を計算する機能、計算結果をディスプレイ9に表示する機能、座標情報のエラーを自動処理する機能等を備える。平坦度分析モジュール93は、設計座標を設定する機能、設定した面の平坦度を計算する機能、施工完了後の設計座標、計測座標の差分を計算する機能等を備える。
図12に図示したように、3Dスキャン制御モジュール90は、レーザ測距機2から受信した計測データを、座標結果変換・補正モジュール91へ送信する。座標結果変換・補正モジュール91は、この計測データを処理して、その結果は、結果情報分析モジュール92と平坦度分析モジュール93の両方に利用される。結果情報分析モジュール92と平坦度分析モジュール93で、計測データを処理した結果は、ディスプレイ9に表示され、そして、補助記憶装置に保存される。
このように、施工管理プログラム4のその機能を実現するには、図12に図示したように、全ての機能を内部モジュールで実現することができるが、機能の一部を外部のアプリケーションプログラムに処理させて、その結果を施工管理プログラム4が受け取ることができる。特に、メッシュ化処理などのように膨大なデータを処理する場合、高速で処理できる専用のアプリケーションプログラム、専用のデバイスが有利であり、現場の要求に応じて適宜選択できるものである。このような専用のアプリケーションプログラムと専用のデバイスは、図示していないが、本発明の範囲に入るものとする。
[効果]
このように、本発明のコンクリート床版仕上がり高さ管理装置1の第1の実施の形態によれば、コンクリート床版仕上がりの高さを自動的に計測し、それを、その目標とする高さとの差を求めてディスプレイ9に表示している。コンクリート打設の現場の管理者、作業者、遠隔の管理センターで、ディスプレイ9、帳票を確認して、コンクリート打設の進捗状況を一目で把握することができる。特に、コンクリート床版の面積が大きい場合は、1センチ、数ミリの誤差は、作業者や現場管理者の肉眼で確認できないことがあるので、この場合は、ディスプレイ9を見ることで、コンクリートの過不足がわかる。
従来は、コンクリート打設の現場では、数十センチ置きに、コンクリート床版仕上がりの目標高さを示す印を設置し、コンクリートを打ち込みしながら肉眼、物差しで測りながら作業を行っていた。コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1を利用することで、この印を設置することが必要なくなり、現場の作業の効率も格段に向上した。コンクリート床版仕上がり高さ管理装置1で、コンクリート打設の各ポイントを自動的に計測するので、1ミリ単位、場合によってそれ以下の精度でコンクリート床版仕上がり高さが管理できる。コンクリート床版が、上り坂や下り坂の場合や歪んでいる面の場合も、コンクリート床版仕上がり高さを1ミリ単位で管理できるようになった。
これにより、コンクリート打設の品質が格段に向上する。情報化が図れ、管理センター等の遠隔からもコンクリート打設の進捗状況を瞬時に把握することが可能になった。道路のカーブでも、道路面は地面に対して並行ではなく角度を有する場合、設計データに基づいて計測ポイント10を設定することが好ましい。このように、本発明は、道路面の形状が複雑な形状でも、計測ポイント10を設定することができるという顕著な効果を有する。
本発明は、道路、高速道路等の土木工事、大型建造物の床のコンクリート打設等の分野に利用すると良い。
1…コンクリート床版仕上がり高さ管理装置
2…レーザ測距機
2b…アンテナ
3…計算機
4…施工管理プログラム
5…道路
5a…表面
6…橋脚
7…型枠
8…鉄筋
9…ディスプレイ
10…計測ポイント
11,12…プリズム
11a,12a…支持棒
90…3Dスキャン制御モジュール
91…座標結果変換・補正モジュール
92…結果情報分析モジュール
93…平坦度分析モジュール

Claims (5)

  1. コンクリート床版を施工するため、型枠内にコンクリートを打ち込むコンクリート打設において、
    前記コンクリート打設時に、打設された前記コンクリート床版の表面を計測するためのレーザ測量手段と、
    (a)前記計測を行った計測地点の設計上の座標を表す設計値を、前記計測地点の周囲の4点以上の設計地点の設計座標から計算して求め、(b)前記計測地点を前記計測したときの座標である計測値を前記設計値と比較計算する計算手段と、
    前記計算された結果を用いて、前記設計値からなり目標とする前記コンクリート打設の目標表面高さと、既に打設された表面である打設表面との高さの違い、又は、前記目標表面上の管理線から前記管理線の計測値が変位する平坦度を表示する表示手段と
    からなることを特徴とするコンクリート床版の仕上がり高さ管理装置。
  2. 請求項1において、
    前記計算手段は、前記平坦度を求めるとき、前記計測値の近傍の2地点の前記設計座標から、該2地点を結ぶ設計直線を計算し、前記設計直線から前記計測値の設計値を求める
    ことを特徴とするコンクリート床版仕上がり高さ管理装置。
  3. 請求項1において、
    前記計算手段は、
    (c)前記コンクリート床版の前記表面を所定の大きさの複数のセルにメッシュ化して分割し、1一つの前記セルの中心点の設計値である設計中心点を、前記セルの中又は近傍の前記4地点の前記設計座標から、計算して求め、
    (d)前記設計中心点に一番近い前記計測地点の計測値を、前記セルの計測された値であるセル計測値として求め、
    (e)前記設計中心点を前記セル計測値を比較計算してセル比較計算結果を出力し、
    前記表示手段は、前記セル比較計算結果を用いて、前記目標表面の高さと前記打設表面の高さの違いを表示する
    ことを特徴とするコンクリート床版仕上がり高さ管理装置。
  4. 請求項3において、
    前記計算手段は、
    (c)前記コンクリート床版の前記表面を所定の大きさの複数のセルにメッシュ化して分割し、1一つの前記セルの中心点の設計値である前記設計中心点を、前記セルの中又は近傍の前記4地点の前記設計座標から、計算して求め、
    前記設計中心点の座標は、それを囲む4つの前記地点の設計座標から求める
    ことを特徴とするコンクリート床版仕上がり高さ管理装置。
  5. 請求項1乃至4の中から選択される1項において、
    前記表示器は、前記目標表面と前記打設表面との違いを、色彩、シンボル、キャラクター及びハッチングの中から選択される1以上の強調方法で異なる表示で行う
    ことを特徴とするコンクリート床版仕上がり高さ管理装置。
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