JP7017237B2 - 軌道用路盤計測システム - Google Patents

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Description

本発明は軌道用路盤計測システムに関し、より詳細には軌道スラブを路盤コンクリート上に設置する作業において、路盤コンクリート表面の出来具合のチェック並びに研磨補修が必要となる位置・深さ・範囲を簡易的かつ安全に特定し、これにより軌道スラブ設置作業にかかるコスト及び時間を大幅に短縮することを可能にする軌道用路盤計測システムに関するものである。
近年、鉄道車両用線路(レール)用軌道として、スラブ軌道が用いられている。図9に示されるように、スラブ軌道は複数のユニットに分割され、各ユニットは突起間毎に直列に接続されている。各ユニットは、コンクリート板の軌道スラブと、軌道スラブと路盤コンクリートとの間の隙間を埋める調整モルタルと、軌道スラブの横方向の変位を抑制する突起とによって構成されている。このようにレールは、スラブ軌道によって強固に支持されるため、歪みにくくなり、メンテナンスが殆ど不要になる。従って、スラブ軌道は新幹線等の高速鉄道車両用線路を敷設するための軌道として用いられている。
スラブ軌道の路盤コンクリートは、作業現場にて施工者が型枠内にコンクリートを流し込みながら所定の勾配(目標勾配、又は設計上勾配)となるように、所定の治具で高さ調整を行うことによって作られる。そのため、路盤コンクリートの全表面について、勾配が目標勾配になることは少なく、通常は、路盤コンクリートの表面は広範囲に渡って目標勾配を超過していたり(膨らんだり)、下回っていたりする(凹んでいる)。一方、路盤コンクリート上に設置される軌道スラブは、工場にて規格の寸法を持つように予め精度良く作られている。
従って、軌道スラブを路盤コンクリート上の突起間に設置する場合、路盤コンクリート表面の出っ張り部(凸部)に起因して、軌道スラブが突起間にうまく嵌らない場合が殆どである。そのため、施工者は予め軌道スラブの実際の外形寸法を模擬した実寸模型(中空木枠)を作成し、その実寸模型を路盤コンクリート上に仮置きして、その嵌り具合によって路盤コンクリート表面の出っ張り部の位置・深さ・範囲を特定している。そして、実寸模型が突起間に嵌るように施工者が路盤コンクリート表面の該当位置を研磨している。
なお、上記実寸模型は工場内で製作された後、トラックによって作業現場まで運搬され、その後クレーン等の吊り上げ機械によって吊り上げられてトラックから下ろされる。トラックから下ろされた実寸模型は、通常6名の施工者が手で持って路盤コンクリート上の設置場所まで運んでいる。
特開平7-208983号公報 特開2018-9394号公報
上記実寸模型を使用した研磨補修作業においては、実寸模型を製作するための製作コスト、実寸模型をトラックにて作業現場まで運搬し作業現場にて実寸模型をトラックから下ろすための輸送コストが別途発生する。また、研磨補修作業完了後に作業結果(研磨位置・深さ・範囲)を記録する作業が別途発生する。更に、実寸模型が縦2m×横5m×高さ0.19mの外形寸法を有しているため、落下等の安全上の配慮が必要となる。このように、上記研磨補修作業は、通常よりも余分なコスト及び時間、並びに安全管理が必要になるという問題が発生する。
ところで、上記特許文献2では、コンクリート床板に関する目標勾配である設計直線(管理ライン)を予め取得して、レーザ測距機によってコンクリート床板を計測スキャンして、得られた計測点群を計算機に取り込み、計算機内部の専用のプログラムによってコンクリート床板の管理ラインからの乖離値を計測するという計測方法が開示されている。
従って、軌道スラブを路盤コンクリート上に設置する作業において、上記計測方法を使用して路盤コンクリート表面の出っ張り部を検出することは当業者ならば容易に想到することができる。
しかし、実寸模型は横寸法が5mを有し、例えば横方向に沿って20cmの間隔でコンクリート床板の傾きをチェックする場合、全部で25(=500÷20)個の管理ラインを予め事前に取得・計測する必要がある。つまり25回の計測作業が必要になりチェック作業が煩雑になるという問題がある。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は軌道スラブを路盤コンクリート上に設置する作業において、路盤コンクリート表面の出来具合のチェック並びに研磨補修が必要となる位置・深さ・範囲を簡易的かつ安全に特定し、これにより軌道スラブ設置作業にかかるコスト及び時間を大幅に短縮することを可能にする軌道用路盤計測システムを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る路盤計測システムは、光波による測距機能と測角機能を有する測量機(1)と、前記測量機の計測座標系の基準点を創出する1又は複数のターゲット部(2、3)と、前記測量機(1)が計測したデータを処理する計算機(4)とから構成され、軌道スラブが設置される路盤表面(50a)を計測する軌道用路盤計測システム(100)であって、前記路盤表面(50a)の設計段階における目標座標である複数の設計座標(51、52、53、54)を予め取得する設計座標取得プロセス(S1)と、前記設計座標に基づいて前記路盤表面(50a)の設計段階における目標勾配を算出し、当該目標勾配を有する仮想平面であって前記路盤表面(50a)からの高さ(h)が前記軌道スラブの深さ(D)に等しい前記計測座標系上の既知点(40a、41a)を通る仮想軌道スラブ上面(50b)を作成する仮想軌道スラブ上面作成プロセス(S3)と、前記測量機(1)を使用して前記路盤表面(50a)内を所定の計測間隔で計測し複数の実座標を取得するスキャンプロセス(S4)と、前記実座標から前記仮想軌道スラブ上面(50b)に到る距離(Lm,n)を算出し、当該距離(L)が所定の閾値以下である前記路盤表面(50a)上の位置を抽出する補修位置抽出プロセス(S5~S7)とを備えたことを特徴とする。
上記構成では、路盤表面(50a)の出来具合(凹凸状態)を判断する際の基準面として、設計上の路盤表面(50"a)に軌道スラブを設置した場合の仮想軌道スラブ上面(50b)を設定することが可能となる。なお、この仮想軌道スラブ上面(50b)は、実際の路盤表面(50a)と同一の計測座標系上の点であって路盤表面(50a)からの高さ(h)が軌道スラブの深さ(D)に等しい既知点(40a、41a)を通るように予め設定されている。これにより、上記既知点(40a、41a)を1回計測することにより、単一の仮想軌道スラブ上面(50b)を基準とした路盤表面(50a)の標高差(=距離L)を計測することが可能となる。つまり、上記スキャンプロセス(S4)によって路盤表面(50a)上の実座標(格子座標Pm,n)が得られると、仮想軌道スラブ上面(50b)を基準とした路盤表面(50a)の標高差が直ちに取得され、その取得された標高差の計測結果を基にして補修が必要となる路盤表面(50a)上の位置・深さ・範囲を瞬時に特定することが可能となる。
本発明の第2の特徴は、前記既知点(40a、41a)の前記路盤表面(50a)からの高さ寸法(h)を前記軌道スラブの深さ(D)に相当する値に設定すると共に、前記計測座標系の基準点とする高さ位置設定プロセス(S2)を備えたことである。
上記構成では、測量機(1)によって既知点(40a、41a)を計測することにより、自動的に計測座標系が設定されると共に、路盤表面(50a)の標高差についての基準面となる仮想軌道スラブ上面(50b)が設定されることになる。これにより、測量機(1)による既知点(40a、41a)の計測をトリガとして、路盤表面(50a)の計測スキャン、並びに仮想軌道スラブ上面(50b)を基準とした路盤表面(50a)の標高差の計測を自動的に開始することが可能となる。
本発明の第3の特徴は、前記測量機(1)は、前記スキャンプロセス(S4)において器械点(IP)から計測点までの直線距離(S)が長くなるにつれて前記計測間隔を密にして前記路盤表面(50a)を計測することである。
上記構成では、スキャンプロセス(S4)における計測誤差を小さくし、精度の高い実座標(格子座標Pm,n)を取得することができる。
本発明の第4の特徴は、前記計算機(4)は前記スキャンプロセス(S4)において取得した複数の実座標を格子状に再配置することである。
上記構成では、実座標を格子状に再配置することによって、路盤表面(50a)の出っ張り位置を特定し易くなり、更には研磨補修すべき深さ・範囲についても特定し易くなる。
本発明の第5の特徴は、前記計算機(4)は、前記距離(Lm,n)が所定の閾値以下である前記路盤表面(50a)上の前記位置を強調して表示することである。
上記構成では、研磨補修すべき路盤表面(50a)上の位置・深さ・範囲を施工者が容易に理解することができるようになる。
本発明の軌道用路盤計測システムによれば、路盤表面(50a)の標高差についての基準面となる仮想軌道スラブ上面(50b)が、測量機(1)の計測座標系上の点であって高さ寸法(h)が軌道スラブの深さ寸法(D)に相当する既知点(40a、41a)を通るように予め設定されている。これにより、測量機(1)によって上記既知点(40a、41a)を計測することにより、自動的に計測座標系が設定されると共に、仮想軌道スラブ上面(50b)が設定されることになる。これにより、測量機(1)による上記既知点(40a、41a)の計測をトリガとして、路盤表面(50a)の計測スキャン、並びに仮想軌道スラブ上面(50b)を基準面とした路盤表面(50a)の標高差の計測を自動的に開始することが可能となる。その結果、軌道スラブを路盤コンクリート上に設置する作業において、路盤コンクリート表面の出来具合のチェック並びに研磨補修が必要となる位置・深さ・範囲を簡易的かつ安全に特定し、これにより軌道スラブ設置作業にかかるコスト及び時間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る軌道用路盤コンクリート計測システムを示す説明図である。 本軌道用路盤コンクリート計測システムによる計測プロセスの一例を示すフロー図である。 軌道スラブ設置面の設計座標を示す説明図である。 本発明に係る仮想軌道スラブ上面を示す説明図である。 本発明に係る軌道スラブ設置面に対する計測スキャンを示す説明図である。 本発明に係る計測点群の格子座標への再配置示す説明図である。 第m行の各格子座標についての仮想軌道スラブまでの距離を示す説明図である。 本発明に係るデータ処理装置による軌道スラブ設置面について補修が必要となる位置を抽出した結果示す説明図である。 鉄道用スラブ軌道を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る軌道用路盤コンクリート計測システム100を示す説明図である。
この軌道用路盤コンクリート計測システム100は、軌道スラブ(図9)が設置される路盤コンクリート50上の軌道スラブ設置面(被測定対象面)50aを高速で計測(スキャン)し、軌道スラブ設置面50aの出来状態(凹凸状態)をチェックし、軌道スラブの設置に際し研磨補修が必要となる軌道スラブ設置面50aの位置・深さ・範囲を色彩等の視覚情報を付加して表示することができる計測システムである。つまり、スキャンによって取得された軌道スラブ設置面50aに関する計測点群から、研磨補修が必要となる軌道スラブ設置面50aの位置・深さ・範囲を抽出することができる。施工者は、その計測結果から、軌道スラブ設置面50aのどの位置をどの程度(深さ、範囲)研磨すれば良いかを知ることができる。
構成としては、光波による測距機能とエンコーダによる測角機能を有する測量機1と、同一座標系(器械点IP)を再現する計測基準点をつくるための第1ターゲット部2及び第2ターゲット部3と、測量機1が計測した計測値を処理するデータ処理装置4とを具備して、この軌道用路盤コンクリート計測システム100は構成される。なお、本計測システム100の計測基準点は、軌道スラブ設置面50aの両側に設けられた第1突起40の第1ピン40aと第2突起41の第2ピン41aである。第1ピン40a及び第2ピン41aは、第1突起40及び第2突起41の各内部に設けられ、軌道スラブ設置面50aからの高さ寸法hについては予め軌道スラブ(図9)の深さDに等しくなるように設定されている。
また、詳細については後述するが、第1ピン40aの座標または第2ピン41aの座標は、軌道スラブ設置面50aの標高差(図7)を計測する際の基準面となる仮想軌道スラブ上面50b(図4)を決定するための座標でもある。なお、「第1ピン40aの座標」と「第1ターゲット部2の第1ミラー2aの座標」との間の相対位置関係、並びに「第2ピン41aの座標」と「第2ターゲット部3の第2ミラー3aの座標」との相対位置関係は、共に既知としている。従って、施工者が第1ミラー2a及び第2ミラー3aを計測(視準)することにより、測量機1の計測座標系(器械点IP)が決定されると共に、軌道スラブ設置面50aの標高差(図7)を計測する際の基準面となる仮想軌道スラブ上面50b(図4)が決定されることになる。これにより、本軌道用路盤コンクリート計測システム100は、常時計測可能状態(計測スタンバイ状態)になる。以下、各構成について更に詳しく説明する。
測量機1は、測距機能と測角機能に加えて、立体面(構造物の外面)を所定の計測間隔(点密度)でミラーなし(ノンプリズム)で高速に計測することができる、いわゆる3Dスキャナー機能を有している。なお、測量機1の計測座標系としては、例えば、第1ターゲット部2の第1ミラー2aと、第2ターゲット部3の第2ミラー3aを視準することにより後方交会法によって決定される点を器械点IPとし、北方向(以下「N軸」という。)を軌道スラブ設置面50aにおける一の基準軸とし、東方向(以下「E軸」という。)を軌道スラブ設置面50aにおける他の基準軸とし、測量機1の器械点IPを通る鉛直方向(以下「H軸」という。)を高さ方向の基準軸とすることができる。
データ処理装置4は双方向無線通信機能を有し、測量機1によるスキャンによって得られた計測点群に係る座標データを無線を介して受信して、メッシュ状に再配置し、更に軌道スラブ設置面50aの標高差に係る計測結果について色彩等の視覚情報を付加してモニタ画面に表示することができる。同時に表示された画面を印刷機(プリンタ)に出力することも可能である。
このように、本軌道用路盤コンクリート計測システム100では、測量機1により第1ピン40a及び第2ピン41aの計測のみによって常時計測可能状態となり、軌道スラブ設置面50aの標高差(図7)を計測する際の基準面は、仮想軌道スラブ上面50b(図4)のみで足りることになる。以下、本軌道用路盤コンクリート計測システム100による計測プロセスについて説明する。
図2は、本軌道用路盤コンクリート計測システム100による計測プロセスの一例を示すフロー図である。
先ずステップS1として、軌道スラブ設置面50aについての設計座標を取得する。この設計座標とは、目標勾配(施工目標値)を有する、設計段階における軌道スラブ設置面(以下「設計軌道スラブ設置面」という。)50"a上の座標(図3)である。従って、この設計座標を使用して、設計軌道スラブ設置面50"aの目標勾配を算出することができる。
図3に示されるように、選択される設計座標としては、第1ピン40aと第2ピン41aとの間で中心軸CLの両側に位置し、且つ各ピン寄りに位置した4点の設計座標51,52,53,54を取得することが望ましい。なお、これらの座標51,52,53,54は、例えば路盤コンクリート50の設計業者等から取得することができる。
次に、ステップS2として、第1ピン40a及び第2ピン41aの高さおよび位置を計測する。上述した通り、第1ピン40a又は第2ピン41aの座標は、軌道スラブ設置面50aの標高差(図7)を計測する際の基準面とな仮想軌道スラブ上面50b(図4)を決定するための座標となる。従って、第1ピン40a又は第2ピン41aの高さhについては、現場にて軌道スラブ(図9)の深さDに等しくなるように予め設定される。なお、一般に平面の方程式は勾配(法線ベクトル)と1つの通過点によって決定される。従って、仮想軌道スラブ上面50b(図4)を決定する通過点としては、ここでは第1ピン40aの座標を使用することにする。従って、ピンの高さ設定については、第1ピン40aの高さ寸法hの設定のみで足りることになる。
次に、ステップS3として、仮想軌道スラブ上面50bを作成する。図4(a)に示されるように、仮想軌道スラブ上面50bは、設計軌道スラブ設置面50"aに実物の軌道スラブ(図9)を載置したときの軌道スラブ上面に相当する。つまり、仮想軌道スラブ上面50bは、設計軌道スラブ設置面50"aの目標勾配と計測基準点(第1ピン40a又は第2ピン41a)によって作られる仮想平面を意味している。目標勾配は、ステップS1の設計座標51,52,53,54を基に算出され、平面を決定するための通過点としては本実施形態では第1ピン40aの座標を使用している。なお、通過点としては第2ピン41aの座標を使用することも可能である。
従って、図4(b)に示されるように、設計軌道スラブ設置面50"aを実際の軌道スラブ設置面50aに置き換えることにより、軌道スラブ設置面50の仮想軌道スラブ上面50bからの標高差(図7)が所定の閾値以下である軌道スラブ設置面50a(路盤コンクリート50)の位置・深さ・範囲(すなわち、研磨補修が必要な部位)を瞬時に特定することが可能となる。
次に、ステップS4として、測量機1を使用して軌道スラブ設置面50aをスキャンする。図5(b)に示されるように、測量機1は第1ピン40aの座標及び第2ピン41aの座標に基づいて、軌道スラブ設置面50aを包絡する最小のスキャン範囲50cを自動的に算出し、スキャンを開始する。その際、図5(a)に示されるように、計測点群の密度については、器械点IPから計測点に到る直線距離Sが長くなるにつれて計測点群の密度を濃くするように測量機1はスキャン範囲50cをスキャンする。
次に、ステップS5として、ステップS4のスキャンによって取得した計測点群をメッシュ(格子)に再配置する。図6に示されるように、軌道スラブ設置面50aについてのスキャン計測点群50dをメッシュ計測点群50eに再配置するには、例えば、軌道スラブ設置面50aを中心軸CLに平行に所定の間隔で16分割すると共に、中心軸CLに直交する直線Lに平行に所定の間隔で36分割することによって、16×36=576個の矩形のセルを形成する。そして、各セル内に属する全ての計測点の各座標の平均値をそのセルの代表座標値とすることより、スキャン計測点群50dをメッシュ計測点群50eに再配置することができる。従って、本実施形態では576個の直交座標系に係る代表座標値(以下「格子座標」という。)が生成される。
次に、ステップS6として、各格子座標の仮想軌道スラブ上面50bまでの距離Lm,nを算出する。図7は、第m行の各格子座標についての距離Lm,nの算出を示している。この距離Lm,nは、仮想スラブ上面50bを基準面とした軌道スラブ設置面50aの標高差に相当する値である。距離Lm,nは格子座標(N,E,H)と仮想軌道スラブ上面50bの平面の方程式によって容易に算出される。
次に、ステップS7として、軌道スラブ設置面50aについて研磨補修が必要となる位置・深さ・範囲を特定する。図8に示されるように、ステップS7によって算出された距離Lm,n(m=1,・・・,16、n=1,・・・,36)と実物の軌道スラブ(図9)の深さDとの差分値(=Lm,n-D)について、負となる格子座標Pm,nを抽出する。抽出された各格子座標Pm,nによって、研磨補修が必要な位置を特定すると共に、差分値の大きさ(絶対値)によって必要な研磨量を特定することができる。また、各格子座標Pm,nはセルの面積を有するため、削り対象面積を特定することができる。また、抽出する際、差分値の大きさ(絶対値)に応じて各格子座標のセルに色彩を付すことができる。
以上の通り、本発明の軌道用路盤コンクリート計測システム100によれば、路盤表面50aの標高差についての基準面となる仮想軌道スラブ上面50bが、測量機1の計測座標系上の基準点である第1ピン40aの座標又は第2ピン41aの座標を通るように予め設定されている。なお、第1ピン40aの路盤表面50aからの高さ寸法hについては軌道スラブの深さDに等しくなるように予め設定されている。これにより、測量機1によって第1ピン40a及び第2ピン41aを計測することにより、自動的に計測座標系が設定されると共に、路盤表面50aの標高差の基準面となる仮想軌道スラブ上面50bが設定されることになる。これにより、測量機1による第1ピン40a及び第2ピン41aの計測をトリガとして、路盤表面50aの計測スキャン、並びに路盤表面50aの仮想軌道スラブ上面50bからの標高差の計測を自動的に開始することが可能となる。その結果、軌道スラブを路盤コンクリート50上に設置する作業において、軌道スラブ設置面50aの出来具合のチェック並びに研磨補修が必要となる位置・深さ・範囲を簡易的かつ安全に特定し、これにより軌道スラブ設置作業にかかるコスト及び時間を大幅に短縮することが可能となる。
1 測量機
2 第1ターゲット部
2a 第1ミラー
3 第2ターゲット部
2b 第2ミラー
3 ターゲット部
4 データ処理装置(計算機)
40 第1突起
40a 第1ピン
41 第2突起
41a 第2ピン
50 路盤コンクリート
50a 軌道スラブ設置面(路盤表面)
50"a 設計軌道スラブ設置面
50b 仮想軌道スラブ上面
50c スキャン範囲
50d 軌道スラブ設置面50aについてのスキャン計測点群
50e 軌道スラブ設置面50aについてのメッシュ計測点群
100 軌道用路盤コンクリート計測システム

Claims (5)

  1. 光波による測距機能と測角機能を有する測量機(1)と、前記測量機の計測座標系の基準点(40a、41a)を創出する1又は複数のターゲット部(2、3)と、前記測量機(1)が計測したデータを処理する計算機(4)とから構成され、軌道スラブが設置される路盤表面(50a)を計測する軌道用路盤計測システム(100)であって、
    前記路盤表面(50a)の設計段階における目標座標である複数の設計座標(51、52、53、54)を予め取得する設計座標取得プロセス(S1)と、
    前記設計座標に基づいて前記路盤表面(50a)の設計段階における目標勾配を算出し、当該目標勾配を有する仮想平面であって前記路盤表面(50a)からの高さ(h)が前記軌道スラブの深さ(D)に等しい前記計測座標系上の既知点(40a、41a)を通る仮想軌道スラブ上面(50b)を作成する仮想軌道スラブ上面作成プロセス(S3)と、
    前記測量機(1)を使用して前記路盤表面(50a)内を所定の計測間隔で計測し複数の実座標を取得するスキャンプロセス(S4)と、
    前記実座標から前記仮想軌道スラブ上面(50b)に到る距離(Lm,n)を算出し、当該距離(L)が所定の閾値以下である前記路盤表面(50a)上の位置を抽出する補修位置抽出プロセス(S5~S7)と、
    を備えたことを特徴とする軌道用路盤計測システム。
  2. 請求項1に記載の軌道用路盤計測システムにおいて、
    前記既知点(40a、41a)の前記路盤表面(50a)からの高さ寸法(h)を前記軌道スラブの深さ(D)に相当する値に設定すると共に、前記計測座標系の基準点とする高さ位置設定プロセス(S2)を備えたことを特徴とする軌道用路盤計測システム。
  3. 請求項1又は2に記載の軌道用路盤計測システムにおいて、
    前記測量機(1)は、前記スキャンプロセス(S4)において器械点(IP)から計測点までの直線距離(S)が長くなるにつれて前記計測間隔を密にして前記路盤表面(50a)を計測することを特徴とする軌道用路盤計測システム。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の軌道用路盤計測システムにおいて、
    前記計算機(4)は、前記スキャンプロセス(S4)において取得した複数の実座標を格子状に再配置することを特徴とする軌道用路盤計測システム。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の軌道用路盤計測システムにおいて、
    前記計算機(4)は、前記距離(Lm,n)が所定の閾値以下である前記路盤表面(50a)上の前記位置を強調して表示することを特徴とする軌道用路盤計測システム。
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