JP2018009309A - 制振装置および制振構造物 - Google Patents
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Abstract
Description
鋼材系ダンパーは、履歴性状が安定し比較的安価であることから、多種多様の形式が開発され、製作や地震発生後の修理を容易にすると共に、エネルギーの吸収効率を向上させる発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、一本の鋼管と該鋼管の端部に固定された一対のエンドプレートとからなる単体鋼管ダンパーと、平行に配置された複数本の鋼管と複数の鋼管に共通した一対のエンドプレートとからなる並列式鋼管ダンパーと、複数の単体鋼管ダンパーのエンドプレート同士を突き当てて直列に連結した直列式鋼管ダンパー(複数段のエンドプレートを有する)と、複数の並列式鋼管ダンパーのエンドプレート同士を突き当てて直列に連結した複合式鋼管ダンパー(複数の鋼管に共通したエンドプレートを、複数段有する)とを開示している。
すなわち、構造物に設置された方のエンドプレートと鋼管との接続部に発生するモーメントと、互いに連結された方のエンドプレートと鋼管との接続部に発生するモーメントとが相違し、鋼管に均等な応力が作用しない。このため、鋼管の一方の端部に歪みが集中して鋼管が一様に塑性しなくなり、有効なエネルギー吸収が得られなくなる。
例えば、3本の鋼管を直列に連結した直列式鋼管ダンパーは、1本の鋼管が吸収するエネルギーの3倍のエネルギーを吸収することができない。同様に、例えば、3本の鋼管を並列に配置し、これらを3段に直列に連結した複合式鋼管ダンパーは、1本の鋼管が吸収するエネルギーの9倍のエネルギーを吸収することができない。
前記鋼管よりも高い強度および剛性を具備し、矩形状に配置された上梁、下梁、左柱および右柱によって形成された壁空間において前記上梁および前記下梁に対して平行に配置される積層梁とを有し、
前記ダンパーは、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上梁に設置された上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される左上ダンパーと、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下梁に設置された下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される左下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下梁に設置された下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される右下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上梁に設置された上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される右上ダンパーとによって形成され、
前記左上ダンパーの鋼管の軸心と前記左下ダンパーの鋼管の軸心とが一致し、前記右上ダンパーの鋼管の軸心と前記右下ダンパーの鋼管の軸心とが一致することを特徴とする。
(2)また、前記(1)において、前記鋼管の断面二次モーメント(dI)を前記鋼管の高さ(dH)で除した管剛性(dk)に対する、前記積層梁の断面二次モーメント(bI)を前記左上ダンパーの前記鋼管の軸心と前記右上ダンパーの前記鋼管の軸心との距離(bL)で除した梁剛性(bk)の比率(bk/dk)である剛比(r)が10以上であることによって、前記上支持部材または前記下支持部材に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(dM)に対する、前記積層梁に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(bM)の比率(bM/dM)であるモーメント比(m)が、0.7以上であることを特徴とする。
前記上梁に設置された上支持部材および前記下梁に設置された下支持部材と、
塑性変形可能な鋼管および前記鋼管の両端にそれぞれ接合され、前記鋼管よりも強度および剛性が高いエンドプレートを具備するダンパーと、
前記鋼管よりも高い強度および剛性を具備し、前記左柱、前記右柱、前記上梁および前記下梁によって形成された壁空間において前記上梁および前記下梁に対して平行に配置される積層梁とを有し、
前記ダンパーは、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された左上ダンパーと、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された左下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された右下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された右上ダンパーとによって形成され、
前記左上ダンパーの鋼管の軸心と前記左下ダンパーの鋼管の軸心とが一致し、前記右上ダンパーの鋼管の軸心と前記右下ダンパーの鋼管の軸心とが一致することを特徴とする。
(4)また、前記(3)において、前記左柱、前記右柱、前記上梁および前記下梁に跨がって壁面パネルが設置され、前記ダンパーおよび前記積層梁が前記壁面パネルによって覆われていることを特徴とする。
前記左下ダンパーの前記エンドプレートおよび前記右下ダンパーの前記エンドプレートは、前記下支持部材と前記積層梁とにそれぞれボルトによって着脱可能に固定されていることを特徴とする。
(6)また、前記(3)〜(5)の何れかにおいて、前記鋼管の断面二次モーメント(dI)を前記鋼管の高さ(dH)で除した管剛性(dk)に対する、前記積層梁の断面二次モーメント(bI)を前記左上ダンパーの前記鋼管の軸心と前記右上ダンパーの前記鋼管の軸心との距離(bL)で除した梁剛性(bk)の比率(bk/dk)である剛比(r)が10以上であることによって、前記上支持部材または前記下支持部材に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(dM)に対する、前記積層梁に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(bM)の比率(bM/dM)であるモーメント比(m)が、0.7以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る制振構造物は、本発明に係る制振装置を有するから有効なエネルギー吸収が可能になる。
図1〜図4は本発明の実施の形態1に係る制振装置を説明するものであって、図1は一部部材(内壁)を透視した側面図、図2の(a)は積層梁を完全剛体であると仮定した場合の弾性域におけるモーメントの分布を説明する側面図、図2の(b)は積層梁を完全剛体であると仮定した場合の弾性域におけるモーメントの分布図、図2の(c)は積層梁を完全剛体であると仮定した場合の弾塑性域におけるモーメントの分布図、図3の(a)は積層梁を弾性体であると仮定した場合の弾性域におけるモーメントの分布を説明する側面図、図3の(b)は積層梁を弾性体であると仮定した場合の弾塑性域におけるモーメントの分布図、図3の(c)は積層梁を弾性体であると仮定した場合の弾性域におけるモーメントの分布図、図4はモーメント比mと剛比rとの関係を示す相関図である。
図1において、制振装置100は、制振構造物200に設置されるものである(制振構造物200については実施の形態2において詳細に説明する)。
制振構造物200は、左柱1a、右柱1b、上梁2aおよび下梁2bを有し、これらによって囲まれた矩形状の壁空間4を形成している。また、壁空間4には上梁2aに平行な上支持部材3aと下梁2bに平行な下支持部材3bとが配置されている。そして、左柱1a、右柱1b、上梁2a、下梁2b、上支持部材3aおよび下支持部材3bは、いずれも剛体と見做している(正確には、後記する積層梁よりも高い剛性を有していると見做している)。
制振装置100は、制振構造物200の壁空間4に設置されるものであって、左上ダンパー10a、左下ダンパー10b、右下ダンパー10cおよび右上ダンパー10dと、積層梁20とを有する。なお、左上ダンパー10a、左下ダンパー10b、右下ダンパー10cおよび右上ダンパー10dは、同様の構造であるから、共通する内容の説明においては、名称に付した修飾語(左上、左下、右下、右上)および符号の添え字(a、b、c、d)の記載を省略する場合がある。すなわち、ダンパー10は、鋼管11と、積層梁側エンドプレート12と、支持部材側エンドプレート13とを具備する。
積層梁20は、上梁2aおよび下梁2bに対して平行に配置されたH形鋼であって、ウエッブ21と、ウエッブ21の側縁にそれぞれ固定された上フランジ22aおよび下フランジ22bとを具備している。なお、本発明は、積層梁20がH形鋼(例えば、鋼種SN490)によって形成されているが、本発明はこれに限定するものではなく、ダンパー10(正確には、後記する鋼管11)よりも強度および剛性が高い限り、矩形断面の管材や棒材あるいはコンクリート材等であってもよい。
ダンパー10は、塑性変形可能な鋼管11(例えば、鋼種LY225)と、鋼管11よりも強度および剛性が高い積層梁側エンドプレート12および支持部材側エンドプレート13(例えば、鋼種SN490)とを具備している。
そして、左上ダンパー10aは左柱1aおよび上梁2a寄りに配置され、左下ダンパー10bは左柱1aおよび下梁2b寄りに配置され、右下ダンパー10cは右柱1bおよび下梁2b寄りに配置され、右上ダンパー10dは右柱1bおよび上梁2a寄りに配置される。
同様に、左下ダンパー10bの左下積層梁側エンドプレート12bは、積層梁20の下フランジ22bにボルト(図示しない)によって着脱可能に固定され、左下支持部材側エンドプレート13bは下支持部材3bの上面にボルト(図示しない)によって着脱可能に固定される。
同様に、右下ダンパー10cの右下積層梁側エンドプレート12cは、積層梁20の下フランジ22bにボルト(図示しない)によって着脱可能に固定され、右下支持部材側エンドプレート13cは下支持部材3bの上面にボルト(図示しない)によって着脱可能に固定される。
同様に、右上ダンパー10dの右上積層梁側エンドプレート12dは、積層梁20の上フランジ22aにボルト(図示しない)によって着脱可能に固定され、右上支持部材側エンドプレート13dは上支持部材3aの下面にボルト(図示しない)によって着脱可能に固定される。
図2の(a)〜(c)において、積層梁20を完全剛体(弾性係数が無限大)であると仮定した場合、鋼管11の積層梁側エンドプレート12側のモーメント分布と、鋼管11の支持部材側エンドプレート13側のモーメント分布とは、弾性域および弾塑性域において対称(正確には、絶対値が対称)になり、モーメントが0(ゼロ)になる「モーメント反曲点位置」は、鋼管11の高さ方向の中央に一致している。なお、図2の(b)には左上ダンパー10aのモーメント分布を示している。
図3の(a)〜(c)において、積層梁20を弾性体(完全剛体でない)と仮定した場合、鋼管11の積層梁側エンドプレート12側のモーメント分布と、鋼管11の支持部材側エンドプレート13側のモーメント分布とは、弾性域および弾塑性域において非対称(正確には、絶対値の分布が非対称)になり、モーメントが0(ゼロ)になる「モーメント反曲点位置」は、鋼管11の高さ方向の中央から偏よっている。なお、図3の(b)には左上ダンパー10aのモーメント分布を示している。
なお、「たわみ角法」を用いて弾性変形を算出する際、鋼管11が積層梁20および上支持部材3a(または下支持部材3b)に直接固定されていると仮定し、鋼管11の高さに、積層梁側エンドプレート12の厚さおよび支持部材側エンドプレート13の厚さを合計した値を、算出する際の鋼管11の高さdHと仮定したため、積層梁側エンドプレート12および支持部材側エンドプレート13に、モーメントが作用した図になっている。
以下、制振装置100の作用効果を説明するため、「モーメント比m」を導入する。
モーメント比mは、上梁2aが下梁2bに対して相対的に平行移動した際(長手方向の力が作用した際に同じ)、鋼管11の支持部材側エンドプレート13が接合されている位置に作用するモーメント(以下「支持部材側モーメント」と称す)bMに対する、鋼管11の積層梁側エンドプレート12が接合された位置に作用するモーメント(以下「梁側モーメント」と称す)dMの比率(dM/bM)である。
すなわち、モーメント比mは、鋼管11に作用するモーメントの値が0(ゼロ)になる位置(モーメントの正負が逆転する位置に同じ)である「反曲点位置」を示す値であって、鋼管11の高さ方向の中央位置から偏位する程度を表している。
そうすると、モーメント比mが1に近づけば、反曲点位置は鋼管11の高さ方向中央位置に近づき(図2参照)、鋼管11の正側のモーメントの分布形状と、負側のモーメントの分布形状とが均一化し、両者がより似たものになる。このため、モーメント比mが1に近い程、鋼管11の局部的な歪みの集中が少なくなり、エネルギーの吸収量が増加する。
なお、図2および図3において、前記仮定のため、支持部材側モーメントdMは、左上支持部材側エンドプレート13aと上支持部材3aとが当接する位置におけるモーメントM3として図示し、梁側モーメントbMは、左上積層梁側エンドプレート12aと積層梁20とが当接する位置におけるモーメントM2として図示している。
また、制振装置100の部材形状を表す指標として「剛比r」を導入する。剛比rは、ダンパー10の剛性(以下「管剛性」と称す)dkに対する積層梁20の剛性(以下「梁剛性」と称す)bkの比率(r=bk/dk)である。
このとき、梁剛性bkは、積層梁20の断面二次モーメントbIをスパンbLで除したもの(bk=bI/bL)で、管剛性dkは鋼管11の断面二次モーメントdIをダンパー10の高さdHで除したもの(dk=dI/dH)である。なお、高さdHは、鋼管11の高さ、積層梁側エンドプレート12の厚さ、支持部材側エンドプレート13の厚さを合計した値にしている。
そうすると、剛比r(r=bk/dk=(bI/bL)/(dI/dH))は、鋼管11の断面二次モーメントdIに対する積層梁20の断面二次モーメントbIの比率(bI/dI、以下「断面比率」と称す)と、スパンbLに対するダンパー10の高さdHの比率、(dH/bL、以下「縦横比率」と称す)との積(r=(bI/dI)×(dH/bL)として表示することができる。
したがって、断面比率(bI/dI)が一定のとき、鋼管11の高さdHが大きい程、あるいはスパンbLが短い程、剛比rは大きくなり、縦横比率(dH/bL)が一定のとき、積層梁20の断面二次モーメントbIが大きい程、あるいは鋼管11の断面二次モーメントdIが小さい程、剛比rは大きくなる。
図4は、モーメント比mと剛比rとの関係を示す相関図である。なお、算出に用いた諸元は、ダンパー10については、鋼管11の外径を175mm、厚さを8.8mm、高さdHを263mmとし、H鋼からなる積層梁20については、梁せいを600mm、梁フランジ幅を350mm、梁ウエッブ厚さを40mm、梁フランジ厚さを36mm、スパンbLを2500mmとしている。そして、前記諸元を固定して、梁剛性bkのみ数値的に変動させて、曲げ変形、せん断変形および接合部パネルのせん断変形を考慮した「たわみ角法」を用いて弾性変形を算出している。
図4より、剛比rが10以上になると、モーメント比mは0.7以上になっている。すなわち、上支持部材3aおよび下支持部材3bは剛体であると見做しているから、積層梁20の剛性が高くなる程、剛比rの値は大きくなり、鋼管11と積層梁側エンドプレート12との接合部において、積層梁側エンドプレート12の鋼管11の直径方向回りの回転が抑制される。
そうすると、剛比rが10以上になるような管剛性dkおよび梁剛性bkを選定することによって、ダンパー10は鋼管11の局部的な歪みの集中が少なくなって、エネルギーの吸収量が増加することが示される。
さらに、ダンパー10は、積層梁20の上側および下側にそれぞれ2箇所に配置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、それぞれ3箇所以上であってもよい。さらに、積層梁20を複数にして互いに平行に配置し、積層梁20同士の間に配置されたダンパー10については、積層梁側エンドプレート12を一方の積層梁20に、支持部材側エンドプレート13を他方の積層梁20に固定してもよい。
図5は本発明の実施の形態2に係る制振構造物を説明する側面視の断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分には同じ名称および符号を付して、説明の一部を省略する。
図1および図5において、制振構造物200は、互いに平行な左柱1aおよび右柱1bと、互いに平行な上梁2aおよび下梁2bと、上梁2aに設置された所定高さの直方体状の上支持部材3aと、下梁2bに設置された所定高さの直方体状の下支持部材3bと、左柱1a、右柱1b、上梁2aおよび下梁2bによって囲まれた矩形状の壁空間4に配置された制振装置100とを具備している。
そして、左柱1a、右柱1b、上梁2aおよび下梁2bに跨がって内壁面パネル5aおよび外壁面パネル5bが設置され、内壁面パネル5aおよび外壁面パネル5bは、左柱1a、右柱1b、上梁2aおよび下梁2bと共に壁空間4を包囲している。
なお、上支持部材3aおよび下支持部材3bはコンクリートブロックであるが、上支持部材3aの下面と下支持部材3bの上面とが互いに平行である限り、本発明はこれらの形状や材質を限定するものではない。また、上支持部材3aおよび下支持部材3bはそれぞれ1個であるが本発明はこれに限定するものではなく、上支持部材3aについては、左上ダンパー10aが設置される範囲と右上ダンパー10dが設置される範囲とを分離し、下支持部材3bについては、左下ダンパー10bが設置される範囲と右下ダンパー10cが設置される範囲とを分離してもよい。
制振構造物200は制振装置100を有し、制振装置100は前記のように鋼管11の局部的な歪みの集中が少なくエネルギーの吸収量が増加しているから、制振構造物200は耐震性を有している。また、制振装置100は内壁面パネル5aおよび外壁面パネル5bによって覆われて剥き出しになっていないから、制振構造物200の構造物としての美観が損なわれることがない。さらに、ダンパー10は、ボルト(図示しない)によって着脱可能に設置されているから、地震発生によって損傷した場合、容易に取り替えることができる。
1b:右柱
2a:上梁
2b:下梁
3a:上支持部材
3b:下支持部材
4 :壁空間
5a:内壁面パネル
5b:外壁面パネル
10a:左上ダンパー
10b:左下ダンパー
10c:右下ダンパー
10d:右上ダンパー
11a:左上鋼管
11b:左下鋼管
11c:右下鋼管
11d:右上鋼管
12a:左上積層梁側エンドプレート
12b:左下積層梁側エンドプレート
12c:右下積層梁側エンドプレート
12d:右上下積層梁側エンドプレート
13a:左上支持部材側エンドプレート
13b:左下支持部材側エンドプレート
13c:右下支持部材側エンドプレート
13d:右上支持部材側エンドプレート
20 :積層梁
21 :ウエッブ
22a:上フランジ
22b:下フランジ
100:制振装置(実施の形態1)
200:制振構造物(実施の形態2)
Claims (6)
- 塑性変形可能な鋼管および前記鋼管の両端にそれぞれ接合され、前記鋼管よりも強度および剛性が高いエンドプレートを具備するダンパーと、
前記鋼管よりも高い強度および剛性を具備し、矩形状に配置された上梁、下梁、左柱および右柱によって形成された壁空間において前記上梁および前記下梁に対して平行に配置される積層梁とを有し、
前記ダンパーは、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上梁に設置された上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される左上ダンパーと、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下梁に設置された下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される左下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下梁に設置された下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される右下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上梁に設置された上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定される右上ダンパーとによって形成され、
前記左上ダンパーの鋼管の軸心と前記左下ダンパーの鋼管の軸心とが一致し、前記右上ダンパーの鋼管の軸心と前記右下ダンパーの鋼管の軸心とが一致することを特徴とする制振装置。 - 前記鋼管の断面二次モーメント(dI)を前記鋼管の高さ(dH)で除した管剛性(dk)に対する、前記積層梁の断面二次モーメント(bI)を前記左上ダンパーの前記鋼管の軸心と前記右上ダンパーの前記鋼管の軸心との距離(bL)で除した梁剛性(bk)の比率(bk/dk)である剛比(r)が10以上であることによって、前記上支持部材または前記下支持部材に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(dM)に対する、前記積層梁に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(bM)の比率(bM/dM)であるモーメント比(m)が、0.7以上であることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
- 矩形状に配置された上梁、下梁、左柱および右柱と、
前記上梁に設置された上支持部材および前記下梁に設置された下支持部材と、
塑性変形可能な鋼管および前記鋼管の両端にそれぞれ接合され、前記鋼管よりも強度および剛性が高いエンドプレートを具備するダンパーと、
前記鋼管よりも高い強度および剛性を具備し、前記左柱、前記右柱、前記上梁および前記下梁によって形成された壁空間において前記上梁および前記下梁に対して平行に配置される積層梁とを有し、
前記ダンパーは、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された左上ダンパーと、前記左柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された左下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記下支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された右下ダンパーと、前記右柱寄りに配置され、前記エンドプレートが前記上支持部材および前記積層梁にそれぞれ固定された右上ダンパーとによって形成され、
前記左上ダンパーの鋼管の軸心と前記左下ダンパーの鋼管の軸心とが一致し、前記右上ダンパーの鋼管の軸心と前記右下ダンパーの鋼管の軸心とが一致することを特徴とする制振構造物。 - 前記左柱、前記右柱、前記上梁および前記下梁に跨がって壁面パネルが設置され、
前記ダンパーおよび前記積層梁が前記壁面パネルによって覆われていることを特徴とする請求項3に記載の制振構造物。 - 前記左上ダンパーの前記エンドプレートおよび前記右上ダンパーの前記エンドプレートは、前記上支持部材と前記積層梁とにそれぞれボルトによって着脱可能に固定され、
前記左下ダンパーの前記エンドプレートおよび前記右下ダンパーの前記エンドプレートは、前記下支持部材と前記積層梁とにそれぞれボルトによって着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の制振構造物。 - 前記鋼管の断面二次モーメント(dI)を前記鋼管の高さ(dH)で除した管剛性(dk)に対する、前記積層梁の断面二次モーメント(bI)を前記左上ダンパーの前記鋼管の軸心と前記右上ダンパーの前記鋼管の軸心との距離(bL)で除した梁剛性(bk)の比率(bk/dk)である剛比(r)が10以上であることによって、前記上支持部材または前記下支持部材に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(dM)に対する、前記積層梁に固定された方の前記エンドプレートと前記鋼管との接合位置におけるモーメント(bM)の比率(bM/dM)であるモーメント比(m)が、0.7以上であることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の制振構造物。
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