JP2006275100A - 金属製の中空管ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製の中空管を用いることにより容易に制振装置を構築できるとともに、地震、風等の外力を受けた際に、主要構造部材の代わりに優先的に破損し、容易に交換可能な制振装置を提供する。
【解決手段】 円鋼管ダンパー1は、円鋼管ダンパー1と、この円鋼管ダンパー1の軸方向に対して直交するように円鋼管ダンパー1の両端部に溶接等により固定される円形状のフランジ3とを備える。相対移動する2つの構造物部材2の間に円鋼管ダンパー1を脱着可能に設置するために、フランジ3の外周部にはボルト挿通用の孔5が複数本設けられる。円鋼管ダンパー1は、円鋼管ダンパー1の軸方向が構造物部材2に対して直交するようにボルト6にて脱着可能に取り付けられる。長さ364mm、直径210mm、板厚14mmで、長さと直径の比が√3となる円鋼管ダンパー1を用いる。なお、長さ、直径は、これに限定されるものではなく、長さと直径の比が1.7から3.0までの円鋼管ダンパー1であればよい。
【選択図】 図7

Description

本発明は、地震、風等による振動を受ける際に、中空管の塑性化を利用して振動エネルギーを吸収する金属製の中空管ダンパーに関するものである。
従来、建築構造物は地震、風等による振動を受ける際に、振動エネルギーを吸収し、振動を小さくする制振ダンパーを備えている。
地震、風等による振動エネルギーを吸収するダンパーには大きく分けて、鋼材などが降伏することによりエネルギーを吸収する性質を利用する履歴系ダンパーと、粘性系材料の粘性抵抗を利用してエネルギーを吸収する粘性系ダンパーとがあり、これらに関する多くの技術が提案されている。
特許文献1には、上ベースプレート及び下ベースプレートと、高降伏点鋼材からなりこの上ベースプレートと下ベースプレートとの間に固定される複数の支柱と、低降伏点鋼材からなりせん断力を負担するエネルギー吸収板とからなるダンパーが開示されている。このダンパーでは、地震時に、支柱の間に設置されたエネルギー吸収板がせん断降伏し、復元力を持つ支柱によりエネルギー吸収板を繰り返し塑性化することにより振動エネルギーを吸収する。
また、特許文献2には、脚柱の下部を支持するフーチングと、フーチングの下部に設置した複数の杭と、各杭の杭頭部とフーチングとの間に介在し、杭の上部内側に埋設状態に配置される鋼管とからなるダンパーが開示されている。このダンパーにおいて、フーチングには、鋼管の上部突出端外周に第二の鋼管が配置され、鋼管と第二の鋼管との間には間隙が形成されて両者は縁切りされているとともに、第二の鋼管を配置するためにフーチングの下部に形成される凹部の天井部と鋼管の上部との間には間隙が形成されて鋼管の上部とフーチングとの間には所定量の遊びが設けられている。地震時には、まずフーチングが遊び分だけ浮き上がり、その後PC鋼棒の引っ張り力に応じて杭から鋼管が抜け出すため、鋼管が圧縮応力状態となって径方向へ膨出することにより摩擦ダンパーとして機能する。
そして、特許文献3には、鋼管柱の下端に補強板を設けて、その下面に鋼管柱より先に変形する差込み部を設け、各差込み部を他の鋼管柱の上端の開口から差し込んで組み立て、差込み部と差し込まれる鋼管柱の中空部に隙間を設けておくことにより、地震時に所定の水平力を受けた時に、鋼管柱が損傷する以前に差込み部を変形させる方法が提案されている。
さらに、特許文献4には、低降伏点鋼からなる円形の鋼管の周面に、その径方向に延びる長孔が鋼管の周方向に所定の一定間隔をあけて設けられ、鋼管の降伏耐力が低く押えられているために、地震時に大きな水平力が作用した時は、まず鋼管の塑性変形により、あらゆる水平方向の揺れに対して履歴減衰を発揮させる方法が提案されている。
特開2000−88048 特開2003−232046 特開2004−92080 特開2000−145859
しかしながら、特許文献1に記載されている方法は、上ベースプレートと下ベースプレートとの間に複数の支柱及びエネルギー吸収板を取り付けるために、制振装置の製作にコストと時間がかかるという問題点があった。
また、特許文献2に記載されている方法は、橋梁等に設置されたダンパーが地震等により破損すると、修理するためには橋梁本体を撤去する必要があり、現実的にダンパーの修理が不可能であるという問題点があった。
そして、特許文献3に記載されている方法は、地震時に鉄骨架構の鋼管柱の差込み部を優先的に塑性化する代わりに建物全体の安全性を確保するというものであるが、鋼管柱の差込み部を修理するために、壁を取り壊す必要があり、多大なコストがかかるという問題点があった。
さらに、特許文献4に記載されている方法は、ダンパーの周面に開口部が設けられているために、ダンパーが圧縮方向の荷重を受けた際に座屈する可能性があるという問題点があった。また、開口部は応力が集中しないような形状とする必要があり、加工作業にコスト及び時間がかかるという問題点があった。
したがって、地震、風等による振動を受ける際は、建物の主要構造部材の代わりに制振装置内の低強度部材が優先的に損傷を受け、地震直後であっても建物を継続的に使用可能であり、かつ損傷を受けた低強度部材のみを容易に交換可能な制振装置が求められていた。
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、金属製の中空管を用いることにより容易に制振装置を構築できるとともに、地震、風等による振動を受ける際に、建物の主要構造部材の代わりに優先的に破損し、容易に交換可能な制振装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の中空管ダンパーは、金属製の中空管よりなり、振動荷重を受けた際に前記金属製の中空管の軸方向と直交する方向のせん断力による降伏と曲げ応力による降伏とがほぼ同時に発生し、該中空管が塑性化することにより振動エネルギーを吸収することを特徴とする(第1の発明)。
第2の発明は、第1の発明において、前記中空管は円筒形であり、この円筒形の中空管の長さLと直径Dの比L/Dが1.7から3.0であることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記中空管は、両端部に固定される板状の挟持手段を介して軸方向に積層され、すべての該挟持手段はボルト等の連結手段にて連結されることを特徴とする。
第4の発明は、第1又は2の発明において、前記中空管の軸方向と直交する方向に並列に配置される複数の中空管が、板材等の挟持手段を介して軸方向に積層され、すべての該挟持手段はボルト等の連結手段にて連結されていることを特徴とする。
本発明による金属製の円筒形の中空管ダンパーによれば、円筒形の中空管の長さLと直径Dの比L/Dを1.7から3.0までの間とすることで地震、風等の振動に対して中空管の直径方向のせん断力による降伏と曲げ応力による降伏とがほぼ同時に発生し、中空管の全断面が一様に降伏するために効率よく振動のエネルギーを吸収することが可能となる。
また、本発明による金属製の円筒形の中空管ダンパーによれば、塑性変形能力が大きく、地震、風等により発生する繰り返しせん断荷重に対して安定した靱性に富む履歴ループを得ることが可能となる。
そして、金属製の円筒形の中空管を軸方向に板材等の挟持手段を介して直列に連結し、それぞれの挟持手段をボルト等の連結材にて連結することにより水平方向への塑性変形量を増大させることが可能となる。
さらに、金属製の円筒形の中空管の軸方向と直交方向に並列に配置する複数の前記中空管を軸方向に板材等の挟持手段を介して連結することにより平面保持用の繋ぎ材が不要となり、繋ぎ材のコスト削減及び施工時間の短縮が可能となる。
本発明は、地震、風等による振動を受ける際に、建物の主要構造部材の代わりに優先的に破損し、容易に交換可能な制振装置を提供するために、金属製の中空管の力学的特性に関して検討を行い、制振ダンパーとしての有効性を明らかにしたものである。
まず、金属製の中空管の力学的特性に関して検討した結果を示し、次に、この結果を基に製作した金属製の中空管に繰り返しせん断荷重載荷試験を行った結果を示し、最後に、金属製の中空管を制振ダンパーとして使用した実施例を示す。
図1は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管に作用するせん断力を示す図である。
本実施形態においては、金属製の中空管として円鋼管を用いて力学的特性の検討を行った。図1に示すように、円鋼管の両端を構造物の部材間に固定した状態で、円鋼管に地震、風等の水平力である曲げモーメントMが作用する際のせん断力Qは(1)式となる。

Q=M/l ・・・(1)

ここで、Q:せん断力(N)、M:曲げモーメント(N・mm)、L:円鋼管(mm)の長さ、l:L/2(mm)である。
図2は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管の断面図であり、断面の曲げ応力分布を示す図である。図2に示すように、直交するX−Y軸の交点と円鋼管の中心とを重ね合わせ、X軸に対して角度θをなす円鋼管上のY軸方向の距離yは(2−1)式となる。

y=r・sinθ ・・・(2−1)

ここで、y:Y軸方向の距離(mm)、r:円鋼管の半径(mm)、θ:X軸からの角度(°)である。
円鋼管の肉厚は薄いためにlinear theoryを適用した円鋼管の曲げ応力σは(2−2)式となる。
Figure 2006275100
ここで、σ:曲げ応力(MPa)、Ix:X軸まわり断面2次モーメント(mm)である。
そして、Ixに(2−1)式を代入すると(2−3)式となる。
Figure 2006275100
ここで、t:円鋼管の肉厚(mm)である。
この(2−3)式を(2−2)式に代入すると(2−4)式となる。
Figure 2006275100
ここで、θ=π/2においてσが最大となる最大値σmaxは(2−5)式となる。
Figure 2006275100
図3は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管の断面図であり、断面のせん断応力分布を示す図である。
せん断応力τuは、θ’=π/2−θとおくと(3−1)式となる。
Figure 2006275100
ここで、τu:せん断応力(MPa)である。
そして、sinθ’=cosθを(3−1)式に代入すると(3−2)式となる。
Figure 2006275100
この(3−2)式に(1)式及び(2−3)式を代入すると(3−3)式となる。
Figure 2006275100
ここで、θ=0においてτが最大となる最大値τmaxは(3−4)式となる。
Figure 2006275100
そして、せん断力による降伏と曲げ応力による降伏とがほぼ同時に発生するためには、θ=π/2で曲げ応力が最大であるσ=σmax=σの時に、θ=0でせん断応力が最大となり、このせん断応力が円鋼管の降伏条件であるτmax =τ =σ/√3となる必要がある。
そこで、σmax=σを(2−5)式に代入すると(4−1)式となる。
=πrtσ ・・・(4−1)
ここで、M:Y軸方向の曲げモーメント(N・mm)である。
そして、(4−1)式を(3−4)式に代入すると(3−5)式となる。
Figure 2006275100
ここで、l/r=L/D=kとおくと(D:円鋼管の直径(mm))、k=√3の時、円鋼管のせん断力による降伏と曲げ応力による降伏が同時に発生し、k>√3で曲げ応力による降伏が先行し、続いてせん断力による降伏が発生し、k<√3でせん断力による降伏が先行し、続いて曲げ応力による降伏が発生する。
そして、θ=0からπ/2までの領域では、曲げ応力とせん断応力が共存している。そこで、この領域での等価応力分布をVon Misesの降伏条件を用いて検討した結果を示す。Von Misesの降伏条件は(4−1)式となる。
σ =σ+3τ ・・・(4−1)
ここで、σ:降伏応力(MPa)である。
この(4−1)式に(2−4)式、(3−3)式を代入すると(4−2)式となる。
Figure 2006275100
ここで、k>√3の場合においては、曲げ応力による降伏が先行して発生するために、θ=π/2でσ=σの時、他の断面位置(0<θ<π/2)での等価応力を検討する。すなわち、θ=π/2、σ=σyでの曲げモーメントM=πrtσ(2−5式の変形)を(4−2)式に代入すると(4−3)式となる。
Figure 2006275100
また、k<√3の場合においては、せん断応力による降伏が先行して発生するために、θ=0でτ=τ=σ/√3の時、他の断面位置(0<θ<π/2)での等価応力を検討する。すなわち、曲げモーメントM=σπrlt/√3(3−4式の変形)を(4−2)式に代入すると(4−4)式となる。
Figure 2006275100
図4は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管の周方向の等価応力分布を示し、具体的には(4−3)式及び(4−4)式を図示したものである。
図4に示すように、k=√3の時は、材端において全断面が降伏し、k≠√3の時は、0<θ<π/2の断面位置は降伏しない。
したがって、円鋼管の長さLと直径Dの比L/Dを1.7から3.0までの間とすると中空管の直径方向のせん断力による降伏と曲げ応力による降伏とがほぼ同時に発生し、中空管の全断面が一様に降伏して効率よく振動のエネルギーを吸収するために、制振ダンパーとして使用が可能である。また、円鋼管の長さLと直径Dの比L/Dを√3とすると中空管の直径方向のせん断力による降伏と曲げ応力による降伏とが同時に発生し、中空管の全断面が一様に降伏して最も効率よく振動のエネルギーを吸収する。
上記の検討した結果を基に、円鋼管を用い繰り返しせん断載荷試験を行った結果を、次に示す。
図5は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーを示す斜視図である。また、図6は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーの繰り返しせん断載荷試験を行った結果を示す図である。
図5に示すように、円鋼管ダンパー1は、長さLは364mm、直径Dは210mm、板厚tは14mmで、長さと直径の比が√3である。この円鋼管1に繰り返しせん断荷重載荷試験を行った。
図6に示すように、せん断荷重を繰り返して載荷すると円鋼管ダンパー1が正及び負の方向に繰り返しせん断変形し、振動のエネルギーを吸収しながら徐々に塑性変形を生じて降伏しており、安定した履歴ループが得られる。
地震、風等による振動エネルギーに対する円鋼管ダンパー1のエネルギー吸収量は、履歴ループで囲まれる大きさとなる。
次に、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図7は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーの設置状態を示す図である。図7に示すように、円鋼管ダンパー1は、相対移動する2つの構造物部材2の間に、円鋼管ダンパー1の軸方向に対して直交するように円鋼管ダンパー1の両端部に溶接等により固定されるフランジ3を介して設置される。
フランジ3の外周部には複数のボルト挿通孔4が設けられており、円鋼管ダンパー1は、構造物部材2の間にボルト5にて脱着可能に取り付けられる。
なお、本実施形態では、円鋼管1は、長さ364mm、直径210mm、板厚14mmとしたが、長さ、直径、板厚は、これに限定されるものではなく、長さと直径の比である √3を保ちながら、建物の規模、耐震に対する設計値等に応じて適宜変更してもよい。
また、円鋼管ダンパー1の長さと直径の比を√3としたが、これに限定されるものではなく、例えば、1.7から3.0までの間であればよい。
図8は、本発明の第一実施形態に係る複数本の円鋼管ダンパーの設置状態を示す図である。図8に示すように、相対移動する2つの構造物部材2の間に、3本の円鋼管ダンパー1が、軸方向が互いに平行となるように並列に配設して形成される並列式鋼管ダンパー7が配置される。
並列式鋼管ダンパー7の水平方向のせん断耐力は、1本の円鋼管ダンパー1よりも3倍程度大きくなり、大きな地震、風等による振動エネルギーを吸収することが可能となる。 なお、本実施形態では、円鋼管ダンパー1を3本並列に設置したが、これに限定されるものではなく、建物の規模、耐震に対する設計値等に応じて適宜本数を変更してもよい。
そして、地震、風等による振動を受けた際に、円鋼管ダンパー1が繰り返しせん断変形し、振動のエネルギーを吸収しながら徐々に塑性変形して降伏する。
図9は、本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーを直列に連結した状態を示す図である。図9に示すように、相対移動する2つの構造物部材2の間に、3本の円鋼管ダンパー1が軸方向に直列に積層して形成される直列式鋼管ダンパー8が配置される。
直列式鋼管ダンパー8は、フランジ等の挟持手段を介して円鋼管ダンパー1が軸方向に直列に3本積層され、すべての挟持手段はボルト等の連結手段にて連結されている。本実施形態においては、例えば、挟持手段はフランジ3を用い、連結手段にはボルト9を用いる。
フランジ3は円鋼管ダンパー1の軸方向に対して直交するように円鋼管ダンパー1の両端部に溶接等により固定され、フランジ3の外周部には複数のボルト挿通孔4が設けられる。
ボルト9は、直列に積層された3本の円鋼管ダンパー1に固定されたすべてのフランジ3のボルト挿通孔4に挿通され、各フランジ3を上下から挟むようにナット10にて嵌合されており、3本の円鋼管ダンパー1を一体化している。
直列式鋼管ダンパー8の水平方向の塑性変位量は、1本の円鋼管ダンパー1よりも3倍程度大きくなり、大きな地震、風等による振動エネルギーを吸収することが可能となる。
フランジ3と円鋼管ダンパー1を交互に積層し、ボルト9にてすべての円鋼管ダンパー1を連結して一体化する理由は、例えば、各1本の円鋼管ダンパー1の両端部のフランジ3同士のみをそれぞれにボルト9で連結して1セットとし、これを直列に3セット積層する場合においては、地震、風等による水平方向の力が作用する際に、ある1セットの円鋼管ダンパー1に曲げ応力が集中して降伏することを防止するためである。
なお、本実施形態では、円鋼管ダンパー1を3本直列方向に積層したが、これに限定されるものではなく、相対移動する2つの構造物部材2の間隔に応じて適宜本数を変更してもよい。
図10は、本発明の第一実施形態に係る並列に配置された複数の円鋼管ダンパーを積層した状態を示す図である。
図10に示すように、相対移動する2つの構造物部材2の間に、並列式鋼管ダンパー7が軸方向にフランジ3を介し、3段積層して形成される複合式円鋼管ダンパー11が配置される。
フランジ3は、並列に配設される3本の円鋼管ダンパー1の軸方向に対して直交し、3本の円鋼管ダンパー1を両端から挟むように円鋼管ダンパー1の両端部に溶接等により固定され、フランジ3の外周部には複数のボルト挿通孔4が設けられる。
ボルト9は、積層された3段の並列式鋼管ダンパー7のすべてのフランジ3のボルト挿通孔4に挿通され、各フランジ3を上下から挟むようにナット10にて嵌合されており、3段の並列式鋼管ダンパー7を一体化している。
複合式円鋼管ダンパー11の水平方向の塑性変位量は、1段の並列式鋼管ダンパー7よりも3倍程度大きくなる。
なお、本実施形態においては、円鋼管ダンパー1を3本並列に配設し、並列式鋼管ダンパー7を3段直列に積層したが、これに限定されるものではなく、適宜本数及び段数を変更してもよい。
したがって、本発明による鋼管ダンパーによれば、ダンパーに円鋼管を用いることにより容易に制振装置を構築できるとともに、地震、風等による振動を受けた際に、建物の主要構造部材の代わりに優先的に破損し、容易に交換可能な制振装置を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る円鋼管に作用するせん断力を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管の断面図であり、断面の曲げ応力分布を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管の断面図であり、断面のせん断応力分布を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管の周方向の等価応力分布を示し、具体的には(4−3)式及び(4−4)式を図示したものである。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーを示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーの繰り返しせん断載荷試験を行った結果を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーの設置状態を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る複数本の円鋼管ダンパーの設置状態を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る円鋼管ダンパーを直列に連結した状態を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る並列に配置された複数の円鋼管ダンパーを積層した状態を示す図である。
符号の説明
1 円鋼管ダンパー
2 構造物部材
3 フランジ
4 ボルト挿通用孔
5、9 ボルト
7 並列式鋼管ダンパー
8 直列式鋼管ダンパー
10 ナット
11 複合式鋼管ダンパー

Claims (4)

  1. 金属製の中空管よりなり、振動荷重を受けた際に前記金属製の中空管の軸方向と直交する方向のせん断力による降伏と曲げ応力による降伏とがほぼ同時に発生し、該中空管が塑性化することにより振動エネルギーを吸収することを特徴とする中空管ダンパー。
  2. 前記中空管は円筒形であり、この円筒形の中空管の長さLと直径Dの比L/Dが1.7から3.0であることを特徴とする請求項1に記載の中空管ダンパー。
  3. 前記中空管は、両端部に固定される板状の挟持手段を介して軸方向に積層され、すべての該挟持手段はボルト等の連結手段にて連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空管ダンパー。
  4. 前記中空管の軸方向と直交する方向に並列に配置される複数の中空管が、板材等の挟持手段を介して軸方向に積層され、すべての該挟持手段はボルト等の連結手段にて連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空管ダンパー。

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