JP2018008604A - 固定用クランプ部を備えた車載部品 - Google Patents

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【課題】従来構造の皿ばね部を用いることなく、車載部品のガタツキを防止した支持体への固定が可能となる、新規な構造の固定用クランプ部を備えた車載部品を提供すること。【解決手段】部品本体18には、固定用クランプ部22a,22bから離隔した位置に、固定用クランプの支持柱42の突出方向で貫設された貫通孔46が設けられており、貫通孔46の一端部が外面20に開口する開口窓48を形成している一方、貫通孔46には、基端部が内部に支持されており先端部が開口窓48を通じて部品本体18の外面20上に突出した弾性撓み片50が突設されており、固定用クランプ部が固定孔16に嵌合された際に、弾性撓み片50の先端部が支持体12に撓み変形可能に押圧されており、車載部品10のガタツキが弾性撓み片50の撓み変形により吸収されるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、自動車のコネクタホルダやプロテクタ等の車載部品に関し、特に車体パネル等の支持体へ取り付けられる固定用クランプ部を備えた車載部品に関する。
従来から、自動車等の電装系には、ワイヤハーネスの端末に設けられたコネクタが保持されるコネクタホルダや、ワイヤハーネスに外装されたプロテクタ等の多数の車載部品が採用されている。それらの車載部品は、例えば、特開2008−72866号公報の図1に示されるような車載部品の外面に突設された固定用クランプ部を、車体パネル等の支持体に設けられた固定孔に圧入して嵌合することにより、固定用クランプ部を介して支持体に取り付けられて支持されるようになっている。
このような車載部品に設けられた固定用クランプ部は、車載部品の外面上に突出する支持柱と、支持柱の先端部から基端部側に向かうに従って支持柱から離隔して広がる弾性係止片を有している。そして、固定用クランプ部が、支持体の固定孔に先端部から圧入されると、弾性係止片が支持柱に向かって変形することにより固定孔の挿通が許容され、固定孔挿通後に弾性係止片が弾性復帰することにより、弾性係止片の先端部が固定孔の周囲に支持体の裏面側から係止することにより、固定用クランプ部の固定孔からの抜け出しが阻止されるようになっている。
ところで、固定用クランプ部は、弾性係止片を完全に固定孔の奥方に押し込んで弾性復帰させる必要があることから、固定用クランプ部の支持柱の長さ寸法は、固定後の車載部品の外面と固定孔の間に若干の隙間が生じる程度に設定されている。それゆえ、かかる隙間に起因する車載部品のガタツキを防止するために、固定用クランプ部は、支持柱の基端部から球殻状に先端部側に向かって広がる皿ばね部を有している。これにより、車載部品の支持体の間の隙間が皿ばね部により吸収されて車載部品のガタツキが防止されるようになっている。
ところが、近年の車両の小型化や高密度化の影響により、車載部品の外形形状も周辺部品との隙間を小さくしつつ干渉を回避する特殊形状とされる場合も多く、車載部品の外面形状によっては、基端部側に皿ばね部を形成することが難しくなり、実現には複雑な金型形状が必要となってコスト高を招くという問題が生じていた。
特開2008−72866号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、従来構造の皿ばね部を用いることなく、車載部品のガタツキを防止した支持体への固定が可能となる、新規な構造の固定用クランプ部を備えた車載部品を提供することにある。
本発明の第一の態様は、支持体に設けられた固定孔に嵌合される固定用クランプ部が部品本体の外面に突設されており、該固定用クランプ部が、前記外面上に突出する支持柱と、該支持柱の先端部から基端部側に向かうに従って前記支持柱から離隔して広がる弾性係止片を有している、固定用クランプ部を備えた車載部品において、前記部品本体には、前記固定用クランプ部から離隔した位置に、前記固定用クランプの前記支持柱の突出方向で貫設された貫通孔が設けられており、該貫通孔の一端部が前記外面に開口する開口窓を形成している一方、前記貫通孔には、基端部が内部に支持されており先端部が前記開口窓を通じて前記部品本体の前記外面上に突出した弾性撓み片が突設されており、前記固定用クランプ部が前記固定孔に嵌合された際に、前記弾性撓み片の前記先端部が前記支持体に撓み変形可能に押圧されており、前記車載部品のガタツキが前記弾性撓み片の撓み変形により吸収されるようになっていることを特徴とする。
本態様によれば、車載部品の部品本体において、固定用クランプ部から離隔した位置において、支持柱の突出方向で貫設された貫通孔が設けられており、かかる貫通孔の内部に固定用クランプ部の固定孔への嵌合状態における車載部品のガタツキを吸収する弾性撓み片が片持ち状に突設されている。かかる構造により、型抜きが困難等の理由により、支持柱の基端部に従来構造の皿ばね部を設けることが困難な場合にも、支持柱の突出方向で貫設される貫通孔を固定用クランプ部から離れた位置に固定用クランプ部から独立して設けることにより、固定用クランプ部と同一の型抜き方向で成形可能な弾性撓み片を設けることが可能となる。これにより、固定用クランプ部の成形用金型の型抜き方向の変更に影響されることなく、従来の皿ばね部と同様の機能を発揮する弾性撓み片を部品本体に設けることができ、皿ばね部を用いることなく、車載部品のガタツキを防止した支持体への固定が可能となる固定用クランプ部を備えた車載部品をコスト効率良く提供することができる。
なお、貫通孔は、支持柱の突出方向で貫設されるものであれば、部品本体の固定用クランプ部が設けられた外面の任意の箇所に設けることができることから、高い設計自由度で弾性撓み片を設けることができる。それゆえ、車載部品が周辺部品との関係から複雑な外形形状を有する場合でも、型構造を複雑化することなく有利に貫通孔およびその内部に突設する弾性撓み片を形成することが可能となるのである。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記固定用クランプ部の前記支持柱を間に挟んで該支持柱に直交する方向で相互に離隔する2か所において、一対の前記貫通孔と該貫通孔の内部に設けられて各前記開口窓から前記表面に突出する一対の前記弾性撓み片が設けられているものである。
本態様によれば、固定用クランプ部の支持柱の軸直方向で相互に離隔しつつ対向位置して一対の弾性撓み片が突設されていることから、一層安定した車載部品の固定を実現することができる。
本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載のものにおいて、前記部品本体の前記外面を構成する一方の表面に、複数の前記固定用クランプ部が突設されており、前記複数の前記固定用クランプ部を間に挟んだ両側に位置して、一対の前記貫通孔と該貫通孔の内部に設けられて各前記開口窓から前記一方の表面に突出する一対の前記弾性撓み片が設けられているものである。
本態様によれば、部品本体の一方の表面に複数の固定用クランプ部が設けられている場合でも、各固定用クランプ部に発生するガタツキを、一方の面において複数のクランプを間に挟んだ両側に一対の貫通孔を設けかつ貫通孔の内部に貫通孔の開口窓から一方の表面に突出する一対の弾性撓み片を設けるだけで、効率的に車載部品のガタツキの防止をすることができる。したがって、各固定用クランプ部にそれぞれ皿ばね部を設ける必要があった従来構造に比べ、複数の固定用クランプ部とそれらのガタ吸収機構を効率的に設けることが可能となり、より安定した固定構造を効率的に提供することができる。しかも、弾性撓み片を設けるために必要な貫通孔の数を減らすことができることから、部品本体の剛性の向上も図ることができる。
本発明によれば、車載部品の部品本体において、固定用クランプ部から離隔した位置において、支持柱の突出方向で貫設された貫通孔が設けられており、かかる貫通孔の内部に固定用クランプ部の固定孔への嵌合状態における車載部品のガタツキを吸収する弾性撓み片が片持ち状に突設されている。かかる構造により、固定用クランプ部の成形用金型の型抜き方向の変更に影響されることなく、従来の皿ばね部と同様の機能を発揮する弾性撓み片を部品本体に設けることができ、皿ばね部を用いることなく、車載部品のガタツキを防止した支持体への固定が可能となる固定用クランプ部を備えた車載部品をコスト効率良く提供できる。なお、貫通孔は、部品本体の固定用クランプ部が設けられた外面の任意の箇所に設けることができることから、高い設計自由度で弾性撓み片を設けることができる。それゆえ、車載部品が周辺部品との関係から複雑な外形形状を有する場合でも、型構造を複雑化することなく有利に貫通孔およびその内部に突設する弾性撓み片を形成することが可能となるのである。
本発明の一実施形態としての固定用クランプ部を備えた車載部品が支持体に取り付けられた状態を示す右側面図。 図1の平面図。 図2のIII−III断面図。 図1に示す固定用クランプ部を備えた車載部品の斜視図。 図4の平面図。 図4の底面図。 図4の左側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2には、本発明の一実施形態に従う固定用クランプ部を備えた車載部品であるコネクタホルダ10が、支持体たるブラケット12に取り付けられた構成が示されている。なお、以下の説明において、上方とは、図1中の上方、下方とは、図1中の下方を言い、また前方とは、図1中の右方、後方とは、図1中の左方を言い、さらに長さ方向とは、図2中の上下方向、幅方向とは、図2中の左右方向を言うものとする。
ブラケット12は、図1に示されているように、側面視で略クランク形状に屈曲されかつ金属等の剛性材で形成された短冊状の平板形状を有しており、他端部が例えば図示しない車体パネルに取り付けられることによって一端部14が片持ち状に延出するように構成されている。また、図2に示されているように、ブラケット12の一端部14の幅方向両側には、ブラケット12の板厚方向(図2中、紙面に垂直方向)に貫通された平面視で略横長楕円状の固定孔16が設けられている。かかる固定孔16に対して後述するコネクタホルダ10の固定用クランプ部22が挿通されて嵌合されることにより、ブラケット12の一端部14に対して、コネクタホルダ10が固定保持されるようになっているのである。
図1〜6に示されているように、コネクタホルダ10は、全体として長手矩形ブロック形状を呈する部品本体18と、かかる部品本体18の外面である上面20に突設された2つの固定用クランプ部22(22a,22b)を備えて構成されており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の絶縁性の合成樹脂により射出成形等によって一体形成されている。かかるコネクタホルダ10の部品本体18の周壁24のうち、部品本体18の幅方向に対向する一方の周壁24aの前方側(図1中、右側)には、2つのコネクタ装着部26a,26bが長さ方向(図1中、左右方向)に離隔して設けられている。2つのコネクタ装着部26a,26bはいずれも、図6に示されているように、部品本体18の幅方向(図6中、左右方向)両側に向かって開口する側面視で略矩形筒体形状を有しており、一方側(図6中、右側)では周壁24aにおいて開口するように形成されている一方、他方側(図6中、左側)では部品本体18の幅方向中央部分において開口するように形成されている(図1,図6および図7参照)。
また、図6および図7に示されているように、コネクタホルダ10の部品本体18の幅方向(図6中、左右方向)に対して周壁24aと対向する周壁24cは、略全体に亘って切り欠かれている(図7参照)。これにより、コネクタホルダ10の下面28側において、幅方向中央部分から外方(図6中、左方)の領域には、幅方向外方(図6中、左方)と長さ方向前方(図6中、下方)および下方側(図6中、紙面に垂直な上方)に向かって開口する底面視で略台形状の電線収容領域30が画成されている。さらに、電線収容領域30の一側縁部に当たる周壁24cの後端部(図7中、右端部)には、側面視で略四分円断面形状(図7参照)で幅方向外方(図6中、左方)に向かって突出する固定片32が設けられている。かかる固定片32の突出先端部の外周面には、略全周に亘って外方に向かって突出するテープ抜け止めリブ34が設けられている。
コネクタホルダ10の部品本体18の上面20側は、図4に示されているように、平面視で略矩形状とされた後端側36が、平面視で略台形状とされた前方側38よりも高さ寸法が小さくなるように形成されている。ここで、コネクタホルダ10の後端側36にはコネクタ装着部26a,26bが形成されていないことから、前方側38よりも高さ寸法を小さくすることが容易にできるようになっている。また、後端側36の上面20の幅方向(図4中、左右方向)の両側には、後端側36の周壁24a,24cを上方に向かって延出することにより形成された側面視で略三角形状の補強リブ40,40が設けられている。さらに、図4に示されているように、補強リブ40,40の対向方向やや内側の部品本体18の後端側36の上面20には、固定用クランプ部22a,22bが上方に向かって突設されている。ここで、固定用クランプ部22a,22bはいずれも、外面である上面20上に突出する略角柱形状の支持柱42と、支持柱42の先端部から基端部側に向かうに従って支持柱42から離隔して広がる一対の略平板状の弾性係止片44,44を有しており、固定用クランプ部22aでは、一対の弾性係止片44,44が、長さ方向(図5中、上下方向)に広がるように形成されている一方、固定用クランプ部22bでは、一対の弾性係止片44,44が、幅方向(図5中、左右方向)に広がるように形成されている。また、一対の弾性係止片44,44の先端部が略矩形状に切り欠かれている。
加えて、固定用クランプ部22a,22bから離隔した位置である固定用クランプ部22a,22bと補強リブ40,40の間には、平面視で略矩形状の貫通孔46が支持柱42の突出方向である上下方向に向かって貫設されており、貫通孔46の一端部である上端部が外面である上面20に開口する開口窓48を形成している。また、かかる一対の貫通孔46,46には、基端部が後端側36の周壁24a,24cの内面に支持されて内方斜め上方に向かって片持ち状に延び出すことにより、先端部が開口窓48を通じて部品本体18の上面20上に突出された一対の弾性撓み片50,50が設けられている(図3参照)。しかも、かかる弾性撓み片50の先端部は、さらに鉛直方向上に向かって屈曲形成されており、先端面52は背面視で略円弧形状を有している(図3参照)。すなわち、言い換えれば、コネクタホルダ10の部品本体18の外面を構成する一方の表面である上面20上には、2つの固定用クランプ部22a,22bが突設されており、2つの固定用クランプ部22a,22bの支持柱42を間に挟んで支持柱42に直交する方向(幅方向)で相互に離隔する2か所において、一対の貫通孔46,46と一対の弾性撓み片50,50が形成されているのである(図3および図5参照)。
一方、コネクタホルダ10の部品本体18の上面20における前方側38の前端部(図1中、右端部)には、圧接固定部54が上方に向かって突設されている。かかる圧接固定部54は、上面20から突出する支持脚部56と、かかる支持脚部56の突出先端面に連結されて支持されている弾性突片58を有して構成されている。支持脚部56は、略十字断面形状でコネクタホルダ10の上面20から突出して形成されており(図4参照)、支持脚部56の先端側(図1中、上端側)から基端側(図1中、下端側)に向かってかかる十字断面の断面積が次第に増大するように上面20上に延び出して形成されている。一方、弾性突片58は、略薄肉の回転放物面形状を有しており(図4参照)、弾性変形が可能とされている。また、回転放物面形状を有する弾性突片58の中心軸60は、鉛直方向外方から斜め前方に傾斜するように形成されている(図1参照)。
次に、このような構成とされたコネクタホルダ10を用いて、コネクタホルダ10を支持体たるブラケット12に取り付ける方法について説明する。まず、コネクタホルダ10に設けられた2つのコネクタ装着部26a,26bに対してそれぞれ、幅方向(図6中、左右方向)の一方側(図6中、左側)から、2つのコネクタ付ワイヤハーネス62a,62bのコネクタ64a,64bを装着する(図6参照)。この結果、かかるコネクタ64a,64bから幅方向(図6中、左右方向)の一方側(図6中、左側)に向かって複数の電線から構成されたワイヤハーネス66a,66bが延び出すが、かかるワイヤハーネス66a,66bは固定片32に対して例えば図示しない結束テープを用いて結束固定されることにより、コネクタ付ワイヤハーネス62a,62bがコネクタホルダ10に対して安定して保持固定されるようになっている。なお、図6では、理解を容易とするために、コネクタ付ワイヤハーネス62a,62bやコネクタ64a,64bやワイヤハーネス66a,66bを仮想線で記載していると共に、図6以外の図では、コネクタ付ワイヤハーネス62a,62bやコネクタ64a,64bやワイヤハーネス66a,66bの記載を省略している。
続いて、かかるコネクタ付ワイヤハーネス62a,62bが装着されたコネクタホルダ10を、ブラケット12に取り付ける。ブラケット12は、他端部が例えば図示しない車体パネルに取り付けられることによって一端部14が片持ち状に延出するように構成されており、ブラケット12の一端部14の幅方向両側には図2,図3に示すように固定孔16が貫設されている。そして、固定孔16が貫設されたブラケット12の一端部14に対して、コネクタホルダ10の後端側36の上面20を重ね合わせて、固定孔16にそれぞれ対応する固定用クランプ部22を圧入して嵌合することにより、ブラケット12の一端部14に対してコネクタホルダ10が固定保持されるようになっているのである(図2参照)。この際、固定用クランプ部22は一対の弾性係止片44,44が支持柱42側に向かって弾性変形することにより固定孔16への挿通が許容されており、挿通後には一対の弾性係止片44,44が支持柱42側から離隔する方向に広がるように弾性復帰することにより略矩形状に切り欠かれた一対の弾性係止片44,44の先端部が固定孔16の上面側の周縁部に嵌合されるようになっている(図3参照)。一方、このようにして固定用クランプ部22が固定孔16に嵌合された際には、一対の弾性撓み片50,50の先端部が支持体であるブラケット12に上下方向に撓み変形可能に押圧されるようになっている。これにより、車載部品であるコネクタホルダ10のガタツキが、かかる一対の弾性撓み片50,50が上下方向に撓み変形することにより吸収されるようになっているのである。しかも、一対の弾性撓み片50,50の先端部がブラケット12に当接する先端面52は略円弧形状とされている(図3参照)ことから、一対の弾性撓み片50,50の先端部がブラケット12に対し広い接触面積で安定して当接して押圧することができるようになっている。なお、かかる取付状態において、図1や図3に示されているように、コネクタホルダ10の上面20の後端側36は前方側38よりも高さ寸法が小さくなるように形成されていることから、ブラケット12の固定孔16から突出した固定用クランプ部22が他部材と干渉することにより固定用クランプ部22が固定孔16から外れてしまうことが有利に防止されている。
以上の結果、図1に示されているように、コネクタホルダ10の一端側である後端側36がブラケット12に取り付けられている一方、コネクタホルダ10の他端側である前方側38が片持ち状の自由端とされている。かかる取付状態において、ブラケット12に取り付けられている後端側36から離隔した前方側38には圧接固定部54が突設されており、コネクタホルダ10が圧接固定部54を介して図示しない車体パネル等の隣接部材に対して圧接されている。これにより、車両走行時の微振動を弾性突片58の弾性変形により有利に吸収しつつコネクタホルダ10の取付状態を安定して維持することができるようになっている。そして、かかる取付状態のコネクタホルダ10のコネクタ装着部26a,26bに対して幅方向の一方側(図4中、右側)から図示しない相手側コネクタが嵌合接続されるようになっているのである。
このような本実施形態に従う固定用クランプ部を備えた車載部品であるコネクタホルダ10によれば、固定用クランプ部22a,22bから離隔した位置である固定用クランプ部22a,22bと補強リブ40,40の間には、貫通孔46が支持柱42の突出方向に貫設されている。かかる一対の貫通孔46,46には、基端部が後端側36の周壁24a,20cの内面に支持されて片持ち状に延び出すことにより、先端部が貫通孔46を通じてコネクタホルダ10の上面20上に突出された一対の弾性撓み片50,50が設けられている。そして、固定用クランプ部22が固定孔16に嵌合された際には、一対の弾性撓み片50,50の先端部がブラケット12に対して撓み変形可能に押圧されていることから、車載部品であるコネクタホルダ10のガタツキがかかる一対の弾性撓み片50,50の撓み変形により吸収されるようになっている。かかる構造を採用することにより、型抜きが困難等の理由により、支持柱42の基端部に従来の如き皿ばね部構造を設けることが困難な場合であっても、支持柱42から離隔した位置に固定用クランプ部22と同一の型抜き方向で容易に成形可能な弾性撓み片50を設けることが可能となっている。それゆえ、従来の如き皿ばね部構造を設けた際に生じる固定用クランプ部22の成形用金型の型抜き方向の変更に影響されることなく、従来の皿ばね部と同様の機能を発揮する弾性撓み片50をコネクタホルダ10の部品本体18に設けることができるのである。それゆえ、ガタツキを防止しつつ支持体であるブラケット12への固定が可能となるコネクタホルダ10をコスト効率良く提供することができるのである。
また、貫通孔46は、コネクタホルダ10の部品本体18の固定用クランプ部22が設けられた外面である上面20の任意の箇所に設けることができることから、高い設計自由度で弾性撓み片50を設けることができるようになっている。それゆえ、コネクタホルダ10が周辺部品との関係から複雑な外形形状を有する場合であっても、型構造を複雑化することなく貫通孔46およびその内部に突設する弾性撓み片50を有利に形成することが可能となっている。
加えて、部品本体18の一方の表面である上面20に複数の固定用クランプ部22が設けられている場合であっても、上面20における複数の固定用クランプ部22を間に挟んだ両側に一対の貫通孔46,46を設けかつ各貫通孔46の内部から上面20上に突出する一対の弾性撓み片50,50を設けるだけで、各固定用クランプ部22に発生するガタツキを効率的に防止することができるようになっているのである。それゆえ、従来の如き各固定用クランプ部22にそれぞれ皿ばね部を設ける必要があった場合に比して、複数の固定用クランプ部22に対するガタツキ防止機構を効率的に設けることが可能となっている。しかも、弾性撓み片50を設けるために必要な貫通孔46の数も少なくて済むことから、部品本体18の剛性の向上も図ることができるのである。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでない。例えば、上記実施形態では、2つの固定用クランプ部22の両側に一対の貫通孔46,46および一対の弾性撓み片50,50が設けられていたが、各固定用クランプ部22の両側に一対の貫通孔46,46および一対の弾性撓み片50,50がそれぞれ設けられていてもよい。また、上記実施形態では、2つの固定用クランプ部22a,22bの支持柱42を間に挟んで支持柱42に直交する方向(幅方向)で相互に離隔する2か所において、一対の貫通孔46,46と一対の弾性撓み片50,50が形成されていたが、必ずしも支持柱42に直交する方向(幅方向)で対向している必要はない。加えて、固定用クランプ部22の形成部位に影響される固定時のバランスの如何によっては、貫通孔46と弾性撓み片50は一組だけであってもよい。
また、固定用クランプ部22の形状や構成は例示のものに限定されず、弾性係止片44の数や形状など、周知の構成をいずれも採用可能である。
さらに、本発明は、例示のコネクタホルダ10以外にも、ワイヤハーネス用のプロテクタや小型ユニット等の車載部品に対しても同様に適用可能である。
10:コネクタホルダ(固定用クランプ部を備えた車載部品)、12:ブラケット(支持体)、16:固定孔、18:部品本体、20:上面(外面、一方の表面)、22,22a,b:固定用クランプ部、42:支持柱、44:弾性係止片、46:貫通孔、48:開口窓、50:弾性撓み片

Claims (3)

  1. 支持体に設けられた固定孔に嵌合される固定用クランプ部が部品本体の外面に突設されており、該固定用クランプ部が、前記外面上に突出する支持柱と、該支持柱の先端部から基端部側に向かうに従って前記支持柱から離隔して広がる弾性係止片を有している、固定用クランプ部を備えた車載部品において、
    前記部品本体には、前記固定用クランプ部から離隔した位置に、前記固定用クランプの前記支持柱の突出方向で貫設された貫通孔が設けられており、該貫通孔の一端部が前記外面に開口する開口窓を形成している一方、
    前記貫通孔には、基端部が内部に支持されており先端部が前記開口窓を通じて前記部品本体の前記外面上に突出した弾性撓み片が突設されており、
    前記固定用クランプ部が前記固定孔に嵌合された際に、前記弾性撓み片の前記先端部が前記支持体に撓み変形可能に押圧されており、前記車載部品のガタツキが前記弾性撓み片の撓み変形により吸収されるようになっている
    ことを特徴とする固定用クランプ部を備えた車載部品。
  2. 前記固定用クランプ部の前記支持柱を間に挟んで該支持柱に直交する方向で相互に離隔する2か所において、一対の前記貫通孔と該貫通孔の内部に設けられて各前記開口窓から前記表面に突出する一対の前記弾性撓み片が設けられている請求項1に記載の固定用クランプ部を備えた車載部品。
  3. 前記部品本体の前記外面を構成する一方の表面に、複数の前記固定用クランプ部が突設されており、前記複数の前記固定用クランプ部を間に挟んだ両側に位置して、一対の前記貫通孔と該貫通孔の内部に設けられて各前記開口窓から前記一方の表面に突出する一対の前記弾性撓み片が設けられている請求項1または2に記載の固定用クランプ部を備えた車載部品。
JP2016138808A 2016-07-13 2016-07-13 固定用クランプ部を備えた車載部品 Pending JP2018008604A (ja)

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