JP2018006004A - 燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システム - Google Patents

燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】負荷上昇時において、制御量のオーバーシュートを抑制しながら目標到達までの時間を短縮することを目的とする。【解決手段】SOFC制御装置は、目標負荷を設定する目標負荷設定部と、所定の電流変化率を用いて、目標負荷から燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、出力電流指令を用いて、燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定部と、発電室温度が予め設定された第1温度閾値Tth1に到達した場合に、空気極への燃料ガスの供給を開始し、発電室温度が第1温度閾値Tth1よりも大きく発電室目標温度Ttag以下に設定された供給停止温度Tstopに到達したときに空気極への可燃性ガスの供給を停止する燃料ガス流量制御部とを備えている。供給停止温度Tstopは、所定の電流変化率、目標負荷に対応する出力電流指令、及び出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定される。【選択図】図19

Description

本発明は、燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムに関するものである。
燃料電池は、電気化学反応による発電方式を利用した発電装置であり、燃料側の電極である燃料極と、空気(酸化剤ガス)側の電極である空気極と、これらの間にありイオンのみを通す電解質とにより構成されており、電解質の種類によって様々な形式が開発されている。
このうち、例えば、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」と呼ぶ)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、水素、都市ガス、天然ガス、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスを燃料として運転される燃料電池である。このSOFCは、イオン伝導率を高めるために作動温度が約700〜1000℃程度と高く、高効率な高温型燃料電池として知られている。
このようなSOFCを例えば、マイクロガスタービン(以下「MGT」という。)等の内燃機関と組み合わせた複合発電システムが開発されている。このMGTでは、圧縮機から吐出される圧縮空気をSOFCの空気極に供給するとともに、SOFCから排出される高温の排燃料ガスをMGTの燃焼器に供給して燃焼させ、燃焼器で発生した燃焼ガスを断熱膨張することでMGTのタービンを回転駆動させて発電機を回転駆動させることで、発電効率の高い発電が可能とされている。
このようなSOFCの制御では、フィードバック制御やフィードフォワード制御が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、SOFCからMGTの燃焼器に排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、排燃料ガス供給ラインから分岐してSOFCに排燃料ガスを流通させる再循環ラインと、排燃料ガス供給ラインの経路上に設けられる流量調整弁とを具備し、SOFCとMGTとの連携運転状態に応じて、流量調整弁の開度に対するゲインを調整することが開示されている。
また、特許文献3には、SOFCの起動時に、可燃性燃料ガスを添加した酸化剤を発電室の空気極に供給し、添加した可燃性燃料ガスによる触媒燃焼によって発生する熱を利用して発電室を昇温することが開示されている。
また、特許文献4には、SOFCの負荷上昇時において、定格電流値到達までの負荷上昇時の電流値毎に、燃料利用率及び発電セルの最低温度の閾値を設定し、各々の電流値に到達した際に、発電セルの温度が各々の電流値に対応する閾値に到達したか否かを判定し、温度が閾値に到達していない発電セルがあった場合に、負荷上昇を停止して一定時間保持し、これにより、発電セルの温度が全て閾値に到達した場合に負荷上昇を再開する燃料電池の運転方法が開示されている。
特開2003−223912号公報 特開2015−50106号公報 特許第5601945号公報 特開2012−216369号公報
ところで、SOFCの発電室は熱容量が大きく、発電室の温度制御に関する操作量(例えば、SOFCに供給する空気や燃料ガス等)を制御する際に応答遅れが発生する。このため、例えば、負荷上昇時において、各制御量(例えば、発電室の温度等)が規定値を超えるオーバーシュートが発生する可能性があり、SOFCの一部の温度が上昇し過ぎると、SOFCを損傷させるおそれがあった。
また、負荷上昇時におけるオーバーシュートを抑制するために、各操作量を緩やかに変化させたり、各操作を順次操作して各制御量が安定してから次の操作を実施させた場合には、制御量が目標値に到達するまでに相当な時間を要する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、負荷上昇時において、制御量のオーバーシュートを抑制しながら目標到達までの時間を短縮することのできる燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムを提供することを目的とする。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、目標負荷を設定する目標負荷設定部と、所定の電流変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定部と、発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、前記空気極への可燃性ガスの供給を開始し、前記発電室温度が前記第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに前記空気極への前記可燃性ガスの供給を停止する可燃性ガス流量制御部とを備え、前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、及び前記出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定される燃料電池の制御装置を提供する。
本発明によれば、発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、空気極への可燃性ガスの供給を開始し、発電室温度が第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに空気極への可燃性ガスの供給が停止される。このように、発電室温度が発電室目標温度に到達する前に空気極への可燃性ガスの供給を停止するので、可燃性ガスの供給を停止した以降は、発電による発熱のみにより発電室温度を上昇させることとなる。これにより、発電室温度を第1温度閾値まで速やかに上昇させ、その後は発電室目標温度まで緩やかに上昇させることができ、オーバーシュートを抑制することが可能となり、オーバーシュートによる発電室の再冷却を抑制することができる。
また、供給停止温度は、出力電流指令を設定する際に使用される所定の電流変化率、目標負荷に対応する出力電流指令、及び出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定されるので、負荷上昇の様子に応じて適切な温度に供給停止温度を設定することが可能となる。ここで、電流変化率とは時間当たりの電流変化量の勾配を示し、変化幅は出力電流指令での電流値の上昇幅を示す。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、目標負荷を設定する目標負荷設定部と、所定の第1電流変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、前記出力電流指令設定部によって設定された出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定部とを備え、前記出力電流指令設定部は、前記出力電流指令が前記目標負荷に対応する目標出力電流以下に設定された電流閾値に到達した場合、または、発電室温度が発電室目標温度以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合に、前記第1電流変化率よりも小さな値に設定された第2電流変化率を用いて前記出力電流指令を設定し、前記電流閾値または前記温度閾値は、前記第1電流変化率に応じて設定される燃料電池の制御装置を提供する。
本発明によれば、出力電流指令が目標負荷に対応する目標出力電流以下に設定された電流閾値に到達した場合、または、発電室温度が発電室目標温度以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合に、第1電流変化率よりも小さな値に設定された第2電流変化率を用いて出力電流指令を設定するので、電流閾値もしくは温度閾値まで速やかに上昇させ、その後は目標出力電流に向けて目標出力電流を緩やかに設定することができる。これにより、第1電流変化率で出力電流指令を設定していた場合に生じていた追従遅れを低減させることができ、目標出力電流に向けて各制御量を徐々に上昇させることが可能となる。これにより、発電室温度のオーバーシュートを抑制することが可能となり、オーバーシュートによる発電室の再冷却を抑制することができる。さらに、電流閾値または温度閾値は、第1電流変化率に応じて設定されるので、負荷上昇の様子に応じて適切な温度にこれらの閾値を設定することが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記出力電流指令設定部は、前記出力電流指令が前記電流閾値に達してから所定時間経過した場合、または、前記発電室温度が前記温度閾値に達してから所定時間経過した場合に、前記第2電流変化率よりも大きく設定された第3電流変化率を用いて前記出力電流指令を設定することとしてもよい。
また、上記燃料電池の制御装置において、前記第2電流変化率はゼロに設定されていてもよい。
これにより、出力電流指令が目標負荷に対応する目標出力電流以下に設定された電流閾値に到達した場合、または、発電室温度が発電室目標温度以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合には、第2電流変化率を用いて負荷上昇を停止または減速させるので、この間において、各制御系の制御量の応答を出力電流指令に追いつかせることができる。そして、第2電流変化率を用いて出力電流指令を設定し始めてから所定期間経過後には、第2電流変化率よりも大きく設定された第3電流変化率を用いて出力電流指令を設定するので、目標出力電流に向けて緩やかに出力電流指令を増加させることが可能となる。これにより、オーバーシュートを抑制することが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記目標負荷設定部は、前記燃料電池の周囲の外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定することとしてもよい。
これにより、外気温度に起因するMGTの圧縮機から供給される空気量が変化する等の発電室温度の変化を抑制することができ、安定した温度制御を行うことが可能となる。
上記燃料電池の制御装置は、前記発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、前記空気極への可燃性ガスの供給を開始し、前記発電室温度が前記第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに前記空気極への前記可燃性ガスの供給を停止する可燃性ガス流量制御部をさらに備え、前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、及び前記出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定されていてもよい。
上記燃料電池の制御装置において、前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、または前記出力電流指令の変化幅が大きいほど、低い値に設定されていてもよい。
上記構成によれば、発電室温度がオーバーシュートしやすい状況にあるほど、供給停止温度を低い値に設定することができる。これにより、発電室温度のオーバーシュートをより確実に抑制することができる。
上記燃料電池の制御装置において、前記複数の制御系は、燃料極への燃料ガス供給流量、燃料電池空気極入口温度、マイクロガスタービン出力、前記燃料極と前記空気極との差圧、再循環ブロワ回転数、及び純水流量のうち2つ以上を含んでいてもよい。
上記燃料電池の制御装置において、前記燃料電池は、例えば、固体酸化物形燃料電池である。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池と、上記いずれかに記載の燃料電池の制御装置を備える発電システムを提供する。
上記発電システムは、前記発電室の中央領域に設けられた複数の温度計測部を備え、前記温度計測部によって計測された複数の計測温度のうちの最高温度が前記発電室温度として用いられることとしてもよい。
このように、発電室のうち最も温度が高くなる中央領域に設けられた複数の温度計測部によって温度を計測することにより、発電室内の詳細な温度情報を把握することができる。そして、計測温度のうちの最高温度を発電室温度として用いることにより、発電室内の一部が上限温度を越えないようにして、発電室温度を安全サイドから制御することができ、発電室温度が上限値を超えることによる機器の損傷等を抑制することが可能となる。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、前記発電室内に設けられた所定の測定点の温度を計測する温度計測工程と、目標負荷を設定する目標負荷設定工程と、所定の変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する電流指令設定工程と、前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定工程と、前記温度計測工程で計測された計測温度から特定される発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、前記空気極に可燃性ガスを供給する供給開始工程と、前記発電室温度が前記第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに前記空気極への前記可燃性ガスの供給を停止する供給停止工程とを備え、前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、及び前記出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定される燃料電池の制御方法を提供する。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、前記発電室内に設けられた所定の測定点の温度を計測する温度計測工程と、目標負荷を設定する目標負荷設定工程と、所定の第1電流変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定工程と、前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定工程とを備え、前記出力電流指令設定工程は、前記出力電流指令が前記目標負荷に対応する目標出力電流以下に設定された電流閾値に到達した場合、または、発電室温度が発電室目標温度以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合に、前記第1電流変化率よりも小さな値に設定された第2電流変化率を用いて前記出力電流指令を設定し、前記電流閾値または前記温度閾値は、前記第1電流変化率に応じて設定される燃料電池の制御方法を提供する。
本発明によれば、燃料電池の負荷上昇時において、制御量のオーバーシュートを抑制しながら目標到達までの時間を短縮することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成を示した概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCのセルスタックの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るSOFC制御装置の第2昇温モード及び負荷上昇モード時における機能を展開して示した機能ブロック図である。 図6に示した負荷上昇制御部の概略構成を示した図である。 目標負荷情報の一例を示した図である。 電流閾値について説明するための図である。 燃料ガス流量情報の一例を示した図である。 入口空気温度情報の一例を示した図である。 MGT出力情報の一例を示した図である。 差圧情報の一例を示した図である。 回転数情報の一例を示した図である。 純水流量情報の一例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る負荷上昇制御部によって実行される制御の手順を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る負荷上昇制御部によって実行される制御および効果について説明するための図である。 図6に示した温度上昇制御部の概略構成を示した図である。 第2燃料ガス情報の一例を示した図である。 供給停止温度の設定手順の一例を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る温度上昇制御部によって実行される制御及び効果について説明するための図である。
以下に、本発明に係る燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔発電システムの構成〕
まず、本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発電システム10の概略構成を示した概略構成図である。図1に示すように、発電システム10は、マイクロガスタービン(以下「MGT」という。)11、発電機12、及びSOFC13を備えている。この発電システム10は、MGT11による発電と、SOFC13による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るように構成されている。
MGT11は、圧縮機21、燃焼器22、タービン23を有しており、圧縮機21とタービン23とは回転軸24により一体回転可能に連結されている。後述するタービン23が回転することで圧縮機21が回転駆動する。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気Aを圧縮する。
燃焼器22には、第1空気供給ライン26を介して圧縮機21からの圧縮空気(以下、単に「空気」という。)A1が供給されるとともに、第1燃料ガス供給ライン27を介して燃料ガスL1が供給される。第1空気供給ライン26には、燃焼器22へ供給する空気量を調整するための制御弁65が設けられ、第1燃料ガス供給ライン27には、燃焼器22へ供給する燃料ガス流量を調整するための制御弁70が設けられている。更に、燃焼器22には、後述するSOFC13の燃料ガス再循環ライン49を循環する排燃料ガスL3の一部が排燃料ガス供給ライン45を通じて供給される。排燃料ガス供給ライン45には、燃焼器22に供給する排燃料ガス量を調整するための制御弁47が設けられている。更に、燃焼器22には、後述する排空気供給ライン36を通じてSOFC13の空気極13Bで用いられた排空気A2の一部が供給される。
燃焼器22は、燃料ガスL1、空気Aの一部、排燃料ガスL3、及び排空気A2を混合して燃焼させ、燃焼ガスGを生成する。燃焼ガスGは燃焼ガス供給ライン28を通じてタービン23に供給される。タービン23は、燃焼ガスGが断熱膨張することにより回転し、排ガスが燃焼排ガスライン55から排出される。発電機12は、タービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転駆動することで発電する。
燃焼器22に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2は可燃性ガスであり、例えば、液化天然ガス(LNG)、都市ガス、水素(H)及び一酸化炭素(CO)、メタン(CH)等の炭化水素ガス、及び炭素質原料(石油や石炭等)のガス化設備により製造されたガス等が用いられる。
SOFC13は、還元剤としての加熱した燃料ガスL2と、酸化剤ガスとしての加熱した空気(酸化剤ガス)とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行う。このSOFC13は、圧力容器内に燃料極13Aと空気極13Bと固体電解質とが収容されて構成される。なお、SOFC13の詳細な構成については後述する。
SOFC13は、空気極13Bに酸化剤ガスが供給され、燃料極13Aに燃料ガスが供給されることで発電する。酸化剤ガスは、例えば、酸素を略15%から30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。本実施形態では、SOFC13に供給される酸化剤ガスとして、圧縮機21によって圧縮された空気Aの少なくとも一部を採用する場合を例示して説明する。
SOFC13には、第1空気供給ライン26から分岐した第2空気供給ライン31を通じて酸化剤ガスとして空気A1が空気極13Bの導入部である空気供給部に供給される。この第2空気供給ライン31には、供給する空気A1の流量を調整するための制御弁64が設けられている。また、第1空気供給ライン26において、第2空気供給ライン31の分岐点よりも空気A1の上流側(換言すると、圧縮機21側)には、熱交換器58が設けられている。熱交換器58において、空気Aは、燃焼排ガスライン55から排出される排ガスとの間で熱交換されて昇温される。更に、第2空気供給ライン31には、熱交換器58をバイパスするバイパスライン62が設けられている。バイパスライン62には、制御弁66が設けられ、空気Aのバイパス流量が調整可能とされている。制御弁64、66の開度が後述する制御装置60によって制御されることで、熱交換器58を通過する空気Aと熱交換器58をバイパスする空気Aとの流量割合が調整され、空気Aの一部である第2空気供給ライン31を通じてSOFC13に供給される空気A1の温度が調整される。
SOFC13に供給される空気A1の温度は、SOFC13を構成するSOFCカートリッジ203に空気A1を導入する空気供給部や空気供給枝管をはじめSOFCカートリッジ203の構成材料に損傷を与えないよう温度の上限が制限されている。
更に、第2空気供給ライン31には、可燃性ガスとして燃料ガスL2を供給する空気極燃料供給ライン80が接続されている。空気極燃料供給ライン80には、第2空気供給ライン31へ供給する燃料ガス量を調整するための制御弁82が設けられている。制御弁82の弁開度が後述する制御装置60によって制御されることにより、空気A1に添加される燃料ガスL2の供給量が調整される。空気A1に添加される燃料ガスL2の量は、可燃限界濃度以下で供給され、より好ましくは3体積%以下で供給される。
SOFC13には、空気極13Bで用いられた排空気A2を排出する排空気排出ライン34が接続されている。この排空気排出ライン34には、燃焼器22に排空気A2を供給するための排空気供給ライン36が接続されている。排空気供給ライン36には、SOFC13とタスタービン11との間の系統を切り離すための遮断弁38が設けられている。
また、排空気排出ライン34には、外部へ排出する排空気量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)37が設けられている。
SOFC13には、更に、燃料ガスL2を燃料極13Aの導入部である燃料ガス供給部207(図3参照)に供給する第2燃料ガス供給ライン41と、燃料極13Aで反応に用いられた後の排燃料ガスL3を排出する排燃料ガスライン43とが接続されている。第2燃料ガス供給ライン41には、燃料極13Aに供給する燃料ガスL2の流量を調整するための制御弁42が設けられ、排燃料ガスライン43には外部に排出する排燃料ガス量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)46が設けられている。排燃料ガスライン43の制御弁(もしくは遮断弁)46と、排空気排出ライン34の制御弁(もしくは遮断弁)37とにより過剰になった圧力を素早く調整することができる。また、SOFC13の燃料極13Aと空気極13Bの燃料空気差圧は、燃料極13A側が所定の圧力範囲で高くなるように制御弁47により制御する。また、排燃料ガスライン43には、排燃料ガスL3をSOFC13の燃料極13Aの入口へと再循環させるための燃料ガス再循環ライン49が接続されている。燃料ガス再循環ライン49には、排燃料ガスL3を再循環させるための再循環ブロワ50が設けられている。
更に、燃料ガス再循環ライン49には、燃料極13Aに燃料ガスL2を改質するための純水を供給する純水供給ライン44が設けられている。純水供給ライン44にはポンプ48が設けられている。ポンプ48の吐出流量が制御装置60によって制御されることにより、燃料極13Aに供給される純水量が調整される。
〔SOFCの構成〕
次に、図2から図4を参照してSOFC13の構成について説明する。
まず、本実施形態に係るSOFC複合発電システム(燃料電池複合発電システム)のSOFCに用いる円筒形セルスタックについて図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るセルスタック101の一態様を示した図である。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを備える。燃料電池セル105は、燃料極13Aと固体電解質111と空気極13Bとが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の長手軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の空気極13Bに、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を備え、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料極109に電気的に接続されたリード膜(不図示)を備える。
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlなどを主成分とされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極13Aに拡散させる。
燃料極13Aは、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。燃料極109の厚さは50〜250μmである。この場合、燃料極13Aは、燃料極13Aの成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を備える。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質する。また、燃料極13Aは、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成する。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。SOFC13の燃料極13Aに供給し利用できる燃料ガスL2は、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスなどを燃料として運転される。本実施形態での燃料ガスL2は例えば都市ガスを使用し、メタンを主成分とする燃料ガスを用いている。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを備えるYSZとが主に用いられて構成されている。固体電解質111は、空気極13Bで生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させる。燃料極13Aの表面上に位置する固体電解質111の膜厚は10〜100μmである。
空気極13Bは、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極13Bは、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化剤ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成する。空気極13Bは2層構成とすることもできる。この場合、固体電解質111側の空気極層(空気極中間層)は高いイオン導電性を示し、触媒活性に優れる材料で構成される。空気極中間層上の空気極層(空気極導電層)は、Sr及びCaドープLaMnOで表されるペロブスカイト型酸化物で構成されても良い。こうすることにより、発電性能をより向上させることができる。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物などから構成される。インターコネクタ107は、燃料ガスと空気とが混合しないように緻密な膜となっていて、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した耐久性と電気導電性を備える。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極13Bと他方の燃料電池セル105の燃料極13Aとを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続する。リード膜115は、電子伝導性を備えること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出する。
次に、図3及び図4を参照して本実施形態に係るSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。図3は、本実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示した図、図4は、本実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図である。
SOFCモジュール201は、図3に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを備える。なお、図3には円筒形のSOFCのセルスタックを例示しているが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤ガスに対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
SOFCモジュール201は、燃料ガス供給部207と複数の燃料ガス供給枝管207a及び燃料ガス排出部209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを備える。更に、SOFCモジュール201は、空気供給部(不図示)と空気供給枝管(不図示)及び空気排出部(不図示)と複数の空気排出枝管(不図示)とを備える。
第2燃料ガス供給ライン41(図1参照)からの燃料ガスL2は、燃料ガス供給部207、複数の燃料ガス供給枝管207aを通じて複数のSOFCカートリッジ203に供給される。燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給部207を通じて供給される燃料ガスL2を複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させる。
SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスL3は、燃料ガス排出枝管209a及び燃料ガス排出部209を通じることにより、略均等の流量で排燃料ガスライン43(図1参照)に導かれる。
本実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず、例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様としてもよい。
SOFCカートリッジ203は、図4に示すように、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、空気供給室221と、空気排出室223とを備えている。更に、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備えている。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と空気供給室221と空気排出室223とが図4のように配置されることで、燃料ガスと酸化剤ガスとしての空気とがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造とされているが、その態様は必ずしもこの例に限られず、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または空気がセルスタックの長手軸方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置された領域であり、燃料ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。例えば、発電室215のセルスタック101の長手方向の中央部付近の温度は、後述する温度センサ92などで監視され、SOFCモジュール201の定常運転時に、約700℃から1000℃の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの上部に設けられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。複数のセルスタック101は、上部管板225aとシール部材237aにより接合されており、燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管103の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させる。
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの下部に備えられた燃料ガス排出孔231bによって、燃料ガス排出枝管209aと連通されている。複数のセルスタック101は、下部管板225bとシール部材237bにより接合されており、燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスL3を集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くことが出来る。
空気供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと、下部管板225bと、下部断熱体227bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの側面に設けられた空気供給孔233aによって、図示しない空気供給枝管と連通されている。この空気供給室221は、図示しない空気供給枝管から空気供給孔233aを介して供給される所定流量の空気を、空気供給隙間235aを介して発電室215に略均一流量で導くことが出来る。
空気排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと、上部管板225aと、上部断熱体227aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの側面に設けられた空気排出孔233bによって、図示しない空気排出枝管と連通されている。この空気排出室223は、発電室215から、空気排出隙間235bを介して空気排出室223に供給される排空気を、空気排出孔233bを介して図示しない空気排出枝管に導くことが出来る。
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けられたNi/YSZ等からなるリード膜115(図2参照)によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された電力は、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないインバータなどにより所定の交流電力へと変換されて、電力負荷へと供給される。
上述したように、本実施形態に係るSOFC13では、燃料ガスL2と空気A1とがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。これにより、排空気A2は、基体管103の内部を通って発電室215に供給される燃料ガスL2との間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて空気排出室223に供給される。また、燃料ガスL2は、発電室215から排出される排空気A2との熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスL2を発電室215に供給することができる。更に、基体管103の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスL3は、発電室215に供給される空気A1との間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。また、空気A1は排燃料ガスL3との熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された空気を発電室215に供給することができる。
また、図4に示すように、各SOFCカートリッジ203には少なくとも1つ以上の温度センサ92が配置されている。例えば、SOFC13が4つのSOFCカートリッジ203を備えて構成されている場合、少なくとも合計4つの温度センサが設けられていることとなる。温度センサ92は、少なくとも発電室215のセルスタック101の長手方向の中央領域に配置されている。本実施形態での中央領域とは、セルスタック101の長手方向における温度分布をとった場合に最も高温になる位置を含む領域とされ、セルスタック101の下部を0%、上部を100%とした場合、約30%から65%の範囲とされている。より好ましくは、中央領域は、約45%から55%の範囲とされている。
さらに、SOFC13には、燃料極13Aと空気極13Bとの差圧を計測する差圧センサ90(図1参照)等の各種センサが設けられている。SOFC13の各部位に設けられた各種センサ90、92の計測値は、制御装置60に送信される。
また、発電システム10には、SOFC13の周囲の外気温度を計測する外気温度センサ94(図1参照)が設けられている。本実施形態において、外気温度センサ94は、MGT11の圧縮機21の吸入口付近に設けられ、圧縮機21に吸引される空気Aの温度を計測する。外気温度センサ94の計測値は、制御装置60に送信される。
さらに、発電システム10には、第2空気供給ライン31を通じてSOFC13に供給される空気温度(入口空気温度)を計測する温度センサ(不図示)、燃料ガス再循環ライン49を循環する排燃料ガスL3の温度を計測する温度センサ(不図示)等が設けられている。各温度センサの計測値は、制御装置60に送信される。
制御装置60は、各種センサからの計測値や各制御弁の開度情報等を取得し、取得した情報に基づいて演算を行い、発電システム10の各部の動作を制御する。
〔発電システムの運転方法〕
次に、上記構成を備える発電システム10において、制御装置60によって実行される制御について簡単に説明する。
発電システム10の起動時において、制御装置60は、まずMGT11を起動させ、MGT11の出力がある一定の負荷で安定してから、圧縮機21から供給される空気の一部をSOFC13に供給することで、SOFC13の空気極13Bを加圧していくことができる。また燃料極13Aは燃料ガスの改質反応が可能な所定温度に上昇するまでは、Nなどの不活性ガスにHなどの還元性ガスを加えた混合気体などを用いて、加圧してゆくことができる。また、SOFC13の空気極13Bに供給される空気A1は、熱交換器58により温度が300〜500℃に昇温されおり、空気A1に添加される燃料ガスL2の燃焼反応が生じるように空気極13Bが触媒として機能する温度まで発電室215を昇温させることが出来る。SOFC13が所定圧力まで加圧されると、遮断弁38を開としSOFC13とMGT11とを連結させ、SOFC13を経由してMGT11の燃焼器22に空気を供給するコンバインド状態に移行する。
コンバインド状態への移行後に、SOFC13を昇温するためにSOFC13に供給される空気流量を増加させ、SOFC13をバイパスして燃焼器22に供給される空気流量を減少させる。そして、ある一定時間後にSOFC13が発電を開始するまでは空気Aの全量がSOFC13を経由して燃焼器22に供給されるように制御して、SOFC13の出来るだけ均一な温度で早く昇温できるようにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る制御装置60について、図を参照して説明する。
制御装置60は、例えば、コンピュータやシーケンサーであり、CPUと、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)等を備えている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
図5は、本実施形態に係る制御装置60が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図5に示すように、制御装置60は、SOFC13を制御するSOFC制御装置60aと、MGT11を制御するMGT制御装置60bとを備えている。SOFC制御装置60aとMGT制御装置60bとは情報の相互授受が可能とされている。
SOFC制御装置60aは、SOFC13の起動時に、第1昇温モード、第2昇温モード、及び負荷上昇モードを順に実行し、発電室温度を定格温度まで上昇させるとともに、目標負荷まで負荷を上昇させる。
まず、第1昇温モードでは、熱交換器58による熱交換によって加熱された空気A1を空気極13Bに供給することにより、発電室215を昇温させる。第1昇温モードにより、発電室温度が第1温度閾値Tth1に到達すると、第1昇温モードから第2昇温モードに切り替える。ここで、第1温度閾値は、空気極13Bが可燃性ガスとしての燃料ガスL2との燃焼反応に対して触媒として機能する温度であり、例えば、約400℃から450℃の範囲で設定されている。
第2昇温モードでは、第1昇温モードと同様に空気極13Bに空気A1を供給するとともに、制御弁82を開くことにより、空気極燃料供給ライン80により燃料ガスL2を空気A1に添加する。空気A1と燃料ガスL2とが流入した空気極13Bでは、空気極13Bの触媒作用によって燃料ガスL2が空気極13B上で触媒燃焼し、燃焼熱が発生する。このように、第2昇温モードでは、触媒燃焼による発熱を用いて発電室温度を上昇させる。
第2昇温モードにおいて、SOFC制御装置60aは、発電室温度の温度変化率が上限値を超えないように、燃料ガスL2の流量を制御する。また、SOFC制御装置60aは、発電室温度に応じて、バイパスライン62の制御弁66によりSOFC13の空気極13Bへ供給する空気A1の入口空気温度を制御する。
SOFC制御装置60aは、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達すると、第2昇温モードから負荷上昇モードに切り替える。
負荷上昇モードでは、負荷上昇中の発電による自己発熱のみで発電室温度を上昇させることも可能であるが、昇温に長い時間を要してしまうため、第1昇温モードと同様に空気極13Bに空気A1を供給するとともに、燃料極13Aに第2燃料ガス供給ライン41から燃料ガスL2と純水供給ライン44から純水を供給し、発電を開始する。負荷上昇モードでは、空気極13Bに燃料ガスL2を供給することによる触媒燃焼による発熱と、発電による発熱との両方によって発電室温度を上昇させる。負荷上昇モードでは、SOFC13の発電室温度が発電による自己発熱で温度維持が出来るまで温度上昇をした後は、空気極13Bへ供給される燃料ガスL2の供給量を徐々に減少させ、例えば、目標負荷到達と同時に空気極13Bへの燃料ガスL2の供給がゼロになるように制御される。また、負荷上昇モードでは、空気極の触媒燃焼およびSOFC13に負荷をかけて発電することによる発熱で発電室温度が上昇するが、負荷上昇に対して発電室温度は遅れて上昇する。
上記第2温度閾値Tth2は、例えば、750℃以上に設定されている。これは、燃料電池セル105が十分な温度に達していないときに燃料極13A側に燃料ガスL2を投入してしまうと、固体電解質111(図2参照)が高抵抗状態のときに燃料電池セル105を発電させると、電極構成材料が組織変化して劣化し、燃料電池セル105の性能低下の要因になるからである。発電室温度が750℃以上であれば上記のような燃料電池セル105の性能低下が起きにくいため、第2温度閾値Tth2は750℃付近に設定されることが好ましい。
負荷上昇モードにおいて、発電室温度が発電室目標温度Ttagに到達し、負荷が定格負荷などの目標負荷に到達すると、起動完了となる。発電室目標温度TtagはSOFC13が発電による発熱による自己発熱で温度が維持できる温度以上であり、例えば800〜950℃で設定される。
次に、SOFC制御装置60aによって実行される起動時の制御について、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、特に本発明の特徴部分である第2昇温モード及び負荷上昇モードについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るSOFC制御装置60aの第2昇温モード及び負荷上昇モード時における機能を展開して示した機能ブロック図である。
図6に示すように、SOFC制御装置60aは、負荷上昇制御部4と、温度上昇制御部5とを備えている。
まず、負荷上昇制御部4について説明する。負荷上昇制御部4は、図7に示すように、目標負荷設定部51、出力電流指令設定部52、制御指令設定部53、及び制御部54を備えている。目標負荷設定部51は、外気温度とSOFC13の目標負荷(=目標出力電流)とが関連付けられた目標負荷情報を有している。目標負荷設定部51は、外気温度センサ94によって計測された外気温度に対応する目標負荷の値を目標負荷情報から取得し、目標負荷として設定する。
図8は目標負荷情報の一例を示した図である。図8において、横軸は外気温度、縦軸は目標負荷(=目標出力電流)を示している。目標負荷情報は、例えば、事前にシミュレーションまたは実機試験等の結果に基づいて作成されたものであり、制御弁65の弁開度を全閉にしたとき、換言すると、空気極13Bに供給される空気A1の流量を最大に設定したときに、SOFC13が出力し得る最大負荷(最大出力電流)の値が外気温度に対応付けられて設定されている。制御弁65等の弁開度が同じ場合、換言すると、流量が同じでも、外気温度が異なる場合には、空気密度が変わるためにSOFC13の発電室215に供給される空気量が変化する。例えば、外気温度が低いと空気密度が高くなり、MGT11の圧縮機21の吐出空気流量が多くなる。発電室215に供給される空気A1は冷却剤として機能するため、空気量が多いほどSOFC13が出力し得る最大負荷を大きくすることが可能となる。このような理由から、目標負荷情報は、図7に示すように、外気温度が低いほど、目標負荷が大きくなる特性とされている。
また、目標負荷情報は、図8に点線で示すように、外気温度から決定される目標負荷に対して所定の裕度を持たせることとしてもよい。SOFC13の負荷変化等で発電室温度が変化する際に、発電室温度は温度分布を保有する場合がある。このように所定の裕度を持たせることにより、発電室内の一部の温度がSOFC13の一部の部材等の耐熱温度から決定される温度上限値を超えることを極力回避することが可能となる。ここでの裕度は、本実施形態では、例えば、目標負荷(=目標出力電流)に対して約0.5%以下の範囲で設定される。裕度が0.5%を超え、更には1%を超えると目標負荷(=目標出力電流)に対して到達する電流値が少なくなり、出来るだけSOFC13の出力を多くしたい目的から外れるので好ましくない。また0.1%を下回ると、流量制御装置(マスフローコントローラなど)などの制御誤差範囲内になり実質的な裕度にならないので好ましくない。
出力電流指令設定部52は、目標負荷から決まる目標出力電流に基づいて所定の電流変化率で出力電流指令を所定の繰り返し時間間隔で設定する。電流変化率を設けないと、瞬時に電流が変化することになり各制御量の応答追従が出来ず、一時的に燃料ガスが過多もしくは欠乏となり、発電システム10の運転が不安定となる、SOFCカートリッジ203が損傷するなどの可能性がある。ここで電流変化率とは、電流変化量(電流の増加量)の時間当たりの勾配を示す。
具体的には、出力電流指令設定部52は、出力電流指令が電流閾値以下の電流範囲では、第1電流変化率(例えば、定格電流の5%/min)で出力電流指令を設定し、出力電流指令が電流閾値に到達した場合に、ゼロ以上、かつ、第1電流変化率よりも小さな値に設定されている第2電流変化率(例えば、定格電流の0%(0A)/min)を用いて出力電流指令を設定し、更に、出力電流指令が電流閾値に到達してから所定期間経過した後においては、第2電流変化率よりも大きい値に設定されている第3電流変化率(例えば、定格電流の0.5%/min)を用いて出力電流指令を設定する。
上記電流閾値は、第1電流変化率に応じて設定される。具体的には、図9に示すように、第1電流変化率と差分ΔIとが関連付けられた情報を用いて第1電流変化率に対応する差分ΔIを取得する。例えば、第1電流変化率が定格電流の5%/minに設定されている場合、差分αを取得する。そして、目標出力電流からこのαを減算することにより、電流閾値を求める。すなわち、この場合、電流閾値=(目標出力電流−α)に設定される。
また、所定期間は、第1電流変化率で出力電流指令を設定した場合の発電室温度の応答遅れに応じて設定される。
制御指令設定部53は、出力電流指令設定部52によって設定される出力電流指令を用いてSOFC13の負荷を変化させるための複数の制御系の制御指令を設定する。ここで指令は、個々の制御指令を出して制御量である発電室温度や出力電流の変化が安定してから次の制御指令を出すのではなく、ほぼ同時に制御指令を出すようにする。例えば、制御指令設定部53は、燃料極13Aに供給する燃料ガスL2の流量指令を設定する第1燃料ガス流量設定部53a、空気極13Bに供給する空気A1の入口温度指令を設定する入口空気温度設定部53b、MGT出力指令を設定するMGT出力設定部53c、燃料極13Aと空気極13Bとの差圧指令を設定する差圧設定部53d、再循環ブロワ50の回転数指令を設定する再循環流量設定部53e、及び燃料極13Aに供給する純水の流量指令を設定する純水流量設定部53fを備えている。
第1燃料ガス流量設定部53aは、例えば、図10に示すように、出力電流指令と燃料ガスL2の流量とが関連付けられた第1燃料ガス流量情報を有しており、第1燃料ガス流量情報から出力電流指令に対応する燃料ガスL2の流量を取得し、取得した燃料ガスL2の流量を第1燃料ガス流量指令として設定する。
入口空気温度設定部53bは、例えば、図11に示すように、出力電流指令とSOFC13の空気極13Bへの入口空気温度とが関連付けられた入口空気温度情報を有しており、入口空気温度情報から出力電流指令に対応する入口空気温度を取得し、取得した入口空気温度を入口空気温度指令として設定する。
MGT出力設定部53cは、例えば、図12に示すように、出力電流指令とMGT出力とが関連付けられたMGT出力情報を有しており、MGT出力情報から出力電流指令に対応するMGT出力を取得し、取得したMGT出力をMGT出力指令として設定する。ここで、MGT出力情報は、MGT11の圧縮機21に吸気する外気温度に応じてそれぞれ設定されていてもよい。外気温度は例えば外気温度センサ94により計測される。例えば、MGT出力情報は、吸気する外気温度の低下に伴って、同じ出力電流指令に対するMGT出力が高くなるように設定される。これは、外気温度が低いほど、圧縮機21で送風する空気Aの流量が増加し、燃焼器22からの燃焼ガスGの流量が増加させることが可能だからである。
差圧設定部53dは、例えば、図13に示すように、出力電流指令と燃料極13Aと空気極13Bとの間の差圧である燃料空気差圧とが関連付けられた差圧情報を有しており、差圧情報から出力電流指令に対応する燃料空気差圧を取得し、取得した燃料空気差圧を燃料空気差圧指令として設定する。
再循環流量設定部53eは、例えば、図14に示すように、出力電流指令とブロワ回転数とが関連付けられた回転数情報を有しており、ブロワ回転数により燃料ガス再循環ライン49の排燃料ガスL3の一部を再循環させる流量を制御する。回転数情報から出力電流指令に対応するブロワ回転数を取得し、取得したブロワ回転数をブロワ回転数指令として設定する。ここで、回転数情報は、MGTの吸気する外気温度に応じて設定されていてもよい。例えば、図8のように外気温度によりSOFC目標負荷が変わる。外気温度が低くなるとSOFC目標負荷が上昇するので、SOFCへ供給する空気流量が増加し系内圧力が上昇する。それにより再循環ガス密度が上昇するので、外気温度が低い時は、外気温度が高い時と同じ再循環流量とするために必要なブロワ回転数は低くなるよう設定する。
純水流量設定部53fは、例えば、図15に示すように、出力電流指令と純水流量とが関連付けられた純水流量情報を有しており、純水流量情報から出力電流指令に対応する純水流量を取得し、取得した純水流量を純水流量指令として設定する。出力電流を増加させる場合、SOFC負荷が増加し、燃料ガス再循環ライン49から供給される水蒸気の供給量も増加する。このため、改質に必要な水蒸気の大部分を燃料ガス再循環ライン49から供給される水蒸気によって賄うことができ、外部から供給が必要な純水流量は減少する。また所定のSOFC負荷となる出力電流以上では、燃料ガス再循環ライン49から改質に必要な全ての蒸気が供給されるので、純水の供給は不要となる。
制御部54は、第1燃料ガス流量制御部54a、入口空気温度制御部54b、MGT出力制御部54c、差圧制御部54d、再循環流量制御部54e、純水流量制御部54fを備えている。
第1燃料ガス流量制御部54aは、第1燃料ガス流量設定部53aからの第1燃料ガス流量指令に基づいて制御弁42の弁開度を制御することにより、燃料極13Aに供給する燃料ガス量を調整する。
入口空気温度制御部54bは、入口空気温度設定部53bからの入口空気温度指令に基づいて制御弁64、66の弁開度を調整することにより、空気極13Bに供給される空気A1の入口温度を制御する。
MGT出力制御部54cは、MGT出力設定部53cからのMGT出力指令に基づいて、主に制御弁65及び制御弁70の弁開度を調整することにより、MGT出力を制御する。
差圧制御部54dは、差圧設定部53dからの燃料空気差圧指令に基づいて、排燃料ガス供給ライン45に設けられている制御弁47の弁開度を調整することにより燃料極13A側が空気極13B側より所定の範囲(例えば、0.1〜1kPa)で高くなるように、発電室215の燃料空気差圧を制御する。
再循環流量制御部54eは、再循環流量設定部53eからのブロワ回転数指令に基づいて再循環ブロワ50の回転数を制御することにより、燃料極13Aに供給する排燃料ガス量を制御する。
純水流量制御部54fは、純水流量設定部53fからの純水流量指令に基づいてポンプ48の吐出流量を調整することにより、燃料極13Aに供給する純水量を制御する。
上記第1燃料ガス流量制御部54a、入口空気温度制御部54b、MGT出力制御部54c、差圧制御部54d、再循環流量制御部54e、純水流量制御部54fのうち少なくとも2つの制御系に対しては、ほぼ同時に制御指令が出され、例えば、入力された各指令に基づいてフィードバック制御やフィードフォワード制御を行うことにより、各種制御量を制御指令に一致させる制御を行う。なお、これらの制御については公知の技術を適宜適用すればよいため、詳細な説明は省略する。例えば、各種制御系の制御指令における各種操作量は、事前に図10から図15に示すような特性を用いたシミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいて作成してもよい。このようにすることで、ほぼ同時に複数の制御系に対して制御指令を出しても、各制御量が適切な制御の下に安定して指令値へと近づいてゆき、SOFC13の発電室温度や負荷(出力電流)を目標値へと安定して近づけることが可能となる。
次に、負荷上昇制御部4によって実行される負荷上昇モード時の制御について、図16を参照して説明する。図16は、負荷上昇モードにおける制御手順を示したフローチャートである。負荷上昇モードは、上述した第2昇温モードにおいて、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達したときに開始される制御モードである。
まず、目標負荷設定部51によって外気温度に基づいて図7に示した目標負荷情報から目標負荷(=目標出力電流)が設定される(ステップSA1)。続いて、出力電流指令設定部52によって、所定の電流変化率を用いて、目標負荷に対応する目標出力電流から出力電流指令が設定される(ステップSA2)。ここで、所定の電流変化率は、出力電流指令に応じて変化する。具体的には、出力電流指令が上述した電流閾値以下の場合には、第1電流変化率を用いて出力電流指令が設定され、出力電流指令が電流閾値に到達してから所定期間経過するまでは第2電流変化率を用いて出力電流指令が設定され、出力電流指令が電流閾値に到達してから所定期間経過後においては、第3電流変化率を用いて出力電流指令が設定される。ここで所定時間は、発電室温度の応答遅れを考慮して、シミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいて適切な値を設定したものである。
続いて、制御指令設定部53により、設定された出力電流指令に基づいて各制御系の制御指令が設定される(ステップSA3)。そして、制御部54により、設定された各種制御指令に基づく各制御系の操作量がほぼ同時期に制御される(ステップSA4)。これにより、各種制御系の制御量が目標負荷に向けてほぼ同時期に変化することとなる。続いて、出力電流指令が目標負荷に対応する目標出力電流以上であるか否かを判断する(ステップSA5)。この結果、出力電流指令が目標出力電流未満であれば(ステップSA5において「NO」)、所定時間経過後にステップSA2に戻り、目標負荷に基づく出力電流指令が再度設定され、新たに設定された出力電流指令に基づいて以降のステップが順次行われる。ステップSA5の判断は、所定の繰り返し時間間隔で行われ、目標負荷に対応する目標出力電流から出力電流指令の設定も、所定の繰り返し時間間隔で行われる。これにより、各種制御系の制御指令が所定の繰り返し時間間隔で適切に行われ、これに基づいて、各制御系の制御をほぼ同時期に行うことができ、各制御量が安定するまでの時間を短縮することが可能となる。ここで、所定の繰り返し時間間隔とは、ステップSA2からステップSA5までの各処理の制御を実行するのに必要な時間である。
このようにして、ステップSA2〜SA5を繰り返し行うことにより、徐々に出力電流が目標出力電流に向けて変化し、出力電流が目標出力電流に到達すると、ステップSA5において「YES」と判断され、本制御を終了する。出力電流が目標出力電流に到達したのちは、出力電流を目標出力電流で維持するような制御が行われる。
上述のように、本実施形態に係る負荷上昇制御部4によれば、出力電流指令設定部52が出力電流指令に応じて設定される電流変化率を用いて出力電流指令を設定する。具体的には、図17に示すように、出力電流指令が電流閾値以下の電流範囲の場合には、第1電流変化率を用いて出力電流指令が設定され、出力電流指令が電流閾値に到達してから所定期間経過するまでは第2電流変化率を用いて出力電流指令が設定され、出力電流指令の変化幅として電流閾値に到達してから所定期間経過後においては、第3電流変化率を用いて出力電流指令が設定される。これにより、出力電流指令が電流閾値以下の電流範囲においては、比較的大きな電流変化率を用いて出力電流指令を設定するので、出力電流指令が電流閾値に到達するまでの時間を比較的短くすることができる。また、出力電流指令の変化幅として電流閾値に到達してから所定期間においては、第2電流変化率を用いて出力電流指令を設定することにより、非常に緩やかに、あるいは、出力電流指令の上昇を一旦停止させる。
これにより、この期間に発電室温度の追従遅れを取り戻すことができる。そして、出力電流指令の変化幅として電流閾値に到達してから所定期間経過後においては、第2電流変化率よりも大きな値に設定されている第3電流変化率を用いて出力電流指令が設定されることにより、目標出力電流に向けて緩やかに出力電流指令を上昇させる。これにより、発電室温度の追従遅れをほぼ解消することができ、細い破線で示した発電室目標温度に収束し、発電室温度のオーバーシュートを抑制および定格負荷到達後に発電室温度が発電室目標温度に安定するまでの時間を短縮することが可能となり、オーバーシュートによる発電室の再冷却が抑制される。このため発電室温度を上昇させるための無駄なエネルギ消費を抑制することができる。図17では、比較用に発電室目標温度になるまで、第2電流変化率と第3電流変化率を用いないで同様な制御のもとで出力電流指令を上昇する制御を継続した場合を破線で示している。このように出力電流指令を上昇させて燃料ガスL2の供給を続けると、発電室温度はオーバーシュートすることになるとともに、目標発電室温度に安定するまでの時間も長く要する。
なお、本実施形態に係る負荷上昇制御部4は、出力電流指令が電流閾値に到達した場合に、第1電流変化率から第2電流変化率に切り替えていたが、これに限定されず、例えば、後述する発電室温度が第2温度閾値Tth2以上発電室目標温度Ttag以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合に、第1電流変化率から第2電流変化率に切り替えることとしてもよい。
次に、SOFC制御装置60aが備える温度上昇制御部5について詳しく説明する。
温度上昇制御部5は、図18に示すように、空気極13B側に供給する空気(酸化剤ガス)A1の流量を制御する空気制御部14と、空気極13B側に供給する燃料ガスL2(可燃性ガス)の流量を制御する燃料ガス制御部15とを備えている。
燃料ガス制御部15は、温度センサ92の計測温度から発電室温度を特定し、発電室温度が上述の第1温度閾値Tth1に到達した場合に、空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を開始する。
具体的には、燃料ガス制御部15は、発電室温度特定部16、第2燃料ガス流量設定部17、第2燃料ガス流量制御部18を備えている。
発電室温度特定部16は、SOFCカートリッジ203内に備えられた温度センサ92によって計測された複数の温度計測値のうちの最高温度を発電室温度として特定する。なお、本実施形態においては、SOFC13には温度分布があることから、一部の温度が上限温度を越えないようにするために、温度センサ92によって計測された複数の計測温度のうちの最大値を発電室温度として特定するが、これに限定されず、例えば、複数の温度計測値の平均値、あるいは、その他の統計手法を用いて複数の温度計測値から発電室温度を特定することとしてもよい。
第2燃料ガス流量設定部17は、例えば、図19に示すように、発電室温度と、空気極燃料供給ライン80より空気極13Bでの触媒燃焼用に空気A1に添加する燃料ガスL2の流量とが関連付けられた第2燃料ガス情報を有しており、第2燃料ガス情報から発電室温度特定部16によって特定された発電室温度に対応する燃料ガスL2の流量を取得し、取得した燃料ガスL2の流量を第2燃料ガス流量指令として設定する。
ここで、図19に示すように、第2燃料ガス情報は、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達するまでは第2燃料ガス流量が増加する特性とされ、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達した後は第2燃料ガス流量が減少する特性とされている。これは、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達した以降は、負荷上昇モードに移行し、燃料極13Aに発電反応用の燃料ガスL2が供給され、自己発電の発熱により発電室温度が上昇するからである。ここで図19の第2燃料ガス情報は、シミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいて適切な値を設定したものである。
また、第2燃料ガス流量設定部17は、発電室温度が供給停止温度Tstopに到達した場合に、空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を停止させる。ここで、供給停止温度Tstopは、第2温度閾値Tth2よりも大きく発電室目標温度Ttag以下に設定されている。このように、発電室温度が発電室目標温度Ttagに到達する前に、空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を停止することにより、発電室温度のオーバーシュートを抑制することが可能となる。一方、図19は、Tstopに到達後も発電室温度に合せて同様な制御のもとに燃料ガスL2を供給し続けた場合を破線で示している。このように燃料ガスL2の供給を続けると、後述の図21のように発電室温度はオーバーシュートすることになるとともに、発電室目標温度に安定するまでの時間も長く要する。
ここで、供給停止温度Tstopは、例えば、上述した出力電流指令設定部52が用いる第1電流変化率、出力電流指令の変化幅、及び出力電流指令のうち、少なくとも一つに応じて設定される。例えば、図20に、供給停止温度の設定手順の一例を示したフローチャートを示す。図20では、第1電流変化率、出力電流指令の変化幅、及び出力電流指令に基づいて供給停止温度を設定する場合について例示している。
図20に示すように、目標負荷に対応する出力電流指令が第1閾値(例えば、第1閾値は、定格電流の25%以上40%以下の電流範囲の値に設定されている)以下の場合には(ステップSB1において「NO」)、SOFCの発電による発熱が小さく、発電室温度がオーバーシュートするおそれが小さいため、供給停止温度Tstopは第1温度(例えば、発電室目標温度Ttagの96%)に設定される(ステップSB2)。一方、目標負荷に対応する出力電流指令が第1閾値よりも大きい場合には(ステップSB1において「YES」)、続いて、電流上昇幅が第2閾値(例えば、第2閾値は、定格電流の50%以上65%以下の電流範囲の値に設定されている)よりも大きいか否かを判定する(ステップSB3)。ここで、電流上昇幅とは、現在の出力電流値と目標負荷に対応する出力電流指令との差分であり、例えば、現在の出力電流値が0Aの場合には、出力電流指令と電流上昇幅とは同じ値をとることとなる。
ステップSB3において、電流上昇幅が第2閾値以下である場合には(ステップSB3において「NO」)、更に出力電流指令が第3閾値(例えば、第3閾値は、定格電流の50%以上65%以下の電流範囲の値に設定されている)よりも大きいか否かを判定する(ステップSB4)。この結果、出力電流指令が第3閾値以下である場合には(ステップSB4において「NO」)、SOFCの発電による発熱が小さく、発電室温度がオーバーシュートするおそれが小さいため、供給停止温度Tstopは第1温度に設定される(ステップSB2)。一方、ステップSB4において、出力電流指令が第3閾値よりも大きい場合には(ステップSB4において「YES」)、供給停止温度Tstopは第1温度よりも低い第2温度(例えば、発電室目標温度の95%)に設定される(ステップSB5)。
また、ステップSB3において、電流上昇幅が第2閾値よりも大きい場合には(ステップSB3において「YES」)、第1電流変化率が第4閾値(例えば、第4閾値は定格電流の2%/minに設定されている)よりも大きいか否かを判定する(ステップSB6)。この結果、第1電流変化率が第4閾値以下の場合(ステップSB6において「NO」)には、上述のステップSB4に移行する。一方、ステップSB6において、第1電流変化率が第4閾値よりも大きい場合(ステップSB6において「YES」)には、供給停止温度Tstopは第2温度よりも低い第3温度(例えば、発電室目標温度の93%)に設定される(ステップSB7)。
このように、出力電流指令、電流上昇幅、及び電流変化率が大きく、オーバーシュートしやすい状況にあるほど、供給停止温度Tstopを低い値に設定する。これにより、発電室温度が発電室目標温度に達する前に空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を止めることができ、発電室温度のオーバーシュートを抑制することができる。
なお、上述した供給停止温度Tstopの設定については、例えば、SOFC13の起動開始時、換言すると、上述した第1昇温モードが開始される前に、図20に示した処理を1回実行し、供給停止温度Tstopを設定することとしてもよい。また、出力電流指令は所定の繰り返し時間間隔で設定されるため、再設定された出力電流指令、電流上昇幅、電流変化率によってTstopの再設定を行ってもよい。
上述のように、本実施形態に係る温度上昇制御部5によれば、図21に示すように燃料ガスL2の流量を発電室温度がオーバーシュートすることを抑制して制御することができる。また、比較用にTstop後も、発電室目標温度になるまで同様な制御のもとに燃料ガスL2を供給し続けた場合を破線で示している。このように燃料ガスL2の供給を続けると、発電室温度はオーバーシュートすることになるとともに、発電室目標温度に安定するまでの時間も長く要する。また、図19及び図21に示すように、発電室温度が予め設定された第1温度閾値Tth1に到達した場合に、空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を開始し、発電室温度が第1温度閾値Tth1よりも大きく発電室目標温度Ttag以下に設定された供給停止温度Tstopに到達したときに空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を停止する。燃料ガスL2の供給を停止した以降は、発電による発熱のみにより発電室温度が上昇することとなる。これにより、発電室をTth2またはTstopまで素早く昇温させた後に、発電室温度を発電室目標温度Ttagまで緩やかに上昇させることができ、オーバーシュートを抑制することが可能となり、オーバーシュートによる発電室の再冷却が抑制される。このため発電室温度を上昇させるための無駄なエネルギ消費を抑制することができる。
また、供給停止温度Tstopは、出力電流指令を設定する際に使用される第1電流変化率、出力電流指令、およびその変化幅に応じて設定されるので、負荷上昇の様子に応じて適切な温度に供給停止温度Tstopを設定することが可能となる。
以上説明してきたように、燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムによれば、負荷上昇時において、制御量のオーバーシュートを回避しながら目標到達までの時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施形態においては、負荷上昇制御部4による電流変化率の切り替えと、温度上昇制御部5による供給停止温度Tstopにおける燃料ガスL2の供給停止の両方を実施する場合について説明したが、いずれか一方の制御を実施することとしてもよい。例えば、負荷上昇制御部4による電流変化率の切り替えを行う場合には、温度上昇制御部5は、供給停止温度Tstopで燃料ガスL2の供給を停止することなく、発電室温度が発電室目標温度Ttagに到達するまで図19に示した第2燃料ガス情報に基づいて燃料ガスL2の供給を継続して行うこととしてもよい。
また、温度情報制御部5による供給停止温度Tstopにおける燃料ガスL2の供給停止を実施する場合には、例えば、負荷上昇制御部4は電流変化率の切り替えを行わずに、出力電流指令が目標出力電流に到達するまで、第1電流変化率のみを用いて出力電流指令を設定することとしてもよい。
4 :負荷上昇制御部
5 :温度上昇制御部
10 :発電システム
11 :MGT(マイクロガスタービン)
12 :発電機
13A :燃料極
13B :空気極
14 :空気制御部
15 :燃料ガス制御部
16 :発電室温度特定部
17 :第2燃料ガス流量設定部
18 :第2燃料ガス流量制御部
51 :目標負荷設定部
52 :出力電流指令設定部
53 :制御指令設定部
53a :第1燃料ガス流量設定部
53b :入口空気温度設定部
53c :MGT出力設定部
53d :差圧設定部
53e :再循環流量設定部
53f :純水流量設定部
54 :制御部
54a :第1燃料ガス流量制御部
54b :入口空気温度制御部
54c :MGT出力制御部
54d :差圧制御部
54e :再循環流量制御部
54f :純水流量制御部
60 :制御装置
60a :SOFC制御装置
60b :MGT制御装置
90 :差圧センサ
92 :温度センサ
94 :外気温度センサ
105 :燃料電池セル
111 :固体電解質
201 :SOFCモジュール
203 :SOFCカートリッジ
215 :発電室

Claims (14)

  1. 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、
    目標負荷を設定する目標負荷設定部と、
    所定の電流変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、
    前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定部と、
    発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、前記空気極への可燃性ガスの供給を開始し、前記発電室温度が前記第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに前記空気極への前記可燃性ガスの供給を停止する可燃性ガス流量制御部と
    を備え、
    前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、及び前記出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定される燃料電池の制御装置。
  2. 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、
    目標負荷を設定する目標負荷設定部と、
    所定の第1電流変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、
    前記出力電流指令設定部によって設定された出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定部と、
    を備え、
    前記出力電流指令設定部は、前記出力電流指令が前記目標負荷に対応する目標出力電流以下に設定された電流閾値に到達した場合、または、発電室温度が発電室目標温度以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合に、前記第1電流変化率よりも小さな値に設定された第2電流変化率を用いて前記出力電流指令を設定し、
    前記電流閾値または前記温度閾値は、前記第1電流変化率に応じて設定される燃料電池の制御装置。
  3. 前記出力電流指令設定部は、前記出力電流指令が前記電流閾値に達してから所定時間経過した場合、または、前記発電室温度が前記温度閾値に達してから所定時間経過した場合に、前記第2電流変化率よりも大きく設定された第3電流変化率を用いて前記出力電流指令を設定する請求項2に記載の燃料電池の制御装置。
  4. 前記第2電流変化率はゼロに設定されている請求項2または請求項3に記載の燃料電池の制御装置。
  5. 前記目標負荷設定部は、前記燃料電池の周囲の外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する請求項2から請求項4のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
  6. 前記発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、前記空気極への可燃性ガスの供給を開始し、前記発電室温度が前記第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに前記空気極への前記可燃性ガスの供給を停止する可燃性ガス流量制御部を備え、
    前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、及び前記出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定される請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
  7. 前記供給停止温度は、前記所定の変化率、前記出力電流指令の変化幅、または前記出力電流指令が大きいほど、低い値に設定される請求項1または請求項6に記載の燃料電池の制御装置。
  8. 前記目標負荷設定部は、前記燃料電池の周囲の外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する請求項1に記載の燃料電池の制御装置。
  9. 前記複数の制御系は、燃料極への燃料ガス供給流量、燃料電池空気極入口温度、マイクロガスタービン出力、前記燃料極と前記空気極との差圧、再循環ブロワ回転数、及び純水流量のうち2つ以上を含む請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
  10. 前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池である請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
  11. 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池と、
    請求項1から請求項10のいずれかに記載の燃料電池の制御装置を備える発電システム。
  12. 前記発電室の中央領域に設けられた複数の温度計測部を備え、
    前記温度計測部によって計測された複数の計測温度のうちの最高温度が前記発電室温度として用いられる請求項11に記載の発電システム。
  13. 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、
    前記発電室内に設けられた所定の測定点の温度を計測する温度計測工程と、
    目標負荷を設定する目標負荷設定工程と、
    所定の変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する電流指令設定工程と、
    前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定工程と、
    前記温度計測工程で計測された計測温度から特定される発電室温度が予め設定された第1温度閾値に到達した場合に、前記空気極に可燃性ガスを供給する供給開始工程と、
    前記発電室温度が前記第1温度閾値よりも大きく発電室目標温度以下に設定された供給停止温度に到達したときに前記空気極への前記可燃性ガスの供給を停止する供給停止工程と
    を備え、
    前記供給停止温度は、前記所定の電流変化率、前記目標負荷に対応する出力電流指令、及び前記出力電流指令の変化幅の少なくともいずれか一つに応じて設定される燃料電池の制御方法。
  14. 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、
    前記発電室内に設けられた所定の測定点の温度を計測する温度計測工程と、
    目標負荷を設定する目標負荷設定工程と、
    所定の第1電流変化率を用いて、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定工程と、
    前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系への制御指令を設定する制御指令設定工程と、
    を備え、
    前記出力電流指令設定工程は、前記出力電流指令が前記目標負荷に対応する目標出力電流以下に設定された電流閾値に到達した場合、または、発電室温度が発電室目標温度以下に設定された所定の温度閾値に到達した場合に、前記第1電流変化率よりも小さな値に設定された第2電流変化率を用いて前記出力電流指令を設定し、
    前記電流閾値または前記温度閾値は、前記第1電流変化率に応じて設定される燃料電池の制御方法。
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