JP2018005132A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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勝啓 井上
Katsuhiro Inoue
勝啓 井上
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Abstract

【課題】カム溝内に付勢手段を配置し、カムフォロアと溝とのガタを取るガタ取り機構を構成可能とし、カム環の全長短縮によった小型のレンズ鏡筒を提供すること。
【解決手段】鏡筒を光軸方向へ進退可能にするカム溝を有したカム部材と、鏡筒を直進ガイドするガイド部材とを有する。また、鏡筒と一体的に、前記カム溝と当接して光軸方向へ進退するカムフォロアと、前記カムフォロアと係合あるいは前記カムフォロアに固定され、且つカム溝と当接して付勢力を与える付勢手段とを有する。前記カムフォロアはカム溝の第一のカム面と当接し、前記付勢手段は第一のカム面と対向する第二のカム面と当接することを特徴とする構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ鏡筒に関し、特にレンズ鏡筒のガタ取り機構に関するものである。
従来、レンズを保持する保持枠を、カム環に設けたカム溝に係合するカムフォロアで吊ることで、カム環の回転作動に応じて光軸方向への進退を可能にしている。その際、カム溝とカムフォロアとのガタがあると、フォーカスやズーム作動時に撮影者の姿勢に応じてレンズ保持枠が倒れてしまう。それにより、光学性能が変化してしまうことが懸念されている。そのため、様々なカム溝とカムフォロアとのガタを取る機構が提案されている。
特許文献1には、レンズ保持部材と同方向に移動する移動部材を設け、この移動部材とレンズ保持部材との間にガタ防止用のばねを介在する構成が開示されている。レンズ保持部材と移動部材の各々に設けられたカムフォロアは、レンズ固定部に設けた共通の案内溝に係合し、且つ回転筒に設けた異なるカム溝に係合している。またあるいは、レンズ保持部材と移動部材の各々に設けられたカムフォロアは、回転筒に設けた共通のカム溝に係合し、且つレンズ固定部に設けた異なる案内溝に係合している。
また、特許文献2は、特許文献1と同様にカム環に対して光軸方向へ相対移動可能な移動レンズ群枠と鏡枠環との間に配置され、互いに離間する方向への移動付勢するばね手段を有している。ここではレンズ群用カム溝と鏡枠環用カム溝のズーム領域部は、周方向の位置が同一で且つ光軸方向位置が異なる略同一形状を有している。
特許第3206199号公報 特許第3875849号公報
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、レンズを保持する鏡筒と、付勢手段(バネ)を介して鏡筒をカム溝面へ付勢するための、カム環にコロ吊りされる別部材が必要であった。また、別部材をカム環にコロ吊りするために別部材用のカム溝や、カム溝を延長して同じカム溝に鏡筒と別部材を保持するカムフォロアを係合させるなど、カム環の全長を長くする必要があった。
そこで、本発明の目的は、カム溝内に付勢手段を配置し、カムフォロアと溝とのガタを取るガタ取り機構を構成可能とし、カム環の全長短縮によった小型のレンズ鏡筒を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係るレンズ鏡筒は、
鏡筒を光軸方向へ進退可能にするカム溝を有したカム部材と、鏡筒を直進ガイドするガイド部材と、鏡筒と一体的に、前記カム溝と当接して光軸方向へ進退するカムフォロアと、前記カムフォロアと係合あるいは前記カムフォロアに固定され、且つカム溝と当接して付勢力を与える付勢手段と、前記カムフォロアはカム溝の第一のカム面と当接し、前記付勢手段は第一のカム面と対向する第二のカム面と当接することを特徴としたガタ取り機構と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、カム溝内に付勢手段を配置し、カムフォロアと溝とのガタを取るガタ取り機構を構成可能とし、カム環の全長短縮によった小型のレンズ鏡筒を提供することができる。
本実施例1のガタ取り機構の透視図 本発明の実施形態にかかわるレンズ鏡筒の概略断面図 本実施例1のカムフォロア取り付け部断面図 本実施例1の付勢手段、斜視図 本実施例1の付勢手段の自由状態図 本実施例1における、他の付勢手段例 本実施例2における付勢手段、斜視図 本実施例2における、バーによる直進ガイド概略説明図 本実施例2における、付勢手段の付勢力が働かない場合の説明図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態にかかわるレンズ鏡筒の概略断面図である。
[実施例1]
以下、図2を参照して、本発明の第1の実施例による実施形態について説明する。
カメラボディと着脱可能なマウント1001に対し、外装環1002が径嵌合し、当接部1003で光軸方向が規制されて、ビスで締結されている。固定筒1004は、外装環1002と径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。固定筒1004には、ガラスを保持する3群鏡筒1005と、ガラスを光軸直行平面内でシフトすることによって手振れ補正を行う手振れ補正群1006を、カムフォロアにより保持されている。また、ガラスを保持する5群鏡筒1007は固定筒1004に対して径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。
中間筒1008は固定筒1004に径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。案内筒1009は中間筒1008に対して径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。カム環1010は案内筒1009に対して径嵌合し、且つ光軸方向への移動が規制され定位置回転をする。案内筒1009とカム環1010にはレンズを保持する2群鏡筒1011を光軸方向へ進退させるために、それぞれ直進ガイドする直進溝1019およびカム溝1020が形成されている。2群鏡筒1011に取り付けられるカムフォロア1012が、前記案内筒1009とカム環1010に設けられた直進ガイドする直進溝1019・カム溝1020に係合されている。
ガラスを保持する1群鏡筒1013は案内筒1009に対して当接部1014で光軸方向が規制され、案内筒1009とネジ結合されている。アクチュエータ1015は案内筒1009に対して径嵌合し、光軸方向でビスにより案内筒1009に締結されている。
アクチュエータ1015の回転部(不図示)を介して、アクチュエータ1015の回転力がカム環1010に伝達される。フォーカスリング1016は、1群鏡筒1013と径嵌合してビス固定されるホルダー1017と径嵌合し、カムフォロア1018で光軸方向への移動が規制されている。フォーカスリング1016とアクチュエータ1015の構成部材(不図示)は一体的に回転し、フォーカスリング1016の回転作動がアクチュエータ1015を介して、カム環1010に伝達される。
以下、図1、図3、図4、図5を用いて本発明の特徴的な箇所を詳述する。
図4は付勢手段1022の斜視図である。付勢手段1022は2群鏡筒1011にビス1021で締結されるカムフォロア1012の、直進ガイドする直進溝1019およびカム溝1020に対するガタを取るためのである(部品の説明は後述する。)。
付勢手段1022は、第一の付勢部1024と第二の付勢部1027と、それらを連結する連結部1032からなる。また、第一の付勢部1024および第二の付勢部1027はそれぞれ、腕部1033と当接部1034からなる。
図3に、カムフォロア1012と付勢手段1022の係合の状態を示す。
カムフォロア1012は、付勢手段1022を係合させるために凹部1030を有している。付勢手段1022の連結部1032の内径が、カムフォロア1012の凹部1030と係合する。また1031は、2群鏡筒の座グリ部と嵌合あるいは圧入される軸部である。前述のように、カムフォロア1012はビス1021で2群鏡筒1011に締結される。
図5に示すように、付勢手段1022の第一の付勢部1024と第二の付勢部1027各々の当接部1034が、第一のカム溝面1025および第一の直進溝面1028に接し、押圧する。図5の破線が示す形状は付勢手段1022が第一のカム溝面1025および第一の直進溝面1028に当接していない、自然状態を示している。付勢手段1022がカムフォロア1012に係合し、案内筒1009・カム環1010に組み込まれることで、腕部1033がしなり、押圧力が発生する。
次に、図1を用いて付勢手段1022によるガタ取りの説明をする。
1019は案内筒1009に形成された直進ガイドする直進溝である。1020はカム環1010に形成されたカム溝である。1012は2群鏡筒1011に取り付けられたカムフォロアであり、ビス1021で2群鏡筒1011に締結されている。
付勢手段1022の第一の付勢部1024はカム溝の第一のカム溝面1025にA部で当接し、第一のカム溝面1025に付勢力FAを与えている。付勢手段1022はカムフォロア1012と係合しているため、カムフォロア1012は付勢力FAによって第二のカム溝面1026のB部に押圧されている。これにより、カムフォロア1012とカム溝1020間のガタが取られている。
また、付勢手段1022の第二の付勢部1027は直進ガイドする直進溝1019の第一の直進溝面1028にC部で当接し、第一の直進溝面1028に付勢力FCを与えている。付勢手段1022はカムフォロア1012と係合しているため、カムフォロア1012は付勢力FCによって第二の直進溝面1029のD部に押圧されている。これにより、カムフォロア1012と直進ガイドする直進溝1019間のガタが取られている。
ここまで、付勢手段1022は板バネのような図示で説明したが、本発明はその実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
[実施例2]
第一の実施例では板バネのような付勢手段を示したが、図6に示すようなトーションバネ等でもガタ取りの目的を達成することができる。第一コイル部1041の内径はカムフォロア1012と係合する。第二コイル部1042の外径は第一のカム溝面1025と当接し、図1のような付勢力FAを与える。第一コイル部1041と第二コイル部1042は、連結部1043のコイル線で連結されている。連結部1043は、第二コイル部1042外径が第一のカム溝面1025と当接する際に撓むことで付勢力FAが発生する。
また、第三コイル部1044の外径は第一の直進溝面1028と当接し、図1のような付勢力FCを与える。第一コイル部1041と第三コイル部1044は、連結部1045のコイル線で連結されている。連結部1045は、第三コイル部1044外径が第一の直進溝面1028と当接する際に撓むことで付勢力FCが発生する。
[実施例3]
以下、図7を参照して、本発明の第3の実施例による、実施形態について説明する。第一の実施例では、直進ガイドする直進溝1019とカム溝1020を付勢する付勢手段1022が一体的に構成されたもの示した。付勢手段1022は直進ガイドする直進溝1019を付勢するためのものと、カム溝1020を付勢するためのものとが、別々のものであってもよい。図7はカムフォロア1012に取り付けられた付勢手段1035を示している。
図7のように付勢手段1035がカムフォロア1012に対して連結部1036で係合もしくは固定され、2組の腕部1037と当接部1038で第一の直進溝面1028および第一のカム溝面1025を押圧している。2組の腕部1037と当接部1038で第一の直進溝面1028および第一のカム溝面1025を押圧するため、付勢手段1035のカムフォロア1012に対する回転が規制されている。付勢手段1035がカムフォロアに固定されるのであれば、腕部1037と当接部1038は1組でもよい。
2つの付勢手段1035が、それぞれ直進ガイドする直進溝1019を付勢するためのものと、カム溝1020を付勢するためのものとして構成されることで、カムフォロア1012と直進ガイドする直進溝1019・カム溝1020間のガタ取りができている。
また、レンズを保持する鏡筒を直進ガイドする手段は、前記案内筒1009に設けられたような直進溝1019でなくてもよい。例えば、図8の斜視図のように、直進ガイドするバー部材1039が鏡筒の穴や溝1040と嵌合し、バー部材1039の片側あるいは両端が別部材に保持されるようなものであってもよい。
その際、付勢手段1035はカム溝1025にのみ当接し、付勢力を与える。そのため付勢手段1035は、図9のように腕部1037と当接部1038が1組だけで、且つカムフォロア1012に対して嵌合しているだけでは、カムフォロア1012に対して回転してしまい付勢力を与えることができない。そのため、付勢手段1035の腕部1037と当接部1038が1組の場合はカムフォロア1012に対して固定、もしくはカムフォロアと一体的に形成される必要がある。
また、図7のように腕部1037と当接部1038を2組設ければ、カムフォロア1012に対して回転せずに付勢力をカム溝面1025に与えることができるため、カムフォロア1012に対して付勢手段1035は嵌合であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1001 マウント、1002 外装環、 1003 当接部、 1004 固定筒、
1005 3群鏡筒、1006 手振れ補正群、1007 5群鏡筒、1008 中間筒、1009 案内筒、1010 カム環、1011 2群鏡筒、1012 カムフォロア 1013 1群鏡筒、1014 当接部、1015 アクチュエータ、1016 フォーカスリング、1017 ホルダー、1018 カムフォロア、1019 直進溝、1020 カム溝、1021 ビス、1022 付勢手段、1023 係合部、1024 第一の付勢部、1025 第一のカム溝面、1026 第二のカム溝面、1027 第二の付勢部、1028 第一の直進溝面、1029 第二の直進溝面、1030 凹部、1031 軸部、1032 連結部、1033 腕部、1034 当接部、1035 付勢手段、1036 連結部、1039 バー部材、1040 穴や溝

Claims (3)

  1. 鏡筒を光軸方向へ進退可能にするカム溝を有したカム部材と、
    鏡筒を直進ガイドするガイド部材と、
    鏡筒と一体的に、前記カム溝と当接して光軸方向へ進退するカムフォロアと、
    前記カムフォロアと係合あるいは前記カムフォロアに固定され、且つカム溝と当接して付勢力を与える付勢手段と、
    前記カムフォロアはカム溝の第一のカム面と当接し、前記付勢手段は第一のカム面と対向する第二のカム面と当接することを特徴としたガタ取り機構と、を有することを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記ガイド部材は、光軸方向へ延伸する直進溝を有し、前記付勢手段は、直進溝に付勢力を与える直進溝付勢部と、カム溝に付勢力を与えるカム溝付勢部と、前記カムフォロアに係合あるいは固定される連結部とを有し、直進溝付勢部とカム溝付勢部と連結部は、一体的に構成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記ガイド部材は、光軸方向へ延伸する直進溝を有し、前記付勢手段は、直進溝あるいはカム溝に付勢力を与える付勢部を有し、また前記カムフォロアに固定あるいは係合され、直進溝に付勢力を与える付勢手段と、カム溝に付勢力を与える付勢手段は各々別体的に構成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
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