JP2018004928A - 色変換シート、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明 - Google Patents

色変換シート、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶ディスプレイやLED照明に用いられる色変換シートにおいて、色再現性の向上と耐久性を両立させること。
【解決手段】入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換シートであり、
少なくとも以下の(A)層および(B)層;
(A)少なくとも1種の有機発光材料、およびバインダー樹脂を含有する、連続層である色変換層
(B)ポリオール系樹脂と、特定構造のケイ素化合物およびその加水分解物を含む樹脂組成物の硬化物層
を含む積層体である、色変換シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、色変換シート、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明に関する。
色変換方式によるマルチカラー化技術を、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、照明などへの応用することが盛んに検討されている。色変換とは、発光体からの発光をより長波長な光へと変換することであり、たとえば青色発光を緑色や赤色発光へと変換することを表す。
この色変換機能を有する組成物をシート化し、例えば青色光源と組み合わせることにより、青色光源から、青、緑、赤色の3原色を取り出すこと、すなわち白色光を取り出すことが可能となる。このような青色光源と色変換機能を有するシートを組み合わせた白色光源をバックライトユニットとし、液晶駆動部分と、カラーフィルターと組み合わせることで、フルカラーディスプレイの作製が可能になる。また液晶駆動部分が無ければ、そのまま白色光源として用いることができ、たとえばLED照明などの白色光源として応用できる。
色変換方式を利用する液晶ディスプレイの課題として、色再現性の向上が挙げられる。色再現性の向上には、バックライトユニットの青、緑、赤の各発光スペクトルの半値幅を狭くし、青、緑、赤各色の色純度を高めることが有効である。
これを解決する手段として無機半導体微粒子による量子ドットを色変換組成物の成分として用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。量子ドットを用いる技術は、確かに緑、赤色の発光スペクトルの半値幅が狭く、色再現性は向上するが、反面、量子ドットは熱、空気中の水分や酸素に弱く、耐久性が十分でなかった。また、カドミウムを含むなどの課題もある。
量子ドットの代わりに有機物の発光材料を色変換組成物の成分として用いる技術も提案されている。有機発光材料を色変換組成物の成分として用いる技術の例としては、クマリン誘導体を用いたもの(例えば、特許文献2参照)、ローダミン誘導体を用いたもの(例えば、特許文献3参照)、ピロメテン誘導体を用いたもの(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
特開2012−22028号公報 特開2007−273440号公報 特開2001−164245号公報 特開2011−241160号公報
しかしこれらの有機発光材料を用いても色再現性と耐久性の両立という観点では未だ不十分であった。特に高色純度の発光を示す有機発光材料を色変換シートの成分として用いた際に、耐久性を両立させる技術が不十分であった。
本発明が解決しようとする課題は、ディスプレイや照明等に用いられる色変換シートにおいて、色再現性の向上と耐久性を両立させることであり、特に有機発光材料の高色純度の発光と耐久性を両立させることである。
すなわち本発明は、入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換シートであり、
少なくとも以下の(A)層および(B)層;
(A)少なくとも1種の有機発光材料、およびバインダー樹脂を含有する、連続層である色変換層
(B)ポリオール系樹脂と、一般式(1)で表されるケイ素化合物および/またはその加水分解物を含む樹脂組成物の硬化物層
を含む積層体である、色変換シートである。
Figure 2018004928
(R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、シリル基からなる群より選ばれる。
はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、アルキレン基、フェニレン基から選ばれる。
Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、グリシジル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、グリシジルエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、ボリル基、ホスフィンオキシド基からなる群より選ばれる。
nは0以上4以下の整数である。)
本発明の色変換シートは、高色純度の発光と耐久性が両立されているため、色再現性と耐久性を両立させることが可能となる。
本発明の色変換シートの一例を示す模式断面図 本発明の色変換シートの一例を示す模式断面図 本発明の色変換シートの一例を示す模式断面図 合成例1の化合物の吸収スペクトル 合成例1の化合物の発光スペクトル 合成例2の化合物の吸収スペクトル 合成例2の化合物の発光スペクトル
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
本発明において色変換シートは色変換層である(A)層とバリア層である(B)層を含む積層体である。色変換シート内に、(A)層、(B)層はそれぞれ複数層含まれても良く、その場合、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
色変換シートの代表的な構造例として、図1に示すような、基材層10、(A)層11、および(B)層12との積層体や、図2に示すような、基材層10と、(A)層11と(B)層12が(B)層/(A)層/(B)層の順で積層した積層体とからなるものが挙げられる。さらに図3に示すような、(A)層11と(B)層12が複数の基材層10によって挟まれた積層体も挙げられる。また、(B)層/(A)層/(A)層や(B)層/(B)層/(A)層、(B)層/(B)層/(A)層/(A)層のように、(A)層や(B)層が連続する構成も挙げられる。
なお、これらは例示であって本発明の色変換シートの具体的な構成はこれらに限られず、以下の説明から導かれる事項により適宜変更を加えた構成も本発明の範囲に含まれる。
<(A)層>
本発明の色変換シートにおける(A)層は、少なくとも1種の有機発光材料およびバインダー樹脂を含有し、入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換層として機能する。
本発明の色変換シートにおける(A)層は連続層である。ここで連続層とは分断されていない層であることをいう。例えば、有機発光材料およびバインダー樹脂を含有する層が同一平面内にパターニングされて存在している場合、それは分断された層であるため、本発明にいう連続層には該当しない。一方で、部分的に切れ目や窪みがあるが全体としては一体である構成であれば、連続層に該当する。
(A)層の膜厚は特に制限はないが、シートの強靭性や成形の容易さの観点から、5〜1000μmであることが好ましい。一方で、耐熱性を高める観点からは、(A)層の膜厚は200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。
本発明における各層の膜厚は、JIS K7130(1999)プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法における機械的走査による厚さの測定方法A法に基づいて測定される膜厚(平均膜厚)のことをいう。以下の記載においても同様である。
(A−1.有機発光材料)
(A)層は、少なくとも1種の有機発光材料を含む。ここで、本発明における発光材料とは、何らかの光が照射されたときに、その光の波長とは異なる波長の光を発する材料のことをいう。
高効率な色変換を達成するためには、発光材料が量子収率の高い発光特性を示す材料が好ましい。一般に、発光材料としては無機蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料、量子ドット等の公知の発光材料が挙げられるが、分散の均一性、使用量の低減、環境負荷の低減の観点から、有機発光材料が好ましい。
有機発光材料としては、例えば、
ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体;
フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン等のヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体;
ボラン誘導体;
1,4−ジスチリルベンゼン、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベン等のスチルベン誘導体;
芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体;
クマリン6、クマリン7、クマリン153などのクマリン誘導体;
イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体;
インドシアニングリーン等のシアニン系化合物;
フルオレセイン・エオシン・ローダミン等のキサンテン系化合物やチオキサンテン系化合物;
ポリフェニレン系化合物、ナフタルイミド誘導体、フタロシアニン誘導体およびその金属錯体、ポルフィリン誘導体およびその金属錯体;
ナイルレッドやナイルブルー等のオキサジン系化合物;
ヘリセン系化合物;
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン等の芳香族アミン誘導体;および
イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)等の有機金属錯体化合物;
等が好適なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機発光材料は、蛍光発光材料であっても、リン光発光材料であっても良いが、高い色純度を達成するためには、蛍光発光材料が好ましい。
これらの中でも、熱的安定性および光安定性が高いことから、縮合アリール環を有する化合物やその誘導体が好ましい。
また、溶解性や分子構造の多様性の観点からは、配位結合を有する化合物が好ましい。半値幅が小さく、高効率な発光が可能である点で、フッ化ホウ素錯体などのホウ素を含有する化合物も好ましい。
中でも、高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好である点で、ピロメテン誘導体が好ましい。より好ましくは、一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2018004928
XはC−RまたはNである。R〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、および隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。
上記の全ての基において、水素は重水素であってもよい。以下に説明する化合物またはその部分構造においても同様である。
また、以下の説明において例えば炭素数6〜40の置換もしくは無置換のアリール基とは、アリール基に置換した置換基に含まれる炭素数も含めて6〜40であり、炭素数を規定している他の置換基もこれと同様である。
また、上記の全ての基において、置換される場合における置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとする具体的な置換基が好ましい。また、これらの置換基は、さらに上述の置換基により置換されていてもよい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは、水素原子または重水素原子が置換したことを意味する。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、上記と同様である。
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、好ましくは1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、3以上20以下の範囲である。
複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドなどの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基など、エーテル結合を介した芳香族炭化水素基が結合した官能基を示し、芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アリールエーテル基における芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾアントラセニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフルオランテニル基、ジベンゾアントラセニル基、ペリレニル基、ヘリセニル基などの芳香族炭化水素基を示す。
中でも、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基が好ましい。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは6以上40以下、より好ましくは6以上30以下の範囲である。
〜Rが置換もしくは無置換のアリール基の場合、アリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基がより好ましい。さらに好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基であり、フェニル基が特に好ましい。
それぞれの置換基がさらにアリール基で置換される場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基がより好ましい。特に好ましくは、フェニル基である。
ヘテロアリール基とは、例えば、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ジヒドロインデノカルバゾリル基、ベンゾキノリニル基、アクリジニル基、ジベンゾアクリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基などの、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示す。ただし、ナフチリジニル基とは、1,5−ナフチリジニル基、1,6−ナフチリジニル基、1,7−ナフチリジニル基、1,8−ナフチリジニル基、2,6−ナフチリジニル基、2,7−ナフチリジニル基のいずれかを示す。ヘテロアリール基は置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上40以下、より好ましくは2以上30以下の範囲である。
〜Rが置換もしくは無置換のヘテロアリール基の場合、ヘテロアリール基としてはピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
それぞれの置換基がさらにヘテロアリール基で置換される場合、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる原子を示す。
カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられ、これら置換基はさらに置換されてもよい。
アミノ基とは、置換もしくは無置換のアミノ基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基が挙げられる。アリール基、ヘテロアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリニル基が好ましい。これら置換基はさらに置換されてもよい。炭素数は特に限定されないが、好ましくは、2以上50以下、より好ましくは6以上40以下、特に好ましくは6以上30以下の範囲である。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基などのアルキルシリル基や、フェニルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリナフチルシリル基などのアリールシリル基を示す。ケイ素上の置換基はさらに置換されてもよい。シリル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
シロキサニル基とは、例えばトリメチルシロキサニル基などのエーテル結合を介したケイ素化合物基を示す。ケイ素上の置換基はさらに置換されてもよい。
ボリル基とは、置換もしくは無置換のボリル基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリールエーテル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基が挙げられ、中でもアリール基、アリールエーテル基が好ましい。
ホスフィンオキシド基とは、−P(=O)R1011で表される基である。R1011はR〜Rと同様の群から選ばれる。
隣接置換基との間に形成される縮合環とは、任意の隣接する2置換基(例えば一般式(2)のRとR)が互いに結合して、共役または非共役の環状骨格を形成することをいう。縮合環の構成元素としては、炭素以外にも窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素から選ばれる元素を含んでいてもよい。また、縮合環がさらに別の環と縮合してもよい。
一般式(2)で表される化合物は、高い蛍光量子収率を示し、かつ、発光スペクトルのピーク半値幅が小さいため、効率的な色変換と高い色純度を達成することができる。
さらに、一般式(2)で表される化合物は、適切な置換基を適切な位置に導入することで、発光効率・色純度・熱的安定性・光安定性・分散性などのさまざまな特性・物性を調整することができる。
例えば、R、R、RおよびRが全て水素の場合に比べ、R、R、RおよびRの少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基や置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合の方が、より良い熱的安定性および光安定性を示す。
、R、RおよびRの少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基である場合、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基といった炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、さらに熱的安定性に優れることから、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。さらに濃度消光を防ぎ発光量子収率を向上させるという観点では、立体的にかさ高いtert−ブチル基がより好ましい。また合成の容易さ、原料入手の容易さという観点から、メチル基も好ましく用いられる。
、R、RおよびRの少なくとも1つが置換もしくは無置換のアリール基である場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基が好ましく、さらに好ましくは、フェニル基、ビフェニル基であり、フェニル基が特に好ましい。
、R、RおよびRの少なくとも1つが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、ヘテロアリール基としてはピリジル基、キノリニル基、チオフェニル基が好ましく、ピリジル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
、R、RおよびRが全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基である場合、バインダー樹脂や溶媒への溶解性が良好なため、好ましい。アルキル基としては、合成の容易さ、原料入手の容易さという観点から、メチル基が好ましい。
、R、RおよびRが全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基または置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、より良い熱的安定性および光安定性を示すため好ましく、R、R、RおよびRが全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基であることがより好ましい。
複数の性質を向上させる置換基もあるが、全てにおいて十分な性能を示す置換基は限られている。特に高発光効率と高色純度の両立が難しい。そのため、複数種類の置換基を導入することで、発光特性や色純度などにバランスの取れた化合物を得ることが可能である。
特に、R、R、RおよびRが全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基の場合、例えば、R≠R、R≠R、R≠RまたはR≠Rなどのように、複数種類の置換基を導入することが好ましい。ここで≠は、異なる構造の基であることを示す。色純度に影響を与えるアリール基と効率に影響を与えるアリール基を同時に導入することができるため、細やかな調節が可能となる。
中でも、R≠RまたはR≠Rであることが、発光効率と色純度をバランスよく向上させる点において、好ましい。色純度に影響を与えるアリール基を両側のピロール環にそれぞれ1つ以上導入し、それ以外の位置に効率に影響を与えるアリール基を導入することができるため、両方の性質を最大限に向上させることができる。R≠RまたはR≠Rである場合、耐熱性と色純度の点から、R=RおよびR=Rであることがより好ましい。
主に色純度に影響を与えるアリール基としては、電子供与性基で置換されたアリール基が好ましい。電子供与性基としては、アルキル基やアルコキシ基などが挙げられる。特に、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基がより好ましい。分散性の観点からは、tert−ブチル基、メトキシ基が特に好ましく、分子同士の凝集による消光を防ぐ。置換基の置換位置は特に限定されないが、光安定性を高めるには結合のねじれを抑える必要があるため、ピロメテン骨格との結合位置に対してメタ位またはパラ位に結合させることが好ましい。
主に効率に影響を与えるアリール基としては、tert−ブチル基、アダマンチル基、メトキシ基などのかさ高い置換基を有するアリール基が好ましい。
、R、RおよびRが、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基の場合、R、R、RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基であることが好ましい。このとき、それらは、それぞれ以下のAr−1〜Ar−6から選ばれることがより好ましい。この場合、R、R、RおよびRの好ましい組み合わせとしては、表1−1〜表1−11に示すような組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
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およびRは、水素、アルキル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、アリール基が好ましいが、熱的安定性の観点から水素またはアルキル基が好ましく、発光スペクトルにおいて狭い半値幅を得やすい点で水素がより好ましい。
およびRは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、フッ素、含フッ素アルキル基、含フッ素ヘテロアリール基または含フッ素アリール基が好ましく、励起光に対して安定でより高い蛍光量子収率が得られることから、フッ素または含フッ素アリール基であることがより好ましい。合成の容易さから、フッ素であることがさらに好ましい。
ここで、含フッ素アリール基とはフッ素を含むアリール基であり、例えばフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基およびペンタフルオロフェニル基などがあげられる。含フッ素ヘテロアリール基とは、フッ素を含むヘテロアリール基であり、例えばフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基およびトリフルオロピリジル基などがあげられる。含フッ素アルキル基とは、フッ素を含むアルキル基であり、トリフルオロメチル基やペンタフルオロエチル基などがあげられる。
XはC−Rであることが、光安定性の観点から好ましい。
XがC−Rであるとき、一般式(2)で表される化合物の耐久性、すなわち発光強度の経時的な低下には、置換基Rが大きく影響する。すなわちRが水素である場合、この水素の反応性が高く、容易に空気中の水分や酸素と反応してしまい分解を引き起こす。また、Rが例えばアルキル基のような分子鎖の運動の自由度が大きい置換基である場合は、確かに反応性は低下するが、シート中で化合物同士が経時的に凝集し、結果的に濃度消光による発光強度の低下を招く。したがって、Rは剛直で、かつ運動の自由度が小さく凝集を引き起こしにくい基であることが好ましく、具体的には、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基のいずれかであることが好ましい。
より高い蛍光量子収率を与え、より熱分解しづらい点、また光安定性の観点から、XがC−Rであり、Rが置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。アリール基としては、発光波長を損なわないという観点から、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましい。
さらに光安定性を高めるには、Rとピロメテン骨格の炭素−炭素結合のねじれを適度に抑える必要がある。過度にねじれが大きいと、励起光に対する反応性が高まるなど、光安定性が低下する。このような観点から、Rとしては、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基が好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基であることがより好ましい。特に好ましくは、置換もしくは無置換のフェニル基である。
また、Rは適度にかさ高い置換基であることが好ましい。Rがある程度のかさ高さを有することで分子の凝集を防ぐことができ、発光効率や耐久性がより向上する。
このようなかさ高い置換基のさらに好ましい例としては、下記一般式(3)で表される構造が挙げられる。
Figure 2018004928
rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基からなる群より選ばれる。kは1〜3の整数である。kが2以上である場合、rはそれぞれ同じでも異なっても良い。
より高い蛍光量子収率を与えられる点で、rは置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。アリール基の中でも特にフェニル基、ナフチル基が好ましい例として挙げられる。rがアリール基である場合、一般式(3)のkは1もしくは2であることが好ましく、分子の凝集をより防ぐ観点からkは2であることがより好ましい。さらに、rの少なくとも1つがアルキル基で置換されていることが好ましい。この場合のアルキル基としては、熱的安定性の観点からメチル基、エチル基およびtert−ブチル基が特に好ましい例として挙げられる。
また、蛍光波長や吸収波長を制御したり、溶媒との相溶性を高めたりする点では、rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基またはハロゲンであることが好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基がより好ましい。分散性の観点からは、tert−ブチル基、メトキシ基が特に好ましく、分子同士の凝集による消光を防ぐ。
一般式(2)で表される化合物の特に好ましい例の一つとして、R、R、RおよびRが全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基であって、さらにXがC−Rであり、Rが一般式(3)で表される基、特に好ましくはrが置換もしくは無置換のフェニル基である一般式(3)で表される基である場合が挙げられる。
また、一般式(2)で表される化合物の特に好ましい例の別の一つとして、R、R、RおよびRが全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、上述のAr−1〜Ar−6から選ばれ、さらにXがC−Rであり、Rが一般式(3)で表される基、より好ましくはrがtert−ブチル基、メトキシ基である一般式(3)で表される基、特に好ましくはrがメトキシ基である一般式(3)で表される基である場合が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の一例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
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一般式(2)で表される化合物は、例えば特表平8−509471号公報や特開2000−208262号公報に記載の方法で製造することができる。すなわち、ピロメテン化合物と金属塩を塩基共存下で反応することにより目的とするピロメテン系金属錯体が得られる。
また、ピロメテン−フッ化ホウ素錯体の合成については、J.Org.Chem.,vol.64,No.21,pp7813−7819(1999)、Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,vol.36,pp1333−1335(1997)などに記載されている方法を参考に製造することができる。例えば、下記一般式(4)で表される化合物と一般式(5)で表される化合物をオキシ塩化リン存在下、1,2−ジクロロエタン中で加熱した後、下記一般式(6)で表される化合物をトリエチルアミン存在下、1,2−ジクロロエタン中で反応させる方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。ここで、R〜Rは上記説明と同様である。Jはハロゲンを表す。
Figure 2018004928
さらに、アリール基やヘテロアリール基の導入の際は、ハロゲン化誘導体とボロン酸あるいはボロン酸エステル化誘導体とのカップリング反応を用いて炭素−炭素結合を生成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。同様に、アミノ基やカルバゾリル基の導入の際にも、例えば、パラジウムなどの金属触媒下でのハロゲン化誘導体とアミンあるいはカルバゾール誘導体とのカップリング反応を用いて炭素−窒素結合を生成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の色変換シートは、一般式(2)で表される化合物以外に、必要に応じてその他の化合物を適宜含有することができる。例えば、励起光から一般式(2)で表される化合物へのエネルギー移動効率を更に高めるために、ルブレンなどのアシストドーパントを含有してもよい。また、一般式(2)で表される化合物の発光色以外の発光色を加味したい場合は、前述の有機発光材料を添加することができる。その他、有機発光材料以外でも、無機蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料、量子ドットなどの公知の発光材料を組み合わせて添加することも可能である。
一般式(2)で表される化合物以外の有機発光材料の一例を以下に示すが、特にこれらに限定されるものではない。
Figure 2018004928
(A)層は、波長400nm以上500nm以下の範囲の励起光を用いることによりピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を呈する発光材料(以下「発光材料(a)」という)を含むことが好ましい。以後、ピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を「緑色の発光」という。一般に、励起光のエネルギーが大きいほど材料の分解を引き起こしやすいが、波長400nm以上500nm以下の範囲の励起光は比較的小さい励起エネルギーであるため、(A)層中の発光材料の分解を引き起こすことなく、色純度の良好な緑色の発光が得られる。
(A)層は、(a)波長400nm以上500nm以下の範囲の励起光を用いることによりピーク波長が500nm以上580nm以下の発光を呈する発光材料、および(b)波長400nm以上500nm以下の範囲の励起光または発光材料(a)からの発光のいずれかまたは両方により励起されることにより、ピーク波長が580nm以上750nm以下の領域に観測される発光を呈する発光材料(以下「発光材料(b)」という)、を含むことが好ましい。以後、ピーク波長が580nm以上750nm以下の領域に観測される発光を「赤色の発光」という。
波長400nm以上500nm以下の範囲の励起光の一部は本発明の色変換シートを一部透過するため、発光ピークが鋭い青色LEDを使用した場合、青・緑・赤の各色において鋭い形状の発光スペクトルを示し、色純度の良い白色光を得ることができる。その結果、特にディスプレイにおいては色彩がいっそう鮮やかな、より大きな色域が効率的に作ることができる。また、照明用途においては、現在主流となっている青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた白色LEDに比べ、特に緑色領域と赤色領域の発光特性が改善されるため、演色性が向上し好ましい白色光源となる。
発光材料(a)としては、クマリン6、クマリン7、クマリン153等のクマリン誘導体、インドシアニングリーン等のシアニン誘導体、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインジアセテート等のフルオレセイン誘導体、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン誘導体、ジイソブチル−4,10−ジシアノペリレン−3,9−ジカルボキシレート等のペリレン誘導体、他にピロメテン誘導体、スチルベン誘導体、オキサジン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、アゾール誘導体、アントラセン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、芳香族アミン誘導体、有機金属錯体化合物等が好適なものとして挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの化合物の中でも、ピロメテン誘導体は高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好なので特に好適な化合物であり、中でも一般式(2)で表される化合物は、色純度の高い発光を示すことから好ましい。
発光材料(b)としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン等のシアニン誘導体、ローダミンB・ローダミン6G・ローダミン101・スルホローダミン101などのローダミン誘導体、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パークロレートなどのピリジン誘導体、N,N'−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,7,12−テトラフェノキシペリレン−3,4:9,10−ビスジカルボイミド等のペリレン誘導体、他にポルフィリン誘導体、ピロメテン誘導体、オキサジン誘導体、ピラジン誘導体、ナフタセンやジベンゾジインデノペリレン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、有機金属錯体化合物等が好適なものとして挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの化合物の中でも、ピロメテン誘導体は高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好なので特に好適な化合物であり、中でも一般式(2)で表される化合物は、色純度の高い発光を示すことから好ましい。
発光スペクトルの重なりを小さくし、色再現性を向上させるためには、青・緑・赤の各色の発光スペクトルの半値幅が小さいことが好ましい。特に、緑色光および赤色光の発光スペクトルの半値幅小さいことが、色再現性の向上のためには効果的である。
緑色光の発光スペクトルの半値幅としては、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、35nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。
赤色光の発光スペクトルの半値幅としては、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
各色の発光材料の発光スペクトルの形状に関しては特に制限されるものではないが、励起エネルギーの効率的な利用が可能であり、色純度も高くなることから、単一ピークであることが好ましい。ここで、単一ピークとは、発光スペクトルにおいて、最も強度の強いピークに対して、その強度の5%以上の強度を持つピークがない状態を示す。
(A)層における有機発光材料の含有量は、化合物のモル吸光係数、蛍光量子収率および励起波長における吸収強度、ならびに作製するシートの厚みや透過率にもよるが、通常はバインダー樹脂の100重量部に対して、1.0×10−4重量部〜30重量部であり、1.0×10−3重量部〜10重量部であることがさらに好ましく、5.0×10−3重量部〜5重量部であることが特に好ましい。
また(A)層に、緑色の発光を呈する発光材料(a)と、赤色の発光を呈する発光材料(b)とを両方含有する場合、緑色の発光の一部が赤色の発光に変換されることから、前記発光材料(a)の含有量wと、発光材料(b)の含有量wが、w≧wの関係であることが好ましく、それぞれの材料の含有比率はw:w=1000:1〜1:1であり、500:1〜2:1であることがさらに好ましく、200:1〜3:1であることが特に好ましい。ただし、wおよびwはバインダー樹脂の重量に対する重量パーセントである。
(A−2.バインダー樹脂)
本発明の(A)層におけるバインダー樹脂は、成型加工性、透明性、耐熱性等に優れる材料が好適に用いられる。バインダー樹脂の例としては、例えばアクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム、シリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を含む)、ウレア樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、脂肪族エステル樹脂、芳香族エステル樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂などの公知のものが挙げられる。またこれらの樹脂の混合物や共重合体を用いても構わない。これらの樹脂を適宜設計することで、本発明の色変換シートに有用な樹脂が得られる。
これらの樹脂の中でも、透明性、耐熱性などの観点から、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはこれらの混合物を好適に用いることができる。
また、シート化のプロセスが容易であることから熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂も好適に用いられる。
(A−3.その他の添加剤)
(A)層は、有機発光材料とバインダー樹脂以外に、酸化防止剤、加工および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤、塗布膜安定化のための分散剤やレベリング剤、可塑剤、エポキシ化合物などの架橋剤、アミン・酸無水物・イミダゾールなどの硬化剤、シート表面の改質剤としてシランカップリング剤等の接着補助剤、色変換材沈降抑制剤としてシリカ粒子やシリコーン微粒子等の無機粒子およびシランカップリング剤などを含有することができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの酸化防止剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
加工および熱安定化剤としては、トリブチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリエチルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン等のリン系安定化剤を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの安定化剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
耐光性安定化剤としては、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの耐光性安定化剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
光源からの光や発光材料の発光を阻害しないため、これらの添加剤は可視域での吸光係数が小さいことが好ましい。具体的には、波長400nm以上800nm以下の波長域全域で、モル吸光係数εが1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。さらに好ましくは200以下であり、100以下であることが特に好ましい。
また、耐光性安定化剤としては、一重項酸素クエンチャーとしての役割を持つ化合物も好適に用いることができる。
一重項酸素クエンチャーは、酸素分子が光のエネルギーにより活性化してできた一重項酸素をトラップして不活性化する材料である。シート中に一重項酸素クエンチャーが共存することで、発光材料が一重項酸素により劣化することを防ぐことができる。
一重項酸素は、ローズベンガルやメチレンブルーのような色素の三重項励起状態と、基底状態の酸素分子の間で電子とエネルギーの交換が起こることで生じることが知られている。
本発明の色変換シートは、含有される有機発光材料が励起光により励起され、励起光とは異なる波長の光を発光することで光の色変換を行う。この励起−発光のサイクルが繰り返されるため、生じた励起種と、シート中に含まれる酸素との相互作用により一重項酸素が生成する確率は高まる。そのため、有機発光材料と一重項酸素の衝突確率も高まるため、有機発光材料の劣化が進みやすい。
有機発光材料は、無機発光材料と比べ一重項酸素の影響を受けやすい。特に一般式(1)で表される化合物は、ペリレン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体に比べて一重項酸素との反応性が高く、一重項酸素による耐久性への影響が大きい。
そこで、一重項酸素クエンチャーにより、発生した一重項酸素を速やかに不活性化させることで、量子収率および色純度に優れた一般式(1)で表される化合物の耐久性を向上させることができる。
一重項酸素クエンチャーとしての役割を持つ化合物としては、例えば、特定の、3級アミン、カテコール誘導体およびニッケル化合物を挙げることができるが特に限定されるものではない。また、これらの耐光性安定化剤は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
3級アミンとは、アンモニアのN−H結合がすべてN−C結合に置き換わった構造を持つ化合物を示す。窒素原子上の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基および隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。また、これらの置換基は、さらに上述の置換基により置換されていてもよい。
窒素原子上の置換基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基が光安定性の観点から好ましく、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基がより好ましい。
この場合のアリール基としては、光源からの光や発光材料の発光を阻害しないため、フェニル基またはナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。また、窒素原子上のアリール基が増加すると、可視域の吸収が増加する懸念があるため、窒素原子上の3つの置換基のうち、アリール基は2つ以下が好ましく、1つ以下であることがより好ましい。
窒素原子上の3つの置換基のうち、少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基である場合、より効率的に一重項酸素をトラップすることができるため、好ましい。中でも、3つの置換基のうち2つ以上が置換もしくは無置換のアルキル基であることが好ましい。
好ましい3級アミンとしては、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
カテコール誘導体とは、レゾルシノールやヒドロキノン等の異性体を含む、ベンゼン環状に2つ以上の水酸基を有する化合物を示す。これらの化合物は、ベンゼン環上の水酸基が1つであるフェノール誘導体と比較して、より効率的に一重項酸素をトラップすることができる。
ベンゼン環上の置換基としては、水酸基以外にも、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、および隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。また、これらの置換基は、さらに上述の置換基により置換されていてもよい。
中でも、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、ハロゲンが光安定性の観点から好ましく、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ハロゲンがより好ましい。さらに、一重項酸素クエンチャーとの反応後の変色が小さいことから、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、ハロゲンがより好ましい。特に好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。
ベンゼン環上の水酸基の位置としては、少なくとも2つの水酸基が隣接することが好ましい。これは、レゾルシノール(1,3−置換)やヒドロキノン(1,4−置換)に比べて光酸化されにくいためである。また、酸化された後も可視域の吸収が小さいため、シートの変色を防ぐことができる。
好ましいカテコール誘導体としては、4−tert−ブチルベンゼン−1,2−ジオール、3,5−ジ−tert−ブチルベンゼン−1,2−ジオール等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
ニッケル化合物とは、ニッケルを含む化合物であり、塩化ニッケルなどの無機塩やビスアセチルアセトナトニッケルなどの錯体、カルバミン酸ニッケル塩などの有機酸塩等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。ここで、有機酸とは、カルボキシル基、スルホニル基、フェノール性水酸基、チオール基を有する有機化合物を示す。
中でも、シート中で均一に分散する点で、錯体および有機酸塩が好ましい。
一重項クエンチャーとして好適に用いることができるニッケル錯体および有機酸のニッケル塩としては、例えば、アセチルアセトナート系ニッケル錯体、ビスジチオ−α−ジケトン系ニッケル錯体、ジチオレート系ニッケル錯体、アミノチオレート系ニッケル錯体、チオカテコール系ニッケル錯体、サリチルアルデヒドオキシム系ニッケル錯体、チオビスフェノレート系のニッケル錯体、インドアニリン系ニッケル化合物、カルボン酸系ニッケル塩、スルホン酸系ニッケル塩、フェノール系ニッケル塩、カルバミン酸系ニッケル塩、ジチオカルバミン酸系ニッケル塩等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
合成の容易さ、および安価である点で、有機酸のニッケル塩が好ましい。
さらに、可視域におけるモル吸光係数が小さく、光源や発光材料の発光を吸収することがないため、スルホン酸系ニッケル塩が好ましい。さらに、より良い一重項クエンチ効果を示す点で、アリールスルホン酸のニッケル塩がより好ましく、幅広い種類の溶媒への溶解性の観点からは、アルキルスルホン酸のニッケル塩が好ましい。
アリールスルホン酸のアリール基としては、置換もしくは無置換のフェニル基が好ましく、溶媒への溶解性および分散性の観点から、アルキル基で置換されたフェニル基がより好ましい。
耐光性安定化剤としては、ラジカルクエンチャーとしての役割を持つ化合物も好適に用いることができる。中でも、ヒンダードアミン系化合物が好適な例として挙げられる。ヒンダードアミン系化合物の例としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、メタクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルなどのピペリジン誘導体やその酸化物が挙げられる。
(A)層中のこれらの添加剤の含有量は、化合物のモル吸光係数、蛍光量子収率および励起波長における吸収強度、ならびに作製するシートの厚みや透過率にもよるが、通常はバインダー樹脂の100重量部に対して、1.0×10−3重量部以上であることが好ましく、1.0×10−2重量部以上であることがより好ましく、1.0×10−1重量部以上であることがさらに好ましい。また、バインダー樹脂の100重量部に対して、30重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることがさらに好ましい。
<(B)層>
(B)層は、ポリオール系樹脂と、一般式(1)で表されるケイ素化合物およびその加水分解物を含む樹脂組成物の硬化物層である。
Figure 2018004928
10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、シリル基からなる群より選ばれる。
はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、アルキレン基、フェニレン基から選ばれる。
Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、グリシジル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、グリシジルエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、ボリル基、ホスフィンオキシド基からなる群より選ばれる。
nは0以上4以下の整数である。
一般式(1)で表される化合物は、単一成分でも良いし、2種類以上の混合でも良い。
一般式(1)で表されるケイ素化合物が効率的に加水分解される観点から、R10はアルキル基およびシクロアルキル基であることが好ましい。原料コストの観点から、R10はアルキル基がより好ましく、中でも炭素数6以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基がより好ましい。特に好ましくはメチル基またはエチル基である。
溶解性の観点から、Lは単結合またはアルキレン基が好ましい。
がアルキレン基の場合、炭素数が6以下であることが、後述する架橋構造の強度が強くなるため、好ましい。
nが2以下であり、−OR10が2つ以上である場合、後述する架橋構造の強度が強くなるため、好ましい。より好ましくはnが1以下である。
一般式(1)で表される化合物の一例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2018004928
発明者らは、鋭意検討の結果、色変換シート中の有機発光材料の劣化の原因が、光照射下での酸素による酸化劣化であることを見出した。そこで、(A)層と外界との間の層に酸素バリア性の層を形成することで、有機発光材料の酸化劣化を抑制し、色変換シートの耐久性を大幅に改善することができる。酸素バリア性とは、酸素透過度が低い特性を示す。
可撓性やコストの観点から、(B)層は樹脂組成物の硬化物層により形成されることが好ましく、中でも、ポリオール系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物層であることがより好ましい。
ポリオール系樹脂とは分子鎖中にヒドロキシル基を多く有する樹脂であり、樹脂中のヒドロキシル基の重量割合が15%以上であることが好ましい。樹脂中のヒドロキシル基の占める重量割合は、「ヒドロキシル基の分子量(=17)×樹脂の分子鎖1本中のヒドロキシル基の平均数÷樹脂の数平均分子量」で算出される値である。
樹脂の分子鎖1本中のヒドロキシル基の平均数は、樹脂の水酸基当量や水酸基価等から求めることが可能である。
樹脂の数平均分子量は、JIS K7252(2016)に従って、公知の方法で求められる値である。
ポリオール系樹脂はヒドロキシル基を介して分子鎖間で部分的に水素結合を形成し、樹脂の自由体積が減少することで、高いガスバリア性を示す。
ヒドロキシル基の割合が大きいほど高いガスバリア性を示すことから、樹脂中のヒドロキシル基の重量割合が20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましく、35%以上であることが特に好ましい。一方で、ヒドロキシル基の割合が過剰に大きいと吸湿性が非常に大きくなり、所望のバリア性を維持できない。そのため、樹脂中のヒドロキシル基の重量割合は60%以下であることが好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。
ポリオール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール等の酢酸ビニルのケン化物やエチレン−ビニルアルコール共重合体、およびこれらの樹脂を含む混合物が、酸素バリア性が特に優れるため、好ましい。
これらの樹脂におけるケン化度100モル%の場合のヒドロキシル基の重量の割合を表2に示す。
Figure 2018004928
ポリビニルアルコールとしては、例えば、アセチル基を98モル%以上ケン化したポリ酢酸ビニルのケン化物を用いることができる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体としては、例えば、アセチル基を98モル%以上ケン化したエチレン含有率20〜5 0%のエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を用いることができる。
また、市販されている樹脂を使用することも可能である。具体例としては、株式会社クラレ製のポリビニルアルコール樹脂PVA117や株式会社クラレ製のエチレン−ビニルアルコール共重合体(“EVAL”(登録商標))樹脂L171B、F171Bなどがある。
酸素バリア性および層の均一性の観点から、(B)層形成用の樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂はポリオール系樹脂を主成分とする樹脂であることがより好ましい。ここで主成分とは、割合が50wt%以上であることを示す。より好ましくは70wt%以上であり、さらに好ましくは80wt%以上であり、90wt%以上であることが特に好ましい。
ポリオール系樹脂としては単一樹脂を用いても良いし、2種類以上樹脂の混合物を用いても良いが、樹脂層の均一性およびコストの観点から、単一樹脂を用いることがより好ましい。
ポリオール系樹脂は分子鎖中にヒドロキシル基を多く有するため、高温高湿条件下では膨潤しやすい。膨潤すると樹脂の自由体積が大きくなるため、酸素バリア性が低下してしまう。一般式(1)で表されるケイ素化合物およびその加水分解物は、ポリオール系樹脂のヒドロキシル基と脱水縮合により連結することで、架橋構造を形成し、ポリオール系樹脂の膨潤を抑制する効果を示す。そのため、(B)層は、高温高湿条件下においても高い酸素バリア性を維持することができる。
なお架橋構造としては、ポリオール系樹脂の分子内の複数のヒドロキシル基を架橋する構造や、ポリオール系樹脂の分子間を架橋する構造などが考えられ、これらが混在していると考えられる。
(B)層形成用の樹脂組成物における一般式(1)で表されるケイ素化合物およびその加水分解物の含有量が多いほど、架橋密度が大きくなり、膨潤を抑制する効果は大きくなる。一方、その含有量が過度に多い場合、硬化させた後の(B)層の強度および可撓性が低下する。そのため、(B)層におけるケイ素原子の含有率が1wt%以上20wt%以下であることが好ましい。より好ましくは3wt%以上15wt%以下であり、5wt%以上12wt%以下であることがさらに好ましい。
(B)層は、(A)層への酸素透過を抑制することができるのであれば、色変換シートのいずれの位置に設けられていてもよい。(A)層への酸素透過をより確実に抑制する観点からは、(B)層は(A)層の少なくとも一方の面に設けられていることが好ましく、(B)層/(A)層/(B)層の順で積層されていることがさらに好ましい。
(A)層と(B)層は直接接していても、間に他の層を有しても良いが、酸素透過の抑制の観点からは、直接接するか、後述の接着層のみを介して積層することが好ましい。
本発明においては、(B)層の酸素透過度は、1.0cc/m・day・atm以下であることが好ましい。より好ましくは0.7cc/m・day・atm以下であり、さらに好ましくは0.5cc/m・day・atm以下である。
なお、酸素透過度は、膜厚が均一な平面状試験片を用い、温度20℃、湿度0%RHの条件で、モコン(MOCON)社(米国)製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN ”2/20))を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載の電解センサ法に基づいて測定したときの値である。
(B)層は、色変換シートの発光特性を阻害しないために透明であることが好ましい。ここで、透明とは、可視域での吸収および散乱が小さいことであり、具体的には、全光線透過率が80%以上であることである。より好ましくは85%以上である。
なお、全光線透過率は、膜厚が均一な平面状試験片を用い、温度23℃、湿度50%RHの条件で、JIS K7361(1997)に従って、日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH2000により測定したときの値である。
また、ポリオール系樹脂の高温高湿条件下での膨潤をさらに抑制するため、(B)層の表面に水蒸気バリア性に優れる無機化合物層を形成しても良い。無機化合物層としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウムなどの無機酸化物や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化窒化ケイ素などの無機窒化物、またはこれらの混合物、またはこれらに他の元素を添加した金属酸化物薄膜や金属窒化物薄膜などが挙げられる。それらの中でも、コストの面で酸化ケイ素、酸化アルミニウムが好ましく、酸化アルミニウムが特に好適に用いることができる。
(B)層には、(A)層の発光および耐久性に過度な影響を与えない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、硬化剤、架橋剤、加工および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤等を添加しても良い。
(B)層の厚みは特に制限はないが、色変換シート全体の柔軟性やコストの観点から、20μm以下であることが好ましい。より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。特に好ましくは、2μm以下であり、0.5μm以下であってもよい。ただし、層形成の容易さの観点から、0.01μm以上であることが好ましい。
(B)層は、20μm以下の厚さでも十分な酸素バリア性を発現させることができ、有機発光材料の劣化を抑制することができる。特に、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた場合、5μm以下の厚さであっても、優れた酸素バリア性を発現させることができる。
(B)層は、100μm以下の厚さでも十分な酸素バリア性を発現させることができ、有機発光材料の劣化を抑制することができる。特に、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた場合、20μm以下の厚さであっても、優れた酸素バリア性を発現させることができる。(B)層が薄いことで、色変換シート全体の厚みも薄くすることができ、柔軟性が高くかつ低コストな色変換シートを実現できる。また、薄く柔軟性に優れるため、曲面などの平面以外の複雑な形状での使用が可能であり、後述の光源ユニットに組み込んだ際には、自由度の高い設計が可能である。
<その他の層>
本発明の色変換シートは、(A)層および(B)層以外にも、例えば以下のような層を有していてもよい。
(基材層)
基材としては、特に制限無く公知の金属、フィルム、ガラス、セラミック、紙等を使用することができる。具体的には、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅、鉄などの金属板や箔、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アラミド、シリコーン、ポリオレフィン、熱可塑性フッ素樹脂で、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)などのプラスチックのフィルム、α−ポリオレフィン樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂およびこれらとエチレンの共重合樹脂からなるプラスチックのフィルム、前記プラスチックがラミネートされた紙、または前記プラスチックによりコーティングされた紙、前記金属がラミネートまたは蒸着された紙、前記金属がラミネートまたは蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、基材が金属板の場合、表面にクロム系やニッケル系などのメッキ処理やセラミック処理されていてもよい。
これらの中でも、色変換シートの作製のし易さや色変換シートの成形のし易さからガラスや樹脂フィルムが好ましく用いられる。また、フィルム状の基材を取り扱う際に破断などの恐れがないように強度が高いフィルムが好ましい。それらの要求特性や経済性の面で樹脂フィルムが好ましく、これらの中でも、経済性、取り扱い性の面でPET、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリプロピレンからなる群より選ばれるプラスチックフィルムが好ましい。また、色変換シートを乾燥させる場合や色変換シートを押し出し機により200℃以上の高温で圧着成形する場合は、耐熱性の面でポリイミドフィルムが好ましい。シートの剥離のし易さから、基材層は、あらかじめ表面が離型処理されていてもよい。同様に、層間の接着性の向上のため、基材層は、あらかじめ表面に易接着処理されていてもよい。
また、ポリオール系樹脂の高温高湿条件下での膨潤をさらに抑制するため、基材層の表面に水蒸気バリア性に優れる無機化合物層を形成しても良い。基材自体に水蒸気バリア性を付与すれば、(B)層に到達する水蒸気の量が少なくなるからである。無機化合物層としては、前述のものと同じものを好適に用いることができる。
基材の厚さは特に制限はないが、下限としては25μm以上が好ましく、38μm以上がより好ましい。また、上限としては5000μm以下が好ましく、3000μm以下がより好ましい。
(接着層)
本発明の色変換シートにおいてそれぞれの層の間には、必要に応じて接着層を設けても良い。
接着層としては、色変換シートの発光および耐久性に過度な影響を与えないものであれば、特に制限無く公知の材料を用いることができる。強固な接着が必要な場合、光硬化材料や熱硬化材料、嫌気性硬化材料、熱可塑性材料を好ましく用いることができるが、中でも、熱硬化材料がより好ましく、特に、0℃〜150℃での硬化が可能である材料が好ましい。
接着層の厚みは特に制限はないが、0.01〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.01〜25μmである。さらに好ましくは、0.05〜5μmであり、特に好ましくは、0.05〜1μmである。
(その他の機能性層)
本発明の色変換シートには、要求される機能に応じて、光拡散層、反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、ハードコート機能(耐摩擦機能)、帯電防止機能、防汚機能、電磁波シールド機能、赤外線カット機能、紫外線カット機能、偏光機能、調色機能を有した補助層をさらに設けてもよい。
<色変換シートの製造方法>
以下に、本発明の色変換シートの製造方法の一例を説明する。まず、(A)層作製用の組成物を以下のように製造する。
前述した発光材料、バインダー樹脂、溶媒等を所定量混合する。上記の成分を所定の組成になるよう混合した後、ホモジナイザー、自公転型攪拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等の撹拌・混練機で均質に混合分散することで、色変換組成物が得られる。混合分散後、もしくは混合分散の過程で、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。また、ある特定の成分を事前に混合することや、エージング等の処理をしても構わない。エバポレーターによって溶媒を除去して所望の固形分濃度にすることも可能である。
溶媒は、流動状態の樹脂の粘度を調整でき、発光物質の発光および耐久性に過度な影響を与えないものであれば、特に限定されない。例えば、水、2−プロパノール、エタノール、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、アセトン、テルピネオール、テキサノール、メチルセルソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、これらの溶媒を2種類以上混合して使用することも可能である。これらの溶媒の中で特にトルエンは、一般式(2)で表される化合物の劣化に影響を与えず、乾燥後の残存溶媒が少ない点で好適に用いられる。
次に、上述した方法で作製した色変換組成物を基材や(B)層等の下地上に塗布し、乾燥させることで、(A)層を作製する。塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、キスコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、アプリケーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ナイフコーター等により行うことができる。色変換層の膜厚均一性を得るためにはディップコーターやスリットダイコーターで塗布することが好ましい。
乾燥は熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置を用いて行うことができる。色変換シートの加熱には、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置が用いられる。この場合、加熱条件は、通常、40〜250℃で1分〜5時間、好ましくは60℃〜200℃で2分〜4時間である。また、ステップキュア等の段階的に加熱硬化することも可能である。
(A)層を作製した後、必要に応じて基材を変更することも可能である。この場合、簡易的な方法としてはホットプレートを用いて貼り替えを行なう方法や、真空ラミネーターやドライフィルムラミネーターを用いた方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
(B)層の形成方法は特に限定されないが、(B)層作製用の樹脂組成物を塗布し、乾燥および硬化させる手法や、押し出しや二軸延伸等の工程により成形したフィルムを積層させる方法が挙げられる。
塗布用の樹脂組成物には、必要に応じて溶媒を混合しても良い。溶媒は、流動状態の樹脂の粘度を調整でき、色変換シートの発光および耐久性に過度な影響を与えないものであれば、特に限定されない。例えば、水、2−プロパノール、エタノール、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン、テルピネオール、テキサノール、メチルセルソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、これらの溶媒を2種類以上混合して使用することも可能である。
各層を積層させる方法は、特に限定されないが、例えば、(B)層の上に(A)層を塗布および乾燥により形成する手法や、(A)層の上に(B)層を塗布および乾燥により形成する手法、(A)層の上に別途成形した(B)層用自立シートを貼り合わせる手法、(B)層の上に別途成形した(A)層用自立シートを貼り合わせる手法、「基材/(B)層/(A)層」ユニットと「(B)層/基材」ユニットを貼り合わせるというように、個々に作製した積層ユニットを貼り合わせる手法が挙げられる。積層シートの安定性を高めるため、積層させた後に、さらに熱硬化工程や熟成工程などを行うことも好ましい。
<励起光>
励起光の種類は、本発明に用いられる有機発光材料が吸収可能な波長領域に発光を示すものであればいずれの励起光でも用いることができる。例えば、熱陰極管や冷陰極管、無機ELなどの蛍光性光源、有機エレクトロルミネッセンス素子光源、LED光源、白熱光源、あるいは太陽光などいずれの光源からの励起光でも利用可能である。中でもLED光源からの励起光が好適であり、ディスプレイや照明用途では、青色光の色純度を高められる点で、400〜500nmの範囲の励起光を持つ青色LED光源からの励起光がさらに好適である。
励起光は1種類の発光ピークを持つものでもよく、2種類以上の発光ピークを持つものでもよいが、色純度を高めるためには1種類の発光ピークを持つものが好ましい。また、発光ピークの種類の異なる複数の励起光源を任意に組み合わせて使用することも可能である。
<光源ユニット>
本発明における光源ユニットは、少なくとも光源および色変換組成物または色変換シートを含む構成である。色変換組成物を含む場合は、光源と色変換組成物の配置方法については特に限定されず、光源に色変換組成物を直接塗布した構成を取っても良いし、光源とは離したシートやガラスなどに色変換組成物を塗布した構成を取っても良い。色変換シートを含む場合は、光源と色変換シートの配置方法については特に限定されず、光源と色変換シートを密着させた構成を取っても良いし、光源と色変換シートを離したリモートフォスファー形式を取っても良い。また、色純度を高める目的で、さらにカラーフィルターを含む構成を取っても良い。
前述の通り、400〜500nmの範囲の励起光は比較的小さい励起エネルギーであり、一般式(1)で表される化合物等の発光物質の分解を防止できるので、光源は400〜500nmの範囲に極大発光を有する発光ダイオードであることが好ましい。
本発明における光源ユニットは、ディスプレイ、照明、インテリア、標識、看板、などの用途に使用できるが、特にディスプレイや照明用途に特に好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
下記の実施例において、化合物G−1〜G−3、R−1〜R−3は以下に示す化合物である。
Figure 2018004928
また構造分析に関する評価方法を下記に示す。
H−NMRの測定>
化合物のH−NMRは、超伝導FTNMR EX−270(日本電子(株)製)を用い、重クロロホルム溶液にて測定を行った。
<吸収スペクトルの測定>
化合物の吸収スペクトルは、U−3200形分光光度計(日立製作所(株)製)を用い、化合物をトルエンに1×10−6mol/Lの濃度で溶解させて測定を行った。
<蛍光スペクトルの測定>
化合物の蛍光スペクトルは、F−2500形分光蛍光光度計(日立製作所(株)製)を用い、化合物をトルエンに1×10−6mol/Lの濃度で溶解させ、波長460nmで励起させた際の蛍光スペクトルを測定した。
<酸素透過度の測定>
膜厚が均一な平面状試験片を用い、温度20℃、湿度0%RHの条件で、モコン(MOCON)社(米国)製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN ”2/20))を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載の電解センサ法に基づいて測定した。
<色変換特性の測定>
各色変換シートおよび青色LED素子(ProLight社製;型番PM2B−3LBE−SD、発光ピーク波長:460nm)を搭載した発光装置に、10mAの電流を流してLEDを点灯させ、分光放射輝度計(CS−1000、コニカミノルタ社製)を用いて、発光スペクトルを測定した。なお、各色変換シートと青色LED素子との距離を3cmとした。
<光耐久性の評価>
各色変換シートおよび青色LED素子(ProLight社製;型番PM2B−3LBE−SD、発光ピーク波長:460nm)を搭載した発光装置に、10mAの電流を流してLEDチップを点灯させ、分光放射輝度計(CS−1000、コニカミノルタ社製)を用いて初期輝度を測定した。なお、各色変換シートと青色LED素子との距離を3cmとした。その後、一定温度環境下で青色LED素子からの光を連続照射し、輝度が一定量低下するまでの時間を観測することで、光耐久性を評価した。
合成例1
化合物G−1の合成方法
3,5−ジブロモベンズアルデヒド(3.0g)、4−t−ブチルフェニルボロン酸(5.3g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)、炭酸カリウム(2.0g)をフラスコに入れ、窒素置換した。ここに脱気したトルエン(30mL)および脱気した水(10mL)を加え、4時間還流した。反応溶液を室温まで冷却し、有機層を、分液した後に飽和食塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(3.5g)を白色固体として得た。
3,5−ビス(4−t−ブチルフェニル)ベンズアルデヒド(1.5g)と2,4−ジメチルピロール(0.7g)を反応溶液に入れ、脱水ジクロロメタン(200mL)およびトリフルオロ酢酸(1滴)を加えて、窒素雰囲気下、4時間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(0.85g)の脱水ジクロロメタン溶液を加え、さらに1時間撹拌した。反応終了後、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体(7.0mL)およびジイソプロピルエチルアミン(7.0mL)を加えて、4時間撹拌した後、さらに水(100mL)を加えて撹拌し、有機層を分液した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記に示す化合物G−1を0.4g得た(収率18%)。
H−NMR(CDCl,ppm):7.95(s,1H)、7.63−7.48(m,10H)、6.00(s,2H)、2.58(s,6H)、1.50(s,6H)、1.37(s,18H)。
なお、この化合物の吸収スペクトルは図4に示す通りとなり、青色の励起光源(460nm)に光の吸収特性を示した。蛍光スペクトルは図5に示す通りとなり、緑色領域に鋭い発光ピークを示した。蛍光量子収率は83%を示し、効率的な色変換が可能な化合物であった。
合成例2
化合物R−1の合成方法
4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール300mg、2−メトキシベンゾイルクロリド201mgとトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、120℃で6時間加熱した。室温に冷却後、エバポレートした。エタノール20mlで洗浄し、真空乾燥した後、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mgを得た。
次に、2−(2−メトキシベンゾイル)−3−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)ピロール260mg、4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ピロール180mg、メタンスルホン酸無水物206mgと脱気したトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、125℃で7時間加熱した。室温に冷却後、水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、エバポレートし、真空乾燥した。
次に、得られたピロメテン体とトルエン10mlの混合溶液を窒素気流下、ジイソプロピルエチルアミン305mg、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体670mgを加え、室温で3時間攪拌した。水20mlを注入し、ジクロロメタン30mlで抽出した。有機層を水20mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空乾燥した後、赤紫色粉末0.27gを得た。得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであり、上記で得られた赤紫色粉末がR−1であることが確認された。
H−NMR(CDCl,ppm):1.19(s,18H)、3.42(s,3H)、3.85(s,6H)、5.72(d,1H)、6.20(t,1H)、6.42−6.97(m,16H),7.89(d,4H)。
なお、この化合物の吸収スペクトルは図6に示す通りとなり、青色と緑色の励起光源に光の吸収特性を示した。蛍光スペクトルは図7に示す通りとなり、赤色領域に鋭い発光ピークを示した。蛍光量子収率は90%を示し、効率的な色変換が可能な化合物であった。
実施例1
二液型熱硬化性エポキシ系アクリル樹脂100重量部に対して、有機発光材料として化合物G−1を0.20重量部、硬化剤を0.50重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して(A)層用樹脂液としての色変換組成物を得た。
上記組成物を“セラピール”BLK(東レフィルム加工株式会社製)上にバーコーティング方式を用いて、塗布した後、100℃で5分間乾燥し、平均膜厚10μmの(A)層を形成した。
次に、オルトケイ酸テトラエチル1.2g、2−プロパノール0.5g、メタノール0.5gを混合した後、塩酸(0.1N)4gと水5gを混合した塩酸水溶液を徐々に滴下した。その後、ポリオール系樹脂としてケン化度98モル%以上のポリビニルアルコール樹脂0.4gを混合し、攪拌することで、(B)層用樹脂液1を得た。
この(B)層用樹脂液1をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)の上にバーコーティング方式を用いて塗布した後、150℃で1分間乾燥し、平均膜厚0.30μmのコーティング層を形成することで、酸素バリア性積層フィルム1を作製した。(B)層におけるケイ素原子の含有率は前記調合比率から算出すると10.1wt%であり、この酸素バリア性積層フィルム1の酸素透過度は、温度20℃湿度0%の環境化下で約0.8cc/m・day・atm、温度50℃湿度85%の環境化下で約1.0cc/m・day・atmであった。この酸素バリア性積層フィルム1を2つ用意した。
続いて、1つの酸素バリア性積層フィルム1のポリオール系樹脂層の上に熱硬化性接着層を塗布で形成し、その上に、上記の(A)層をラミネートした後、“セラピール”BLKを剥離した。
最後に、もう1つの酸素バリア性積層フィルムのポリビニルアルコール樹脂層の上に熱硬化性接着層を塗布で形成し、その接着層を(A)層の上にラミネートすることで、図3で示した構成の色変換シートを作製した。接着層の平均膜厚は全て0.5μmであった。なお、図3には熱硬化性接着層は図示されていない。
この色変換シートを用いて青色LED光を色変換させたところ、緑色光の発光領域のみを抜粋すると、ピーク波長526nm、ピーク波長における発光スペクトルの半値幅26nmの高色純度緑色発光が得られた。また、室温下で青色LED素子からの光を連続照射したところ、輝度が5%低下する時間は580時間であり、温度50℃湿度85%の環境化下で青色LED素子からの光を連続照射したところ、輝度が5%低下する時間は500時間であった。
実施例2,3
有機発光材料として表3に記載した化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして色変換シートを作製して評価した。結果を表3に示す。
比較例1〜3
(B)層用樹脂液として、ケン化度98%以上のポリビニルアルコール樹脂0.4g、水9g、2−プロパノール1gを混合した(B)層用樹脂液2を用いた以外は実施例1〜3と同様にして色変換シートを作製して評価した。結果を表3に示す。
比較例4〜6
実施例1〜3と同様にして(A)層用樹脂液を作製した後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、酸素透過度約40cc/m・day・atm)の上にバーコーティング方式を用いて、塗布した後、100℃で5分間乾燥し、平均膜厚10μmの(A)層を形成した。
次に、もう1つのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、酸素透過度約40cc/m・day・atm)の上に熱硬化性接着層を塗布で形成し、その接着層を(A)層の上にラミネートすることで、色変換シートを作製した。この色変換シートを用いて実施例1と同様の評価を行った結果を表3に示す。
実施例4
二液型熱硬化性エポキシ系アクリル樹脂100重量部に対して、有機発光材料として化合物R−1を0.08重量部、硬化剤を0.50重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して(A)層用樹脂液としての色変換組成物を得た。
この色変換組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして色変換シートを作製した。
作製した色変換シートを用いて青色LED光を色変換させたところ、赤色光の発光領域のみを抜粋すると、ピーク波長635nm、ピーク波長における発光スペクトルの半値幅49nmの高色純度赤色発光が得られた。また、室温下で青色LED素子からの光を連続照射したところ、輝度が2%低下する時間は580時間であり、温度50℃湿度85%の環境化下で青色LED素子からの光を連続照射したところ、輝度が2%低下する時間は500時間であった。
実施例5,6
有機発光材料として表4に記載した化合物を用いた以外は、実施例4と同様にして色変換シートを作製して評価した。結果を表4に示す。
比較例7〜9
(B)層用樹脂液として、(B)層用樹脂液2を用いた以外は実施例4〜6と同様にして色変換シートを作製して評価した。結果を表4に示す。
比較例10〜12
実施例4〜6と同様にして(A)層用樹脂液を作製した後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、酸素透過度約40cc/m・day・atm)の上にバーコーティング方式を用いて、塗布した後、100℃で5分間乾燥し、平均膜厚10μmの(A)層を形成した。
次に、もう1つのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、酸素透過度約40cc/m・day・atm)の上に熱硬化性接着層を塗布で形成し、その接着層を(A)層の上にラミネートすることで、色変換シートを作製した。この色変換シートを用いて実施例4と同様の評価を行った結果を表4に示す。
実施例7
二液型熱硬化性エポキシ系アクリル樹脂100重量部に対して、有機発光材料として化合物G−1を0.20重量部、化合物R−1を0.08重量部、硬化剤を0.50重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK−400”(クラボウ製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して(A)層用樹脂液としての色変換組成物を得た。この色変換組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして色変換シートを作製した。
作製した色変換シートを用いて青色LED光を色変換させたところ、緑色光の発光領域のみを抜粋すると、ピーク波長527nm、ピーク波長における発光スペクトルの半値幅28nmの高色純度緑色発光が得られ、赤色光の発光領域のみを抜粋すると、ピーク波長635nm、ピーク波長における発光スペクトルの半値幅49nmの高色純度緑色発光が得られた。また、室温下で青色LED素子からの光を連続照射したところ、輝度が5%低下する時間は590時間であり、温度50℃湿度85%の環境化下で青色LED素子からの光を連続照射したところ、輝度が2%低下する時間は510時間であった。
比較例13
(B)層用樹脂液として、(B)層用樹脂液2を用いた以外は実施例7と同様にして色変換シートを作製して評価した。結果を表5に示す。
比較例14
実施例7と同様にして(A)層用樹脂液を作製した後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、酸素透過度約40cc/m・day・atm)の上にバーコーティング方式を用いて、塗布した後、100℃で5分間乾燥し、平均膜厚10μmの(A)層を形成した。
次に、もう1つのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、酸素透過度約40cc/m・day・atm)の上に熱硬化性接着層を塗布で形成し、その接着層を(A)層の上にラミネートすることで、色変換シートを作製した。この色変換シートを用いて実施例7と同様の評価を行った結果を表5に示す。
Figure 2018004928
Figure 2018004928
Figure 2018004928
1 色変換シート
10 基材層
11 色変換層
12 ポリオール系樹脂層

Claims (14)

  1. 入射光を、その入射光よりも長波長の光に変換する色変換シートであり、少なくとも以下の(A)層および(B)層;
    (A)少なくとも1種の有機発光材料、およびバインダー樹脂を含有する、連続層である色変換層
    (B)ポリオール系樹脂と、一般式(1)で表されるケイ素化合物およびその加水分解物を含む樹脂組成物の硬化物層
    を含む積層体である、色変換シート。
    Figure 2018004928
    (R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、シリル基からなる群より選ばれる。
    はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、単結合、アルキレン基、フェニレン基から選ばれる。
    Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、グリシジル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、グリシジルエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、ボリル基、ホスフィンオキシド基からなる群より選ばれる。
    nは0以上4以下の整数である。)
  2. (A)層と(B)層が、(B)層/(A)層/(B)層の順で積層されてなる、請求項1記載の色変換シート。
  3. (B)層を構成するポリオール系樹脂が、樹脂中のヒドロキシル基の重量割合が20%以上である樹脂である、請求項1または2記載の色変換シート。
  4. (B)層を構成するポリオール系樹脂が、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む、請求項1〜3いずれか記載の色変換シート。
  5. (B)層におけるケイ素原子の含有率が1wt%以上20wt%以下である、請求項1〜4いずれか記載の色変換シート。
  6. (B)層の厚さが20μm以下である、請求項1〜5いずれか記載の色変換シート。
  7. 前記有機発光材料が一般式(2)で表される化合物を含有する、請求項1〜6いずれか記載の色変換シート。
    Figure 2018004928
    (XはC−RまたはNである。R〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、および隣接換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。)
  8. 一般式(2)において、XがC−Rであり、Rが一般式(3)で表される基である、請求項7記載の色変換シート。
    Figure 2018004928
    (rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基からなる群より選ばれる。kは1〜3の整数である。kが2以上である場合、rはそれぞれ同じでも異なっても良い。)
  9. 一般式(2)において、R、R、RおよびRがそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基である、請求項7または8記載の色変換シート。
  10. 一般式(2)において、R、R、RおよびRがそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基である、請求項7〜9いずれか記載の色変換シート。
  11. 光源および請求項1〜10いずれか記載の色変換シートを含む、光源ユニット。
  12. 光源が400nm以上500nm以下の範囲に極大発光を有する発光ダイオードである、請求項11記載の光源ユニット。
  13. 請求項11または12記載の光源ユニットを含む、ディスプレイ。
  14. 請求項11または12記載の光源ユニットを含む、照明。
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