JP2018004633A - 塩素イオン感応膜、塩素イオン選択性電極及びイオン分析装置 - Google Patents
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一般式が下記の化学構造式(3)で表される構造を有することを特徴とする(但し、p、q、rは任意の整数)。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明にかかる好適な塩素イオン感応膜の化学構造式(1)〜(4)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の塩素イオン感応膜の製造方法は、一般的には三級アミンにするべき原料を購入し、三級アミン化合物を製造し、それを四級アンモニウム塩への反応、高分子重合反応の四段階で製造する。四級アンモニウム塩への反応を高分子重合反応の後で行うことも可能である。
本発明による四級アンモニウム塩の合成方法は、前記三級アミン化合物と反応可能なハロゲン化物が結合している高分子物質を反応させることにより得られる。ハロゲン化物を結合している高分子物質は、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化物を持つモノマーを重合して製造してもよいし、ポリスチレンや、芳香族ポリエーテルなどの高分子物質の芳香環をクロロメチル化する製法でも得られる。
以下、一般的なイオン選択性電極の構造について、図1、図2および図3を用いて詳細に説明する。説明上同じ部材には同じ符号を用いる。また以下の説明で用いる被検液とは、血液、体液や尿などの被分析物を希釈した溶液を指し、ナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩素イオンなどのイオンを含む水溶液を指す。
図4は、本発明にかかるイオン分析装置の構成を説明する図である。図3に示した塩素イオン選択性電極20を複数(ナトリウム塩素イオン選択性電極20−1、カリウム塩素イオン選択性電極20−2、塩素イオン選択性電極20−3)用い、参照電極44(図4ではRefと表示)と、温度センサ45とともに被検液42の流路に沿って配置する。ポット41に入った被検液42は、各電極20の流路を経由して電磁ポンプ46によって吸引される。
本発明の塩素イオン感応膜及び比較例の膜を支持体22に貼り付けた構成の試験用電極と参照電極を被検液に浸漬して、両電極間の電位差測定を行う方法により、塩素イオン選択性の評価を行った。まず10mM、100mM、300mMの塩素イオン水溶液の測定電位を求めた。次に、これらの測定電位から塩素イオン換算濃度が求めるための検量線を作製した。独立に測定した20mMのチオシアン酸イオン(SCNイオン)を含む100mMの塩素イオン水溶液での測定電位から求めた塩素イオン換算濃度Ciと、SCNイオンを含まない100mMの塩素イオン水溶液の測定電位から求めた塩素イオン換算濃度Cjとの差(Ci−Cj)を求め、下記(式1)により選択係数Kijを算出した。
先ず本発明の塩素イオン感応膜20の中間体として、クロロメチル基を持ち補強材を含む高分子中間体膜を製造した。空隙率45%、厚さ25マイクロメーターのポリエチレン製多孔質膜を6cm四方に切出して補強材とした。クロロメチルスチレン0.85gとジビニルベンゼン(純度50%)0.15gを秤量して混合したモノマー1gに対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gと過酸化ベンゾイル0.03gを加えて溶解し、モノマーペーストとした。厚さ50マイクロメーターのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを8cm四方に切出し、このシート上に補強材を置き、モノマーペーストを浸み込ませた。この上からPETシートをさらに重ね、その上にさらに補強材を置いてモノマーペーストを浸み込ませた。さらにもう一枚PETシートとモノマーペーストを浸み込ませた補強材を重ね、最後にPETシートを重ねた。この積層体をアルミ箔で包み、ホットプレート上で500gの荷重をかけながら90℃で10時間重合した。PETシートから補強材に含浸したポリマーを剥がし、アセトンで洗浄してクロロメチル基を持った高分子中間体膜を得た。
次に、製造例1のクロロメチルスチレンとジビニルベンゼン(純度50%)の重量比を変えて、製造例1と同様の処理を行い、クロロメチル基を持った高分子中間体膜を得た。
次に、製造例1のクロロメチルスチレンとジビニルベンゼン(純度50%)に加えて、表1に示す共重合モノマーを加えてクロロメチル基を持った高分子中間体膜を得た。
塩化4−ニトロベンジル8gとジエタノールアミン50gをナス型フラスコにとり、テトラヒドロフラン50mlに溶解させ、80℃に加温し3時間反応させた。反応後、反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性溶液とした後に酢酸エチルで抽出を行い、有機層を純水で洗浄した。得られた有機層を留去しN−(4−ニトロベンジル)ジエタノールアミンを得た。
上記製造例10の塩化4−ニトロベンジルに代えて、表2に記載のハロゲン化ベンジル化合物を用いて、同様な方法で三級アミン化合物を製造した。
4−アミノブタノール10gと3−臭化プロパノール5gをナス型フラスコに量りとり、無水炭酸ナトリウム6gを加え、90℃で良く攪拌しながら24時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン100mLに溶解し、固体を濾別し、テトラヒドロフランを減圧留去した。残さを真空蒸留(沸点135℃/0.1mmHg)してN−(4−ヒドロキシブチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンを得た。これと塩化ベンジルを用いて製造例10に準じてN−ベンジル−N−(4−ヒドロキシブチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンを得た。
塩化4−ニトロベンジル8gと大過剰のジメチルアミン水溶液(50%)をナス型フラスコに取り、テトラヒドロフラン50mlに溶解させ、10時間室温で撹拌を行った。反応後溶媒を留去しN−(4−ニトロベンジル)ジメチルアミンを得た。
上記製造例19の塩化4−ニトロベンジルに代えて、表2に記載のハロゲン化ベンジル化合物を用いて、同様な方法で三級アミン化合物を製造した。
塩化4−ブトキシベンゾイル2gを10mLの塩化メチレンに溶解し、大過剰のジメチルアミン水溶液にゆっくり滴下した。滴下終了後1時間撹拌し、塩化メチレン層を分液した。1規定の希塩酸で2回、続いてイオン交換水で2回有機層を洗浄し、塩化メチレンを減圧留去してN,N−ジメチル−4−ブトキシベンズアミドを得た。これをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、あらかじめTHFに分散させた水素化リチウムアルミニウム0.4g中にゆっくり滴下した。滴下終了後1時間還流させ、室温に放冷後、酢酸エチル、エタノール、イオン交換水によって過剰の水素化リチウムアルミニウムを分解した。有機層を分液し、飽和食塩水で洗浄後、減圧留去してN−(4−ブトキシベンジル)ジメチルアミンを得た。
塩化4−ブトキシベンゾイルとジエタノールアミンから、製造例25と同様な方法で得られた化合物は、N−(4−ブトキシベンジル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンであったため、これと3−臭化プロパノールを用いて製造例18と同様な方法でN−(4−ブトキシベンジル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンを得た。なお、真空蒸留ではなく、シリカゲルカラムによって精製した。
上記製造例25の塩化4−ブトキシベンゾイルに代えて、塩化3,4,5−トリメトキシベンゾイルを用いて、製造例25と同様な方法で三級アミン化合物を製造した。
製造例10のジエタノールアミンに代えて、イミノジ(2−シアノエチル)を用い、塩化4−ニトロベンジルまたは塩化4−シアノベンジルと上記製造例10と同様な方法にて、N,N−ビス(2−シアノエチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミンおよびN,N−ビス(2−シアノエチル)−N−(4−シアノベンジル)アミンを製造した。
製造例10の三級アミン化合物を密封可能な容器に取り、ジメチルホルムアミドに溶解する。そこへ製造例1のクロロメチル基を持つ膜を浸漬し、密封して80℃の恒温器にて24時間反応させた。反応後、膜をアセトンにて洗浄し、乾燥して塩素イオン感応膜を得た。得られた塩素イオン感応膜を図2及び図3に示す支持体22に接着し、塩素イオン選択性電極を作成した。これをイオン分析装置に組込んで、チオシアン酸イオンに対する選択性を測定した。結果をまとめて下記の表3に示す。
実施例1の製造例10の三級アミン化合物と製造例1のクロロメチル基を持つ高分子中間体膜の代わりに表3に示す三級アミン化合物と高分子中間体膜とを用いて、実施例1と同様に塩素イオン感応膜を得た。実施例1と同様に、得られた塩素イオン感応膜のイオン選択性の値をまとめた。表3に実施例1〜19、表4に比較例1〜9を示す。
以上説明した図1に示す塩素イオン選択性電極20と動物由来血清を用いて、30000回まで測定した。
図5は、本発明にかかるイオン選択性電極の耐久性テストを示す図表である。横軸は、測定回数、縦軸はチオシアン酸イオンに対する選択性である。実施例1で製造した塩素イオン感応膜を塩素イオン選択性電極に組立て、動物由来血清を使用して耐久性試験を行った結果を示す。図5に示す通り、3万回の測定後もチオシアン酸イオンに対する選択性が悪化することはなかった。また、膜の物理的劣化もなく、分析装置として高い耐久性を示した。
20 塩素イオン選択性電極
21 塩素イオン感応膜
22 支持体
23 第1の筐体部材
23a、24a 嵌合穴
24 第2の筐体部材
25 電極棒
31 被検液の流路
32 穴
33、34 嵌合突起
41 ポット
42 被検液
44 参照電極
45 温度センサ
46 電磁ポンプ
47 温度補償回路
48 演算回路
49 表示器
Claims (8)
- 前記親水性官能基を持つ置換基R1及びR2が、炭素数4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数3以下のシアノアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の塩素イオン感応膜。
- 前記高分子物質が、共重合モノマーとして、スチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート、或いは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを加えた高分子物質であることを特徴とする請求項4に記載の塩素イオン感応膜。
- 請求項1〜6のいずれか一つに記載の塩素イオン感応膜を固着した支持体と、
被検液の流路を有し前記支持体と第1の筐体部材と第2の筐体部材によって構成された筐体と、
前記筐体の一部に固定された電極棒と、
前記筐体内に封入された電解質溶液と、
を有することを特徴とする塩素イオン選択性電極。 - 請求項7に記載の塩素イオン選択性電極を含む複数のイオン選択性電極と、
参照電極と、
前記イオン選択性電極と前記参照電極との間の電位差を計測するための電気回路とを有することを特徴とするイオン分析装置。
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