JP6975561B2 - 塩素イオン感応膜、塩素イオン選択性電極及びイオン分析装置 - Google Patents

塩素イオン感応膜、塩素イオン選択性電極及びイオン分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、溶液中の塩素イオン濃度測定用の塩素イオン感応膜と、塩素イオン感応膜を利用した塩素イオン選択性電極及びイオン分析装置に関する。詳しくは、生体中のイオン分析装置に使用するための、塩素イオンに対して優れた選択性を有する塩素イオン感応膜に関する。
近年、イオン選択性電極を医療用に応用し、血液や尿等の生体液中に溶解しているイオン、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオンなどの定量を行う試みが盛んに行われている。これは、生体液中の特定のイオン濃度が生体の代謝反応と密接な関係にあることに基づいて、生体液を被検液としてその中の前記イオン濃度を測定することにより、高血圧症状、心臓疾患、腎疾患、神経障害等の種々の診断に応用するものである。
従来から、陰イオン、特に塩素イオンを選択的に検出するためのイオン感応膜として種々の膜が提案されている。例えば、直鎖状重合体に四級アンモニウム塩を結合したイオン感応膜で、当該四級アンモニウム塩に液晶性基及びアルキル基を結合させた構造の感応膜が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。このアルキル基は、一部の水素原子が水酸基に置換されたヒドロキシアルキル基を含み、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基を有する化合物の開示がある。また、高分子物質を支持膜とし、この中に少なくとも1つの水酸基を有するアルキル基を持つ四級アンモニウム塩を含有する構成の塩素イオン感応膜が開示されている(例えば、下記特許文献2参照。)。また、高分子物質としてのポリクロロメチルスチレンのクロロメチル基にトリブチルアンモニウム基と水酸基を共有結合させたイオン感応膜が開示されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
一方、これら特許文献1〜3のような四級アンモニウム塩などのイオン交換体を感応物質としたイオン感応膜では、イオン選択性がホフマイスター順列に従うことがD.Wegmannらによって報告されている(例えば、下記非特許文献1参照。)。この報告によれば塩素イオンと比べて、より疎水性のチオシアン酸イオンや硝酸イオンは感応しやすく、より親水性の炭酸水素イオンは感応しにくいとされている。また、アンモニウム塩や周囲のマトリックスが疎水性になれば、疎水性の陰イオンの感度は上がり、親水性の陰イオンの感度は下がることが知られており、逆にマトリックスが親水性になれば疎水性陰イオンの感度が下がり、親水性陰イオンの感度が上がる。従って、塩素イオン感応膜の構造に関して、四級アンモニウム塩およびその周囲の親水性−疎水性のバランスを調整することにより、チオシアン酸イオンや硝酸イオンの妨害を受けにくくすることが可能になると考えられてきた。
特開平01−232250号公報 特開平05−052804号公報 特開平11−029646号公報
D.Wegmann,H.Weiss,D.Ammann,W.E. Morf,E.Pretsch,K.Sugahara,W.Simon;Microchimica Acta 1984,Volume84,Issue1,pp1−16.
一方、生体液中には臭素イオン、炭酸水素イオン、チオシアン酸イオンなどの種々のイオンが共存するため、実際に塩素イオンを測定対象とする場合、これらの共存イオンが測定の妨害イオンとなる。よって、塩素イオン感応膜には塩素イオンに対する優れた感度と、妨害イオンに対する選択性を満足することが求められ、かつ診療部門で使用する関係で、製品の信頼性や動作の安定性も要求されている。よって、塩素イオン選択性が充分高く、長期にわたる使用に耐えうる、合成の容易な塩素イオン感応膜が望まれていた。
それに対して例えば、特許文献1に開示されている塩素イオン感応膜に関しては、膜自体が脆いため、保管中や取扱い中に破損や劣化しやすいという課題がある。特許文献2に開示されている塩素イオン感応膜では、四級アンモニウム塩が高分子支持体に結合していないために測定液や内部液中に溶出しやすく、長期間の安定性が得にくいという課題がある。特許文献3については、実質的にチオシアン酸イオンの妨害を受けやすく、必ずしも塩素イオンに対する充分な選択性が得られないという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するため、長寿命で、塩素イオン濃度を高感度にかつ選択性がよく測定可能なことを目的とする。
本発明の塩素イオン感応膜は、高分子物質に共有結合された塩素イオン感応部を有する塩素イオン感応膜において、前記感応部の構造が下記の化学構造式(1)で表される四級アンモニウム塩であって、
Figure 0006975561
四級窒素原子が任意の結合手Bを介して前記高分子物質に結合しており、前記窒素原子には非水溶性高誘電率官能基を持つ置換基Aと、親水性官能基を持つ置換基R1及びR2が結合していることを特徴とする。
より具体的には、前記置換基Aの構造が、下記の化学構造式(2)で表され、
Figure 0006975561
直鎖或いは分岐を有するアルキレン基(但し、nは1から4の整数)を介して結合した、置換基Z(但し、Zは水素原子を含み、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基)を単数或いは複数有していても良いフェニル基であることを特徴とする。
さらには、前記親水性官能基を持つ置換基R1及びR2が、炭素数4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数3以下のシアノアルキル基であることを特徴とする。
また、前記高分子物質に共有結合された塩素イオン感応部を有する塩素イオン感応膜であって、前記高分子物質がスチレンとジビニルベンゼンの共重合体であり、
一般式が下記の化学構造式(3)で表される構造を有することを特徴とする(但し、p、q、rは任意の整数)。
Figure 0006975561
さらに、前記高分子物質が、共重合モノマーとして、スチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート、或いは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを加えた高分子物質であることを特徴とする。
特に、本発明の塩素イオン感応膜の構造は、
Figure 0006975561
一般式が化学構造式(4)で表される高分子構造と四級アンモニウム塩構造を有し、四級窒素原子には、直鎖或いは分岐を有するアルキレン基(但し、nは1から4の整数)を介して結合した、置換基Z(但し、Zは水素原子を含み、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基)を単数或いは複数有していても良いフェニル基、及びヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、シアノエチル基のいずれかから選択され、互いに異なっていてもよい置換基R1、R2が結合していることを特徴とする。
本発明の塩素イオン感応膜の構造として、特に好ましくは前記非水溶性高誘電率官能基を持つ置換基がニトロベンジル基であり、親水性官能基を持つ置換基が炭素数2から4のヒドロキシアルキル基である構造が、感度と選択性の面で優れている。
また、本発明の塩素イオン選択性電極は、上記の塩素イオン感応膜を固着した支持体と、被検液の流路を有し前記支持体と第1の筐体部材と第2の筐体部材によって構成された筐体と、前記筐体の一部に固定された電極棒と、前記筐体内に封入された電解質溶液と、からなることを特徴とする。
さらに、本発明のイオン分析装置は、上記の塩素イオン選択性電極と、参照電極及びこれらの電位差を計測するための電気回路と、からなることを特徴とする。
本発明によれば、長寿命でしかも塩素イオン濃度を高感度でかつ選択性よい条件下で測定可能な塩素イオン感応膜が得られる。また、感応膜に関しては、化合物の合成が容易であることも特徴である。これによって、塩素イオンに対する感度と共存する妨害イオンに対する選択性が充分高く、長期にわたる使用に耐えうる、高性能の塩素イオン選択性電極およびイオン分析装置を得ることができる。
図1は、本発明にかかる塩素イオン感応膜を用いた塩素イオン選択性電極の断面図である。 図2は、本発明にかかる塩素イオン感応膜を用いた塩素イオン選択性電極の構成を示す分解図である。 図3は、本発明にかかる塩素イオン感応膜を塩素イオン選択性電極の支持体に貼り付けた構成を示す図である。 図4は、本発明にかかるイオン分析装置の構成を説明する図である。 図5は、本発明にかかるイオン選択性電極の耐久性テストを示す図表である。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明にかかる好適な塩素イオン感応膜の化学構造式(1)〜(4)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006975561
化学構造式(1)は、四級アンモニウム塩であって、四級窒素原子が任意の結合手Bを介して当該高分子物質に結合しており、該窒素原子には非水溶性高誘電率官能基を持つ置換基Aと、親水性官能基を持つ置換基R1及び R2が結合している。
Figure 0006975561
また、化学構造式(2)は、化学構造式(1)の置換基Aの構造が直鎖或いは分岐を有するアルキレン基(但し、nは1から4の整数)を介して結合した、置換基Z(但し、Zは水素原子を含み、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基)を単数或いは複数有していても良いフェニル基である。さらには、前記親水性官能基を持つ置換基R1及びR2が、炭素数4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数3以下のシアノアルキル基である。
Figure 0006975561
また、化学構造式(3)は、化学構造式(1)の前記高分子物質がスチレンとジビニルベンゼンの共重合体である(但し、p、q、rは任意の整数)。さらに、高分子物質が、共重合モノマーとして、スチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート、或いは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを加えた高分子物質である。
Figure 0006975561
また、化学構造式(4)は、本発明の塩素イオン感応膜であり、高分子構造と四級アンモニウム塩構造を有し、四級窒素原子には、直鎖或いは分岐を有するアルキレン基(但し、nは1から4の整数)を介して結合した、置換基Z(但し、Zは水素原子を含み、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基)を単数或いは複数有していても良いフェニル基、及びヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、シアノエチル基のいずれかから選択され、互いに異なっていてもよい置換基R1、R2が結合している。
本発明の塩素イオン感応膜は、高分子物質に共有結合された塩素イオン感応部を有していて、前記感応部の構造が四級アンモニウム塩であって、四級窒素原子が任意の結合手Bを介して当該高分子物質に結合している。また、置換基Aは非水溶性高誘電率官能基を持つ置換基を示しており、R1、R2は親水性官能基を持つ置換基を意味していて、下記に示す表3中の構造式のR1、R2にも対応している。
また、置換基Zは非水溶性高誘電率官能基が持つ置換基の一例を示しており、R1、R2は親水性官能基を持つ置換基を意味していて、下記に示す表3中の構造式のR1、R2にも対応している。
本発明の塩素イオン感応部の四級アンモニウム塩の窒素原子には、高い誘電率を得るために非水溶性高誘電率官能基が結合している。一般的には共役π電子を有する骨格が用いられ、直鎖状の骨格よりは環状の骨格の方が安定性の面で優れている。代表的な骨格は化学構造式(2)に示すように置換基Zを有していてもよいベンゼン環であり、芳香族ヘテロ五員環骨格や、これらで縮環した骨格を挙げることができる。より好ましくは、ベンゼン環一つがよく、その理由は、共役が伸びたりヘテロ環を含んだりすると空気中の酸素により酸化されやすくなるためである。
これらの非水溶性高誘電率官能基は、四級アンモニウム塩の窒素原子に直接結合する必要はなく、炭素数1のメチレン基から炭素数4のブチレン基を介して結合していても良い。製造上、或いは原料入手のしやすさから、メチレン基を介した骨格が好ましい。さらに、ベンゼン環に結合している置換基Zとして、電子供与性の官能基或いは電子吸引性の官能基のいずれかまたは両方を、各々複数持つことでさらに極性を高め、かつ誘電率を上げることができる。より具体的には、電子供与性の官能基としては、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基などが挙げられるが、試料の液性に影響を与えない点で、アルコキシ基が優れている。電子吸引性の官能基としては、フルオロ基やクロロ基などのハロゲノ基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基、アルキルカルボニル基やアルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基などの置換カルボニル基およびシアノ基、ニトロ基やスルホン基、スルホキシド基などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基が結合したベンジル基がよく、特に電子吸引効果の大きいニトロ基が最も優れている。一方、アルコキシ基の場合、炭素数が5以上になると疎水性が強くなるために好ましくない。このことは、炭素数4以下のアルコールが水と任意に混和するのに対して、炭素数5のペンタノールが水に溶けにくい(溶解度 22g/リットル)ことからも明白である。
本発明の塩素イオン感応部に結合する親水性官能基を持つ置換基は、一般的に親水性の官能基を持つ置換基であればよく、通常共役π電子を持っていない。ここで、一般的に親水性官能基とは、メタンに該官能基が置換した場合に水に溶解する官能基のことを指す。なお、親水性の基準として、本明細書中では、25℃において1リットルの水に100グラム以上溶解する場合に、水に溶解するとしている。例えばメタンの水素原子に水酸基が置換した構造のメタノールは、水1リットルに100グラム以上容易に溶解するので親水性官能基であるが、クロロ基の場合はクロロメタンが水に溶解しないので本発明中では親水性官能基とは言わない。
上記親水性官能基を持つ置換基は特に制限はないが、より好ましくは、該置換基全体が水素に置換された場合に水に溶解する置換基がよい。具体例としては、炭素数4以下のヒドロキシアルキル基、または、炭素数3以下のシアノアルキル基が好適である。この理由として、親水性官能基である水酸基がエチレン基を介して結合した置換基であるヒドロキシエチル基は、全体が水素に置換された場合はエタノールとなり、水に容易に溶けるためより好ましいと考えられる。また親水性官能基であるシアノ基がメチレン基を介して結合した置換基であるシアノメチル基は、全体が水素に置換された場合はアセトニトリルに相当して、水に容易に溶けるためより好ましいと考えられる。
しかし、親水性官能基である水酸基が直鎖へキシレン基を介して結合した置換基であるヒドロキシヘキシル基は、全体が水素に置換された場合はヘキサノールに相当して水に溶けず(6g/リットル、25℃)、好ましくはないと考えられる。ところが、アルキル鎖長が長くても、ヒドロキシエトキシ基がエチレン基を介して結合した置換基であるヒドロキシエトキシエチル基になると、全体が水素に置換された場合はエトキシエタノールに相当して水に溶けるため、より好ましいと考えられる。
本発明の塩素イオン感応膜は、ラジカル重合で製造するのであれば、一般的にポリエチレン骨格に種々の置換基が置換された高分子物質が用いられ、この場合置換基の種類は同一でなくともよい。また全ての置換基に四級アンモニウム塩の窒素原子が結合していなくともよく、異なる置換基を有する共重合体であってもよい。また、高分子反応を利用する場合は、縮合系芳香族高分子物質を使用することもできる。また、架橋構造を含んでいてもよいし、別の高分子物質或いは可塑剤などの添加剤との混合物でも良い。
具体例としては、ラジカル(共)重合で製造するのであれば、フェニル基を介して塩素イオン感応部が結合したスチレン誘導体、カルボニル基を介した(メタ)アクリル酸誘導体或いはビニルケトン誘導体、エーテル結合を介したビニルエーテル誘導体などが挙げられる。さらに、炭素数1から4のアルキル基を介した構造や、アルキレンエーテル結合を1から4つ介した構造でもよい。原料となる高分子物質から高分子反応、例えばクロロメチル化反応を利用して製造するのであれば、その原料としては、芳香族環を持つポリスチレンなどの他に、芳香族ポリエーテルやポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどのいわゆるエンジニアリングプラスチックなどが使用できる。
本発明の塩素イオン感応膜は、前述したような特定の四級アンモニウム塩を持つ高分子物質そのものの膜でも良いし、或いは織布、不織布、多孔質膜、各種充填剤などで補強されていてもよい。
(中間体の製造方法)
本発明の塩素イオン感応膜の製造方法は、一般的には三級アミンにするべき原料を購入し、三級アミン化合物を製造し、それを四級アンモニウム塩への反応、高分子重合反応の四段階で製造する。四級アンモニウム塩への反応を高分子重合反応の後で行うことも可能である。
三級アミン化合物の合成方法は、第1の方法として非水溶性高誘電率官能基を有するハロゲン化物に親水性官能基を有するアミンを結合させる方法、第2の方法として非水溶性高誘電率官能基を有するアミンと親水性官能基を有するハロゲン化物を反応させる方法がある。三級アミン化合物の製造は、ハロゲン化物が過剰になると直ちに四級アンモニウム塩への反応が進行して三級アミンで停止しないため、アミンが過剰の条件で製造することがよい。一方第3の方法として、ハロゲン化物として酸ハロゲン化物を使用し三級アミド化合物を得た後、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤によってカルボニル基を還元して三級アミン化合物を得る方法もある。この三級アミドを経由する方法では四級アンモニウム塩への反応が起こらないので、四級アンモニウム塩への反応が進行しやすくて三級アミンで停止しない場合に特に有用な方法である。
(四級アンモニウム塩の製造方法)
本発明による四級アンモニウム塩の合成方法は、前記三級アミン化合物と反応可能なハロゲン化物が結合している高分子物質を反応させることにより得られる。ハロゲン化物を結合している高分子物質は、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化物を持つモノマーを重合して製造してもよいし、ポリスチレンや、芳香族ポリエーテルなどの高分子物質の芳香環をクロロメチル化する製法でも得られる。
なお、上記重合可能なハロゲン化物とは、脱離基としてのハライドを持つ化合物を指すが、合成技術上は必ずしもハロゲン化物でなくても、脱離しやすい置換基を持つ化合物であれば同様に使用できる。良い脱離基として通常用いられる置換基としては、トルエンスルホニルオキシ基やトリフルオロメタンスルホニルオキシ基などのアルコールと強酸とのエステルが挙げられる。従って、水酸基を持つ高分子物質を原料として、該水酸基を脱離しやすい置換基に変換してからアミンと反応させることも可能である。原料入手や製造の容易さから考えると、クロロメチルスチレンと、共重合可能な別モノマー、ジビニルベンゼンなどの架橋剤及び重合開始剤を混合し、このペーストを不織布或いは多孔質膜などの補強材に含浸して加熱重合し、まずクロロメチル基を持った高分子中間体膜を製造し、これに別途製造した三級アミン化合物を反応させて四級アンモニウム塩にする方法も好適である。
(イオン選択性電極の構成)
以下、一般的なイオン選択性電極の構造について、図1、図2および図3を用いて詳細に説明する。説明上同じ部材には同じ符号を用いる。また以下の説明で用いる被検液とは、血液、体液や尿などの被分析物を希釈した溶液を指し、ナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩素イオンなどのイオンを含む水溶液を指す。
図1は、本発明にかかる塩素イオン感応膜を用いた塩素イオン選択性電極の断面図である。図1(a)は全体の断面図、図1(b)は塩素イオン感応膜21と支持体22とをそれぞれ示す断面図である。支持体22は、内部に被検液が通る貫通孔(流路31)を有しており、支持体22の一部の側面は貫通孔まで切削されて空孔(穴32)を形成する構造となっている。この流路31上に塩素イオン感応膜21が接着剤により貼り付けられている。この構成により、塩素イオン感応膜21は被検液と接触することができる。この支持体22は第1の筐体部材23及び第2の筐体部材24に組み付けられ、内部の空隙には電解質溶液16が封入されている。塩素イオン感応膜に発生した電位は、電極棒25によって、測定される。
図2は、本発明にかかる塩素イオン感応膜を用いた塩素イオン選択性電極の構成を示す分解図である。塩素イオン選択性電極20は、塩素イオン感応膜21が接着された支持体22、及び支持体22を内部に収容する筐体(第1の筐体部材23及び第2の筐体部材24)から構成されている。
第1の筐体部材23と第2の筐体部材24には、嵌合穴23a、24aが開口され、支持体22の両端に形成された嵌合突起33、34が嵌合した状態で互いが接着或いは接合される。また、第1の筐体部材23及び第2の筐体部材24は、互いが接合する外周面を高周波加熱等の方法で接合して一体化される。
支持体22に設けられた穴32は塩素イオン感応膜21で塞がれているため、筐体(第1の筐体部材23及び第2の筐体部材24)の内部に形成された空間に、塩化カリウム水溶液からなる電解質溶液16を蓄えることができる。被検液(不図示)は、塩素イオン感応膜21を介して電気的導通をとっている。また第2の筐体部材24には、銀線の表面に塩化銀が形成された電極棒(銀−塩化銀電極とも言う)25が貫通し、固定されている。
図3は、本発明にかかる塩素イオン感応膜を塩素イオン選択性電極の支持体に張り付けた構成を示す図である。図3を用いて、塩素イオン感応膜21と支持体22との関係を詳細に説明する。塩化ビニル樹脂製の支持体22の形状は円柱状であり、その両端には第1の筐体部材23及び第2の筐体部材24と嵌合する嵌合突起33、34が形成されている。支持体22の中央軸に沿った長手方向には被検液の流路31が貫通している。
この支持体22の円柱状の周面の一部の領域を、被検液の流路31の一部が露出するまで切削し、穴32が開いた状態にする。その後に、塩素イオン感応膜21を、穴32を塞ぐように接着する。これにより、塩素イオン感応膜21が接着された支持体22が形成できる。
(イオン分析装置の構成)
図4は、本発明にかかるイオン分析装置の構成を説明する図である。図3に示した塩素イオン選択性電極20を複数(ナトリウム塩素イオン選択性電極20−1、カリウム塩素イオン選択性電極20−2、塩素イオン選択性電極20−3)用い、参照電極44(図4ではRefと表示)と、温度センサ45とともに被検液42の流路に沿って配置する。ポット41に入った被検液42は、各電極20の流路を経由して電磁ポンプ46によって吸引される。
それぞれの塩素イオン感応膜21に誘起された起電力は、第2の筐体部材24に固定された電極棒25により計測され、参照電極44の電位及び温度センサ45の情報と共に温度補償回路47に入力される。
ナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩素イオンの各塩素イオン選択性電極20の起電力は、参照電極の電位をシステムグラウンドとした電位差として外部の演算回路48で計測され、表示器49に表示される。これらのイオン分析装置としては、例えば商業的には全自動電解質分析装置EA07(本出願人、株式会社エイアンドティー製)などが利用できる。
(塩素イオン選択性の測定)
本発明の塩素イオン感応膜及び比較例の膜を支持体22に貼り付けた構成の試験用電極と参照電極を被検液に浸漬して、両電極間の電位差測定を行う方法により、塩素イオン選択性の評価を行った。まず10mM、100mM、300mMの塩素イオン水溶液の測定電位を求めた。次に、これらの測定電位から塩素イオン換算濃度が求めるための検量線を作製した。独立に測定した20mMのチオシアン酸イオン(SCNイオン)を含む100mMの塩素イオン水溶液での測定電位から求めた塩素イオン換算濃度Ciと、SCNイオンを含まない100mMの塩素イオン水溶液の測定電位から求めた塩素イオン換算濃度Cjとの差(Ci−Cj)を求め、下記(式1)により選択係数Kijを算出した。
Kij=(Ci−Cj)/20 …(式1)
下記の各製造例1〜9は、反応性置換基であるクロル基を有する高分子中間体膜の製造例を示している。具体的にはクロルメチルスチレンとジビニルベンゼン、及びスチレンなどの共重合モノマーからなる高分子中間体膜である。これらの組合せをまとめて表1に示す。
(高分子中間体膜の製造例1)
先ず本発明の塩素イオン感応膜20の中間体として、クロロメチル基を持ち補強材を含む高分子中間体膜を製造した。空隙率45%、厚さ25マイクロメーターのポリエチレン製多孔質膜を6cm四方に切出して補強材とした。クロロメチルスチレン0.85gとジビニルベンゼン(純度50%)0.15gを秤量して混合したモノマー1gに対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gと過酸化ベンゾイル0.03gを加えて溶解し、モノマーペーストとした。厚さ50マイクロメーターのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを8cm四方に切出し、このシート上に補強材を置き、モノマーペーストを浸み込ませた。この上からPETシートをさらに重ね、その上にさらに補強材を置いてモノマーペーストを浸み込ませた。さらにもう一枚PETシートとモノマーペーストを浸み込ませた補強材を重ね、最後にPETシートを重ねた。この積層体をアルミ箔で包み、ホットプレート上で500gの荷重をかけながら90℃で10時間重合した。PETシートから補強材に含浸したポリマーを剥がし、アセトンで洗浄してクロロメチル基を持った高分子中間体膜を得た。
(高分子中間体膜の製造例2〜5)
次に、製造例1のクロロメチルスチレンとジビニルベンゼン(純度50%)の重量比を変えて、製造例1と同様の処理を行い、クロロメチル基を持った高分子中間体膜を得た。
(高分子中間体の製造例6〜9)
次に、製造例1のクロロメチルスチレンとジビニルベンゼン(純度50%)に加えて、表1に示す共重合モノマーを加えてクロロメチル基を持った高分子中間体膜を得た。
下記の表1には、クロロメチル基を有する高分子中間体膜の製造1〜9の材料の組み合わせをまとめて示す。
Figure 0006975561
次に、製造例10〜29には、本発明及び比較例として用いた四級アンモニウム塩を製造するための中間体として、三級アミン化合物の製造例を示す。アミン化合物としてジエタノールアミンやジメチルアミンなどを用い、ハロゲン化物として塩化ベンジル或いは塩化4−ニトロベンジルなどから製造した。これらの組み合わせによる三級アミン化合物の製造例をまとめて下記の表2に示す。
Figure 0006975561
(製造例10)(4−ニトロベンジル)ジエタノールアミンの製造
塩化4−ニトロベンジル8gとジエタノールアミン50gをナス型フラスコにとり、テトラヒドロフラン50mlに溶解させ、80℃に加温し3時間反応させた。反応後、反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性溶液とした後に酢酸エチルで抽出を行い、有機層を純水で洗浄した。得られた有機層を留去しN−(4−ニトロベンジル)ジエタノールアミンを得た。
(製造例11〜17)
上記製造例10の塩化4−ニトロベンジルに代えて、表2に記載のハロゲン化ベンジル化合物を用いて、同様な方法で三級アミン化合物を製造した。
(製造例18)N−ベンジル−N−(4−ヒドロキシブチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンの製造
4−アミノブタノール10gと3−臭化プロパノール5gをナス型フラスコに量りとり、無水炭酸ナトリウム6gを加え、90℃で良く攪拌しながら24時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン100mLに溶解し、固体を濾別し、テトラヒドロフランを減圧留去した。残さを真空蒸留(沸点135℃/0.1mmHg)してN−(4−ヒドロキシブチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンを得た。これと塩化ベンジルを用いて製造例10に準じてN−ベンジル−N−(4−ヒドロキシブチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンを得た。
(製造例19)N−(4−ニトロベンジル)ジメチルアミンの製造
塩化4−ニトロベンジル8gと大過剰のジメチルアミン水溶液(50%)をナス型フラスコに取り、テトラヒドロフラン50mlに溶解させ、10時間室温で撹拌を行った。反応後溶媒を留去しN−(4−ニトロベンジル)ジメチルアミンを得た。
(製造例20〜24)
上記製造例19の塩化4−ニトロベンジルに代えて、表2に記載のハロゲン化ベンジル化合物を用いて、同様な方法で三級アミン化合物を製造した。
(製造例25)N−(4−ブトキシベンジル)ジメチルアミンの製造
塩化4−ブトキシベンゾイル2gを10mLの塩化メチレンに溶解し、大過剰のジメチルアミン水溶液にゆっくり滴下した。滴下終了後1時間撹拌し、塩化メチレン層を分液した。1規定の希塩酸で2回、続いてイオン交換水で2回有機層を洗浄し、塩化メチレンを減圧留去してN,N−ジメチル−4−ブトキシベンズアミドを得た。これをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、あらかじめTHFに分散させた水素化リチウムアルミニウム0.4g中にゆっくり滴下した。滴下終了後1時間還流させ、室温に放冷後、酢酸エチル、エタノール、イオン交換水によって過剰の水素化リチウムアルミニウムを分解した。有機層を分液し、飽和食塩水で洗浄後、減圧留去してN−(4−ブトキシベンジル)ジメチルアミンを得た。
(製造例26)N−(4−ブトキシベンジル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンの製造
塩化4−ブトキシベンゾイルとジエタノールアミンから、製造例25と同様な方法で得られた化合物は、N−(4−ブトキシベンジル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンであったため、これと3−臭化プロパノールを用いて製造例18と同様な方法でN−(4−ブトキシベンジル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミンを得た。なお、真空蒸留ではなく、シリカゲルカラムによって精製した。
(製造例27)N−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ジメチルアミンの製造
上記製造例25の塩化4−ブトキシベンゾイルに代えて、塩化3,4,5−トリメトキシベンゾイルを用いて、製造例25と同様な方法で三級アミン化合物を製造した。
(製造例28〜29)
製造例10のジエタノールアミンに代えて、イミノジ(2−シアノエチル)を用い、塩化4−ニトロベンジルまたは塩化4−シアノベンジルと上記製造例10と同様な方法にて、N,N−ビス(2−シアノエチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミンおよびN,N−ビス(2−シアノエチル)−N−(4−シアノベンジル)アミンを製造した。
これらの製造例による三級アミン化合物とクロロメチル基を有する高分子中間体膜を用いて、本発明の塩素イオン感応膜を作成した。その典型的な構造は、上記の化学構造式(4)に示す。式中任意の結合手Bはメチレン基であり、高分子主鎖側から見てメタ−パラ混合であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
製造例10の三級アミン化合物を密封可能な容器に取り、ジメチルホルムアミドに溶解する。そこへ製造例1のクロロメチル基を持つ膜を浸漬し、密封して80℃の恒温器にて24時間反応させた。反応後、膜をアセトンにて洗浄し、乾燥して塩素イオン感応膜を得た。得られた塩素イオン感応膜を図2及び図3に示す支持体22に接着し、塩素イオン選択性電極を作成した。これをイオン分析装置に組込んで、チオシアン酸イオンに対する選択性を測定した。結果をまとめて下記の表3に示す。
(実施例2〜19、比較例1〜9)
実施例1の製造例10の三級アミン化合物と製造例1のクロロメチル基を持つ高分子中間体膜の代わりに表3に示す三級アミン化合物と高分子中間体膜とを用いて、実施例1と同様に塩素イオン感応膜を得た。実施例1と同様に、得られた塩素イオン感応膜のイオン選択性の値をまとめた。表3に実施例1〜19、表4に比較例1〜9を示す。
Figure 0006975561
Figure 0006975561
上記の表3、表4から、妨害イオンであるチオシアン酸イオンに対する選択性の数値は、比較例1〜9までの全ての比較例で30倍以上なのに対して、本発明の全ての実施例では22倍以下の数値を示していることがわかる。
(耐久性テスト)
以上説明した図1に示す塩素イオン選択性電極20と動物由来血清を用いて、30000回まで測定した。
(実施例20)
図5は、本発明にかかるイオン選択性電極の耐久性テストを示す図表である。横軸は、測定回数、縦軸はチオシアン酸イオンに対する選択性である。実施例1で製造した塩素イオン感応膜を塩素イオン選択性電極に組立て、動物由来血清を使用して耐久性試験を行った結果を示す。図5に示す通り、3万回の測定後もチオシアン酸イオンに対する選択性が悪化することはなかった。また、膜の物理的劣化もなく、分析装置として高い耐久性を示した。
本発明の塩素イオン感応膜、および塩素イオン選択性電極は、塩素イオンに対する感度が高く、かつ共存する妨害イオンに対する選択性が高いため、血液や尿等の生体液中に溶解している塩素イオン濃度の測定を目的とした塩素イオン選択性電極及び医療用の分析装置に用いるのが好適である。
16 電解質溶液
20 塩素イオン選択性電極
21 塩素イオン感応膜
22 支持体
23 第1の筐体部材
23a、24a 嵌合穴
24 第2の筐体部材
25 電極棒
31 被検液の流路
32 穴
33、34 嵌合突起
41 ポット
42 被検液
44 参照電極
45 温度センサ
46 電磁ポンプ
47 温度補償回路
48 演算回路
49 表示器

Claims (7)

  1. 高分子物質に共有結合された塩素イオン感応部を有する塩素イオン感応膜において、前記感応部の構造が下記の化学構造式(1)で表される四級アンモニウム塩であって、
    Figure 0006975561
    四級窒素原子が任意の結合手Bを介して前記高分子物質に結合しており、前記窒素原子には非水溶性高誘電率官能基を持つ置換基Aと、親水性官能基を持つ置換基R1及びR2が結合しており、
    前記置換基Aの構造が、下記の化学構造式(2)で表され、
    Figure 0006975561
    直鎖或いは分岐を有するアルキレン基(但し、nは1から4の整数)を介して結合した、置換基Z(但し、Zは水素原子を含み、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基)を単数或いは複数有していても良いフェニル基であることを特徴とする塩素イオン感応膜。
  2. 前記親水性官能基を持つ置換基R1及びR2が、炭素数4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数3以下のシアノアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の塩素イオン感応膜。
  3. 前記高分子物質に共有結合された塩素イオン感応部を有する塩素イオン感応膜であって、前記高分子物質がスチレンとジビニルベンゼンの共重合体であり、
    一般式が下記の化学構造式(3)で表される構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の塩素イオン感応膜(但し、p、q、rは任意の整数)。
    Figure 0006975561
  4. 前記高分子物質が、共重合モノマーとして、スチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート、或いは2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを加えた高分子物質であることを特徴とする請求項3に記載の塩素イオン感応膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の塩素イオン感応膜において、
    Figure 0006975561
    一般式が化学構造式(4)で表される高分子構造と四級アンモニウム塩構造を有し、四級窒素原子には、直鎖或いは分岐を有するアルキレン基(但し、nは1から4の整数)を介して結合した、置換基Z(但し、Zは水素原子を含み、炭素数4以下のアルコキシ基、ハロゲノ基、トリハロメチル基、シアノ基、ニトロ基)を単数或いは複数有していても良いフェニル基、及びヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、シアノエチル基のいずれかから選択され、互いに異なっていてもよい置換基R1、R2が結合していることを特徴とする塩素イオン感応膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の塩素イオン感応膜を固着した支持体と、
    被検液の流路を有し前記支持体と第1の筐体部材と第2の筐体部材によって構成された筐体と、
    前記筐体の一部に固定された電極棒と、
    前記筐体内に封入された電解質溶液と、
    を有することを特徴とする塩素イオン選択性電極。
  7. 請求項6に記載の塩素イオン選択性電極を含む複数のイオン選択性電極と、
    参照電極と、
    前記イオン選択性電極と前記参照電極との間の電位差を計測するための電気回路とを有することを特徴とするイオン分析装置。
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