JP2018004569A - 放射線検出装置、放射線検出システム、及び、放射線検出装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 放射線が照射される側から、固定電位が供給される導電性部材、画素アレイ、シンチレータの順に配置される放射線検出装置において、電磁シールド性を確保しつつ生産性とメンテナンス性を確保する。【解決手段】 シンチレータ400と、シンチレータ400により変換された可視光を電気信号に変換する画素Pが基板301の第1表面306に2次元アレイ状に複数配置された画素アレイ302と、基板301の第1表面306の画素アレイ302の周辺に設けられた複数の接続端子部303と、定電位が供給される導電性部材200と、を含み、放射線が照射される側から、導電性部材200、画素アレイ302、シンチレータ400の順に配置され、且つ、シンチレータ400が第1表面306側に配置され、導電性部材200が、基板301の第1表面306と対向する第2表面307の複数の接続端子部303と対向する領域309を除く領域に配置されている。【選択図】 図1
Description
本発明は、医療用画像診断装置、非破壊検査装置、放射線を用いた分析装置などに応用される放射線検出装置、放射線検出システム、及び、放射線検出装置の製造方法に関する。
近年、薄膜半導体製造技術は、TFT(薄膜トランジスタ)等のスイッチ素子と光電変換素子等の変換素子とを組み合わせた検出装置や放射線検出装置にも利用されている。特許文献1に示すように、放射線源から発せられる放射線が照射される側に画素アレイを、放射線が照射される側とは反対側にシンチレータを配することにより放射線検出装置を構成する提案がなされている。そして、特許文献1では、放射線検出装置の放射線が照射される側から、固定電位が供給される導電性部材、画素アレイ、シンチレータの順に配置され、画素アレイの放射線入射側から混入する電磁ノイズの影響を好適に低減する放射線検出装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1では、画素アレイが設けられる基板のどの領域に導電性部材を配置するかについて、十分な検討がなされていない。基板の第1表面に画素アレイが設けられ、第1表面と対向する基板の第2表面に導電性部材が固定される場合、導電性部材が固定される領域によっては、不具合が生じ得る。例えば、基板の第1表面の画素アレイの周囲には、画素アレイと外部回路(フレキシブル配線基板やプリント回路基板等)との電気的な接続を行う接続端子部が備えられている。外部回路を接続端子部に接続後、放射線検出装置の特性検査を行う際に、導電性部材が設けられていないと、基板の第2表面側からの電磁波ノイズの影響を受けてしまうため、正常な特性検査が行えない。そのため、特性検査を行う際には、基板の第2表面側に導電性部材が固定されていることが望ましい。ただし、特性検査によって外部回路に不良が確認された場合、外部回路を交換するために再度電気的な実装を行う必要がある。基板の第2表面の接続端子部と対向する領域に導電性部材が固定されていた場合、加圧及び加熱処理等で外部回路を接続端子部へ固定する際に基板が破損してしまう恐れがある。
そこで、本発明では、放射線検出装置の放射線が照射される側から、固定電位が供給される導電性部材、画素アレイ、シンチレータの順に配置される放射線検出装置において、電磁シールド性を確保しつつ生産性とメンテナンス性を確保することを目的とする。
本発明の放射線検出装置は、照射された放射線を可視光に変換するシンチレータと、該シンチレータにより変換された可視光を電気信号に変換する画素が基板の第1表面に2次元アレイ状に複数配置された画素アレイと、前記基板の前記第1表面の前記画素アレイの周辺に設けられ前記画素アレイと外部回路との電気的な接続を行うための複数の接続端子部と、定電位が供給される導電性部材と、を含み、放射線が照射される側から、前記導電性部材、前記画素アレイ、前記シンチレータの順に配置され、且つ、前記シンチレータが前記第1表面側に配置されている放射線検出装置であって、前記導電性部材は、前記基板の前記第1表面と対向する第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域を除く領域に配置されている、ことを特徴とする。
本発明により、放射線検出装置の放射線が照射される側から、固定電位が供給される導電性部材、画素アレイ、シンチレータの順に配置される放射線検出装置において、電磁シールド性を確保しつつ生産性とメンテナンス性を確保することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。なお、本明細書では、放射性崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギーを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども、放射線に含まれるものとする。
まず、図1(a)、図1(b)、及び、図2を用いて、本発明の放射線検出装置の概略構成を説明する。図1(a)は、放射線検出装置の筐体部分を除く平面模式図、図1(b)は放射線検出装置の筐体部分を除く断面模式図であり、図1(a)のA−A’の断面模式図である。図2は、放射線検出装置のセンサパネルの構成を説明するための平面模式図である。
図1(a)、図1(b)、及び、図2に示すように、本発明の放射線検出装置は、シンチレータ400と画素アレイ302と複数の接続端子部303と導電性部材200とを含む。シンチレータ400は、照射された放射線を可視光に変換するものである。シンチレータ400は、放射線を可視光に変換するシンチレータ層401と、シンチレータ層401を保護する保護部材402と、を含み得る。画素アレイ302は、シンチレータ400により変換された可視光を電気信号に変換する画素Pが基板301の第1表面306に2次元アレイ状に複数配置されたものである。基板301は、第1表面306と対向する第2表面307を含む。画素302は夫々、可視光を電気信号に変換する光電変換素子304と、光電変換素子304で得られた電気信号の蓄積及び出力を制御するための薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチ素子と、を含み得る。複数の接続端子部303は夫々、基板301の第1表面306の画素アレイ302の周辺に設けられており、配線部308を介して画素アレイ300と外部回路(詳細は後で説明)との電気的な接続を行うためのものである。導電性部材200は、画素アレイ302に対して放射線が照射される側(第2表面307側)から混入する電磁ノイズを低減するために、定電位が供給されるものである。そして、放射線が照射される側から、導電性部材200、画素アレイ302、シンチレータ400の順に配置され、且つ、シンチレータ400が基板301の第1表面側(第1表面306側)に配置されている。ここで、導電性部材200は、基板301の第2表面307の複数の接続端子部303と対向する領域309を除く領域に配置されている。導電性部材200は、領域309を除く領域の基板301の第2表面307に、粘着剤を介して固定され得る。ここでは、導電性部材200は、その端部が第2表面307の画素アレイ302が配置された領域の端と複数の接続端子部303と対向する領域309との間に位置するように、領域309を除く領域に配置されている。なお、画素アレイ302及び配線部308はパッシベーション膜310で覆われており、この場合、シンチレータ400は基板301の第1表面306側であるパッシベーション膜310の表面に設けられることとなる。また、保護部材402は、シンチレータ層401及びその周辺のパッシベーション膜310の表面を覆うことで、シンチレータ層401及び基板301の第1表面306の少なくとも一部を覆ってシンチレータ層401を保護している。保護部材402は、定電位が供給される導電層を含み得る。その場合、画素アレイ302は両表面側から導電性部材200と保護部材402の導電層とにより電磁ノイズに対してシールドされることとなる。
複数の接続端子部303は、図1(a)に示すように、画素アレイ302を駆動するための駆動回路(不図示)と電気的に接続される、センサパネル300を構成する基板301の第1辺及び対向する第3辺に沿って配置された複数の第1接続端子部を含む。複数の接続端子部には、複数の第1フレキシブル配線基板103bが電気的に接続されている。また、複数の接続端子部303は、画素アレイ302からの電気信号を読み出すための読出回路(不図示)と電気的に接続される、基板301の第1辺と隣り合う第2辺及び対向する第4辺に沿って配置された複数の第2接続端子部を含む。複数の第2接続端子部には、複数の第2フレキシブル配線基板103bが電気的に接続されている。一組の接続端子部303とフレキシブル配線基板との電気的な接続は、異方性導電フィルム等の導電性接着剤108によってなされる。
接続部201は、導電性部材200に定電位を供給するための定電位部材(詳細は後で説明)と導電性部材200とを電気的に接続するためのものである。接続部201は、図1(a)に示すように、基板301の第2辺や第4辺において第2表面307の複数の接続端子部303と対向する領域309の間を通過するように設けられている。また、接続部201は、複数の第2フレキシブル配線基板103aの間を通過するように設けられている。第2フレキシブル配線基板103aを通過する信号は、画素アレイ302によって生成された電気信号であり、第1フレキシブル配線基板103bを通過する画素アレイを駆動するための信号に比べて非常に微弱である。第2フレキシブル配線基板103a側に定電位が供給される接続部201が位置するため、微弱な電気信号が通過する第2フレキシブル配線基板103aの電磁ノイズ耐性が向上し得る。また、接続部201は、図1(a)及び図1(b)に示すように、導電性部材200と同じ材料を用いて導電性部材200の一部が引き伸ばされたような構成をとり得る。導電性部材200及び接続部201の材料としては、アルミニウムとPET(ポリエチレンテレフタレート)が積層された総厚さが0.05〜0.1mmのシート状の部材が用いられ得る。なお、導電性部材200として適用可能なシート抵抗は10000Ω/□以下である。また、接続部201は、複数設けられることが好ましく、図1(a)に示す例では、第2辺に5ヶ所、第4辺に5ヶ所の計10か所に設けられている。
次に、図3、図4(a)、及び、図4(b)を用いて、本発明の放射線検出装置全体の概略構成を説明する。図3(a)は、放射線検出装置全体の平面模式図、図4(a)は放射線検出装置全体の断面模式図であり、図3のA−A’の断面模式図であり、図4(b)は図3のB−B’の断面模式図である。
図3、図4(a)、及び、図4(b)に示されるように、放射線検出装置100は、センサパネル300、シンチレータ400、導電性部材200、第1及び第2フレキシブル配線基板103a及び103b、及び、接続部201を収容する筐体を含む。筐体は、図4に示すように、外装箱上部102a及び外装箱下部102bを含む外装箱102と、カバー101と、を含む。放射線検出装置100の放射線が照射される側となるカバー101としては、厚さが1〜1.5mmのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が好適に用いられ得る。外装箱上部102a及び外装箱下部102bには、軽量性と堅牢性を兼ね備えた厚さが1.5〜2.5mmのSUS(ステンレス鋼)が用いられ得る。ここで、SUSとは鉄(Fe)を主成分(50%以上)とし、クロム(Cr)を10.5%以上含む、合金鋼である。そのため、外装箱上部102a及び外装箱下部102bは、接地等の定電位供給により電磁シールドとして機能する。カバー101は外装箱上部102と接着固定され得る。
放射線検出装置100は、筐体内に、シンチレータ400の側から導電性部材200、画素アレイ302を備えた基板301、及び、シンチレータ400を支持する支持部材106を更に含む。支持部材106は、放射線が照射される側(シンチレータ400側)から順に配置された、放射線吸収板106aと基台106bとを含む。基台106bは、厚さが2〜3.5mmのAlで構成されており、放射線吸収板106aは、厚さが0.25〜1mmのSUSで構成されており、基台106bよりも高い放射線吸収性能を有する。支持部材106は、スペーサ104により外装箱下部102bにねじ止めなどで固定されて保持されている。シンチレータ400の保護部材402と支持部材106とは、緩衝機能を有する粘着シート403によって固定されている。粘着シート403は、緩衝機能と接着性との両立のため、総厚さが0.5〜0.75mmであることが好ましい。また、粘着シート403は、シンチレータ400の支持部材106側の表面とほぼ同じかそれより広い面積を有することが好ましい。
図4(a)に示すように、第2フレキシブル配線基板103aには、画素アレイからの電気信号を読み出すための読出回路を有する第2集積回路(IC)112aが備えられた、所謂COF(Chip On Film)が用いられ得る。第2集積回路112aは、第2プリント回路基板105aに備えられた電源回路や処理回路を有するICや、第3プリント回路基板105cに設けられた制御回路を有するICと、第3フレキシブル配線基板103cを介して電気的に接続される。第2集積回路112a、第2プリント回路基板105a、第3プリント回路基板105c、及び、第3フレキシブル配線基板103cは、支持部材106と外装箱下部102bとの間に配置され得る。それにより、これらの部材は放射線吸収板106aに対して放射線の照射される側とは反対側に配置され得る。ここで、第2集積回路112aとAlの基台106bとの間に、Alからなる第1伝熱部材109及び放熱ゴムからなる放熱部材111が配置されている。これにより、第2集積回路112aで発生された熱が基台106bに伝熱及び熱拡散され、熱集中を緩和する。また、第2集積回路112aと外装箱下部102bとの間に、Alからなる第2伝熱部材110及び放熱ゴムからなる放熱部材111が配置されている。これにより、第2集積回路112aで発生された熱が外装箱下部102bに伝熱され、外装箱下部102bを介して外部に放熱される。また、第2プリント回路基板105aはスペーサ104を介して基台106bに固定されており、第3プリント回路基板105cはスペーサ104を介して基台106b及び外装箱下部102bに固定されている。スペーサ104は、空気より熱伝導率の高い材料を用いることにより、位置規制に加えて伝熱の機能も有し得る。
また、図4(b)に示すように、第1フレキシブル配線基板103bには、画素アレイを駆動するための駆動回路を有する第1集積回路112bが備えられた、所謂COF(Chip On Film)が用いられ得る。第1集積回路112bは、第1プリント回路基板105bに備えられた電源回路を有するICと電気的に接続される。第1集積回路112b及び第1プリント回路基板105bは、支持部材106と外装箱下部102bとの間に配置され得る。それにより、これらの部材は放射線吸収板106aに対して放射線の照射される側とは反対側に配置され得る。
一方、基板301及び導電性部材200と外装箱上部102aとの間には、スペーサ113及び緩衝部材114が配置され、基板301及び導電性部材200が外装箱上部102aに対して位置規制されている。スペーサ113は、厚さが1〜2.5mmのSUSで構成されており、基台106bよりも高い放射線吸収性能を有する。放射線吸収板106aとスペーサ113により、放射線検出装置全体の放射線吸収性を確保している。
ここで、接続部201は、基台106bに電気的に接続されるように支持部材106に固定されている。支持部材106の基台106bは、スペーサ104に用いられるねじなどの金属によって電源回路の定電位部や筐体と電気に接続されて固定電位が供給されており、定電位部材として機能している。このように接続部201が基台106bと電気的に接続されることにより、導電性部材200には定電位が供給され得る。なお、供給される定電位は、接地によるグランド電位であっても、いずれかの電源回路が生成する定電位であってもよい。
次に、図5(a)〜図5(f)を用いて、放射線検出装置の製造方法における各工程を説明する。まず、図5(a)に示すように、センサパネル300の第1表面306側のパッシベーション膜310の表面に、画素アレイ302を覆うようにシンチレータ400を準備する。ここで、シンチレータ400は、画素アレイ302を覆うようにシンチレータ層401を形成し、その後シンチレータ層401と画素アレイ302の周辺のパッシベーション膜310の表面の一部を覆うように保護部材402が形成されることで、準備され得る。シンチレータ層401は、ヨウ化セシウムを真空蒸着法により堆積することにより準備された柱状結晶構造を有するアルカリハライド系のシンチレータ層が用いられ得る。保護部材402は、ホットメルト樹脂からなる接着層によってAl等の導電層をシンチレータ層401及びセンサパネル300に接着固定することにより、準備され得る。
次に、図5(b)に示すように、基板301の第2表面307側を下に向けて、シンチレータ400が備えられたセンサパネル300を圧着装置ステージ502の上に置く。そして、複数の接続端子部303と対向する領域309に受け部材501を設ける。そしてこの状態で、異方性導電フィルムを介して、ここでは第2フレキシブル配線基板103aで示すフレキシブル配線基板を圧着ヘッド500によって加熱加圧処理する。それにより、複数の接続端子部303に、導電性接着剤108介してフレキシブル配線基板が電気的に接続される。
次に、図5(c)に示すように、ここでは第2プリント回路基板で示すプリント回路基板を受け部材501で下側から支持し、異方性導電フィルムを介してフレキシブル配線基板を圧着ヘッド500によって加熱加圧処理する。それにより、フレキシブル配線基板に、導電性接着剤108介してプリント回路基板が電気的に接続される。複数の接続端子部303にフレキシブル配線基板を介してプリント回路基板を電気的に接続する工程を接続工程と称する。
次に、図5(d)に示すように、画素アレイ302、複数のフレキシブル配線基板、及び、プリント回路基板の電気特性検査を行うための検査工程を行う。検査工程において、導電性部材200は、接続部201及び固定ねじ503を介して複数のプリント回路基板の少なくとも1つに電気的に接続される。これにより、検査工程においては、導電性部材200に接続部201を介してプリント回路基板から定電位が供給され得る。そのため、検査工程においても、基板301の第2表面307側からの電磁波ノイズの影響を低減することが可能となる。それにより、検査工程をより適切に行うことが可能となり、生産性を確保することが可能となる。なお、保護部材402の導電層に同様に定電位を供給しておくことにより、さらに第1表面306側からの電磁波ノイズの影響を低減することが可能となる。
検査工程において複数のフレキシブル配線基板のいずれかに不良が発見された場合、図5(e)に示すように、不良が発見されたフレキシブル配線基板を複数の接続端子部303から取り外す。その際に、図5(e)に示すように、接続部201はプリント回路基板と電気的に非接続とされて行われる。
そして、図5(f)に示すように、接続部201を電気的に非接続としたまま、正常な再度フレキシブル回路基板を数の接続端子部303に電気的に接続する。その後、図5(c)や図5(d)で説明した接続工程及び検査工程を再度行う。このように、不良が発見された電気部品の交換を容易にすることにより、メンテナンス性を確保することが可能となる。
なお、図1(a)に示す例では、接続部201は、基板301の第2辺や第4辺において領域309の間を通過して複数の第2フレキシブル配線基板103aの間を通過するように設けられているが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、図6(a)に示すように、接続部201は、基板301の第1辺や第3辺において領域309の間を通過して複数の第1フレキシブル配線基板103bの間を通過するように設けられていてもよい。また、図1(a)に示すように、導電性部材200は、その端部が第2表面307の画素アレイ302が配置された領域の端と複数の接続端子部303と対向する領域309との間に位置するように配置されているが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、図6(b)及び図6(c)に示すように、導電性部材200は、その端部の一部が、第2表面307の複数の領域309の間に位置するように配置されていてもよい。このように配置することにより、図1(a)に示す例に比べて導電性部材200をより広い領域に配置できる。
更に、図7(a)に示すように、接続部201は、複数の第1フレキシブル配線基板同士の間、及び、複数の第2フレキシブル配線基板同士の間、の全てに配置できるように、図1(a)に示す例よりもより多くの数で設けられていてもよい。また、図1(a)に示す例では、接続部201は、導電性部材200と同じ材料を用いて導電性部材200の一部が引き伸ばされたような構成を用いたが、本発明はそれに限定されるものではない。図7(b)に示すように、接続部201は、導電性部材200とは別に設けられて導電性部材200と導電性接着剤205を介して電気的に接続されてもよい。
ここで、図8(a)〜図8(d)を用いて、センサパネル300に設けられたシンチレータ400について、より詳細に説明する。図8(a)に示すように、シンチレータ400の保護部材402は、支持層204と、防湿層405と、接着層406と、を含み得る。防湿層405は、シンチレータ層401を外部の水分等から保護する層であり、Al等の導電層が用いられ得る。この導電層に定電位を供給することにより、防湿層405は電磁シールドとして機能し得る。支持層204は防湿層405を支持する層であり、防湿層405が十分な剛性を有していれば、図8(b)に示すように必ずしも設けなくてもよい。支持層204には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が好適に用いられ得る。接着層406は、防湿層405をシンチレータ層401及びセンサパネル300に接着するための層であり、ホットメルト樹脂などが好適に用いられ得る。なお、図8(c)に示すように、接着層406は、シンチレータ層401にアルカリハライド系の材料を用いて防湿層に導電層を用いた場合には、電気化学的腐食を抑制するためにシンチレータ層401を被覆するように設けられるとよい。そうでない場合には、図8(d)に示すように、接着層406は、シンチレータ層401とは接着せずにセンサパネル300のみと接着するように設けられてもよい。
また、図9に示すように、保護部材402の導電層は、基板301の第1辺や第3辺において領域309の間を通過して複数の第1フレキシブル配線基板103bの間を通過するように設けられている。通過した保護部材402の導電層の一部が支持部材106と電気的に接続されることにより、保護部材402の導電層に定電位が供給されて電磁シールドとして機能し得る。この電磁シールド機能を強化するために、図9(b)に示すように、より多くの領域を通過させて複数の経路から保護部材402の導電層を支持部材106に電気的に接続させてもよい。
次に、図10を参照しながら放射線検出装置100を放射線検出システムに応用した例を説明する。放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、前述の放射線検出装置100に代表される放射線検出装置6040に入射する。この入射したX線には被験者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータ216は発光し、これを光電変換素子で光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され信号処理装置となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。また、この情報は電話回線6090等の伝送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示手段となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録手段となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
P 画素
200 導電性部材
301 基板
302 画素アレイ
303 接続端子部
306 第1表面
307 第2表面
309 複数の接続端子部と対向する領域
400 シンチレータ
200 導電性部材
301 基板
302 画素アレイ
303 接続端子部
306 第1表面
307 第2表面
309 複数の接続端子部と対向する領域
400 シンチレータ
Claims (16)
- 照射された放射線を可視光に変換するシンチレータと、
該シンチレータにより変換された可視光を電気信号に変換する画素が基板の第1表面に2次元アレイ状に複数配置された画素アレイと、
前記基板の前記第1表面の前記画素アレイの周辺に設けられ前記画素アレイと外部回路との電気的な接続を行うための複数の接続端子部と、
定電位が供給される導電性部材と、
を含み、
放射線が照射される側から、前記導電性部材、前記画素アレイ、前記シンチレータの順に配置され、且つ、前記シンチレータが前記第1表面側に配置されている放射線検出装置であって、
前記導電性部材は、前記基板の前記第1表面と対向する第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域を除く領域に配置されている、ことを特徴とする放射線検出装置。 - 前記導電性部材の端部は、前記第2表面の前記画素アレイが配置された領域の端と前記複数の接続端子部と対向する領域との間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
- 前記導電性部材の端部の一部が、前記第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域の間に位置する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
- 前記導電性部材に定電位を供給するための定電位部材と前記導電性部材とを電気的に接続するための接続部が、前記第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域の間を通過するように設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
- 前記複数の接続端子部は、前記基板の第1辺に沿って配置された複数の第1接続端子部と、前記基板の前記第1辺と隣り合う第2辺に沿って配置された複数の第2接続端子部と、を含み、
前記複数の第1接続端子部は前記画素アレイを駆動するための駆動回路と電気的に接続されており、
前記複数の第2接続端子部は前記画素アレイからの電気信号を読み出すための読出回路と電気的に接続されており、
前記接続部は、前記基板の前記第2辺において前記第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域の間を通過するように設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出装置。 - 前記複数の第1接続端子部に電気的に接続された複数の第1フレキシブル配線基板と、前記複数の第2接続端子部に電気的に接続された複数の第2フレキシブル配線基板と、を更に含み、
前記接続部は、前記複数の第2フレキシブル配線基板の間を通過するように設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。 - 前記シンチレータの側から前記導電性部材、前記基板、及び、前記シンチレータを支持する支持部材を更に含み、
前記定電位部材は前記支持部材である、ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の放射線検出装置。 - 前記支持部材は、基台と、前記シンチレータと前記基台との間に配置された放射線吸収板と、を含み、
前記定電位部材は前記基台である、ことを特徴とすることを特徴とする請求項7に記載の放射線検出装置。 - 前記シンチレータは、放射線を可視光に変換するシンチレータ層と、前記シンチレータ層及び前記基板の第1表面の少なくとも一部を覆って前記シンチレータ層を保護する保護部材と、を含み、
前記保護部材は、定電位が供給される導電層を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の放射線検出装置。 - 前記導電性部材、前記基板、前記シンチレータ、及び、前記支持部材を収容する筐体を更に含み、
前記基台が前記筐体とともに接地されることにより、前記導電性部材に定電位が供給される、ことを特徴とする請求項9に記載の放射線検出装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
前記放射線検出装置で得られた電気信号を処理する信号処理装置と、
を有することを特徴とする放射線検出システム。 - 照射された放射線を可視光に変換するシンチレータと、該シンチレータにより変換された可視光を電気信号に変換する画素が基板の第1表面に2次元アレイ状に複数配置された画素アレイと、前記基板の前記第1表面の前記画素アレイの周辺に設けられ前記画素アレイと外部回路との電気的な接続を行うための複数の接続端子部と、定電位が供給される導電性部材と、を含み、放射線が照射される側から、前記導電性部材、前記画素アレイ、前記シンチレータの順に配置され、且つ、前記シンチレータが前記第1表面側に配置される放射線検出装置の製造方法であって、
前記基板の前記第1表面と対向する第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域を除く領域に前記導電性部材を配置する配置工程を含む、ことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。 - 前記配置工程において、前記導電性部材に定電位を供給するための定電位部材と前記導電性部材とを電気的に接続するための接続部が、前記第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域の間を通過するように配置される、ことを特徴とする請求項12に記載の放射線検出装置の製造方法。
- 前記基板の前記第1表面と対向する第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域に受け部材を設けた状態で、異方性導電フィルムを用いた加熱加圧処理によって複数のフレキシブル配線基板を前記複数の接続端子部に接続することにより、前記複数のフレキシブル配線基板を介してプリント回路基板を電気的に接続する接続工程を更に含み、
前記基板の前記第1表面と対向する第2表面の前記複数の接続端子部と対向する領域は前記受け部材の前記基板と接する部分よりも広い、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の放射線検出装置の製造方法。 - 前記画素アレイ、前記複数のフレキシブル配線基板、及び、前記プリント回路基板の電気特性検査を行う検査工程を更に含み、
前記検査工程において、前記導電性部材は、前記接続部を介して前記複数のプリント回路基板の少なくとも1つに電気的に接続されて前記導電性部材に定電位が供給される、ことを特徴とする請求項14に記載の放射線検出装置の製造方法。 - 前記検査工程において前記複数のフレキシブル配線基板のいずれかに不良が発見された場合、前記接続部が前記複数のプリント回路基板の少なくとも1つと電気的に非接続とされて不良が発見されたフレキシブル配線基板を前記複数の接続端子部から取り外す工程を更に含む、ことを特徴とする請求項15に記載の放射線検出装置の製造方法。
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