JP2018003802A - 燃料改質システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、改質反応器における連続的な改質運転を妨げないようにできかつ混合気を供給するポンプの負荷を軽減できる燃料改質システムを提供することを目的とする。【解決手段】燃料改質システム1は、燃料を改質してアルコールを含む改質燃料を生成するものであって、酸化ガスと燃料との混合気が供給されると、改質触媒の作用下で改質反応が進行し出口から改質燃料を排出する改質反応器3と、出口から排出される改質燃料を気相と凝縮相とに分離し、気相の改質燃料を気相排出部791から排出し、凝縮相の改質燃料を凝縮相排出部792から排出する低温気液分離器79と、気相排出部791からエンジンEの吸気通路E1に至る上流蒸気配管781及び下流蒸気配管782と、エンジンEの運転状態に応じて気相排出部791から吸気通路E1への気相の改質燃料の流れを断続する流路切替弁783及びこれを制御するECU9と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素を主体とした燃料を、酸素を用いて改質してオクタン価を向上させる燃料改質システムに関する。
近年、内燃機関の熱効率のさらなる向上を目指して、内燃機関の圧縮比を高くする技術の研究が進められている。例えばガソリンエンジンにおいて圧縮比を高くすると、エンドガス(点火プラグから離れた場所における未燃混合気)が、燃焼室全体に火炎が到達する前に圧縮によって自己着火してしまう、所謂ノッキングが発生しやすくなる。したがって内燃機関の高効率化を実現するには、高圧縮比にしながらノッキングの発生を回避することが重要である。近年、数多く提案されている高圧縮比の内燃機関では、点火時期を遅らせることによってノッキングの発生を抑制するものが多い。しかしながら点火時期を遅らせると熱効率が低下するため、ノッキングの発生を抑制する技術としては十分とは言い難い。
そこで、外部から車両に給油された燃料を車両上で改質することによって内燃機関で用いる燃料のオクタン価を向上する技術が注目されている。例えば特許文献1には、ガソリンを改質しアルコールを含む改質燃料を生成する燃料改質システムであって、車両に搭載可能なものが本願出願人によって提案されている。
特許文献1に記載の燃料改質システムは、炭化水素を主体とする燃料と空気とを混合して混合気を生成する混合器と、生成された混合気を改質触媒の作用下で改質してアルコールを生成する改質反応器と、改質反応器で生成した気液混合状態の改質燃料を凝縮する凝縮器と、凝縮した改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクと、を備える。
国際公開第2015/076305号公報
上記のような改質反応器に燃料と空気を供給すると、改質反応器からはアルコールを含む液相の改質燃料とともに気相の燃料蒸気も発生する。このため、改質反応器で連続的に改質燃料を生成するためには、改質反応器に新たな混合気を導入できるように、改質によって発生した燃料蒸気を改質反応器及び改質反応器から排出される改質燃料が流れる流路によって構成される改質系内を掃気する必要がある。またこのように改質系内を掃気しなければ、改質系内の圧力が高まり、改質反応器に混合気を供給するポンプの負荷も高くなるおそれがある。しかしながら従来の燃料改質システムでは、改質系内の掃気の必要性については十分に検討されていない。
本発明は、改質反応器における連続的な改質運転を妨げないようにできかつ混合気を供給するポンプの負荷を軽減できる燃料改質システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の燃料改質システム(例えば、後述の燃料改質システム1)は、炭化水素を主体とした燃料を、酸素を用いて改質してアルコールを含む改質燃料を生成するものであって、酸化ガスと燃料との混合気が供給されると、改質触媒の作用下で改質反応が進行し出口から改質燃料を排出する改質反応器(例えば、後述の改質反応器3)と、前記出口から排出される改質燃料を気相と凝縮相とに分離し、気相の改質燃料を気相排出部(例えば、後述の気相排出部791)から排出し、凝縮相の改質燃料を凝縮相排出部(例えば、後述の凝縮相排出部792)から排出する気液分離器(例えば、後述の低温気液分離器79)と、前記気相排出部から内燃機関(例えば、後述のエンジンE)の吸気通路(例えば、後述の吸気通路E1)に至る蒸気流路(例えば、後述の上流蒸気配管781、下流蒸気配管782)と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを断続する掃気制御手段(例えば、後述のECU9及び流路切替弁783)と、を備える。
(2)この場合、前記蒸気流路は、前記気相排出部から前記吸気通路のうち吸気スロットルバルブ(例えば、後述の吸気スロットルバルブE4)の下流側に至る下流流路(例えば、後述の下流蒸気配管782)と、前記気相排出部から前記吸気通路のうち前記吸気スロットルバルブの上流側に設けられた過給機(例えば、後述の過給機E3)の上流側に至る上流流路(例えば、後述の上流蒸気配管781)と、を備え、前記掃気制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを、遮断するか又は前記上流流路及び前記下流流路の何れかで切り替えることが好ましい。
(3)この場合、前記掃気制御手段は、前記吸気通路のうち前記吸気スロットルバルブの下流側の圧力が所定圧以下であるとき、前記内燃機関でエンジンブレーキが発生しているとき、又は前記内燃機関の負荷が低い低負荷運転時には、前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを前記下流流路に設定することが好ましい。
(4)この場合、前記掃気制御手段は、前記吸気通路のうち前記吸気スロットルバルブの下流側の圧力が前記所定圧より高いとき、前記内燃機関でエンジンブレーキが発生していないとき、又は前記低負荷運転時以外のときには、前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを前記上流流路に設定することが好ましい。
(5)この場合、前記掃気制御手段は、前記内燃機関が停止しているときは前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを遮断することが好ましい。
(6)この場合、前記燃料改質システムは、前記凝縮相排出部から排出された凝縮相の改質燃料を貯蔵する改質燃料タンク(例えば、後述の改質燃料タンク71)と、前記改質燃料タンクと前記吸気通路とを接続し、当該改質燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記吸気通路へ導くタンク燃料蒸気流路(例えば、後述の第1蒸気通路771)と、前記タンク燃料蒸気流路に設けられ燃料蒸気を吸着するキャニスタ(例えば、後述のキャニスタ772)と、を備えることが好ましい。
(1)本発明では、気液分離器によって、改質反応器の出口から排出される改質燃料を凝縮相と気相とに分離し、蒸気流路によって気液分離器の気相排出部と内燃機関の吸気通路と接続する。内燃機関の吸気通路には、内燃機関の運転状態に応じて変動する負圧が発生する。そこで本発明では、掃気制御手段によって、内燃機関の運転状態に応じて蒸気流路における気相の改質燃料の流れを断続する。これにより、吸気通路に適切な大きさの負圧が発生するタイミングで、この吸気通路と大気圧より高い正圧になっている改質反応器及び気液分離器とを接続し、改質反応器及び気液分離器等からなる改質系内の気相の改質燃料を、動力を用いることなく吸気通路へ排出することができる。すなわち、本発明によれば、内燃機関の運転状態の変化に応じた適切なタイミングで改質系内を掃気できるので、改質反応器における連続的な改質運転を妨げないように新たな混合気を改質反応器に供給することができる。またこのように吸気通路で発生する負圧を利用して改質系内を掃気することにより、動力を用いることなく改質運転中の改質系内の圧力を下げることができるので、その分だけ改質反応器に混合気を供給するために用いられるポンプの負荷を軽減することができる。
(2)吸気通路に過給機が設けられる場合、吸気スロットルバルブの下流側の圧力が正圧になる場合がある。このような場合に吸気スロットルバルブの下流側と気相排出部とを接続すると、吸気通路を流れる吸気が改質系内へ逆流してしまい、改質反応器では連続的な改質運転ができなくなるばかりか、内燃機関の気筒内に導入される空気の量まで変化するおそれがある。本発明では、蒸気流路を、気液分離器の気相排出部と過給機の上流側とを接続する上流流路と、気液分離器の気相排出部と吸気スロットルバルブの下流側とを接続する下流流路とに分け、さらに掃気制御手段では、内燃機関の運転状態に応じて気相排出部から吸気通路への気相の改質燃料の流れを、遮断するか、又は上流流路及び下流流路の何れかで切り替える。これにより本発明では、常に変動する負圧の大きさや負圧の発生箇所に応じて、気相排出部と吸気通路とを適切なタイミングかつ適切な位置で接続できるので、できるだけ多くの機会で改質系内を掃気でき、ひいてはポンプの負荷をさらに軽減できる。
(3)本発明では、吸気スロットルバルブの下流側の圧力が所定圧以下であるときには、気相排出部から吸気通路への気相の改質燃料の流れを下流流路に設定する。これにより、負圧を利用して適切なタイミングで改質系内を掃気することができる。また、内燃機関でエンジンブレーキが発生しているときや、吸気スロットルバルブを閉じ側にして吸気を絞る低負荷運転時にも、吸気スロットルバルブの下流側では大気圧より低い負圧が発生するので、このような場合にも、気相の改質燃料の流れを下流流路に設定することにより、負圧を利用して適切なタイミングで改質系内を掃気することができる。
(4)本発明では、吸気スロットルバルブの下流側の圧力が所定圧より高いときには、気相排出部から吸気通路への気相の改質燃料の流れを上流流路に設定する。これにより、吸気スロットルバルブの下流側から改質系内へ吸気が逆流するのを防止しながら、過給機より上流側で発生する負圧を利用して改質系内を掃気することができる。また、内燃機関でエンジンブレーキが発生していないときや低負荷運転時でないときにも、吸気スロットルバルブの下流側で正圧が発生する場合がある。本発明では、このような場合には気相の改質燃料の流れを上流流路に設定することにより、吸気の逆流を防止しながら過給機の上流側で発生する負圧を利用して改質系内を掃気することができる。
(5)内燃機関が停止しているときは、吸気通路で負圧は発生せず、また吸気通路内に気相の改質燃料を供給しても内燃機関で燃焼することができない。本発明では、内燃機関が停止しているときには、気相排出部から吸気通路への気相の改質燃料の流れを遮断する。これにより、内燃機関で気相の改質燃料を燃焼できる適切なタイミングで改質系内を掃気することができる。
(6)本発明では、気液分離器の凝縮相排出部と改質燃料タンクとを接続し、さらにこの改質燃料タンクで発生した燃料蒸気を、キャニスタが設けられたタンク燃料蒸気流路を介して内燃機関の吸気通路に導入する。これにより、例えば掃気制御手段によって蒸気流路を遮断することにより、気液分離器の気相排出部から吸気通路へ流れなくなった気相の改質燃料の一部は、気液分離器の凝縮相排出部を介して一旦改質燃料タンクに導かれ、その後キャニスタを経て内燃機関の吸気通路に供給される。これにより、気液分離器の気相排出部から排出される気相の改質燃料を一時的に内燃機関の吸気通路へ導入できない場合であっても、これを改質燃料タンクのキャニスタを利用して処理できるので、改質反応器における連続的な改質運転を妨げないようにできる。
本発明の一実施形態に係る燃料改質システムの構成を示す図である。 未改質燃料に反応済みの改質燃料を所定の割合で混ぜて改質した場合と、未改質燃料に反応済みの改質燃料を混ぜずに改質した場合とで、最終的に得られた改質燃料の1時間当たりの酸化進行度を比較した図である。 第2蒸気処理装置によって改質運転中の改質燃料循環系内を掃気する手順を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料改質システム1の構成を示す図である。燃料改質システム1は、図示しない車両に搭載される。燃料改質システム1は、改質反応器3を備えており、炭化水素を主体とした燃料(例えば、ガソリン)と酸化ガスとしての空気を用いて改質反応器3によってアルコールやケトン等を含む改質燃料を生成し、この改質燃料を車両の動力発生源であるエンジンEに供給する。図1には、燃料改質システム1と、エンジンEと、その吸気系の構成のみ図示する。エンジンE1の吸気通路E1には、上流側から順に吸気中の異物を除去するエアフィルタが設けられたエアクリーナボックスE2と、排気のエネルギを用いて吸気を圧縮する過給機E3と、吸気の流量を制限する吸気スロットルバルブE4と、吸気スロットルバルブE4の下流側のインマニ圧を検出する圧力センサE5と、が設けられている。なお図1では、主に凝縮相の物質の経路や配管については実線の矢印で示し、主に気相の物質の経路や配管については破線の矢印で示す。
燃料改質システム1は、酸化ガスと燃料の混合気を生成する混合器2と、混合気が供給されると改質反応が進行しその出口から改質燃料を排出する改質反応器3と、混合器2に含酸素の酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置4と、混合器2に車外から給油された未改質燃料を供給する未改質燃料供給装置5と、混合器2に改質反応器3における改質反応を促進するための触媒を供給する主触媒供給装置6と、改質反応器3から排出された改質燃料を回収し再び混合器2に供給する改質燃料循環装置7と、改質反応器3から排出された改質燃料のうち主に気相のものを回収し再び混合器2に供給する気相還流装置8と、これらの電子制御ユニット(以下、「ECU」という)9と、を備える。
酸化ガス供給装置4は、メイン供給管41と、サブ供給管42と、導入経路切替弁43と、サブ空気ポンプ45と、酸化ガス処理装置46と、を備え、これらを用いて吸気通路E1を流れる吸気の一部を酸化ガスとして混合器2に供給する。
メイン供給管41は、吸気通路E1のうち過給機E3と吸気スロットルバルブE4との間と、混合器2と、を接続する配管である。吸気通路E1を流れ、過給機E3によって圧縮された吸気は、このメイン供給管41を介して混合器2へ供給される。サブ供給管42は、吸気通路E1のうち過給機E3より上流側に設けられたエアクリーナボックスE2の図示しないエアフィルタの下流側と、を接続する配管である。吸気通路E1のうち過給機E3の上流側を流れる吸気の一部は、このサブ供給管42を介して混合器2へ供給される。サブ空気ポンプ45は、サブ供給管42に設けられ、ECU9からの制御信号に応じて吸気通路E1のうち過給機E3の上流側を流れる吸気の一部を圧縮し、圧縮空気を混合器2へ供給する。吸気通路E1のうち過給機E3の上流側は過給機E3の下流側よりも低圧である。このため、過給機E3の下流側の吸気は、ポンプを用いなくても混合器2へ供給できるが、過給機E3の上流側の吸気は、上記サブ空気ポンプ45を駆動しなければ混合器2へ供給できない。なお以下では、サブ供給管42を過給機E3より上流側のエアクリーナボックスE2に接続する場合について説明するが、サブ供給管42の接続先は、エアクリーナボックスE2の上流側や吸気通路の外でもよい。
以上のように、酸化ガス供給装置4は、吸気通路E1のうち過給機E3の下流側からの吸気が流れるメイン供給管41と、吸気通路E1のうち過給機E3の上流側からの吸気が流れるサブ供給管42と、の2つの吸気導入経路が設けられている。導入経路切替弁43は、メイン供給管41のうちサブ供給管42の分岐部に設けられた三方弁である。導入経路切替弁43は、ECU9からの制御信号に応じて、上記吸気導入経路を過給機E3の下流側(メイン供給管41側)と過給機E3の上流側(サブ供給管42側)とで選択的に切り替える。すなわち、導入経路切替弁43を過給機E3の下流側に設定すると、過給機E3によって圧縮された吸気が混合器2へ供給される。また導入経路切替弁43を過給機E3の上流側に設定し、さらにサブ空気ポンプ45を駆動すると、過給機E3の上流側の吸気が混合器2へ供給される。
酸化ガス処理装置46は、メイン供給管41のうち導入経路切替弁43より下流側に設けられ、メイン供給管41を流れて混合器2に供給される空気の酸化力を強化する。より具体的には、酸化ガス処理装置46は、メイン供給管41に設けられた酸素富化膜461と、メイン供給管41のうち酸素富化膜461より下流側に設けられたオゾン発生装置462と、を備える。
酸素富化膜461は、メイン供給管41を流れる吸気(空気)中の窒素を除去し、これにより吸気の酸素濃度を上昇させる。酸素富化膜461に用いられる材料としては、シリコン膜や中空糸膜等の既知のものが用いられる。またオゾン発生装置462は、ECU9からの制御信号に応じて、メイン供給管41を流れる吸気中の酸素の一部を励起し、オゾンを発生させる。
次に酸化ガス供給装置4を用いて酸化ガスを混合器2へ供給する具体的な制御手順について説明する。上述のように酸化ガス供給装置4は、過給機E3の下流側から取得する経路と、過給機E3の上流側から取得する経路との2つの吸気導入経路を備える。ECU9は、エンジンEの運転状態に応じて導入経路切替弁43を制御し、適切な経路を選択しながら吸気を酸化ガスとして混合器2に供給する。
より具体的には、エンジンEの運転状態が過給機E3で吸気を圧縮する過給領域内である場合には、ECU9は、導入経路切替弁43を過給機E3の下流側に設定する。これにより、過給機E3によって圧縮された吸気の一部がメイン供給管41を介して混合器2に供給される。またECU9は、酸化ガスがメイン供給管41を流れて混合器2に供給されている間は、オゾン発生装置462を駆動し、酸化ガス中にオゾンを発生させる。これにより、エンジンEの運転状態が過給領域内である場合には、サブ空気ポンプ45をあえて駆動するまでもなく吸気の一部を混合器2に供給できる。
またエンジンEの運転状態が過給機E3で吸気を圧縮しない非過給領域内である場合には、ECU9は、導入経路切替弁43を過給機E3の上流側に設定するとともに、サブ空気ポンプ45をオンにする。これにより、過給機E3の上流側の吸気の一部がサブ供給管42及びメイン供給管41を介して混合器2に供給される。またECU9は、上述のように酸化ガスがメイン供給管41を流れて混合器2に供給されている間は、オゾン発生装置462を駆動し、酸化ガス中にオゾンを発生させる。これにより、エンジンEの運転状態が非過給領域内である場合であっても、サブ空気ポンプ45によって流量が調整された酸化ガスを混合器2に供給できる。
以上のように酸化ガス供給装置4によって供給される酸化ガスは、吸気又は外気を利用するものであるため、改質反応器3を一度も経ていない。従って以下では、気相還流装置8によって供給される酸化ガスと区別するため、酸化ガス供給装置4によって供給される酸化ガスを新規酸化ガスともいう。
未改質燃料供給装置5は、給油燃料タンク51と、燃料供給管52と、フィードポンプ53と、燃料供給弁54と、高圧燃料ポンプ55と、直接インジェクタ56と、を備え、これらを用いることによって改質反応器3を未だ経ていない未改質燃料を混合器2やエンジンEに供給する。
給油燃料タンク51は、炭化水素を主体とした未改質燃料(例えば、ガソリン)を貯蔵する。車外から給油される未改質燃料は、始めにこの給油燃料タンク51に供給される。燃料供給管52は、給油燃料タンク51と混合器2及びエンジンEに設けられた直接インジェクタ56とを接続する配管である。未改質燃料は、この燃料供給管52を流れ、混合器2の内部や直接インジェクタ56へ供給される。
フィードポンプ53は、ECU9からの制御信号に応じて給油燃料タンク51内に貯蔵された未改質燃料を燃料供給管52内へ圧送する。燃料供給弁54は、燃料供給管52のうち混合器2側に設けられ、ECU9からの制御信号に応じて開閉する。これにより、燃料供給弁54からは、開閉期間に応じた量の未改質燃料が混合器2内に供給される。ECU9は、改質反応器3で燃料を改質する際には、改質反応器3内における酸素と、未改質燃料や後述の反応済みの改質燃料とを合わせた燃料との比が所定の目標範囲内で維持されるようにフィードポンプ53及び燃料供給弁54を駆動し、混合器2へ供給される未改質燃料の流量を制御する。
高圧燃料ポンプ55は、エンジンEのクランクシャフトの回転を利用することによって、燃料供給弁54を介して供給された低圧の未改質燃料をさらに高圧に圧縮し、直接インジェクタ56に供給する。直接インジェクタ56は、ECU9からの制御信号に応じて開閉し、高圧燃料ポンプ55から供給された高圧燃料をエンジンEの気筒内に直接噴射する。なお、このエンジンEにおける燃料噴射制御の具体的な手順については説明を省略する。
また給油燃料タンク51には、タンク51内で発生した燃料蒸気を処理する未改質燃料蒸気処理装置57が設けられている。未改質燃料蒸気処理装置57は、給油燃料タンク51と吸気通路E1のエアクリーナボックスE2のうち上記サブ供給管42の接続部より下流側とを接続する蒸気通路571と、この蒸気通路571に設けられたキャニスタ572と、を備える。給油燃料タンク51内に貯蔵された未改質燃料から発生した燃料蒸気は、一旦キャニスタ572に吸着される。キャニスタ572に吸着された燃料蒸気は、吸気通路E1で負圧が発生するタイミングでパージされ、蒸気通路571を介して吸気通路E1に供給される。
主触媒供給装置6は、主触媒タンク61と、触媒供給管62と、触媒計量ポンプ64と、を備え、これらを用いることによって改質反応器3における改質反応を促進する改質触媒を構成する主触媒を、混合器2へ供給する。主触媒タンク61は、車外から供給される液体の主触媒を貯蔵する。なお、この主触媒の具体的な構成については、後述の助触媒の構成とともに後に詳細に説明する。触媒供給管62は、主触媒タンク61と混合器2とを接続する配管である。主触媒は、この触媒供給管62を流れ、混合器2の内部へ供給される。触媒計量ポンプ64は、ECU9からの制御信号に応じて主触媒タンク61内に貯蔵されている主触媒を計量し所定の供給圧で混合器2に供給する。ECU9は、改質反応器3に未改質燃料や酸化ガス等を供給し燃料を改質する際には、触媒計量ポンプ64を駆動することによって、混合器2に供給される燃料の流量に応じた流量で主触媒を供給する。
混合器2は、酸化ガス導入部21と未改質燃料導入部22と触媒導入部23と改質燃料導入部24とが設けられた混合容器25と、この混合容器25の内部に充填された粒子状物質又は多孔質物質(図示せず)と、混合容器25内に導入された流体を加熱するヒータ(図示せず)と、を備える。酸化ガス導入部21には、酸化ガス供給装置のメイン供給管41が接続されている。酸化ガス供給装置4又は後述の気相還流装置8によって流量が調整された含酸素のガスは、酸化ガス導入部21を介して混合容器25内に供給される。未改質燃料導入部22には未改質燃料供給装置5の燃料供給管52が接続されている。未改質燃料供給装置5によって流量が調整された未改質燃料は、未改質燃料導入部22を介して混合容器25内に供給される。触媒導入部23には主触媒供給装置6の触媒供給管62が接続されている。主触媒供給装置6によって流量が調整された主触媒は、触媒導入部23を介して混合容器25内に供給される。改質燃料導入部24には、改質燃料循環装置7の後述の改質燃料供給管75が接続されている。改質燃料循環装置7によって流量が調整された改質燃料は、改質燃料導入部24を介して混合容器25内に供給される。
また混合器2における粒子状物質としては、例えば、石英石、二酸化ケイ素、ゼオライト等が用いられる。また多孔質物質としては、例えば、ステンレスの焼結体であるポーラスステンレスや、その他のポーラス金属等が用いられる。各導入部21〜24から導入された流体が混合容器25の内部で均一に混合され、さらにこのようにして生成された混合気が改質反応器3の複数の混合気の入口へ均等の圧力で供給されるように、これら粒子状物質や多孔質物質は混合容器25内にむらなく充填されている。
各導入部21〜24を介して混合容器25内に導入される空気や未改質燃料等の流体は、ヒータによって改質反応器3における改質反応に適した温度まで昇温されるとともに、混合容器25の内部に設けられた粒子状物質又は多孔質物質によってその流れが分散、変転、転換(回転)され、均一な混合気が生成される。混合容器25の内部で生成された混合気は、混合器2に接続された改質反応器3の複数の混合気の入口へ押し出される。
改質反応器3は、混合器2によって生成された混合気の流路となる複数の反応管(図示せず)と、これら複数の反応管を収容する筒状の胴体32とを備え、胴体32の内部のうち反応管の周囲に冷媒が流れる冷媒流路が形成された多管式熱交換器である。
各反応管の入口は上述の混合器2の内部と連通している。また各反応管の内部には、改質反応を促進するための改質触媒を構成する助触媒が担持された粒子状物質又は多孔質物質が充填されている。混合器2によって各反応管の入口へ均等の圧力で押し上げられた混合気は、各反応管の内部を流れ、その出口から排出される。混合器2において空気、主触媒、未改質燃料、及び改質燃料を所定の割合で混合して形成された混合気は、各反応管31の内部を流れる過程で、改質触媒の作用下で酸素を用いた改質反応が進行し、改質燃料として気液混合の状態で出口から排出される。なお、混合器2から供給される混合気が水平方向に沿って流れるように、各反応管31は水平方向に平行に設けてもよいし、混合器2から供給される混合気がその自重に逆らって鉛直方向に沿って下方から上方へ流れるように、各反応管の出口を入口より高くしかつ鉛直方向に対して平行に設けてもよい。
胴体32のうち反応管の出口側には、外部から供給される冷媒を受け入れる冷媒導入部33が設けられ、胴体32のうち反応管の入口側には、胴体32の内部から冷媒を排出する冷媒排出部34が設けられている。冷媒導入部33及び冷媒排出部34は、エンジンを冷却するための冷却水が循環する冷却水循環回路(図示せず)に接続されている。これにより胴体32の内部には、エンジンを熱源とし、ラジエタによって温度調整された冷却水が流れる。
改質反応器3に供給する冷却水の温度は、例えば70〜110℃の範囲内であることが好ましい。冷却水の温度が70℃未満になると、各反応管内における改質反応速度を上昇させる効果が低下する。また、冷却水の温度が高くなるほど改質反応速度を上昇させる効果も上昇するが、冷却水の温度が110℃を超えるとエンジンの冷却水の使用が難しくなる。そこでECU9は、改質反応器3を用いて燃料を改質する時期であって、冷却水の温度が上記温度範囲内にある場合には、冷却水循環回路の冷却水ポンプを駆動し、改質反応器3に冷却水を循環させ、冷却水の温度が上記温度範囲外にある場合には、冷却水ポンプを停止し、冷却水の循環を停止する。これにより、反応管内における改質反応が進行して反応管内の温度が既に高温に達しているときには、冷却水は反応管を冷却するように作用し、改質反応の初期で反応管内の温度が低温の場合には、冷却水は反応管を暖めるように作用する。これにより、各反応管内の混合気の改質反応速度が向上する。
次に、主触媒及び助触媒の具体的な構成について説明する。上述の主触媒供給装置6によって混合器2を介して各反応管に供給される主触媒には、ガソリン中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させるように作用するものが用いられる。具体的には、主触媒としては、N−ヒドロキシイミド基を有するN−ヒドロキシイミド基含有化合物が用いられる。中でも、N−ヒドロキシフタルイミド(以下、「NHPI」という)やNHPI誘導体は上記作用が顕著であるため、好ましく用いられる。
また反応管31の内部に担持されている助触媒には、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに、このアルコールを上記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる能力を有するものが用いられる。具体的には、助触媒としては、遷移金属化合物が用いられる。中でも、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物が好ましく用いられる。コバルト化合物としては酢酸コバルト(II)等が用いられ、マンガン化合物としては酢酸マンガン(II)等が用いられ、銅化合物としては塩化銅(I)等が用いられる。
改質反応器の各反応管内では、以上のような主触媒及び助触媒から成る改質触媒の作用下で、以下のような改質反応が進行する。先ず、本実施形態の改質反応は、下記の反応式(1)に示すように、ガソリン中の炭化水素から水素原子が引き抜かれてアルキルラジカルが生成する水素引き抜き反応により開始される。この水素引き抜き反応は、主触媒、ラジカル及び酸素分子等の作用により進行する。
[化1]
RH → R・ …反応式(1)
[反応式(1)中、RHは炭化水素を表し、R・はアルキルラジカルを表す。]
次いで、水素引き抜き反応により生成したアルキルラジカルは、下記の反応式(2)に示すように、酸素分子と結合してアルキルペルオキシラジカルを生成する。
[化2]
R・ + O → ROO・ …反応式(2)
[反応式(2)中、Oは酸素分子を表し、ROO・はアルキルペルオキシラジカルを表す。]
次いで、反応式(2)により生成したアルキルペルオキシラジカルは、下記の反応式(3)に示すように、ガソリン中に含まれる炭化水素から水素原子を引き抜いて、アルキルヒドロペルオキシドを生成する。
[化3]
ROO・ +RH → ROOH + R・ …反応式(3)
[反応式(3)中、ROOHはアルキルヒドロペルオキシドを表す。]
次いで、反応式(3)により生成したアルキルヒドロペルオキシドは、下記の反応式(4)に示すように、助触媒の作用によりアルコールに還元される。
[化4]
ROOH → ROH …反応式(4)
[反応式(4)中、ROHはアルコールを表す。]
また反応式(3)により生成したアルキルヒドロペルオキシドは、下記の反応式(5)に示すように、助触媒又は熱の作用によりアルコキシラジカルとヒドロキシラジカルとに分解する。
[化5]
ROOH → RO・ + ・OH …反応式(5)
[反応式(5)中、RO/はアルコキシラジカルを表し、・OHはヒドロキシラジカルを表す。]
次いで、反応式(5)により生成したアルコキシラジカルは、ガソリン中に含まれる炭化水素から水素原子を引き抜いて、アルコールを生成する。
[化6]
RO・ + RH → ROH + R・ …反応式(6)
以上のようにして、ガソリン中に主体的に含まれる炭化水素が酸化改質され、アルコールに変換される。より詳しくは、ガソリン中に含まれる炭化水素は炭素数が4〜10の炭化水素であるため、これら炭化水素が、炭素数4〜10のアルコールに変換される。なお、上述のようにして生成したアルコールROHのうち、その大部分は第2級アルコールR−CHOH−R’である。
次いで、上述のようにして生成した第2級アルコールR−CHOH−R’は、下記の反応式(7)に示すように、例えばアルキルペルオキシラジカルROO・のようなアルキルラジカルと反応して、ヒドロキシアルキルラジカルR−C・OH−R’を生成する。
[化7]
R−CHOH−R’ + ROO・ → R−C・OH−R’ + ROOH
…反応式(7)
[反応式(7)中、R−CHOH−R’は第2級アルコールを表し、R−C・OH−R’はヒドロキシアルキルラジカルを表す。]
次いで、ヒドロキシアルキルラジカルR−C・OH−R’は、さらに下記の反応式(8)に示すように、例えばアルキルペルオキシラジカルROO・のようなアルキルラジカルと反応して、ケトンR−C=O−R’を生成する。
[化8]
R−C・OH−R’ + ROO・ → R−C=O−R’ +ROOH
…反応式(8)
[反応式(8)中、R−C=O−R’はケトンを表す。]
以上のようにして、本実施形態の燃料改質システム1では、外部から給油されたガソリンを、ケトンを含む高オクタン価燃料に改質することができ、燃料のオクタン価を向上できる。
改質燃料循環装置7は、改質燃料タンク71と、改質燃料回収管72と、高温気液分離器73と、凝縮器74と、低温気液分離器79と、改質燃料供給管75と、循環ポンプ76と、第1蒸気処理装置77と、第2蒸気処理装置78と、を備え、これらを用いることによって改質反応器3を含む循環経路内で改質燃料を循環させる。
高温気液分離器73は、改質反応器3の各反応管の出口に接続され、この出口から気液混合状態で排出される改質燃料を気相と凝縮相とに分離してそれぞれ別々の配管へ排出する。より具体的には、高温気液分離器73は、気相の改質燃料については気相排出部731を介して後述の気相還流装置8に供給し、凝縮相の改質燃料については凝縮相排出部732から改質燃料回収管72に排出する。なお、後述の気相還流装置8において気相の改質燃料を循環させることができない状態であり、行き場がない場合には、気相の改質燃料は、凝縮相排出部732を介して改質燃料回収管72に排出される。
改質燃料回収管72は、高温気液分離器73の凝縮相排出部732から延び改質燃料タンク71に至る配管である。改質反応器3の出口から排出され、上記高温気液分離器73を経てその凝縮相排出部732から排出される反応済みの改質燃料は、この改質燃料回収管72を介して改質燃料タンク71に供給される。
凝縮器74は、改質燃料回収管72に設けられ、車両が走行することによって発生する走行風又は図示しない電動ファンを駆動することによって発生する冷却風を利用することにより、高温気液分離器73の凝縮相排出部732から排出される反応済みの改質燃料(上述のように、主に凝縮相)を凝縮する。
低温気液分離器79は、凝縮器74から排出される改質燃料を気相と凝縮相とに分離してそれぞれ別々の配管へ排出する。より具体的には、低温気液分離器79は、気相の改質燃料については気相排出部791から後述の第2蒸気処理装置78へ排出し、凝縮相の改質燃料については凝縮相排出部792から改質燃料タンク71に供給される。なお、後述の第2蒸気処理装置78において気相の改質燃料を処理できない状態であり、行き場がない場合には、気相の改質燃料は、改質燃料回収管72を介して改質燃料タンク71に排出される。ここで凝縮相の物質には、改質反応によって生成されたアルコールや他の副生成物等が含まれ、気相の物質には、窒素、酸素、及び改質反応によって生成された他の副生成物等が含まれる。
改質燃料タンク71は、改質反応器3から排出され、上記のように高温気液分離器73、凝縮器74、及び低温気液分離器79を経た主に凝縮相の改質燃料を貯蔵する。この改質燃料タンク71には、エンジン用改質燃料供給装置711と、レベルセンサ716と、が設けられている。レベルセンサ716は、改質燃料タンク71内に貯蔵されている改質燃料の水位を検出し、検出値に応じた信号をECU9へ送信する。ECU9では、このレベルセンサ716からの検出信号を用いて改質燃料タンク71内の改質燃料の残量が把握される。
エンジン用改質燃料供給装置711は、エンジン用燃料ポンプ712と、エンジン用改質燃料供給管713と、ポートインジェクタ714と、を備える。エンジン用改質燃料供給管713は、改質燃料タンク71とポートインジェクタ714とを接続する配管である。エンジン用燃料ポンプ712は、ECU9からの制御信号に応じて、改質燃料タンク71内に貯蔵されている改質燃料を、エンジン用改質燃料供給管713を介してポートインジェクタ714へ圧送する。ポートインジェクタ714は、エンジンEの吸気ポートに設けられ、ECU9からの制御信号に応じて開閉する。これにより、ポートインジェクタ714からは、開閉期間に応じた量の改質燃料がエンジンEの吸気ポート内に供給される。なお、このエンジンEにおける燃料噴射制御の具体的な手順については説明を省略する。
改質燃料供給管75は、改質燃料タンク71から混合器2の改質燃料導入部24に至る配管である。改質燃料タンク71に回収された反応済みの改質燃料は、この改質燃料供給管75を介して混合器2に供給される。改質燃料供給管75には、この改質燃料供給管75から分岐し再び改質燃料タンク71に至るリターン管751と、この分岐部に設けられた制御弁752と、が設けられている。制御弁752は、改質燃料の流路を、混合器2側(以下、「供給側」という)とリターン管751側(以下、「リターン側」という)とで切り替える三方弁である。制御弁752は、ECU9からの制御信号に応じて、改質燃料の供給経路を供給側とリターン側とで選択的に切り替える。循環ポンプ76は、改質燃料タンク71内に設けられ、ECU9からの制御信号に応じて改質燃料タンク71内に貯蔵された改質燃料を、改質燃料供給管75を介して混合器2へ圧送する。ECU9は、後述のように改質反応速度を向上させる効果のある反応済みの改質燃料を混合器2へ供給する場合には、制御弁752を供給側にセットするとともに循環ポンプ76を駆動することにより、改質燃料タンク71から混合器2に供給される改質燃料の流量を調整する。一方、ECU9は、混合器2へ反応済みの改質燃料を供給する必要がないと判断した場合には、制御弁752をリターン側にセットし、改質燃料の混合器2への供給を停止する。
第1蒸気処理装置77は、第1蒸気通路771と、キャニスタ772と、を備え、これらを用いて改質燃料タンク71内で貯蔵された改質燃料から発生した燃料蒸気を処理する。第1蒸気通路771は、改質燃料タンク71と吸気通路E1のエアクリーナボックスE2のうち上記サブ供給管42の接続部より下流側とを接続する配管である。改質燃料タンク71に貯蔵された改質燃料から発生した燃料蒸気の多くは、第1蒸気通路771に設けられたキャニスタ772に一旦吸着される。キャニスタ772に吸着された燃料蒸気は、吸気通路E1で負圧が発生するタイミングでパージされ、第1蒸気通路771を介して吸気通路E1に供給される。
次に、以上のような改質燃料循環装置7を用いて改質反応器を経た反応済みの改質燃料を再度改質反応器に供給することの効果を検証するために行った実験とその結果について説明する。この実験では、改質反応器3を用いて所定量の未改質燃料を所定時間かけて改質し、最終的に得られた改質燃料のオクタン価の上昇速度と相関のある酸化進行度[%]を測定した。特に本実験では、上記実施形態の燃料改質システム1のように改質反応器3に未改質燃料と改質燃料と空気と主触媒とを供給した場合、すなわち、未改質燃料に所定量の反応済みの改質燃料を混ぜて改質反応器3に供給した場合の酸化進行度と、従来の燃料改質システムのように改質反応器に未改質燃料と空気と主触媒とを供給した場合、すなわち改質燃料を混ぜずに未改質燃料を改質反応器3に供給した場合の酸化進行度とを取得し、これらを比較した。
図2は、未反応済みの改質燃料に未改質燃料を所定の割合(反応済みの改質燃料を1.0とした場合、未改質燃料は0.25の割合)で混ぜて改質した場合(図2の右側)、より具体的には目標オクタン価の改質燃料に未改質燃料を約17%の割合で混ぜた場合と、未改質燃料に反応済みの改質燃料を混ぜずに改質した場合(図2の左側)とで、最終的に得られた改質燃料の1時間当たりの酸化進行度を比較した図である。
図2に示すように、未改質燃料に反応済みの改質燃料を混ぜて改質反応器に供給した場合、これらを混ぜずに未改質燃料のみを改質反応器に供給した場合と比較して1時間当たりの酸化進行度が上昇する。すなわち、酸素を用いた改質反応を利用して燃料を改質する場合、反応済みの改質燃料には改質反応器における改質反応速度を上昇させ、速やかにオクタン価を上昇させる効果がある。これは、反応済みの改質燃料には極性があり、このため反応速度が向上するものと考えられる。またこのような極性のある改質燃料を供給すると、混合気中の主触媒の溶解度が上昇し、これによって混合気の主触媒の濃度が高くなるので、このような理由によっても反応速度が向上すると考えられる。
図1に戻って、第2蒸気処理装置78は、上流蒸気配管781と、下流蒸気配管782と、流路切替弁783と、を備え、低温気液分離器79の気相排出部791から排出された気相の改質燃料であって、主として改質反応器3で改質運転を連続的に行うことによって発生する燃料蒸気をエンジンEの吸気通路E1内に供給する。
上流蒸気配管781は、気相排出部791と吸気通路E1のうち過給機E3の上流側とを接続する配管である。気相排出部791から過給機E3の上流側に至る燃料蒸気の上流流路は、この上流蒸気配管781によって構成される。下流蒸気配管782は、上流蒸気配管781から分岐し、吸気通路E1のうち吸気スロットルバルブE4の下流側に至る配管である。気相排出部791から吸気スロットルバルブE4の下流側に至る燃料蒸気の下流流路は、この上流蒸気配管781と下流蒸気配管782とを組み合わせて構成される。
流路切替弁783は、上流蒸気配管781のうち下流蒸気配管782の分岐部に設けられた三方弁であり、ECU9からの制御信号に応じて、気相排出部791から吸気通路E1への燃料蒸気の流れを、遮断するか、又は上流流路及び下流流路の何れかで切り替える。ここで、吸気通路E1内で負圧が発生している間に流路切替弁783によって燃料蒸気の流れを上流流路又は下流流路の何れかに設定すると、吸気通路E1側の負圧の作用によって気相排出部791を介して気相の改質燃料が吸気通路E1内に導入され、エンジンEにおける燃焼に供される。これにより、混合器2、改質反応器3、及び改質燃料循環装置7によって構成される改質燃料循環系内における気相の改質ガスの排出、すなわち改質燃料循環系内の掃気が促進される。また流路切替弁783によって燃料蒸気の流れを遮断すると、上述のように行き場を失った気相の改質燃料は、改質燃料改質管72を介して改質燃料タンク71に排出され、第1蒸気処理装置77によってキャニスタ772に吸着された後、吸気通路E1で負圧が発生するタイミングで吸気通路E1に供給される。したがって、本実施形態における掃気制御手段は、流路切替弁783及びこれ制御するECU9によって構成される。この第2蒸気処理装置78によって蒸気改質燃料循環系内を掃気する具体的な手順については、後に図3を参照して説明する。
ECU9は、改質反応器3で改質運転を行っており、このため低温気液分離器79の気相排出部791から燃料蒸気が排出される可能性がある間は、エンジンEの運転状態に応じて流路切替弁783を制御する。より具体的には、エンジンEの運転状態が非過給領域内である場合には、ECU9は、流路切替弁783を下流流路に設定する。これにより、気相排出部741から排出される燃料蒸気は、非過給領域であって吸気通路E1の中で比較的大きな負圧が発生する吸気スロットルバルブE4の下流側へ導入され、エンジンEにおける燃焼に供される。またエンジンEの運転状態が過給領域内である場合には、ECU9は、流路切替弁783を上流流路に設定する。これにより、気相排出部741から排出される燃料蒸気は、過給領域であって吸気通路E1の中で比較的大きな負圧が発生する過給機E3の上流側へ導入され、エンジンEにおける燃焼に供される。
またエンジンEの運転状態が過給領域及び非過給領域の何れにも属さない場合、すなわちアイドルストップによってエンジンEが停止している場合や、例えば図示しない走行モータによって走行していることによってエンジンEが停止している場合等、何等かの理由によりエンジンEが停止している場合、吸気通路E1内では負圧は発生しない。したがってエンジンEが停止している時は、ECU9は、流路切替弁783を遮断側に設定する。これにより、気相排出部741から排出される燃料蒸気は、吸気通路E1内へ供給できず行き場を失うことになる。しかしながらこのような場合であっても、本実施形態の燃料改質システム1によれば、以下で説明する気相還流装置8を用いれば、行き場を失った燃料蒸気を再び混合器2に還流できるので、燃料蒸気を適切に処理しながら改質反応器3における改質運転を停止する必要がない。
なお、例えば流路切替弁783を遮断側に設定している間であって、かつ後述の気相還流装置8によって燃料蒸気を還流できない場合には、この燃料蒸気は、低温気液分離器79の凝縮相排出部792を介して改質燃料タンク71に流れ込むことになる。しかしながら改質燃料タンク71内に流れ込んだ燃料蒸気は、上述の第1蒸気処理装置77によってキャニスタ772を介して適切なタイミングで吸気通路E1内に供給されるため、流路切替弁783を遮断側に設定しても、改質反応器3における改質運転を継続することができる。
気相還流装置8は、気相還流管81と、気相還流ポンプ82と、酸化ガス切替弁83と、を備え、これらを用いることによって、高温気液分離器73の気相排出部731から排出された気相の改質燃料の少なくとも一部を混合器2へ供給する。ここで、改質反応器3に混合気を供給すると、改質反応器3からは気液混合状態の改質燃料が排出される。そしてこの改質燃料を高温気液分離器73で分離することによって得られる気相の改質燃料には、燃料蒸気だけでなく混合気が改質反応器3を通過する過程で改質反応に供されなかった未反応の酸素が少なからず含まれている。気相還流装置8は、この高温気液分離器73によって得られた含酸素の気相の改質燃料の少なくとも一部を、再び改質反応器3における改質反応に供すべく酸化ガスとして混合器2へ供給する。以下では、気相還流装置8によって混合器2に供給される酸化ガスを、酸化ガス供給装置4によって供給される新規酸化ガスと区別するため、還流酸化ガスともいう。
気相還流管81は、気相排出部731から延び、酸化ガス供給装置4のメイン供給管41のうち酸化ガス処理装置46と混合器2との間に接続された配管である。気相排出部731から排出された還流酸化ガスは、この気相還流管81を介して混合器2に供給される。気相還流ポンプ82は、気相還流管81に設けられ、ECU9からの制御信号に応じて気相排出部731から排出される気相の改質燃料を圧縮し、還流酸化ガスとして混合器2へ供給する。このように、改質反応器3で改質運転を継続しながら気相還流装置8を用いて還流酸化ガスを混合器2に供給することにより、低温気液分離器79の気相排出部791から排出され、第2蒸気処理装置78で処理すべき燃料蒸気の量を0にするか又は減らすことができる。
酸化ガス切替弁83は、気相還流管81とメイン供給管41との接続部に設けられた三方弁であり、ECU9からの制御信号に応じて、混合器2に至る酸化ガスの流路の接続先を酸化ガス供給装置4と気相還流装置8とで選択的に切り替える。すなわち、酸化ガス切替弁83によって混合器2と酸化ガス供給装置4とを接続すると、酸化ガス供給装置4から混合器2へ新規酸化ガスの供給が可能となり、酸化ガス切替弁83によって混合器2と気相還流装置8とを接続すると、気相還流装置8から混合器2へ還流酸化ガスの供給が可能となる。
次に酸化ガス供給装置4及び気相還流装置8を用いて酸化ガスを混合器2へ供給する具体的な制御手順について説明する。上述のように酸化ガス供給装置4を用いて新規酸化ガスを供給すると、改質反応器3には酸化ガス処理装置46によって酸化力が強化された酸化ガスが供給されるので、改質反応器3における改質反応速度を向上できる効果があるものの、改質運転に伴って発生した燃料蒸気を第2蒸気処理装置78で処理しなければならない。これに対し、気相還流装置8を用いて還流酸化ガスを混合器2へ供給すると、改質反応器3には未反応の酸素しか供給されないので、改質反応器3における改質反応速度を向上する効果は低いものの、第2蒸気処理装置78における燃料蒸気の処理負担を軽減できる。
そこで、ECU9は、エンジンEの運転状態に応じて酸化ガス切替弁83を切り替えることにより、酸化ガス供給装置4からの新規酸化ガスの混合器2への供給量と気相還流装置8からの酸化ガスの混合器2への供給量を制御する。
より具体的には、ECU9は、アイドリングストップによってエンジンEが停止している場合、換言すれば後に説明するように第2蒸気処理装置78の流路切替弁783が遮断側に設定され(後述の図3のS3参照)、第2蒸気処理装置78で燃料蒸気を処理できない場合には、酸化ガス切替弁83を気相還流装置8側に設定し、酸化ガス供給装置4からの新規酸化ガスの供給量を減少させるとともに気相還流装置8からの還流酸化ガスの供給量を増加させる。これにより、改質反応器3における改質運転を継続しながら第2蒸気処理装置78における負担を軽減することができる。
またECU9は、エンジンEが作動している場合、換言すれば後に説明するように第2蒸気処理装置78の流路切替弁783が上流流路側又は下流流路側に設定され(後述の図3のS5,S6参照)、第2蒸気処理装置78で燃料蒸気を処理できる場合には、酸化ガス切替弁83を酸化ガス供給装置4側に設定し、気相還流装置8からの還流酸化ガスの供給量を減少させるとともに酸化ガス供給装置4からの新規酸化ガスの供給量を増加させる。これにより、改質反応器3における改質反応速度を向上しつつ、これによって発生した燃料蒸気を第2蒸気処理装置78で適切に処理できる。
ECU9は、センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、各種データや各種プログラムを記憶するRAMやROM、各種プログラムを実行するCPU、並びにこの処理の下で決定した態様で酸化ガス供給装置4、未改質燃料供給装置5、主触媒供給装置6、改質燃料循環装置7、及び気相還流装置8等を構成する各種デバイスを駆動する駆動回路等で構成されるマイクロコンピュータである。ここで、ECU9において実行されるプログラムとしては、酸化ガス供給装置4による新規酸化ガス供給量と未改質燃料供給装置5による未改質燃料供給量と主触媒供給装置6による主触媒供給量と改質燃料循環装置7による改質燃料供給量と気相還流装置8による還流酸化ガス供給量とを制御するプログラムや、第2燃料蒸気装置78によって燃料蒸気を処理(すなわち、第2燃料蒸気装置78によって改質燃料循環系内を掃気)するプログラム(後述の図3のプログラム参照)や、混合器2によって混合気を生成するタイミングに合わせてそのヒータを駆動するプログラムや、改質反応器3で混合気を改質するタイミングに合わせてその冷却水ポンプを駆動するプログラム等、がある。
図3は、第2蒸気処理装置によって改質運転中の改質燃料循環系内を掃気する手順を示すフローチャートである。図3の処理は、イグニッションスイッチがオンにされている間、ECUにおいて所定の周期毎に実行される。
始めにS1では、ECUは、現在改質運転中であるか否かを判定する。より具体的には、混合器に酸化ガス、燃料、主触媒等を供給し、改質反応器で改質燃料を生成しているか否かを判定する。S1の判定がYESである場合、ECUは、改質燃料循環系内を適宜掃気する必要があると判断し、S2に移る。
S2では、ECUは、エンジンが停止しているか否かを判定する。S2の判定がYESである場合、ECUは、吸気通路内では負圧が発生しえず、第2蒸気処理装置では燃料蒸気を処理できないと判断し、流路切替弁を遮断側に設定し(S3参照)、この処理を終了する。なお、流路切替弁を遮断側に設定することにより、低温気液分離器の気相排出部からは気相の改質燃料を排出できなくなる。しかしながらこの場合であっても、改質燃料循環系内の気相の改質燃料は、第1蒸気処理装置によって処理されるか、又は気相還流装置によって再度改質反応器における改質反応に用いられる。したがって、流路切替弁を遮断側に設定したとしても、直ちに改質運転を停止する必要はない。
S2の判定がNOである場合、ECUは、燃料蒸気の適切な供給経路を決定すべくS4に移る。S4では、ECUは、圧力センサの出力信号を用いることによって、吸気通路のうち吸気スロットルバルブの下流側のインマニ圧が、大気圧より低い所定圧以下であるか否かを判定する。なお、このインマニ圧は、エンジンでエンジンブレーキが発生しているときや、エンジンの負荷が低い低負荷運転時等において大気圧より低くなる。したがって、S4では、インマニ圧を圧力センサで直接検出する代わりに、エンジンブレーキが発生しているか否か、又は低負荷運転時であるか否か、を判定するようにしてもよい。
S4の判定がYESである場合、すなわち吸気スロットルバルブで大きな負圧が発生しているときには、ECUは、流路切替弁を下流流路に設定し(S5参照)、吸気通路で発生する負圧を利用して、低温気液分離器の気相排出部から排出される気相の改質燃料を、吸気スロットルバルブの下流側に供給する。一方、S4の判定がNOである場合には、ECUは、過給機によって吸気が圧縮されている可能性があると判断し、流路切替弁を上流流路に設定し(S6参照)、吸気通路で発生する負圧を利用して、低温気液分離器の気相排出部から排出される気相の改質燃料を、過給機の上流側に供給する。
またS1の判定がYESである場合には、ECUは、改質運転が行われておらず、改質燃料循環系内を掃気する必要がないと判断し、流路切替弁を遮断側に設定し(S3参照)、この処理を終了する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。
例えば上記実施形態では、主触媒を未改質燃料とともに混合器へ供給する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば主触媒は、助触媒と同様に、改質反応器の反応管内に充填された粒子状物質又は多孔質物質に担持させてもよい。
1…燃料改質システム
3…改質反応器
7…改質燃料循環装置
71…改質燃料タンク
74…凝縮器
77…第1蒸気処理装置
771…第1蒸気通路(タンク燃料蒸気流路)
772…キャニスタ
78…第2蒸気処理装置
781…上流蒸気配管(上流流路)
782…下流蒸気配管(下流流路)
783…流路切替弁(掃気制御手段)
79…低温気液分離器(気液分離器)
791…気相排出部
792…凝縮相排出部
9…ECU(掃気制御手段)
E…エンジン(内燃機関)
E1…吸気通路
E3…過給機

Claims (6)

  1. 炭化水素を主体とした燃料を、酸素を用いて改質してアルコールを含む改質燃料を生成する燃料改質システムであって、
    酸化ガスと燃料との混合気が供給されると、改質触媒の作用下で改質反応が進行し出口から改質燃料を排出する改質反応器と、
    前記出口から排出される改質燃料を気相と凝縮相とに分離し、気相の改質燃料を気相排出部から排出し、凝縮相の改質燃料を凝縮相排出部から排出する気液分離器と、
    前記気相排出部から内燃機関の吸気通路に至る蒸気流路と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを断続する掃気制御手段と、を備えることを特徴とする燃料改質システム。
  2. 前記蒸気流路は、前記気相排出部から前記吸気通路のうち吸気スロットルバルブの下流側に至る下流流路と、前記気相排出部から前記吸気通路のうち前記吸気スロットルバルブの上流側に設けられた過給機の上流側に至る上流流路と、を備え、
    前記掃気制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを、遮断するか又は前記上流流路及び前記下流流路の何れかで切り替えることを特徴とする請求項1に記載の燃料改質システム。
  3. 前記掃気制御手段は、前記吸気通路のうち前記吸気スロットルバルブの下流側の圧力が所定圧以下であるとき、前記内燃機関でエンジンブレーキが発生しているとき、又は前記内燃機関の負荷が低い低負荷運転時には、前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを前記下流流路に設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料改質システム。
  4. 前記掃気制御手段は、前記吸気通路のうち前記吸気スロットルバルブの下流側の圧力が前記所定圧より高いとき、前記内燃機関でエンジンブレーキが発生していないとき、又は前記低負荷運転時以外のときには、前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを前記上流流路に設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料改質システム。
  5. 前記掃気制御手段は、前記内燃機関が停止しているときは前記気相排出部から前記吸気通路への気相の改質燃料の流れを遮断することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の燃料改質システム。
  6. 前記凝縮相排出部から排出された凝縮相の改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクと、
    前記改質燃料タンクと前記吸気通路とを接続し、当該改質燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記吸気通路へ導くタンク燃料蒸気流路と、
    前記タンク燃料蒸気流路に設けられ燃料蒸気を吸着するキャニスタと、を備えることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の燃料改質システム。
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